トップページ企画一覧BBS活用ガイド>道路板過去ログ
powered by ロリポップ!
【検証:近未来交通地図】<road to 〜 当世道路研究>
(過去ログNo.511)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

backindexnext
王道を外れた小手先対応に過ぎない混合燃料義務化案
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/01/15 19:05:56)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─後ろを向いている間に迷い込む「いつか来た道」
 └巨人が目覚めた

 1月14日朝7時のNHKニュースで、環境省などが使用済天ぷら油を自動車の燃料とすることについて、Co2削減効果はあるが有害物質の排出や自動車の機構にダメージを与えるおそれがあるとして、近く調査を開始するという報道がありました。

http://www.nhk.or.jp/news/2003/01/15/k20030114000031.html

 これまでバイオディーゼルとしてCo2削減のみならず、有害物質排出も少ないと言う触れ込みで、各自治体の公用車を中心に採用されてきましたが、今回ほかならぬ環境省がこうした方針を打ち出したのには驚かされます。
 確かにアルコール系燃料(ガイアックスなど)を従来車に使用すると燃料系部品が損傷するという事例があるなど、想定していない材質の燃料の採用が車の機構に影響を与えることは容易に想像がつきますが、有害物質排出におけるアドバンテージもないとしたらこれまでの触れ込みはなんだったんだというところでしょう。

 まあ家庭で天ぷら油を使った際、油こしで天カスを漉して使いますが、その程度で燃料になるわけでもないのでしょうが、それなりに不純物が混入していることは容易に想像がつきます。またそれをクリーン化するための改質コスト、そしてそれに必要なエネルギーを考えると、トータルで本当に良いのかという疑問はぬぐえません。
 リサイクルや環境というキーワードを纏い、イメージが先行していたきらいも無きにしもあらずの傾向がありましたが、今回の調査でそれぞれの特質を明らかにすること、それが重要でしょう。

***
 一方、12月15日付の朝日は1面で、環境省が2008年度にもレギュラーガソリンをアルコール混合燃料にすることを義務付ける方針を固めたと報じました。
 米国などで普及しているバイオエタノール10%混合ガソリン(E10)への転換により、Co2排出を削減して京都議定書の課題をクリアする狙いがあるようです。

http://www.asahi.com/life/recycle/021215a.html

 ただし、こちらの場合も車の機構の対応が必要で、かつ燃費の悪化や燃焼効率の低下(=排出物の増加)というデメリットがあり、2008年という時期も燃料・触媒系を中心とした対応の猶予期間の側面があります。

***
 ここで思い返せば、昨年2002年は燃料電池自動車がまがいなりにも上市されたという記念すべき年です。燃料電池自動車については、Co2、NoX、SoXなど排出物の問題を事実上解決した「夢のエンジン」であり、製造コストの問題をクリアすれば少なくとも環境問題において自動車が槍玉に上がることは無くなります。

 奇しくも1月14日付の朝日には、ステンレスの1000倍以上の耐食性をもつ金属素材(ニッケル系)の開発を報じています。記事では燃料電池のセパレーター用途を上げており、燃料電池のコストの大幅な削減が可能になるとしており、量産効果によるコスト低減への期待とともに、技術革新によるコスト削減も着実に進んでいます。

http://www.asahi.com/science/news/K2003011400064.html

 もはや自動車の環境問題とその対策は、燃料電池自動車の開発という王道が明らかになっており、後戻りできないところまで進んでいるはずです。
 一方で燃料をバイオマスや混合燃料の導入という動きがありますが、これはあくまでCo2削減という目的の達成さえあれば良いというスタンスであり、現実にCo2以外の環境問題が見え隠れしています。いわんや環境省の混合燃料義務化案のように今更「旧来型」自動車の機構を混合燃料対応にする改造や設計変更をすることは、まさに「ヒト・モノ・カネ」の無駄以外のなにものでもありません。

 少なくとも国が旗を振る方向性として、混合燃料導入案は間違っています。単に京都議定書対応しか考えていない近視眼的対応と酷評するに吝かでない愚策です。
 この手のバイオ系燃料については、冒頭のバイオディーゼルのように国はその特質を明らかにして基準をつくるにとどめるべきで、あくまで暫定的なものというスタンスが必要です。

後ろを向いている間に迷い込む「いつか来た道」
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/01/30 14:10:03) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 1月28日に発表された米大統領の一般教書演説はイラク問題や減税ばかり話題になっていますが、そのなかに「フリーダム・フリューエル」計画と銘打った燃料電池自動車推進プロジェクトが入っています。
 総額12億ドル、日本円にして約1400億円、しかも今後5年間に7.5億ドルを集中投入して2020年には普及とぶちあげました。昨年の一般教書でもハイブリッド車や燃料電池車の購入に際しての税額控除(年間30億ドル)を決めており、いよいよ大きく動き出したようです。

 では昨年、世界に先駆けて燃料電池自動車を上市した我が国はどうでしょうか。平成14年度の関連予算は220億円、15年度は322億円の概算要求と投資額では遜色ない、というか上を行く勢いです。
 しかし、その中身を見ると自動車に限定されない総花的な開発予算であり、世界のトップランナーとして、そして「既に」実用化した我が国にとって、現段階でいちばん必要なテーマである「普及への障壁」、つまりコストダウンにつながる技術開発への傾斜配分が見出せません。

 かつて半導体技術などで世界の最先端を行っていたはずの我が国が、米国の官民あげての支援・開発の前にあっというまに主導権を握られ、単なるアセンブリー供給に等しいところに追いやられたことを考えると、この分野でも同じ轍を踏む可能性がないとはいえません。
 ましてや最先端を走っているランナーに対して充分な支援をせずに、周回遅れ以下の対応をするようでは論外です。
 我々が今使っているPCの大半にインテルのマークが入ってて、マイクロソフトのOSがインストールされているように、そのうちボンネットの中身は米国メーカーによるブラックボックスになってる「国産車」を見る破目にならないか。そこまで見据えるのが国家というものです。

巨人が目覚めた
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/02/10 15:12:58) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ブッシュ米大統領は追い討ちをかけるように2月6日に「水素社会」に向けたプロジェクト宣言を行っています。水素エネルギーへの転換により2040年までに1日あたり現在の輸入量に相当する1100バレル相当の原油使用の削減を目指しており、すなわちエネルギー自給化を意味することになります。

