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【検証:近未来交通地図】Special205

再構・浜松LRT計画
(2003/08/26)

鍛治町を走るLRT図(浜松都市フォーラム資料より)

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再構・浜松LRT計画
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/08/26 15:29:04)
再構・浜松LRT計画
└北(西)部を見渡して
 └公式な計画では
  └Re:公式な計画では
フォーラム案紹介
 └Re:フォーラム案紹介
  └資料抜粋より返答
  └それでは(私見を交え)お答えします。
   └できれば私見を交えずにお答えいただきたかった
    └Re:できれば私見を交えずにお答えいただきたかった
     └細かいことですが
     └≪管理者投稿≫論点の明確化を
 └とりあえず私案を出しときます
浜松にLRT計画 ../../neotrans/log360.html#3
浜名湖周遊記 ../report/045.html

 さて、正直申し上げて中村様の御投稿以後、浜松構想の全体像が見えてこないことから多少の混乱が見られた、特に適切な提示がなされなかったことや感情的な部分などがあったのは残念に思っていましたが、「浜名湖周遊記」の通り今回の集会に参加して、浜松の活動の状況についてはだいぶ把握できたと感じています。少なくとも1期路線構想はかなりの具体的資料の基に提示されているものと認識しましたし、「既に勉強会という域は脱していて、実践的な活動に移っている」のだという内田会長の熱い真剣な眼差しを眩しく感じたものです。
 しかし一方では、LRTでないとどうしてもダメなんだ、というところまではまだピンと来ませんでした。まさに浜松は「オムニバスタウン」という国レベルでの提案プロジェクトに参画しているところでもあり、各種のシステム化が進んでいる事、かつその前提としてある程度の需要線の太さを実感しつつも、バスの機動性を活かした面的な路線配分がなされている事、言い換えればバスとしての輸送レベルの実機能性・釣り合いも実見しました。確かに道路渋滞の恒常化への対処はあるでしょうが、その一方で「基本的には全線併用軌道、事情によっては単線開通も辞さない」というLRTありき的発言も集会の中で聞かれたのは、素人ながら曲がりなりにも各地を旅し、多様なシステムを見てきた身としては少なからずの引っ掛かりを覚えたものです。
 さらには話題の中でも出ましたが、浜松の道路事情、市街地環状や浜松環状が未成であるという事(話題としてはそこにも将来構想として軌道導入想定があるというものでしたが)も現状に左右する事象として認識することが必要かと。確かに視点としてニワトリたまごになる懸念はありますが、広域流動の変化が中心部交通にどのような影響を与えるかという点では、少なくとも予定道路の未成、そして完成効果の分析は必要なのかなと思いました。

 ともあれ、当方自身も半日ふらっと行って、漫然とお話を聞いてのモノ書きに過ぎませんので、誤解が多分にあるものとも認識しています。なお、当方のところへ資料をお送り頂く旨了解を得られましたので、到着次第適宜示できればと思っておりますし、広く皆様からの御意見を賜れればと存じます。
 実は個人的に強く思うのはここの部分であるのですが、残念ながら浜松の活動が広く地域、あるいは全国規模で知られているかといえばそうではないといわざるを得ないと考えます。ネットで出ている云々ではないでしょうが、先述の宇都宮も、地道とはいえこのような情報発信をしているわけです。

LRT宇都宮 http://www.lrt-utsunomiya.net/index.html

 その中で今秋の路面電車サミット函館はどのように関わられるのかという問いには、「まだ地場を固める段階」というお応えでした。確かに至極当然ではあるのですが、そこに穴はないのかなと。実際1期線については詳細な想定がなされているのに、ではそれを地元の人がどれだけ知っているかというとシビアな答えが返ってきそうな気がします。なぜならこのネット社会、大袈裟ながらも情報は瞬時に拡散します。特にLRTは是非を置いて趣味的関心が強く持たれているところでもありますから、地元で知られていれば必ずネット上ではかなりな反響になっているはず、まさしく宇都宮がその状況といって過言ではないでしょう。
 ゆえに先述した通り、少なくともこの【検証:】の場だけでは多分に役不足ではあるでしょうが、どんどん宣伝に使って頂きたい、それは幅広い意見交換につながり、強い目標意識醸成に繋がる第一歩だと当方は考えます。ただしこれは自省ですが、あくまでもネットは一手段に過ぎず、実際に行動するのはまさに地元の方々が動かなければならないのだということは、改めて参加される(云ってしまえば当方自身を含めた外野の)全員が認識する事も多分に必要だと考えます。すなわち、参加される皆様に置かれましてはギブアンドテイクを大原則にして頂きたいと存じます。

