【検証:】掲示板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.086)
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オフィス2003年問題と鉄道
 投稿者---かもめ氏(2002/10/13 21:29:06)

オフィス2003年問題と鉄道
└Re:オフィス2003年問題と鉄道
 └住宅については都心回帰が進むのでは
  └Re:住宅については都心回帰が進むのでは
   └Re:住宅については都心回帰が進むのでは
首都圏はクレープ/東京都心はそのトッピング
 └Re:首都圏はクレープ/東京都心はそのトッピング
  └都心回帰で、住宅・業務ミックスの郊外開発は難しくないか?
   └郊外開発と言うよりも核都市発展
    └クレープから目玉焼き(それもたくさんの目がある)へ
     └流動の変化
      └Re:流動の変化
汐留駅はラッチ内連絡にすべし!(←久々川島風…)
 └期待薄と思ったが…そんなぁ!

 皆様、お久しぶりです。

 ご存知のこととは思いますが、現在巷では「オフィス2003年問題」が囁かれております。
 汐留・品川・六本木をはじめとして丸の内・大崎・品川シーサイド等々、それぞれ背景の異なる大規模再開発がほぼ一斉に完成を迎えます。東京はその姿を大きく変えることでしょう。
 その一方で賃料の値下げや建設需要後退による悪影響も懸念されています。

 オフィス論・住宅論・都市文化論等さまざまな角度からこの事態を分析できますが、今回はあくまで鉄道に関してその影響を考えて行きたいと思います。

 まずプラス面では、都心部回帰によりもともとの骨格路線である山手線や東海道本線の役割はいっそう重くなると思います。また、営団南北線や都営大江戸線はようやく期待された役割を担う状況が整ったと言えるでしょう。特に大江戸線は一部時間帯においてはパンク説が実感を増してきました。

 逆に、郊外からの移動需要は減退することが予想されます。全体的な鉄道利用の減少に拍車がかかるのは致し方ないのかもしれません。「取り残された」感の強い路線も出てくることでしょう。

 「2003年問題」といいますが、今後も汐留や品川のビル建設は続きます。また、白金・勝どき・秋葉原等の再開発はこれからです。更に、日本社会全体での少子化は予想を超えて進んでおりますし景気もまた一段と落ちこむことが実感として感じられます。

 これらの状況の中で鉄道はどう影響を受け変わって行くのか、興味はつきません。

Re:オフィス2003年問題と鉄道
 投稿者---かまにし氏(2002/10/14 00:12:04)

 かもめさん、こんばんは。かまにしと申します。

 私は、東京の都心と郊外を含めた「東京圏」という枠と、「東京圏」の中の都心と郊外の配置の2つに分けて考えてみました。
 「東京圏」の人口は、もうじき日本全体が人口減少を迎える中においても増加傾向にありますし、これは統計的にも実証されています。とすれば、「東京圏」全体での住宅・オフィスの需要は、もうしばらく増加すると予測することはできると私は認識しています。
 一方、「東京圏」の中で、どの地域の住宅・オフィスの需要が増えて減っていくかは一筋縄で予測することはできないでしょう。基本的に、品川・汐留・六木・丸の内・秋葉原などの再開発によって、新たなオフィスの供給は今後10年ぐらいの間、主に東京都心から南側の地域でなされていくことは予想されます。

 しかし、だからと言って住宅の需要が必ずしもその路線へのアクセスに便利なところで増えるとは限らないと個人的には思うのです。よく「2003年問題の陰で郊外の衰退が進む」という論調で語られることがありますが、郊外が一律に衰退というわけではなく、住宅価格の下落と都心回帰が進んでいるさなかでも元気な郊外の街は確かに存在しています。
 これはオフィスの需要にしてもそうで、供給が都心で進むのとは裏腹に、不況で業績の悪化した会社が、山手線内から外側にオフィスを移すという動きが一部で見られるのも確かです。

 要は高度経済成長やバブル経済での東京一極集中の時とは異なり、都心からの距離や通勤時間で一律に地価が決まり、人口が同心円状に分布していくのではなく、住宅や企業の立地も通勤という側面からだけではなく、周辺環境やライフスタイルなどによって選択されていくようになるのだと思います。いわゆる「買い手市場」であり「都市間競争の激化」です。一面的ながら、すでにそれらは雑誌の「人気のある路線」などで示されていますよね。

 いずれにしても、各鉄道会社はこれからが「真の鉄道経営」が求められる時代ではないかと思います。

住宅については都心回帰が進むのでは
 投稿者---Tom氏(2002/10/14 11:21:48)

 Tomです。こんにちは

 オフィスの需要にしてもそうで、供給が都心で進むのとは裏腹に、不況で業績の悪化した会社が、山手線内から外側にオフィスを移すという動きが一部で見られるのも確かです。

 イタタタタッ・・。私の会社のことですか?
 確かに分社化の上、山手線内から出て行くようです。というのはおいといて。

 「東京圏」の中で、どの地域の住宅・オフィスの需要が増えて減っていくかは一筋縄で予測することはできないでしょう。基本的に、品川・汐留・六木・丸の内・秋葉原などの再開発によって、新たなオフィスの供給は今後10年ぐらいの間、主に東京都心から南側の地域でなされていくことは予想されます。

 そうでしょうね。
 ただ、オフィス需要は何故北側で増えないのでしょうか?
 これは、多分に東京と地方、特により経済・産業面で重要な関西地方との連絡が南の方が便利なこと、及び羽田空港へのアクセスが南側の方が便利なことに起因するものと思われます。

