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【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.368)

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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鳴門線朝ラッシュの賦
 投稿者---和寒氏(2003/11/19 09:24:57)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/
−つまるところは「大量輸送機関」の安心感が
 └鳴門方面へのTDMの主役はバスだが...
  └御教示ありがとうございました
  └地味ながら意義深い実験が

 先日ちょっとしたきっかけがあり、鳴門線に乗る機会があった。その時の様子を、利用者数の計測に写真を交えつつ、記しておくことにする。(なお本稿は拙HP「以久科鉄道志学館」とのマルチ投稿である)

 鳴門駅はなかなか広闊な造作である。駅前の立派な椰子の木は、温暖の地に立つという印象を際立たせる。今年は残暑が厳しく、陽射しに映える風景ではあった。

鳴門駅
鳴門駅(和寒様御提供)

 鳴門7時32分発の徳島行に乗車する。改札口を抜けていく利用者を遠目に数えてみると、およそ180名が乗車したようだ。ただし、この中には筆者を含む「特需」も30〜40名程度あり、日常的な利用者は残り140〜150名、うち通学と通勤が半々というところだろうか。列車は47系3連で、鳴門線内は先頭1両がドア扱いしない輸送力列車となっている。

鳴門で出発を待つ鳴門線列車(和寒様御提供) 鳴門で出発を待つ鳴門線列車 池谷にて(和寒様御提供)
 先頭車の一席から、各駅での乗車数をながめてみる(降車数は各駅とも確認できず)。撫養では15名、金比羅前では20名、教会前では14名、立道では12名の乗車があった。各駅とも利用者数は決して少なくないものの、目立つほど多くの乗車があるわけでもない様相である。始発鳴門での乗車がなければ、バスでさばける程度の需要でしかない。阿波大谷では4名乗車と、ここでの利用者数は突出して少なかった。
池谷にて

 高徳線と合流する池谷のホームには多数の高校生が列車を待っていた。この多くは鳴門方面への通学のようで、実際の乗車は15名程度にとどまった。  勝瑞ではおよそ60名のまとまった乗車があった。その一方で、多数の高校生が降車していった。これは駅至近の徳島北高校に通う学生のようだ。次の吉成でも50名程度の乗車があり、また高校生の降車が見られた。
 吉野川を長い鉄橋で渡っていく。眺望にすぐれたこの区間が最も混雑しており、車内は下の写真のような様子。混んではいても、クロスシート車特有の現象ともいえる。居心地悪いほどの混雑ではないし、また乗車時間も長くはない。

最混雑区間の車内(和寒様御提供)
最混雑区間の車内

 高架区間の佐古では 100名近い多数の降車があり、乗車も30名ほど見られた。もう次は終点の徳島、短い旅程はあっけなく終わった。

徳島駅(和寒様御提供)  同列車の乗降バランスを瞥見する限りでは、徳島都市圏の流動はコンパクトで、吉野川という自然の障壁を超えるためだけに鉄道が利用されている可能性が大きい、などの状況がうかがえる。逆にいえば、吉野川に多くの橋が架かっていれば、鉄道など見向きもされない懸念さえあると考えられる。
 実際のところ、鳴門−徳島間には徳島バスがかなりの高頻度で運行されている(徳島着基準で毎時4本以上)。その一方、鳴門線の運行は毎時1本程度にすぎない。即ち、鳴門−徳島間の移動はバスが基幹であり、鉄道がバスを補完していると見ることも可能であるし、むしろそう理解する方が正しい。
 鉄道はその大きな器を持て余しているのか、それともラッシュ時に特化した巧い「使いこなし」が可能なのか。地方での公共交通を考えるうえで、興味深い題材の一つであろう。

つまるところは「大量輸送機関」の安心感が…
 投稿者---551planning(2003/11/19 11:24:06)

 拝読して、なるほど中量板に挙げられたという意図をなんとなく感じるところですが、とりあえず所感までに。

 当方自身は今年の冬に2度目の鳴門線乗車をしていますが(さぬきびサミットの折、かつ和寒様とも同乗致しましたか)、このときは土曜の昼前、2連のキハ47には記憶の限りに始発段階でバス1台に余るほどの乗車があったかなと。鳴門線内は元私鉄の名残からか駅間が短くて、各駅でちょこちょこと乗車があり、池谷ではそれなりに各ボックスに人が居るか居ないか、という感じだったかと記憶しています。その結構前の初乗のときには下校時刻とぶつかったため、往復ともに「黒服軍団」のイメージがありました。

さぬきび交通サミット2003備忘録 ../report/041.html

 和寒様の今回の乗車時期は判りませんが(残暑という事で9月くらい?かと)、時間帯から見ても輸送力列車となっているようですが、総量的にはさらに加えて地方では活発な朝連等の通学生等の上澄み分もあるのかもしれませんね。

