【検証:】掲示板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.085)
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岡山新快速の乗り入れの可能性 〔続〕
 投稿者---光雄氏(2002/10/13 00:09:43)

岡山新快速の乗り入れの可能性
└岡山〜大阪間の在来線輸送。
 └Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
  └Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
   └Re:岡山〜大阪間の在来線輸送。
(以上前ページ)

└Re:岡山新快速の乗り入れの可能性
 └「新快速」再編の可能性の有無?
  └形を変えた並行在来線論のような
   └新快速岡山延伸論
   └山陽新幹線になにを求めるか

▽前ページより

Re:岡山新快速の乗り入れの可能性
 投稿者---KAZ氏(2002/10/14 13:35:53) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。
 姫路〜岡山間ですが、ここは普段から交流のない区間ですからねぇ・・・。
 元々播磨と備前・備中あたりとの交流は薄いですし、今でも近畿圏と中国地方という文化・経済の両面で完全に独立したエリア同士ですから、新快速を設定する「意図」があまり感じられないんですよね。岡山と神戸・大阪の日常的な流動が普段からある、もしくは潜在的に見込めるというのであれば設定する意味合いもあるでしょうけど、岡山と近畿圏とのつながりはさほど強くありませんからね。
 逆に、近畿圏の都市間輸送を行う「新快速」が、圏域を越えて岡山へ乗り入れることによる「デメリット」も生まれてくる可能性もあります。只でさえ遅れやすい長距離運用が更に伸びることによる京阪神都市間輸送への影響や、本来は新快速がカバーすべきではない長距離客と近距離客の輻輳が心配されます。共に現在の状況でも、北陸線の遅れを大阪・神戸・姫路まで持ち込んできたり、通勤時間帯に行楽客が乗り込もうとすることによる混乱など、長距離運用のデメリットが見え隠れしています。

 本来であれば、岡山〜近畿圏程度の距離は「急行」がその輸送を担い、快速は圏域内の速達輸送、そして特急や新幹線が圏域間の本格的な速達輸送を担うという分担が成り立つはずなのですが、急行が担うべき利用者層を快速や新幹線が分担することによる「無理」が、こういう論議を生み出すのかな、と個人的には思っています。新快速を岡山に延長させるくらいなら、急行を設定して近畿圏内の短中距離客との分離を図る方がいいと思ったりしています。

「新快速」再編の可能性の有無?
 投稿者---551planning(2002/10/15 00:12:47)

 KAZ様、御無沙汰しております。
 「急行」御提案、興味深く拝読致しました。

 なるほど、今後新快速は敦賀延長も視野に入っていようかと思いますが、京都大阪神戸の三都間輸送、あるいは京阪神対滋賀・播磨間の広域流動対応と、さらに遠隔地との流動という複合的な需給バランスの維持が難問になってくる上で、このあたりで大きく再編することも大いに検討に値しましょう。
 そのときにとも様も触れておられますが、セントラルライナー形態が望ましいのか、あるいは特急増発/延長対応で適応なのかはさらに個別具体的に詰める必要があろうと思います。
 敦賀の場合には既に特急網があるものの、「長浜の成功」の前にこちらも夢を…というのがありましょうし、「北陸の玄関」という心理的遠距離感の解消を新快速に託すということからも、自治体的な動きが強いところです。
 一方で岡山は兵庫県境での在来線流動の隔たりが大きいところは既に皆様御指摘のところではあり、自治体的な動きが見られないこともその証左でしょうが、18きっぷ期間はさておき行楽的需要などで一時的に普通列車へのシワ寄せが見受けられるところでもあります。ここ最近では山陽道の整備と新幹線への価格面から高速バスが伸張の兆しも見られるところであります。岡山という交通結節点からも潜在需要の高さも伺えるという見方もあろうかと思います。
 その意味では対岡山では臨時急行「レジャー○○号」タイプの適宜設定で足りる気もします。ただそれすら行われないのは、JR-Wが急行タイプの車両を持っていないことに尽きるのでしょうか…(以前221系で紀勢方面に「レジャー」号が運転されていたが、ここ最近設定がなかったような…)。
 特急の延長は「やくも」で1度試行されていたと記憶していますが、結局続かなかったのは山陰対大阪需要の低さを伺わせる事例かと。一方で四国筋がないのはJR-Sとのやりくりがつかなかったためでしょうかね。これも指摘済ですが-Sが高速バス戦略にシフトしていることもありますし。

 結局日に数本の臨時列車だけでは潜在需要掘り起しにはつながらなく、かといって新快速延長なりの対応をするほどのものでもないとの判断でしょう。静岡−浜松快速論とはちょっと毛色の違う事例ですが、帰結として新幹線料金体系の抜本的な見直しの時期にあるのでは?(中近距離都市圏間での弾力的な価格設定など)という論点も導かれるかと思います。
 一方で新快速自体については、15分間隔からの増発論には触れないとしても、中途半端な快速との統合的整理により、対姫路以遠系統は京都止まり(あるいは東西線方面直通化)、対滋賀系統は西明石止まり(あるいは宝塚方面)などと運転系統の可変対応も検討すべきかと考えます。

 …新快速論は盛り上がりそうかな?返信は別スレ立てを期待しましょうか。

形を変えた並行在来線論のような
 投稿者---和寒氏(2002/10/17 07:09:13) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 皆様、盛り上がっておりますね。別スレになる前に、些か思うところを記しておきます。

