【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.340)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
 投稿者---あんぱん氏(2002/06/12 20:13:27)
 
http://www1.harenet.ne.jp/~racda/
岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
└Re:岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
 └Re:岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
└poco a poco
MOMO運転開始
 └MOMO実乗してきました
  └「MOMOレポート」拝読致しました
   └MOMOの現状
MOMOに乗って
 └MOMOの批評
  └Re:MOMOの批評

 初めまして、RACDAでホームページの製作を担当している、あんぱんと言います。

 ここの議論を読ませていただきました。大変に中身が濃く勉強になります。
 さて、いろいろな紆余曲折がありましたが、岡山にも全国で熊本、広島、岐阜、鹿児島、松山、高知、函館に続いて、全国で7番目に超低床路面電車が運行出来ることになりました。
 先月25日に岡山へ搬入されて、先日、市民募金された方を中心に試乗会も開催しました。

 この車両について、ざっと説明しますと、ご承知だと思いますがJR九州を中心にデザインを行っている水戸岡鋭治さんが岡山市出身という縁で、ボランティアでデザインをしていただきました。5年前の路面電車サミットin岡山でご承諾を頂いていたのです。

 愛称はMOMOと言います。全長18m、幅2.4mの2連接で、従来の車両が全長13m、幅2.2mでした。地上設備の大改修が必要ない最大限の大きさになりました。
 ワンマンで営業運転します。連接車としては、岐阜市内線に続き全国で2例目となり、超低床連接車としては全国で初めてになります。<鹿児島のユートラムは法的にはボギー車扱いになります。高知は土壇場で車掌乗務になってしまいました。 車内監視用魚眼レンズを天井に埋め込み、側面にはカメラを設け、鏡の設置は最小限になっています。

 話しの順序が変わりましたが、MOMOは、新潟鐵工が独自設計を施した車両で、足回りは欧州で1000両以上も実績があるボンバルディアのGTシリーズ、車体はボンバルディアが次期量産シリーズで売り出そうとしていたインチェントロの窓枠・ドアを使用しています。<ボンバルディアはインチェントロをやめてシティーランナーに統合するみたい。
 岡山では技術面では持ってきたらすぐ走れるほどの完成度の高さ、デザイン面ではユーロトラム以上という絶対条件がありましたので、
新潟鐵工はボンバルディア側を上手く説得し、良い面だけを組み合わせることが出来たのです。

 水戸岡先生は、インチェントロの窓とドアを使用する制約がありましたが内装も外装も担当していただきました。乗務員の制服やらお土産品のデザインまでしていただきました。

 内装ですが、運転台のダッシュボートは一枚もの木製、車内は椅子が全て木製、床は組木細工、ブラインドは簾、今日の電車では考えられない様な素材で出来ております。
 雰囲気としては白いかもめ以上の電車がわずか100円で乗れるという感じです。
 超低床車では問題となる長さあたりの座席数ですが、チョコットベンチやラッキーシートなど定員外になりますが、十分腰掛けられる場所を設けており、座席定員以上座れる様になっています。座席定員ベースでも連接車ということで同じ座席数を確保しています。

 足回りは、熊本の9700形と同じGTの狭軌バージョンです。電気機器は、熊本市電9700形3次車と同じ構成で三菱電機製です。設計速度は70km/h程度を出す性能を持っていますが、ソフトリミットで45km/h以内で運行します。
 車輪はJR規格サイズとしており、近い将来のJR線乗り入れがスムーズに出来るべく、仕組んでいます。ただ、インバーターは名鉄の800形みたいに直流1500vに対応できていません。

 岡山の路面電車延伸構想は、かなり進んだ段階で足踏み状態になっています
 この閉塞した状況で一打逆転を目指すべく、MOMOは投入されようとしています。
 デザイン面では、米国には圧倒的な差をつけ、欧州とは互角で張り合える車両になったものと思います。

 岡電にとってもRACDAにとっても後がもはや無い状況下で投入されます。
 岡山の交通体系は変われるのでしょうか?外からどのように見えるのか意見をいただければと思います。

(参考)岡山における軌道交通についての私案 log303.html
【LRT】岡山でも交通実験・結果は如何に? log315.html#3
岡山電軌探訪記 log329.html#2

Re:岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
 投稿者---KAZ氏(2002/06/13 00:29:50)