 しかし、だからと言って住宅の需要が必ずしもその路線へのアクセスに便利なところで増えるとは限らないと個人的には思うのです。よく「2003年問題の陰で郊外の衰退が進む」という論調で語られることがありますが、郊外が一律に衰退というわけではなく、住宅価格の下落と都心回帰が進んでいるさなかでも元気な郊外の街は確かに存在しています。

 週刊住宅情報の愛読者でもある私が見る限りでは、都心の住宅価格の下落と共に郊外でのマンションの発売戸数は大幅に下落しています。特に6年前に私がマンションを買ったときはまだ埼玉や千葉でも相当数の物件が掲載されていました(各々50件以上はあったと思います)が、最近では10件以下が常態になっています。一方では以前ならまずサラリーマンには手が出なかった都心でも、白金や広尾など高級住宅地とされるエリアを外せば専有面積70u程度で5000万円内外の物件を探すことも可能です。DINKSで60u台でも良ければ4000万円台でもOK、更には大田区でも良ければ3000万円台で専有面積70uのマンションを駅から徒歩圏(15分以内)で購入が可能な所まで来ています。
 とすると、今までは郊外もマンションと一戸建てが混在していましたが、今後は地価が比較的高い神奈川県及び東京に近い川口エリア・浦安エリアを除いては郊外は一戸建てエリアが主流になるのではないかと思います。現実に郊外立地のマンションは大規模だとか、付帯設備が豊富であるとか、専有面積が広く一戸建てと比較して遜色がないなどの特色がないと売れない傾向にあるようです。 

 神奈川県でも綱島から徒歩10分圏で100uマンションが5000万円台で出るようになりましたからねぇ。また、蒲田でも京急蒲田から徒歩2分かつJR蒲田から徒歩7分のタワーマンションが約74uで4910万円だそうです。 こういう状況ですから、今までやむなく郊外のマンションを買っていた層が23区に向かうのは当然の流れのように感じられます。

(ご参考)首都圏の住宅については住宅情報を買わなくとも以下で調べられます http://www.isize.com/house/shuto/

Re:住宅については都心回帰が進むのでは
 投稿者---かまにし氏(2002/10/14 00:12:04)

 イタタタタッ・・。私の会社のことですか?
 確かに分社化の上、山手線内から出て行くようです。

 そういう会社って結構いろいろとあるみたいですよ。
 私がアルバイトをしていた地図情報を手がける会社も、市ヶ谷から日野に移ってしまい、それを機に私はアルバイトを辞めました。

 ただ、オフィス需要は何故北側で増えないのでしょうか?
 これは、多分に東京と地方、特により経済・産業面で重要な関西地方との連絡が南の方が便利なこと、及び羽田空港へのアクセスが南側の方が便利なことに起因するものと思われます。

 なるほど。しかし、北側でも上野のようなキーステーションではもう少し発展しても良さそうなものですけどね。

 週刊住宅情報の愛読者でもある私が見る限りでは、

 週刊住宅情報は私もよく見ています(実際には当分縁のない話ですが、半分趣味で読んでいます)。

 Tomさんのおっしゃるように、基本的に住宅については地価・住宅価格の下落が、都心回帰をさらに進ませる大きな要因になっていることは私も同感です。少なくとも、これ以上外側に広がっていくことはないと思います。ただ、23区内での住宅需要が一律に同じぐらい増加しているかというとそんなことはなく、沿線によってかなりの格差が見られます。大雑把にに言ってしまうと西高東低ですよね。

 バブル期以降の地価の下落幅も同様で、70平米で3500万円のマンションが1990年と2000年でどの駅付近で買えたかを比較すると、中央線は高尾⇒武蔵境と約30km移動したぐらいなのに対し、東海道線は三島⇒大森と実に約100km移動しているそうです。東北線・常磐線に関しては今では上野で買えてしまうぐらいだそうです。

 しかしその一方で、東海道線の中でも鎌倉・藤沢といった街は、手近に海辺のあって出勤前などにサーフィンを楽しみたい人に人気です。東急田園都市沿線も豊かな緑に囲まれた美しい景観のある街として人気が高いですよね。

 あと一般的に考えても、子供を持ったファミリー層はなんだかんだ言って「子供を豊かな自然環境に恵まれたところで育てたい」と思う人が多いように思います。だから最近だと地価下落の影響もあって、郊外の交通結節点駅(例えば、橋本・海老名・湘南台など)に大規模なマンション開発がされていますよね。こういったところは、湘南新宿ラインのような公共交通の改善も手伝って、それなりに伸びていると思います。

 結局、私が言いたかったことは、都心回帰という大きなファンダメンタルズの変化があるとはいえ、どこでも建てれば売れる時代ではなく、自分のライフスタイルや住宅に求めるものなどによって、地域も選別されていくのではないかということです。

 ではでは。

Re:住宅については都心回帰が進むのでは
 投稿者---Tom氏(2002/10/15 20:42:44)

 Tomです。こんばんは。

 しかし、北側でも上野のようなキーステーションではもう少し発展しても良さそうなものですけどね。

 上野界隈には肝心なオフィスビルの適地がないように思います。成田には一本でいけるし上野−東京連絡線が出来れば品川1回乗換えで(モノレールなら現在でも一発だが)より短時間で羽田と結ばれるし、横浜とも短時間で結ばれるようにはなりますが、再開発をしないといかんともしがたいと思います。

 週刊住宅情報は私もよく見ています(実際には当分縁のない話ですが、半分趣味で読んでいます)。
(中略)
 ただ、23区内での住宅需要が一律に同じぐらい増加しているかというとそんなことはなく、沿線によってかなりの格差が見られます。大雑把にに言ってしまうと西高東低ですよね。