 山陽線姫路−岡山間の地勢といえば、上郡をすぎると両脇に山が迫る川沿いの道筋になり、人家も少なくなっている、と記憶しています。道筋としては峠道ですが、需要としては谷になるのでしょう。
 時刻表を見ても、姫路−岡山間の直通列車は毎時1本しかありません。姫路−上郡間と和気−岡山間の区間列車にしても、それぞれ毎時1本が基本です。この区間の需要の大きさは、このダイヤ設定に見てとれます。
 新快速延伸というアイディアそのものはいいとしても、現実の需要がこれしかありませんから、増発では飛躍がありすぎるような気がします。
 まずは、姫路で編成を分割して普通列車として岡山まで乗りこむ、という漸進策から始めてはどうでしょうか。「岡山行新快速」というアナウンス効果だけでも、利用者心理を刺激するかもしれません。それで利用者が定着するようであれば、速達化を図っていくという構想も描けます。

 ただ、これくらいの距離帯の需要は新幹線が担うべきだという感覚が私にはあります。岡山−姫路間が88.6km、岡山−新大阪間が 180.3kmですから、いくら新快速の足が速いとはいえ、特別料金不要の列車がカバーするには遠すぎる距離帯であるように思われます。特別料金が要る列車の設定は、新幹線が並行する以上屋上屋という感じがします。
 だから、新快速岡山延伸や四国特急大阪延伸は、新幹線と在来線の機能分担を考えれば無理がある施策であると考えられます。・・・・・・本来は。

 そういう目で山陽新幹線のダイヤを見てみますと、これがなんとも使いにくいのです。特に岡山駅上り方面の時刻表はひどいもので、実質的な選択肢になりえるのは、「のぞみ」「広島始発ひかり」「レールスター」の毎時3本しかありません。
 毎時28分始発の「ひかり」は、直前の「広島始発ひかり」と比べ遅すぎます。毎時40分始発「ひかり」スロットが救済便として用意されていますが、これも新神戸−名古屋間各駅停車ですから、やはり遅い。「こだま」になると待避のせいでしょう、壊滅的な遅さで、新快速と大差ないほどです。
 その「こだま」にしても、毎時1本は姫路止まりです。これは、新神戸・新大阪の容量制約、全ての駅に毎時2本以上の列車数を確保するという配慮、毎時28分始発「ひかり」を相生通過させ少しでも速達性を向上する、という工夫の産物と見受けます。
 東海道新幹線の抜本的ダイヤ改正と関連するのですが、山陽新幹線についてもダイヤの整頓が必要だと考えられます。少なくとも、今の運行本数で「のぞみ」「レールスター」「ひかり」「こだま」の4種別並列は無理があります。
 私案としては、下記のようなスロット構成を考えます(定期便のみ)。なお、東海道との直通列車は全て「のぞみ」格上げという前提での案です(料金設定についてはとりあえず措きます)。

博多「のぞみ」毎時1本
広島「のぞみ」毎時1本←「やくも」の接続相手の基本
岡山「のぞみ」毎時1本(新大阪・新神戸・姫路に停車)←四国特急の接続相手の基本
岡山「のぞみ」毎時1本(京都−岡山間各駅停車)
「レールスター」毎時1本
全線直通「こだま」毎時1本
博多−岡山「こだま」毎時1本

 この案のミソは、岡山「のぞみ」の1本を定期化のうえ速達化して名古屋・東京方面への列車として実質的な選択肢となるようにしたこと、1本を山陽区間で各駅停車化して「こだま」機能を代行させるようにしたことです。ただし輸送力過剰になる懸念はありますが。
 ここまで提案するのは踏みこみすぎという感じもありますが、山陽新幹線の現状を鑑みるに、中長距離帯の需要を分担させるには魅力不足に映りましたので、敢えて愚考してみた次第です。

新快速岡山延伸論
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/10/20 02:39:15) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 新快速の岡山延長については、元ネタを振った本人がいまさら言うのもなんですが、結構複雑な要素が絡んでいると思います。
 皆様の議論を踏まえまして、具体案の前提を長いですが述べてみます。

参考:新快速の岡山延長は有り得るか log037.html

その1・在来線速達サービスの主体

●新幹線並行区間の支線区直通優等列車
 長野(北陸)新幹線開業前の「あさま」(上野−高崎)、「北越」(長岡−新潟)、「踊り子」(東京−熱海・三島)、「しらさぎ」(名古屋−米原)、「はまかぜ」(大阪−姫路)、「スーパーはくと」(京都−姫路)、「ソニック」(博多−小倉)といったところが基本的に全列車並行で、「しなの」(大阪−名古屋)、「ひだ」(大阪−米原)、「有明」(小倉−博多)が一部というところです。

 こうしてみると「しなの」が200km程度並行しているほかは、概ね100km前後までといったところですが、それくらいの距離で拠点となる大都市に至れる場合は、そのまま直通させるという傾向があるようですが、これは乗換というバリアを容認するだけの時短効果が得られないという現実的な対応でしょう。

 岡山の場合は大阪からで180kmあり、「サンライズ」が約2時間で結んでいます。一方の新幹線は「のぞみ」「レールスター」で44〜47分ですから、新大阪乗り換えで大阪に戻っても小1時間速い計算になるため、10分程度の乗り換えのアクションを厭うて直通を選ぶ客がどれだけいるかということです。論点の新快速と新幹線であれば、料金の要不要も重要なファクターになりますが、特急と新幹線では乗継割引や企画商品を考えると五十歩百歩であり、直通利用へのインセンティブは働きにくいです。
 ですから現実問題として四国特急や「やくも」の全列車を京阪神直通にする意味はまず無く、「しなの」「ひだ」のように特定の時間帯に1〜2本程度という選択は有り得ます。