 どうもです。

 岡山はかなり以前から活発な討論が行われていたのに、ここにきて足踏みが続いているのが惜しいところですね。市の計画も合理的ですしRACDA案も実現すれば市民生活にかなりのインパクトがあるものですしね。

 今日は突っ込んだ話は別として、MOMO自体には非常に興味をそそられますね。幸いに私は姫路在住なので岡山は遠くない場所ですから7月の営業開始の際には是非体験乗車をしたいと考えています。ちょこっとベンチがどんなものなのか、興味津々です(笑)。

Re:岡山にOLRV「MOMO」が投入されます。
 投稿者---とも氏(2002/06/13 23:31:41) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 岡山のLRVは興味がありますね。
 特に岡山はヨーロッパ型都市内LRTに近いシステムを構築する余地があるでしょうし、ある種の期待を持っています。

 とはいえ懸念もあります。
 せっかくの低床式路面電車も広島のように乗降でまごつくようだとなんとももったいないものになります。いかにして簡素で解りやすい料金収受ができるかですね。

 さらには中心核が比較的分散傾向ですから導線と車両導入のマッチングも難しそうです。
 とはいえ、先進都市ですから期待をしております。昨今のLRTに対する問題は、効率的でユニバーサルな交通機関としてのLRTや基幹バスなどの都市交通システムの産みの苦しみであることを祈りつつ・・・

 ではでは

poco a poco
 投稿者---和寒氏(2002/06/15 10:37:44) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 和寒と申します。
 理想と現実のはざまで様々な努力をされていることに、敬意を表します。

 岡山の路面電車延伸構想は、かなり進んだ段階で足踏み状態になっています
 この閉塞した状況で一打逆転を目指すべく、MOMOは投入されようとしています。
 デザイン面では、米国には圧倒的な差をつけ、欧州とは互角で張り合える車両になったものと思います。
 岡電にとってもRACDAにとっても後がもはや無い状況下で投入されます。
 岡山の交通体系は変われるのでしょうか?外からどのように見えるのか意見をいただければと思います。

→この文面を一読して思いますのは、あまり気負わなくてもいいのでは、ということです。
 岡山の路面電車のグレードが高いことはよく知られていますが、そのグレードの中にあってもこのたびの新車はよく目立つと思います。
 ただし、超低床車は活かし方が難しい車両です。熊本においても、せっかく超低床車を導入しておきながら、電停の幅が狭く、車椅子では乗降できない箇所があります。岡山の場合、幅員の狭い道路をいく区間があったはずで、このあたりではせっかくの超低床も万全に機能しないおそれがあります。
 この弱点を除けば、超低床車は路面電車のランドマークたりえるものです。表題のとおり、少しずつ地歩を固めていくのがよいのだと、思います。それに足るだけの素晴らしい車両だと、写真を見て感じました。

 ただ気になりますのは、超低床と将来のJR直通の整合性が、よく見えてこない点にあります。JR区間に低床ホームを設置するということでしょうか。それにしても、幹線鉄道区間に域内交通をも合流させるのは、あまり合理的ではないように思われます。
 路面電車は都市交通のツールです。これをどのように活かしていくか、基本的な思想の整理が必要かと思われます。
 岡山の場合、路線長が短いという特徴があります。これを弱点と見て路線の拡大を図るのか、それとも長所と見て都心回遊型に徹する(若干の路線沿線はありえるでしょう)のか、このあたりの判断をよく突き詰めていくと、この新車の活かし方が見えてくるような気がします。

 岡山にはあまり詳しくないので、第三者の直感として、述べました。的外れであれば御容赦ください。

MOMO運転開始
 投稿者---あんぱん氏(2002/07/11 21:08:26) http://homepage1.nifty.com/m-fujii/

 遅くなって申し訳ありません。

 7月5日より無事、MOMOは営業運転を開始することになりました。1編成しかないので、曜日によって運行系統が違うのですが、路線の短さも手伝い片道毎時1〜2本の運行が出来ます。

 車椅子の乗降ですが、道路幅の関係で路面から直接乗降を余儀なくされている小橋と中納言以外、全ての電停で今年度中の完成を目指してバリアフリー工事が行われています。曲線との関係で隙間がある箇所がありますが、だいたい3cm以内の隙間に抑えられています。
 幸いにして、今回の電停バリアフリー化工事では、基本的な工事費は全て道路管理者である国と県が全て負担していただきました。道路構造令が改正されて路面電車関連施設が道路の一部として正式に認められたのでこのようなことが出来ました。

