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CTC ≪特別企画≫成田新高速鉄道を考える
(過去ログNo.155)
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成田新高速鉄道は本当に必要なのでしょうか?〔続〕
 投稿者---TAKA氏(2002/05/04 23:50:05)

成田新高速鉄道は本当に必要なのでしょうか?
└Re:成田新高速鉄道は本当に必要なのでしょうか?
 └成田新高速鉄道は千葉の鉄道網整備に悪影響を及ぼす?
  └所詮投資に見合う効果が見えないからこそ国がやるが、
                    千葉の交通網整備よりはかなり効果がある
   └成田新高速鉄道と公共事業の投資効果
    └京成グループの採算性
     └Re:京成グループの採算性(やはり厳しいのでは・・)
      └Re:京成グループの採算性(やはり厳しいのでは・・)
       └京成グループの採算性(ファイナルアンサー)
        └北総特急は不要かも(普通のみで良い?)&運賃の取り分
         └北総線内の列車の内容&運賃の取り分

(以上前ページ)

    └代替策との比較が重要かつ必須
     └代替策との比較と同時に公共事業の根本の意義を考えて
      └Re:代替策との比較と同時に公共事業の根本の意義を考えて
       └公的資金投入の意味と事業性の考え方
        └羽田だけでは力不足であり成田の機能強化が必要ではないか
         └Re:羽田だけでは力不足であり…
          └包括レス:公共事業としても営利事業としても
                                  推進すべき事業では
           └包括レスへの私の意見

△前ページより

代替策との比較が重要かつ必須
 投稿者---樫通氏(2002/05/06 15:25:05)

 只それはあくまで税金を投入する事に対して、それに見合うだけの多数の受益者がいる事が前提になります。果たして成田空港対東京への3本目の鉄道にそれだけの便益性があるでしょうか?

★以下の便益に対する主観的評価次第です。個人的には例えば同程度の効果をもたらすためにより安価な代替手段があるにも関わらず建設する整備新幹線よりはきわめて便益が高いと思いますが、主観の域は出ません。(1)よりも(2)の方が効果が大きいと考えてます。

(1)山手線内から常時30分台で到着するという、従来チャーターヘリ以外には考えられなかった高速の空港アクセス。
(2)山手線内に朝9時前に到着できる、通勤列車と別の空港アクセス列車が設定可能な線路容量の確保

 成田新高速鉄道の高速化の投資が千葉NTの利用者に役立つという理論は、賛成しかねます。

★高速化と千葉NT利用者との便益はさほど関係ないかもしれませんが、千葉NTから空港へのアクセスが便利になるという部分については便益の向上はあります。

★その他のご意見も含めて定性的に間違いは無い意見かと思いますが、より効率的な代替策を提示されて初めて成り立つ論理です。やや冗長になりますが、そもそも公共事業が誰がやっても利益を稼げるような物ばかりであれば、強制的に徴税する根拠はなくなります。成田新高速よりも費用対効果が大きいのに優先順位が低いプロジェクトがあればそのプロジェクトを優先させれば良いだけの話であり、上記の論理は成田新高速のプロジェクト中止を主張する論拠にはならないと考えます。

 公共性の高い事業を行う民間企業に対し、(中略)、必要な事業であるが赤字であるなら公共事業体が行うべきです。
 成田新高速鉄道の場合京成が第二種免許を取って事業を行う場合、(中略)、第2の北総開発鉄道が生まれる様な気がするのですが・・・

★別の板で矢切さんがおっしゃっているとおり、国が本来行うべき事業について京成が力を貸していると考える方が本件は正しいと考えます。したがってこのような計算で京成の採算性を計るべきだとは思いませんが、この点を見逃したとして、関係会社たる北総への支出を別枠にして京成単体の採算性を考える理由は無いと思います。

★成田新高速よりも効果的なプロジェクト(鉄道に限らず)に1000億だすか、成田新高速よりも効果的な減税を1000億行うかのどちらかでしょう。いずれにせよ代替策無しに無駄だけ指摘する論には賛成できません。

代替策との比較と同時に公共事業の根本の意義を考えて
 投稿者---TAKA氏(2002/05/06 23:50:26)

 返答の書き込み有り難うございます。
 またまたですが私の意見書き込みさせて頂きます。字数制限上(中略・以下略)が入り読み苦しいと思いますがお許し下さい。

◎確かに只ですら遠い空港アクセスを15分短縮する成田新高速鉄道に便益があるとは思います。整備新幹線よりはあると思います。
 現在の2つの鉄道アクセスにプラスして上記の様なメリットが有れど1,500億円かけて第三のアクセスを作るほど上記の(1)(2)は重要か?私見では思います。
 只私の考えも主観的評価ですから・・・この主観的評価が折り合わない限り正直言って意見は平行であると思います・・

>☆成田新高速のもたらす便益が限定的であると考えると、京成の高速化・NEXの高速化も低金額の投資で、限定的ではありますが一定の効果をより広い人に与えるのも選択肢だと思います。
> 要は高額を投資して高い便益を多くない人に与えるか、少ない投資で少ない便益を多い人に与えるかの選択です。

★その他のご意見も含めて定性的に間違いは無い意見かと思いますが、より効率的な代替策を提示されて初めて成り立つ論理です。やや冗長になりますが、そもそも公共事業が誰がやっても利益を稼げるような物ばかりであれば、強制的に徴税する根拠はなくなります。成田新高速よりも費用対効果が大きいのに優先順位が低いプロジェクトがあればそのプロジェクトを優先させれば良いだけの話であり、上記の論理は成田新高速のプロジェクト中止を主張する論拠にはならないと考えます。

◎公共事業に置ける考えの差はこれは基本的に経済学で「アダムスミスか?ケインズか?」という問題です。
 即ち国家の役割は最低限の「夜警国家」で構わず、富の再配分(と言う名の公共事業)は「神々の見えざる手」と言う市場原理と採算性に任せるというアダムスミス的な古典派経済学の考えか、ケインズ経済学的な国家は「富の再配分と有効需要の創造が重要な役割」で失業者に穴を掘らせて埋めさせる行為でも、富の再配分と有効需要の創造に効果がある=採算性より重視するものがある)の考えの差だと思います。
 私はどちらが良いとは言いませんが採算性を重視しないと「神々の見えざる手」の最終的な調整を受けると考えます。
(有る意味(経済学的)ではどちらも正しい。只成田新高速鉄道について考えれば補助金に頼り採算性に疑問がある事業だから、古典は経済学的にはNO、ケインズ的には有効需要も創造された上に社会に便益を受ける人もいるからYESになる)