●大都市起終点の在来線需要
 一方で、首都圏、中京圏、京阪神という拠点においては、そこから郊外へ、またそこへ向かって郊外からの流動が相当あります。これはその拠点の魅力に比例するように奥が深く、逆方向も母数自体が大きいことから太い流れです。
 概ね100〜120kmで2時間程度までというのが鍵のようで、東京だと熱海・沼津、高崎・前橋、宇都宮。名古屋は浜松、京阪神は言わずと知れたアーバン区間です。

 首都圏のように快速への狙い乗車もありますが、普通もそこそこ利用されるところから推察するに、直通と時間距離というのが鍵のようで、中京圏では一時期分断されていた快速系の浜松直通が復活したのもそのあたりでしょう。
 それなりの速達性は求められますが、一方で許容できる時間までという側面があり、優等料金を払ってまでという意思ではなく経済性重視といえます。

 岡山の場合は距離はちょっとありますが、新快速という存在を考えると2時間圏に充分収まります。現在でも神戸から長浜とか、京都から姫路、赤穂となると150kmクラスですから、直通需要はすでにある姫路乗り換えの流動も含めて相当あると見たほうがいいでしょう。

その2・需要の源泉

●連続する拠点都市
 岡山は大阪からですと180kmですが神戸からだと150km弱です。このように内側に有力な拠点都市が連なっているのが複雑化しており、新快速自体も大阪起点では距離があっても神戸(三ノ宮)や京都からなら近いから利用の奥が深くなっている面は否定できません。もちろん逆もあり、上記のようにその外側の拠点都市からの需要も直通していることで掴んでいます。
 首都圏ですと横浜やさいたまがそれに当たるため、通勤圏が結構深いですし、湘南新宿ラインの運行開始によりさいたまから湘南とか、横浜から栃木群馬といった新快速的な距離の長い利用も今後は出てくるでしょう。

 現在は兵庫県の西端である上郡と岡山の間が50km強あるため、ベースの姫路、ラッシュ時の上郡をいちおうの区切りとしていますが、姫路を通す利用もそれなりに見られるだけに、現在の行っても赤穂・上郡までの新快速と姫路仕立ての岡山直通という体制がベストかという想いがあります。

●需要とターゲット
 私が推測する需要の太宗は、あくまで京阪神と岡山という都市間流動であり、ターゲットはビジネス以外のお出かけ需要、つまり、18シーズンに顕著に現れる流動を典型とし、旺盛な高速バス需要に裏打ちされる新幹線を必要としない需要です。京阪神という我が国第二の都市圏をベースにすることで成立するスタイルであり、姫路−岡山の都市間輸送という捉え方はしていません。
 このあたりが同じような都市間快速論の静岡−浜松などと違う点です。

 なお、岡山とその周辺(倉敷など)だけでも人口集積がありますが、福山・尾道など備後地区、高松・坂出や西讃・東予地方など、高速バスの利用が旺盛なエリアもターゲットにした場合、バスといえども馬鹿にならない輸送力と実績を持っています。例えば高松の場合、バスは京阪神地区からで50本を優に超え、100本に迫らんとする勢いであり、輸送力では8連の新快速10本程度に相当する規模です。
 もし高松直通の新快速があったとすれば、所要が3時間弱、運賃は4500円ですから、企画商品無しで高速バスと真っ向勝負できることに留意すべきです。

その3・新快速と新幹線の境界

●山陽新幹線の問題
 あとは新幹線の戦力不足があります。議論が拡散しますから別途議論したいテーマですが、かいつまみますと新大阪と新神戸が都心と離れているのが大きく、対東京では都心への途上ですが、対姫路以西では手戻りになっているのも辛いです。また大阪起点では岡山でようやく戦力になるという感じで、特に「こだま」が姫路−新大阪で50分かかる(新快速の大阪までが57分)とか、姫路を後から出た新快速が待避中の「こだま」より早く西明石を出るといった惨状ですが、新神戸が待避不能とか、新大阪のホーム容量といった解決不能な面もあります。いっそ域内移動は新快速に任せて各駅停車タイプの極小化を計り、対東京、もしくは岡山以西への需要に特化したダイヤ(ゆえに各駅停車タイプは対東京、対岡山以西で考えれば毎時1本見当で充分では)にするといった機能分化の徹底も必要でしょう。

●新快速の本質
 これは京阪神地区だけの象徴的な話ですが、「新快速」という存在が大きいです。これはカテゴリー論のスレで議論すべき内容なのでかいつまんで言いますと、京阪神という都市圏内で「特急並みの速度で走る」という本来の姿が、米原や姫路まで走り回るようになって、200km程度の距離ですから「特急並みの距離を特急並みの速度で走る」という「料金不要の特急」という性格が強くなっているのです。
 ですから、これくらいの時間なら大丈夫、という利用者側の容認があれば、距離をもって「この辺で...」と区切ることが受け入れられなくなっており、だからこそ長浜以北敦賀までのエリアが、特急の増強や北陸新幹線の早期開業よりも新快速の延長を求めてきており、岡山にもそうした声が出ているのでしょう。

 ちなみに列車遅延の問題ですが、極めてパターン化されていることもあり、姫路や米原で列車順序を入れ替えて15分(30分)遅れだけど定時の列車に化けさせるといった対応も可能ですし(増結車の延長ならもっと容易)、それが発生しない対応を取ることが王道であり、もし運行側が遅延を前提に消極的というのなら本末転倒というか職務放棄と言って良いでしょう。

●余談
 余談というより蛇足ですが、京阪神から見ると、姫路までの距離の方がそこから岡山までの距離よりも近いんですが、姫路から岡山は「あとちょっと」の印象があります。
 ちょうど境の神戸(我が家は阪神間側)に住んでいるので感じるんですが、失礼ながら姫路を中心にする「播州」はやはり違うエリアのイメージがあり、その先の並びに岡山という感じなのです。おそらく岡山から見ると隣りの姫路、で、神戸・大阪はすぐ、というイメージなんでしょうし、だからこそ姫路を通せば、という発想が出るのでしょう。