路面電車サミット函館 http://www.donan.net/~do-shiden/

 改めまして本件に関し、当方は立場的には間接ではありますができるだけデータ開示に協力したいと考えておりますので、広く皆様からの御意見を賜れればと存じます。まさにフォーラムが仰られる通り、完全新規開業という未知の世界を体験できるより近いチャンスであると信じて…。

北(西)部を見渡して
 投稿者---和寒氏(2003/08/29 12:10:59) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

■ 浜松交通地勢私見

 管理人様から再構の御提議があったところですが、私は浜松都心部から北(西)部方面について着目したいと思います。地図、そして遠鉄バス路線図を見ると、実に興味深い。特徴として挙げられるのは、

  1. 南北の基軸となる道路が近接している

  2. 鋭角に交差している交差点が多い(特に東名道以南)

  3. 南北軸上のバス運行本数は多い(都心部方向に向かって毎時10本程度かそれ以上)

  4. ただし1系統あたり運行本数はさして多くない(毎時3〜5本程度)

  5. 浜松北西部郊外から都心部に入るには渋滞不可避(南北軸との合流が必ず右折となるため)

 私は浜松の地勢にうといですが、上記の情報から判断する限りでは、管理人様の御指摘、

 まさに浜松は「オムニバスタウン」という国レベルでの提案プロジェクトに参画しているところでもあり、各種のシステム化が進んでいる事、かつその前提としてある程度の需要線の太さを実感しつつも、バスの機動性を活かした面的な路線配分がなされている事、言い換えればバスとしての輸送レベルの実機能性・釣り合いも実見しました。

は、なかなかいいところに目をつけていると思われます。
 それを裏づける実際の状況として、特に興味深いのは51系統中田島高丘線。浜松駅BT−常楽寺−和合町−中山−市営高丘団地−姫街道車庫−聖隷三方原病院、というジグザグの凝った路線設定のなかで、終点の聖隷三方原病院のほか、浜松リハビリ病院、聖隷浜松病院を網羅しています。三方原西部や高丘それに航自浜松基地南東部という、比較的需要が細い地区を結びつつ、通院需要を満たすという、一石で二鳥を狙った面白い路線といえます。
 全ての路線にその傾向ありとみなすのはいきすぎとしても、1系統あたり本数が少ないところから、浜松でのバス政策は、幹の太さよりも網目の細かさで勝負していると見受けます。

 また、バス時刻表を見ると、短距離での途中折返便(例えば和合町行)の設定がほぼ皆無、という点も特徴的です。このことが示唆するのは、途中でドッと乗りこんでくるような拠点地が南北軸沿道には(少)ない、という事実です。おそらく浜松はスプロール化が進んでいて、家並は途切れない、だけど人口密度はさして高くない、という状況が想像されるわけです。
 これをバス路線に置き換えてみると、郊外から停留所毎に数人ずつ乗車があって、都心に近づく頃ほぼ満員になる、というような案配なんでしょうか。

■ 現状での最適解

 上記の見立てが正しいとすると、南北軸の交通状況を改善するには、なんであれ集約的交通機関は不適であると考えられます。輸送単位は現状のバス1台で充分とすれば、最も適合するのはおそらく基幹バスで、国道257号(静岡大経由)に専用レーンを設定すると効果的でしょう。基幹バスであれば投資は大きくないので、国道152号にも設定するのも一策でしょう。
 ただし、基幹バスでは右折渋滞改善にはつながらないという苦しさがあります。現状の道路ネットワークじたいはそのままですから、右折渋滞改善はどうしても無理です。主要交差点にP&R拠点をつくるという発想もありえますが、そうすると輸送単位が小さいという難点が浮上してしまう。
 もう一つの難点は、郊外から都心への所要時間短縮にどれだけつながるか、ということが挙げられます。専用レーンで、優先信号でも導入すれば、ある程度の所要時間短縮にはなりますが、劇的な効果をもたらしうるかと問われればネガティブです。所要時間を短縮するには停留所の間引きが必要不可欠であって、それが現道を走る基幹バスにおいてどれだけ許容されるか、疑問なしとはいえません。

 トラムorLRT(併用軌道タイプ)は基幹バスに準じますが、既存バスネットワークとの乗換が必要になるという大きな難点があります。投資も基幹バスよりは大きくなりますし、他の難点は基幹バスと同等です。となると、選択肢としてはまずありえないのではないでしょうか。

■ 立体交差形の交通機関導入はありえるか?

