【検証:】過去ログSpecial

【検証:近未来交通地図】Special203-5
川崎縦貫高速鉄道の可能性を探る

 本投稿は、川崎縦貫高速鉄道の賛否について、【検証:】掲示板でもお馴染みの、串間様ととも様 、かまにし様 の対論を中心に、読みやすく構成させて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

朝ラッシュ・南武線実乗記と川崎縦貫鉄道の可能性
なぜ川崎縦貫が必要か

川崎市の地下鉄に関するアンケート結果
世紀の愚策となるであろう結末

需要予測についての疑問
市民部会の川縦批判手法を批判する
横浜市との連携ができないか
川崎縦貫高速鉄道線のルートを検証する

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。



【川縦論】需要予測についての疑問
 投稿者---串間氏(2003/06/19 13:36:55)
【川縦論】需要予測についての疑問
└Re:需要予測についての疑問
 └需要予測についての疑問・続
  └運賃水準の前提によって
   └Re:運賃水準の前提によって
    └Re:運賃水準の前提によって
Re:需要予測についての疑問
 └需要予測雑感
  └Re:需要予測雑感
   └ダイヤがわからないと難しいが
    └Re:ダイヤがわからないと難しいが
     └ダイヤの考察と東急2線との接続
      └(自己レス)ダイヤの考察の補足
       └Re:(自己レス)ダイヤの考察の補足
        └ダイヤの考察2
         └Re:ダイヤの考察2
      └需要予測雑感2
       └需要予測雑感3

和寒様
 前回の発言、凄く失礼な言葉づかいになっていることに気がつきました。お許しください。
 本当に勉強になります。今後もいろいろと教えてください。

とも様
 なにやら情けない素人の解析に突っ込んでいただきありがとうございます。きれいにデータまで整理していただき恐縮です。
 一応あれは地元だけで、アンケートからどれだけの利用が見込めるか、という点に絞って考えたので、その他の要因を一切省きました。新規需要や外部からの移動がないと決め付けたわけではありませんので、負け惜しみかもしれませんがご承知ください。今後も教示していただけると幸いです。

 あと、とも様の資料に対するフォローです。川崎市の地下鉄の平均乗車距離は、市想定8.9km(全線開通時)となっています。部分開通時は6.6kmです。

資料:http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pdf/gakusiki-2.pdf

***
 ただ、その需要予測が本当に正しいのかはやはり疑問があります。もちろん、私みたいな素人が突っ込むのも問題があるのは事実ですし、そこに疑問を加えた時の他への影響も考えると・・・となりますし。本当は口を挟むべきではないとは分かっています。
 しかし、敢えてですが、川崎市の地下鉄が本当にそこまで利用が多いのか、ということに焦点を当ててみたいと思います。おそらく多くの方が疑問に思っているところでしょうから。

資料2 http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pdf/simin-1.pdf

●疑問1 他路線に比べて予想があまりに大きいのでは
 なんと予測は横浜市営地下鉄の輸送密度を超えています。
 確かに急行を運転するということはありますが、それだけでこれだけ増えるのかどうか。
 単純比較はあまりにも危険すぎますが、札幌の東豊線が需要予測の3分の1になっている現実を見ると、不安になってしまいます。

●疑問2 急行を運転しないだけで需要が23%減る
 南武線が快速運転をしているという前提条件のもとに試算がされていますが、本当にここまで減るというのは変ではないか、ということです。
 予定ダイヤは急行1本に対し普通2本、おそらく20分ごとと考えられますから、狙い乗車ではない限り、結構急行にあたる可能性は低いと考えられます。
 このような状況で通過旅客の見積もりが多いのではないか、という疑問です。京急利用以外は通過旅客がないと(すごい強引ですが)仮定すると、輸送密度が予定の63.9%になってしまい、かなり不安が広がってしまいます。

●疑問3 1.5km圏内では徒歩や自転車でアクセスするという試算
 全国平均では確かにそうだとしても、丘陵地でのアクセスが1.5km圏内までバス利用がないと平均化するのはあまりにも現状に合っていません。
 市民部会などでも議題に上がっていたようですが、宮前区あたりの駅圏内は本来750mで、それ以上は大体バスを使うはずであると。
 おそらくコミュバスで最寄り駅まで運ぶ形態が出来上がるので、実際に影響はほとんどないでしょうが、こういったところにも制度的にどうなのか、と思うところがあります。

 少なくとも需要予測の90%で償還計画を立てているはずですので、今回の地下鉄はかなり余裕があるのが強みだと思います。が、あえて疑問をぶつけてみました。
 とも様、いかが思われますでしょうか。

Re:需要予測についての疑問
 投稿者---とも氏(2003/06/19 14:46:32) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 川崎市の地下鉄の平均乗車距離は、市想定8.9km(全線開通時)となっています。部分開通時は6.6kmです。

 ありがとうございます。
 となると人キロはさらに高いですね。泉北は無理でも結構強気で行けるのかも知れません。

 ただ、その需要予測が本当に正しいのかはやはり疑問があります。

 いえいえ。疑問は当然。むしろ100%受け入れは危険です。
 ただ、あくまで「予測」ということを念頭に置かなくてはなりません。
 当たりはずれはある。だから幅で示すんです。ある一定条件下における推計の結果ですから。
 条件がずれれば当然ずれます。その認識があれば別に口を挟むべきではないなどと言うことではないでしょう。まぁ私が言うと言い訳と言われてしまいそうですが。
 需要予測が「外れる」という前提ですべての物事は決められません。技術的・学術的裏付けのある方法で行った予測結果で検討をするしかないのですから、これは仕方がありません。
 数字無くしては施設設計などの根拠が無い場当たりにならざるを得ません。逆に厳しくやりすぎるとスペックが追いつかないという情けない事態もあり得ます。この辺の線引きは非常に難しいです。

