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【検証:近未来交通地図】<road to 〜 当世道路研究>
(過去ログNo.512)
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近畿東海のバイパス高速開業に思う  投稿者---エル・アルコン氏(2002/12/26 16:55:45)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 名神高速の渋滞ポイントといえばかつては天王山トンネルでしたが、別ルート増設による往復8車線化により昔語りです。今では京都南から大津、瀬田付近の狭いトンネル連続区間の渋滞が深刻ですが、これも今年度中に京滋バイパスの全線開通により、瀬田東IC−大山崎JCT間で名神との2ルートが確保されることにより、渋滞解消が期待されています。

 名神関係では将来の第二名神、第二東名となる伊勢湾岸道も、今年度中にみえ川越IC−四日市JCTが開通して東名阪道と直結し、東側も名古屋南IC−豊明ICの開通でR1と接続。また近い将来は豊田JCTまで伸び、東名と直結することで名神と伊勢湾岸〜名阪の2ルート化が達成されます。

***
 さて、現在京滋BP、伊勢湾岸道とも区間開業ですが、それなりに渋滞ポイントをバイパスしていることから区間利用がそれなりにあると思いきや、かなり厳しい状況です。特に伊勢湾岸道は両端とも高速道路に接続していないハンデはありますが、名うての幹線道路であるR23名四国道を短絡するのですから価値は高いはずです。

 もうおわかりでしょうが、京滋BP、伊勢湾岸道ともその料金が障壁となっています。京滋BPの場合現在の瀬田東−巨椋間で930円、これが大山崎までつながったら現在の19km程度が27kmですからさらに上がりそうです。伊勢湾岸道も25km弱で1350円ですから、こちらは相手が往復4車線の無料バイパスですからさらに弱く、往復6車線の立派な施設が泣いています。

 まあ相手が一般国道である以上、まさか料金を無料にするわけにもいかないので、ネットワーク組み入れまで辛抱するしかないのですが、問題は開業後です。
 この両ルート、京滋BPの場合は瀬田東−大山崎での名神との距離差はわずかに1kmですが、かたやプール制の高速自動車国道、こなた独立採算の一般有料道路であり、料金格差が心配です。伊勢湾岸道は豊田JCT−四日市JCT開業後の話ですが、名古屋−名古屋西の均一区間(打ち切り計算)を挟む東名〜東名阪ルートとの格差はどうなるのでしょうか。

 バイパス効果を極大化するのであれば、京都、名古屋という大都市アクセスも兼務する既存ルートにおける通過流動を極力新ルートに流したいのですが、経済的インセンティブを与えるべく新ルート側の通行料金を政策的に下げて欲しいものです。
 伊勢湾岸道も、豊田JCTまでの開業まで待たずに、例えば岡崎IC経由で豊明ICに乗り継ぐ場合などに割引料金を設定して、伊勢湾岸道の利用を促すべきです。
 こういう手法もETCなら簡単なのですが、京滋BP、そして高速自動車国道のはずの(除く名港トリトン区間)伊勢湾岸道もETC非対応というのが悩ましく、かつ、知恵のない話です...

湖西ルートの問題点
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/14 16:04:46)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─Re:湖西ルートの問題点

 関西から琵琶湖を巡り北陸への回廊は、鉄道の世界では湖西線の開業により、長らくその座に君臨した米原回りから主役が移りましたが、一方道路交通においてはR161の湖西ルートが主役とならずに、名神から米原JCTで分岐する北陸道がメインとなったように、鉄道と道路でのねじれが生じています。

 とはいえR161ルートも、京都、そして新快速の整備に伴い大阪の近郊としての開発もめだつ湖西の諸都市の重要な足として、また琵琶湖のウォーターレジャーに比叡山をはじめとする山々に代表される湖西エリアの行楽の足として重要性を増しています。また敦賀や小浜方面への短絡路としての機能もあり、関西圏でも重要なルートの一つです。

 ところが京都から大津にかけての隘路はいかんともしがたく、湖東方面へのR1や名神が遠く宇治から瀬田に抜ける京滋バイパスというバイパス路を持つのに対し、琵琶湖と東山〜比叡山に挟まれた狭い大津市街を交わして湖西エリアに抜けることを宿命付けられて入るR161は厳しい状況です。
 それでも山科の名神京都東ICからR1をわずかに共用し、大津市街の西側をトンネルで抜ける西大津バイパスにより、音羽山を越えて大津の街中を経る旧道とは比べ物にならないスムーズなコースを確保していますし、西大津バイパスはそのまま有料道路湖西道路につながり、志賀まで一気に北上するルートが確保されているように見えます。

***
 しかし、実際に走ってみるとその道路事情は厳しいです。
 京都東ICの先でR1と分かれたあとのR161西大津BPはなんと対面2車線。旧R161の信頼性と、名神とのアプローチを考えると、湖西線唐崎駅付近で湖西道路と別れるまで、事実上幹線流動はここだけといってよく、それが片側1車線というのは厳しすぎます。

 皇子山から有料無料の分岐までのわずかな区間は片側2車線ですがわずかなもので、トンネルと掘割、そして勾配が連続する区間ゆえ上りの渋滞が厳しいです。この渋滞、R1合流のためという訳でないのが特徴で、単純に輸送力不足なのです。

 湖西道路も地図で見る限りは真っ直ぐな快適路で、確かに全線830円の料金が災いしてか空いています。ただ、これも道路のスペックがドライバーに利用をためらわせている面が大きいようで、坂本北から志賀までの全区間で追い越し可能区間が全くない対面2車線。しかも高速道路の暫定2車線区間のようなポールが立っているでもない状態です。
 そのため利用者の不満も料金面に集中している状況で、使われないバイパスと貧相な現道への集中に、滋賀県も湖西道路の活用を目的とした社会実験を考えているようです。

http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/2002/11/8/jyuten/17.pdf

 その料金ですが、本線料金所2箇所での支払であり、それも仰木雄琴TBで420円、和邇TBで410円と非常に中途半端な徴収です。こういうときに役に立つのがETCや各種カードですが、ハイウェイカード以外のカード類の使用ができないという信じられない不便さで、ETCはともかくクレカの使用不可はJH管理の有料道路でも珍しいというか、幹線系ではここだけではないでしょうか。

***
 志賀以北についてはR161の高規格化で対応するようで、高島町内では4車線になってますし、その先もマキノ町内にかけて暫定2車線とはいえバイパスがかなり整備されており、特に今津〜マキノは立体化も完成しています。
 マキノまでくればあとは峠を越えて敦賀は間近であり、京滋BPの開通による緩和が見込まれるとはいえ、栗東や瀬田、大津の負荷やリタンダンシーを考えると、R161ルートを整備する意義は十二分にあるはずです。