 投資額も増えており、燃料電池関係の投資額は今後5年間でトータル17億ドル(2000億円強)と先の一般教書演説より約10億ドルも増えています。

 米国が20世紀における石油エネルギーでの覇権により発展したように、21世紀における水素エネルギーの覇権を真剣に考えていることはこれで確実であり、技術的アドバンテージを持つ我が国がどう迎え撃つか。20世紀の二の轍を踏み、「水素ショック」なんて事態にならなければいいんですが

プリウスによる道東ドライブ記  投稿者---Tom氏(2003/03/30 21:09:36)

 Tomです。こんばんは。

 管理人様に写真をご採用頂きましたが、先週の連休、バースデー割得を利用し道東に行って方々走ってきました。
 道路の問題については昨年もいろいろ書いておりますので、今回はレンタカーとして使用したプリウスについて少々書いてみようと思います。

宗男道路実走記(02/04/28)log509.html

 プリウスがどのようなクルマか、ということについては道路板をよく読まれる方ならば既にご存知とは思いますが簡単に下記におさらいをしておきます。
 エンジンは専用設計の1NZ-FXE型1.5L水冷直列4気筒DOHCエンジン、DOHCではありますが、トヨタいうところの「ハイメカツインカム」、つまり効率を重視したエンジンをベースに、モーターとの協調、発電機としての性能を重視したチューニングになっており、ネットでたったの72PS(53KW)しか出ません。このエンジンに加え、出力33KWのモーターとのハイブリッドとなります。このモーター、出力は大したことはありませんが注目すべきは最大トルクで35.7Kg・mというとんでもないトルクを0〜400回転で発揮します。カタログ上の10・15モードは31km/Lとなっています。バッテリーとしてはニッケル水素バッテリーを搭載し、インバーターで交流・直流を変換することになります。
 また、マルチビジョンが標準装備(ナビ機能はオプション)されていますが、ハイブリッドならではの表示機能として「エネルギーモニター」「5分間平均燃費計」の機能があります。(これについては後述)
 その他、詳しい諸元はトヨタのサイトに下記サイトに記載されておりますので興味のある方はご覧下さい。

トヨタプリウス http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Prius/index.html

 プリウスは実は3年前にも一度借りたことがある(それも狙ってではなく、たまたま)のですが、ハイブリットという環境コンシャスなクルマであるにもかかわらず操縦性も悪くなくドライバビリティも良好であることから今回は「狙って」レンタルした次第です。一部、上記のエネルギーモニターで遊んだため、省燃費走行になった部分もありますが、基本的には「飛ばし屋Tomさん」(社内では○○○のナイジェル・マンセルといわれてます)ベースでの走りをしています(○には会社名が入りますが文字数は3文字とは限りません)。

***
 まず一日目は釧路空港から阿寒丹頂の里で丹頂を撮影した上、弟子屈からR391にて濤沸湖へ向かい白鳥撮影、折返しR244〜R334を知床・ウトロへと向かうルートをとりました。だいたいは郊外ルートとは言いながら、阿寒丹頂の里から鶴居村までは丘陵越えのワインディングロード、R391の川湯〜小清水間は野上峠の峠越えになります。
 釧路空港から丹頂の里まではR240を坦々と走ります。この間は特に難所もなく、また路面も氷点下の気温ながら凍結は一切なく80キロ程度で軽く流すといった走り、燃費が悪くなる要素は全くありません。丹頂の里で90分程丹頂の撮影を楽しんだ(但しこの日はロクな写真が撮れず)後は農道・一般道道を利用し、丘陵地帯を越えていきます。ここは日陰は凍結路面も多少ある為、谷筋はやや徐行気味に、日の当たる所はハイペースで走りを楽しみます。

道東道

 プリウスの良さは実はこのようなシチュエーションにも発揮されます。というのは、スペックの項で書いた「モーター」ですが、低回転でグッと力が出るため、いわばスーパーチャージャーがついているクルマのように低回転から力が湧き出します。また、下りではミッションを「B」レンジに叩き込むと回生ブレーキがかかる為、ワインディングでも思ったより燃費は悪くならないと思います(この日はエネルギーモニター画面は全然見ていなかったので実燃費は不明ですが・・・)。 但し、狭い道ではプリウスの数少ない欠点、ブレーキのタッチがやや唐突、という面が出てきます(ややカックンブレーキ気味、といえばわかるでしょうか)。

 その後、道道53号〜R391経由で濤沸湖へ向かいます。野上峠は、本州基準でいうと高速コーナーの連続という感じであり、またさすがに釧路・網走を結ぶ幹線道路だけあって除雪も行き届いている為もあって路面は完全にドライということもあり、80キロ以上のハイペースで上がっていきます。が、下りではまたまた回生ブレーキを多用したせいか、燃料計のセグメントはひとつ減っただけ・・。小清水に下りた後は平坦な道を飛ばしますが、いたって快適、とても小排気量のクルマとは思えない走りです。
 濤沸湖からウトロまでの道については、R334が改良途上ということがあり、改良区間は走りやすいが未改良区間については本州の県道のような区間が続きます。とはいえここは北海道、飛び出しの危険がないから、と飛ばしていたら知床に入っていくにつれ、道端にエゾシカの群れが・・。どうやら国道付近は雪解けが進んでいるため、エサの乏しい山中から餌を求めて下りて来たようです。こんなのにぶつかったらクルマは大破必至、注意走行モードに頭を切替えて走行しました。

 二日目はウトロから阿寒湖温泉へ向かいます。但し、まともに直行するワケはなく、R334〜R244根北峠越え〜野付半島〜道道363〜道道8〜R243〜屈斜路湖〜R241と進みます。平坦な箇所のドライバビリティは至って良好、ただしこの日は根北峠・阿寒横断道路という凍結ワインディングが控えています。
 斜里にてR334からR244に入ると、最初はドライ路面で、やはり3月だと思っていたのもつかの間、かつての国鉄根北線終点越川を過ぎたあたりから路面に雪が目立ち始め、しばらくいくと完全にホワイトアイスバーン状態になりました。ただし、R244は国道昇格時期が早かったこともあってか改良がなされており、60キロ程度で走っている分には普通に走れました(但し、私は北陸に8年転勤で住んでいたので東京近辺でしか運転しない人とは感覚が違うと思います。念のため)。ここも下りは目一杯回生ブレーキで燃費を稼ぎます。