 ですから、上記の☆★の公共事業のコストと便益と採算性から、成田新高速鉄道より既存の2ルートの高速化を図る方が、確かに得られる便益は限定的ですが、コストも格段に安く又NEXも高速化される分限定的な時間短縮の便益をより広い範囲に直通で(東京・品川・渋谷・新宿・横浜)与えられ、とこちらの方が便益は低いがコストも安く従って採算性が高く、しかも(京成・JR)の民間企業の力を上手く使う事が出来(設備投資を負担させる事も可能、その分補助は要らないし上手くやれば税制上の優遇と金利補助ぐらいで済む)社会全体にとって望ましいのでは?
 これを国等を含めてこの事を検討した形跡が見あたらないのが残念です(国はまだケインズ的な箱もの公共事業重視の考えに縛られている?)。

 国が本来行うべき事業について京成が力を貸していると考える方が本件は正しいと考えます。

◎基本的に私は資本主義の国において民間企業は採算性を最大の眼目に置き行動すべきであり、採算性を考慮せず公共事業に協力するべきでは無いと考えます。この様な事を京成の社長が公言し行動したら、背任で株主代表訴訟を受けかねないです…(国営でやるなら必要不可欠なもので有れば採算性は第2に考える事も当然出来ますが)
 又北総の別枠の問題は税務上の問題からです。
 北総は確かに京成の連結対象会社ですから、経理収支上は連結決算で行って来いになり京成・北総グロスで考えトータルがゼロになる使用料でも問題有りません。只現在の日本では企業会計は連結決算重視ですが、税務上は連結納税が実質的に使えない状況です。その中で北総が自社の利益を考えずに使用料を定めると、税務上北総より京成への贈与と取られる可能性があります(此処の利益に税金をかける現在の方法では仕方有りません)。
 (北総はいつ赤字になってもおかしくないですし・・金利次第?)
 その為に京成単体で考え、北総の使用料も10億という金額をあえて入れたのです(今後有効な連結納税が認められれば別です)。

 いずれにせよ代替策無しに無駄だけ指摘する論には賛成できません。

◎成田新高速鉄道の代替策のアクセス改善案は、スカイライナーとNEXの高速化を随分前の書き込みから提案しています。
 スカイライナーの高速化は大雑把な試算もしています。そちらをご覧になった上改めて「代替策無しの無駄指摘」についてご意見下さい。
 又私たちの納めている税金なのですから効果的な使い道がなければ減税も非常に重要な選択肢です。納税者みんなに便益性の高い公共事業が有れば減税に拘らずそれをコンセンサスを取り行えばいいのです。

 ただ一つ御検討下さい。
 同じ空港アクセスでも羽田空港の京急の乗り入れは、都心直結で非常に便益性が高いと考えられるプロジェクトですが、一民間企業の経営判断で実施したので、空港内インフラ以外は京急自前で補助金を受けずに実施しています。
 それに対し成田新高速鉄道には460億円の税金を補助でつぎ込むのは採算性に疑問が有れど説明が付かないのではないですか?
 羽田アクセス改善に補助金が無く、成田にはあるこの矛盾について考えてください。そうすれば補助金をつぎ込むこの事業の有効性について方向が見えてくるかもしれません。

Re:代替策との比較と同時に公共事業の根本の意義を考えて
 投稿者---とも氏(2002/05/07 19:48:55) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 TAKA様はじめましてよろしくおねがいします。
 いまさらではありますので、簡単に私の考えということで。論点ずれはご容赦ください。

○成田へのアクセス向上は公的資金投入の価値があるか
 成田空港が千葉県全体に与える経済的インパクトを考えると、成田空港へのアクセス向上は羽田との機能分担において競争力向上につながるものであり、大きな効果が期待できます。
 さらにいえば、東京の国際的な利便性向上はアジアの中心都市として(仮に北京やソウル、香港に負けるといわれても実質のアジア中心は東京であることは間違いない)機能している以上、アクセス向上は国益に直結するものであり、国が国費を投入することは当然であると考えられます。例えば、香港のエアポートエクスプレスは評価の高い空港アクセスですが、香港政庁が相当な投資を行っており、運営はMTRという純粋民間ではあるもののいわば上下分離による整備を行っています。イギリスのヒースローエクスプレスはBAA(空港会社)が費用負担していますが、国のプロジェクトとして進めていることを考えれば、不自然ではないと思います。

○1,500億円投資は費用対効果があるか
 公共交通、道路交通を問わず、交通機関を直接効果だけで費用対効果を図るとすると、東海道新幹線ですら無駄と言わざるを得ません。
 そう考えれば、経済学云々の前に、波及効果、社会的効果を勘案すべきであって、受益者を簡単に限定はできません。
 福岡空港ではないですが、アクセスのよさが空港利便性向上につながり、都市としての東京や沿線都市(千葉NTを含む)の発展に寄与するのならば、それは必要な投資と考えます。

○羽田との比較
 京急は羽田空港乗り入れに関する改善事業として京急蒲田駅の改良を行っていますが、ここは鉄道駅総合改善事業、連続立体交差事業、交通結節点改善事業の補助金を受けての事業です。さらには羽田空港駅はリース料を支払っているとはいえ空港整備の一環ですから、スキームの違いはあるにせよ、成田新高速との大差はないと考えられます。

○JR・京成との勝負
 5分以上の差がつくのなら、運賃の制約次第ではありますが、転移は十分に考えられます。
 すなわち、各人の時間評価値による時間差の料金換算と運賃を天秤にかけ、安いほうに流れるので、おそらく新高速は十分ペイするものと考えます。

成田アクセス

 まとまらずに簡単にですが。ではでは

公的資金投入の意味と事業性の考え方
 投稿者---TAKA氏(2002/05/07 21:07:45)

 私の意見に貴重なご意見を書き込み頂きまして有り難うございます。
 ご意見を受けての私の私見を書き込みさせて頂きます。

 成田空港が千葉県全体に与える経済的インパクトを考えると、成田空港へのアクセス向上は羽田との機能分担において競争力向上につながるものであり、大きな効果が期待できます。