●疑問1 他路線に比べて予想があまりに大きいのでは
 なんと予測は横浜市営地下鉄の輸送密度を超えています。
 確かに急行を運転するということはありますが、それだけでこれだけ増えるのかどうか。

 あながち無い話とは言えません。
 ODの分布がどうなのかにもよりますが、対横浜のみしか使いにくい横浜市営と比較しても川崎縦貫は通過流動の転移が相当見込めますから。
 多摩NT〜横浜、町田〜羽田方面への流動などチリも積もればなんとやらで結構なボリュームになりましょう。特に南武線がどうしても使いにくい多摩市、橋本方面から川崎都心などの流動では乗り換え抵抗が小さい分、使いやすいかと思いますが(少なくとも多摩センター〜川崎・横浜なら圧倒的に優位)。

●疑問2 急行を運転しないだけで需要が23%減る
 南武線が快速運転をしているという前提条件のもとに試算がされていますが、本当にここまで減るというのは変ではないか、ということです。
 このような状況で通過旅客の見積もりが多いのではないか、という疑問です。京急利用以外は通過旅客がないと(すごい強引ですが)仮定すると、輸送密度が予定の63.9%になってしまい、かなり不安が広がってしまいます。

 急行が無くなれば所要時間は長くなります。そうなると南武線や横浜線、市営地下鉄、大井町線などとの時間距離の関係で微妙に転移することが考えられます。
 需要予測においては時間は基本点ですから必然的に乗り換え抵抗や本数の問題(待ち時間)、料金などを踏まえての判断において速い方に流れます。
 よって、変ということはありません。通過旅客にしても必ずしも京急と言うことだけではなく、東横・田園都市線など各線との間でも存在しますから。

●疑問3 1.5km圏内では徒歩や自転車でアクセスするという試算
 全国平均では確かにそうだとしても、丘陵地でのアクセスが1.5km圏内までバス利用がないと平均化するのはあまりにも現状に合っていません。
 市民部会などでも議題に上がっていたようですが、宮前区あたりの駅圏内は本来750mで、それ以上は大体バスを使うはずであると。

 微妙です。一般的に徒歩圏は1km〜1.5kmと言われています。不動産広告で言うところの徒歩12分〜20分程度と思っていただけるとイメージがつきやすいでしょう。
 しかし、現実的には天候や荷物、客層などで変わります。もちろん地形もです。
 そう考えるとやや厳しいかなという気がします。かといってバス網が構築されると逆に駅勢圏は広がります。この典型は神戸市でしょう。
 750mというのもよく分からない数字ですが、川崎であれば1kmまでが徒歩圏の限界ではないでしょうか。
 この辺はバスでの拡大を取り込めて・・・というところですので結果的にトントンになるかどうか・・・・というところでしょう。微妙は微妙です。

 少なくとも需要予測の90%で償還計画を立てているはずですので、今回の地下鉄はかなり余裕があるのが強みだと思います。が、あえて疑問をぶつけてみました。

 割と安全パイで計算してますね。無難でしょう。
 ただ、やや過剰かな?というところとやや厳しすぎないか?という点が入り交じっているというのが私の感想です。
 でも、こうやってみてみると案外乗るのかなぁ・・・将来予測の詳細を見てみたい気がします。
 ではこれで絶対に当たるんだなとなるとまた違うでしょう。経済情勢の変化や人口動態の変化があります。ましてや10年以上先の話です。
 誤差は含まれるという認識は必須でしょう。難しいところですが、今のところは無理はあまり感じませんが。

 実際、開業するまで正確な人数は解りません。また、そもそも日変動もありますから何が正解かもまた難しい。ただ、今ある最新の技術的手法を用いて行った計算はこうだという目安程度と考えれば良いのではないでしょうか。

 なんか曖昧な逃げの姿勢ですが。ではでは

需要予測についての疑問・続
 投稿者---串間氏(2003/06/20 02:49:11)

 とも様、コメントありがとうございます。需要予測について市民部会が口を出していることについて、学識者部会が相当不快感を持っていたことが会議録に書かれていまして・・・(笑)、ちょっと発言しにくかったのです。
 実はもっと重大な疑問点が残っていました。わざとじゃありません(笑)。

●疑問4 運賃への不安
 川崎縦貫は横浜市営と同じ料金でやるということがほぼ決まっています。
 しかし、試算の時の運賃が結構安いということです。平成7年度はまだ初乗りが180円の頃で、その頃に試算された運賃で需要予測が行われていることに危険性を感じます。
 そして開通時の予測初乗り運賃が220円。この間、JR、大手私鉄、全てが運賃値上げをするという前提のもとに試算されています。
 一応表にしてみます。

(単位:円)

営業キロ 需要予測試算時
(平成7年)
現在
(平成15年)
開通予定時
(平成23年)
1〜3km 180 200 220
4〜7km 210 230 260
8〜11km 240 260 300
12〜15km 270 290 340
16〜19km 300 320 380
20〜23km 330 350 420