道東道

 野付半島で流氷・国後島撮影を楽しんだ後は、メインルートばかりだと面白くない為、根釧台地を走るローカルルートを辿ります。ただ、ローカルルートとはいえ、道道であればやはり北海道だけあって、本州ならば主要県道レベルの道路で安心して走れます。ただ、根釧台地の風景はあまりに北海道らしかったので、ちょくちょくクルマを止めては風景写真撮影・・。さらに、R243に 入りR272との交点は、R272側が鈴木宗男氏が作った道路とされる「春別道路」に当たっているためまたまた撮影・・。結構ちょくちょく止まりました。 ただ、風景写真を撮っていたのが幸いして?レーダーパトが速度測定している地点の手前で親切にもパッシングしてくれるクルマと遭遇することが出来、辛くも一発免停から逃れることができました。ここ数年、毎年冬には道東に来ていますが、今まで速度取締りを冬季には見たことがなかったのですが、やはり3月も下旬になると再開するのでしょうか?? ということで、この先はレーダーパトには気をつけましたが、結局4日間通算3台見ることとなりました。 
 このあたりからプリウスにはエネルギーモニター機能があったことを思い出し、EMVの画面をエネルギーモニターに切替えます。ここから屈斜路湖・砂湯まではだいたい30km/L前後の極めて良好な燃費を示しました。

 屈斜路湖でペットのように人懐こい白鳥たちを写した後で、いよいよ阿寒横断道路に挑みます。
 ここは、特に峠の東側、弟子屈町側は谷の北面に道路がつけられている箇所が多く、また土砂崩れの罹災防止の為のシェルターが多いのですが、ここが冬季は隙間から吹き込む雪が凍結しとても走りにくいという難所です。麓のストレートでは目一杯走りましたが、凍結箇所にかかるあたりからは40〜50kmに落とします。
 この区間ではさすがに上りのタイトコーナーが続くため、5分間平均燃費が最低12km/L付近にまで落ち込みますし、それ以上にすべるすべる・・。50km程度で走っていても追いつかれはしないが、当然追いつきもしないというペースです。ただ、峠を越え阿寒町に入ると道が開け、凍結もなくなりペースも上がります、また下りなので回生ブレーキも利かせまくり、エネルギー回収効率も上がります。この区間では下りとはいえ、高速コーナーとはいえ山道なのに5分間瞬間燃費はなんと40km/L、これが2区間も続きます。そんなこんなしている内に前のクルマが見えてきたためペースを落とすと、ややおいて後ろからも一台クルマが・・(お前もなかなかの腕だな・・と後ろのクルマに思わずつぶやいたり)。 結局、2日間で燃料系は半分+1セグメントの消費率でした。

道東道

 この後、3日目は帯広へ行き、4日目は帯広郊外を走り帯広空港へ、というルートで走り、トータルの走行距離はおよそ850km、消費燃料は41L強という結果でした。
 (この間で十勝スカイロードも走行、但し今回は写真撮りながらゆっくり走りました)

 北海道という利点はありながらですが、結構燃費も伸ばすことができ、またドライバビリイティも満足のいくものでした。プリウスの場合、走行用のバッテリーが切れると「亀さんマーク」が点灯し、どんな場合でもエンジンだけで走ることになるためドライバビリティが落ちるといわれていますが、北海道というステージであったため、亀さんマークが点灯することもなかったです。

 本州のようにゴー/ストップの多い土地では停止の際、回生ブレーキを多用するようにして、発進時などにはエンジン・モーター併用で走るようにすれば燃費は勿論、ドライバビリティにも良い結果が得られると思います。回生ブレーキを効かすには停止の際にレンジを「B」にすればいいだけですのでそんなに難しいことではありません。

 余談ですが、ゆっくり発進すると充電状態が良ければ40Kmまではモーターだけで発進しますし、また停止時はアイドリングもストップします。この為、停止時はとても静かですし、モーターだけで発進する時は、インバーターの音が良く聞こえます(蒲田住まいの私には京浜東北線に乗っているような錯覚に陥ります。停止時も)。環境に興味のある人だけではなく、鉄道好きの人にも薦められる商品かも・・。

 また、トヨタのクルマは平均的には「品質はいいけどドライバビリティが・・」というクルマが多いのですが、何故か初代に当たるクルマは例外が多く、初代エスティマ同様、このプリウスも意外にもカローラあたりより乗って楽しいクルマに仕上がっています。レンタカー会社によってはカローラクラスの料金で借りられるので興味のある方は一度試してみては如何でしょうか

緑陰道路プロジェクト
 投稿者---551planning(2003/03/30 04:45:59)
─第1次モデル地区指定
─緑陰のさらに蔭から

 3/3付交通新聞コラム「車窓」欄で、国土交通省が「緑陰道路プロジェクト」なるものの開始が報じられている。
 これは、都市部の街路樹の剪定をできるだけ取りやめ、「緑のトンネル」を思わせる美観道路を増やそうというもので、仙台市の青葉通り、広島市の平和大通り、宮崎市の県庁前通りなどが目標だとか。今月中にモデル地区を公募、15年度以降3年間で地方自治体や住民と協力して集中的に緑化していく由。剪定取り止めだけでなく、車線削減による植樹帯の拡大や街路樹の種類変更など積極的な「手入れ」になるようである。

国交省 http://www.mlit.go.jp/road/road/century/koubo.html

 なんでも、そもそもはかの小泉内閣メルマガに都市再生戦略チーム座長である伊藤滋早大教授の提言に、大きな反響を呼んだのがきっかけで安倍晋三官房副長官が飛びついたらしい…。LRTじゃあるまいし、なんでもかんでも「ヨーロッパの町並み」至上主義はこれいかに、と思うものの、東京で云えば青山辺りの景観はやはりいいとも云えるだけに、反応も上々だったということか。

朝日 http://news.goo.ne.jp/news/asahi/seiji/…

 道路に留まらず、緑化事業は各所で盛んだ。鉄道沿線しかり、再開発ビルしかり…ビルの屋上だってヒートアイランド防止策の一環として研究が進められている。住居などのブロック塀を生垣に変えるのを支援する自治体もある。
 そして、「美観」上、剪定の必要性があることも確か…ただ、切り屑はともかく落ち葉をかき集めて「ゴミ」として処分されるのを往々にして見かけると…?と感じてしまうことも。ゆえに落葉樹は好まれない傾向にあると聞いたことがあるが、かといって年中生い茂った状態だと、交通標識が見えずらくなるとか、果てはムクドリやらの大群棲み付きというような被害もあるだけに…。
 ちょい調べると、「街路樹剪定士認定制度」というものも99年に発足、現在全国に3千人の街路樹剪定士がいるというからこの話、ひょっとすると奥深き森のよう…?