 この為に以前ならば埼玉・千葉のマンションを買っていた層が23区でも比較的安価で都心に近い江東区や江戸川区にマンションを買い求めているわけで、結果として小学校増設問題が生じてしまっています。その為、この辺の学校や保育園の事情は郊外並みに悪化しているように見えます。

 西側についてはやはりブランドイメージが高いせいか、実際の利便性とは別のところで購入されているものと考えられます。但し、マンションの場合は地域により建物のプランが異なる為、例えば江東区で西側と同様のプラン(例えば専有100uクラスの部屋が多いマンション)を探そうとするとかなり厳しいのも事実です。購入する層が違うせいか、デベロッパーがセグメンテーションをしているようですね(大田区でも下丸子近辺だと100uマンションはごろごろしていますね。一方南六郷だとそういう物件は数少ないですし、ターゲットとする層が異なる為内装の質感も違います)。

 で、何を言いたいかというと、

***
 昔は蒲田でも70uで7000万円を越えたそうです。今は4000万以下で買えてしまう。

 神奈川県は埼玉県・千葉県と比較してブランドイメージがあるせいと、一戸建てだとまだ高いせいもあってマンションもそれなりに人気があります。また、郊外も子供を自然と触れ合わせたいと考える親御さんの人気があり、どのエリアでも一戸建てはそれなりの需要があると思います。だからこそ、このご時世でも新幹線通勤をする人がいるわけです。新幹線通勤者も家庭の事情だけではなく、ログハウスに住みたいからとか、趣味を楽しみたいとかいろいろ理由があるようで。
 但し、やはり人口密度を上げるもっとも大きな要因となるマンションの着工が減るというのは人口伸び率の鈍化を意味するものと思います。

 都心回帰という大きなファンダメンタルズの変化があるとはいえ、どこでも建てれば売れる時代ではなく、自分のライフスタイルや住宅に求めるものなどによって、地域も選別されていくのではないか

 おっしゃる通りだと思います。

 最後に、このスレの本論に対するかまにしさんの意見に関して

  1. 東京圏の人口については微増するが、少子化とあいまって以前ほどの伸びはない

  2. また、住宅価格の下落により、通勤時間を短縮したい層は23区、それも(収入に応じて)より都心に近い区、または勤務先と対比してより通いやすい所に居住する。

  3. 趣味や生活環境を重視する層にとっては、イメージや実際の環境に基づいて居住地を選ぶ

 こんな傾向になっていくものと思います。
 特に2.については快適通勤という意味での鉄道会社の努力が反映される可能性があり、また3.については沿線の調和ある開発という意味で鉄道会社と自治体・デベロッパーの協力が欠かせないでしょう。

首都圏はクレープ/東京都心はそのトッピング
 投稿者---和寒氏(2002/10/17 07:24:15) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 たいへん興味深い提言だと認識します。

 サンシャイン60最上階や恵比寿ガーデンプレイス高層の飲食店街から周囲を見渡すと、東京には実は高層建築が少ないことがよくわかります。
 低層住宅地が都心から郊外まで延々と開発され、高層マンションやオフィス街はその中にぽつりぽつりと浮かんでいる感じです。これを喩えると、表題のようになるわけですが。
 住宅地が外延化していったのは、開発しやすい土地を求めた、というだけのことにすぎません。ニュータウンが都心から遠い郊外にある理由は、広大な用地を確保するための制約にあるともいえます。
 そして今日、開発余地は都心に戻ってきました。オフィス都心回帰と既存会社の郊外移転は、双方向の流れを惹起するものであり、鉄道にとってはよいことですし、また利用者にとっても混雑の負荷が下がります。
 その一方で、都心近くの超高層マンションの成立は、相対的に既存低層住宅地の魅力を減じることになります。これらの住宅地がどのように姿を改めていくのか、交通にどのような影響を及ぼすのか、私も強い興味を持っております。

Re:首都圏はクレープ/東京都心はそのトッピング
 投稿者---とも氏(2002/10/17 10:03:34) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 サンシャイン60最上階や恵比寿ガーデンプレイス高層の飲食店街から周囲を見渡すと、東京には実は高層建築が少ないことがよくわかります。
 低層住宅地が都心から郊外まで延々と開発され、高層マンションやオフィス街はその中にぽつりぽつりと浮かんでいる感じです。これを喩えると、表題のようになるわけですが。

 巧い喩えですね。
 確かにクレープの上にトッピングされた東京都心と、塗られた生クリームのような低層住宅地でしょうか。

 住宅地が外延化していったのは、開発しやすい土地を求めた、というだけのことにすぎません。ニュータウンが都心から遠い郊外にある理由は、広大な用地を確保するための制約にあるともいえます。

 もう一つあるとすれば中高層住宅の整備が遅れたことにより低層高密度というタイプの開発が進んでしまったことがあります。
 中高層(なにも超高層の必要はない)のマンションやアパートでカバーできればよかったんですが、それがないためにどうしても分散傾向になります。
 東京の場合、フリンジというかバリアになるものが無いため、その外側への拡大が容易です。心理的な障害も少ない。
 よって、都市計画として厳しいバッファをかける思想が無い以上どうしたって郊外への発展が進みます。いわゆるドーナツ化現象ではなく、空洞化を招かない形での無制約な拡大という世界でも希な都市の発展形態といえます。
 極論ですが、東南アジアや南米ではスラム的な低層住宅地が広大に広がりますが、それに近い現象といえます。ただ、それがスラム的な貧困による集中形態ではなく、「高速鉄道」という世界でもおそらく東京にしかないであろう超高度な交通サービス網の整備による開発余地の拡大によるものという考え方ができます(実際、鉄道が不便な地域は未だ都心20km圏内でも開発されていないし、50km圏で見れば明らかに差がある)。