 もちろん横浜市営が運賃値上げをしない可能性は高いですが、運賃収入の見積もりがこの水準でやっている以上(初乗り以外は推測が含まれていることをご承知ください)、どちらにしろ影響が出ます。
 普通に考えれば、JRも私鉄も値上げはちょっと考えにくいです。
 ここあたりがどうでるのか。通過旅客には南武線や横浜線といった競合相手がいる以上、運賃は結構大きく出るでしょうし。
 最終的な需要は実際に作ってみなければ分からないとはいえ、他路線の値上げが前提となっている需要予測に対して、不安を打ち消せないところです。

運賃水準の前提によって
 投稿者---とも氏(2003/06/20 02:49:11) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 あと10年近くの間、まったく値上げが無いというのも考えにくいですが、さほど心配せずともよいかと。
 単純な話で、他が値上げしなければ川崎縦貫もその値上げしていない運賃水準で営業するだけのこと。その際には運賃差は無いですから前提は同じです。

 公共事業において事業コストの算定に際しては、一般的には物価上昇を見込んでいます。
 よって、運賃も物価上昇に合わせて上がっていくというのが当然の考え方です。タイムラグはあるにせよ、何年かで上がる。
 確かに、今はデフレですから運賃値上げは考えにくい。でも景気には波がある以上、このまま底ということもさすがに考えにくい。
 となれば物価が上昇側に振れることも考えられ、その際には運賃水準もあがっていきます。その予測はある一定条件下での話ですから。

 前提が7年当時で比較してあっても、開通時に同率で推移していれば同じコトです。仮に140円で予測し、開業時120円であっても、予測の140円と実際の120円にそのときの価値の差が無ければ同じコトです。たとえば、予測では物価上昇を見込み、コーラ1本が140円のつもりで予測しても、実際120円であればそのときにいる人から見れば運賃はコーラ1本分。つまり価値は同じですね。そういうことです(うーんわかりやすく書くとウソっぽくなるな(笑))。
 その場合、事業コストも当然変わりますね。
 より具体的に書くと、初乗りを220円で予測してますが、営業開始時に現行の横浜市営と同じ200円なら20円マイナスになるわけです。でも、その際、JRも私鉄も値上げしていなければ、あくまで相対比較ですから差はありません。つまり絶対的な運賃の上下よりも他の機関との関係になります。

 ただ、懸念は時間評価値です。我々が交通行動を起こす場合には無意識に単価を考えてというのが基本です。たとえば1時間速くするために新幹線に数千円払うとか。30分余計でも千円浮かすとか。
 その時間に対する対価の概念というか価値を「時間評価値」といいますが、この評価値が運賃上昇とマッチングしていない(多少の誤差はあるが、たとえば運賃がダンピングになる)ような場合にはズレがでます。
 それが大きすぎると、乗り換え抵抗の考え方にズレがでますので、予測が当たりにくくなります。価格弾力性は当然ありますので、10円20円でがらっとというのは案外無いとは思いますが、さすがに50円〜100円だと流れも変わるはず。そこが懸念です。
 ただ、長い目で見ていくと誤差は相殺されますから、その懸念はあまり持たない方がいいのかも知れません。

 少々楽観的ですが。
 ではでは

Re:運賃水準の前提によって
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/06/20 11:35:01) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 鉄道に限らず「事業」として考えたとき、収入サイドの価格を上げるという理由はなんでしょうか。利用する側、つまり、お金を払う側からしたら安いに越したことはありません。でも上げざるを得ないと言うことは、すなわち支出側のコストが上昇した場合です。

 川崎縦貫の需要予測の試算では、工事変更などに伴うコストアップは織り込んでおらず、純粋に物価変動(いわゆる「エスカレ」)の織り込みですね。
 この場合、運賃を変えないといけないような事態=物価変動に伴う支出増加ですから、これが「建設」などの部門だけに偏倚して現れない限り、競合他社の支出項目にも等しく出現する事象です。
 あとは企業努力の余裕しろの大小により、コストアップを内部で吸収出来るかどうかという部分ですが、川崎縦貫がことのほか体力が無いといった特殊事情が無い限り、基本的には他社とパラレルで推移するという見方で良いのでは。

***
 価格差と利便性の相関ですが、例えば「時間短縮」「目的地への直通」「乗り換え障壁の減少・消滅」といった効果に対して利用者が容認するコストアップというのはけっこう大きいです。
 例えば東葉高速。北習志野で交差する新京成と比べて、上記の効果が総て揃った上に大きかったわけです。対都心では新京成〜総武快速に比べて時間では10分以上、直通と乗り換え無しという効果が大きく、100円高い東葉高速に完全にシフトしました(新京成新津田沼の利用が1/3減少、JR津田沼も20%減少)。

 川崎縦貫がこういう構図を作り出せる場合、広域的な流動を一変させるポテンシャルはあると思います。

Re:運賃水準の前提によって
 投稿者---串間氏(2003/06/20 22:55:24)

 たとえば、予測では物価上昇を見込み、コーラ1本が140円のつもりで予測しても、実際120円であればそのときにいる人から見れば運賃はコーラ1本分。つまり価値は同じですね。そういうことです(うーんわかりやすく書くとウソっぽくなるな(笑))。