 以上を鑑みると、もう一つの選択肢として、完全立体交差形の交通機関導入を考慮してしかるべきかもしれません。ガイドウエイバス(「ゆとリート」タイプ)やLRT(専用軌道タイプ)が相当します。後者には既存のバスネットワークとは乗換を要するという弱点があります。前者にはこの弱点はなく、既存バスネットワークとの相互直通が可能という強みはあります。ただし、途中区間での通路共有(例えば前述の51系統が典型)は難しい。拠点駅からの相互直通は可能であっても、途中区間では実質的に別モードとなってしまう、ということです。
 また、必要な投資(かなり大きい)をとりあえず無視するとしても、導入空間をどこに見出すかという悩ましさがあります。地図を見渡す限り、浜松には適地が少ないですね。

 まあ、「浜松には現状では基幹バスが最適」と私見を呈しても、オーソドックスすぎて面白くもなんともないので、ちょっと破天荒な案も考えてみましょうか。キーワードは、
    ・郊外−都心間の所要時間の劇的短縮
    ・右折渋滞解消(都心部に流入する自動車交通量の無理なき削減)
    ・適切な導入空間の確保
というところ。特に3点目が難しいので、いささかお時間を頂戴したく。
 それでは。

公式な計画では
 投稿者---和寒氏(2003/09/01 18:31:36) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 自己レス御容赦。
 先の投稿は予備知識なしで記したものですが、現状もしくは将来構想からあまりにも乖離があってはいけないと、ちょっと調べてみました。

浜松市都市計画マスタープラン(約5MBとたいへん重いPDFの26ページ目)
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/plan/tosike/masterplan/master.pdf

 これによると浜松には「公共交通高規格化促進区間」があって、その軸というと、

・浜松駅−常楽寺付近−和合町付近−(R257?)−北星中入口付近まで
・上記より分岐して富塚付近まで
・20系統宇布見線入野付近まで
・都田口付近から南下しR257赤松坂付近を経て遠鉄に接続
・浜松駅からJRに並行し東上する2本の軸
・浜松駅から南下する軸

の7本を見出すことができます。同マスタープランによれば、高規格化とは「LRTやガイドウエイバス、バス専用・優先レーンなど」とされています。
 しかし、これらの軸に本当になにか対策しようとすると、既存鉄道路線(JRや遠鉄)とほぼ並行していることから、実質的に選択肢は一つしかないような気がします。つまり、大規模投資を要しないバス専用レーンで、どんなに頑張っても基幹バスまででしょう。
 大規模投資が必要な軌道系もしくはガイドウエイバスを導入するならば、既存鉄道路線からは離さなければ効果が得られません。しかし、そのような路線は浜松市の計画からは乖離するという難しさがあります。

Re:公式な計画では
 投稿者---KAZ氏(2003/09/04 18:28:45) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。KAZです。

 浜松ですが、今までの来訪経験と僅かながらの知識、そして地図をさらっと見ただけでの話になってしまうのが辛いところなんですが、果たして軌道系に適した都市圏なのか微妙に思うところもあるのが正直な感想です。就業地が都心だけでなく郊外にも展開しているようですし(工場などは郊外立地ですよね)、それが交通流にどういった影響を与えているのか気になるところです。郊外だけで完結してしまうような交通流があるようなら、それをどうやって都心の活性化に結び付けていくのか、そういった面にも配慮が必要になってきますしね。また浜松市の構想も気になるところ。都市軸は既存の鉄軌道に沿ったエリアと明確に示しているようですし、都市軸としてどのような整備が行われるかで将来の交通流も変わってくるでしょうし。

 浜松の地図を眺めていて思うのが「副次核が見えない」。郊外側にこれといった集積地が見出せないんですよね。こういう形態の都市圏だと鉄軌道は不向きなのではないかと・・・。郊外の拡散した市街地を面的にカバーするならバスの方が有利ですし、流動がまとまる部分や渋滞箇所での部分的なガイドウェイ設置でバスの高度化を図る方策でいいのではないかと思ったりするんですよね。浜松市も郊外側に核がないことを意識して「都市軸と副次核の形成」を目論んでいるようですし、その辺りとの整合性なども見ておきたいところです。