 今津方面から戻ると近江舞子の手前で湖西線の高架が跨ぎますが、その橋脚に渋滞に苦しむクルマに見せ付けるように渋滞知らずのJRをアピールする広告が貼ってあります。新快速を使うとクルマは足下にも及ばぬ利便性を享受できますが、だからといって全面的に鉄道利用にシフトというわけにも行きません。

 ちなみに大津の渋滞回避策として、堅田から琵琶湖大橋を渡って東岸に出て、栗東や瀬田から名神や京滋BPという手がありますが、これがR161でも最大級の難所である堅田交差点を経由しないといけないわけで(地図には「夏季を中心に全方向大渋滞必至」と書いてある)、渋滞を回避するための迂回路が最大の渋滞ポイントをマトモに通ると言う根本的矛盾があります。

***
 湖西ルートの問題、山科−大津の明らかなる輸送力不足に湖西道路の使い勝手の悪さ、そしてR161の改修の遅れとそろった現状は、大都市圏に位置し、幹線交通の流動に即したルートにしては相当お粗末な現状であると言わざるを得ません。

Re:湖西ルートの問題点
 投稿者---うり氏(2003/04/24 23:00:07)

 うりです。
 大阪は信号無視が多いといわれますが、滋賀はそれ以上の気がします。
 R1滋賀県内での渋滞発生箇所といえば、瀬田駅口、野路町、草津駅口、石部口が名所です。いずれの信号も、脇道側の青信号が長く、かつ脇道側からスムーズに国道に進入できることが特徴です(逆にいえば、国道をまっすぐ進む車は動き出したなと思うとすぐ赤信号に当たることになる)。
 すなわち、多少の信号無視を承知で交差点に突っ込むことがスムーズに走行できる秘訣だったりするのです。信号無視の多さはその結果か?

 湖西道路も地図で見る限りは真っ直ぐな快適路で、確かに全線830円の料金が災いしてか空いています。ただ、これも道路のスペックがドライバーに利用をためらわせている面が大きいようで、坂本北から志賀までの全区間で追い越し可能区間が全くない対面2車線。しかも高速道路の暫定2車線区間のようなポールが立っているでもない状態です。

 おっしゃるとおり、利用者の不満は料金面ではないはずです。
 京都丹波道路は、京都方が片側2車線であるにもかかわらず、決して9号線からの転移が進んでいる状況ではありません。京都丹波道路を利用すれば、亀岡市内の混雑をパスすることが出来ますが、やはり全線1000円という料金がネックのようです。
 京奈和道は、城陽側から乗ると、「おっ、この道結構走っている!」と思いきや、相当数の車が田辺北までの1区間利用(¥100-)だったりするのが笑えます。また、田辺北以南は片側1車線で、かつ中央分離帯に反射板が立っているため、前に1台でも遅い車がいれば絶対抜かすことが出来ず、それ故有料道路利用による確実な時間短縮効果が曖昧なため、24号からの転移が思うようにすすまないという点もあると思われます。(もちろん価格要因が第一でしょうが・・・)

 湖西道路に限らず、京都丹波道路、京奈和自動車道いずれの場合も、通行料金が第二神明並であればかなりの転移が見込めるはずです。
 しかし建設費の償還問題が横たわるため、ここまでの値下げはむずかしいでしょう。
 京滋バイパスは大山崎側で名神につながれば、料金は今のままでもそれなりに通行量は増加するでしょうが・・・

 ETCはともかくクレカの使用不可はJH管理の有料道路でも珍しいというか、幹線系ではここだけではないでしょうか。

 京奈和道もクレジットカード、別納プレートの使用はできません。京滋バイパスは、巨椋以西開業時になってやっとクレジットカードとETCが使えるようになりました。
 京都丹波道路も以前私が利用した際はクレジットカードが使えなかったと記憶しておりますが、最近は使えるようになったのでしょうか?

 ちなみに大津の渋滞回避策として、堅田から琵琶湖大橋を渡って東岸に出て、栗東や瀬田から名神や京滋BPという手がありますが、これがR161でも最大級の難所である堅田交差点を経由しないといけないわけで(地図には「夏季を中心に全方向大渋滞必至」と書いてある)、渋滞を回避するための迂回路が最大の渋滞ポイントをマトモに通ると言う根本的矛盾があります。

 これはいくら何でも無理があるのでは?
 琵琶湖大橋は、地図上は守山側の新幹線交差部あたりから有料道路と記載されていますが、実際の有料区間は橋の部分であり、以東守山側は実質的には片側1車線の一般道路です。
 しかも、この道沿いが守山で最もロードサイド店舗が集結している場所のため混雑が激しく、ノロノロ運転が常態化しています。
 普通に走っても、琵琶湖大橋東端から栗東ICまでは30分程度は見込んでおくべきでしょう。
 琵琶湖大橋東端にある佐川美術館やワンワン王国への京都側からの行き方として、湖西側バイパス→琵琶湖大橋というルートで案内していることからもわかるとおり、有料道路を利用するのであれば湖西側のほうが平均すれば走りやすい状況だと考えられます

ようやく船出の第二京阪道路
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/15 15:53:38)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
─京滋バイパス、値下げ
 └Re:京滋バイパス、値下げ
  └Re:京滋バイパス、値下げ
 └それでも車は躍らない?
  └道路整備の意味が全く分かっていない記事
   └Re:道路整備の意味が全く分かっていない記事
    └京滋バイパス走行の記

 3月30日に、第二京阪道路(巨椋池−枚方東)が区間開通しました。
 京都市内の油小路線から入り、淀川左岸エリアを貫いて大阪・門真で近畿道と接続する高規格道路ですが、大阪府内では昭和44年に都市計画決定をしていながら、京都府内が昭和60年と遅れ、大阪府内も開発状況の変化に伴う変更手続と遅々として進まず、ようやく最初の都市計画決定から34年の歳月を経て今回の区間開通にこぎつけました。

 京阪神エリアというと鉄道網の発達もあり、交通が高度に進化したイメージがありますが、道路交通に関していうと案外と貧相です。
 阪神間ではまともに結んでいるのは阪神高速神戸線だけ、あとは湾岸線がハーバーハイウェイを介してつながる計8〜10車線で、一般道もR43とR2の計10車線です。
 もちろん広域通過流動は中国道や山陽道、また4月28日からは阪高北神戸線があるわけですが、どれも中国池田−西宮山口間で中国道1本に収斂するため、阪神間の幹線道路の負荷は高く、かつ高速は環状線合流直前の阿波座で1本化するという首都高箱崎のような構造であり、R43も弁天町から天王寺のほうに逸れるルートです。