その4・具体的なイメージ

 さて新快速の岡山延伸のイメージは下記の通りです。

●座席確保について
 全車自由席を前提とし、12両編成を原則とすることで解決する。
 岡山までの運転となるとさすがに座席確保が問題になりますが、一方で18シーズンの「ながら」や救済臨接続列車を除けば、混雑が厳しいのは大阪−芦屋や三ノ宮−明石といった限定的なものです。また混雑が目立つのは専ら8両編成で、12両編成の場合は比較的余裕があるばかりか、座席確保が案外容易であることも事実です。
 西行きの場合、大阪、三ノ宮での入れ替わりが多いこと。また東行きの場合は岡山は始発ということで座席確保が容易です。途中利用の場合ですが、姫路以東で12連とし、姫路で増解結することで東行きの姫路での着席問題も解決できます。

●直通形態について
 現在の姫路−岡山間の運転形態に新快速を快速運転で純増できればベストですが、一方で供給過剰の懸念も払拭できません。
 「直通需要」に的を絞る格好で、朝夕は快速運転で純増、日中は現行の直通を置き換えというのが妥当な線ではないでしょうか。
 ただ、編成については現行の115系3〜4連の輸送力不足が顕著であることから、12連の新快速のうち4連ではなく8連を直通させることで、現行の輸送力+狙い乗車や移行への対応とし、またある程度の快適性を付与することで高速バスに対するアピールも出来ます。

 なお、姫路での着席対応については毎時4本中の1本ということで目をつぶるのであれば、姫路で分割した4連を赤穂線に直通させ今の赤穂線経由岡山行きを置き換えということも可能です。この場合、赤穂や日生、備前・伊部といった観光対応になるのが魅力ですし、姫路−相生が続行運転になるので、本線経由を相生まで通過運転で速達化も可能です(有年以遠と英賀保〜竜野が不便になるが、そこまで配慮すべき?)。

●発展形
 朝夕に快速運転で直通させるグループについては、例えば岡山から先、福山や高松、観音寺、伊予西条といったエリアの高速バス対策(西讃エリアのバスはないが)としての延長も考えられます。
 イメージとしては大阪への朝発、大阪からの夕方発は伊予西条や福山といった最遠部との直通を高松発などと合わせて設定し、逆向きは高松までの直通でしょうか。

 このグループは、例えば姫路以東の12連運転をせずに、規格外の形で大阪、もしくは京都まで直通させるかわりに一部車両において乗車整理券か沿線限定発売の座席指定券を発売することで、座席確保を明確にしたいです。注意したいのは全国発売にしないこと。これをぬかると地元が使えない列車に堕する懸念が大きいです。

山陽新幹線になにを求めるか
 投稿者---和寒氏(2002/10/21 08:45:18) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

→新快速岡山延伸論は、山陽新幹線にどのような機能を求めるかと不可分ですので、発散を避けつつ記します。

 山陽新幹線の新大阪−岡山という区間内だけの利用者をどれだけ期待しうるかがポイントだと思います。新大阪や新神戸という駅の立地は、岡山側から見れば確かに不利な条件です。新幹線の高速性をロケーションで相殺している格好といえます。
 してみると、新大阪−岡山区間内相互の利用者をあまり期待しない、という前提でダイヤ構成を考えた方がよいのかもしれません。そこで重要なのは、新大阪や新神戸までの速達性よりもむしろ、名古屋・東京方面への速達性です。
 また、「やくも」や四国特急乗換を含む岡山発の利用者も大事ですが、相生・姫路・西明石の利用者も決して無視できません(現行ダイヤで無理矢理ながら毎時2本停車を堅持しているのはなんらかの理由があるはずです)。

 以上を鑑み、先の提案の修正を試みます。方針としては、東京・名古屋方面への速達性確保、新大阪−岡山間では「こだま」廃止、新大阪−岡山間では待避なし(東海道とのダイヤも絡むがおそらくこれは実現可能であるはず)、です。

博多「のぞみ」毎時1本
広島「のぞみ」毎時1本←「やくも」の接続相手の基本
岡山「のぞみ」毎時1本(新大阪・新神戸に停車)←四国特急の接続相手の基本
岡山「のぞみ」毎時2本(京都−岡山間各駅停車)
「レールスター」毎時1本
博多−岡山「こだま」毎時2本←岡山で各駅型「のぞみ」に接続

 この案では速達型岡山「のぞみ」を定期化する分が純増になります(現行ダイヤでは臨時運転)。「こだま」を「のぞみ」に格上げするので車キロは大幅増、ただし列車キロはさほど増えるわけではありません。
 各駅型「のぞみ」には新大阪−岡山間区間内利用者をある程度期待しますが、メインはあくまでも対名古屋・東京です。

 山陽新幹線のダイヤの性格を明確化し、かつ利用しやすいものとすることにより、新快速岡山延伸論はさらに活きてくるのではないでしょうか。

「新快速」再編の可能性〜これからの急行の像は?
 投稿者---KAZ氏(2002/10/15 00:38:13)
 
http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

「新快速」再編の可能性〜これからの急行の像は?
└「急行」というカテゴリー
 └Re:「急行」というカテゴリー
  └ニーズ対応と系統分離
   └カテゴリーキラーとニュースタンダード
    └運賃論再び (「速達料金」の存在意義を問う)
     └運賃論は「採算性」を基準にすれば良いのでは?
      └対極から見た運賃論
       └対極から見るのも必要では?