 いえいえ、全然説明に問題ないと思います。大変分かりやすいです。ちょっと私のほうが敏感になりすぎていたのかもしれません。消費税導入前は缶ジュース100円が当然でしたし。
 よく考えたら、横浜市営の値上げは消費税率アップの時に行われていたんでした。一律20円というのは便乗という気はしますが、他社も多かれ少なかれ上げていますしね。
 物価上昇はもはやちょっと考えにくいような気はしますが、消費税が上がればほぼ確実に値上げが発生しそうです。今の状況を見るとあながちない話ではないとも思えますし、そうすれば予想運賃も現実味が出てくる気がします。よって、他社との比較においてはそれほど心配をする必要はないかもしれません、って、とも様のおっしゃったとおりですね。説明ありがとうございました。

 価格差と利便性の相関ですが、例えば「時間短縮」「目的地への直通」「乗り換え障壁の減少・消滅」といった効果に対して利用者が容認するコストアップというのはけっこう大きいです。

 小田急多摩線の相直(完成後に京急大師線との相直も)があるだけに、結構大きく期待できるところかと思います。ただ、「田園都市線」「東横線」「JR東海道・京浜東北線」は南武線・大井町線に比べて乗換で不利であり、そこが厳しい点でしょうか。もっとも、小田急や京急(予定では京急よりに駅が作られる)、横須賀線(計画時では既存駅から離れていたのが気にかかりますが)で優位に立っている以上、相応の効果が期待できる気がしてきます。
 羽田空港直通の話も、学識者部会・市民部会で当然のように出ていましたし、そうなるとひっくり返るぐらいの衝撃もありえそうです。これはやはり急行運転が大きく作用してくるものを感じさせます。

***
 実は今まで投げかけた疑問は、全て市民部会で取り上げられたものでして、私も疑問を持っていた部分でした。特に通過旅客に関しては「大丈夫か?」と思われる部分も多く、20分おきの急行に過度な期待をかけすぎている面が見受けられました。急行停車駅同士では急行利用を下に需要予測が立てられていて、そこはかなり気になっていました。
 やはり個人的にはやはり不安が大きいところでして、東急2線とJR東海道筋からはほとんど期待できないという悲観的な認識です。
 ただ、長距離では意外に強いのかな、と思わされる所がありました。長距離になるとJRも結構料金が高くなって、南武線と比べても川崎縦貫は意外と割高感が減少します。何よりノロノロ走られることによる不快感(南武線)は想像以上のモノがありますし。
 思ったよりも川崎縦貫は強いのかもしれませんね。過度の期待は危険ですが。
 では失礼致します。

Re:需要予測についての疑問
 投稿者---和寒氏(2003/06/24 05:53:56) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 遅レス御容赦。

 前回の発言、凄く失礼な言葉づかいになっていることに気がつきました。お許しください。

 多少文意が乱れているなとは思いましたが、私に対する事柄だったとは思っていません。これからもしっかり議論しましょう。まぁ、このスレでは私もちょっと狡く書いてまして、川縦そのものに対する賛否は明らかにしていないのでした。これからもしばらくはその状態が続くでしょう。

■意識調査からの需要予測

 一応あれは地元だけで、アンケートからどれだけの利用が見込めるか、という点に絞って考えたので、その他の要因を一切省きました。新規需要や外部からの移動がないと決め付けたわけではありませんので、負け惜しみかもしれませんがご承知ください。今後も教示していただけると幸いです。

 既にとも様から指摘があるところですが、アンケート調査から読めるのは川崎市内の内々流動だけですから、これだけでは不足でしょう。そもそも条件固定されたアンケートなので、水準変動に対応できないという問題もあります。
 ただし、粗々の数字を出すにはよいかもしれず、私の感覚では「酷い数字」どころか「えらく高い数字」にも見えます。

■需要予測批判の道筋

 ただ、その需要予測が本当に正しいのかはやはり疑問があります。もちろん、私みたいな素人が突っ込むのも問題があるのは事実ですし、そこに疑問を加えた時の他への影響も考えると・・・となりますし。本当は口を挟むべきではないとは分かっています。

 串間様御呈示のURLを斜め読みしてみました。その感想は、動機はよくわかるけどこれでは批判にならない、という苦笑に近いものです。
 なぜかというと、アウトプットに対する批判しかしていないからです。本来は途中のプロセス(需要予測モデルの構造など)を検証しなければいけない。

 しかし、敢えてですが、川崎市の地下鉄が本当にそこまで利用が多いのか、ということに焦点を当ててみたいと思います。おそらく多くの方が疑問に思っているところでしょうから。

 需要予測結果を見ますと、断面交通量(輸送密度)は5〜7万人/km日程度と読みとれます。これはかなり妥当な数字だと、直感的には思います※。

※1:
※2:
ただし需要予測の詳細まで知りうる立場にないので定量的な検証は難しいです。
市民部会の人/kmでの比較には意味がない。人キロ/km、即ち輸送密度で比較しないと、公平な比較にはなりません。

 なぜ妥当だと思うか。私は現地の状況を知らずに書いているので、皆様からの投稿からのみの判断になりますが、多摩NTから川崎都心への流動がかなりあるだろうから、という読みです。それはこのスレの発端となった現地レポート、京王多摩線から南武線への流動、稲田堤での乗換混雑から推して、その流動が小田急多摩線←→川崎縦貫に変化するだろうと思うからです。

 あとごく一般論として、川崎縦貫と南武線がそれなり離れているということもあります。例えば西武新宿線と池袋線が所沢−狭山市・稲荷山公園間でごく競合的に並行しているにもかかわらず双方とも経営が成立していることを考えれば(類似事例は他にも多数あります)、百万都市川崎でも並行路線は成立しうるように思われます。