 そして今日、開発余地は都心に戻ってきました。オフィス都心回帰と既存会社の郊外移転は、双方向の流れを惹起するものであり、鉄道にとってはよいことですし、また利用者にとっても混雑の負荷が下がります。
 その一方で、都心近くの超高層マンションの成立は、相対的に既存低層住宅地の魅力を減じることになります。これらの住宅地がどのように姿を改めていくのか、交通にどのような影響を及ぼすのか、私も強い興味を持っております。

 これが最大の課題でしょう。低層住宅の反発的なものとしての超高層マンションというのはいくらなんでもです。
 中高層、つまり6〜15階建て程度の中層マンションなどの供給ですむのならばそれも一案です。
 下手に空地を確保してペンシル型のマンションをポコポコ建てるよりも、壁面線とスカイラインを統一してヨーロッパやアメリカのアパートメントスタイルにしてしまうのも一つの考え方としてありえます。
 この辺は突き詰めると都市論になりますので直接的に交通に関係はありませんが。

 企業の分散化と都心居住の推進は交通にとっては一種のTDM効果が期待できます。まさに需要側でのコントロールですから。しかも移動トリップそのものの総数に変化がなければ、交通機関の経営への影響も抑えられます。
 企業の分散も地方都市で行われているようなバラけたものではなく、集約がないと低需要導線の拡大となり非常に非効率かつ無駄なものになります。よって、都心+拠点集約型の核都市形態にすることで相当な混雑などの負荷軽減は可能になりますし、都市全体で見ての効率化にも寄与できます。
 その場合、業態により適切な分布・集約がはかれるような政策的誘導が必要でしょう。交通機関経営や交通機関整備にあたっても、集約−集約の形態は理想的です。仮に職住近接を強く訴えすぎた場合、郊外−都心という流れが希薄になり、郊外のスプロールを引き起こします。これはきわめて憂うべき事態となりますし、また交通機関における都心内負荷の過剰な増大という問題が生じます。

 たとえば、都心集中が進みすぎた場合、山手線や大江戸線の負荷増大とともに、郊外電車の衰退が始まります。
 その場合、郊外のスプロールにつながり、土地のデフレが発生することで、郊外地の無秩序な開発が行われるおそれすら否定できません。

 逆に適切な分散が図れた場合、拠点−都心を結ぶ路線、たとえば東海道線や宇都宮線、総武線、中央線は需要が増大します。ただし、その需要はこれまで空気輸送であった供給過剰を埋めるものになり、鉄道事業としては効率があがることになります(現にさいたま新都心で宇都宮・高崎線下り方向需要が増大しましたし、横浜のMM開発で横浜方面への需要増大が図れています。幕張や立川の育成も同様の効果を生んでいますね)。
 また、環状方向導線である武蔵野線や南武線などの需要増大などの展開も期待できます。

 では強制的なオフィス削減策や分散化策を取った場合どうなるでしょうか。
 おそらく低需要導線が入り乱れる形になり、鉄道需要は激減します。
 つまり、鉄道での移動に際し、乗り換えの増大や過度の集中などが生じてしまうため鉄道離れが一気に加速し、あっという間に自動車分担率の向上につながります。
 せっかくの東京の公共交通利便というメリットを殺ぐ結果になりかねません。

 この微妙なバランスをいかに確保するか、そこですね。
 たとえば研究・開発系の郊外移転、商業と業務のミックスによる人流の活発化、住居系のソーシャルミックスによる地域格差の是正と商業店舗などとの一体化による人流確保などにより、鉄道にとっても重方向の低減とともに逆需要喚起による効率化が図れますから、プラスになると考えられます。

 最近の都心開発においては住宅と業務のミックス形態が一般的ですが、これが都心だけではなく、郊外地においても行われるような事態が生じることが必要でしょう。
 結果的にここがポイントに感じます。

 公共交通優先型都市開発というと実に耳障りがいいのですが、東京は言ってみればこの開発形態になっています。それが過度に行き過ぎるがあまり分散がない集中型になりつつあります。
 そこの是正が自然と始まったのでしょう。

 鉄道問題ではなく都市問題になってますが。(苦笑)
 ではでは。

都心回帰で、住宅・業務ミックスの郊外開発は難しくないか?
 投稿者---かまにし氏(2002/10/17 16:52:10)

 かまにしです。

 巧い喩えですね。
 確かにクレープの上にトッピングされた東京都心と、塗られた生クリームのような低層住宅地でしょうか。

 なるほど、非常に分かりやすいですね。

***
 東京は、明らかに「高速鉄道」の発展がその都市構造を規定してきたといえ、実質的にはこれまでずっと「公共交通優先型都市開発」をやってきたということですね。それが特に意識されずに自然にできたのは、東京圏内の通勤・通学を中心としたトリップにおいて、公共交通(特に鉄道)が他の交通モードに比べて圧倒的に有利だったからということでしょうか。それが、地価の下落でより条件の良い地域に安く不動産を買うことができるようになったから、東京圏は全体的に再び「集中化」する傾向にあるのかなと思います。

 しかし、ともさんは都心で行なわれている住宅と業務をミックスした都市開発を郊外でも行なうべきだとおっしゃっていますが、地価が下落して都心回帰が進んでいるこのご時世に、果たしてそれが成功するのでしょうか?もちろん横浜MMや幕張のようにある程度成功している例もありますが、住宅と業務をミックスさせた開発でも、千葉NTなどは失敗したとも言えないけど、成功したとも言い難い中途半端さです。

 また都市開発でも、自治体や都市公団のような官主導のもの(さいたま新都心・幕張新都心など)と、鉄道事業者やディベロッパーのような民主導のもの(府中・相模大野・上大岡など)とでも、また違うような気がします。