 (新快速延長論に対し)対岡山では臨時急行「レジャー○○号」タイプの適宜設定で足りる気もします。ただそれすら行われないのは、JR-Wが急行タイプの車両を持っていないことに尽きるのでしょうか…(以前221系で紀勢方面に「レジャー」号が運転されていたが、ここ最近設定がなかったような…)。

 どうもです。ちょっと急行に絡めて・・・

 JR西日本の急行用車両ですが、165系がなくなった今では「壊滅」ですね(笑)。221系は登場当時に臨時急行への充当実績がありますが、これは大いに不評でして・・・。理由は簡単、「快速用の車両に何で料金を払わないといけないんだ!」。まあ全車禁煙でテーブルもろくにないという、行楽用としては役不足なのは否めない事実でしたが、座席のグレードアップもあったものの(ボックスから転換クロスへ)とにかく不評で、すぐに設定はなくなりました。

 先日から東海の「セントラルライナー」に乗りながら考えていたことなんですが、西日本も東海313-8000のように「ハイグレード快速車両」を用意して、多客時の急行運用に使えないものかと。車両は221系を基本として130km/h対応を施し、車内設備はハイバックタイプの転換クロスを扉間は全転換タイプで設置し、中扉は閉切扱いを可能とする。普段は快速などに使用し、多客時や行楽期には臨時急行への充当も可能なようにしておく。で、扉横には風防板を取り付けられるようにしておき、急行運用時には取り付けて簡易デッキとして仕立てればそれらしくなるでしょう。おまけに車端部のボックスシートは簡易コンパートメントみたいになり、結構面白いのかな、と。

 さてどうなんでしょうね・・・

「急行」というカテゴリー
 投稿者---551planning(2002/10/15 01:16:15)

 やはり221は不評ゆえに消えましたか。足の長いところが急行運転だったと記憶していましたが、丹波方面などは快速で設定されてたかと…今では大阪からの直通は消えてしまったかな。定期列車の充実により臨時系統が縮小されていくこのあたりは-Cの「ナイスホリデー」にも通じるところでしょうか。-Eは湘南新宿ラインあたりで嬉々としているところですから、まだまだホリデー快速は残るかな?

 西日本も東海313-8000のように「ハイグレード快速車両」を用意して、多客時の急行運用に使えないものかと。

 このクラスになると-Eにはごろごろしているのが面白いところで、183はまさにそうなりつつありますし、185は出自こそそれ、E653ですら急行運用を持っている(日立−舞浜「イクスピアリ」)のとは対照的というか。-Cでは少数派ながら373がその任務ですね(近時の伝聞では「ふじかわ」はさておき「伊那路」がかなり苦しいとか)。
 313-8000クラスでも急行料金を取るには苦しかろうと思いつつ、そうだしっかり取ってるんですよね…キハ75「かすが」で(紀伊系統の臨時急行でも)。とはいえ、臨時運用での用意のための投資は難しいところでしょう。-Wでは485も直廃車でしょうし、個人的には「大垣臨時」候補にも出てくる117あたりの有効活用あたりがありなしの境界と見ますが、さて。

***
 そもそもセントラルライナーの300円という落としどころでも、という状況下にあって「急行」というカテゴリーが受け入れられるかも難しいところかと。
 ただ近畿圏では特にそろそろ「カニカニ」需要が発生するなど「レジャー」系臨時系統の守備範囲がまだ広いこともあり、端的な結論評価には至らないところではあります。その中でいまさら特急との差別化も難しく、企画切符相乗りでの値頃感訴求という位置付けがどれだけ成立しうるか、というところがポイントになるのでしょうね。

Re:「急行」というカテゴリー
 投稿者---KAZ氏(2002/10/15 01:38:53) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/

 どうもです。少しだけ・・・

 個人的に日常から新快速を利用していて思うのが、通勤・所用の需要と行楽客の分離の必要性なんですよね。通勤で使う新快速は大阪8:58着の長浜行で、これは滋賀県内到着が10時台という「行楽ゴールデンタイム」に重なることから恒常的に行楽客の姿があり、たまにしか電車に乗らないであろうご婦人のグループなどが激しく混み合った車内を見て唖然としていたり、大きな荷物を扉に挟んで発車を遅らせていたりして、これでは通勤客・行楽客ともに「不幸」なだけです。帰宅時の列車でも比較的空いていたであろう滋賀県内で酒盛りをしていたグループが、京阪神間の混雑区間に入った途端に「浮いた存在」になってしまい、居心地の悪そうな顔をして座っているのをよく見かけます。

 こういった行楽客を分離し、心おきなく騒げる列車として「行楽急行」というのは必要なのでは?と思ったりしています。快速では一般利用者との分離ができませんので、急行という心理的なバリアで一般利用者を分離できないか、と考えていますが、これはもしかして諸刃の刃なのかも知れません。新快速(快速)という気軽な種別が、気軽な行楽需要を掘り起こしている可能性もありますし、もしそうであれば敷居の高い「急行」には流れてこないでしょうしね・・・。

 なかなか難しい問題なのかも。

ニーズ対応と系統分離
 投稿者---551planning(2002/10/15 01:53:15)

 ちょい手短に。

 個人的に日常から新快速を利用していて思うのが、通勤・所用の需要と行楽客の分離の必要性なんですよね。

 かなり微妙な問題ですよね…関西圏では系統分離による別設定が可能なのでしょうか。現実的に云えば特急系統の適宜延長などでの対処となりましょうか(「スーパーはくと」はまさに京都発着、「サンダーバード」の神戸発着など)。うーん、そもそも鉄道会社として何処までターゲットとすべきかの取捨選択は…。