 それでも阪神間はまだマシで、京阪間は高速が名神1本6車線、一般道は右岸にR171、左岸がR1のみの計8車線。しかもR171は右折車線の整備があまりなく、かつ大阪府内では箕面、池田経由で伊丹、西宮に向かうため、大阪市内への交通には不適です。また名神も吹田から豊中に抜けるため、大阪市内へは阪高池田線などを介することになります。

 関西を代表する都市間輸送においてのこのインフラは貧弱の一言に尽きますが、今回の第二京阪の開通はその改善への一里塚という感じです。

***
 今回は京都側から試走してみました。
 京都市内、R1を堀川通りから南下するとこれまで九条油小路で右折し、京阪国道口で左折というクランクがネックでした。

 その九条油小路、第二京阪は直進という表示に従い直進しますが、もう少し手前から第二京阪の案内を出すことで流れをスムーズにしたいところです。
 十条に来ると阪神高速新十条通から油小路線の工事が始まります。これは第二京阪として整備されている区間から京都市寄りの区間の専用部の整備ですが、新十条通として山科に抜けるのもいいですが、そのまま北上して堀川通り地下を縦貫するとか、せめて堀川五条あたりまでは整備して欲しかったです。
 工事中ということで片側1車線と2車線が入り乱れ、鴨川を渡って竹田駅の西側へ。名神高速と交差し、すぐ西側に京都南ICがあるわけですが、ICとの接続はありません。一見不便ですが、名神から第二京阪であれば、東側は瀬田東、西側は大山崎から京滋バイパスを経由して久御山JCTで第二京阪というルートが確立されるわけで(西側は今年度開通、東側は第二京阪と同時に開通)、京都東IC方面との流動を受ける新十条通の整備とあわせれば、R1との役割分担というわけで、小技が効いています。

 外環状線との交差点で「この先有料道路」の表示が出ていよいよ第二京阪です。もっとも、宇治川を渡り切ってようやく入口の巨椋池IC。遺憾ながら兼用のETCレーンを抜けて高架に駈け上がるとすぐに久御山JCT、タービン型四枝のJCTで、防音壁一体型の照明が幻想的です。
 ここからは6車線ですが通行量はまばら。ただ、まだみえ川越までの開通だった頃の伊勢湾岸道に比べれば多いといえます...

 開通区間はわずかに10.5km。たかが10kmされど10kmですが、ガラガラの道路を飛ばすと「たかが」感が強いです。ちょっと走ったかと思うと料金所の表示。枚方東まで約3kmを残した本線上に京田辺本線TBがありました。ここも兼用の京田辺ですが、巨椋池、京滋バイパスともに通行券方式なのに、なぜ本線料金所なのでしょうか。ひょっとして枚方以南は均一制にする布石でしょうか。近畿道と共通化ならいいんですが、第二京阪だけ別払いだと本線料金所の分だけ交通阻害なんですが。
 その京田辺の表示に「京阪」といいながらだいぶ逸れた感じがします。あとで見るとR1よりも京奈和道に近く、こうなると京奈和道と第二京阪を途中まで一緒に整備すべきだったのでは。

 掘割に入り程なく終点の枚方東。側道に流出し、R1大阪の表示に従いいったん左に分かれるとそのまま大きく右カーブをきるアンダーパスとなりR1方面に向かいます。
 ここからは第二京阪と同時開通の枚方藤阪線でR1へ。当面の京阪間の動脈ということで、R307とは別に整備されました。学研都市線藤阪駅を見て進み、京阪バス枚方車庫の先、国道田口交差点でR1に合流です。
 ここはR1の難所として有名な天の川と出屋敷の中間。南行きは出屋敷をパスできますが、北行きは出屋敷の渋滞に巻き込まれそうで、手前からの迂回ルートの確保が欲しいです。

 あとは中振でR170と離合。南行きは高槻から来るR170を跨いで合流し、分岐しますが、右からR1、左からR170の合流に対し、分岐は左右の端がR170、真ん中2線がR1と、それぞれからのR1、R170への流動が重ならない構造です。
 淀川沿いに寝屋川市域を抜け、近畿道との交点で阪高守口線に入り、大阪市内へ向かいますが、京都の八条から環状線まで小1時間の所要は速く、門真までの開通と、油小路線の開通後が楽しみです。

***
 計画を見ると、第二京阪はこの先交野、寝屋川市域を通り門真に至るようです。

http://homepage3.nifty.com/murata35/hosinomati/danikeihan.htm

 大阪寄りで微妙にR1と離れ、かつR163とかぶるため、枚方以南のR1の混雑緩和に結びつくかというと微妙ですが、それでもはじめての淀川左岸の高規格道です。
 ただ問題は門真が終点ということで、近畿道に流入することを余儀なくされるため、ほんとうの大阪市内へのアプローチに難があること。

 門真JCTの位置は長掘鶴見緑地線の門真南駅であり、その直上には離れ小島のようなR1がわずかな区間だけ存在しています。いちおう近畿道、中央環状線を直進して鶴見緑地沿いに通りがあり、横堤でクランク状に曲がれば蒲生4丁目でR1に戻りそのまま梅新ですが、R1現道のように阪高へのアクセスが無い。横堤方面に曲がらず森小路で謎の分岐線に入るのも中途半端ですし、近畿道も北行きは鳥飼大橋で滞るし、東大阪JCT経由東大阪線も法円坂〜阿波座付近の負荷が高くなるのがいやらしいです。
 森小路の分岐線を引き回し、門真JCTにつなげれば、と思いますが、いかがでしょうか。

京滋バイパス、値下げ
 投稿者---うり氏(2003/04/17 23:14:20)

 少し話題がはずれますが・・・
 第二京阪開通に際し、何故か京滋バイパスが値下げになりました。
 南郷の料金所が廃止になり、通行券方式に変わりました。
 瀬田東-巨椋(第二京阪開通前の起点−終点)は以前は930円だったのが、700円に値下げとなっています。
 めずらしいこともあるもんですね。
 昨年、京滋バイパスは実際の通行量は予測の1/6しかなく、数ある有料道路の中でも最も見込みがはずれた道路だというのが新聞ネタになったため、もしかすると全体で値下げ+区間利用だとさらに値下げという大盤振る舞いで何とか通行量を増やそうとしているのかも知れません。

