【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.351)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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岐阜と広島、低床車やぶにらみ

 投稿者---エル・アルコン氏(2002/11/12 13:58:13)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ここ一月強の間に、岐阜と広島の低床車を試す機会に恵まれました。それぞれ一度は乗車経験がありますが、着席して、落ちついて見る機会がなかっただけに、改めて両車の感想を述べて見ます。

●名鉄モ800形
 部分低床車というユニークな形態。台車に支障される前後部分の床は高く、中間部は低くなっており、車内の床が階段ではなくスロープ状になっているのが特徴。

 さて、乗車して感じたのは、座席配置が中間の谷底を向いての集団見合い式の固定座席で、最前列(最後列)のみ前後を向いていること。あと、中間ドアが若干斜交いになっていて、その袖にロングシートがあります。
 前列の床面が低いため掘り炬燵効果が得られるためと言うことでしょうか、シートピッチが無茶苦茶狭く、2人掛けの窓側は座れたもんじゃないというのが実態と言えます。
 確かに足下は抜けていますが、膝が当たるため不自然な体制を取らされ、ここまで狭いシートはバスでもそうそうない感じでした。

 また、全座席の約半分が逆向きですが、これは傾斜した床のためロングシートに出来ないとはいえ、路面状況が非常に悪い美濃町線・岐阜市内線においては電車の揺れがひどく、この状態で後ろ向きに着席することは通常以上に居住性が悪いです。特に中央に近い座席は座面、ひいては視点が低いため、酔い易い構造と言えます。実際、途中から乗車してきた乗客が後ろ向きの座席に「これは酔い易いんだよね」と呟く場面もありました。

 床の傾斜も、10度とのことですが移動に際しては意外と抵抗感がありました。斜めの床に立つことは難しいため、この部分で立つ人はおらず、中間部に溜まる傾向が強いです。車椅子の場合は中間ドアで乗降するとして、ベビーカーや老人はどう扱っているのか気になります。

 関市内から岐阜市内まで乗車して感じたのは、苦肉の策ではあるが、企画倒れに近いというのが偽らざる感想です。

●広電グリーンムーバー
 5車体3台車の超低床車で、完全にフラットな床面が特徴です。

 乗車して感じたのは乗降しやすく、たまたまベビーカーを押しての利用だったのですが、車内の取りまわしも楽ということ。ただ台車部分の突起を利用した座席配置ですが、若干座面が高いかなということと、窓側の足元が窮屈(座面と蹴込みがあっていない)なため、どうしても足を中央に投げ出したり、中央向きに座りがちになること。
 あと、床が低いが座席が林立しているため車内の見通しが効かないこと。これは瑣末ではありますが、車内の雰囲気にはマイナスです。
 また、座席数がどうしても少なくなりますが、市内だけでなく宮島直通運用など乗り通しが多いことを考えると、乗り降りの楽よりも乗ってからの楽のほうが良いという向きも多いのではと感じました。

 また、これは非常に細かい点ですが、ノンステップの乗降部が心持ち低く傾斜しており、ホームとの段差をさらに解消しようとする努力が見えますが、スロープ板を出す車椅子はともかく、ベビーカーでの利用の場合、電停によっては逆ハングになるケースが見られます。この手の小さなギャップでベビーカーは立往生するため、ここまで細かい設計をするのなら、乗車口は思い切って低めの傾斜、降車口は高めの傾斜にして、乗降とも若干の下り段差にしたほうが通りやすいのでは。
またこれなら車椅子もスロープ板無しで車内に自走で入れるのではないでしょうか。

***
 やぶにらみ的ですが、感想まで。

嵐山・交通社会実験の現実
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/11/17 23:41:07)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

嵐山・交通社会実験の現実
└Re:嵐山・交通社会実験の現実(その日、嵐山へ行って来ました)

 秋の行楽シーズン、紅葉真っ盛りの洛西、嵐山において、この11月16日と17日の両日、交通社会実験としてパークアンドライドが試行されました。
 通常P&Rというと市街地の周縁部に駐車場を用意して市街地への進入をシャットアウトするのが狙いですが、今回は事実上袋小路の嵐山地区へ集中するクルマで道路が市街地まで麻痺状態になるのを防ぐのが目的で、JR丹波口、二条、京福三条口といういわば市街地に駐車してJRか京福で嵐山に向かうという、若干毛色の違う企画です。

 パンフによると利用料金は100円、嵐山地区の商品割引券1000円分プレゼントという特典で誘致しており、また公共交通シフトを促すため、メインストリートの長辻通(渡月橋北〜嵯峨小)をトランジットモールにしています。
 交通側のフォローもあり、阪急嵐山駅−嵐山−大覚寺のワンコインバス「もみじ号」が10時〜16時の間20分ヘッドで運行されており、またJRも11月16日から12月1日までの土日、朝の往路1本だけですが、神戸発嵯峨嵐山行きの臨時快速「嵐山もみじ号」を運転しています(梅小路経由で京都駅を経由しない)。

***
 さて、奇しくも家人が今日17日、保津峡、嵐山に行ってきたので様子を聞くと、事態は生易しいものではないようです。

 朝、神戸市内の自宅を出て保津川下りの乗船地である亀岡に直行したのですが、往路の新快速も京都からの嵯峨野線も座れなかったそうで、保津川下りが頻繁運転ですぐ乗れたのが救いだったようです。