 関東圏では通勤流動が比較的単純である(=いわゆる行楽需要とおおむね逆方向となる)がゆえ、それ以上に通勤流動が圧倒的であるがゆえに見え難いポイントでもあるわけですが、こんな例が紹介されていました(このときの本論は団体客対応という視点ですが)。

鉄道ジャーナル01年10月号タブレット「通勤ラッシュの電車に団体利用とは…」

カテゴリーキラーとニュースタンダード
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/10/23 15:25:30) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 新快速という存在はその高速と走行距離をもって考えると特急と同格であり、いわば鉄道界のカテゴリーキラーともいえます。

 しかしその反面、既存の列車種別のヒエラルヒーが利用者に受け入れられているのは必ずしもその速度やアコモではなく、個々の場面でのコストパフォーマンスに過ぎないと見ることが出来ます。
 つまり、新快速の場合は他のJR各社を見ても例外的な、「中距離利用で定価販売でも受け入れられる」列車であり、一方「特急」を名乗り料金を徴収する列車については、各種企画商品によって「利用者が受け入れてくれる実勢価格」しか回収できていません。

***
 既存の料金制度は「速達性に対する対価」「座席確保に対する対価」「設備に対する対価」のカテゴリーに分れていますが、その抜本的見直しをすべき時期なのではないでしょうか。
 新快速の存在はその矛盾の頂点であり、新幹線のように比類無き速達効果を発揮するような列車以外が速達料金をとることが受け入れられていないというのが利用者の判断です。
 221系のホリデー急行の不人気と、特急列車の存在は、前者はその料金が「速達性」だけであり、設備その他の価値がないことによる不人気であり、後者は速達性もさることながら、新快速など普通列車とは明らかに異なるアコモと、指定席という座席確保効果という付加価値に料金の価値を見出しており、その「付加価値」とされる部分の価値が小さければ小さいほど、企画商品によるディスカウントも大きくなり、普通乗車券との差も小さくなります。

 中距離の在来線利用を「急行」という料金収受列車に誘導する、と言う場合、結局どれだけ料金に見合う付加価値をつけられるか、と言うところに収斂するでしょう。
 座席の確保、アコモなどの要素がありますが、企画商品による実勢運賃との比較で、本当に追加支出を支持されるにはハードルが高そうです。

***
 在来線については、特急、急行、普通という料金収受の対象としての枠を撤廃すべきではないでしょうか。そのうえで「定価販売」を徹底するのです。「サンダーバード」で金沢に行くのも、普通を乗り継いでいくのも同じ料金かいな、と言われそうですが、では現状の企画商品利用を前提にした場合、どれだけ普通運賃に対して取っているのでしょうか。

 一方で料金収入をあてにして抑えている傾向のある普通運賃は、その路線の実状に合わせてメリハリをつけた体系(有り体に言えば値上げ)にするべきです。いってみればバスのような運賃体系になりますが、普通車は総て同じ料金体系、という分りやすさです。

 では料金は、となりますが、これはグリーン車や寝台と言った明らかに違うアコモ提供の対価と、座席指定もしくは座席保証というサービスの対価としてのみ存続すべきです。

***
 もちろん実現は困難でしょう。例えば定期客をどうするのか。既存の優等列車を開放するのか。
 いや、現在の通勤列車ですら都心スルー型の運転を中心に、ラッシュ時の定期外客の問題があり、KAZさんご指摘の新快速、551さんが引用されていた投稿の横須賀・総武線などが顕著ですし、今後は湘南新宿ラインや「東北縦貫線」でも同じことが発生するでしょう。

 もっとも引用投稿のようにグループ利用するとか、輸送側が団体を引きうけるといった常識外れの事態で無い限り、それも利用の一形態と容認すべきです。そうはいってもあまりにも目に余る場合も存在するわけで、救済臨接続の新快速が大阪8時というようなケースなど、利用を制限しても止む無しとも思います。まあこれもダイヤ設定者が通勤電車で団体を引き受けるような感覚と非難することが出来まして、分り切っている結果を前にして、そのようなダイヤを組むこと自体の是非を問うべきかもしれません。

 ただ、そうした逆方向需要が直通列車を抱える路線だけで発生することは無いはずです。新快速で湖東路に向かう行楽客は、神戸方面から乗り通す人もいれば、JR宝塚線で大阪に出たり、阪急や阪神で梅田に出てくる人もいるはずです。それがなぜ直通電車だけで問題になるか、おそらく、目的地への電車に乗ったという開放感と、始発駅までのアプローチ乗車であるという苦行感の差でしょうか。
 姑息な手段ですが、行楽地直通運用をせずに分断運転にするといった、心理的作戦もありかもしれません。

***
 気負った割には滅茶苦茶な論ですが、このへんで。

運賃論再び (「速達料金」の存在意義を問う)
 
投稿者---和寒氏(2002/10/23 22:05:50) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 (「急行」と「新快速」の存在意義という)このスレッドの当初の問題提起からは大幅に逸脱するとは思いますが、敢えてエル・アルコン様の尻馬に乗らせて頂きます。

 既存の列車種別のヒエラルヒーが利用者に受け入れられているのは必ずしもその速度やアコモではなく、個々の場面でのコストパフォーマンスに過ぎないと見ることが出来ます。
 在来線については、特急、急行、普通という料金収受の対象としての枠を撤廃すべきではないでしょうか。そのうえで「定価販売」を徹底するのです。