 ただし、通行量の少なさは相変わらずで、安くなっても第二京阪とつながっても、車が増えたなぁという印象はありません。
 特に、滋賀方面からの車が巨椋インターで降りずに第二京阪方向へ走っていくというのが極まれなあたり、まだまだだなぁという印象です。

 ところで、SAでもらえる地図には、久御山西ICは平成14年度開通と記載してありましたが、年度が替わってもまだ開通しません。
 確かに新幹線を越える高架橋はまだ工事中ですが、それ以外にも開業できない事情があったのでしょうか?
 京滋バイパス通行量増加は、京都側で名神とつながらない限り有り得ませんので気になるところです。

 なお、名神栗東方面−京滋バイパスを通行する場合、瀬田東ICでの料金支払い(通行券発行)はなくなりましたので、将来京都側で名神とつながった場合、名神栗東方面−名神茨木方面の通行に際しては、名神を走っても京滋バイパスを走っても料金は同じになる(=どちらのルートを走ったかのチェックはない)と思われます。
 これなら大津ICや京都南ICの渋滞は緩和されそうです。

近畿東海のバイパス高速開業に思う log519.html#7

Re:京滋バイパス、値下げ
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/17 23:57:32) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 京滋バイパスの値下げですが、うりさんがご指摘の通り瀬田東−大山崎間での名神経由と京滋経由の料金を揃えるため、それに伴う調整として実施されています。京都東−京都南の慢性的渋滞解消のための別線なのに料金差があっては意味が無いということでしょう。どうせなら京滋を安くして誘導すればとも思うんですが、本線料金所を置かないとチェックできず、とはいえ本線料金所は渋滞の原因ですから、同一と割り切ったのでは。

 久御山−大山崎の開業も同時だったはずですが、聞くところによると用地関係が解決しておらず、ずれ込んでいるようです。

***
 せっかく通行券方式に変えたのに、第二京阪になぜか京田辺本線料金所がある、これは最大の謎です。

Re:京滋バイパス、値下げ
 投稿者---うり氏(2003/04/19 00:33:41)

 京都東−京都南の慢性的渋滞解消のための別線なのに料金差があっては意味が無いということでしょう。どうせなら京滋を安くして誘導すればとも思うんですが、本線料金所を置かないとチェックできず、とはいえ本線料金所は渋滞の原因ですから、同一と割り切ったのでは。

 別線と考えた場合、京滋バイパス瀬田東ICの名古屋方向への構造が悔やまれるところです。京滋を安くして誘導する方法としては、南郷料金所跡に検札所を設け、検札を受けた車が名神に戻った場合は出口料金所で通行料を例えば100円引くというやり方も考えられなくはないです(名神をそのまま通過した車は、検札を受けないため、その場合は通常料金とする)。

 久御山−大山崎の開業も同時だったはずですが、聞くところによると用地関係が解決しておらず、ずれ込んでいるようです。

 やはりそういう事情ですか。
 ところで、新幹線を越えるあたりの高架橋工事が手間取っているようですが、これもやはり用地問題の絡みなのでしょうか?

 せっかく通行券方式に変えたのに、第二京阪になぜか京田辺本線料金所がある、これは最大の謎です。

 近畿道の課金方式が現状のままだと、第二京阪−阪神高速と利用する車が門真JCT-東大阪JCTのみ近畿道を通行した場合でも近畿道の均一料金を課金する必要があります。しかしこれはいくら何でも酷すぎますのではないでしょうか?
 この救済策として考えられるのが、門真JCT付近の第二京阪出入口は近畿道均一料金で利用できるようにする、という方法です。
 すなわち、第二京阪門真側の途中までは近畿道均一料金、その先は京田辺本線均一料金を収受するという方法が考えられます。

 従いまして、京田辺本線料金所を設置した意図は、第二京阪大阪側は通行券方式を採用しない、ということではないでしょうか

それでも車は躍らない?
 投稿者---551planning(2003/10/28 12:56:55)

 封鎖できないどころか、“全通”しても相変わらずの状況のようです…バイパスどころかエスケープルート?

[支局長からの手紙]梅崎亮・学研・宇治支局長 京滋バイパス/京都(毎日10/28)http://headlines.yahoo.co.jp/…

 当方現地に疎いのですが、『「京滋にはPA、SAはありません」などと通る気をなくす』『「宇治、伏見、八幡、城陽へは京滋バイパスで」などと積極的にPRしてもよいのではないでしょうか』という部分、ないし第2名神に及ぼす影響については如何なものなのでしょうか…。

道路整備の意味が全く分かっていない記事
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/10/28 16:50:12) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 10月21日にJHから「公式発表」された効果とだいぶニュアンスが違いますね。
 公式発表に基づいた報道としては、9月2日と10月21日に京都新聞で報じられている通りですが、ではどちらが正しいか?ということでしょうか。

京滋バイパスと名神高速道路の直結効果について http://www.jhri.jhnet.go.jp/kansai/topics/102102/index.html

名神、渋滞時間が6割短縮 京滋バイパス直結が効果(京都09/02)http://www.kyoto-np.co.jp/…
直結効果か、渋滞大幅緩和 京滋バイパスと名神(京都10/21)http://www.kyoto-np.co.jp/…

 結論から言うと、実はどちらも本当のことを言っています。
 しかし、敢えて言えば、毎日新聞の記事は、絵に描いたような「為にする記事」でしょう。京滋バイパスの評価を、名神高速と比較しての通行量で量るのであれば毎日新聞の記事も妥当ですが、そもそも瀬田−大山崎の第二ルートを建設した目的を考えると、それは違うと言うことは自明です。
 つまり、もし毎日新聞の支局長が満足するレベルの通行量を確保したとしても、何らかの事情で京滋バイパス全通時に見込まれていた効果が得られなければ、この整備は失敗なのです。毎日新聞の記事はそこを全く評価していません。いや、JHの「公式発表」を一部引用してはいますが、「効果をPRしています。しかし」とあくまで本題は通行量にあるように結論付けており、ミスリードの謗りは免れません。

***
 上記の「公式発表」および京都新聞の記事を改めて見てみましょう。

 名神との2ルート化がなった瀬田−大山崎における渋滞発生回数が6割減少、延べ渋滞時間で5割減少とあります。特に深草BS、山科BS、京都南ICでは6〜7割の減少、大津SA、蝉丸TNでも5割減少と、この区間の名だたる渋滞ポイントでまさに劇的な渋滞減少と言って良く、大都市圏における高速道路のボトルネック箇所の改善における効果の高さをここでも実証した形になっています。
 これは天王山TNの2ルート化による拡幅により、かつては関西を代表する渋滞ポイントだった同区間の渋滞が事実上解消したのに次ぐ改善と言えます。