☆でもよりアクセスを向上させるのなら、羽田の再国際化も有効な選択肢です。
 確かに成田空港の千葉県に与えた経済効果は大きいです。しかし同時に強力な反対で平行滑走路も長期間造れず出来ても短い暫定滑走路の現実では逆に羽田に第4滑走路を造り、近距離は羽田・アクセスの時間のウエイトが低くなる米州・欧州路線と貨物は成田という機能分担も選択肢では?
 確かメガフロートで作れば1,500億以下で出来たはずです。
 もたらされた経済効果は大きいのに未だに空港反対を唱えている為に片肺の成田に投資するより羽田に投資するのも一策では?
 この様に成田新高速鉄道をすべて否定する訳ではありませんが、他の選択も同時に考えるべきです。

 さらにいえば、東京の国際的な利便性向上(中略)アクセス向上は国益に直結するものであり、国が国費を投入することは当然であると考えられます。

☆確かに海外との移動が短くなれば、国益に直結します。それは事実です。
 しかし国益がある=国費投入は必ずしも正しくありません。
 国費投入は国の財政状況・投資すべき公共事業の中での優先順位(この優先順位は社会的便益・採算性等)で決めるべきで、民間の力を使えたり、民間の負担で出来る物へ軽々しく国費を投入するのは社会全体の経済効率からも正しくありません。
 又大規模な投資は、その大規模故に摩擦を引き起こします(香港新空港の国費投入は中英間の返還交渉で重大な懸案として中英間の衝突を引き起こしています)。かなりの人々との間にコンセンサスの取れていない事業への国費投入は慎重であるべきです。 

 公共交通、道路交通を問わず、交通機関を直接効果だけで費用対効果を図るとすると、東海道新幹線ですら無駄と言わざるを得ません。

☆必ずしも正しくありません。これは暴論であると思います。
 東海道新幹線は投資金額の設備投資を償却し終え、その上に兆の単位の金額で国鉄債務償還のためにJR東海に売却され、JR東海はその債務を返済しながら、車両入替等の投資を行い、それでもドル箱として収益を上げています。単純に資本費を償却した上に黒字ですから直接的費用対効果はプラスです。
 これは東海道新幹線だけでなく、程度の差こそ有れ大手民鉄や都市のJRの路線にも言えます。

 そう考えれば、経済学云々の前に、波及効果、社会的効果を勘案すべきであって、受益者を簡単に限定はできません。

☆確かに間接まで入れると受益者の特定は困難な側面もあります。
 只経済学的に考えても、当然直接的な採算性を考えるのを第一にしても波及効果・社会的効果は当然勘案する物です(これは古典派経済学でもケインズ経済学では基本的に違わないでしょう)。
 しかし物事を計る手段として何を第一に考えるかでこの様な議論になると考えます。

 アクセスのよさが空港利便性向上につながり、都市としての東京や沿線都市(千葉NTを含む)の発展に寄与するのならば、それは必要な投資と考えます。

☆只利便性向上の錦の御旗の上にそれだけで投資を行うのに問題有りと言っているのです。確かに錦の御旗が採算性になり採算性だけで判断するのも問題です。ですから議論を尽くしてどの物差しをどの様にどれ位のウエイトで使うかを議論した上、此処のプロジェクトの有用性を議論しないといつまでもみんなで納得しない「賛成・反対」で終わります。

 京急は羽田空港乗り入れに関する改善事業として京急蒲田駅の改良を行っていますが、ここは鉄道駅総合改善事業、連続立体交差事業、交通結節点改善事業の補助金を受けての事業です。

☆蒲田の改良は確かに補助を受けています。只この中で一番ウエイトの多い補助で有る連続立体交差事業は羽田乗り入れが直接的引き金ではありません。都市計画の一環としての「環八・第一京浜」との立体化事業です。
 それにこの財源は受益者の自動車ユーザーの目的税が大部分ですから逆に鉄道の改良事業(蒲田駅の改良)はそれに便乗しているので、害を改善する現状の改良がメインで、全く新規の成田新高速鉄道とは多少意味合いが違うと思います。
 (成田新高速鉄道がなくても益はないですが害もないです。只連続立体交差事業は放置すると害が発生しますから、その改善に受益者の目的税を使うのは、純粋な補助金と意味が違います)

 さらには羽田空港駅はリース料を支払っているとはいえ空港整備の一環ですから、スキームの違いはあるにせよ、成田新高速との大差はないと考えられます。

☆リース料を払うと言う事は、物品の資本費の対応する費用+経費を払う事になり、それは投資ではない物の実際に投資と同じ意味です。
 そのリース料を京急が払っている以上、基本的には民間の自助努力の事業です(逆に資産にならない分リースの方が減価償却費等で不利になる事もあります)。
 それに空港内インフラは羽田・成田両方とも空港管理者が作っています。これは民間の努力とかの問題ではない制度上の事ですから、それ以外の部分で完全に補助のスキームに頼る成田新高速鉄道と民間の自助努力で行った京急羽田空港延伸には、税金の有効な使い方の点で大きな差があると考えます(当然民間の力を使った方が受益者負担でありしかも効率的)。

 クドクドと書きましたが、宜しければ御一読の上、改めてご意見を聞かせていただければ幸いです。

羽田だけでは力不足であり成田の機能強化が必要ではないか
 投稿者---矢切氏(2002/05/07 23:14:08) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 2点ほど。

 羽田の再国際化も有効な選択肢です。

 少なくとも以上2点から、羽田が第4滑走路建設&国際化を行った場合でも、成田空港の利便性を高めることは重要な課題であると考え、従って新高速は投資すべき対象と考えます。

 蒲田の改良は確かに補助を受けています。只この中で一番ウエイトの多い補助で有る連続立体交差事業は羽田乗り入れが直接的引き金ではありません(中略)逆に鉄道の改良事業(蒲田駅の改良)はそれに便乗しているので、害を改善する現状の改良がメインで、全く新規の成田新高速鉄道とは多少意味合いが違うと思います。

 便乗だとしても、立体交差化で道路関係予算から補助金がでるのは既存部分の高架化だけで、待避線建設や新たな渡り線の建設などは別に金をとるのが一般的。横浜方面からの直通を可能にするために余計に費用がかかる分、横浜市などが出資したと考えます。であれば、新高速に国が出資するのと大差ないと思いますが。