 同列車の乗降バランスを瞥見する限りでは、徳島都市圏の流動はコンパクトで、吉野川という自然の障壁を超えるためだけに鉄道が利用されている可能性が大きい、などの状況がうかがえる。逆にいえば、吉野川に多くの橋が架かっていれば、鉄道など見向きもされない懸念さえあると考えられる。
 実際のところ、鳴門−徳島間には徳島バスがかなりの高頻度で運行されている(徳島着基準で毎時4本以上)。その一方、鳴門線の運行は毎時1本程度にすぎない。即ち、鳴門−徳島間の移動はバスが基幹であり、鉄道がバスを補完していると見ることも可能であるし、むしろそう理解する方が正しい。

 ひとつには並行道路となるR11と比して鉄道が大回りになっている事もあって、バスとしての都市間競争力が保てるというところがあろうかと思います。他方徳島バスの主力も中型車ということで、輸送力という点では心もとないところもありましょう。道路需要が主要道に集中しがちな徳島市内の慢性的渋滞も耳にしたことがありますので、徳島線含め都市間における鉄道輸送の可能性はまだまだ余地多しというところなのでしょう(かつて配置されていた小型車キハ32が嫌われて、旧型車置き換え含みで大型車1000系が積極的に導入された話しも記憶にあります)が、道路整備の進展により苦しくなってきていることには変わりないようです。

徳島地区渋滞対策推進協議会 http://www.tokushima-tdm.jp/

 鉄道はその大きな器を持て余しているのか、それともラッシュ時に特化した巧い「使いこなし」が可能なのか。地方での公共交通を考えるうえで、興味深い題材の一つであろう。

 こと鳴門線についてはすわ廃止かといった話を聞かないところ、結果的に自動車との役割分担に落ち着いているという感じがしますが、さて広い目で見てラッシュ時特化型での活路が長続きするのかというところには、特に少子高齢化の進展が著しくなる地方においては総じて難しかろうという印象を受けます。その意味ではかつて客車列車をも保有して通学需要に対応していた樽見鉄道で(主力である貨物需要の縮減化という経過こそあれ)廃止問題が浮上している事がふと浮かびましたが、一方で先の常設板における身延線議論ではないですが、では代替となるであろうバスの輸送力・経営維持規模との兼ね合いも簡単に答えが出ないところでもあり、個々のロケーション含めての考察が必要なところとはいえ、なんともはやな印象を受けます。

長距離客をとるか日常最利用客をとるか、「のぞましい」ダイヤ編成とは ../traffic/log127.html

鳴門方面へのTDMの主役はバスだが...
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/11/19 13:06:17) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 実は8月に高松→松茂BT→高速舞子というルートで再訪しており、いろいろ見どころも多かったので書きこもうと思いつつ果たせないでいたエリアでもあります。

 それはさておき、鳴門市街から徳島への公共交通はR28(旧R11)を行き、広島ランプでR11に合流するルートがメインのようです。鳴門近辺からは高松道・神戸淡路鳴門道の鳴門ICに接続するR11バイパスとの二本建てで、鳴門ICを利用する高速バスはR11を通り、途中松茂BTに立ち寄るわけです。
 ただ道路状況も必ずしも良くなく、鳴門市街から見ると旧吉野川、今切川、吉野川と3つの河川が徳島市街との間に横たわっており、R11バイパスとR28は今切川の手前の松茂町広島で合流してしまいます。

 自然地形によるフリンジといえる広島に、これまた教科書的にP&Rを徳島地区渋滞対策推進協議会と徳島河川国道事務所が設置しており、堤防下のR28と橋梁のR11という高低差を活かした屋根付き駐車場を確保しています。ちなみに利用は一定の条件を満たしたバスの定期又は回数券購入者に限定されており、申請により無料で専用のパスカード(入退場に必要。非接触型カード!)が貸与されるシステムです。
 規模は100台(他に駐輪場160台)とささやかですが、バス利用と完全にリンクさせたスタイルはかなり先端的です。

 こうしたバスを活用したTDMと鳴門線は並立し得るのか。協議会ではパークアンドレイルライドも推奨していますが、鳴門方面からの受け皿として考えているかどうか。
 そう考えたとき、鳴門線の存在価値は、鳴門、撫養からは高松方面および勝瑞、吉成への流動、また金比羅前、教会前といったR28から離れたエリアの対徳島という区間利用対応。また運転的には高徳線池谷、勝瑞−徳島の区間運行代わりとも言えるかもしれません。

***
 気になる点としては、まず、勝瑞が徳島北郊ではそれなりに重きがあるのでは、ということ。
 和寒さんのルポでは高校生の利用のほか、徳島への通勤輸送とおぼしき流動が目立っているわけですが、高徳線のダイヤを見ますと、特急「うずしお」が停車しており、しかも鳴門線との分岐で鳴門方面からの利用も見込まれる池谷と選択停車になっています。
 時間帯によっては鳴門方面からの利用も勝瑞まで区間外乗車のうえ乗り換えるようになっており(「飛び出し乗車」特例の対象区間)、単なる中間駅というわけでもなさそうです。
 ゆえに、鳴門線内から勝瑞への利用、また勝瑞から徳島への利用と言うような区間利用の集大成として鳴門線列車の存在意義が出てくるのかもしれません。