 また、瀬田−大山崎の2ルート化による事故時の迂回路確保の効果もあり、地形的な隘路における複数ルート確保の意義もあるわけですが、一方であくまで通過流動にとっての複数ルートですから、京都市街や湖西エリアへは名神、京都南部へは京滋BPとなり、それぞれ相手ルートは使いません。名神は京都発着の流動がありますから、大阪方面から京都南ICで降りるクルマが数珠繋ぎであることと京滋BPの整備は無関係ですし、名古屋方面から京都市街へ向かうクルマは京都東ICで降りますから、これも京滋BPは使いません(だから京都東ICの東にある大津SA、蝉丸TNでの減少幅が相対的に小さい) 。

 京滋BPの効果には、名神のバイパスとしてと共に、宇治、城陽など京都南部エリアから対大阪、また枚方など淀川左岸から対名古屋方面という新たな高速ルートの確立と言う意義があります。
 例えばこれまで京都南まで戻るか、茨木、もしくは阪高守口まで進まないと使えなかったため利用していたR171やR1の通行量が減少しており、第二京阪の整備と合わせて淀川両岸の府境エリアの交通改善に寄与しています。

第二京阪道路・京滋バイパスのご利用について http://www.jhri.jhnet.go.jp/kansai/topics/oshirase/0305keihankeiji_riyou/index02.html

***
 こうした「事実」を踏まえて改めて毎日新聞の記事を見ますと、通行量データと記者の主観でしかないことがわかります。

 瀬田−大山崎の2ルート化と言う意味で評価するのであれば、名神における改善点とあわせて評価しないといけませんし、それぞれ単独の道路として評価するのであれば、京都という強い目的地を擁する名神と同等の通行量が確保出来ると思っている時点で間違っています。
 いわば、天王山TNを左右両ルートにして、渋滞が解消したのに、左右ルートの利用に偏りがあるから効果がない!といっているようなものではないでしょうか。
 そう、関東では大井松田→御殿場の左右両ルート化による都夫良野(つぶらの)TNの渋滞解消(かつては綾瀬BS以上の渋滞名所だった)にもかかわらず、「利用に偏りがある」「右ルートだと鮎沢PAに入れない」から効果がないと言うようなものでしょうか。

 ちなみに京滋BPのSA、PAが無いと言う件ですが、そもそも瀬田−大山崎間では大津SAと桂川PAしかなく、そのうち大津SAは渋滞ポイントの中でしかも狭いため敬遠されがちです。反面、瀬田の先の草津PAはPAながら広いスペースを持っており、ここで休んで吹田SA、西宮名塩SAまで一気に行くか、そのまま最寄りのICで降りて目的地に向かうかとなるようで、あまり実害は無いのでは。
 もちろん、京滋BPに大規模なSAでも設置して誘導するという手はありますが、必要以上に誘導すると宇治あたりの長大トンネル連続区間で渋滞が発生しかねません。
 京滋BPは、第二京阪や京奈和道の整備進捗により今後の負荷は確実に高まるのですから、今くらいでちょうど良いという評価も出来ますし。

Re:道路整備の意味が全く分かっていない記事
 投稿者---とも氏(2003/10/28 19:24:12)

 ともです。

 端的に言えばまさに仰るとおりでしょう。
 名神の混雑をネットワーク化で緩和する。その効果が出ているのならその整備効果はあったと言うのは間違いではないのです。
 しかも2万9千台といえば京阪神や首都圏などでは目立たない交通量ですが、地方都市で考えればびっくりするほどの交通量であり、全国、この程度の交通量を下回る高速道路の区間はいくらでもあります。

 昨今の公共事業批判において、単純に交通量による評価が当たり前にされています。道東道しかり、本四しかり。しかし、その直接効果であっても、交通量には現れないものもあるのですから、その評価を無視して「多い」「少ない」で評価するというのは社会資本の意味をまったく理解していないと感じます。

 こういった論調がもはや一般化してしまっている。嘆かわしいことです

京滋バイパス走行の記
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/11/04 17:29:36) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 その京滋バイパスを走ってきました。

 吹田方面から栗東方面に抜けるルートでの走行でしたが、当日は三連休中ということもあり京都南IC、京都東ICでの出口渋滞が発生しており、両ICをパスする京滋バイパスの存在意義の発揮のしどころです。
 その京滋バイパスへの分岐は大山崎JCTなんですが、左右両ルートに分離された天王山トンネル区間の左ルートからしか入れません。実は天王山トンネルを抜けて合流した地点での分岐なんですが、合流後の右ルートからの車線変更が急に過ぎるのか、左ルート限定になっています。

 分岐地点は茨木ICを出て高槻BSの先、梶原第2トンネルの手前です。ここから梶原第1トンネル、天王山トンネルと分離区間が続くわけですが、手前の誘導標識はちょっといけません。
 天王山TN区間の左右両ルートの案内に終始し、その先の京滋BPと名神の2ルート化の案内がありません。つまり、左右両ルートとも(大山崎の先で)収束して京都、名古屋に向かう表示になっており、左ルートのみ途中で京滋BPが分岐する表示です(さらに第二京阪も書いてある)。
 京滋BPと名神の分岐は右ルートを使う前提であれば事実上このポイントであり、京滋BP経由に誘導するためには、ここで京滋BP経由と名神経由の比較情報を提示した上で、右ルートに入らないようにする注意が必要なのです。
 そのくせ「京滋バイパスにPありません。名神をご利用下さい」という誘導?が再三あるのは問題で、案内表示の優先順位を間違っています。

 分岐後はこんどは名神と京滋BPの比較情報付きの案内が出てくるわけで、こちらの情報はわかり易いです。ただ、天王山トンネルを出ての分岐までの距離が短いので、早めに左車線に誘導する必要はあります。これが無いと首都高湾岸線の東京港TN出口と大井出口・短絡線への分岐の関係のように、事故多発地帯になりかねません。

***
 さて大山崎JCTですが、左分岐後右カーブで本線を跨ぎ越すスタイルにさすが高速道路同士の分岐(実は久御山淀ICまでは名神の支線扱い)だと思うや否や、1車線の狭いランプは大阪方面を向くまでUターンします。そこからもしばらくカーブが続き、視界が開けるとようやく本線です。
 ロードマップの細かい線を追うと、どうもJCTの中に大山崎ICを置いたため、名神−京滋BPの分岐途中に大山崎ICの出入りが合分流するようで、特に名神茨木方面のルートから京都南方面とのルートにいったん合流して大山崎ICへのルートとの合分流があるので、名神茨木方面から京滋BPへは2ルートで通行可能という不可解な構造です。

 用地買収の問題かとは思いますが、本来ならばJCTをシンプルに作り、合流後に大山崎ICとの分岐を置くという関越道と上信越道の藤岡JCT、藤岡ICのような関係にするのが常道であり、ここまで複雑かつ分かりにくい構造は確かに京滋BPを敬遠する方向で働いても仕方がないです。
 また、大山崎ICの構造がやむを得ないのであれば、名神茨木方面からの分岐も右90度カーブの連続ではなく、しかるべき位置で270度カーブ(左分岐後左カーブ)で京滋BP本線に取り付いたほうが走りやすいのですが...