 超低床車MOMOが走り始めたことまでは、良かったと思います。さて、この先の展開が今一つなのです。市役所筋の延伸はあれほど議論を行い実験も行い物理的な問題は解決できたのに、岡山市の負担だけで20億円を越える多額の工事費がネックになっています。市民全体の賛意も今ひとつの状況で、市長はなかなかGoサインを出しません。機会あるごろに郊外との直通をと市長は言っております。都心空洞化が進みすぎて票に結びつかないのでしょう。

 その中で岡山国体が2005年に開催されることになり、メイン会場のアクセスとなる岡山駅西口をJR吉備線・津山線ホームを潰し、在来線駅舎を橋上化した上で、駅前広場を大幅に拡大する計画が進みつつあります。津山線ホームは山陽線ホームが代替として使用できますが、吉備線についてはどこにも行き場がありません。
 その吉備線は10年以上前から沿線から電化による30分ヘッドから20分ヘッドへの増発・スピードアップが要望として出ております。トンネルがないことから比較的安価に電化出来るものと思います。他の路線との直通運転もほとんど無く、都市間幹線輸送よりも都市近郊輸送が中心なのです。

 実は岡山駅南に新たな4車線の跨線橋を建設中で、吉備線と岡電との連絡線が建設可能ではと思います。直流600v電化を行い、同時に低床LRTへ駅設備を改修することで、岡電と吉備線を直通運転させることが可能ではと企んでいます。

 吉備線電化により岡山地区の気動車車両数が大幅に減少します。岡山駅構内に隣接している岡山電車区気動車センターを敷地と設備に余裕がある津山へ移転させて、跡地開発が出来れば、吉備線電化の原資ぐらい生み出せるものと期待しています。

 最後に1つの宣伝を。RACDAでは8月末までプラットホームMOMOというMOMOグッズ専門店をオープンしておりますので、ぜひともおいでください。

MOMO実乗してきました
 投稿者---KAZ氏(2002/07/14 02:15:09)  http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/momo/

 岡電のMOMO、乗ってきました。なかなか良くできた電車です。狭軌でよくあそこまで通路幅を確保できたと思いますね。あと内装や座席の特徴は、新しい車内のコミュニケーション空間を創出しているようで、色々な意味で「新しい」車輌でした。あれにわずか100円(都心部)で乗れる岡山市民が羨ましい(笑)。市内の移動がより楽しくなる「演出」としては最高のものだと思います。
 非常に稚拙ですがレポートをまとめてみました。良ければごらん下さい。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/momo/

「MOMOレポート」拝読致しました
 投稿者---551planning(2002/07/14 16:36:09)

 KAZ様、こんにちは。「MOMOレポート」拝読致しました。クリアな写真ともども非常に分かりやすく、勉強になります。

 で、まず登場は15分遅れですか…ま、デビュー直後もあろうかとは思いますが、運賃収受がやはりネックとして残ろうかと改めて感じました。インテリアには巧みな和装、着席の発想の転換が成功している様を見ることができますが、これまた「車内通行」を余儀なくされる日本の運賃収受システムの中にあってどう出てくるかが今後の焦点のひとつになりそうな感じを受けます。
 ポストという発想は面白い!まあ茶々を入れるなら「切手売ってるの?」ということになりますが、実用的なアイテムへの可能性はありえるかなと思います。

 RACDAの活動の方向性ともども、将来を期待する車輌の予感が伝わってきました…当方も早く実車を見たい〜!

MOMOの現状
 投稿者---あんぱん氏(2002/07/17 02:52:34) http://www1.harenet.ne.jp/~racda/

 ご乗車いただきありがとうございました。
 KAZさんの写真は雰囲気を上手く捉えていて凄いですね。

 MOMOですが、今週から本当の意味でのワンマン運行になっています。
 5日の運行開始からしばらくは指導運転士役の方がずっと付き添いで運行しておりました。
 従来の車両とは運転方法が全く違うので、どうしても仕方なかった面がありました。他の遅れ要因は車両サイズが幅も長さも大きいことからどうしても慎重に運転していることと、停車位置が従来車両とは違い、しかも電停には岡電独特の転落防止柵があることから、停車のやり直しが相次いだこと。
 運転士の慣れにより、ほぼ定時運行が出来る様になりました。広電がムーバー導入時に一ヶ月ぐらいダイヤが乱れまくったことを思うと、かなり早い段階で平常に戻ったと思います。
 従来よりも車両サイズが13mから18mになり、格段に輸送力は向上していますので、学生が一杯集中しても積み残しは全くありません。
 これで、超低床路面電車の連接車では、日本で初めてワンマン運転が始まったことになります。連接車のワンマン運転は岐阜に続いて2例目となります。