 ところが下船した嵐山がひどく、何も考えずにレンタサイクルを借りたら、走らせるどころでない混雑だったそうで、ピークの混雑は半端でないようです。
 現地でバスは運行を半ば諦めており全く当てにならないという話を聞いたそうで、「もみじ号」がどうなったか疑問です。

 肝心なP&Rは帰宅後偶然流れた関西のローカルニュースでやっていましたが、空きが相当あったそうで、周知が徹底していなかったようです。
 というと周知すればマシかというとさにあらずで、当日は公共交通が麻痺していたようです。聞くと、帰るには一呼吸早い15時過ぎの阪急嵐山駅は大混雑で入場制限となっており、入場・乗車するまでしばらく待たされたそうです。ようやく乗った電車も激しい混雑で(東京出身の人間が「ラッシュのよう」というレベル)、桂から乗り継いだ特急も同様で、通常小一時間でつく嵐山→十三ですが、駅前到着からで勘定すると2時間近く掛かったそうです。嵐山にはまだ大勢の観光客がおり、ピークはこのあとと推測されるため、いったいどうなっていたのでしょうか。

 これではJRや京福もさぞやという状況ですから、初めから公共交通を使ってもいい加減ウンザリというより、もう懲り懲りというような状態であり、ましてやP&Rなんかした日には、クルマと鉄道のイイトコドリどころか悪いところドリという目に遭いかねません。

 こと嵐山に関しては、P&Rよりも、受け皿の公共交通の強化をしない限り何も解決しないのではないでしょうか。

Re:嵐山・交通社会実験の現実(その日、嵐山へ行って来ました)
 投稿者---奈良環状LRT氏(2002/11/29 01:29:29)

 ご無沙汰いたしております

 こと嵐山に関しては、P&Rよりも、受け皿の公共交通の強化をしない限り何も解決しないのではないでしょうか。

 確かに、公共交通の強化が必要と私も思いました。
 ちなみに、午後になると帰るのが大変と考えましたので、嵯峨嵐山で下車後、紅葉見物の後、京福と市バスを乗り継いで、銀閣寺から哲学の道を通り、地下鉄東山駅から帰りました。

 強化ですが、何処をどのように強化すべきでしょうか。
 私は京福の出町柳経由・京大延長と複線化ではないかと思うのですが?

木島線代替バスに乗って
 投稿者---和寒氏(2002/11/24 23:10:59)
 
http://www.geocities.jp/history_of_rail/
木島線代替バスに乗って
└木島線代替バスに乗って(追補)

 拙HPに下記の一文をアップしました。木島線代替バスに実乗したうえ、その印象を記したものです。鉄道代替バス、そしてローカル交通を考えるうえでの一助になれば幸いです。御笑覧ください。

■木島線代替バス乗車の記

 ある平日の夕方に、木島線代替バスに乗る機会を得た。木島線が廃止されてはや半年。情景は、どのように変わったであろうか。

 木島駅の姿は、以前と変わった感じがしない。木島線末期には無人化された駅であり、信州バスの事務所として使われていたから、バスに一本化されて名実が合致した印象さえ伴う。ホームに出てみると構内には雑草が生い茂っており、列車はもうやってこないことを証している。
 駅前に出ると、バスが出発を待っていた。木島線代替バスには新車を投入したようで、塗装はまだピカピカである。
「あんたがこのバスに乗るなんて、珍しいな」
 知り合いのYさんから声をかけられる。風貌からして交通関連の仕事に就いているとは思っていたが、まさか信州バスの運転士であったとは。なんとも照れくさい心地がする。四方山話をするうちに、出発時刻がきた。
 運賃表がどこにもないな、と思っていると、出発と同時に運賃表が「紙芝居」式に出現した。デジタル表示全盛のこの時代に、なんとも単純で原始的なやり方ではある。
 乗客は私を含めても3人しかいない。いくら夕刻の上り便とはいえ、さびしい状況には違いない。Yさんの運転は堅実だ。速度を抑えながら、生真面目に進む。法定速度遵守、どころの丁寧さではない。速度計を見ると30km/h定速での走行で、状況がよい箇所でのみ40km/hまでアクセルを踏んでいる。
 通常の自動車にとってこの速度は遅すぎる。だから後続車がつくと、左にウインカーを出し追い越しを促している。田上−中野北間の幅員が狭い区間はともかくとして、充分な幅員がある区間でこの措置は必要なのだろうか。
 信濃安田(停留所名は安田に改称)で2人乗車してくる。窓の外は暮れつつある。バスはゆっくりと、追い越しを促しながら進んでいく。道が狭くなってきた。代替バスの経路は柳沢から四ヶ郷付近にかけて特に狭く、普通車どうしでも行き違えない狭隘部が随所にある。
 停留所の数は、木島線時代の駅と比べほとんど増えていない。木島−田上(停留所名は岩井入口に改称)間などは、駅配置そのままだ。沿線に人口が多いわけではないが、バスの特性を活かし、もう少し増設の余地があるのではないか。中野市内では経路及び停留所設定に一工夫見られるだけに、田上以北の淡泊さは際立ってしまう。停留所を増やしても利用者がつかない、と最初から決めつけているかのようだ。
 赤岩で2人が降車した。あとは大きな動きもなく、バスは信州中野駅前に到着する。