 合流後は桂川、鴨川などの合流地帯の未利用地や、巨椋池干拓地の農地が広がる雄大な眺めです。通行量は確かに少ないですが、ポツポツと走っており、そこまでひどくはない印象です。
 第二京阪、洛南道路と交差する久御山JCTは四枝フルJCTで、全方向高速分岐タイプの常磐道三郷JCTスタイルです。
 このあたりは用地も十二分にありそうで、名神の桂川PAに相当するPAかSAを置けば良いのですが、なぜできないのでしょう。もったいない話です。

 宇治を出ると宇治トンネルに入り東山山系を抜けます。
 宇治までは国道1号線のバイパスとして早い時期に開業していましたが、国道バイパスとしては高規格ですが、高速道路としてみたらちょっと狭い印象のトンネルです。
 まあかつての天王山、今の蝉丸、大津TNよりは広く明るいですが、今の天王山TNよりは狭い印象です。
 トンネル連続区間に入ると巡航速度が落ちたのか、通行量が多くなった印象です。
 もちろん宇治あたりでの流入もあるようで、標準的な車間距離を保って走行、追越車線とも流れている感じです。下り西行きは少なめですが、それでもそこそこ走っており、バイパス利用と宇治、洛南関係の利用でまずまずという印象です。

 トンネル区間を過ぎ、瀬田川を越えるといよいよ名神に再合流です。
 もともと国道1号バイパスという性格上、瀬田東では本線がそのままR1の無料バイパスになって草津市街に向かいます。名神とは斜め交差なのでそのまま右緩カーブで合流かと思いきや、瀬田東の入路と合流後、左に約300度のカーブを切っての合流です。大山崎JCTもそうですが、ここで1車線に絞られるのが将来的にどう出るか。東名の迂回ルートとして中央道を選択した時、小牧JCTでの合流渋滞で桃花台あたりから滞った経験を思い出しました。

 特に名神が瀬田東−栗東のみ片側3車線に拡幅されているので、2車線のまま名神に合流させてもあまり問題は無いわけで、さもなくば合流が無いことを利用して緩カーブによる高速合流が可能だったわけです。このあたりはバイパスの性格の変化にかかわる話でもあり、仕方が無い面もありますが、せっかく基幹ルートとして整備し直すのであれば、もう少し手を入れたかったです。

 ちなみに下り西行きは瀬田東も大山崎も、比較的スムーズな合分流のようですが、まだ走っていないだけに評価は留保というところでしょうか。

***
 京滋バイパスによる効果ははっきりと出ており、今回も京都南、京都東の渋滞回避の効果がありました。ただ、せっかくのバイパスですが、危うく「仏作って...」になりかねない部分が目立つのも事実で、今後第二京阪や京奈和道の整備進捗に伴うネットワーク化の進行が進んだ時にこうしたアラがどう作用するか、気掛かりでもあります

広島中央フライトロードという不思議空間  投稿者---エル・アルコン氏(2003/04/15 15:53:38)
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  昨年、広島県東部のいわゆる賀茂台地に出掛けた帰り道、夜の大和町内で突如「自動車専用道」の標識に出会い面食らいました。新しい道でも出来たのかと思って新しい対面2車線の「高速道路」に入ったのですが、3kmほどで終わってしまい、R2のある「本郷」の表示に従うと畦道を舗装したような道路を経て、羊腸の細道を延々と下って県道33号に出た経験があります。さすがに料金は取られなかったのですが、なぜこんなところにという自専道で、あの「宗男道路」も裸足で逃げるように感じました。

 後で調べると「広島中央フライトロード」と称し、山陽道河内ICから広島空港を経て、大和町、世羅町を通り甲山町に至る全長30kmの第1種第3級の地域高規格道です。河内ICから広島空港までの6kmは空港アクセス道として供用済であり、残る24kmのうち空港から大和町までの約10kmが事業区間、残りは調査区間です。もともと空港−大和間の県道として92年に計画されたのが94年に地域高規格道、98〜00年に掛けて世羅、甲山へ計画が延長されて話が大きくなっています。

 建前的には空港と中国横断道尾道松江線の仮称甲山ICを結ぶという使命がありますが、山陽道から(仮称)尾道JCT経由尾道道という高速道路網が既に開業・事業中であり、この程度を短絡する高規格道というのは明らかに無駄です。若干効果があるとすれば大和町くらいで、南側の丘陵地帯と沼田川の谷が邪魔しているため、R486で三原久井ICに戻るか、R432で河内ICに出るしかない地勢をカバーするという意味はありますが、自専道にする必要性はどうでしょう。幅広い利用を受け入れる一般道としての整備を大和町まで行い、そこからはR432の改修で充分すぎると断定できます。

***
 このフライトロードを先日再訪しました。大和町側の「入口」は県道49号がR486にぶつかる地点。十字路ですが信号はなく、県道側からの標識には直進側の地名表記が無いという扱いで、脇に「↑自動車専用道」とあるだけで、うっかり迷い込まないように?か「←本郷」となっており、ますます存在意義が不明です。
 125cc以下と自動二輪の2人乗りは不可と一人前ですが、走るクルマは思い出した頃に通る程度。途中登坂車線もあり贅沢な造りに気分は高速道路です。終点部分で接続する町道はセンターラインがあり、今日は河内側に向かいましたがすぐに畦道然とした細道に。ただ、寺院や果樹公園などを経て白竜湖(椋梨ダム)に抜ける観光ルートなだけ本郷側よりマシでした。もちろんR432やR486経由の方が近く、フライトロードの利用意義は皆無で、それが無料でも通らない現実に現れています。