- - -
 民間でも経営が成り立つところばかり投資するのでは、羽田の一極集中を助長することになるでしょうが、これは成田と羽田をともに使える空港にするという選択肢に比べると、最終的な利便性の低い、国益を損ねるやり方と思います。

※私の論を支持する文献というわけではないので話がややそれるかもしれませんが、羽田の国際化や成田空港については当サイト空港論の過去ログが参考になるかもしれませんのでURLを紹介させていただきます。

【検証:近未来交通地図】ニッポンの空(港)論 http://www2.realint.com/cgi-bin/tbbs.cgi?traffic003

過去ログ ../airport/log206.html
../airport/log213.html
../airport/log221.html

Re:羽田だけでは力不足であり成田の機能強化が必要ではないか
 投稿者---TAKA氏(2002/05/08 00:31:40)

 私もご返答です。いつもいつもですいませんが宜しくお願いします

 羽田だけでは再拡張しても空域などの問題から成田の旅客線全てを受け入れることはとてもできない

◎確かに現在の定期航空協会の構想では第4滑走路&管制方法の変更で生み出される発着回数は約15万回(1日当たり約200便)です。これでは成田分をすべて賄うのは到底無理と承知しています。その内国際線に使えるのは、多分半分ぐらいでしょう。
 ですから前の書き込みでも羽田=国内・近距離国際 成田=長距離国際の国際線間の棲み分けを言ったのですが…
 都心アクセスの良い羽田に国内線と飛行時間の短い韓国・中国・台湾・香港方面の線を振り分け、飛行時間の比較的長く総移動時間の中でアクセス時間の比率が少なくなる長距離国際線は成田にと言うのが発言の趣旨です。又これで空いた成田の発着枠を国内の接続路線(小型機等を使った)に割り振れば国内の他地方も海外移動が便利になり上手く運用すれば成田・羽田で棲み分けが出来ると言うのが考えです。
 そうすれば、成田の空港として適正規模の(片肺空港ですから・・)中での利便性を高め、アクセスも全国的に国際線乗り継ぎが便利になると思いますが・・ 鉄道でのアクセス改善がすべてではありません。

 羽田の混雑を緩和する必要がある

◎混雑緩和は確かに必要です。国内線増発も必要です。
 只混雑のボトルネックに対し代替を作る方法(羽田に対する成田)とボトルネック自体を広げる方法(羽田の再拡張)の2つがあります。
 現況では、地元地主の反対で只ですら短い2500m滑走路の暫定の2180m滑走路しか造れず乗り入れ需要を満たせず、24時間運用も出来ない成田で投資をして代替えするより、羽田の混雑緩和に直接羽田の再拡張で解消しその余力を国際線に向けるのも策としては有りです。

 以上から私は成田空港に関しては、

  1. 最低限でも平行滑走路を完成させ、それをアメリカ東海岸直行便や欧州直行便の運用可能な3000m迄延伸して、現在の乗り入れ需要を満たせるまでに拡張する事。
  2. 現在の6時〜22時までの運用時間を5時〜24時まで拡大し早朝便で着けば朝9時過ぎには東京に居れて、仕事終了後の19時〜20時に東京を出ても、最終の飛行機に乗れる位まで運用時間を拡張する事。
  3. 小型機による国内線(国際線連絡用)を拡充して東日本の国際線の窓口として、羽田経由でなく直接成田に来れる様にする事。

 此処まで出来れば、完全に成田に国際線を集中させ、日本の国際線の中心ターミナルにして、羽田は国内線専用のままにしておく事が出来ると思います。そうすれば利用客も見込めるでしょうから(当然航空機乗入本数が増えるから)成田新高速鉄道も採算が合い本来の目的通り整備する事が出来るでしょう。
 其処まで出来ないと羽田再国際化の議論は封じられないでしょう・・

 便乗だとしても、立体交差化で道路関係予算から補助金がでるのは既存部分の高架化だけで、待避線建設や新たな渡り線の建設などは別に金をとるのが一般的。横浜方面からの直通を可能にするために余計に費用がかかる分、横浜市などが出資したと考えます。であれば、新高速に国が出資するのと大差ないと思いますが。

◎確かに連続立体事業は、既存部分に+αする部分の投資に関しては便益者の(この場合京急)の負担です。残念ながらその部分が幾ら位かは資料が有りませんが、その部分に関しては京急も「鉄道駅総合改善事業」「交通結節点改善事業」の補助を受けています。その点では、成田新高速鉄道と同じ穴の狢言えるでしょう(この点は前言撤回します)。
 只京急の羽田アクセスの一連の工事で、羽田線8両化工事、羽田空港延伸京急蒲田連続立体・改良の3つの工事の中で国の補助を受けているのは京急蒲田の一部分だけですよね?(空港延伸の空港内インフラは除く)
 正直言って民間の努力の上で努力を超える部分の最低限の補助は公共便益性の高い工事であるなら、致し方ないと思います。
 それこそ公共性の高い民間事業で努力により越えられない部分を補助しなければ、民間は誰もやらなくなります。
 すべて国でやるよりは安く収まりますし、非常に便益性が高いのですしそれに上記の2補助事業は完全無償ではない?はずでしたし…少なくとも、その点で無償補助が有り、無償補助をするだけの効果も私見では疑問で、民間活力利用のの努力が見られず、しかも採算性に疑問のある(当然採算性に疑問があるから民間は二の足を踏む)事業だから成田新高速鉄道には疑問を呈しているのです?
 前の京急の例の引き方は、ちよっと不味く完全に補助のない誤解を生む言い方でしたね?(京急蒲田までは考慮に入れませんでしたから・・)これは率直に反省致します。

 民間でも経営が成り立つところばかり投資するのでは、羽田の一極集中を助長することになるでしょうが、これは成田と羽田をともに使える空港にするという選択肢に比べると、最終的な利便性の低い、国益を損ねるやり方と思います。