→私が並行在来線論の中で繰り返し極論として述べた本質は、まさに上記の諸点に尽きます。
 勿論、運賃体系のオプションは様々な方法が考えられます。遠距離と近距離で運賃表を分離する(近距離はブロック別で賃率も異なる)とか、ブロック間運賃三角表をつくるとか、ブロック境界に凝制キロを挟むとか。
 でも、基本となる「A駅からB駅までなにに乗っても総額は同じ(ただし指定席など料金は別)」という思想は全て共通するのです。ブロック間移動に要する運賃に「常識的相場」が形成されている以上、一般の利用者には受け容れられる概念だと思います。

 かような運賃体系の許では、新快速が敦賀まで延伸されたと仮定して、サンダーバードとどちらを選ぶか悩ましいところでしょう。しかし、冷静に考えてみれば、かような運賃体系の許では新快速の敦賀延伸を考慮する必要そのものがなくなるのです。特急と新快速で総額同じであれば、座席が充分供給されるとの前提が満たされる限り、特急が良いに決まってますから。
 近距離帯では運賃体系が二重になりますから、「速いが高い特急」と「遅いが安い各停」の選択になります。遅い、といっても有意差があまりない距離帯ですから、利用者の圧倒的多数は各停を選ぶでしょう。
 そして、ある程度遠い距離帯では、運賃体系が一本になります。利用者はまず間違いなく「速くて近距離帯では運賃が高い特急」を選択しますから、必然的に利用者の遠近分離が図られます。

 遠近の需要を分離して、それぞれの利用者に快適な空間を提供するとともに、必要な対価を頂戴する。地方部の短距離利用者には相応の対価を求め、内部補助のバランスを是正する。それをJR営業戦略の基本に据える時期が来ているのではないでしょうか。

鉄道におけるユニバーサルサービスの崩壊と再生 special/013.html

運賃論は「採算性」を基準にすれば良いのでは?
 
投稿者---TAKA氏(2002/10/28 12:51:21)

 和寒様今日はTAKAです。私もやっと平常心で書き込むような状況になりましたので、ここら辺でデタントのシグナルを送ろうと思いまして書き込みました。正しいという事に関しては、いくら協調性がどうのという事になろうとも譲る気はありませんが、そうでなければ譲歩と妥協は今までも(程度の問題もあるでしょうが)辞さないつもりでしたが、今回は基本的な所では差があるとは認識しておりません。
 ですのでデタントのシグナルに丁度良いと思いまして、書き込みました。まあ私は「掲示板の北朝鮮」みたいな存在かもしれませんが(妥協してもすぐ決裂する意固地な存在?)まあそう言う存在も多様性の中の一部として許容して頂ければ幸いです。

 さて本題の運賃論ですが、基本的には「地球と月」ほどの差はないかと思いますが、多少の「本州と北海道」ぐらいの考え方の差が有るかと思います。其処で多少和寒様の意見の準対案ぐらいで私の見解を如何に書き込みます。

☆ 基本的には運賃の遠近分離に関しては賛成です。しかし「A・B駅間の運賃が何に乗っても同じ」というのは問題であると思います。
 関西の場合普通の列車と新快速と特急列車の間で車両設備の差がありますが、基本的に大体の場合各駅の列車より特急の列車の方が設備がいいのですから、それに対する特別料金(=特急料金)は徴収するべきです。
 本来なら特急が全席指定で有れば特急料金には座席指定の金額と速達サービスに対する対価が含まれ分かりやすい料金体系になりますが、今の特急は自由席により輸送力を確保している側面が有るので、自由席特急料金を廃止して運賃と指定等の特急料金に二分化させるのは、問題有りと思います。
 それならば、名鉄の特急のように運賃で乗れる特急車両(グレードは普通車両+α)と座席指定車両を付けるという方法もありますが、JR特急は二〜三時間の長距離運転が多いのでそう言う訳にも行きません。ですから運賃と設備と速達性に対する特急料金と座席確保料としての指定席料金の三分化の方が好ましいと思います。
 特急料金が徴収できなければ、高額で設備の良い特急車両を導入するインセンティブが失われます。その点に留意する必要があると思います。あくまでも特急は「設備が良くて普通遙かに早い列車」という位置付けにして、

  1. 運賃で乗車でき各駅に止まる「普通列車」

  2. 運賃で乗車でき主要駅に止まる速達性のある「快速」

  3. 特別料金が必要で主要駅の中でも選抜された駅に止まりしかも車両設備も優れている「特急」

に三分化すべきでしょう。その中で特急に関しては、自由席にするのなら「特急料金の割引」という形にしてのサービスが好ましいではないですか?
 やはり基本は「提供するサービスに応じた対価を頂く」という事ですし、其処から採算性と経営戦略に基づいて各鉄道事業者が運賃のさじ加減を行えばいいと思います。

 遠近の需要を分離して、それぞれの利用者に快適な空間を提供するとともに、必要な対価を頂戴する。地方部の短距離利用者には相応の対価を求め、内部補助のバランスを是正する。それをJR営業戦略の基本に据える時期が来ているのではないでしょうか。

☆ この発想に関しては、「異議なし!」という世界です。それよりももう一歩進め「運賃に関する上限価格」のみ定めて、それ以外に関しては各鉄道運行者の裁量に任せる。と言う所まで進めて良いと思います。
  そうすれば各鉄道事業者は自己の採算性と経営戦略に基づいて、運賃を決めるでしょう。又運賃のみに上限価格を定めれば、競争が激しく企業戦略的にライバルに打ち勝つ必要がある所でしたら、特急列車クラスのグレードの車両で運賃のみで乗車できる様な物を作る会社が出てきても不思議ではありません。又不採算な近距離ローカル線で有れば、上限価格ギリギリまで運賃を上げてくるでしょう。それにより内部補助のバランスも修正できるでしょう。
 「上限価格制は利潤最大化の為に価格が上限に張り付く」という意見も存在しますが、それは競争の発生しない場合のみに有効な考え方です。今の時代では鉄道以外に高速バス・航空機・乗用車等の他の交通機関のライバルが潜在的を含め存在しているので、必ずしも価格が上限に張り付く事ばかりは存在しないはずです。又採算性に運賃の基準を据えれば運賃の修正で内部補助による不平等も解消できるでしょう。それでも埋まらない赤字は又別問題です。