 さて、問題にされた運賃授受ですが、いままでの岡電では前後扉の客扱いだったものが、MOMOでは前中扉となり多客時には乗客動線の錯綜が起きていること。さらに、並行する宇野バスが並行区間で100円区間を設けた為、岡電も均一運賃から区間運賃となって、前乗り後降りから後乗り前降りとなり、この面でも客扱い時分が伸びる要因になっています。

 ちなみに岡電は日本で一番表定速度が遅い路面電車なのですが、その要因を分析すると、客扱いに手間取ることよりも、停車時間の半分以上が信号待ちや右折車による進路妨害、軌道敷内の自動車走行(岡電では一箇所も認められている箇所はありません)です。
 運賃授受をより簡便にして客扱いを時間短縮することは必要ですが、それよりも路面電車優先の交通規制を導入する方が遙かに効果が大きいと思います。

 路面電車がある交差点で右折車待機レーンがあるところでは全方向矢印式信号を導入し、一方で右折車待機が出来ない狭い道路では右折禁止にするだけでも、大幅に時間短縮が出来ます。また、トロリーコンダクターを使って、電車接近を感知して、信号タイミングの変更を行うだけでも、かなりの効果があるはずです。
 また、路面電車の軌道敷内での取り締まりをきちんと行っていただきたいものです。

 岡山県や岡山市、国土交通省は、路面電車に対して積極的に支援はしているのですが、交通規制を行う警察が路面電車に対して、とても冷たい姿勢なので、路面電車が日本で一番遅い現状はなかなか変えることが出来ません。
 広電では、警察を味方に引きつけることが出来たので、路面電車の再生が出来たのです。

 岡山ではノーガード電停で乗客が多数跳ねられる事故が起きても交通規制が地元の意向ではほとんど変えられないのです。外国ではどうなのでしょうか?

MOMOに乗って
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/07/28 18:21:29) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 あんぱんさん、ご無沙汰しています。当掲示板でも8月4日に急遽試乗オフを実施ということですが、不幸にもその日は都合が悪いので7月27日に岡山を訪れましたので、私なりの乗車記と感想を以下鏤々述べさせて頂きます。

***
 中国山地を巡った帰りの16時過ぎ、電車乗り場に行くと、幸運にもMOMOこと9200形が停車中でした。MOMO運行専用の時刻表を見ると16時は3分と43分ですが、少し遅れているようです。ホームでは何人かがカメラを構え、じっくり見る間も無く「間もなく発車」のアナウンスに促されて車内に入ると、座席はほぼ埋まっており立ち客がちらほらという感じ。同好の士も数人いましたが、大半は日常利用のようです。
 連結部分のハイベンチが空いていたので座りましたが、まさに心持ち程度で、座れてラッキーというコンセプトは正鵠でしょう。

 お馴染みの釣りかけのサウンドとは程遠い電子音のようなサウンドで動き出しました。ポイントを渡る際の様子は、単車がカクッと振り回すような曲がり方なのに対し、今までに無い感覚というかゆらりとした印象です。
 連結部分にはポストがあり、ラックには岡山国体の絵葉書がさしてありました。記念スタンプがありましたが、切手にスタンプをしないようにという注意は、ややもすると記念風景印と勘違いされかねないだけに大切です。窓上には募金者の名簿。連結面の長押には新潟鉄工とADトランツ、そしてドーン研究所の水戸岡鋭治氏のサインなどのインレタもありました。

 柳川の交差点を過ぎ、シンフォニーホールなど中心街の城下で半分以上が下車。ここで後部の座席が空いたので移りました。
 ふと見上げると噂の簾仕立ての日よけが目に入り、引いてみましたが、大きな窓ということもあり、一番下まで引かないと使えません。まあ無くても気にはならないものであり、気休めというより遊び心として余裕を楽しむべきなんでしょう。
 ちなみに気になる耐火性ですが、「日本防炎協会」の認証が入っており、そのあたりは抜かりないようです。