 信濃安田付近をゆく木島線代替バス(平成14(2002)年撮影)

 大型バスが投入されている木島線代替バスであるが、雄大な風景のなかではいかにも小さく見える。

■「代替」と呼ぶにはあまりにも低機能

 時間帯といい乗った方向といい、事前に予想できたとはいえ、やはりさびしい状況ではあった。それにしてもこれで本当に「代替バス」と呼べるのか、いささかの抵抗感が伴うところだ。経路こそ木島線を踏襲していても、機能があまりにも貧弱にすぎる。
 狭い道路で無理に高速度を発揮する必要はないにせよ、現状の速度はむしろ抑えすぎであろう。安全確保に配慮するのは当然としても、過重な措置とはいえまいか。鉄道時代の倍ほども時間がかかっては、いくらなんでも遅すぎる。
 これでも鉄道の機能を代替しているといえるのか、この現状を保持することが望ましいのか、そもそも公共交通として充分な機能を提供しているといえるのか。数多くの疑問が残る小旅行であった。

木島線代替バスに乗って(追補)
 投稿者---和寒氏(2002/12/01 22:28:57) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 平成14(2002)年11月30日付信濃毎日新聞によれば、木島線代替バスの利用者数は鉄道時代と比べ4割ほど減少したという。代替バスの運賃水準は鉄道時代に準じていることを考えれば、この減少幅はほぼ全てが所要時間延伸によるものと考えられる。事業者側は、利用者数減少に伴う収支悪化を値上げで補う意向があるという。もし値上げが実現すれば、さらなる利用者数減少というスパイラルにつながることは必至である。いよいよもって、代替バスの意義が見えにくくなる展開になりつつある。

鹿児島市電の存在価値
 投稿者---RAH氏(2002/12/09 03:10:57)

鹿児島市電の存在価値
└ムズカシイ話とカンタンな話

 12月5日(木)に、東京から鹿児島大学附属病院へ日帰りで出張しました。5:15に自宅を出て、羽田7:05発301便(往復ともSKY)で行き、10時から17時まで会議に出て、鹿児島20:00発306便で帰り、さらに会社に立ち寄ってから終電一つ前で帰る、という、それはそれは強行軍でした。

 定刻の8:55より若干早く鹿児島空港に到着した301便を降りて、空港ビルの玄関を出ると、ドアを開けて待っている小型のタクシーに即座に乗り込みました。空港から大学病院までは路線バスを乗り継ぐと1,000円台で済むのですが、上記の通り10時開始の会議に間に合わせるにはバスでは間に合いません。実は鹿児島で前泊する、いわゆる「出張パック」の方が、宿泊代を入れてもなお往復の運賃よりも安いので総務からは前泊を強く勧められたのですが、あいにく前夜にも用事があったのでやむなく空港から直接タクシーで病院へ乗り付ける、という暴挙に出たわけです。ちなみに鹿児島大学附属病院は市の南部の丘陵地にあり、市の中心である天文館からバスで約30分かかるうえ、バスは1時間に3本程度しかありません。また、JR指宿枕崎線宇宿駅もしくは鹿児島市電脇田電停からも比較的近いですが、近いといっても1kmちょっとあり、しかも「山道」を登るので、それもちょっと敬遠せざるを得ません(会議の資料としてかなり重いカバンを持っていました)。

 タクシーは空港を出るとすぐに溝辺鹿児島空港ICから九州自動車道に入りました。空港からタクシーに乗る人は他にもいるかと思いましたが、私が「一番乗り」だったせいか、前方を行くタクシーの姿はありませんでした。高速は80km制限でしたがタクシーはおよそ110kmをキープし、前方の路線バスを抜き去りました。終点鹿児島ICからさらに続く指宿スカイラインに入り、一つ目の山田ICで高速を降りました。この時点で9:30。その後丘陵地を切り開いた新興住宅地をうねうねと走って病院に着いたのが9:40でした。やはり速い。しかしその料金たるや、高速代1,050円を含めてしめて11,770円!。いくら飛行機代が往復で27,500円しかしないとはいえ、我ながら実に豪勢な旅程だと感じ入ったものでした。

 ねえ市電の話ってまだなの?

 会議は無事17時過ぎに終わり、構内の広い駐車場を横切って正門前に戻りました。病院玄関の車寄せにはタクシーが何台も待ちかまえていました。別行動で一緒の会議に出ていた取引先某社の営業マンはこの病院にレンタカーで来ており、今夜は鹿児島に泊まるとのこと。折しも天文館方面行きの鹿児島交通バスが来たので飛び乗りました。

 バスは丘陵地を駆け下り、JRと市電の線路をまたいで市内を北上しました。さすがに夕ラッシュ時だけあって道路はそれなりに混んでおり、また市電を避けるようにぐちゃぐちゃと曲がるせいか、なかなか北上しません。ようやく西鹿児島駅の手前から市電と合流するようになりました。さまざまな形やカラーリングの電車が時々通過してゆきましたが、どれも遠目にはそんなに車内が混雑している様子はありませんでした。このバスも座席がすべて埋まる程度でしたが。結局天文館で下車したときには18時を過ぎていました(運賃240円)。