 最後に集会に参加して各種のお話を伺った感想ですが、率直に言って「大風呂敷」という印象が拭えない。まあ全体構想の「ほんのさわり」だけを聞いての感想ですので、本当はもっと綿密な計画があるのかも知れませんが、中心市街地の再生とパーク&ライドを大きく謳われているが路線図からはそのような構想がイマイチ窺い知れず残念でした。路線構想もも市内各所へ向けてきめ細かく線引きされていましたが、感覚的に見たら「バスの高度化」で十分対処できそうに思われました。何故バスの高度化ではなく鉄軌道式、しかも遠鉄・JR線と全く相容れない「1,435mm軌間・路下集電」という規格など、理解し難い点もありましたし・・・。

 こういう疑問は現地を見るのが一番!ということで、また改めて現地を見てこようと思います。

フォーラム案紹介
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/09/05 08:31:57)

 浜松都市環境フォーラムより資料を御送付頂きました。改めましてこの場を借りて感謝申し上げます。

 早速フォーラムの導入案について大要を御紹介致します。
 頂いた資料はグランドデザインである「浜名湖百年計画 提案書」(有報原文のような冊子化がされています)と、LRT講座を受けたシステム提案「合併・政令指定都市実現に伴う新交通システムの導入について」(A4 15ページのレポート、8/9付で纏められたホヤホヤなもの)、あとはLRT講座を踏まえた各種新聞記事切り抜きの3点です。

 皆様が一番気にされているであろうLRT導入計画の具体的内容を端的に書き出して見ましょう。

※下記ルート地名は551planning補足。

【第1次計画案】 
 沿線住民人口や企業・施設集積から採算性重視、黒字営業を目指す

ルート図

  三方原本線 8.4km
     浜松駅-浜松市役所-中沢町-R257新道?-小豆餅-浜松工高
  高丘線 2.9km
     小豆餅-ホンダエクスプレス-高丘北4
  富塚線 4.8km
     浜松市役所-浜松北高-新富塚橋-西山団地
  佐鳴湖線 6.3km
     浜松駅…浜松駅南口-寺島町-JR浜松工場-ジャスコ-入野町
  中田島線 4.6km
     寺島町-遠州灘海浜公園
  大柳線 4.4km
     浜松駅南口-永代橋-名塚町-大柳町(浜松鉄工団地南東)
  宮竹線 4.8km
     浜松駅-板屋町-馬込橋-天神町-船越町-R152交差点-浜松プラザ
   
【第2次計画案】
 公共的観点から政治政策的な路線展開
  三方原本線延伸 (浜松工高-フルーツパーク)
  館山寺線 (雄踏-村櫛-館山寺)
  湖西線 (村櫛-鷲津)
   
【第3次計画案】
 広域都市圏全体の交通システム化へ
  環状線等  

【敷設構想(案)仕様】
 ・1,435mm 道路中央部複線(道路状況により単線区間あり)
 ・750v 地表給電(架線レス)システム(仏・ボルドータイプ)
 ・運転間隔6〜20分 平均時速21km/h
 ・車体長30.52m 4箇所6扉 (広島風?) ツーマン運行 初乗運賃150円
 ・腰掛数 64席(4人ボックス32席、対面32席) 立席 134名 100%低床
 ・車両基地2箇所、車庫7箇所
 ・変電施設19箇所、一部風力発電供給も

【導入に関する諸施策】
 ・運営主体は公社、民営、「市民鉄道」方法などを模索
 ・東海道新幹線静岡空港駅の実現
 ・天浜線電化と赤電(遠鉄線)天竜市中心部(二俣)直通化
 ・LRTは中心市街地と郊外の直結主要機関(P&R等との連携 路線バス再編・タクシーの活用)
 ・中心市街地の歩行者天国化(循環街バス・レンタサイクル・公共トイレ・ストリートファニチャー等)

Re:フォーラム案紹介
 投稿者---KAZ氏(2003/09/05 11:02:29) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。KAZです。
 さてフォーラム案ですが、ここで気になっている点をちょっとばかり・・・。

【敷設構想(案)仕様】
 ・1,435mm 道路中央部複線(道路状況により単線区間あり)
 ・750v 地表給電(架線レス)システム(仏・ボルドータイプ)

 前投稿でも書いていますが、このシステム仕様に決定した理由を聞いてみたいですね。オーソドックスに考えたら、浜松周辺の鉄軌道は全て1,067mmで、動力方式は各線で異なるが遠鉄の電車線はDC750V架空線式ですよね。この遠鉄仕様なら併用軌道での適用も可能かと思われますので、何故これらの規格とのマッチングを取らずに独立したネットワークを形成しようとするのか。その辺りの理由が知りたいですね。