 低床車ゆえ視点が低く、電車というより乗用車を運転しているような感覚です。西大寺町を左折すると町角で集う人と視線の高さが一緒というのも新鮮です。京橋、中橋、小橋と渡ると小橋、中納言のいわゆるノーガード電停。事故があった小橋の場合、中銀支店の軒先に待ち合いスペースが出来ており、歩道で待つことを強調している反面、クルマ側にも電車への注意を促しているのが昨年の来訪時と異なっている点でした。この2つの電停は利用がそれなりにあるだけに苦しいところです。

 ほどなく終点東山。電車は左手の車庫に入りましたが、何人かはすぐに岡山行きのホームに動き、帰りを迎え撃つようです。実は西大寺町あたりから2台続行のようになっており、東山では3台続行になってしまいました。
 で、その次の電車が入庫するかと見ていたら、やおら道路上で機敏にエンド交換して岡山行きになりました。もちろん見送りですが、どうも次発もその気配が濃厚で、それならばと河岸を替えて中納言まで歩きましたが、東山→岡山駅→東山の往復をして、東山で時間調整をするようなので、岡山駅から往復しようとする利用の際の注意まで...

 吉備団子の廣榮堂、廣榮堂武田の前にある中納言電停。廣榮堂の軒先には電停表示と電車接近表示があります。歩いてる間に抜かれた従来車の次が読み通りMOMOでしたが、趣のある路地からあの車体が飛び出してくるのは意外感があります。
 路駐のせいで待ちづらいのですが、電車が止まると後続車は止まってくれました。ノーガード電停からの乗車も苦ではない低床で、今度は内向きのサロンベンチに座ってみました。
 ボックスの背反部もそうですが、サロンベンチと窓の間もデッドスペースで荷物置きになっています。感心したのは死角になりやすい窪みにもかかわらず、埃が無いことで、汚れやすい木製品多用の車両というのに、手入れや清掃がしっかりしており、岡山電軌のMOMOへの想いが見て取れました。

 県庁通りではおじいちゃんと孫という2人連れが乗ってきましたが、おじいちゃんは「やっと乗れた」を連発、この暑い最中にMOMOに乗るために相当待ったようです。西大寺町でも歩道で手を振る親子連れがおり、街の人気者です。
 城下では若い女性が集団で乗ってきました。前回は大正琴のイベントのおかげでご老人の集団でしたが、今日は華やかです(笑)シンフォニーホールの右隣に「プラットフォームMOMO」が見えたので、次の柳川で降りました。城下下車がいいんですが、城下での対応を見たかったので...
 混んでるので早々に最前部の降車口に移動しました。路面電車といえば簡単な制御器とブレーキくらいが相場ですが、MOMOは全然違います。車内外のモニターに制御も左右ではなく前後軸と斬新で、まだ不慣れなのか女性運転手には添乗員がついており、時折質問のやり取りも...

 柳川で降りてプラットフォームMOMOへ。キャラクターグッズなどのアンテナショップですが、入った瞬間あちこちからいらっしゃいませの声。客と見えたのも関係者のようで、「グッズや案内がございます」と懇切丁寧な案内を受けました。
 結局子供用に「ぷるぷる」を、そして絵葉書を買いましたが、絵葉書は水戸岡ワールドと市内名所バージョンの2種。どちらも水戸岡デザインです。
 「MOMOのじかん」と題した携帯時刻表をサービスされましたが、8月一杯までの時限ショップとはもったいないです。時間があったら是非立ち寄ってみたいところです。8月にはチョロQも出るようですし。
 そのあと岡山駅から戻ってきたMOMOに城下から門田屋敷まで乗り、従来車で帰りました。

***
 さて、1往復半した感想です。
 良く出来た、そして都市の装置として遊び心の詰まった楽しい電車であることは事実です。しかし、ある程度予想していたことではありますが、問題点も少なからず目に付いたことも事実です。特に岡山電軌の特性と背反する部分もあることはある意味深刻で、車両だけでないトータルデザインとして岡山電軌を見た場合、MOMOの存在が必ずしも総合的にプラスに働くとは限らないです。
 岡山電軌とサポーターの方々の取り組みのレベルが群を抜いているだけに、敢えて苦言中心に述べていきたいと思います。