◎でも成田は地主の反対で、上記の様な拡張(あれでも規模的には横風滑走路が無い分当初計画以下です)出来ない状況ですから一極集中が好ましくないと分かっていても限られた選択肢として、拡張のしやすい羽田の再拡張&再国際空港化が出てくるのではないでしょうか?
 出口の見えない一部地主との抗争に付き合い続けて、国際線の充実がいつまでも出来ない状況の方が国益を損ねると思います。
 ですから成田に投資するのは、国・空港公団・千葉県が上記の拡張案に目処を付けてからにしないと、成田新高速鉄道にしろ投資の効果を発揮できず、それこそ国益を損ねる無駄になりかねません。

包括レス:公共事業としても営利事業としても推進すべき事業では
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/08 19:18:52) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 こんにちわ。
 既に議論が進んでいるのでいまさらとは思うのですが、TAKAさんのご意見に対していくつかコメントさせていただきます。

●投資のリターンは投資額に比例しない
 成田新高速の1500億円の投資で見込まれる効果に対し、投資額を削減した代替案で見込まれる効果は、1500億分の代替案の投資額という単純なものではなく、最悪「ゼロ」という捨て金になることすら有り得ます。
 つまり、スカイライナーが他の交通モードから、もしくはNEXが他の交通モードからシェアを奪還して投資効果を上げるために必要な水準というものがまずあります。小さい投資で得られる効果が些少な時間短縮であれば、シェアの移動は起こりません。現状の約1時間というレベルに対する15分の短縮であれば、それが充分かつインパクトを与え得る水準であることは疑いがないところですが、5分であればおそらくインパクトはないでしょう(現状の最速列車〜標準〜最遅列車の偏差程度ですね)。

 戦力の逐次投入ではなく、集中投入こそその資金に見合った最大の効果を引き出すのですが。

●県(及び沿線市町村)の投資の是非
 自治体の投資で重要なのは、採算もさることながら、それが自らの自治体に資するかという部分が大きいです。場合によっては赤字投資も有り得ると考えます。
 本件の場合、「成田空港」という設備を盛り立てる事で、空港自体のほか、空港の周辺産業、空港があることで集まる諸産業(成田や富里の工業団地など)といった裾野の拡大があり、県税の増収、雇用の拡大など、成田新高速自体からのリターン以外の効果が見こまれます。
 成田空港が廃れるということは、街道筋から外れた半島県である千葉県にとって到底受け入れられる事態ではありません。これは空港開港前の千葉県の「発展」を省みれば一目瞭然かと思います。

 また県住宅供給公社にとって、沿線である「千葉ニュータウン」と「成田ニュータウン」の発展に資する路線です。各地の三セク鉄道でも、智頭急行、北越急行、伊勢鉄道など通過旅客の収入が大きい鉄道の経営基盤は堅調です。日医大以西の北総・公団線にとっても、高速化により対都心での時間短縮効果があるうえに、全線通し客の確保という安定収入が下支えするため、経営の安定が期待できますし、その収益を増発なり値下げなりに還元することでNTの入居促進(現在の入居への障壁は何を置いても北総線の高運賃である)となり、そこから沿線自治体への固定資産税や住民税という形での還流が起きます。

●北総開発鉄道への影響
 既に泥沼になっている北総を「営業を続ける」という前提で救うのであれば、成田新高速以外に実効性のある対応はないです。繰り返しになりますが、NTだけに頼った場合、既に独占状態であり奪うべき利用者が他に存在しない北総線が利用を増やすには、NTの入居促進しかありません。その障壁は既述の通りであり、単独ではハードルが高すぎます。全線通しの乗客をNTの入居とは無関係に増やせる成田新高速は北総にとって最後の頼りでしょう。

 一種の社会問題にもなっている運賃問題にしても、空港客の増加と抱き合わせであれば値下げの余地が出てきます。

●京成への影響
 スカイライナーの利用者が不変であれば京成は減収減益になります。
 しかし、八千代台経由と新高速のゼロサムゲームならともかく、現実には成田空港輸送においては様々な交通モードが存在し、京成はその1つに過ぎません。
 スカイライナー(および京成)のシェアは出発旅客に占める割合で7.1%、一般列車も含めた京成全体のシェアで18.8%です。一方のJRはNEX17.1%、快速5.2%の22.3%で、鉄道全体でも41.1%しかないのであり、新高速開業による効果で、空港利用者のわずか7%が寝返っただけでスカイライナーの利用は倍増するということに注意したいものです。こうなるといかに空港利用者全体にインパクトを与えるかが大切になることは言うまでもありません。

 そして、連結子会社の北総の収益改善を通じて増収増益となるのであれば、最善のパターンです。
 北総の経営難の原因は償却費と金利負担であり、限界利益ベースでは高い利益率ですから、京成電鉄本体の収益向上よりも多い利益が見こめます。

 なお、日暮里というハンデとそれへの対応としての東京駅接着線ですが、本当に他を圧する利便性を持つ存在であれば、少々不便なターミナルであっても客は来ます。遠い例で恐縮ですが、京阪の京橋、近鉄の鶴橋なんか、決して都心という意味では便利な場所ではありません。しかし、京都へ、奈良へ、伊勢、名古屋へ、というJRその他と競合するなかで、その利便性が認められているから、「不便なターミナル」をメインターミナルに育てたのです。
 そう、身近なところで、リムジンの箱崎という「お手本」がありますし。

 ついでに言えば、パイの大きさと効果を考えれば、京成がOLC株を全部処分してこの事業に投資するという作戦も取り得ます。グループで1000万株以上を所有しており、もしこれを処分できればそれこそ900億〜1000億の投資原資を得ます(実際には退職給付信託に370万株回っていて使えないが)。
 資金の相当額を自己資金で賄えればこれは最強です。こうした「投資」手法は日本ではまだ馴染みが薄いですが、欧米では日常茶飯事でもあります。
 勿体無いと思うかもしれませんが、OLC株は年間14円配です。時価ベースで考えると配当利回りは0.16%に過ぎず、含み資産とはいえ、有効に活用されていないのも事実です。(成田新高速がOLCの配当見合いの年間1.6億円程度の利益しか上げないというこはないでしょう)

●連結決算
 親子間で線路利用料その他を「贈与」と認定されない適正な水準で支払った場合、支払側が納税ポジションにあるので、連結ベースでの外部流出の削減に働きます。この時北総が納税ポジションにあるかどうかですが、累損の存在からNoですから、受取側の北総の納税額増大にも働かないはずです。