朝日 http://mytown.asahi.com/osaka/news01.asp?c=5&kiji=158
日本造園建設業協会 http://www.jalc.or.jp/nus/nurs.html

 …カタチはどうあれ、「人工物」である以上何らかの面倒見は必要になるのだろう。やはり自然は偉大でアリマス。

第1次モデル地区指定
 投稿者---551planning(2003/04/05 13:03:03)

 取り急ぎ情報までに。
 「緑陰道路プロジェクト」、4/4付日経記事にもなっていましたが、このたび第1次モデル地区13箇所が指定されています。

 さすがは杜の都、仙台が広範囲で対象指定でしょうか。大阪や前橋辺りはあぁあそこかと浮かびますが、皆様は如何でしょうか?

国交省 http://www.mlit.go.jp/road/road/century/model.html
日経 http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003040402755

緑陰のさらに蔭から
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/03/30 12:03:39) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 神宮外苑をはじめ、きれいな並木道はクルマで走っても歩いても気持ちが良いものですが、その蔭にある努力とコストをどうするかというドロドロした部分があります。
 かつて桜並木と銀杏並木に面した住まいにいた時の実態をいくつか挙げてみます。

●落ち葉等の問題
 年中の問題ではないですが、桜の場合は花の4月と葉の11月、銀杏の場合は11月に集中して発生します。銀杏は幸い銀杏がなかったのですが、銀杏がなる性別ですとその始末もあります。公園の場合は落ち葉や花びらもまた風情があるのですが、路上の場合はクルマや人に踏まれてたちまち汚れますし、人車ともにスリップの原因となります。またあまり放置しておくと、煙草のポイ捨てによる火災の問題もあります。また銀杏は潰れるととても臭いです。
 道路管理者が植えており、手におえない場合は市役所などに連絡すればある程度対応はしてもらえるケースはありますが、現実問題としてその処理は結局沿道の住宅や自治会の「勤労奉仕」によるところが大きく、落花、落葉のシーズンの負荷が高いです。そして周囲が清掃しているのにしないというのもなかなか近所付き合いの手前出来ず、その点でもシーズンには掃除を優先するといった行動制約も生じます。
 あと、細かい話ですが、その「ゴミ」を入れる袋も有料ですから、些末とは言え実費が発生しています。

●害虫・害鳥の問題
 桜の場合は葉桜になったあと、必ず毛虫が大量発生します。銀杏はないのですが、年によって小さな毛虫や羽虫の発生があり、沿道家屋への侵入が発生します。
 船橋の場合特産の梨への病原菌不着防止もあり、時期を決めて街路樹や住宅の庭木に対する大規模な農薬散布(燻浄)をしてましたが(地域によってはイブキ系の植樹は禁止されているほど)、昨今はさすがに健康被害の問題からかやっておらず、桜に気休め程度ですが「毛虫捕獲箱」を取りつけるくらいです。
 鳥も、ご指摘のムクドリのほか、結構深刻な問題であるハトや、カラスの問題もあり、そこに木が無ければ、という恨み節を言いたくなることもあります。

●その他
 ご指摘の標識のほかにも宅配便の配送や、引っ越しなどで路側に停めるケースや敷地内に入るケースで、街路樹が邪魔になり、そのまま車を傷付けながら枝を折ってしまうケースもあります。
 また電線が残っていると、強風時に枝振りが電線に当たり、最悪は断線、停電になることもあります。

 こうした問題への対応コスト、また冬場の剪定(全くの無剪定は有り得ない)も銀杏の場合、冬場に驚くほど枝を落とすように大変です。解決すべき問題と、そのコストを誰が負担するのか。そこまで直視したうえでの導入論であってほしいです

高速バスの立席乗車は絶対悪か
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/03/31 19:53:34)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─中国高速線の途中バス停利用事情
純粋な「緊急避難的対応」もアウト?
 └Re:純粋な「緊急避難的対応」もアウト?

 3連休の最終日となった23日に、西日本JRバスが中国高速線で立客を受け入れていたことが発覚して、29日、兵庫県警が同社を厳重注意しました。

高速バス、乗客立たせて運行 県警が厳重注意(03/30神戸)http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/…

 高速道路での立客はできない規則ですが、引用の神戸新聞記事によると道交法だそうです。確かに道交法57条では定員超過を禁じていますが、適用される道路の範囲を特に定めておらず、省令通達なんでしょうがグレーです。この手の規制は「高速自動車国道」のほかに「自動車専用道路」に共通することが多いのですが、首都高や阪神高速、また同じ兵庫県でも連日立客満載で走る新神戸トンネル経由の市バスもあり、その線引きがいま一つわかりません。

 余談ですが、本四公団のHPによると、本四道路での自動二輪のタンデム禁止の根拠は、道交法71条の4の3項の「自動車専用道路」を挙げており、「高速自動車国道」を準拠していないことから、岩屋シャトルや学園都市駅発着便など神戸西IC以南で運行されるバスについては、今回摘発の中国道(高速自動車国道)とは別の扱いになるかもしれません。

本四公団Q&A http://www.hsba.go.jp/qa.htm#q5

 また、本四道路や新神戸トンネルでは前後扉などの吊革つき一般タイプの車両が運行されていますが、このとき「立客定員」が車両構造上定められていたとしたら、容認されるのかどうか、気になるところでもあります。

***
 さて、法律論はともかくとして、現実に一般路線バスにおいて定員超過が発生しており、明らかに輸送力不足の詰めこみ主義というケースは論外としても、実際には「満員通過」と冷たく言い放てないケースは多々あります。
 高速バスの場合は予約定員制で超過を防いでいますが、自由席制のバスも多いです。特に途中乗降が可能なケース、また、クローズドドアであっても複数停留所からの乗車が可能なケースにおいては、乗れるかどうかが蓋を開けてみないとわからなかったり、次を待てと言われてもハイそうですかというほど走っていないケースも多いのです。