 ・車両基地2箇所、車庫7箇所

 基地・車庫ともに多すぎるような気がしますが如何でしょうか。あと車両基地ですが、ここはどういった機能を持たせるのでしょうか。車庫は単なる電留線で、基地が検査ピットを備えた一般的に言われる検車区のようなものなら理解できますが、もし工場としての位置付けなら過剰設備の印象が拭えません。工場機能なら遠鉄電車の工場や、それこそ日本有数の鉄道工場であるJR浜松工場に委託というスタイルもあり得るのではないかと思うのですが・・・。

 細かな部分だけを突付くような形になっていますが、気になっている点を挙げてみました。どなかたご説明いただけたら有り難く思います。よろしくお願いします。

資料抜粋より返答
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/09/05 22:01:45)

 KAZ様、どうもです。当方が成代りまして?とりあえず資料より返答します。

>・1,435mm 道路中央部複線(道路状況により単線区間あり)
>・750v 地表給電(架線レス)システム(仏・ボルドータイプ)

前投稿でも書いていますが、このシステム仕様に決定した理由を聞いてみたいですね。

 架線集電設備を取っ払った形に加工された?ストラスブールタイプの車輌がザザシティ前を駆け抜ける構図の「鍛治町を走るLRT 架線のない超低床型」と題された写真が扉表紙を飾る「合併・政令指定都市実現に伴う新交通システムの導入について」によると、まずボルドータイプのチョイスについては、

  • 地表集電システムにより、架線がないため都市景観を損なうことがない

  • 東海地震が想定されていることから、震災時の安全性とともに迅速な復旧作業も可能

というところが言及されています…ただ正直云えば、資料の冒頭に掲げられている「はじめに」文中内にこう書かれているところをどのように読み取るかで、評価の分かれるところになろうと当方は認識します。


 (前略)中でも、広島電鉄(株)中尾講師からの「フランスのボルドー市で地表集電システムによるLRTが営業運転を開始する。」という情報は最大の収穫となった。そして、この架線のないボルドー方式が、百年計画に最もふさわしい方式として導入計画の基本に据える事となった。(後略)

※補足 フォーラムでは2002年12月から全11回の「LRT公開講座」を開催、各回に講師を招いての勉強会を実施、既に著名の中尾正俊氏(広電取締役電車カンパニープレジデント)は03年1月(第3回)に登場、「鉄道事業と経営 LRT導入上の課題・問題 無人改札・共通運賃システム」という内容で話されている由。

 また、標準軌採用については、

  • LRTは全車両の床が路面からわずか30cmという超低床で、停留所との段差がなく車椅子やベビーカーもスムースに乗降できる

  • 新幹線と同じ軌道幅にすることにより、車輪の上部に座席を配置することができ、車両全体の床面を超低床に

とされています。

 基地・車庫ともに多すぎるような気がしますが如何でしょうか。(中略)工場機能なら遠鉄電車の工場や、それこそ日本有数の鉄道工場であるJR浜松工場に委託というスタイルもあり得るのではないかと思うのですが・・・。

 資料には具体的言及はありませんが、先日のフォーラム参加時に見させて頂いた地図には各路線の終点に車庫らしき設備の絵が描かれていましたね…。まぁ遠鉄は選択肢としてはなし、浜松工場は横を通るので可能性ありながら相手は新幹線専業ですから、改造等を担当したJR-Q鹿児島車輌所のような関係ができますかどうか。無論、可能性としては多いに有り得ると云えましょうが、そこまで検討されているのかどうかは…。

それでは(私見を交え)お答えします。
 投稿者---中村スマイリー@光宏氏(2003/09/07 17:01:59) http://www.alcclub.net/~lake-hamana/

 こんにちは、中村です。
 皆様の疑問に私が私見を交えながらお答えします。

 まず標準軌採用の理由なんですが、当初は標準軌ならば狭軌に比べ車体幅車両の幅が取れ輸送力が上がる、また車内スペースに余裕ができるという理由からということだったんですが、狭軌派の私としましても上記の疑問を感じておりました。そうしておりました所、狭軌でも標準軌とほぼ変わらない幅の車両ができるという情報を入手しまして、上程いたしましたところこれがかなりの高評でして当面両案併記という方向で行こうという話しでまとまっております。
 その際に、最も重要視されましたのが浜松北部を走ります第三セクター天竜浜名湖鉄道(我々は電化を提案)との乗り入れでした。今天浜線は経営的に非常に厳しいといわれており、後何年持つかという持久戦の状態にあります。既存の鉄道の有効活用という観点からも天浜線の救済という観点からも狭軌採用は有利という風に考えております。