 あとは対高松流動の行方です。
 高徳線への乗り継ぎについて、上述の通り時間帯によっては勝瑞まで往復させられるということは、勝瑞の重要性と共に、鳴門線内から高松方面への流動の軽さもうかがえます。
 一方でバスを見ますと、「高徳エクスプレス」が松茂BT、鳴門IC北、鳴門西BSで客扱いをしていますが、鳴門市街に近いのは高速鳴門BSであり、そこは本州方面専用なので、対高松では使えません。
 かつて高松道がなかった時代には市街を通るR11でそのまま海岸線沿いに高松に向かうわけで、鳴門は街道筋だったのですが、現在は対高松の公共交通として鳴門線もバスも機能しているのか、気になるところです。
 もちろんクルマと言うことでしょうが、他都市でのバスや鉄道の利用具合と比較して、今一つの利便性と合わせても気になるところです。

御教示ありがとうございました
 投稿者---和寒氏(2003/12/10 12:20:37) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 御教示頂きましてありがとうございました。原文の平板な部分が補われ、立体的俯瞰的な情報が得られたと思います。
 原文はライト感覚を催すような意図で書いたものですから、味を損ねない程度に記述を補っておきたいと思います。

地味ながら意義深い実験が
 投稿者---551planning(2004/01/28 23:18:29)

 横レス&聊か煽りがてらに。

 実は8月に高松→松茂BT→高速舞子というルートで再訪しており、いろいろ見どころも多かったので書きこもうと思いつつ果たせないでいたエリアでもあります。

 魅力的なルート・内容です。是非道路板のにっぽん高速バスターミナル探訪に特別寄稿として賜りたく!

にっぽん高速バスターミナル探訪 ../db/bt/report001.html

 さて、さぬきびオフから早1年、参加者の多くが感心した…というかある種度肝を抜かれた高速鳴門BTですが、現在こんな実験が行われているそうで。

高速利用者に好評 鳴門市バス停移動、実験運行2週間(04/01/27徳島)http://www.topics.or.jp/News/…
鳴門市営バス実験運行のお知らせ http://www.city.naruto.tokushima.jp/Itwn/Gyousei/Contents.asp?qSerialNO=1345

さぬきび交通サミット2003備忘録 ../report/041.html

 前述のさぬきびリポートでも言及していますが、高速鳴門BTは高速道路が小鳴門海峡越えで丘上とも云うべき高所を貫く構造のために、丘下にある観光センター兼発券所まで簡易モノレール「すろっぴー」で連絡、目の前の県道には鳴門市営バスと徳島バスの路線が走っていますが停留所すらもバラバラという関係にあり、JR鳴門駅とも微妙に離れている市街の外れという中途半端なロケーションにあります。
 鳴門市営バスはJR鳴門駅を拠点に路線展開していますが、これを観光センター付近まで持ってきているというのが今回の社会実験です…ちなみに付近には鳴門競艇があることから、運用面で苦労するという事はあまり無いかもしれませんし、更に云えば徳島バスにいたってはほど近くに車庫もありますから、最初から出来なくは無かったのでは…とも思ってしまったりもします。
 むしろ、当方最初に記事タイトルを見て期待したのが、京阪神からの降車バス停の横に、ホテル等の送迎車が入ってこられるような構造にはなっているため、路線バスも中型くらいなら入れなくはないけど…という事だったのですが、さすがにそこまではやっていない様子、かつ特段観光センター前に停留所を設けているわけでもなさそうなのはちょいと残念でもありました。

 ともあれ、『近くの量販店を訪れるため利用した客もいる』と記事にあるように周辺はショッピングセンターを軸に雑多ながら集客施設が集まりつつある状況だったと認識していますので、今後もやって損は無いとは思うのですが…。

〔LRT計画〕京都市が7路線を具体的検討へ
 投稿者---551planning(2003/11/21 10:44:09)
〔LRT計画〕京都市が7路線を具体的検討へ
└まずは「値安い」循環バスが都大路を変えるか
 └「値安い」循環バス、運行延期だそうで
  └「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か
   └Re:「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か
    └Re:「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か

 京都のLRT計画については【検証:】でも実現可能性の高いものとして以前議論していたところですが、昨年度から新規公共交通体系を研究している京都市が具体的に7路線を挙げて2年間の調査を実施する事になったようです。

LRTの7路線 実用化検討 京都市 2年かけ費用など調査(03/11/20京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…<

 市長曰く『観光客の支援や交通拠点間の連絡強化の観点から7路線を選んだ』ということですが下記の通りです。

(1) 京都駅−四条河原町・三条京阪
(2) 京都駅−東大路通−銀閣寺・元田中
(3) 北野白梅町−銀閣寺
(4) 五条通−河原町通−御池通−堀川通
(5) 四条大宮−四条河原町
(6) 堀川今出川−京都駅
(7) 東大路通−北大路通−西大路通−九条通。

 詳細が分からないところですが、(3)については今出川通りへの導入を考える団体もありますし、(1)や(4)は【検証:】で具体的に可能性ありでは?としたところです。
 京都は御承知の通り歴史的背景や日本の路面電車発祥の地ということもあって、行政のみならず各種団体の活動が活発なところ、特にLRTに拘らないいろいろな交通・街づくりを模索しているところは大いに参考になるものと考えます。まぁ以前にも議論しているのですが、「線を引くのが目的でない」ことを先ず念頭に入れつつ、先ずは御紹介がてら、今後の調査経過を見守っていきたいところです。