■個別の疑問に対して

●疑問2 急行を運転しないだけで需要が23%減る
 南武線が快速運転をしているという前提条件のもとに試算がされていますが、本当にここまで減るというのは変ではないか、ということです。
 予定ダイヤは急行1本に対し普通2本、おそらく20分ごとと考えられますから、狙い乗車ではない限り、結構急行にあたる可能性は低いと考えられます。
 このような状況で通過旅客の見積もりが多いのではないか、という疑問です。京急利用以外は通過旅客がないと(すごい強引ですが)仮定すると、輸送密度が予定の63.9%になってしまい、かなり不安が広がってしまいます。

 本来最も突っ込める部分のはずなんですが。
 需要予測モデルというのは、特に首都圏の通勤行動を表現するにおいて、(総)所要時間が極めて高く評価される傾向にあります。モデル構造は様々ありますが、所要時間1分が通勤定期2〜5千円(/月)に相当するというのが一般的なようです。つまり、いくら複雑なモデル式を用意しても、利用者の行動はほとんど(総)所要時間だけで説明できてしまい、他の要因は顧みられていないに等しい、ということになるのです。これはえらい寿司詰め混雑でも、速達型列車に利用者が集中している各路線の現状を見ている方には体感的に納得頂けるかと思います。
 急行運転という設定は、上記の特性を承知したうえでの恣意的操作なのか、それとも通過流動が多いことを見越し実需に基づく判断なのか。この点が需要予測批判の要となるべきところなんです。
 川縦には通過流動が多い(と想定される)との状況からすれば、急行対普通比が1:1ならば妥当な予測、1:2未満では恣意的操作、というのが私の感覚です。待避駅が1駅のみという設定は、ちょっと怪しいかな、とも思えますが、具体的なダイヤ設定に関する記述がどこにも見当たらないので、言及は難しいです。

需要予測雑感
 投稿者---串間氏(2003/06/24 10:34:20)

 和寒様、解説ありがとうございます。

 串間様御呈示のURLを斜め読みしてみました。その感想は、動機はよくわかるけどこれでは批判にならない、という苦笑に近いものです。
 なぜかというと、アウトプットに対する批判しかしていないからです。本来は途中のプロセス(需要予測モデルの構造など)を検証しなければいけない。

 いろいろと協議の過程ででてきたもののようでして、最終結果だけだと確かにかなり変に見えるかもしれません。多少はプロセスにも突っ込んでいるようにも感じます。
 これらを作り上げる過程の会議録は下記URL(ディレクトリ型に展開されています)にまとめられています。時間がありましたらご参照の程を。またも量が多いのですが・・・。

http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/news-2.html

 川縦には通過流動が多い(と想定される)との状況からすれば、急行対普通比が1:1ならば妥当な予測、1:2未満では恣意的操作、というのが私の感覚です。待避駅が1駅のみという設定は、ちょっと怪しいかな、とも思えますが、具体的なダイヤ設定に関する記述がどこにも見当たらないので、言及は難しいです。

 具体的なダイヤ設定に関する記述ですが、これが元になっています。事務局側の発言です。

http://www.city.kawasaki.jp/16/16gyozyo/home/kaigi/11-140326.htm

 各駅2本に対して急行1本。この発言からの推測です。朝の運転に関しては残念ながら分かりません。急行待避駅が1駅しかないと、朝は相当な影響が出てしまいそうですが・・・。
 仮に和寒様のおっしゃった「1:2」が恣意的とだとすると、通勤需要で大きな影響がでることになるのですが・・・。

 所要時間の予定に関しては、

初期整備区間開通時(新百合ヶ丘〜元住吉)

(昼間) 急行:15分 普通:23分
(朝間) 急行:18分 普通:26分

全線開通時(新百合ヶ丘〜川崎)  (注、普通は急行待避ありの場合)

(昼間) 急行:23分 普通:32分
(朝間) 急行:26分 普通:36分

 ここあたりを踏まえるとどうなるのでしょうか。教示いただけると幸いに思います。私にはあまりにも荷が重いところですので。

ダイヤがわからないと難しいが
 投稿者---和寒氏(2003/06/24 13:04:00) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 串間様、厳しいご質問ありがとうございます。

 ここあたりを踏まえるとどうなるのでしょうか。教示いただけると幸いに思います。私にはあまりにも荷が重いところですので。

 急行対普通=1:2で毎時8本程度運行、となると、普通10分毎急行20分毎の計毎時9本(宮前平で緩急接続/元住吉以南では並行ダイヤ)の規格ダイヤしか組めないでしょう。過剰な輸送力にならず、かつそれなりに短い運行間隔という点では、妥当な線ギリギリ一杯というところでしょうか。
 これが普通10分毎急行30分毎の計毎時8本では、恣意的設定の誹りを免れえないかと。まあ、これでは急行対普通=1:3となるので、おそらくこの設定ではないでしょうが。
 ただし、モデル構造やその説明変数が不明なのでなんとも断じがたいですが、説明変数の中に総所要時間がとりいれられている場合には、急行運転なしの毎時8本等間隔運行(7.5分毎)の方が優位に評価される可能性があります。
 また、普通毎時8本等間隔運行ベースで、急行が毎時4本等間隔運行として上乗せされている可能性もあります。これがダイヤの理想型ですが、当然運行コストの増加要因ですので、ここまで踏みこむのは行きすぎかもしれません。

 玉虫色ですが、入手可能な情報からではここまでしかいえません。あしからず御承知ください。

Re:ダイヤがわからないと難しいが
 投稿者---串間氏(2003/06/25 22:04:07)