 また架線レス地上集電方式の方式につきましても、現在再検討を進めており最中です。既出のJR総研のバッテリートラムの方も軸に入れに考えております。これならどこでも走れますし、たとえ架線レスであるにしましても鉄道線乗り入れの際にはパンタグラフを別に付けそこからの集電をするデュアルモード方式を使えばよいかと個人的には思っております。

 車庫機能につきましては、終電→始発の電車を3〜4編成留置&簡単な営業施設、車両基地につきましては、一般的に言う電車区+検車区+一か所につきましては工場という方向で考えております。

 ご指摘のJR東海浜松工場の件につきましては、個人的には一考の余地があるという方向で考えておりますが、現時点ではJR東海さんとの協力関係が築けていないということで当面はこうせざるを得ないという方向で考えております。
 しかし、以前には在来線の検査も扱っていたため設備もあるかという風に考えておりますし。昨年の8月の公開の時に見た限りではそのようになっておりました。
 さて、ここで焦点のJRとの協力との点なんですが、今までに既出の公開講座の講師のほうを依頼した所、種々の理由から断られておりまして、全回の書き込みの際に書きましたシンポジウムの際にJR東海に改めて招待状をお送り致す予定でおります。
 個人的にはJR東海が興味がないなら、ほかにもっと興味を持っているJRがいると思うのでそちらにお送りすればいいのになと思っています。
 私もこの点にはほとほと困っておりまして、誰か助けていただける方はぜひとも何かご教示いただければ幸いです。

 さて最後にもう一つ。先日、代表が静岡大学のほうに協力依頼の為訪問致しました。結果はかなりいいものだったと聞いております。私はその下調整を行いました。これで残る在浜大学は国立浜松医科大学のみとなりました。こちらの方にもすでに依頼を出して入るんですがもうそろそろお返事をいただけるものとして考えております。

 一部余分なことを書いてしまい書きたいことが書けなくなりましがそれは次回においといて、今回は長くなりましたのでこの辺にしておきます。
 ところで、KAZ様いかがでしたでしょうか?あなた様のというに応えられるものかどうか分かりませんでしたがよろしくお願いします。

できれば私見を交えずにお答えいただきたかった
 投稿者---KAZ氏(2003/09/08 19:41:45) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。

 私の指摘にお答え頂き、ありがとうございます。しかし「私見を交えて」と書かれておりましたら、どこまでがフォーラムの公式な見解でどこからが中村氏の私見なのかという話になってしまい、折角の投稿そのものの意味が薄れています。公式見解と私見は明確に分けて投稿いただきたかったです。
それではかなり厳しい話になりますが「私見」をば。

○標準軌か狭軌か

 車体幅はどちらでもほぼ同じものができるでしょう。変わってくるのは低床式の場合の通路幅では?

 狭軌でも標準軌とほぼ変わらない幅の車両ができるという情報を入手しまして、上程いたしましたところこれがかなりの高評でして・・・

 こう言っては何ですが、そんなことも知らずに今まで研究をなさってたんですか?岡山電気軌道の9700系や土佐電気鉄道の100系が登場してかなりの時間が経過していると思うのですが。

○架線レス集電

 技術的な面でも未成熟かつ国内事例のないシステムを使うことの弊害は考えられているんでしょうか。路下集電だと降雨時の軌道短絡や歩行者の感電事故も考えられますし、それ以前にシステムの実証試験なども必要となるでしょうから、一般的な集電方式に比べて運用開始が極端に遅くなることも大いに考えられます。バッテリートラムにしても、まだ実用化の目処は立っていない訳で、これを採用しようとしたら長期試験を経た後になる訳で、路下集電と同じ問題を抱えています。

○車庫・基地

 工場機能の委託と講師の問題は全く別の次元でしょう。

◇浜松を訪れての私見

 9月6日に浜松を訪れまして、ひととおりさらっと見て回りましたが結論から言えば「軌道系には不向きな都市構造」ですね。郊外に広く薄く展開した居住エリアと大規模工場・研究施設、魅力に乏しい都心市街地、交通を云々という前段階として「浜松の街をどういう形にしたいのか」というところを明確にする必要があるでしょう。あと統計を見れば「郊外だけで完結する流動」も見られましたので、郊外部の人たちのライフスタイルや転勤などで浜松に移り住んだ人たちの行動パターンなどを分析する必要があるんじゃないですか。浜松の人にとっては松菱の倒産は大事件だったと思いますが、転勤族にとっては「東京で身近だった」西武が無くなったことの方が大事件だったのかも知れませんしね。