 天文館は特にバスターミナルらしき設備はありませんが、通り沿いにバス停がずらりと並び、市内バスや中長距離バスがひっきりなしに発着していました。程なく空港行きリムジンバス(吉野経由)に乗り込みました。車内は補助席以外が7割方埋まる程度。鹿児島駅を過ぎるといきなり山道になり、上り終えると郊外らしき狭い街道をのろのろとひた走りました。九州自動車道薩摩吉田ICまで30分かかりましたが、高速に入ってからは俄然スピードを上げ、結局天文館から一時間弱で鹿児島空港に着きました(運賃1,200円)。

 空港で早々に搭乗手続きを済ませると余裕時間で軽い夕食を済ませ、行きとまったく同じ機体で帰京しました。

 だから市電の話はどうなったのよ?

 当方鹿児島へは9年前の夏、JR竜ヶ水駅が崩壊した鹿児島集中豪雨の数日前に一度だけ訪問したことがあり、市電もそのときに市役所前から西鹿児島駅まで乗りました。夕方でしかも大雨でしたが、車内はすいていました。

 自宅沿線の都電荒川線以外に、今まで函館、世田谷線、富山、京福京都、広島、長崎、熊本、鹿児島の路面電車に乗ったことがあります。少なくともこれらの都市の路線はそれなりに利用価値があると思いましたが、どうしても軌道でなければだめか、と言われれば、世田谷線と広島以外は輸送力的には別にバスでもいいか、とも思えます。定時性が保てるのは確かですが、だからと言って決して速いとはいえず、そもそも道路がそんなに混んでいるか、と言われると、東京の人間からみればそう混んではいないように見えます。もちろん、排気ガスを出さない点や軌道交通による環境負荷の小ささは大きな魅力ですが、軌道だけが道路交通ではなく、電車よりもはるかに多い台数の自動車が走っている以上、環境効果は微々たるものだと感じます。地方都市ではバスが市内公共交通の主役ですが、そのウェートの低い軌道が道路の相当部分を、いわば独占しているのは納得のいかないものがあります。

 遅ればせながら、クリスマスプレゼントとして「夢の鹿児島高速鉄道構想」を披露して結びとします(駅名は仮称、数字は営業キロです)。

(日豊本線直通)−鹿児島−(0.9)−鹿児島市役所<北出口は市役所、南出口は山形屋BC>−(0.7)−天文館−(1.2)−鹿児島中央<九州新幹線乗換>−(鹿児島線分岐)−(0.9)−上荒田町<JT前>−(1.0)−鹿児島大学<純心学園入口>−(0.9)−鴨池郡元<ダイエー前 県庁歩10分>−(1.1)−南鹿児島−(指宿枕崎線を電化して直通)

・鹿児島中央のみ12両分2面4線、他は6両分1面2線ホーム
・並行JR(鹿児島−西鹿児島−南鹿児島)及び市電全線廃止

ムズカシイ話とカンタンな話
 投稿者---551planning(2003/01/06 22:41:52)

 RAH様、どうもすいません、煽っておいて越年してしまいました…。今回もとりあえずの返信で恐縮ですが。

 クリスマスプレゼント、拝見致しました。
 まず電化ですが、やはり直流ですかね…地下鉄でそれなりの区間となれば交流は選択しづらいでしょうし…高架での整備は現実的に可能でしょうかね?
 JRとの競合という評価も微妙なところがありますよね。一方で例えば谷山で結節すればもっと市電に乗換需要が…というそう甘いものでもないでしょうし。広島のように対都心部直結性という視点からもそう強みがあるとは云い難いのかもしれませんね。
 鹿児島市交通局のサイトに利用者アンケートが乗っていますが、実のところそんなに突飛な要望・意見ってないことに気づかされます。無論現状維持では「座して云々…」という意見があろうとは思いますが、ことLRTを軸とした都市内交通論の前提として、まずは市電に対する関心がどのようなところにあるのかを改めて知る、考える必要があるのだな、と思います。

鹿児島市交通局 http://www.city.kagoshima.kagoshima.jp/koutuu.nsf
市民アンケート調査 
http://www.city.kagoshima.kagoshima.jp/koutuu.nsf/…

 どうしても軌道でなければだめか、と言われれば、世田谷線と広島以外は輸送力的には別にバスでもいいか、とも思えます。

 都電荒川線はどうでしょうか…ちょい別視点になりますが、単車でのランダム運行って利便性と効率性で難しい両天秤にあるなぁと思っているんですが。
 長崎のように電車ならではの小回りの効くスタイル・規模の調和例もあろうかと思いますが、他都市はまさにもう一捻りで…という感じにある気が当方もしています。

 定時性が保てるのは確かですが、だからと言って決して速いとはいえず、そもそも道路がそんなに混んでいるか、と言われると、東京の人間からみればそう混んではいないように見えます。もちろん、排気ガスを出さない点や軌道交通による環境負荷の小ささは大きな魅力ですが、軌道だけが道路交通ではなく、電車よりもはるかに多い台数の自動車が走っている以上、環境効果は微々たるものだと感じます。地方都市ではバスが市内公共交通の主役ですが、そのウェートの低い軌道が道路の相当部分を、いわば独占しているのは納得のいかないものがあります。