 というわけで、個人的には「成功する郊外都市開発の条件は何か?」ということも含めて議論したいと思い、つついてみました。相変わらず、文章分かりにくいかもしれませんが。。。

郊外開発と言うよりも核都市発展
 投稿者---とも氏(2002/10/18 16:26:24) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

●東京は集中傾向にあるのか?
 東京の場合には、先にも書きましたように鉄道による高速大量輸送に支えられた一極集中型の都市構造になっています。その上で居住地域は鉄道沿線に広がる形態です。この場合、仮に地価が下がる、もしくは都市再生なりのリストラがされたとして都心内において居住スペースが生み出されたとしても、過度の集中を招くということに直接的にはつながりません。
 なぜなら、すでに郊外に居住をしている永住層が居る以上、その永住層がその土地を捨てて都心に住居を購入することは地価下落による資産目減りが生じることから容易ではなく、過度の集中は発生しません(鉄道が無くならない以上、資産デフレによる価値の減少はあっても、直接的な利便性の低下につながらないため転居する必要性がないので、それに伴う店舗の削減なども考えられない)。
 よって、都心居住においてはマンションなどの集合住宅指向のうち、初めて買う一次購買層、もしくは初めての買い換えを行う二次購買層がターゲットになり、ある程度限られたモノと考えるのが適切でしょう。
 また、都心部への良好な賃貸住宅の整備によるソーシャルミックス実現も可能であり、やり方次第ではありますが、集中は過渡的なものと考えるのが正解と思われます。

●郊外開発は必要か
 東京都心への回帰が生じているのは確かですし、過去にないほどの都心居住指向が見られるのもまた事実です。
しかし、企業の郊外移転、特に研究所や開発部門の移転や顧客サービス部門などの郊外移転はめざましく、こういった企業の郊外展開は本社機能が都心に残ったとしても、その他の技術・営業・サービス機能が郊外に移る流れは変わらないと考えられます。
 なぜなら、広大な敷地や職住近接などの環境を求められる研究・開発部門においては東京都心部の状況は好ましいといえず、やはり郊外展開を求める傾向が強いです。
 また、顧客サービス部門などはマンパワーを要しますので、郊外の宅地に隣接する地域に設けることで、主婦層などの比較安価かつ良質な労働力をパートタイムなどによって雇用することができるなどのメリットもあります。
 こういった流れがある中で、都心回帰であるからとして郊外の職住開発を行わないというのは過去の東京の発展形態をもう一度トレースすることになり、これまでは人口流入による都市の拡大と一体になることでスプロールを免れていた(=いわゆるドーナツ化現象ではなく純粋にクレープのように広がっていく形態)のが、今度は人口増加が期待できないのですからスプロールに変化することが考えられます。
 よって、適切な開発誘導を行わなくては企業ニーズに答えられず、これまで築き上げたせっかくの公共交通(鉄道)優位型都市形態が崩れてしまいます。
 ですから適切な分散と集中を行えるように、郊外の拠点=核都市を育成し、そこを郊外拠点として整備していくという発想が求められると考えられます。
 これは鉄道事業者から見れば朝晩のラッシュにおける逆需要喚起と混雑緩和、日中の業務流動や私事流動の増加、環状方向流動や都心通過流動などの新たな流れによる新規需要開拓の可能性など様々なメリットがあります。
 職住近接だとしても、対都心への一方向の需要動態ではピーク時供給量が莫大となり、複眼構造的な適切な分散がある方が需給バランスが確保しやすくなります。
 もう一つの問題として東京特有の問題である都心外縁の木造密集市街地(木密)エリアの対策があります。戦後低価格住居帯として発展したわけですが、道路が狭くまた木造住宅が密集している低利用状況に代わりはありません。こういったところでは共同立て替え(コーポラティブ)や低層マンションなどによる集約化を図ることなどで良好な都市環境を形成する必要があります。
 しかし、このエリアにおいては高層マンションなどによる大規模開発は望まれず、比較的中低層なものにしなくてはなりません。
 そのためには、都心一極集中圧力の是正が必要であり、中間エリアともいえるこれらの良好な改善には適切な分散をしなくてはなりません。地価下落により都心回帰が進んだとして再び地下が急激に上昇した場合、これらの地域は一気に開発圧力をうけてしまいます。
 それよりも、郊外との適切な集中分散により、都心の開発にメリハリを持たせる誘導策を敷く方が、理にかなうと考えますが、いかがでしょうか。

●郊外開発は成功か否か
 都市開発はある程度長いスパンでの判断が求められます。横浜や幕張はそれなりの成功例ですが、それでも業務立地の問題は残っており、強く批判が発生しているのもまた事実です。
 多摩NTや千葉NTは都市開発思想の前に、基盤整備での躓き(業務系を呼び込むのなら道路は不可欠)が見られる上に、そもそものターゲットが研究・開発指向であり、成功したとは早い段階で判断することはできないモノと考えられます。
 また、判断基準の設定も難しいです。企業立地が進み、単に開発費用の回収ができれば成功なのか、開発費用の回収は困難でも周辺に波及効果があって、新たな居住地域などにより良好な都市環境が合わせて整備されれば成功なのか。一概に判断できるモノではないと考えられます。

 上大岡や府中と横浜を同列で比較しようにもあまりにも差がある上にターゲットや中身も違いますから比較になりませんが、デベロッパーによる差というものは実質的には少ないと考えられます。
 なぜなら、純粋民間主導開発など本当に限られておりますし、基本的には何らかの公的セクターとのジョイントでの整備がされているでしょう。
 その上で、差はなにかといえば、やはりキーテナントとコンセプトと時期でしょうね。