 今回のケースも予め定員オーバー対策の臨時便を出した上で、その臨時便を含めた3便が各車10人以上の定員超過となったわけで、乗務員が違法対応をしたのもわからないではないです。
 もちろん完璧な続行便対応が出来れば問題は無いのですが、津山からの便で続行を出すかの判断について、1時間半以上後の北条や滝野社の動向を推測することを強いるのは酷でもあります。今回は北条や社に共同運行社の神姫バスの車庫があり、高速対応車を用意することが物理的には可能ですが、急な対応は不可能です(続行対応で運転手を拘束しないと行けない)。
 だからといって毎回毎便に続行便を念の為に連れていくとなると、運行の有無はともかく、続行便対応の車両と乗務員を常に用意する必要が生じ、固定費が2倍以上になり、そこまでを事業者に強いることが妥当かという議論になります。こうした事態の場合、ある程度は詰め込みで柔軟に対応するのが鉄道の特徴でもあるんですが、高速バスの場合、それが1人たりとも許されないがために乗るに乗れないのであれば、公共交通といえるのかどうかという問題も生じるでしょう。
 自由席制の高速バスが間違っているというのは易しいですが、東名や中国道のように幹線交通とローカル輸送を兼務しているようなケースで、隣の停留所まででもいちいち事前予約をしなければ使えないという状態を強いるのでしょうか。

***
 実際に路線バスでの定員超過や立客がいる。速度こそせいぜい60kmで、100kmまで出せる高速道路とは違いますが、一方で絶え間無くゴーストップが繰り返される一般道や、左右に大きく振られたり、前後にも傾く山岳路線での立客が事実上容認されている状況を鑑みると、少なくとも通常走行ベースでの危険性は高速バスのほうが遥かに小さいと言えます。
 ですから、一定の条件を課した上で、高速バスの立客を容認する方向に方針変更すべきです。

 もちろん万が一の事故発生時の被害が全然違うだけに、そのときの被害が絶望的に大きくなる高速バスの立客を容認できないという姿勢もわかりますが、そこまで過保護にすべきかどうか。万が一が怖い場合、乗らないと言う選択肢もあるわけで、それで乗れなくても現行の規制より条件が悪化することはありません。
 事故時の責任をある程度乗客側に負担させる条件、つまり、事故時の保護が着席客に較べて劣ります、ということを理解している前提で容認するのです。

 もちろん、これを悪用して詰め込む事業者を避けるために、途中停留所とか、事業者の車庫から何キロ離れているといった一定の条件を充足した停留所に限り認め、その許容数は予め届け出ることで、「座席定員」を原則として、積み残し対応としては緊急避難的な「立客定員」で吸収するのです。

 確かに決まりは厳として存在しますが、対応に苦慮する現実もあります。その現実をどうするのか、理想だけでない現実的な対応を考えても良いのではと思います。

中国高速線の途中バス停利用事情
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/23 22:49:17) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 別項にあるとおり、この10月26日の運行を最後に休止する中鉄バス・三ノ宮−姫路−津山−上斎原線で津山に到着しましたが、帰路は中国高速線に滝野社ICまで乗り、西脇急行で三ノ宮に戻るコースを選択。そして早着のおかげで乗り継げたようなものですが、到着わずか8分後、16時半の中国高速線の急行大阪行きに乗り込みました。

中鉄バス神戸線も休止 ../../gallery/special/025.html#11

 神姫バス便で11列車。前面のサボに「高速路線バス」とあるのは目新しいです。
 車内は12人です。中鉄の神戸線と違い、津山ICまで停まらず、そこから高速ですが、津山ICでは7人が乗車。来る時にここで津山16時発の特急便を見ましたが、2台口で、しかもIC乗車が結構いました。東津山駅からこのあたりはロードサイド店も多い新市街になっているようで、侮れない需要があります。

 さて、中国道に入って驚いたのは駅から290円、ICから190円の次の中国勝間田で速くも5人下車。しかも4人はICからです。この先作東、佐用でも降車があり、美作から西播磨にかけての区間移動対応も担っているようで、津山を同時に出た湯郷経由大原行きが無人というのもローカルまで高速バスが担当しているがゆえでしょう(作東までは「並行」になる)。
 乗車も各BSであり、佐用での6人は目立ちます。山崎バリア通過時点の車内は26人。バリアをバスはETCでもないのにノンストップで抜けましたが、なぜでしょう。

 出口入口のブース間隔を空けて、ICの内外にバスとクルマのロータリーを確保したユニークな作りの山崎ICでの乗車は意外にもたった1人。加西SAで7分休憩し、結局滝野社で降りたのは3人、乗車も3人で33人で去っていきました。
 乗降が無かったのは南光、葛根、福崎ICの3個所だけで、区間利用や途中利用が目立つ結果でした。これでは続行便対策も難しいわけです。

***
 滝野社ICのバス停構造は面白く、ICを出た高速バスはUターン路に入り、R175に面したBSに入ります。ここがR175南行き側道のBSと対面接続になっており、主に西脇急行と接続します。バス車内でも西脇への路線バス接続を案内してました。
ちなみに西脇始発の大阪線は側道側に停車し、Uターンして反対側からICに入るようです。
 この側道スペースが曲者で、バスの発着、タクシーの待機、送迎に活用されており、特にタクシーが常駐しているのが大きく、西脇、滝野、社といった周辺地域の施設が、その交通案内で中国高速線滝野社ICからタクシーと書いているのも、常駐がある信頼感から来ているようですし、当たり前に使われています。

 滝野社到着は18時11分、西脇急行の発車は26分ですが、その前後、19分の北条行き、30分の西脇始発大阪行きが来ることになっています。北条行きからの降車状況を見たかったのですが延着でかないませんでした。
 驚いたのは続続と集まる乗客で、西脇急行到着時には何と22人。私を含む4人は西脇急行に乗りましたが、この集まり具合ですと30分のバス発車時には20人はとうに越え、30人に迫ってもおかしくない感じで、これでは積み残しや強引な立席乗車が出るのもむべなるかなという感じでした

純粋な「緊急避難的対応」もアウト?
 投稿者---551planning(2003/09/23 22:36:12)

 エル・アルコン様が御提示された件につき、まさかの別途例が発生しました。上記御紹介の例は通常運行時の定員超過運行という事例(54人乗りで十数人規模で乗車、2時間近く立席運行したというもの)でしたが、今回はより「緊急避難的要素」の強い案件ながら、事情聴取に至っているとの由。

高速バス 故障車の乗客を定員オーバーで8キロ移送 熊日(09/22)http://kumanichi.com/news/…
<JR九州バス>オイル漏れで乗客乗り換え、定員オーバー 毎日(09/22)http://headlines.yahoo.co.jp/…