 北総の収益が改善して納税ポジションになった場合、それはそれで歓迎することでしょう。

●成田空港の問題
 実はいままで再三述べていますが、「羽田の改善」を織り込んだデータで、「成田の改善」を織り込まないデータと比較して優劣を判断するのはフェアな比較ではありません。
 また、東京都など地元が問題視した羽田の騒音問題を理由の一つとして成田に立地したにもかかわらず、今になって都や地元が羽田の再拡張を求める無節操(しかも離発着がすべて千葉県上空に回る形になっている)、土地収用委を文字通り見殺しにしたという国の「後ろダマ」など、成田空港の足を引っ張った国の政策を咎めることはあっても、それを追認して羽田再拡張になびくことは出来ません。
(扇国土交通大臣が就任直前に、「国の責任」を棚に上げた発言をして酷評されましたね)

包括レスへの私の意見
 投稿者---TAKA氏(2002/05/12 10:19:22)

 大変遅くなりまして申し訳有りません。
 一応包括レスに私の感じた意見を書き込みます。宜しくお願いします。

◎確かに思い切った投資(成田新高速鉄道)ではなく、より少額の投資(スカイライナー・NEX高速化)では中途半端のご意見があるのも事実です。
 しかし、成田新高速鉄道建設で絶対的にアクセスがもう1本必要なぐらい需要が増える訳ではありません。
 あくまでも成田空港の機能拡張→発着枠の増加→利用者の増大→成田新高速鉄道の建設のプロセスが、一番効率的であると思います。
 ですから今の空港拡張に重大な困難がある現状では、空港の拡張に全力を注ぎ、空港拡張に目処が付いた段階で(5年〜10年後)に成田新高速鉄道の建設をすべきで、それまでの時期が不明確な暫定期間はスカイライナー・NEX高速化という暫定投資で行くべきではないでしょうか?
 (暫定期間次第ですが、暫定投資でも投資額を調整すればペイします)

◎基本的には国民の生活を保障するのに必要最小限のインフラ以外に関しては、税金の投入は受益分負担の範囲内で行うべきと思います。又税金投入のインフラで、特定民間企業に便宜を図り競争を有利な方向へ不公正に導くべきではありません。
 又やもう得ず、税金を投入する場合でも出来るだけ民間の活力を有効利用する為の動機付けとしての、税の免除・利子補給・低利子融資等の間接補助にとどめるべきです。

◎現状では北総の救済スキームが必要である事は事実です。
 今高運賃により、事業単独では採算が取れていますが、鉄建公団への建設資金の返済は厳しい状態です。
 その中で北総にとり成田新高速鉄道の通過料収入は魅力的ですが、それに対し北総は受動的であるべきです(報告書では運行主体から外されていますし、下手に口を出したら、北総線内部分の投資の一部を負担しろなんて言われかねません)。
 私は北総こそ、上下分離・インフラを都市基盤整備公団と千葉県と沿線自治体の特定目的第三セクターに譲渡・第三セクターは税金と千葉NTの開発利益(受益者負担金)と京成の出資(北総投資責任分)と北総の使用料で返済の公的資金投入が必要と思います。
 投資負担の軽減の為に新たなインフラ投資を期待するのはちょっと?です

◎京成にとり空港アクセスの最大のアキレス腱は日暮里のロケーションの悪さです。私はこれでは、東京・新宿・横浜等に直通のNEXに対し成田新高速鉄道の建設で対山手線まで15分のアドバンテージを得ても、日暮里の乗換抵抗と本当の目的地までの所要時間(此処でアドバンテージが減る)で相殺され最終的には利用客が増えない様な気がします。
 と言って日暮里はエスカレーター・エレベーター設置ぐらいが限界で大改良の余地はないですし、東京駅接着線は論外です。
 この環境で、浅草線乗り入れでのロケーション改善で成田新高速鉄道が京成にとって採算がペイできるほど、+αの利用客を他交通機関から奪えるかは疑問です。

◎京成の経営で、オリエンタルランド株は重要だが遊んでいる経営資源です。
 しかし時価会計で含みを持つ意味はなくなった現在でも、売却して成田新高速鉄道投資を自前でやるのには反対です。
 売却は良いとしても、完全な固定資産に投資するのは京成の資金流動と財務上の信用を圧迫します。
 それならばその資金を、有利子負債の返済に充てるか、成田新高速鉄道を証券化して資金を作り出す事を考るのが今の経営手法の常道でしょう。

◎成田空港の能力拡張をどの様にして、現在満たしていない乗り入れ需要と増便需要を満たすかが、成田新高速鉄道投資の根元に関わる重要問題です。
 これが出来て最低限でも上記需要を満たす、+αで国内線の乗り入れ枠を増やして国内何処からでも成田を使いやすくする、と言う状況になれば必然的に羽田の再国際化の話も封じる事が出来ます。
 しかし過去の歴史と「成田闘争」の中で、千葉県は成田空港の受益者で有ると同時に被害者であり、国も成田問題に誠意を持って対応していなく問題を複雑化させ、空港拡張を困難にしているのも事実です。
 しかし、現在の羽田・成田の能力では関東の航空需要を満たすのは困難であり、特に国際線の需給関係は、暫定滑走路が出来てもまだ不十分です(何せ暫定ですから・・・)
 ですから、成田のB滑走路がいつ暫定が外れるか不明な状況では金はかかっても拡張しやすい羽田拡張に目が行ってしまうのも事実です。
 ですから何とかして、国が誠意を尽くし千葉県と協力して成田空港拡張を計る必要が非常にあります(せめてB滑走路の完全完成)。
 そうすれば増便も可能になりますから、利用客も増えてそれでは第三アクセスの成田新高速鉄道建設が必要という議論になるでしょう。

 私は成田新高速鉄道の建設と、成田空港の能力拡張・増便は最低でも(採算性の話の前に)ワンセットに考え、空港アクセスの需要が増えたら(増えそうなのが確実になったら)成田新高速鉄道建設を開始する様にすべきと思います。

 長々と長文にて失礼致しました。
 御一読の上何か意見がございましたら、改めて書き込みいただければ幸いに思います

とにかく、建設費圧縮で、早期完成を
 投稿者---青野邑咲氏(2002/05/07 08:00:01)
─Re:とにかく、建設費圧縮で、早期完成を
─Re:とにかく、建設費圧縮で、早期完成を
─「最初にプロジェクトありき」の発想ではなく十分な議論を