今出川通りに路面電車を走らせる実行委員会(今電会) http://www.geocities.co.jp/WallStreet/6241/imaden.html

〔LRT〕京都もLRT導入案 log315.html#5
〔LRT〕京都市が本腰入れて調査へ  log335.html#2

まずは「値安い」循環バスが都大路を変えるか
 投稿者---551planning(2003/12/20 16:25:44)

 自己レス御容赦。
 一昨年の夏にその構想が発表されて以来、個人的にもその動向を注目していた、あの取り組みが3年越しに遂に具現化するようです。

エムケイの路線バスに“GO” 京都市中心部の運行認可(03/12/20京都)http://headlines.yahoo.co.jp/…
MK路線バス事業認可 http://www.mk-group.co.jp/bus/ninka.htm

〔タクシー〕天下を取るのは…
京都市街地内交通私的俯瞰
../traffic/log027.html#4
log335.html#2

 中型ノンステ27台が投入され、祇園-九条通-烏丸通-京都駅八条口-堀川通-五条通-西大路通-北大路通-東大路通-祇園の両廻り1時間半のコースを早朝から深夜まで約10分間隔・各108本の運行と高頻度です。来年5月を目処に運行開始となる予定ですが、停留所は61箇所を目標とするも現段階では25箇所で調整済みとのことで、記事によれば現時点で停留所間隔や鉄道各線等との接続で難あり?ともされています。
 運賃は市バスより20円安い200円均一(小児半額)、回数券のほか定期券も発行、タクシーが1割引になるタイプも設定される由。ただ当初構想案にあったジャンボタクシー等との連携までは明確にされていないようですね。

 このコース、京都市のLRT調査案の(5)がまさにそうであったり、(2)の要素も持っているところですが、無論現状でも市バスの複数系統が走っているところからも、渋滞激化や定着までの混乱が予想されるところ、大丈夫でしょうか…ちょっと全体像が固まってこないと評価は難しいかもしれませんが、何よりも新風を吹き込むことになるのかどうか、注視が必要かと思われます。

「値安い」循環バス、運行延期だそうで
 投稿者---wataru氏(2003/12/24 14:56:19)

来年春からの運行が予定されていたMKの路線バスですが、運行延期になっちゃったそうです。

運行開始を来年10月に変更 エムケイの循環路線バス(03/12/22京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…

 それはそれとしてMKの路線バス、パッと見てかなり路線設定に難があるような気もしないではないのですが…京都駅(烏丸口)も四条河原町も三条京阪も通らない循環系統で、果たしてどのような層の利用を見込んでいるのかちょっと図りかねます。

 また、京都のバス関連の話題としてはこういうのもありますね。

醍醐のコミュニティバスが完成 住民らに披露(03/12/23京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…
市バスの民間委託を拡大 京都市交通局 3営業所に(03/12/23京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…

「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か
 投稿者---551planning(2003/12/27 13:32:40)

 wataru様御無沙汰しております。ゆいレールは如何でしたでしょうか…そちらもまた折を見て。

 さて御紹介の件ですが、なんともはやな印象を受けつつも、「これが公共交通運営」なのだとも思っていたりします。タクシー事業の公共交通としての位置付け(表現)論はひとまず置いて、不特定多数を対象とした既定路線定期運行という実質論的な面が今後強く問われてこようかと思われますし、MKという企業がどのように対処してゆくかが非常に注目されます。その意味でも好敵手と云うような存在?であろうヤサカグループのバス事業展開も大いにヒントになるのではないかとも思っているところ、醍醐の住民バスは気になっておりまして…。

 記事でひっかかったのは『大学新卒者を採用して十分に教育するため』の延期という点で、MK従来からの雇用戦略に即したものであるから…と思う一方で、かなりの規模の人員が必要になるときに大型2種まで持ってゆくのに半年延長だけでは到底追いつかなかろうと見られるところ、まぁ観光バスを抱えているから初期はプラス資格保有者で賄うのかなと思いつつ、ちぐはぐさを感じざるを得ません。さらにはバスアテンダントも同乗と、収支可能性をどこに置くのか(かなりな労働環境という人件費的側面はさておいて、その他の部分での運行収支バランスを“宣伝費”と割り切れるプロジェクトと見られるのか?)も気掛かりな点です。前提としてこれまでの市交通局なりの体質・体制への挑戦・打破は理解しますが、市街交通の受け皿的存在をも伺う中での“独立採算制”をどのように認識するかは明らかにされるべき点と考えます。

 それはそれとしてMKの路線バス、パッと見てかなり路線設定に難があるような気もしないではないのですが… 京都駅(烏丸口)も四条河原町も三条京阪も通らない循環系統で、果たしてどのような層の利用を見込んでいるのかちょっと図りかねます。