 21日夜、JR九州バス博多発鹿児島行高速バス「桜島号」が九州自動車道下り線を走行中にオイル漏れを起こし、急遽本来は停まらない鹿央本線バス停に緊急停車、乗客27名を降ろして代替バスを手配中、10分後を雁行していたたまたま同じJRQB便だった博多発宮崎行「フェニックス号」が(これも本来停まらない)鹿央バス停に停車、「乗客の希望により」約8キロ先の北熊本SAまで移送したというもの。このとき宮崎行は27人が乗車、合わせて54名の乗客を乗せた(かつうち25名が立席乗車した)ことについて熊本県警が道交法違反(乗車制限)の疑いで関係者から事情聴取中とのことで…。

 記事を素直に読めば、代替バスを手配中にとりあえず妊婦が乗車していた事から故障便の運転手と管轄(と思われる)同鹿児島支店とが判断の上フェニックス号を停車させたところ、乗客が屋内休憩施設のある北熊本SAへの移動を希望したため、結果全員を「移送」したということになりますが、結果的に代替バスが現場に到着したのは1時間半後、鹿児島到着が2時間後ということですから、この判断は適切だと言い切れると考えます。
 その意味で、記事中JRQB総務部長は「プロとしてやってはいけない行為。誠に申し訳ない」と話している由、これはオイル漏れという整備不良ないし適切でない運転行為があったことについてを指していると思いたいです。少なくとも「事件は現場で…」ではないですが、運転手と乗客の状況を想起するに不適切と断ずるには忍びない気がします。

 本件はやはり法規の柔軟的な解釈について問題視すべき、まさしくエル・アルコン様御提示に即す形での「規定」ないし判断・指示が監督官庁からなされるべき事案であると考えます。現場の本線バス停がどのような立地条件にあるのかは寡聞にして判りませんが、30人近い人がいたこと、結果1時間以上を要した事実からしても、少なくとも休憩設備であるSAへの移送は許容というより必要ではなかろうかと感じます。まさにこれを「緊急避難」と云わずして何とすると思いますが…。

Re:純粋な「緊急避難的対応」もアウト?
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/23 22:49:17) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 何というかの「事件」ですね。

 道交法違反の疑いで聴取というのは確かに「疑い」があるといえばそれまでですが、常識的に考えて「疑い」を差し挟むこと自体が常識を問われる事例です。
 もちろん、定員オーバーの点だけを切り取れば道交法違反ですが、それに至った事情を考えれば100%違法性が阻却されます。

 つまり、20時半過ぎという夜間において、車両故障、それもエンジン系のトラブルのため乗客全員が車外で待機していたケースであり、特に妊婦がいるなど速やかに乗客を安全な場所に確保する必要があること。27人という大量の乗客の輸送手段の手配が困難であることは自明であり(バスを手配しないといけない。かつ高速道路上であり、手配箇所の問題や回送時間の問題がある)、救済手段が極めて限られること。さらに最寄りのSAまでの約8kmと必要最小限の距離であること。以上の状況を踏まえれば、典型的な緊急避難であり、道交法違反を敢えて問うまでも無い事態です。

 車両の整備不良により大勢の乗客を夜間の本線BSに降ろすような事態に至ったことについて事情聴取をするのであればわかりますが、相対的に乗客の安全確保につながる手段が咎められるのであれば、異常時におけるバス会社側の対応が大きく萎縮する懸念すらあり、今回の熊本県警の対応についてはそうした「アナウンス効果」を招くという意味で非常に問題です

高速道路は「高速」が安全??  投稿者---とも氏(2003/04/03 18:58:56)
 http://town-m.vop.jp/

 フランスの新聞 Le Figaroが掲載した記事の日本語訳が雑誌「高速道路と自動車」2003.4に紹介されていました。
 興味深い記事なので要約を紹介します。

 6/1からイタリアでは片側3車線高速道路の制限速度が150km/hに引き上げられる。
 また、日本では経済や環境に多大な影響を及ぼす高速道路の渋滞を解消するために時速140km/hで走行できるTGV道路を開通させるはずだった。 (注1)
 アメリカではモンタナ州をはじめいくつかの州で同様の措置がとられ効果を上げている。
 今や先進諸国の多くが速度制限の効果を疑問視している。制限速度を低く抑えてきた日本が多額の資金を投入して140km/hの道路を建設したのは安全性を損なうことなく走行時間を短縮し郊外を減少させるためであったが、結局、制限速度は120km/hと定められた。土壇場で日本の警察が道路上で120km/h以上の走行を禁止する古い法律を持ち出したからである。  (注2)
 交通安全が重視されている昨今の状況から見て、イタリアの制限速度引き上げ措置は衝撃的ともいえる。
 しかし、OECDに所属するIRTAD(国際道路交通事故データベース)の統計を見ると、各国の人口比を考慮した高速道路上の死亡者数は、制限速度が厳しく課されているアメリカがフランスを上回り、制限速度が無いドイツはフランスを下回っている。また、交通密度で見るとアメリカは1km当たりで2台以下、フランスは3台、ドイツは4台である。
 また、1994年〜98年にモンタナ州で行われた実験によると、昼間の制限速度を撤廃したところ交通事故発生件数が激減し、99年6月に実験を打ち切ったところ、99年1〜6月に月平均6.2人であった事故死者数が7〜12月には10.1人になり、2000年には12人にもなった。
 さらに、1995年にアメリカは全国一律55マイルの速度規制を廃止し、各州で独自設定にしたところ、多くの州で65〜75マイルの制限速度となったが、その後、高速道路での死亡事故者数が11%減少した。

注1)第二東名・名神を指すと考えられる。140km/h設計区間は3月の豊田〜豊田東が初供用区間
注2)第二東名の規制速度に関してオフィシャル(JH、国交省、警察等)から公表されたものは今のところない。

(参考)高速道路と自動車 2003.4 高速道路調査会 http://www.hwysafety.com/hwy_intro_speed.htm

***
 なかなか興味深い記事です。
 本文では、なぜ交通安全政策において速度制限を中心に据えるかについて
  ・速度制限が国民の支持を得ており、この規制が悪質なドライバー向けのものとの認識を有していること
  ・速度制限によってインフラの節約、違反の罰金により利益を生むということ
の2点を示しています。