●短時間乗降に向いていない車両
 低床車の宿命で、突起物が多い上に狭軌なので余裕が無いのは分かりますが、短時間で乗車口から降車口への移動を宿命付けられた路線での使用を考えると、動線と構造がマッチしていません。
 つまり、島式ホームが多いのに、島式の場合は乗降とも前の車両に偏るのです。貫通路は広めに造ってますが、貫通部分を越えて出口と逆に進む心理的抵抗感に加えて、整理券発行機およびカードリーダー、さらには遺憾ながらポストも含めて物理的障壁になっており、収容力の半分がデッドスペースになっています。

 また、車内の見取りをすっきりさせたのはいいんですが、握り棒の設置箇所に偏りがあり、悪いことに乗車口付近にしか事実上無いため、ただでさえ滞留しがちな立客が動きません。このあたりは城下での岡山行きの乗降で顕著であり、従来車は最後部からの乗車ですから、そのまま車内を最前部に向かうため、前から効率的に詰まっていくのと好対照です。

●座席の居住性
 全線乗っても10分ちょいですからあれこれ言うレベルではありません。ただ、ラッキーベンチやチョコットベンチを実際に活用する人は少なく、逆にそこに座ると通路移動の支障になることもあり、1+2列にするか、1+1にして立ち客スペースに充てるほうが良かったです。
 クッションと無縁な木のベンチですが、意外と振動を拾います。特に城下−県庁通りの渡り線のところでの振動は結構堪えました。今後、乗車時間が延びる方向での展開を考えるのであれば、この居住性は見直さないといけないでしょう。

●バリアフリーなどへの疑問
 停留所での段差はほとんど無く、ノーガード電停でもかなりのものです。
 ただ、気になったのは優先席表示が1段上がるボックスにあること。サロンベンチを指定したほうがよさそうです。
 また、車椅子での乗車ですが、運転台直後の乗降スペースが指定されています。本来ここを乗車口にすればいいんですが、最後尾を車椅子に充てるための措置なんでしょう。車内の通路が狭いため、乗車口乗車、降車口降車の取り回しは困難です。
 ただ、ベビーカー利用を考えると、同じように最後尾乗降を認めてもらえないと厳しいです。通路で立客が立ったままベビーカーを交わすのは難しいです。

 あと、降車ボタンが「STOP」表示だけというのは不親切です。このあたりは水戸岡氏のデザインは何も英字だけではないので、洗練された和文表記をお願いしたいところです。それと気になったのはバスカードのカードリーダーでまごつく人の多さです。整理券発行機と同じオレンジ色というのも却って紛らわしく、かつ挿入口・挿入方法も下から入れて上から出るという「逆目」です。
 整理券はオレンジ、カードは黄色というように色を違え、挿入口には「↑カード」という表示が必要です(今の表示は「乗車時カード挿入口」と字が多すぎるうえに、隣りの「整理券」と合わせて情報が多すぎます)。バスカードを操るお年寄りが多いのは心強いですが、彼らの目線に立ったデザインもお願いしたいところです。

●電車遅延
 最初の岡山駅発も所定から2本遅れのようでしたが、東山行きが2回の乗車とも西大寺町で1本、門田屋敷では2本後ろに続行してしまうのは、MOMO固有の問題というしかないようです。運行開始から既に3週間経っており、初期の混乱とは言いがたい時期に来ていますし。
 ダンゴ運転の解消には、スジを寝かすくらいしか手はなく、こうなるとその気になれば全線歩ける規模ですから、遅れるというのは考え物です。

 MOMOの収容力はカタログデータでも単車よりも少ない(従来車80人、MOMO74人。ちなみにMOMOの座席は20人+ラッキーベンチ+チョコットベンチしかない)ので、今の状況を見る限り終日運行させることはこのままでは困難でしょう。

●MOMOの将来と吉備線
 残念ながら岡山電軌にいるという前提では、日中や土休の「花電車」的な運行がせいぜいであり、飽きられない努力を今のうちから考える必要すらあると考えます。
 その意味で、東山地区や西大寺町あたりに観光やショッピングの軸を持てれば、平面エレベーターとしての楽しい移動器具という位置づけになれるのですが。