 ヨソモノである当方として見るに、市街移動は組み合わせてナンボ、なのでしょうし、それが市バス路線網ではなかなか難しいところであったという意味ではシンプルで判り易いと思います。八条口のMK貴賓室を使ったことがありますが、そういう意味で観光客的にはバスの拠点=観光拠点としてあそこや祇園のパーキングをどのように使うか楽しみなところです。
 その点停留所は成否を分けるポイントにもなるであろうところ、調整過程というのも気になります…図らずも編集者のひとり言で『ついに、始まる。外出したなら、目を皿のようにして歩道に目を向けよう。「うーん、ココならOK」「ココはアカン」‥そんな攻防が果てなく続く』と載っているのがまさにそうなのかどうかは判りませんが、特に駅等の乗換拠点は押さえられていなければならないときに、その位置含め結果どう出てくるかが注目されます。

MK新聞 編集者のひとり言 http://www.mk-group.co.jp/new/np/_hitorigoto.htm

Re:「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か
 投稿者---wataru氏(2003/12/28 01:10:19)

 ゆいレールは如何でしたでしょうか

 あ、以前そんな事も書いたような気が(苦笑)。
 確かに沖縄には行ったのですが、実はゆいレールには一度しか(それも空港から奥武山までの間だけ)乗る機会がなかったもので、ここでコメントするほどのネタを得られなかったんです・・・

 さて、MKバスの件。
 色んな見方が有るかと思いますが、興味深くもあり、また素朴な疑問でもあるのは、タクシーと路線バスの「料金(運賃)の取り方」の差を、MKはどのように理解しているのかという事です。

 京都の都心部における道路幅員の狭さは周知の事であり、それ故に行楽シーズンを中心に渋滞も日常茶飯事ですが、道路が渋滞した場合でもタクシーの場合は(実車状態であればの話ですが)時間距離併用制のメーターであるが故に、渋滞による運行効率低下が招くコスト増をある程度乗客に転嫁する事が可能です。だからこそ、基本料金を値下げしてでも実車率を上げていこう、というMKのこれまでの戦略は正しかったのでしょう。
 しかし、路線バスの場合は、同じ区間や路線である限り、いくら渋滞しようと乗客から取れる金額は当然の事ながら一定です。つまり、渋滞による運行効率低下はそっくりそのまま運行会社の運賃収入減に直結するわけです。
 もちろん、接客サービスの向上などで京都市バスとの差別化を図る事は十分可能でしょうが、道路事情が劇的に好転することが期待できない現状で、果たして路線バスで目論見通りの収益が上げられるのかどうか・・・?

 前提としてこれまでの市交通局なりの体質・体制への挑戦・打破は理解しますが

 逆に、ちょっとうがった見方(というか下司の勘ぐり)をすれば、交通局への挑戦というよりも、ここで路線バス運行のノウハウを身につけて、将来的に予定されている京都市交通局の民間委託の受け皿になる事を狙っているのではないか、とも思うのですが。その方が、乗客数にかかわらず一定の収益が上がるという点で実は「おいしい」のではないでしょうか。

Re:「公共交通運営」とは何かがわかる絶好の機会か
 投稿者---World's Greatest Railway Enthusiast氏(2003/12/28 19:40:36)

 こんばんは。

 MKバス、京都に住む私にとっては生活に関連する話ではありますが、MKはどこまでやる気なんでしょう?これまでのやり取りを見ているとどうも本気では無いような感じも受けます。そこで、少しコメント。

 しかし、路線バスの場合は、同じ区間や路線である限り、いくら渋滞しようと乗客から取れる金額は当然の事ながら一定です。つまり、渋滞による運行効率低下はそっくりそのまま運行会社の運賃収入減に直結するわけです。
 もちろん、接客サービスの向上などで京都市バスとの差別化を図る事は十分可能でしょうが、道路事情が劇的に好転することが期待できない現状で、果たして路線バスで目論見通りの収益が上げられるのかどうか・・・?

 全く同感であります。1周90分はかかる長大路線での非効率な運転というのが、京都市バスの中心部のバス運行の根本問題だと私は考えていますが、この問題に関して今度の運行計画は解決策を示していません。まあ、京都市とMKの賃金格差分だけ低コストで運行できるという事なのでしょうが、「労働強化(?)」頼みというのはどうもしっくりこない話です。
 個人的には、地下鉄と結ぶ短距離系統を運賃100円で運行すれば、運行も効率的になるし、乗客にとっても利便性が上がると言うメリットがあっていいと思うのですが、いかがでしょうか。短距離系統の場合、遅れの増幅を防げるというメリットもあります。地下鉄連絡系統の強化や乗り継ぎ割引の強化という事は本来京都市のすべき事でしょうが、京都市はこの点全く怠慢です。バスから地下鉄へ乗り継ぐとき、60円の割引制度がありますが、割引適用のためにはあらかじめ乗り継ぎ券を指定販売所で買う必要がある(カード利用の場合でも割引は自動適用にならない)位ですから・・・。

 話は変わりますが、「京都は渋滞が慢性的で市バスも遅い」という話を持ち出そうと考え、平成13年度の公営事業年鑑の乗合旅客自動車事業の「平均速度」の項目を引っ張り出して見たらこんな結果が出ました。

東京都 10.7 横浜市 15.1 京都市 15.9
札幌市 12.3 川崎市 12.7 大阪市 10.8
仙台市 12.7 名古屋市 12.9 神戸市 13.3
単位km/h
政令指定市・北九州は旧若松市周辺のみの経営なので除く