 この記事の中でも触れられているように、第二東名・名神は伊勢原市〜豊田市間他で設計速度140km/hで設計されており、カーブも半径が大きく、また路肩や車線が広いなど安全面での配慮も当然なされています。
 確かに、速度が高ければ交通密度は上がり、効率は高くなります。
 また、燃費は車両性能や排気量などに影響されますが、無駄な加減速が無い状態であれば80km/h〜100km/h程度、最近の欧州車などでは〜120km/h程度までが最も燃料消費が少なく、必然的にCO2排出量が少なくなり、加減速を極力させない工夫が求められます。Noxに関しても、様々な実験結果がありますが、触媒の性能との関係もあり、低速走行よりは高速走行のほうが一般的に排出量は少なくなります。80km/h前後が最適とされていますが、欧米の実験結果では120km/h程度となっているものもあり、触媒機構や走行環境などによって変化するようです。

 となってくると、果たして我が国の高速道路の制限速度は今のままでよいのかという議論が再び生じます。
 最大の懸念であった事故に関しては、緊張感が増大することで事故が減少することや、そもそも高速道路における交通事故の第一因が速度の出しすぎではなく、シートベルトの不着用、無理な追い越しや車線変更、車間距離不足などによるとされているとこの記事においても記されています。
 そのまま日本にあてはめることはできません。また、日本において今のままの状態で「規制速度なくします」といかないのは当然でしょう。
 しかし、欧米諸国の例を見る限り、必ずしも規制速度が低いことが交通安全につながると言うことではなく、逆に規制速度にメリハリをつけることが事故防止につながるという研究もあります。よって、頑なに規制速度を固持するのではなく、速度の緩和を考えても良い時期に来ているのかもしれません。

 ただし、緩和一辺倒ではダメでしょう。アクセスコントロールのない一般道で100km/hなんてそれは許されないと思われます(よほど人家も道路も無く横断などが考えられないのであれば別)。
 ですから、イギリスやフランスのようなメリハリのある規制でしょう。高速道路では緩いが、街中ではものすごく厳しい。人家が連なる地区では30〜40km/hなど当然でしかも皆守られてます。また、高速道路でもドイツ以外は120〜160km/hであり、その速度を皆守ります。日本の街中の速度規制は非常に甘く、また、欧米では当然の歩行者保護もおざなりです。そういった部分を含めた総合的な改善が必要です。

 それだけではなく3車線の高速道路では走行速度に合わせたレーン取り、合流時のスムーズな車線変更、追い越し車線連続走行ではなくきちんとした走行区分の実施、無理な追い越しや追い越し車線などでの割り込みの禁止等ユーザー側もきちんとした対応が必要になります。

 そのような環境に少しずつでも変えていくように、行政だけではなく、我々ユーザーの意識変化も求められるということでしょうか

東京区部における都市計画道路の整備方針の意見・提案募集  投稿者---かまにし氏(2003/04/08 15:40:20)

 かまにしです。

 現在、東京都が「区部における都市計画道路の整備方針(中間まとめ)」というのを作成し、現在、意見・提案の募集をしています。詳しくは、以下をご参照ください。

http://www.toshikei.metro.tokyo.jp/seibihosin/index.html

 都市計画道路は、何十年も前に決まっていながら未着手のものや、他の道路ができたからもはや必要ないものなどもあると言われ、23区でも完成率は未だに57%です。今回、東京都は区部の全ての都市計画道路を対象に、その必要性を検証することにし、必要ないと判断されたものについては、決定の取り消しも考えているようです。しかも、必要性の検証にあたっては、東京圏という広域的な観点だけでなく、地域のまちづくりの観点からも考慮することになっているそうです。

 都市計画道路そのものは必要な場合でも、両側に商店街が張り付いてしまっている例なんかだと、拡幅の合意形成が取りづらいのはもちろん、既存の店を建て替えることも容易にできない(建て替えれば、道路幅の分だけ後退しなければならないが、そもそも敷地が小さいところが多いので、実質的に立ち退きとなることも)、それがゆえに街のリニューアルができず、街全体が衰退するはめになる、なんてこともあります。

 僕も都市計画道路自体は否定しませんが、上記のケースなんかの場合に、もう少し柔軟な対応ができないものか?という気持ちは正直言ってあります。今回は、都市計画決定の取り消しも視野に入れて意見・提案を募集するということなので、ぜひ皆さんと議論ができたらと思います

割高な名古屋の高速道路  投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/21 18:10:28)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 高速・有料道路は通過流動を受け持つバイパス的機能を専らにしますが、原則として有料であることから、その料金負担を嫌われて所定の効果が上がらないケースも見られます。
 さらに、大都市近郊に顕著ですが、道路事業者が異なるために路線自体は連続しているのに料金は分断され、事業者ごとのターミナルチャージ(「初乗り」のようなもの)を負担することによる割高感が目立つケースが散見されます。

 3月29日に開通した東名阪道の上社JCTと高針JCTもそのひとつで、高針JCTで名古屋高速東山線と接続して名古屋都心方面とのアクセスを謳いますが、都心から名古屋ICまでは何と名高速とJHの合算で1150円にもなります。しかも東名阪道は名古屋西JCT以東は乗り切りの均一制となっており、名古屋ICで東名と連続走行しても料金通算がありません。
 この間環状線からの距離はわずか12.2km、東名阪の環状部分から名古屋ICへの分岐部1.4kmはJCTみたいなものですから正味の東名阪は2.7km、分岐のマージンを考えたら2km程度の本線走行ですからひどいものです。これでは従来通り東山通りを市街へ向かうクルマは減らないとも思えます。

 まあもともと楠JCTのように上社JCTで十字交差の路線にする予定が、環境問題により挫折し、斜交いにずれた高針JCTでの接続になったのが祟っており、おまけにその計画変更の理由に、通過交通を招き入れないという目的があるのに至っては何をかいわんや。せめて名古屋IC・本郷IC〜上社JCT〜高針JCTというクルマには出口ETCで減算するというような対応が必要です。