 難しい点ですね。改善策としてはTDMによる軌道の活用か軌道の廃止に基づく公共交通スタイルの抜本再編かという2つに集約されると考えます。
 そこにある軌道を単に廃止するのは勿体無い、ということで環境だナンだと美化するままに延命を図るのは当方も抵抗のあるところです。実例ではまさに高岡がなんともというところなのでしょうが、所詮外野の意見ですから、事実として趣味レベルだけに留まらない地元での動きが出てきたという点は尊重すべきとも思っています。
 一方で熊本や岡山のように先ずできるところから対処しようというのも、利用者は見ているところは見ている、それが如実に反映されるんだという鹿児島のデータの証左ですね。ただこれも外野にはLRVを入れればいいんだと誤解されて映るのが、LRT論を捻じ曲げていると思います。

 要は適材適所というのはカンタンなんですが、あの広島でもバスとの親和性を探りつつ(ボンバス:エイチ・ディー西広島)という例もありますが、やはり乗り継ぎだけでは、という状況のようで(結局はバスも乗れるという「どっちもパス」を出して相互利便性に訴えている)。函館のように市電を残して市営バスを民営化という現実的選択をするところもありますが、ミニバス好調と聞けば市電の軌道たる硬直性をつい思ったりもしますし。「活かす」にしてもそれだけではダメですし、一方で自動車排除というのも違う…カンタンなようでムズカシイ話です、やっぱり。

広電 http://www.hiroden.co.jp/index.html
ボンバス http://www.bonbus.co.jp/
「どっちもパス」 
http://www.hiroden.co.jp/dreampass/

トラムに見る「待ち時間」の不可思議
 投稿者---和寒氏(2002/12/20 01:16:36)
 
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

トラムに見る「待ち時間」の不可思議
└軌道が持つ交通と興行の二面性という仮説
 └トラムに見る交通機関の本質(改題)

 拙HPに下記の一文をアップしました。
 あまり練れない内容ですが、御笑覧のほど。

■30分待ちが許されるトラム

 大都市圏の公共交通に乗ろうとして、定員オーバーなので30分待ちですと断られれば、大抵の人は怒りだすだろう。待たずに乗れるのが大都市圏交通の特質だというのに、30分待ちでは決して許容されるまい。まして待たされる理由が定員オーバーであれば、輸送力不足が指弾されてもおかしくないところだ。
 しかし、世の中は広い。輸送力過小のため恒常的に30分待ちでありながら、なおも人々の支持を失わない交通機関が存在するのだ。東京ディズニーランドのジョリー・トロリー。「ゼンマイ仕掛けの乗り物」というコンセプト以上の不可思議さではないか。
 勿論、これはアトラクションのひとつであって交通機関ではない、という認定は可能である。それにしても、たったこれだけの乗車区間のために、長時間の行列ができるという現実は重要である。筆者自身も45分待ちを経験しているし、 Web検索をかけてみると60分待ちを経験した方もおられるようだ。
 なぜ長時間の待ち時間が受容されるのか。やや逆説的ながら、行列ができているがために「行列になるほどの魅力がある」と認識されるのではないか。混む→魅力があると認識される→さらに混む、という相乗効果もあるのだろう。


出発を待つジョリー・トロリー(平成13(2001)年撮影)

 「ゼンマイ仕掛けの乗り物」という空想的なコンセプトが提供されている。架線もなく内燃機関もない車両が自走する姿は、確かに不可思議ではある。どうも停車中に路面からアタッチメントが出てきて車両の「はずみ車」を巻き上げているようで、このコンセプトはそれなりに現実と一致している。

■30分待ちが許されないトラム

 しかし、大都市圏交通では30分待ちなど決して許容されない。まして輸送力不足のために待たされるならば、利用者は他の交通機関を選択するに違いない。
 公共交通において、長い待ち時間を「魅力」と受け止めてもらえる工夫ができるだろうか。「魅力」があるから混んでいると認識されることが可能だろうか。かような「魅力」の概念が逆転するならば、交通史には革命が起こるだろう。
 「魅力」概念の逆転はテーマパークという閉ざされた空間内で起こること、と考えるのは正当である。そしてその一方、テーマパーク内では概念逆転が恒常的に発生しているとの現実がある。人間の感覚が空間によりスイッチされているならば、スイッチが動くための刺激を変えることで、概念逆転は簡単に起こるような気もするのだが・・・・・・


徹明町にて待機中の美濃町線区間列車(昭和57(1982)年撮影)

 名古屋鉄道美濃町線の徹明町−競輪場前間において、列車の運行間隔は30分おきである。都市中心部の交通機関としては運行間隔が長すぎるといわざるをえず、頻繁に運行されているバスに対して著しく劣位にある。同区間の現状は、閑散路線である。

軌道が持つ交通と興行の二面性という仮説
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/12/20 11:52:02) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 遊園地の中の乗り物は確かに待ってでも乗りますね。これは乗ることが目的であり、移動することが目的で無いからです。
 和寒さんのこの文を拝見してはっと気付いたのは、普段我々が「交通機関」として論じている中にも、「輸送機関」と「遊園地の乗り物、つまりアトラクション」を混同しているケースがあるのでは、ということです。