 郊外路線も結構もつためかと思いますが、政令指定市の市バスの中では速いほうに属するようです(関連する「1日実車あたり走行キロ」も高い数値を示しています)。直感とは少しずれますが、自分自身、家から7キロも離れたJR京都駅との移動に日常的に(もっとも混雑する四条河原町を通過する)市バスを使っているのも確かで、京都市バス全体の問題を他都市との比較で論じる場合においては注意すべき点かもしれません。

WGRE

豊橋鉄道しょーと・とらっく  投稿者---和寒氏(2003/12/16 22:21:00)
 http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 浜松の話題が沸騰しているところではありますが、ちょっとしたきっかけがあって訪問したことから、お隣の豊橋の話題も提供してみます。たいへんライトな内容ですので、お気楽にお読み頂ければ幸いです。
 なお、本稿は拙HP「以久科鉄道志学館」との同時投稿です。
 また、年末にかけて公私ともたいへん多忙になる見通しから、たいへん勝手ながら、本稿をもって今年のWeb活動は終了させて頂きます。一足はやい冬籠もりですが、どうかあしからず御承知おきください。

以久科鉄道志学館 ../../photo/special/l-h/00.html

豊橋付近鉄軌道路線図
豊橋付近鉄軌道路線図

新川電停(和寒様御提供)■元気軒昂な路面電車

 豊橋鉄道東田本線は、近頃珍しい「路線を伸ばし続けている」路面電車だ。路面電車が全国的な衰勢にある昭和35(1960)年に赤岩口まで延伸し、さらに昭和57(1982)年には運動公園前延伸を実現した。その間に柳生橋線が廃止されるなど、決して順風満帆というわけではないにせよ、近頃では豊橋駅前広場への乗り入れをも果たした。あわせて架線のセンターポール化など、都市景観への配慮もされている。
 今日もなお元気軒昂な路面電車、それが豊橋鉄道東田本線である。

豊橋駅前(和寒様御提供)

新川にて

駅前にて

飛ぶがごとく■

 駅前から颯爽と駆け出してくる3201(もと名古屋鉄道美濃町線584)。駅前に到着した電車は、まるで親の仇にでも出会ったかのように、飛ぶようなすばやさで引き返していく。この写真、手ブレがたまたまうまく流れて、速さを強調することができた。

豊橋駅前電停(和寒様御提供)


駅前にて

■元気の源

 路面電車が元気であるためには、当然ながら利用者がいなければならない。朝のうちの様子を見ているにつれ、元気の源がなんとなくうかがえた。ひとことでいえば、この路面電車は天賦の条件に恵まれている。

 まずはこの写真。撮影時間帯は7時前。豊橋市内に通勤するには早すぎる時刻ながら、電車はこのように混んでいた。電車ばかりでなくバスもまた同様で、どの便も一車あたり20〜50名ほど乗っているようだ。こんな早くから何故これほどの乗車がと不思議に思えたが、冷静に考えてみれば豊橋は名古屋にほど近いのだ。この利用者群は、おそらく名古屋都市圏に通う方々にちがいない。

豊橋駅前電停(和寒様御提供)

 大都市のベッドタウンは、住むには快適であっても、「都市」としての魅力に欠けるといわざるをえない。豊橋駅前のなんとなくさびしい雰囲気の理由が、この一事から見えてきたような気がする。しかしその一方で、路面電車にとって経営上ありがたい現象であることも否定できない。本来は閑散としているはずの時間帯にも、数多くの利用者がつくのだから・・・・・・

 朝8時台になればこの様子。駅前に着く電車も混んでいるうえ、折り返す電車は高校生を満載して発車する。両方向にラッシュがあり、しかも(豊橋鉄道にとっての)時差通勤ラッシュもあるとは、ほとんど理想的な輸送体系ではあるまいか。

駅前にて

柳生橋線あと■

 廃止された柳生橋線はの跡は、バスでなぞってみただけに終わった。車窓からうかがうに、どうやら単線の軌道敷が中央分離帯になったようで、一部に線路跡が路面に浮かんでいるような箇所もあった。再訪の機会があれば、歩きで確認してみたい。

■渥美線は

 残る渥美線はといえば、敢えて詳しく記さない。柳生橋の旧さに出会い、ただただ感じ入ってしまったことだけを伝えておく。
 確かに利用者は多い。宵闇の時間帯でも、両方向に通じる利用者が多数いる。それだけの背景があってこれほど時代がかった古色蒼然とは、絶句するしかないのである。

柳生橋(和寒様御提供) 柳生橋(和寒様御提供)
柳生橋にて

〔鹿児島市電〕電停駅前広場“移設”2題  投稿者---551planning(2003/12/05 23:57:53)

 来春九州新幹線を迎える鹿児島。そのお膝元の市民の足となっているのが鹿児島市電。2002年より導入された新型超低床車「ユートラム」も初期故障をなんとか克服、2003年の鉄道友の会ローレル賞を岡山電軌MOMOと同時受賞するなど、今では新しい街の顔として受け入れられているものと思われます。そんな市電から話題が2点ほど。