 さて、確かに東名阪がボッタクリという感じなのは事実ですが、トータルでの割高感の醸成には名高速のほうが「貢献」しています。三大都市圏の都市高速については首都高と阪神高速が700円ですが、名高速は650円。料金だけは拮抗してますが、ETCが使える料金所は1箇所もなく、しかも首都高や阪高が環状線から最低でも10km、たいてい15km前後は利用できるのに対し、名高速は大高線が環状線から12kmありますが、あとは5〜8kmと極端に短いです。首都高や阪高が通り抜け流動も目立つのに対し、名高速はその役割を東名阪に譲っているため、利用平均距離は相当短いのではと思われます。
 これで650円取るのも恐れ入りますが、名神、中央へのアクセスとなる小牧線は楠JCT以北で別料金となり350円は都合1000円です。環状線から小牧まで13.8kmに過ぎないのに加算料金とは強気もいいところです。名高速側では小牧−名古屋西の流動が小牧線の別料金化により安い東名阪経由に流れる迂回効果を謳ってますが、それがどの程度なのか、逆に小牧線を嫌ってR41を行く流動がどのくらいかを考えるべきです。

***
 あとは東名阪の別料金が一つのネックではありますが、都心部を迂回する環状道路としてみた時、現在の500円均一という制度が、先程の名高速の小牧線別料金課金理由にもあったように一種のロードプライシングに確かになっています。もし小牧線どころか東名阪も名高速と共通であれば、名古屋西JCTから名古屋ICまで、万場線〜東山線経由にシフトしてしまい、都心発着の流動とバッティングしてしまいます。
 東京外環道の500円均一もその含みであり、必ずしも料金共通化が万能ではないということですが、ETCを活かした経路別料金の課金などで対応する手は今後の課題です

大阪市の渡船から見た「道路に払うコスト」の意味  投稿者---エル・アルコン氏(2003/05/28 18:48:47)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 大阪というと、かつてはお江戸八百八町の向こうをはって大坂八百八橋といわれたほどの水の都で、今でも淀川とその支流に加え、数多くの運河が独特の都市景観を生んでいます。
 で、大阪の交通で知る人ぞ知るの世界ですが独特なものとして、「渡船」があります。これは、西南方面に半島のように張り出した大正区がほとんどですが、取り巻く川に架橋できなかったことから、道路代わりに渡船を設けたものです。かつては大正区以外にも数多く存在し、また古くは江戸期から私営で渡し賃を取っていたようですが、大正9年、旧道路法の規定により無料となっており、現存する8航路は大阪市の運営による無料の渡船となっています。

大阪市渡船

 8航路のうち7航路が大正区絡みで、残る1航路が此花区と港区を結ぶ天保山渡船。このほかに安治川の河底を通る安治川トンネルもあり、こちらも市による有人エレベーターが運転されていることから、広義の渡船といってもいいでしょう。
 これら渡船が残った理由は、木津川、尻無川といった大正区を挟んで流れる河川の上流側に港湾施設とそれに依存する工場群があり、航路の確保と架橋の両立が難しいことと、木津川、千本松、千歳の各渡船のように、架橋はされたが外航船の通行のために橋高が相当高くなってしまい、地域交通には使えないため存続したり、天保山渡船のように橋はあるが阪神高速だけというケースです。

***
 先週末に安治川トンネルを含む各渡船に乗ってみましたが、概ね46人定員の船を用い、道路の代わりという位置付けからか、所管が他が建設局なのに唯一港湾局である木津川渡船を除き座席はありません。
 概ね早朝から夕刻若しくは夜半の運航で、朝夕は路線によってはピストン輸送の所もありますが、日中は概ね15分ヘッド。事務所(詰所)のある川から時間に出航し、対岸で乗降を扱いとんぼ返り、という運航です。運転と接舷作業の関係で2人乗務(3人の所もある)ですから手厚いサービスともいえますが、20トンにも満たない小船ゆえ揺れますし、桟橋も浮き桟橋ですから介助の意味でも人手がいるようです。まあ日中は定員いっぱいでも毎時往復368人の交通量、実際、年間の8航路の利用合計は197万人という規模に過ぎないといってしまうと実も蓋も無いですが、今日も大阪の市井の生活を支えています。

 利用してみて気付いたのは、安治川トンネルを含めて自転車の利用が多いこと。区境を越えての話ですから、徒歩でちょっと、というより自転車の出番でしょうか。徒歩で遠距離となると近場若しくは遠回りで川を越えるバスがあるわけで、そこに利用層の偏りの原因があるようです。
 そのため渡船もトンネルも自転車利用を前提にしており、安治川トンネル両岸のエレベーターは、昨今のバリアフリー対策でようやく一般化した通り抜け型のエレベーターを採用しているほどです。
 なお渡船の乗降は自転車優先という暗黙のルールがあるようで、乗務員もそのように誘導しています。

 自動車交通やバスがあればいいではないか、また、自転車でも坂道さえ厭わなければ通れる、という意見もあるでしょうが、歩行者と自転車の「道路」として機能しています。

***
 さて、この渡船、2人1組の乗務員を張りつけ、船を用意して運航しているからにはそれなりのコストがかかるはずです。交替要員も各渡船でローテーションを組めば少なくて済みますが、そうはいかないでしょうから2組として32人でしょうか。法定福利をいれて年間600万円の人件費として1.9億円、それに船の維持費に燃料費等々を考えると、億単位の予算を見返り無しで投入しています。
 もし197万人が平均で50円の渡し賃を払ったとしても1億円にも満たないわけで、事業としての成立可能性は限りなく低い、公営の無料渡船だからこそ存在し得るといえます。

 しかし見方を変えれば、これら渡船はあくまで大阪「市道」であり、この手の生活道路であれば道路財源よりも一般財源による負担が大きい分野です。そこでこれを橋で代替したならば、架橋という設備投資や維持費がかかるわけで、市当局から見たら両者のコスト比較になります。
 言ってみれば、生活道路を建設し、維持するコストというなかなか見えづらいものが、渡船という形態を取っていることで、区間別収支が見えているわけです。

 このとき、渡船「事業」の存続について、市民に頭を下げて廃止し、バスか急坂を利用してもらうケースを考えたとして、その理由はどうなるでしょう。
 架橋にともなうコストの方が安い、バス路線の新設など移動モードの充実の方が安いといったコスト比較になることはあっても、「渡船が(無料だから)儲からない」という理由は存在しないはずです。

 ここに、道路は誰のもの、何のためという大命題の解が潜んでいる気がします。
 コストの削減、効率化はあっても、道路は金儲けのためにあるわけではない。渡船という「事業」が「渡し賃」という見返りを期待しないで存在しているのはなぜか。そのコストが容認されているのはなぜか。小さな渡船が問いかけている気がします。

2005.07.20Update

backindexnext
Copyright © 1998-2006 Unlimited Liability Company 551planning. All rights reserved.

Powered by ロリポップ!アフィリエイトはエーハチネット