 典型例は上野動物園のモノレール、あとは黒部峡谷鉄道、移動手段としても使われるが遊具的側面が強いところでは箱根の早雲山から桃源台へのロープウェイ、どれも乗るために待ちますし、それが受容されています。
 街おこしの目玉として考えれば今は無き上野−浅草の二階バス。単に移動したければ地下鉄で充分ですが、全盛期には地下鉄で何往復も出来る時間を待って乗ってましたね。

***
 LRTはどうでしょうか。「バスで事足れり」という消極論と「路面電車は街の目玉」という積極論。これも「輸送機関」という発想と「アトラクション」という発想のそもそもの違いがあると考えられないでしょうか。
 逆に、そこを無理やり兼ねようとするから、どっちつかずの「交通機関」、つまり観光用市内循環バスのような外観に凝ってるけど使い勝手は必ずしも良くない、という乗り物になってしまうという見方もできるはずです。

 実用面では地下鉄などのHRTやバスで対応し、人を呼びたい場所のアトラクションとしてトラムを運行すれば、というレベルのケースがあるのではないでしょうか。それは何もトラムを全否定するということではなく、輸送機関としての導線は無くとも、「興行として」成立する可能性もあるという、全く違う発想での導入も有り得るということです。

 そうしたケースを峻別することによって、LRTなど中量輸送機関の本当の姿、本当に必要とされる局面というのが見えてくるのかもしれません。

トラムに見る交通機関の本質(改題)
 投稿者---和寒氏(2002/12/24 00:34:08) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 エル・アルコン様の御意見に想を得まして、さらに書き足してみました。
 動物園のモノレールには、私も言及させてもらいました。また、黒部峡谷鉄道はこの次に別の記事に書くつもりですので、そちらも宜しく。

■メルボルンでは

 ここで想起されるのは、豪州メルボルンの例である。メルボルンのトラム路線網はまさに縦横無尽、東京都電や大阪市電の全盛時代をも凌ぐ稠密なものである。系統設定が複雑に過ぎ、かえって使いにくいのではと思われる面もあるにせよ、メルボルンの交通基盤としてトラムが重要な位置を占めていることは間違いない。


高度で複雑な路線網に近代的な車両が運行されているメルボルンのトラム(平成 8(1996)年撮影)

 メルボルンのトラムで運行されている車両は、旧型車両も残ってはいたものの、近代的な新型車・新世代車が大半を占めていた。当然といえば当然であろう。よりよい交通機関であろうとするならば、利用者の満足を得るため、時代に即した近代化が図られなければならない。
 とはいえ、車両数が多いことから、旧型車の全てが駆逐されたわけではない。その旧型車の活用法が、メルボルンの場合面白い。


メルボルン市街中心部で環状運転(しかも無料)されている「City Circle」(平成 8(1996)年撮影)

 第一の活用法は 「City Circle」への投入である。 「City Circle」とは、メルボルン市街中心部で環状運転を行う系統で、運賃無料という際立った特色を有している。旧型車は、いかにもレトロな塗色を身にまとい、街を闊歩している。毎時1本という低頻度運行のため、利用者はあまり多くない様子だったが、視覚に訴えるインパクトはごく大きい。運賃無料という設定にも、街としての貫目もしくは心意気を見出せる。
 ちなみに、隣国ニュージーランドのクライストチャーチにも同じような環状運転トラムが存在するらしいが、こちらは高めの運賃設定となっているようで、観光色が前面に出ている格好だ。


車両基地で待機するトラム・レストラン(平成 8(1996)年撮影)

 もう一つの活用法は、トラム・レストランへの充当である。日本でもよく「ビール電車」などが運行されているが、それらとは比較にならないほどレベルが高い。内装・メニューとも一流のレストランとして通用する内容で、ツアーのオプショナルとしても採用されている。筆者の利用した感想は、話題性という面を抜きにしても、おおいに満足できるものであった。

■乗りたくなる交通機関

 メルボルンでの事例はやや極端であるが、参考に資する面はある。 「City Circle」にせよトラム・レストランにせよ、必要があって利用する性質のものではない。どちらかというと、「乗るため」にしつらえられた列車である。
 上野動物園のモノレールなども、その最たる一例といえよう。移動距離は 1kmもないというのに、待ち時間をものともせず長蛇の列ができることもままあるではないか。さらに突き詰めていえば、デパートによく置いてある「トーマス」の類の乗り物もこれに近い。そこに行ったからには「乗りたくなる」「乗らずにはいられない」乗り物が、この世には確かに存在するのだ。


上野動物園のモノレール(平成14(2002)年撮影)

 勿論、それは交通機関の本義からは懸け離れている。交通機関は、本来利用されるために存在するものだ。しかし、現実に「乗るために乗る」行動が見られる以上、その受け皿を目指すという方向性はありえるだろう。
 合理性を追求して利用者の便利に供する交通機関にするか、「乗りたくなる」娯楽性の強い乗り物にするか。両者を峻別する必要は、実は必ずしもない。「ゆりかもめ」のように、日常的通勤利用と非日常的観覧利用とがうまくミックスされている事例もある。
 こう考えてみると、軌道なる交通機関は面白い二面性を備えているといえそうだ。筆者の主観では合理性を究めた交通機関が好みなのだが、その合理性を追求した結果が、娯楽性として認識されることさえあるのだから、不思議といえば不思議である。それとは逆に、奇をてらった娯楽性が無惨な失敗に終わった実例もある。
 事前に全てを計画しておくことは不可能であるとしても、軌道という交通機関を考えるうえで、二面性のどちらに力点を置くかを考慮する必要はあるといえそうだ。