 軌道系を敷くのであれば、その目的をしっかりと示さないと多くの人の理解は得られないのではないでしょうか。今回の私の投稿は非常に否定的な内容が多く、また現状に基づいた意見ばかりですが、こういった意見を覆そうとするならば、それなりの「理論武装」が必要なはず。「今の生活に軌道系なんて不要」という意見に対して、例えば「効率的な都市基盤整備を行うために密度の高い街を新しく形成する起爆剤として軌道系が必要」と言われればそれなりに納得もできますし、「都心市街地の魅力を高めた上で、郊外からの集客力を高めるために軌道系を導入」と言われれば、想定している街の姿がある程度見えてきます。しかし今のフォーラム案を見たりお話を伺っている時点では、そういったものが見えてこないのが気になります。

 何で軌道系を導入しようとしているのか、その前提条件と軌道系を導入した後の将来像を明確に示さないといけないと思いますよ。

Re:できれば私見を交えずにお答えいただきたかった
 投稿者---中村スマイリー@光宏氏(2003/09/08 21:00:43) http://www.alcclub.net/~lake-hamana/

 中村です。

○標準軌か狭軌か

 こう言っては何ですが、そんなことも知らずに今まで研究をなさってたんですか?岡山電気軌道の9700系や土佐電気鉄道の100系が登場してかなりの時間が経過していると思うのですが。

 これは心外ですね。私は昨年11月当初から狭軌を支持し、狭軌関連の調査を独自に進めておりました。
 その一方で私も先述のように当時から「戦争のような毎日」を送っているため調査が遅れ、フォーラムの方で軌間を比較検討しましたところ、一旦は標準軌にメリットが多いとしましてそういった方向で決定致しました。
 がしかし、3月に私の方から提案したところこれが高評でして先述の運びになったものです。それなら、何故変更が遅れたかと申し上げますと、やはり軌間の問題は根本中の根本に関わる問題ですから当面は様子を見てそれなりに確証のある標準軌でいこうという話になりまして、このようになってしまいました。しかし、私は今後とも狭軌で押し切って行きたいという方向で考えております。 

○架線レス集電

 バッテリートラムにしても、まだ実用化の目処は立っていない訳で、これを採用しようとしたら長期試験を経た後になる訳で、路下集電と同じ問題を抱えています。

 まあ確かにそうなんでありますが、ボルドー方式は現地の様子を見て判断という方向で判断しており、バッテリートラムはJR総研に状況を伺ったところ我々の計画の実現までにはそれなりの時間がかかると考えられ実現の目処が立っている可能性が高いという方向で考えております。

 なぜ架線レスかという問いに対しましては、もう一つ理由があります。
 それは皆様もご存知の浜松祭りです。浜松祭りでは有名な凧揚げの他に夜になりますと浜松市の繁華街を使っての屋台の引き回しが行われます。仮に架線有り方式だと万葉線のように毎年のように架線を外さないといけませんからね。万葉線レベルの輸送量ならともかく、仮に浜松にLRTができた場合の社会的影響を考えるとそうはいきませんからね。

○車庫・基地

 工場機能の委託と講師の問題は全く別の次元でしょう。

 私が言いたかったのは、講師の問題云々ではなくJR東海さんとの協力全体の問題でありまして、工場委託は少なくとも相手あってのもの、協力を得て相手の状況を知る前からあまり大それたことを申しますとむしろ相手に大変失礼に当たるのではないでしょうか?

◇浜松を訪れての私見

 はい、貴重なご意見ありがとうございました。もしよろしければ、こういったご意見を9月20日の集会に参加され積極的に発言していただきたいです。

 KAZ様は私見を交えることは良くないと言われておりましたが、私の先日の投稿はまだフォーラムの方で決定していないことも入っており、誤解を与えないようにとの配慮からあのように書かせていただきました。また私としましては、折角の投稿そのものの意味が薄れています。公式見解と私見はいちいち明確に分けて投稿致しますと、文章のつながりが薄れ、かえってややこしくなって読みにくくなるのではないのではと思っておりあのような投稿に致しました。

 KAZ様は「できれば私見を交えずにお答えいただきたかった」とお書きでしたが、以前に投稿いたしましたところ一部の方から自分の意見を出していただきたいと言う意見を頂戴したため、逆に私見を交えての投稿に方向転換いたしましたところこのような逆の意見をいただき非常に混乱しております。その点のご教示もいただければと思っております。

細かいことですが
 投稿者---KAZ氏(2003/09/08 22:50:00) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。ちょっと細かいことですが・・・。