 こちらこそ少ない情報で申し訳ないです。
 見直し前のデータに関して見ると、資料のp10に書いてあります。ただ、どうもこの数字が読み取りにくくてしょうがありません。パターンダイヤというものを考えず、ただただ必要な本数だけ確保しているように感じます。少なくとも、ダイヤについて考えているとは思えません。
 そんな条件で質問をぶつけてしまったことに対して申し訳ないと思っていますが、急行1本各駅2本の前提でどんなものかを聞いてみたかったのです。解説ありがとうございます。

資料 http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pdf/gakusiki-1.pdf

***
 余談になりますが、川崎縦貫の計画では、安全側である下限値(−10%)をもって計画値とされています。これに加えて、横浜市営地下鉄3号線の延伸にともなう需要減、小田急多摩線との相直により需要増、人口増加に伴う利用者増と高齢化に伴う利用者減などを反映させています。4段階推定法による予測(運輸政策審議会答申第18号やほとんどの路線の鉄道事業許可時において利用されている)から、これらの要因を反映させた結果、299千人/日から263千人/日に減らして、償還計画を立てています。

***
 一日運行本数が全線開業時で186往復(部分開通時163往復)となっており、ピーク時の運行本数が18本/時(部分開通時17本/時)。日中に9本/時とすると、一日18時間程度運行が行われることと照らし合わせてちょうどいい感じがします。12本/時は個人的にもありえないという感じですが、確かに裏付けられているかと(こちらは全て見直し後のデータからです)。
 各駅毎時8本の場合の所要時間が少々気にかかるところです。待避なしでどれぐらいの時間になるのか・・・。ただ、南武線が快速運転をするリスクを見積もれば、その用意をするのも当然かと思います。
 また、南側のルートは確定しておらず、新川崎駅を地上に設定し、待避スペースを作る案も当然出たはずです。あまりにも憶測が過ぎるところですが、会議録を見ているとそれぐらいの意見は十分出てきた可能性があります。

 ただ、本数と同時に気にかかってくるのが、交差する田園都市線と東横線の急行非停車駅という気がします。「各駅→急行」という乗換への抵抗は明らかにマイナスです。スピードの面でもそうです。
 おそらくこれが市民の理解を得にくかった理由の一つでしょう。もちろん、川崎市が鉄道事業認可を取得していた以上、このルートを覆す事は事業を中止しない限り無理なことです。しかし、本当に宮前平と元住吉でよかったのか。
 個人的なルートの意見に関しては別スレで発言しますが、この乗り換え抵抗を小さく見積もっている可能性を否定できないのが残念に思います。

ダイヤの考察と東急2線との接続
 投稿者---かまにし氏(2003/06/26 14:21:58)

 ご無沙汰しております、かまにしです。

 一日運行本数が全線開業時で186往復(部分開通時163往復)となっており、ピーク時の運行本数が18本/時(部分開通時17本/時)。日中に9本/時とすると、一日18時間程度運行が行われることと照らし合わせてちょうどいい感じがします。12本/時は個人的にもありえないという感じですが、確かに裏付けられているかと(こちらは全て見直し後のデータからです)。

 このほかに、所要時間のデータが公表されています。

(部分開業時 :新百合ヶ丘〜元住吉)
○日中時  急行15分・普通23分
○ピーク時 急行18分・普通26分

(全線開業時 :新百合ヶ丘〜川崎)
○日中時  急行23分・普通32分
○ピーク時 急行26分・普通36分

 このことから考えて、全線開業時のダイヤはおそらく

○日中1時間あたり  急行×3・各停×6
 (各停の半数は、宮前平で緩急接続)
○ピーク1時間あたり 急行×9・各停×9

といった感じになりますね。日中の緩急比が2:1、ピーク時の緩急比が1:1ということになります。ただ日中でも、各停の半数は終点まで先着するので、間隔の偏りはあるにせよ、全ての移動パターンにおいて20分に2回以上の乗車チャンスが確保されていることになりますね。

 あと気になったのは、部分開業時と全線開業時において、各停と急行の所要時間差はほとんど変わりません。このことから、元住吉〜新川崎〜川崎においてはほとんど急行と各停の所要時間差はないことになります。

 この急行と各停の所要時間差について簡単に分析してみました。2期線の元住吉〜川崎においては未だに駅をいくつ作るかが公表されておりませんが、仮に元住吉と新川崎の間に1つ、新川崎と川崎の間に1つとすると、

(新百合ヶ丘)〜4駅〜(宮前平)〜3駅〜(元住吉)〜1駅〜(新川崎)〜1駅〜(川崎)

ということになり、地下区間なので1駅通過で1分と見積もると、ちょうど急行と各停の所要時間差は9分、これは川崎市のHPで公表されている所要時間差と同じになります。

 ちなみに、川崎から待避線のある宮前平までの急行と各停の所要時間差は5分。上記の運行サイクルの分析が正しければ、ピーク時においても各停の運転間隔は6分40秒ですから、待避線は実は1箇所あれば足りそうです(ただし、将来的に羽田空港への乗り入れを考えるのであれば、新川崎あたりにもう1箇所あると良いのかな?)。