「シティライナー」が変える流動…金沢
 投稿者---551planning(2003/01/07 22:16:26)

「シティライナー」が変える流動…金沢
└「シティライナー」実見記

 昨年ここでも紹介した、金沢市内都心軸間シャトルバス「シティライナー」が1/6から運行開始した。「シティライナー」は北鉄石川線野町駅−香林坊−金沢駅−新県庁を主軸とする5つの系統の総称で、駅西方に移転した石川新県庁と金沢駅、その東方の現都心部であるむさし・香林坊方面とを結ぶ動脈としての役割が期待されている。あわせてバスの定時性確保による転移を促すべくPTPS(公共交通車両優先システム)導入、駅西〜新県庁間では時間帯専用レーン化も行われるなど大掛かりなものとなっている。

毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030107-00000005-mai-l17
北陸鉄道 
http://www.hokutetsu.co.jp/kouhou/030106daiya.htm

LRT早期導入断念の金沢市方針を評価する log335.html

 県庁移転で職員2700人、それ相応の人の流動が変わる。中長期的にはLRTなどの新交通システムも視野に入っているようだが、まずはこのバスシステムの成功を期待したい。
 …そういえば「先輩」がいましたねぇ。

茨城県庁直行バス(茨城交通) http://www.ibako.co.jp/bus/pref/pref.htm

【バスシステム】施設直行バスのあり方 log331.html#3

「シティライナー」実見記
 投稿者---551planning(2003/07/16 19:24:21)

 5月下旬、北陸3県早廻りと称して、高岡(万葉線)・金沢(北鉄石川線/シティライナー)・福井(えちぜん鉄道・福井鉄道)を駆け巡りました。まさしく「駆け巡った」というところなので、ぱっと見に過ぎないのではありますが、ここでは金沢について所感を少々…。


 「北陸」で高岡に到着後、始発を出迎えに市内散策をしての万葉線試乗後、普通列車を乗り継いで西金沢で下車。土曜日ながら登校の学生で賑わっています。JR駅舎前は「ロータリー」と呼ぶには…ながらも広い車寄せとなっていて、目の前には踏切。その先が少々広い駅前通りという感じになっていてクリーム地に朱色の線を纏った北鉄バスが折り返してゆきます。「踏切」が目指す北鉄石川線で、JR駅舎から見て車寄せの左手に北鉄新西金沢駅、線路はJR線に反発するかのようにそこそこきつめの弧を描いています。すなわち、JR金沢駅・北鉄野町駅、および中心部香林坊方面への結節ポイントとなっていて相互の実流動の多さも実感したのですが、構造的にもダイヤ的にも必ずしも相互連携が図られている、とは云い難いようです。
 さてここから鶴来経由で加賀一の宮まで往復して野町駅へ…そうそう、鶴来も加賀一の宮も一見の価値ありの駅でしたよ。外目は加賀一の宮、構内と掲出物で鶴来、と申し上げておきます。


加賀一の宮駅

鶴来駅に保存の旧型車

 土曜9時過ぎの野町行き電車は通学タイムも落ち着いたところ、ショッピング次いで風の女子学生・若奥様、あるいは元若奥様…を中心に西金沢手前で立席もという乗りに。西金沢でざっと1/3ほど入れ替わる形となり、そのまま野町まで立席ありで到着。若干数が駅頭に消え、7割ほどが駅頭のバスターミナルに停車中の香林坊方面へのバスに乗車、満載といった感じで出発して行きました。当方の狙いであるシティライナーもさすがにしっかりしているバスロケ表示どおりにじきに到着、先発の一般路線便では行かない金沢駅方面へ向かうと思しき乗客が乗り込み、席を埋める感じでの出発となります。シティライナー専用車両は国交省お墨付きのノンステップ標準仕様車両、東京でもあちこちで見かけるタイプです。細面で車内も立席スペースがいささか…という気はしますが、きびきびとした走りを見せてくれます。

バスく〜る http://www.kanazawa.go.jp/bus/pc/index.html


野町駅ターミナル 停車中は一般車

シティライナー専用車

 国の登録有形文化財でもある犀川大橋を渡って中心街へ。10時を過ぎて渋滞し始めた香林坊・武蔵ヶ辻をするりと抜けるも金沢駅前東口ロータリーに入るのに少々滞って到着。ここで乗車の半数以上が降りて少々の乗車。ロータリーはまだまだ完成途上で中での取り回しも少々大変そう、北鉄バス案内所を左折して1ブロック先でJR線を潜って西口方面へ。こちらは綺麗な西口ロータリーで立席も出る乗りとなり、ここから明らかに新しい街中のど真ん中、駅西大通りをぐんぐん突き進んでいきます。片側3車線+α、両側の歩道も中央部の植樹帯もたっぷり取られていて、軌道系導入にはもってこいという感じですねぇ。