●西鹿児島駅前電停移設
 まもなく「鹿児島中央駅」に生まれ変わる西鹿児島駅。駅前電停も装い新たになるようですね。

「西鹿児島駅前」電停移転のご案内 http://www.city.kagoshima.kagoshima.jp/koutuu.nsf/…
かごしま市民のひろば 平成15年12月号 http://www.city.kagoshima.kagoshima.jp/wwwkago.nsf/…

 思えば当方が当地を訪れたのが今から6年ほど前。丁度JR駅舎が改築橋上化されて1年ほど経っていたでしょうか、それでも駅前の大階段など大胆な造りは強く印象に残っています…尤も、それを眺めた駅前が、アスファルトで不恰好に覆われた、殺風景なだだっ広い広場であったためなのですが。当時駅ビルが白紙化されてドウコウしていた話を聞いていたこともあってのことでしょうが、そういえば市電の電停もかの大階段から随分と離れたところにあったとも覚えています。
 それがまぁ、タクシープールとバスターミナルに二分された機能的な駅前広場に変貌しつつあるようで、併せて地下通路も整備され通り向こうとの結節も図られる由。そして県道上にあった電停も駅前広場に組み入れられるそうで、来月上旬には移転の運びだそうです。まぁ惜しむらくは大階段からだとタクシープールの奥となることで迂回する格好になっているようですが、ともあれこれで利便性も安全性も大幅に向上するのは喜ばしい限りでしょう。
 ついでながらバスターミナルもかなりの大規模、行先別にのりば整備も図られるとのことで、集約拠点が天文館との2極化となり、かつ広域交通ターミナルとしての機能向上にも注目したいところです。

●谷山電停駅“前結節化”延伸案
 もうひとつの話題は、南端の谷山電停を永田川を越えて更に南のJR指宿枕崎線谷山駅前まで延伸させて結節を図るという、以前より云われてきた構想がより実現に向けての動きを見せているというものです。

谷山の市電延伸可能性調査 4ルートを検討/鹿児島市−19日から公表、意見募集(03/12/05南日本)http://www.373news.com/…

 2002年に実施された市民アンケートでも区間が具体的に示されていないながら路線延伸そのものについては結構関心を集めており、その中でも特に実現可能性が高いということで詳細研究が進められていたようですが、ついに具体的な延伸案を示して住民アンケートを実施することになったそうで。結果は来年2月下旬までに纏められるとのこと。
 以前【検証:】でも話題となっていますが、指宿枕崎線とは南鹿児島で結節しており、仮に乗り入れ含めでもこちらで…という話や、そもそも市内交通との役割分担をどのように考えるかというところでどのように位置付けるのかということが挙がったのですが、確かJRの谷山駅前もそれほど余地があったとも思えず、記事にも『まちづくり事業との調整』とも書かれていますが、例えば谷山地区でのP&R結節点として整備するのか、それにしても市電を対天文館方面の速達性を持たすのかどうかというところで中途半端な気もいささかするところ、一方で市電単独での需要確保の観点からすればJR駅に拘らない谷山市街地・港湾地区方面も、というところもよく云われるところ、個人的にはこれで纏まりそうなのはちょっと早計では?という気もしなくはないですが…。

鹿児島市電の存在価値 log351.html#4

***
 何はともあれ、当方のように東京在住者で縁のない者にはなかなか足の向かないところ、来春以降に訪ねるのはほぼ確実?なので、ユートラム含めできるだけ早くに実見したいな、と思っております。また、現況を御存知の方は是非とも御批評賜りたく…。

熊本、いよいよ動き出す?
 投稿者---KAZ氏(2004/01/02 21:26:10)
 http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/momo/
熊本、いよいよ動き出す?
└夢物語も描いてみるものだ
└熊本市電はP&R絡みで独自延伸案
 └周辺状況について
  └Re:周辺状況について

 どうもです。新年早々、おめでたい話が上がっているようです。

熊本電鉄 延伸して熊本市電と相互乗り入れへ(04/01/01熊本日日)http://kumanichi.com/…

 以前から話はあったものの具体化の動きまでは至っていなかったようでしたが、国交省も含めて結構話が進んでいるようですし、期待できそうですね。熊本電鉄の全線改軌など大規模な工事も必要になりますが、熊電の軌道や電気設備・駅施設などの更新という問題もあり(どれも劣化が酷い)、それらの解決と絡めた形になっているんでしょうね。都心直通ということで、現在の藤崎宮前駅からの都心アプローチルートとなっている上通商店街の反応が気になるところですが、これからの動きを注意深く見ていきたいですね。しかし九州は鹿児島・長崎とも市内電車の延伸話があり、頼もしい限りです。

近くて遠い「幅」…熊本 log339.html

夢物語も描いてみるものだ
 投稿者---和寒氏(2004/01/05 09:53:16) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 ほほぅ、と思わず嘆息が漏れてしまいました。 KAZ様、情報の御提供ありがとうございます。

拙HPの熊本市電記事(表紙) http://www.geocities.jp/history_of_rail/kumamoto/00.html
うち該当記述 http://www.geocities.jp/history_of_rail/kumamoto/04.html