広島フライトロード広島フライトロード広島フライトロード

 河内から県道33号を本郷に向かうと町境付近で「空港大橋」の工事現場が見えます。全長800m、全高195mの巨大な橋で、橋脚が立ち上がっているのが見えます。橋脚高さではこの手の橋では日本一だそうで、技術の世界では有名な橋ではありますが。
 地形が厳しく、県道33号から道路の水準までの取り付けが出来ないため、両岸ともインクライン(ケーブル)で巨大な台車を上下させて資材や機器を搬入しています。ただ、この地点で本郷や河内への県道33号との連絡は無いようで、大和町から空港に直通するだけとあってはますます利用価値が限られます。

 必要な道路まで一律に不要視するのは反対ですが、大和町が空港や山陽道に出るだけというような用途に県が気前良く自専道を整備するような現実を見てしまうと、さすがに厳格な優先順位の認定が必要といえます

石見路の道路事情を考える
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/05/05 18:56:32)
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─Re:石見路の道路事情を考える

 広島県下に帰省中の一日を利用して、石見方面へ浜田道からR9その他の一般道を使い行ってきました。

●浜田道
 山陰への肋骨線としては米子道よりも早い整備には驚きます。全線対面2車線で、勾配区間ではありますが峻険なイメージはありません。各ICとPA付近が4車線化されており、ほかに登坂車線が2個所あるため、対面通行特有のストレスをあまり感じなくて済みますが、言い換えれば暫定ではなく事実上本設とするために抜かり無く設置したのかも。詳細な場所は失念しましたが、高速バスとのP&Rポイントも見えており、全般に通行量は少ないながら、陰陽連絡のバスを柱にした高速交通網に地域を組み込んでいるようです。
 山陽道こそETCは整備されていますが、中国道は佐用IC以東と津山ICだけなのに最終の浜田ICにETC専用レーンがあり、域内利用への対応としてはチグハグです。

●国道9号線
 浜田から石見海浜公園、琴が浜と経て仁摩町まで通りましたが、IC接続の浜田バイパスが4車線のほかは、江津市街を迂回する江津道路を含めて2車線です。
 沿線には「山陰道」の早期整備を訴える看板が見られましたが、「高速道路」としては松江玉造−宍道だけの整備で、あとはR9のバイパスとして有料・無料取り混ぜた整備になってますが、それでも青谷−羽合、淀江−宍道にとどまっています。
 全国的に外周部分での高速交通の整備を見ると、山陰エリアは全国屈指の遅さであり、あとは日本海東北道関係の新潟−秋田、常磐道関係のいわき−仙台、東九州道関係の大分−宮崎間くらいですが、県内および隣県との相互移動における高速交通の整備という意味では山陰の立後れは群を抜いています。

 R9自身は一般道としては走りやすいほうですが、リアス式海岸の基部を抜けるトンネルは古い規格で狭めで、大型車同士の離合では減速せざるを得ないでしょう。
 R9の「流れ」は温泉津駅停車中のキハ126系の快速を追い抜いたのに、次の駅までに発車・加速の列車に抜かれるというレベルであり、その山陰本線もキハ187系の特急が7往復です。快速5往復と合わせた12往復が「戦力」ですが、浜田−松江の120km程度に特急が1時間半、快速が2時間かかり、道路はそれ以下ですから相当厳しいです。

 浜田道や伯備線、そして松江道のような陰陽連絡の整備はありますが、自治体の広域合併などに伴う行政サービスや医療等の集中化を考えると、島根県内移動のレベルの低さは問題です。あれもこれもと言うのは慎むべきですが、何も無いというのも問題でしょう。

●県道31号仁摩瑞穂線
 仁摩町から石見銀山を経て石見川本を通り瑞穂町に至る県道です。
 この道路、仁摩から石見銀山の先、大田市瀬戸で県道46号大田桜江線を分けるまでの区間が見事に改修されています。長野−白馬のオリンピック道路を彷彿とさせる構造で、ベースは一般道で、集落部とトンネルだけバイパスという整備により、広域流動と地域流動の両面に応えています。

 こうした整備がR9や陰陽連絡の幹線に応用されるのではなく、脇街道的な道でなされているのも本末転倒で、山陰道の整備に時間が掛かるのであればR9に、また陰陽連絡であればR261やR375に優先されるべきなんですが。

Re:石見路の道路事情を考える
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/05/08 00:29:44) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 自己レスです。

 国交省道路局HPの道路開通予定が更新されており、それを見ますと、国道9号江津道路の浜田までの14.8kmが秋に開通する予定になっています。
 浜田ICの手前でJCTの工事をしており、それと直結するということでしょうか。

 また、県道31号仁摩瑞穂線ですが、仁摩町と大田市大森町(石見銀山)との間の峠越えのトンネル区間(3.4km)は、この3月15日に開通したばかりの区間だそうです。

 以上、現況および予定の補足説明でした

「儲からない路線だけは国民負担」が始まった  投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/11 16:11:55)
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 山陽道河内ICと西条ICの間に建設中の東広島JCTを起点に、東広島市、黒瀬町を経て呉市阿賀に至る計画で2010年ごろの整備を目指し建設中の東広島呉道路は、国が基盤整備を行い、道路公団が一部工事や料金所設備を請け負い有料道路としてその部分の回収にあたるといういわゆる「薄皮方式」で整備する計画でした。
 ところが、道路公団民営化の議論を通じ、採算性の問題から道路公団による「薄皮」部分の引受が絶望的になったことから、中国地方整備局は「薄皮方式」での整備を断念し、直轄事業での無料高規格道路として整備することになった模様です。

東広島呉道、有料化を断念 公団引き継ぎ拒否確実 中国整備局が方針固める(06/10中国)http://www.chugoku-np.co.jp/…

 人口20万を数える呉市は対広島市では広島呉道路(これも「薄皮方式」で整備)がありますが、高速道路やバイパスのネットワークから全く外れており、今回の東広島呉道路がはじめて全国ネットへ接続する道路になっていました。しかし、県都広島とは逆方向で、空港や大阪、東京方面は向いているとはいえ、採算性という点では非常に厳しいのが現実です。

 利用者から見たら有料道路の予定が無料となるので一見歓迎したくなる話ですが、一方で道路公団による「事業投資」を見込んでの早期開業が、道路財源の中での予算措置次第となるため、竣工が遅れる可能性が出てきました。これはまさに公団方式がそもそも早期開業・整備のためのツールであったことを雄弁に物語るわけです。さらに、ユーザー負担ではなく税金(まあ道路財源である限りは広義のユーザー負担だが)となるわけですから、儲からない路線は国民負担、では儲かる路線からの収益は?という疑問にストレートにつながります。