 ただ、本数と同時に気にかかってくるのが、交差する田園都市線と東横線の急行非停車駅という気がします。「各駅→急行」という乗換への抵抗は明らかにマイナスです。スピードの面でもそうです。
 おそらくこれが市民の理解を得にくかった理由の一つでしょう。もちろん、川崎市が鉄道事業認可を取得していた以上、このルートを覆す事は事業を中止しない限り無理なことです。しかし、本当に宮前平と元住吉でよかったのか。
 個人的なルートの意見に関しては別スレで発言しますが、この乗り換え抵抗を小さく見積もっている可能性を否定できないのが残念に思います。

 確かに川縦の利用者の立場からすれば、田園都市線の急行が停まるにこしたことはないと思います。ただ、将来的に川崎や羽田空港に乗り入れて、例えば長津田〜羽田空港という利用が増えた時には、急行停車は必要だと思いますが、少なくとも第1期(元住吉まで)の段階では近距離移動がメインだと思われるので必要ない気もします。もちろん、今からでも鷺沼に変更できるのならそれが一番ベストだと思うのですが…。

 日吉については、私は東横線の急行停車駅に乗り入れるというよりも、横浜4号線との接続(例えばセンター北⇒川崎という需要を拾える)という意味で、必要なのではないかと思います。

 ではでは。

(自己レス)ダイヤの考察の補足
 投稿者---かまにし氏(2003/06/26 16:03:19)

 再び、かまにしです。
 申し訳ありません。自己レスになってしまいますが、ピーク時のダイヤについて今一度、再検討したいと考えております。

 日中の緩急比が2:1、ピーク時の緩急比が1:1ということになります。ただ日中でも、各停の半数は終点まで先着するので、間隔の偏りはあるにせよ、全ての移動パターンにおいて20分に2回以上の乗車チャンスが確保されていることになりますね。

 先ほど、ピーク時は緩急比率が1:1ではないかと書いてしまいましたが、検討の各部会では終日1:2ということになっていますね。ということは、

○ピーク1時間あたり 急行×6・各停×12

ということになり、すなわち急行10分毎・各停5分毎ということになり、新百合ヶ丘方面に向かう急行は、宮前平の手前で徐行することになりますね。このピーク時の徐行による所要時間増は、川崎市の予測等にも織り込まれているようですが…。

 個人的には、ピーク時には急行・各停ともに6分40秒毎の緩急比率1:1でも良いのではないかと思いますが、このあたりについては「急行停車駅間の相互利用の比率」などによって結論を出さなければならないですね。

 というわけで補足でした。ではでは。

Re:(自己レス)ダイヤの考察の補足
 投稿者---串間氏(2003/06/26 23:30:57)

 かまにし様、少し突っ込ませていただきます。明らかに勘違いしている部分があるように感じますので。

 あと気になったのは、部分開業時と全線開業時において、各停と急行の所要時間差はほとんど変わりません。このことから、元住吉〜新川崎〜川崎においてはほとんど急行と各停の所要時間差はないことになります。
 地下区間なので1駅通過で1分と見積もると、ちょうど急行と各停の所要時間差は9分、これは川崎市のHPで公表されている所要時間差と同じになります。

 かまにし様ご指摘のページはここでしょうか。ここに書いてあるところによると普通は「待避あり」となっています。

http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/jigyokei.html

 待避駅の宮前平で長く待つことで所要時間が増えるのが各駅の特徴です。そこを踏まえないといけません。残念ながら「待避なし」の各駅の所要時間の記述はありません。
 私が分析するならば1駅25秒程度。全14駅で5分50秒、待避時間が3分。いかがでしょうか。

 ただ、この点についても少し難しいところです。実は他のところでも記述があります。以下のURLのp28に書いてあります。

http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pdf/simin-1.pdf

 所要時間から見て、おそらくラッシュ時の記述でしょう。しかし、このデータは野川駅が待避駅であったときのデータのようで、最終的な信頼は置けません。それどころか、どうも遅すぎるように感じます。

 ダイヤに関しては私には難しくて無理なところですが、ダイヤ考察ができるのでしたらお願いしたいと思います。そもそも、元のデータがあまりにもいいかげんな数値で、解析をするのすら無理に感じてしまうのですが・・・。

ダイヤの考察2
 投稿者---かまにし氏(2003/06/29 13:05:35)

 かまにしです。

 かまにし様ご指摘のページはここでしょうか。ここに書いてあるところによると普通は「待避あり」となっています。

http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/jigyokei.html

そうです。私は、このページにおいて

<初期整備(新百合ヶ丘〜元住吉)>

(昼間) 急行:15分 普通:23分
(朝間) 急行:18分 普通:26分※

<全線整備(新百合ヶ丘〜川崎)>

(昼間) 急行:23分 普通:32分
(朝間) 急行:26分 普通:36分※

※…急行の待避を行なう列車の場合

と書かれているのに注目しました。すなわち、朝間の普通の所要時間には※マークがついているものの、昼間の普通の所要時間には※マークがついていません。
 市民部会での事務局の説明のように緩急比率=2:1であれば、そもそも急行が普通を追い抜ける場所が宮前平しかない以上、2本に1本の割合で急行に抜かれない普通が存在することになります。私は、昼間の普通の所要時間は、この「急行に抜かれない普通」の所要時間を書いているものと解釈しました。

 これが仮に緩急比率=1:1となると、普通の全列車が宮前平で急行に追い抜かれることになります。ということは、朝間の普通の所要時間にだけ※マークがついているのは、緩急比率=1:1になり、この時間においては「急行に抜かれない普通」が存在しなくなるためではないか、と私は考えたんです。