 さいたま新都心は地味ながらも発展していますが、あそこは主たるキーテナントが国の機関であったのが大きいです。これだけ不景気でも必ず移転をしてもらえるわけですから。おかげでスタートダッシュが効き、街として着々と発展しています。
 お台場はフジテレビや商業店舗によるイメージアップが結果的にビジネス需要の引き込みに成功しましたし、幕張はメッセという世界有数のコンベンション施設と、それに付帯する海外企業の窓口が一つのキーになっています。
 時期的なものでは、バブル景気に巧く乗りながらも堅実に開発できた横浜MMは一歩ぬきんでていますし、バブルに乗れず、結果的に未だ未利用地を多数有してしまっている新川崎とは大違いです。
 コンセプトではさいたま新都心が一歩出ていますが、ビール工場の跡地からフード系をコンセプトにできた恵比寿ガーデンプレイス等も見方によってはコンセプトの優秀さではないでしょうか。

 せっかくの世界的に見て希な鉄道優位の都市構造を活かさない手はないですし、そのためには都市のリストラも多面性を持たせなくてはなりません。
 しかし、今は住民エゴ的な発想での高層ビル建設論&反対論に終始してしまい、交通や環境面を広く大きなエリアから見ての発想が乏しいように感じます。
 この辺は極めて難しい話ですし、単に鉄道発展論でもないですから難しいのですが・・・

 まとまりませんが。ではでは。

クレープから目玉焼き(それもたくさんの目がある)へ
 投稿者---和寒氏(2002/10/19 01:01:45) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 論じる甲斐のあるテーマですね。とはいえあまりにも広汎な内容ですから、あまり逸脱しないよう、心がけて記したいと思います。

■クレープ型開発の根っこ
 日本経済が高度成長していく過程において、大都市圏に人口が集中しました。ここで、大都市圏の社会基盤が充分に整っていなければ、人口集中はより狭い範囲により高密度に進んだ可能性を指摘できます。その当時の技術水準が許す限りにおいて、高層建築が追求され、より過密な人口集中がおこったかもしれません。
 現実の日本の大都市圏では、放射状の鉄道ネットワークが人口集中の初期段階から充実していました。そのため、職住を分離し、郊外の宅地から都心に通勤するという行動様式が、必然的に発展したという流れがあります。
 この現象の本質は、開発しやすい土地を求め、低層住宅地があたかもクレープのように外延化した、ということなのです。都心近傍での高層開発は、関係する権利者が多いためなのでしょう、過去にはほとんど例がありません。
 とはいえ、仮定の話として、大都市圏への人口集中と鉄道ネットワーク整備が同時並行であれば、クレープ型開発はありえなかったでしょう。交通基盤が貧弱であれば、必然的に職住近接せざるをえず、前述したような社会的抵抗を排しながら高度開発が進んでいたはずです。
 クレープ型開発は、既存の鉄道ネットワークという社会基盤があったればこそ、具現化したといえます。そのかわり、クレープ型開発により、鉄道の性格は大きく変わりました。幹線鉄道や都市間連絡鉄道から、都心への通勤を担う都市圏鉄道へと、ネットワークの質が変化したのです。

■都心回帰の反動原理
 今日では都心回帰と呼ばれる現象が見られますが、これには二つの背景があります。
 一つは、偶然ながら、広大な開発余地が都心近傍に、しかも同時期に発生していること。汐留のような再開発地もありますし、臨海副都心のような新規造成地もあります。これらの土地の供給が、都心回帰を支える要因となっています。
 もう一つは、都市型の嗜好を満たすには郊外より都心近傍に住む方が便利、と考える方が増えている、ということです。月に一度は八重洲ブックセンターで本を探したい、宝塚劇場に毎月必ず通いたい、世界的に高名な師匠について楽器を習いたい、などという嗜好を満たすに有利な住居、それは明らかに都心近傍です。かような嗜好を追求するマインドこそが、都心回帰の原動力といえます。

■郊外型開発成功の要諦とは?
 以上の流れがあるなかで、郊外型開発が成功するためには、どのような要素をとりこむべきなのか。
 これは実は難しい問いかけです。そもそも「成功」の定義からして人により(あるいは時代により)異なりますから、普遍的な解を得ることができるとは考えにくい。
 敢えて挙げるならば、新たな都心になる、都心にはなりえなくともその地域の核になる、ということでしょうか。そのためには、なんらかの形で「人が集まる魅力」を備えた街を育てなければなりません。
 さいたま新都心の優れた点は、とも様が指摘されたように、キーテナントを官公庁系としたことです。そのため事務所移転は確実に実現されましたし、初期段階からして既に人の流れも太く、魅力向上に寄与しています。
 MMはこれからの街ですが、ランドマークのオフィスにホテル、クイーンズとあわせた様々なタイプの店の集積、国際会議場、さらには大観覧車となんでもありですから、ここが横浜の顔になる可能性をも秘めています。
 幕張はその点散漫な印象があります。メッセやスタジアムは広大すぎて、イベント次第ではかえってさびしい雰囲気になります。建物は高層ですが、間隔が間延びしている感じもあり、風景としてどうにもうつろです。街全体の核になる建物がない点が、最大の弱味といえましょうか。

■開発と交通
 開発の進展が交通を規定するわけではありませんし、交通の発展が開発を導くともいえません。しかし、開発と交通には明らかに相互の関連があります。
 上記の郊外型開発が、交通にどのような影響を与えるのか。その地域の核として育てば、人の流れを片方向から双方向へと発展させるもので、おおいに良いことです。
 それぞれの街がどのように発展していくのか、またそれによりクレープ型開発の住宅地がどのように姿を改めるのか、交通にはどのような影響が及ぼされるのか、あるいは開発の方向性にインパクトを与える交通の変革はありえるのか、様々な角度から注目に値する事柄が多いようです。