 途中の駅西合同庁舎前でかなりの下車。この先道路両側の建物も低くなるも、北陸道を潜れば新石川県庁の威容が。駅のそれよりもかなり大きいロータリーにぽつんと停まったところで閉庁日ながら残り大半の乗客が降車、バスは向かいの中央病院へと走り去りました。複数のレーンを持ち能登や小松空港との特急バスも乗り入れるターミナルですがさすがにこの日は閑散…手持ち無沙汰なのも、シティライナーが意外とないためで、入り口に高々と掲げられた「能登空港開港まで×日」の塔などをパチリとやったりしながら時間をつぶしておりました。

 ようやくのシティライナーは先程乗車と同じバス、武蔵ヶ辻まで乗車しました。合庁前で若干の乗り、駅西口では乗降ゼロで、一方の東口で大量乗車。最後尾に乗っていたので武蔵ヶ辻では人波を掻き分けて何とか降車できました…。

 実際に乗車して思うのは、やはり金沢駅での取り回しですね。当方が試乗した際はそうでもありませんでしたが、ロータリーの出入り他で渋滞による遅延が生じやすいらしいです。ラッシュ時には駅の自由通路を抜けて前のバスに間に合う、とまで云われているようで。前回提案したように県庁方面を主とすれば西口に寄れば、とも思うものの東口ターミナルが実質的な拠点になっていることからすれば得策ではなく、結果両方寄るのがベターではあれど、専用レーン化などの施策を考えるべきではないでしょうか。

 県庁ターミナルも不評とか。バスロケはしっかりしているものの本数がないこともあって比較的待たされる印象があるらしく、屋根はあれど基本的に吹きさらし、特段待合所があるわけでないので冬季の印象が悪いようです。まぁ新県庁舎付近は中央病院のほかにめぼしい施設もないことから便設定が難しいのは理解するものの、郊外路線含めパターン化されていないのも勿体無い気がしました。
 車両面では北鉄は積極的に若返りを進めていることが垣間見えましたが、一般車でノンステ中小型バスの導入を進めていることが最多需要区間である金沢駅−香林坊間での需給アンバランスを招いている一因とも映りました。ここは非常に難しいところではありますが、いっそ「シティライナー」への連節バス導入などの手もあったのでは?とも愚考しますが…。
 ともあれ、評価するには半年では短すぎます。あと新県庁舎までの需要そのものはLRTレベルまでに成熟化するのはそこそこ時間を要しそうな気もしました。ただ「幹線」として育てる方策としては、取りうる余力を事前に取り込んでおいたほうがいい…車両面であったり、可能な区間での専用レーン化などの昇華であったり…と思いました。

北陸鉄道 http://www.hokutetsu.co.jp/

北陸中日新聞 かなざわ“遷都”物語
新交通導入  代替実験で需要拡大(02/10/25) http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/kaganoto/sento/index1-5.shtml
(参考) 交通拠点(茨城) “県遊地”目立つ周辺(02/11/21) 
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/kaganoto/sento/index2-3.shtml

神奈川・寒川町にコミュニティバス

 投稿者---かまにし氏(2003/01/08 14:44:18)
 
http://web.sfc.keio.ac.jp/~t99971dy/kcbl

 こんばんわ、かまにしです。

 いよいよ本日(1月8日)から神奈川県高座郡寒川町でも、コミュニティバスが運行を開始するそうです。同町はコミュニティバスをまず試験運行という形で導入し、1年半後の04年4月より本格運行に踏みきる模様です。

 以下は、その件が掲載されている先月の神奈川新聞の記事です。
 また寒川町のホームページには、詳しいルートや時刻が掲載されています。

神奈川新聞 http://www.kanagawa-np.co.jp/news/nw02121611.html
寒川町 
http://www.town.samukawa.kanagawa.jp

***
 神奈川県内での「コミュニティバス」と名のつくミニバスの導入は、湯河原町・茅ヶ崎市・大和市に次いで、同町が4番目となり、社会実験制度による試験運行は大和市に次いで2事例目となります。

 どのような利用層をターゲットにして運行していくのか、詳しい点は、ぜひ現地へ赴いてこの目で確かめてみたいですが、今ここでホームページなどから単純に分かることでも、撤退した町内を南北に走る神奈中の路線を補う役割も負うのであれば、最低でも、町内の南北方向で唯一の公共交通機関となった相模線との連携が不可欠でしょう。ただし残念ながら、バスは40分等間隔とはなっているものの、相手の相模線側が交換の関係でランダムのため、極度の接続の悪い便が多い点が残念。それとも、ターゲットを町内流動に絞ったがゆえの設定か…?そもそも、自家用車の利用率の高い(神奈川)県央地区で、コミバスがどういう役割を果たしていけるかを考える必要があるのではないでしょうか。

 導入のきっかけは規制緩和によるバス路線の撤退のようですが、それにしても3ヶ月で1,000万円(年間で単純計算4,000万円)の赤字とは他の事例と比較しても破格であり、これらを少しでも圧縮していく努力がなければ撤退した神奈中の路線の二の舞にならないかと。

 これまでの神奈川県内の事例は、湯河原町を除けば全てワンコイン運賃を採用していますが、これも首都圏コミバスの元祖である武蔵野市「ムーバス」の所以…?なかなか独自性のある施策が神奈川では今のところ見られません。いずれにしても試験運行のうちに課題を抽出をして、1年半後の本運行に良い形でつなげてほしいですね。

2004.11.14 Update


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