 あと急行の場合はラッシュ時においては、先行の列車に追いついてノロノロ運転になるということはよくありますが、普通の場合はよほど運転間隔が短くない限り(3分間隔未満)でない限り、所要時間に影響が出ることはありません。ということは、昼間と朝間の普通の所要時間差も、主に待避時間の差から来ているのではないかというのが私見です。

 いかがでしょうか?南武線の時みたいに、具体的にダイヤを時刻表形式でお見せできるといいんですが…。しかし、ダイヤに関しては私なんか比べものにならないぐらいほど上手の方がこの板にもいますよね。

 ではでは。

Re:ダイヤの考察2
 投稿者---串間氏(2003/06/30 02:56:29)

 串間です。どうやら、私のほうが勘違いしていたようで・・・。

 すなわち、朝間の普通の所要時間には※マークがついているものの、昼間の普通の所要時間には※マークがついていません。

 ということですね・・・。

 あと急行の場合はラッシュ時においては、先行の列車に追いついてノロノロ運転になるということはよくありますが、普通の場合はよほど運転間隔が短くない限り(3分間隔未満)でない限り、所要時間に影響が出ることはありません。

 ノロノロと走る電車が自分の中で常識になってしまっていたようです。川崎縦貫は駅間距離が確かに長いですね。短い区間は、長沢−医大前−蔵敷だけですし。

 ということは、昼間と朝間の普通の所要時間差も、主に待避時間の差から来ているのではないかというのが私見です。

 急行が3分のびているから、普通も3分のびると、真に受けすぎたようです。

 どちらにしろ、私のほうが完全な勘違いです。とりあえず前の発言は無かったということで(笑)。解説ありがとうございました。
 では失礼致します。

需要予測雑感2
 投稿者---和寒氏(2003/06/26 15:13:01) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 串間様、かまにし様。

串間様
 ただ、本数と同時に気にかかってくるのが、交差する田園都市線と東横線の急行非停車駅という気がします。「各駅→急行」という乗換への抵抗は明らかにマイナスです。スピードの面でもそうです。
 おそらくこれが市民の理解を得にくかった理由の一つでしょう。もちろん、川崎市が鉄道事業認可を取得していた以上、このルートを覆す事は事業を中止しない限り無理なことです。しかし、本当に宮前平と元住吉でよかったのか。
 個人的なルートの意見に関しては別スレで発言しますが、この乗り換え抵抗を小さく見積もっている可能性を否定できないのが残念に思います。

かまにし様
 確かに川縦の利用者の立場からすれば、田園都市線の急行が停まるにこしたことはないと思います。ただ、将来的に川崎や羽田空港に乗り入れて、例えば長津田〜羽田空港という利用が増えた時には、急行停車は必要だと思いますが、少なくとも第1期(元住吉まで)の段階では近距離移動がメインだと思われるので必要ない気もします。もちろん、今からでも鷺沼に変更できるのならそれが一番ベストだと思うのですが…。
 日吉については、私は東横線の急行停車駅に乗り入れるというよりも、横浜4号線との接続(例えばセンター北⇒川崎という需要を拾える)という意味で、必要なのではないかと思います。

 御教示ありがとうございます。おかげさまである事実に気づきました。それは雑感3からさらに展論したいと思います。
 宮前平はともかくとして、元住吉は決して侮れない接続駅でしょう。なぜならば、目黒線経由東京都心への接続点となるからです。これは串間様御呈示の市民部会資料を読んで確信を持ちつつあることです。
 先にはなぜ元住吉でなく日吉に接続しなかったのか、と記しておいてなんですが、需要予測結果を見ると、元住吉でもOKだと思います。

需要予測雑感3
 投稿者---和寒氏(2003/06/26 15:33:40) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 串間様、いろいろ御教示ありがとうございます。おかげで勉強になります。

 4段階推定法による予測(運輸政策審議会答申第18号やほとんどの路線の鉄道事業許可時において利用されている)から、これらの要因を反映させた結果、299千人/日から263千人/日に減らして、償還計画を立てています。

 四段階推計法は、需要予測手法の中では最も一般的なものです。需要予測対象地域を分割して、発生集中・分布・機関分担・経路配分の各段階で推計していく手法です。
 ここで、需要予測モデルの精度を確認するにあたっては、現状を再現するのが普通です。その際どこに着目するかといえば、各交通機関各断面の交通量になります。個別ODペアに着目することは、よほど需要が太いODペアを除き、通常しません。なぜかといえば、個別ODペアの流動に関するデータは、各交通機関各断面の交通量データと比べ、必ずしも正確ではないからです(※)。

※個別ODペアの流動データにはセンサスが存在するが、全数調査ではあっても特定日調査であるため、日変動季節変動にかかる補正が行われている。そのため、ちょっとしたイレギュラーな流動が過大評価されるおそれがあるし、その逆もまた当然ありえる。

 要するに、需要予測モデルは、各交通機関各断面の予測値が合うように工夫するのが一般的、というわけです。だから、個別ODペアの流動を正確に再現しているかといえば、必ずしもそうではない。
 かような性質を持つ需要予測結果をして、個別ODペアの再現状況がおかしいからという理由で出力結果をいじるというのは、まさに重箱の隅をつつく行為であり、また数字の恣意的操作にほかなりません。

 串間様御呈示の市民部会資料を読むにつけ、川縦批判の方法には批判される余地が大きいと感じつつあります。詳しくはまた後ほど展開するとして、「元住吉」は格好のキーワードになりました。御教示ありがとうございました。

2004.11.02 Update


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