 記事には中国地方の「薄皮方式」の事業例として、広島呉道路、米子道路、安来道路、江津道路(秋開業区間)を挙げていますが、山陰地方の基幹路線の残る区間、また広島県第3の都市である呉市へのアクセスの整備ですらお呼びで無いとなったとき、公団が収益の範囲内で建設する、という「甘言」が、全くあてにならない、あったとしても公共の利益を踏まえた整備とはかけ離れることを強く示唆しています

前方不注意にしては…
 投稿者---551planning(2003/06/24 10:46:10)
─Re:前方不注意にしては…
 └バス製造会社も販売の際配慮を

 水戸や東名で痛ましい事故が続発しています。酒気帯び、(恐らく)居眠り…永久になくならないテーマでしょうか。
 そんな中、この事故は映像を見て驚きました。

観光バス乗客ら21人けが 車高制限のバーにぶつかる(06/22共同)http://headlines.yahoo.co.jp/…
観光バスが高架けたに衝突、21人けが 神戸(06/23神戸)http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/…
減速せず大破 相次ぐ同様事故(06/23神戸)http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/…
(参考) http://www4.ocn.ne.jp/~s-hida.h/asobu/hagikanko-ogatabus.jpg

 三菱エアロのスーパーハイデッカー車の、いわゆる客席レベルの部分がもろえぐれています。3m制限のところを車高3.6m車がですから当然の結果とは申せ、土地勘なしの前方不注意にしてはあまりにもお粗末、という業務上過失致傷です。
 幸か不幸か、乗客が防災研修の消防団員他の方々で、神戸記事中にもあるとおり『乗客同士がタオルや三角巾で手当てをしていた』というのにはほっとさせられます。まさに『とんだ実地演習になってしまった』の弁そのままですね。

***
 こういう目測を誤って云々という事故はトラックなどでは時たま耳目する話ではありますが、あんまりバスでは聞いたことがないような…神戸記事にあるように、JR-Wと阪急が管理していてその体制に違いがあったというのも要因のひとつか(JR-W管轄側では以前の事故を契機に門柱を目立つように塗り替えていたが、(事故のなかった)阪急側では未施工)とされていますが…。

***
 ただ、こういう記事のそういう文言を目にすると、往々にして根本的に道路管轄と交通実務のハザマに問題があろうかと思ってしまいますが…このあたりは識者にバトンタッチ!

魔の交差点でまたもトレーラー突っ込む 迎町国道3号(06/23熊本日日)http://kumanichi.com/news/…

(一部転載)
 これに対して、国土交通省熊本河川国道事務所は「政令に基づき設計しており、通常の運転操作をしていれば事故につながる交差点ではない」と話している。

***
 神戸の件にしても、危険認識があるからこそ門柱が設置されているわけで、まさしく「通常の運転操作をしていれば…」なわけなんですが、その門柱にはかなりの傷もあるということからしても…。

Re:前方不注意にしては…
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/24 15:30:08) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●神戸
 神戸の事故ですが、灘から西側のいわゆる「高架線」は昭和初期の建設で、桁下高さが低いのが特徴です。車両構造令で3.8m、道路構造令で4.5mという車側、地上側それぞれの基準がありますが、今回のガードは3mであり、むべなるかなと言う事故です。
 ただ、バスの車高3.6mを考えると、60cmも低いガードですから運転感覚というか車幅・車高感覚からいって、気付きそうなものですが、30〜40kmでためらいもしないで激突しており、警告・注意表示はもちろん必要ですが、プロのドライバーとしての技量もやはり問われる部分です。

 観光バスの大型化により、車両構造令はパスするものの、高さ制限その他に抵触するケースが確実に増えています。これは特殊な例とはいいきれず、幹線道路でも存在するわけで、今は改修されましたが、三重県熊野市に近い大泊駅そばのR42のガードに高さ制限があったため、池袋−南紀の高速バスがこのガードを通るためだけの特注車両を用意していた話や、安房トンネルが開通するまでのR158の11連続ヘアピンカーブや、上高地への釜トンネルを通過するための特注観光車を所有している濃飛バスなど、細かい対応をしている事業者もあるわけです。
 今回の会社のようにそういうエリアを専用に運転するわけではないにしろ、せめて会社側が地図を用意する際に、自社車両が通れない個所のチェックだけはしておきたいものです。

***
 ちなみに今回の事故、東部新都心(HAT神戸)の人と防災未来センターに行く途中ということですが、通常山手の方から下りて来るのなら新神戸駅から真っ直ぐ浜手に下りる生田川の道を使います。
 この東側は王子公園駅のあたりから灘駅東側を回りこんで岩屋駅付近からHATに入るしかなく、どうしてこの道に入ったかという疑問もあります。
 ただ、市営バス101系統がこのガードを通っており、101系統はここから下って(少し裏道を回って)人と防災未来センターに向かうため、市バスが通る道だから、と安心しきっていた可能性はあります。

●熊本
 新聞記事の図の各道路の位置関係(特に互いの角度)が正しいと仮定すると、R3を北上するクルマにとって、産業道路東行きが進路に見えますね。その錯覚によるハンドル操作ミスがメインでしょう。
 被害例を見ると、交差点内で左カーブですから、ただでさえ曲がりきれない事故が起こるところに、誤進入して戻ろうとして立て直せなくなって左右に流されるケースも多いようです。

 こちらはR3の南から見て正面にあたる角地に、「←R3」というような大看板を付けることで相当数の事故は回避出来るのでは。

バス製造会社も販売の際配慮を
 投稿者---Tom氏(2003/06/28 11:07:16)

 バス会社側の姿勢も勿論ですが、バスを製造・販売する大型車メーカーの姿勢も問われるところです。
 いくら車両構造令はパスしているとはいえ、国内に幹線でも未改修の橋梁・トンネルが幹線にも多く存在することが明白である以上、販売する側にもそれなりのサポートを行う義務があるのではないでしょうか。
 これは別に一社単独で行う必要はなく、例えば地図会社と共同で危険箇所などをピックアップした情報をデータベース化しておき、販売する車両の規格に応じて危険箇所を図示するというのも手ですし、またいっそのこと路線バス以外の大型バス・トラックにはナビを標準装着させ、経路情報を徹底させ危険箇所は予め避ける入力を促すということも可能でしょう。
 ナビ標準化というと、対日輸出をふやしたいダイムラーやボルボが抵抗を示すかもしれませんが、輸入車については後付でも車両に装着すれば車検証を発行するという手もあります。

2005.07.20Update

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