 ところで吉備線への直通ですが、今回の試乗の前、実は総社から吉備線で到着しています。岡山到着時に40人程度の乗客でしたが、その動向を、降車客の大半が向かった地下通路において観察したところ、西口方面=ゼロ、瀬戸大橋線、本線上下がそれぞれ2〜3人で、残りは表口地下改札を出ました。
 しかし、電車乗り場への通路で見てましたが、結果としてまっすぐ向かったのはゼロでした。地下街を見て、電車で城下方面という流動もあるでしょうが、岡山駅前(表口側)でワンクッション置く行動パターンが確立されているとなると(岡山駅表口が一つの回遊スポットになっている)、直通=素通りにこだわったニーズは少なく、かつ表口に寄らない路線を敷いても利用されない可能性があります。
 あるとすれば、表口から南側の工事中の陸橋に入り、ループ状に西口によってから吉備線に入るしかなさそうですが、そのルートでも、吉備線よりも岡山大学や岡山商大のほうに向かい、郊外からのP&R(特にR53BPの終点でもある岡山商大)を狙う整備のほうがよさそうです。

 なお、吉備線で到着時に岡山駅で待っていたのは50人余り。岡山行きでもそうでしたが、岡山一極集中というわけでもなく、途中乗降もありましたし、現在の駅間・駅数をそのままという訳にもいかないでしょうから、1個列車あたりの乗客はかなりまとまったものになるでしょう。実際、利用が多いのでしょう、吉備線のワンマン運転は朝ラッシュ後から午前中までで、午後は車掌が乗務しているレベルです。
 こうなると現行30分ヘッドで50人以上の集中(発車時には100人レベルでは)ですから、15分ヘッドに倍増しても1個列車に50人強とかなり厳しいです。

 MOMOの直通どころか、実態はLRTの直通を考えると、広電宮島線レベルの対応を備中高松あたりまでは必要となりかねず、いかに吉備線とは言え、市内線との輸送力のギャップが激し過ぎるようです。私自身かつては吉備線や津山線の直通を考えていましたが、実態を見るとちょっと難しい気がしました。

MOMOの批評
 投稿者---あんぱん氏(2002/07/29 20:29:14) http://www1.harenet.ne.jp/~racda/

 これだけの電車が出来てしまうと、今後の改善点がよく分からなくなるのが現実でして、批評は大変、役に立ちます。
 ちょこっと言い訳がましいことを書かせてください。

●遅延について
 MOMOの運行は全ての運転士が担当することにしており、やはり運転士の技量差が目立ちます。車体幅が広いことで運転士が慎重に走らせていること、停車位置の変更を体が覚え込んでいない、電気ブレーキからディスクブレーキへ切り替わりの関係でブレーキ操作が従来車よりも難しい、これが現状です。
 熊本の初日みたいにクルマと激突する様なことは避けられている様です。

 GPS+パケット通信を全車両に導入して、ほほリアルタイムで運行状況が把握出来る様になりましたから、東山線では随時特発を入れている様です。主要電停に設置している運行表示板も予測データを組み込んでおり、かなり精度が高いと思います。
 スジを寝かすよりも、電車優先信号や全方向矢印信号の導入で、所要時間の半分以上を占めている交通信号による停止時間を短縮する方がより良いものと思います。

●乗り心地
 城下〜県庁通り間でのスプリングポイントが原因と思われます。速度を上げて通過すると従来車でもかなり乗り心地が酷いです。他にもスプリングポイントはありますが、電停間近なので、かなり減速しているので、問題は少ない様です。
 あと問題は清輝橋線大雲寺〜清輝橋間が全体として軌道がたいへん良くない区間で、MOMOですらかなり揺れている状況です。この区間は小手先の保守では改善が難しい状況です。共同溝工事が進んでおり、センターポール区間みたいに丸ごと軌道を入れ換える方策を進めることが出来るでしょう。

●カードシステム
 車椅子の取扱と並んで、MOMO導入では問題になったところで、結局市販品を塗り替えてシールを貼っただけで対応しております。岡電のカードシステムは、独特で、いままで全く挿入口・挿入方向を固定していなかったのです。その為、あの様な表示になったのでしょう。

 リトルダンサーを導入した各都市でもこのあたりの問題は大変苦労されている様です。
 数年以内というレベルで岡山地区でもICカードが導入できそうなので、つなぎのシステムになるでしょう。