 ですからやはり「市場原理に基ずく運賃制」に変え運賃設定を原則自由化する事が大切でしょう。そうすれば何も色々考えずに各鉄道事業者がそれぞれの意志に基づいて自分で行動を起こす事になります。それだけで問題が解決すると思うのですが・・・
 まあ単純には行かないかもしれませんが、少なくとも一部の経済学的考えでは「価格は自由放任に任せれば需要曲線と供給曲線の交点に落ち着く」という自由容認的な考えが存在していますし、私はそれを一貫して支持していますから、この様な考えがある事もご理解頂き、色々ご指摘頂ければ幸いです。

対極から見た運賃論
 
投稿者---和寒氏(2002/10/29 10:06:02) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 運賃論というものは、主体によって見方が極端に違ってくるという特徴を有します。例えば、定期券という制度は、利用者から見れば、
   「ヘビーユーザーに対する割引は当然だ」
ということになりますが、各鉄道会社から見れば、
   「定期券利用者は最混雑時間帯に集中しているのだからむしろ割増運賃を求めてしかるべき」
という考えさえ成立します。私の発案は、今までの常識の対極からものであり、また常識を疑うものでもあります。しかし、相応に合理性を追求したつもりではいます。

 さて、ここでの私の問題提起の動機づけは2点あって、

ということです。

 このたびの発案は、運賃制度の常識からは懸け離れた内容であるわけで、それゆえ自ら極論と銘しているわけです。しかしながら、一連の議論を通じて、成立しうる、そして世の支持を受けうる可能性はあると思い始めています。その理由としては、

などを挙げたいと思います。

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 この発案では、採算性についてあまり顧慮していないので(まったく考慮していないわけではないが)、その点は御留意ください。賃率は全体的には上がるので収入増になる可能性もありますが、その分以上に利用者が逸走して減収となるリスクもあるからです。
 発案の問題意識と周辺状況については、前述しました。この点に関してのコメントを頂ければありがたいです。

 運賃体系に関する解釈は、TAKA様の方が伝統的・常識的なものであり、私の方が異見であり極論です。その異見・極論を敢えてぶつけているのは、上記の問題意識にあり、現実の課題の解決につなげたいという考えがあるのです。

対極から見るのも必要では?
 
投稿者---TAKA氏(2002/10/29 23:23:45)

 和寒様今晩はTAKAです。結論的な所を掻い摘んで返信します。

 この発案では、採算性についてあまり顧慮していないので(まったく考慮していないわけではないが)、その点は御留意ください。賃率は全体的には上がるので収入増になる可能性もありますが、その分以上に利用者が逸走して減収となるリスクもあるからです。
 発案の問題意識と周辺状況については、前述しました。この点に関してのコメントを頂ければありがたいです。

☆基本的な側面に関しては前述の通り、両者にスタンスの差はないと思います。用は方法論の差だけであるのは明確です。私は「基本的に民間企業が運営するのなら採算性を重視すべき」という考えだけですから・・・
 又採算性を重視すれば必然的に可能性として今のJRのローカル線の運賃が、地方中小私鉄の運賃料率並に上昇する事になるでしょう。そうすれば遠距離と近距離ローカル、都市と地方ローカル間の不平等は解消されるでしょう。
 最終的にはこの解消が目標ですから、目指す物には差がないと考えます。

☆しかし各論で差があるのは事実です。具体策の差として存在するのは以下の二点であると思います。
  (1)「採算性を最重視するか」それとも「そんなに重視しないか」
  (2)一つの路線では「基本的に一つの運賃体系」を維持するか「二つの運賃体系を許容するか」
 私自身の考えでは(1)は別にして(2)は重視すべきでしょう。即ちA・B間の二地点に置いて運賃はあくまでも1つでなければならない(経由地が別なら安い方を適用)。ましてやA・B間でローカルの普通列車を乗り継ぐ場合と特急で行く場合は当然特急が高くなければならない。
 そのサービスの差として「特急料金」があり、それ以上のサービスに対しては「指定料金・グリーン料金」等を活用するようにして、「分かりやすい運賃体系」にすべきであると考えます。

☆値上げに伴う「増収の可能性」と「値上げによる乗客逸走リスク」の問題に関しては、確かに存在します。
 問題自体として何とかクリアするのに「採算性」を基準に据えれば当然採算性をシュミレーションした段階で収入が極大化する方向で企業は選択をするでしょう。その場合個別の企業の経営判断になりますが一般的には「値上げ増収≦逸走分減収」になれば企業は当然値上げをしないでしょう。そう言う選択肢は運賃の自由化という事で残しておくべきです。

 運賃体系に関する解釈は、TAKA様の方が伝統的・常識的なものであり、私の方が異見であり極論です。
 その異見・極論を敢えてぶつけているのは、上記の問題意識にあり、現実の課題の解決につなげたいという考えがあるのです。

☆最終的には如何に問題を解消するかが重要であり、私はその為の方法論の検討にタブーはない方が良いと思います。
 目指す所が一緒で通る道が違うだけなのですから、通る道の選択肢は複数有る方が好ましいに決まっています。
 その中で最善の物を選択するのが正しい方法であると思いますが如何でしょうか?

2004.11.02 Update


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