○狭軌の研究
 中村氏個人の研究を問うているのではなく、フォーラム全体の研究内容を指していたんですが、意図が伝わらなかったようですね。失礼しました。

○架線レス
 現在検討中の事項なら「様々な事項から架線レス方式を採用すべく研究中」とでも表記しないといけないのではないでしょうか。

○JRとの関係
 私は貴兄の書かれた文章からは「講師に呼んでも来ないから非協力的」と受け取りましたので、講師を引き受けるかどうかと業務委託は別個の問題だろうという意味で書いたつもりなのですが。

 私見に対する認識ですが、あなたの立場が「個人」なのか「フォーラムを代弁」しているのかで変わってきます。私はフォーラムの代弁者として貴兄のコメントを求めたので、「フォーラムとしてのコメント」としての部分と、貴兄の私見の部分とは別個に表記していただきたかったなと思っています。例えば「フォーラムでは○○として検討中ですが、私としては△△の方がいいのではないかとも思っています。」と書けば、フォーラムの検討内容と貴兄の私見が明確に認識できますよね。今回の貴兄の書き方ならそれが明確に分けられていないため、どこまでがフォーラムの事項で、どの部分が貴兄の私見なのか見分けにくいのです。無用な混乱を避けるためにも、その辺りへの配慮をお願いします。

≪管理者投稿≫論点の明確化を
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/09/08 22:45:48)

 どうも、おさぼり管理人の551planningです。

 さて、議論が微妙な方向に進まない事を願いつつ、管理者としての立場を前提とした意見を述べます。
 まず、KAZ様も書かれていますが、先日【検証:】常連有志で浜松を再訪し、半日掛けてあちこち見てきました。中村様に是非ナビをとお願いしたのですが、御多忙とのことで実現しなかったのは残念でした(突然の依頼ということもありましたので…御無理を云いまして恐縮でした)。
 無論全部見られたわけではないですし、当地にお住まいの方と数日ふらふらした者とでは全く違うとは存じますが、【検証:】を初めて5年、浜松に限らずあちこちを見てきた者としての意見も先ずは受け止めて頂ければと思います。特に今回は論点を絞っての話であり、特にフォーラムとして8月に提案を纏められている以上はそれに添った形で進めていくのが順当と思われますので、確かに躊躇いはありましょうが、意見集約と(検討の有無を別として)個人私見を示す際には明確化をお願い致します。
 なお、一方でプロジェクトを立ち上げ推進するのはあくまでも地元の方ありきの話、【検証:】として有意義な形で側面支援とでも云いましょうか、時に厳しい意見もすんなり示せる「外野私設応援団」としての方向性が望ましいと考えるところ、総じて否定的な文言を刺激的に並べるのも管理者としては感心しないところは記しておきます。

 改めまして、中村様をはじめフォーラムの皆様、広くLRTや地域交通に関心のある方の意見交換の場として進めてゆきたいと思います。是非とも御理解を賜りたく。

とりあえず私案を出しときます
 投稿者---THE-Q氏(2003/09/10 19:50:20)

 最近、第1次計画案に含めるルートについて議論されることが全然無いですね。
 だから、そのあたりを中心に話を進めます

  1. 三方原線および支線

[ルート]
 ・浜松駅-浜松市役所-中沢町-R257新道?-小豆餅-浜松工高
 ・小豆餅-ホンダエクスプレス-高丘北4
[線路幅]
 ・1067mm
[電化方式]
 ・直流750V(架線レス)
[経営主体]
 ・最初は上下分離方式
 ・第三種は浜名湖市(仮)。
 ・第二種は遠州鉄道。
 ・利益が出るようなら、路線を遠州鉄道に売却。
 ・売却益は第2次以降の計画に使用。
[その他]
 ・工場や車庫の話は後回しでいいかな・・・

  1. 豊橋線

[ルート]
 ・浜松駅-寺島町-JR浜松工場-ジャスコ-入野町-雄踏-村櫛-鷲津-豊橋
[規格]
 ・名鉄本線に合わせる。
[経営主体]
 ・愛知県内は名鉄、静岡県内は上下分離方式。
 ・第三種は浜名湖市(仮)
 ・第二種は名鉄。
 ・利益が出るようなら、路線を名鉄に売却。
 ・売却益は第2次以降の計画に使用。
[その他]
 ・LRTじゃなくってLRTと同じ役目も持ってるHRTです。
 ・もちろん、浜松-名古屋方面直通
 ・工場や検車場なんかは名鉄の物を使用。
 ・車庫は適当に何箇所か。

  1. 第1次計画に含めない路線・計画

 ・上記路線以外の全計画線

2004.11.02 Update


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