 みなさんの意見を読んでみましたが、難しいことは抜きにして建設は決まったことですし、早期に完成させるにはどうしたらよいか考えた方がよいと思います。
 北総線成田空港延長で一番考えなくてはならないのは、費用対効果です。簡単に言うなら建設費ですが、国の補助金を出す財務省をどう説得するかが一番の問題といえます。今年の調査費でさえ、予算を出すのに難色を示した経緯があります。国土交通省の説得でなんとか予算が認められましたが、今後の予算を認めてくれるか難しいところがあります。そこで、もう少し建設費を圧縮する案を提示して、短期間に完成させることを考えてみてはどうでしょうか。
 具体的には、RJ5月号の成田新高速鉄道計画案をもとに考えてみましたが、成田空港駅と第2ビル駅にて計画されているホーム増設をとりあえず中止することや土屋から第2ビルの間にある交換用の信号所設置を見合わせても良いかもしれません。列車設定に制約がでてきてしまいますが、こういう案を示さないと財務省としても予算を認めてくれないと思います。
 それと少し話はずれますが、土屋駅を建設、成田山新勝寺のもう一つの玄関口にして、北総線の集客対策にすることも必要と思います。正月だけではなく年間通して催し物があり、成田空港輸送ともう一つの収入源が期待できます。

 とにかく、あれもこれも欲張らないで、的を絞り短期間で完成させるにはどうすべきなのか、知恵を出してゆくことが大切と思います。

Re:とにかく、建設費圧縮で、早期完成を
 投稿者---矢切氏(2002/05/07 08:01:30) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 成田ニュータウン北駅の東側のインフラをこれ以上簡素化することには賛同できません。強いて言えば京成合流点から2ビル駅までの間の複線を単線にすることくらいです。それ以上の簡素化を行えば、スカイライナー・北総線・京成線の三者がいずれも20分毎に空港へ乗り入れるというダイヤが組めなくなります。

 とくに2ビル駅を交換可能にすることは、根古屋信号所の設置や成田空港駅の2面3線化よりもダイヤを考えると重要であり、これを行わないことは考えられません。

Re:とにかく、建設費圧縮で、早期完成を
 投稿者---MM氏(2002/05/07 08:02:44)

 少しくらいの建設費を圧縮するために、あまりに貧弱な設備にすれば、まともに機能しないそれこそ無駄なものになるのではないでしょうか。需要をまかなうのに十分な設備を設けることが、トータルで見た場合結局は安く上がると思います。

 しかし、道路は採算(一般道では金額は出せないから効果)などそれほど考えられず次々に作られるのに対し、どうして鉄道は、これほど慎重に言われるんでしょうか?採算だけでは図れない効果はあると思います。
 交通をトータルで考えて、いろんな選択肢の中から利便性が良くなり、環境にやさしく、さらに費用が少なくなるような方向を探って、それが鉄道ならば、そちらに多額の公的な負担をするのは全く問題が無いと思います。二酸化炭素削減など環境問題が深刻化する中で、鉄道を公的資金を使い整備し、自動車交通を減らす方向へ誘導する等というような事もこれから必要です。成田へは自家用車利用が多いわけですから、それを減らすためにもきっちり成田新高速鉄道を整備し、自動車利用から鉄道利用への転換を促すということをして頂きたい。これを進めればこのプロジェクトよりも事業費の大きい、道路網の整備を縮小できると考えます。

「最初にプロジェクトありき」の発想ではなく十分な議論を
 投稿者---TAKA氏(2002/05/07 19:52:50)

 ちょっと私の意見を書き込みさせて頂きます。
 他の私の書き込みとダブりが有るかもしれませんので、その点はご容赦下さい。

 みなさんの意見を読んでみましたが、難しいことは抜きにして建設は決まったことですし、早期に完成させるにはどうしたらよいか考えた方がよいと思います。

◎私の私見ですから意見が違う事はお許し下さい。
 私は「建設が決まったから後戻りしないで前進」の考え方は非常に危険だと思います。まだ調査費の支出に財務省が難色を示す様に、成田新高速鉄道の採算性を疑問視している人も多くいると考えます。
 実行は決まっても、まだ工事に着手していない今だからこそ、議論を尽くすべきではないかと思います。
 「もう決まったから・・・」「始めにプロジェクト有り」の考え方は危険で将来に禍根を残しかねません。
 正直言ってもう、「プロジェクトはどんどん行え」「箱物(=公共事業)万能主義の時代はもう終わっています。

 北総線成田空港延長で一番考えなくてはならないのは、費用対効果です。
 簡単に言うなら建設費ですが、国の補助金を出す財務省をどう説得するかが一番の問題といえます。今年の調査費でさえ、予算を出すのに難色を示した経緯があります。国土交通省の説得でなんとか予算が認められましたが、今後の予算を認めてくれるか難しいところがあります。

◎この様な事があるから、早期着工より十分な議論をする方が重要です。
 議論をすれば、建設費削減やより広範囲に便益を広げられる等の改善案が出てきて採算性のハードルをクリアできるかもしれません。
 幾ら建設が決まったといえども、補助前提の事業計画ですから財務省が納得しなければ補助金は出ませんから、成田新高速鉄道は絵に描いた餅になります。
 又議論を尽くし、大多数の人が推進を熱心に主張してそれが第三者的に見て公平でエゴのない正しい主張で有れば、それが民意として財政再建至上主義の財務省を動かし、支出を認めるかもしれませんし国の補助に頼らずに済むウルトラCが出てくるかもしれません。
 その為のプロセスを省略すべきではありません。

◎方策として建設費圧縮は、非常に重要な方策です。それには意義無しです
 只それによりインフラに余裕を作らず、作ってすぐ改良をしなければならないというのは非常に無駄になります。その辺のバランスの上に考えるべきでしょう。その為にも十分議論をしてプロジェクトの前提の需要予測をより精度を高めないと、最終的に無駄が出ると思います。