 この記事を書いたのはもはや4年も前になりますか。当時はそのような具体的な動きは微塵もなく、そうなったら市電にも熊電にも熊本の交通体系にもいいだろうなあ、という軽い気持ちで書いたものですが。
 もし本当に実現すれば、まさに瓢箪から駒という感じです。

熊本市電はP&R絡みで独自延伸案
 投稿者---551planning(2004/01/09 17:10:48)

 おめでた続き、でしょうか…いや、これは本物かと。

市電延伸 熊本市が動植物園までの800メートルを検討(04/01/09熊本日日)http://kumanichi.com/…

 健軍町終点の2つ手前、動植物園前電停から分岐して、隣接する庄口公園・市動植物園の第一駐車場(既存330台)方面へ全長800mほどを単線で南進、終点でP&Rを行うとともに、途中の庄口公園南端部にも電停を設けてそこで交換させるというもの。併せて現在の市交通局舎併設の引上線を庄口公園に移設させるそうです。
 総事業費は約10億円で、軌道敷設部分は市有地内のため用地買収は不要。2008年度中の開業を目指し、04年度に周辺調査と基本計画策定、05年度に軌道特許申請、07年度着工と青写真も明確です。

 周辺の道路状況としては、ちょうど市街地寄りにR57が南北方向に通っていますが、P&R対象となる市東部地域・上益城郡益城町方面からだと、地図で見る限りにはまさに電車通りの県道28号やその北側の県道36号がメインルートと思われるところ、また接続の良さそうな東南方向も健軍市街地のほかには部分的な開発に留まっているような感じ、そう考えると動植物園の位置が中途半端にも見えますが…。
 また、御紹介頂いている熊本電鉄延伸記事にも具体案が載っていますが、R3(廃線部分の復活?)か坪井川沿いを経由するというもの、R3の場合には歩道部分を削って単線敷設用地を確保するともされていますが、当該部分の交通状況や中途半端に交差点右左折が発生する(現状の市電も多い)ところをどう考えるかが焦点になりそうかと…うーん、こりゃ3月には行かねばなぁ!

 ともあれ、やはり端緒は熊本から、ということでしょうかね…さて奇跡の半マイルということになりますか?

周辺状況について
 投稿者---和寒氏(2004/01/09 18:37:04) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 ほほぅ、なるほど。でも「併せて移設」はちょっとニュアンスが違いそうな感じです。どちらかというと移設が主で延伸が従、というところでしょうか。
 熊本市電では、車両基地が上熊本に移設されます(もしかして「されました」かな。すみません未確認です)。これは上熊本の国鉄清算事業団用地取得に伴うもので、当初は基地の全面移転を予定していたらしいです。ところが、せっかく土地を取得したというのに新幹線の用地に引っ掛かり、規模縮小せざるをえない羽目に。そのため、現在の基地も完全にはスクラップできず、留置線を残さざるをえないと。
 現基地を完全にスクラップできれば、跡地面積がより広くなり、他用途に転用するにはより好都合となります。また、現基地は路線の中央付近に位置するため、始電前と終電後に比較的距離の長い回送列車(あるいは実質回送の営業列車)を設定せざるをえない苦しさがあります。
 よって、基地が上熊本にあるならば、ましてその容量が足りないのであれば、健軍付近にも基地もしくは留置線がほしいというのが熊本市電の意向ではないかと。
 まぁ、そんな連想から移設が主延伸が従と考える次第。喩えとしてはなんですが、名鉄田神線みたいなものです。岐阜市内線の車両基地を既存路線とは離れた市ノ坪に移設させたので、美濃町線からの引込線が必要になり、それと各務原線をつなげたのが田神線ですから。従前の車両基地が他用途に転用されているというあたりも、状況は酷似していますね。あとはそのあとに打つ施策と発展性まで似ないように祈るばかり。まあこれは余談ですが。

Re:周辺状況について
 投稿者---551planning(2004/01/10 11:11:45)

 まず上熊本の車両基地は2002年秋から稼動しているようです。
 で、今回の“主従関係”ですが、確かに和寒様の御指摘である健軍方面への運用拠点確保意図は理解するものの、紹介記事内の図を見る限りで新設車庫は現健軍線にほど近いところに設置されるようであることや、当該地区が公園施設で用地買収や周辺調整の必要性が薄いと思われることを考えれば、必ずしも新線が付け足し的に…とは当方には思えません。
 まぁ、従前考慮されていた延伸案は健軍町から先、沼山津から益城町中心部方面へそのまま延ばすというものだった事を考えると、運用拠点整備に併せて実質的判断から選択された結果である、という事も確かに可能かもしれません。ただし、スケジューリングや事業費の大枠が見えているようであるところからして、まさに実利を見込んでの満を持した発表とも思われ、周到に練られた新線案とすればあらかた「瓢箪から駒」とも言い難いのでは?

 ともあれ、場所的には当方自身中途半端なものを感じますし、手放しで喜ぶつもりもありません。ただ“LRT推進派”の方々からすればこれほど心強いものはないのでしょうね…いずれにせよ今後の展開が注目されます。

2006.10.15Update

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