 とりとめありませんが。

流動の変化
 投稿者---かもめ氏(2002/10/20 11:09:29)

 皆様、レスありがとうございます。

 元スレで私はこの問題が鉄道に与えるマイナスの影響を論じましたが、今度はプラスの影響について書こうと思います。
これらの大規模再開発の特徴として、「文化」が挙げられると思います。いままでの再開発ではあまり顧みられなかったホテル・美術館・ショップ・遊戯施設その他の充実振りには目を見張るものがあります。鉄道好きとしては汐留の旧駅舎復元も見逃せないことでしょう。そして、それらの施設を回遊するためのデッキも整備されます。
 また、開発初期の段階では「ビルそのものが観光資源になる」ことが予想されます。

 これらによって、データイムや休日にも大勢の人達が押し寄せてくることでしょう。しかも、大幅割引の定期券ではなく普通切符を購入して出かける人が多くなると思われます。これは、都市鉄道にとって永遠の課題ともいえた「昼夜格差」「平休格差」の是正に大きく貢献できるのではないでしょうか?期待したいと思います。

 そして郊外のあり方についてですが、

 敢えて挙げるならば、新たな都心になる、都心にはなりえなくともその地域の核になる、ということでしょうか。

 私が思い浮かべるのは立川ですかね。モノレールの駅を離すという「痛み」がその一因とはいえ、百貨店の増改築も相次ぎ明らかに活気が出てまいりました。

 郊外路線でも東急・京王と西武・東武の間で乗客数に明暗が分かれているように、これからは選別がいっそう厳しくなると思います。これからの郊外はその地域での一つの核になる、あるいは八千代緑ヶ丘のように住環境に特化する、といった味付けが必要になるのかもしれません。

Re:流動の変化
 投稿者---とも氏(2002/10/21 18:15:33) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 「文化」もしくは「観光」という面で見れば東京はすでに世界でも有数の文化・観光都市であり、私事交通においても鉄道利用が活発であり、居住者・非居住者の差無く広く使われています。
 また、さらに今後、かもめさんの書かれるとおり、汐留をはじめとする開発地域によってさらにこういった需要は増大するでしょう。

 しかし、問題はそういった私事移動需要と通勤需要のあまりのギャップの大きさです。
 まさに永遠の課題である「昼夜格差」、「平休格差」に加え、朝夕の主導線とは逆の流れ、すなわち「逆需要=方向格差」も含め是正に寄与はするでしょうが、その寄与率は小さいと考えられます。
 ここが課題です。
 東京の場合、いくら相互流動が増加していようとも通勤需要があまりに大きいため日中の需要がいくら増大しようとも昼夜格差を埋めるには至りません。
 これには都心側の需要をいくら増大させようとも通勤需要を抑える工夫をしなくては効果がありません。
 ですから郊外分散となるのですが、単に分散させるだけでは意味が無く、ある程度の集約をもたせ、通勤以外の業務導線なども誘導できるような工夫が必要です。ただ、単純に都心のオフィス需要を弱くすればいいというものでもありません。東京は世界有数の経済都市である以上、その旺盛なオフィス需要を捨ててまでの土地利用の多様化はあまり意味がありません。
オフィス需要は賄うとして、さらなる展開として考える必要があります。

 文化や観光といった私事交通の増加は鉄道事業者にとっても定期外利用の増大などで好ましいものですが、それには限界があり、また、場合によっては通勤導線との一致によるさらなる混雑悪化という懸念も拭えませんので、安易にいいとも悪いとも言いにくいとは思います。
 ただ、少なくともそれが都心を通過して、もしくは都心と関係のない新たな流動を生むようになれば、それは都市としての健全化が図れているといえますので、上手にやらないといけないのでしょう(博物館や美術館の閉館を遅くするとか、外国人観光客向けのデイパスの拡充など様々な方法はあります)。

***
 郊外においてはその特色がすでに現れています。
 沿線というよりも業務系カラーが明確です。
 たとえば、南武バレーとまでいわれるようになった先端技術拠点ともいうべき南武線沿線と都心を結ぶ東横、小田急、京王各線は昼夜間の差が、今後の発展次第では薄くなる可能性があります。
 また、事務センターなどの集積が多い川崎北部・多摩南部、流通業務系の多い東武伊勢崎線、空港関連業務ですでに逆方向導線が強い京成などが業務カラーが明確になり、それに併せて住宅供給スタイルに変化が見られる路線の典型かと思われます。

 立川の場合、結果的に土日以外の導線は未だ弱いのが現実です。
とはいえ、多摩の核として、都の多摩地区の中心拠点としての整備も進んでおり、今後の業務系の発展に期待したいです。

 商業・文化施設系だけで食っていくのはかなり厳しいですが、業務系と商業系がミックスされれば格段に違います。あとはそこまで持っていけるか。そこでしょうか。

 なんだかまとまりませんが。ではでは

汐留駅はラッチ内連絡にすべし!(←久々川島風…)
 投稿者---551planning(2002/10/15 00:41:57)