◎成田山の需要を取り込む等の策は、収入を増やして採算性を高めてしかも空港以外のより多い地域へ便益を与えると言う意味では非常に意味があると思います。

◎その他にも需要増への色々な策があると思います。例えば、

  1.  土屋〜第2ビル間の信号所を駅に昇格させ、此処で臨空でないとメリットの発揮できない様な産業を誘致する。(物流等)
     又その開発利益は民間に任せるか自治体・空港公団・都市基盤整備公団のどれかがやるかは別にして、その団体に受益者負担金を課して開発利益を取り込む
  2.  千葉NTまでグロスで含めて(北総も高速化改良されるので千葉NTもこの事業の受益者ですから)千葉NTに大企業の研究所や第2オフィスを誘致する(今でも三井住友海上や竹中工務店が進出していますが)(千葉NTは国際空港まで約20分東京まで約30分研究所や第2オフィスにはいい環境です)その誘致事業にも受益者負担金を課す。
  3.  印旛沼周辺にも新駅を作り、環境が良く・安く・広く・自然があり・しかも都心まで1時間以内のアクセスの住宅地を開発してその開発利益を受益者負担金で取り込む。

等々です。
 現在の経済状況では、「開発利益で親善建設の資本費を内部補填する」とか「大規模開発と新線プロジェクトを一体化させる」とか大規模開発自体が難しいのも事実です。只バブルではじけ飛んで不良債権化した開発はコンセプトのない只開発するだけの開発事業が殆どであると言えます。
 新線建設を初めてからの開発は、地価上昇や思惑での乱開発等が発生し困難度が高まります。だから此処で十分コンセプトを煮詰めて、競争力のある開発計画を立て、それを成田新高速鉄道の採算性向上に結びつけ成田新高速鉄道のプロジェクト自体の採算性向上を図るのも一策ではないかと思います

JR上野駅乗り入れ
 投稿者---JR上野駅乗り入れ氏(2002/05/05 23:50:22)
─北総経由の特急は、設定無しでも構わない
 └Re:JR上野駅乗り入れ
  └スカイライナーに、自由席はむずかしいですね

 成田高速線が開通の暁には、JRの空港線の処遇が問題であるが同時の乗り入れのときは土屋からの3線化をしないと増発はできない。
 そこで策ととして基本的にJRは撤退して、現在進められているJR−東京−上野間東海道−東北線のスルー化による上野駅の地上駅があまる、日暮里から1線借りJR駅に乗り入れする(3本/時)−>(基本的に共同運行である)により東北上越新幹線の接続は便利になる、残りは品川駅で東海道新幹線と接続する、なにも東京駅ですることはないはず。

北総経由の特急は、設定無しでも構わない
 投稿者---青野邑咲氏(2002/05/06 00:50:36)

 自分も成田空港からJRは撤退しても良いのではないかと考えていました。しかし、今のところJRは撤退しない方針のようです。RJ5月号に成田空港の配線図をみても京成だけではなく、JRもあります。

 さて、問題の増発の件ですが、北総線成田空港乗り入れ時は、今のところ土屋から第2ビルの間に行き違い用の信号所を設置が考えられています。なんとか一時間に6本入線はできると思いますが、そうなると今度は北総線内のダイヤに制約がでてきてしまいそうです。ですから、土屋からの単線区間はスカイライナーのみということにしても良いと考えています。
 自分もどうすべきかいろいろと考えていますが、自分が考えた案は、東京からのスカイライナーを北総線経由、現在の特急を京成経由にします。北総経由の特急も考えられていますが、これは設定しなくても構わないと思います。というより北総線経由の特急は乗客の混乱を招き、ダイヤの構成上、せっかくの高速運転のスカイライナーの足を引っ張ることになってしまいます。そして、スカイライナーに自由席をもうけて普通乗車券のみで乗れるようにします。指定席と自由席がある列車は南海や名鉄で実績があるので、無理があるとは思いません。

 JRとの三線式は恐らくやらないでしょう。日暮里からJRに乗り入れる案も面白いですが、これもJR東日本が認めるとは考えにくいと思います。

 成田空港乗り入れ列車は、一時間あたり、JRは成田エクスプレスが2本、快速が二本、京成は、北総経由のスカイライナーが3本、現京成経由の特急が3本で充分と見ています。

 とにかくもう一度需要を見直す必要が、あるのかもしれません。

Re:JR上野駅乗り入れ
 投稿者---矢切氏(2002/05/06 04:43:14) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

JRの撤退は不適切と思います。浅草線の東京接着を行ったとしても千葉・新宿・横浜へ乗り換え無しで行けるのはJRだけだからです。こうした直通サービスは提供しつづけるのが良いと考えます。

 北総線成田空港乗り入れ時は、今のところ土屋から第2ビルの間に行き違い用の信号所を設置が考えられています。

 これでスカイライナー毎時3往復と北総特急毎時3往復の運行が可能です。スカイライナーの東京駅乗り入れを行わなければこれで十分なインフラと考えます。具体的ダイヤは拙サイトをご覧下さい。

http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/mydia/narita/nrtsks1.html

 朝の下りピーク時には上りの本数を抑制(宗吾参道へ回送)するか北総特急の本数を減らせばライナーをもっと増やせます。

 スカイライナーに自由席をもうけて普通乗車券のみで乗れるようにします。

 これをやるとみな安い自由席に乗ってしまい収入が確保できないので実施はできません。他の鉄道でやっているからといって、ここでやるのは不適切です(名鉄は豊橋への乗り入れ本数が限られているためやむを得ずという面もある)。

 日暮里から1線借りJR駅に乗り入れする

 ゲージや信号システムの違いがあるのはもちろん、東北線の東京乗り入れ線の線路容量にあまり余裕がないことを考えても、この乗り入れは困難と思います。

 また既存ルートをなくせば京葉地区へのアクセスが失われますがこれも問題です(現状も改善の余地ありですが)。

スカイライナーに、自由席はむずかしいですね
 投稿者---青野邑咲氏(2002/05/07 00:43:51)

 書き忘れたことがあります。JR撤退はしない方がよいですね。矢切さんに、前にも指摘されたのに申し訳ないです。

 スカイライナー自由席設置は、難しいところですね。ただ、料金面のことだけではなく、もう少し気軽に使えるスカイライナーを考えても良いと思いますが、どうでしょうか。あるいは、JRのグリーン車と普通指定のような車輌ごとに、多種の座席を配置させることなど考えても良いと思います。

 スカイライナー自由席設置案は、もう少し考えてみようと思います。

2005.07.20 Update

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