 かもめ様、お久しぶりですね(という当方もですが…)。御投稿有難うございます。
 取り急ぎピンポイントにて。

 営団南北線や都営大江戸線はようやく期待された役割を担う状況が整ったと言えるでしょう。特に大江戸線は一部時間帯においてはパンク説が実感を増してきました。

 銀座からも忽然と高層ビル群を見上げるようになり、汐留はえらいことになってきましたね。
 企業ビル群の本格稼動は来年以降になろうと思いますが、品川港南口に匹敵する受容業務地区の誕生は、この地域の交通流動に大きなインパクトを与えそう…品川との決定的な違いは、果たして新橋駅ないし汐留駅で捌き切れるのか、という懸念すら抱かせます。
 こと大江戸線では車両サイズだけでなく駅設備もスモールスケールなきらいがあり、晴海トリトンでの勝どき駅パンクで如実なものとなっているだけに、果たして汐留駅がどのようなものになるか、密かに注目しております。
 注目といえば、汐留開業は「ゆりかもめ」との連絡を果たすものでもありますが、折角ですから改札統一、両線間はラッチ内連絡を実現してもらえないでしょうかぁ…すなわち連絡運輸込みとして乗継割引も付ければ、TWR延伸に対しての有利な対抗策になろうかと。対新宿においてTWRは大崎・大井町遠回り、本数も限られます。対営団でも「ゆりかもめ」は不便なだけに(銀座線から遠い)、大江戸線経由でとあれば、都も直接増収のうえにゆりかもめ社の経営安定持続もなりましょう…TWRは対神奈川・埼玉等遠来客が乗ってくれますから…(と逃げる)。

 ここまでボロクソに(都知事にさえも)云われ続けてきた大江戸線。ついに反逆の烽火があがることになることを期待しつつ、一方でキャパが心配になってきたり…。

期待薄と思ったが…そんなぁ!
 投稿者---551planning(2002/11/18 01:24:44)

 自己レス御容赦。
 皆様行かれましたぁ?是非感想をお聞かせ下さいッ!どう思われますゥ?

 開業前から都営線各駅の「汐留乗換でお台場へ」的ポスターに煽られておりましたのでつい書き込んだ次第ですが、まあ実際は地上3F←→地下3Fということで全然期待していなかったんですが…。
 まず開業2日目の11/3の夕刻行きました。都合により個人的に想定外のパターンだった台場方面から「ゆりかもめ」でのアプローチとなりました。立客満載の新橋行きからぱらぱらと下車、ゆりかもめ駅舎は路線開業時から出来ていたため、「ゆりかもめサイズ」であることは分かっていましたが、コンコース階とのアプローチも同じ造りで少ない人数でも混む様に感じます。ラッチ自改は4つ。改札目の前からペデストリアンデッキに繋がるのも「ゆりかもめ仕様」、さて大江戸線は…というと、通路両側の階段からの乗換の由。ESは上り専用、まあ庇を介して大江戸線出入り口と直結だったのでヨシと確認し、この日は電通ビル方面まで散策、大江戸線へは2箇所あるうちの築地市場方改札を利用したので「直結具合」までは確認できず、でした。

 で、11/14の深夜に再度確認。新橋駅から「ゆりかもめ」下のデッキを進むと真正面に電通ビル。距離的には「動く歩道欲しい…」というのはゼイタク?
 電通ビルを右に折れ、デッキ伝いにゆりかもめコンコース手前へ。ここから先日確認の階段を下り、地上階からは直結の大江戸線階段へ。ここもESは上り専用。階段は途中で折れ曲がり、B1の地下広場へ。深夜なので人影も無く、明るく小奇麗な整然とした空間が逆に不気味さを感じさせるような…。先日は電通ビル側からこの公共通路に降りましたが、ゆくゆくは浅草線新橋駅方面と繋がるそうで、そうなれば地上と地下の2ルートにより回遊性が生まれそう。それまではただのだだっ広い空間で「ゼイタクな…」などと云われてしまうのかな?
 ところで、電通ビル下の地下広場とこの日降りた通路とは直接繋がっておらず、一旦B2に降りる構造になっておりまして、そこでさらに引っ掛かったのが、折角ゆりかもめコンコースからEVがそのB1地下通路まで直結しているのにB2には乗換になってしまう点、そしてその地上と結ばれるEVの接地面が地下通路より高くてわざわざスロープで結ばれている点。まあいろいろと制約があったことを伺わせるシロモノですが、逆に「何で?」と突っ込みたくなるデキバエです…。
 で階段でB2に降りると、降りた両側に方向転換して進んでようやく大江戸線改札コンコース。ラッチ6自改の評価は分かれるところですが、余裕はあるので何とか、というところ。ホームへの階段壁面には芸術作品も飾られておりました。ま、それよりも目を引く「ゲージツ作品」が先の階段部とのアプローチである両側2通路が「一方通行」になっていることでしょうか…でかでかと一方通行のサインが掲出されております。ま、入場時には自券機前に来る動線になっているので理には叶っていますが、さしずめ20mばかりのそこそこの広さの通路で一方通行制を強調する必要が…。
 なんとか辿り付いた大江戸線ホームはB3。これもやっぱり「大江戸線規格」でした。内回り線築地市場方には馬込工場での車両整備時に使う浅草線連絡線らしき部分も見えるだけに、実用性を兼ねた拠点駅構造としても良かったのでは?とも思ったり。いっそ浅草線を付け替えて表参道的な一大拠点にしても良かったのでは?と妄想を膨らませたり…。
 …そうそう、23時台後半とあって10分間隔になっていたせいか、門前仲町まで乗った際に座れなかったことを付け加えておきましょう。

***
 報道では6分ほどの乗換時間とされていますが、心理的な時間は余計掛かりそうな印象を持ちました。尤も、「降りる駅」になりそうなことからすればその視点は問題無しと出来ましょうが、そうなると今度はそのキャパがかなり気掛かりに、と思われました。

 たまたま日曜夜に見ていたTX系「日経スペシャル ガイアの夜明け」では、日本の超高層ビルプロジェクトの進化形について取り上げられていましたが、高層域での移動空間の確保という課題に対し、現状は地上域での移動空間確保すらままならないことを強く感じた次第です。

2004.11.02 Update


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