●収容力
 この点だけはあえてきつく言わせていただきます。
 カタログデータだけを比べると間違った認識をしてしまいます。新造車体グループでも旧基準を元に定員を算出しております。立ち客1人当たりの面積は現行基準の方が広くなっています。
 座席数については、カタログデータでは20席となっていますが、最大では48人は座れるものと試算しています。ちなみにカタログデータ上ではクロスシート部分は1+1の計算となっています。また、車椅子固定ベルト設置箇所の座席はカタログデータからは省いています。

 東山で大量の小学生が集中した時も、従来車では積み残しを覚悟する人数だったにもかかわらず、MOMOでは十分に飲み込んでくれました。8月2日には京橋で花火大会があり、岡電では一番輸送人員が多い日となっています。この時にMOMOがどの様な活躍を見せてくれるのか、一つ分岐点になるものと思います。

 吉備線直通については別の機会に書かせていただきたいと思います。

Re:MOMOの批評
 投稿者---光雄氏(2002/07/29 23:46:07) http://www55.tok2.com/home/okayama12/

 皆様の投稿拝見させていただきました。
 ちょっと気になったので首を突っ込ませていただきます(申し訳ございません)。

 吉備線との直通運転の件ですが、岡山電気軌道は、現岡山駅前の一般車輌駐車場の部分に岡山電停を置く計画が進んでおります。これは、信号を渡らずにすぐに乗れる様にするためで、利便性と乗降客アップを見込んでの計画です。
 これは、市役所線・大元線・環状線の開通よりも先に建設するという計画が出ています。また、吉備線ではなくてもJR線に乗り入れるのは場所の面から考えても不可能に近いような気がします。本誌備讃線・山陽本線への乗り入れは容易かも知れませんがやはり、JR線を何本もまたぐようになれば、それなりの事業費、などもかかってきます。ですので、途中から割り込んで申し訳ないのですが、JR線への乗り入れは難しいと思います。

岡山MOMOオフ会備忘記  投稿者---551planning@管理人(2002/08/07 23:35:07)

 公開告知したからには一応御報告させて頂きますが、一言で云えば「大収穫」とでも申しましょうか…。

***
 8/4(日)正午に岡山駅前桃太郎像前での集合、当方は高知から高速バスで到着、駅前とはいえ電停よりも先のところで降ろされるのですね…。クーラーぎんぎんの車内から一歩出たところであまりの暑さに汗を拭き拭き向かいますと、すでにエル・アルコン様、とも様、光雄様が御到着、次いでさいたま市民@西浦和様が到着され、ここで駅舎内に一旦避難。遅れて来ると連絡のあったかまにし様を改札前で待ち受け、本日参加の6名が揃いました。

 自己紹介もそこそこに、とりあえず乗りましょうということで地下街経由で電停に移動、客待ち中の清輝橋行き在来車に乗り込みます。車内ではちょっとした市内観光気分。唯一地元参加の光雄様の適切なガイドが助かりました。
 清輝橋で小休止の後、柳川乗継ぎで東山へ。電停横のバッティングセンター2Fの岡電資料館を訪ねます。バッティングセンター職員に来訪の旨伝えると岡電の担当者がやってくるスタイル。わざわざ恐縮です。
 室内は先に開催されたMOMO展での「水戸岡スケッチ」の展示をはじめとしたMOMO資料のほか、開業当初からの歴史的な資料も多数展示されていました。雑な感じはしましたが好感の持てるスペースでした。

 20分くらいいたでしょうか、そろそろ行くかと部屋を出るとそこにMOMO!早速試乗会と相成ります。基本的に前車乗降というスタイルのため、後車貸切状態に。早速各部をパチリパチリ。
 辛口評価のエル・アルコン様のお気持ちも良く分かる気がします。粗さも目立たないかなりの完成度は間違いないものの、これがゴールではないからです。
 名残惜しくも城下で下車、目の前のプラットフォームMOMOを訪ねます。見かけ以上に小ぢんまりとしたスペースではオバサマが孤軍奮闘中。各種グッズを手にしつつ、三々五々買い求めます。アンケートに答えていると、「何処から来たの?」「東京からです」「わざわざ〜!MOMOは乗った?」とオバサマとの会話がスタート、丁度桃太郎祭り期間中ということから、このスペースも地域活性化の一助に始めたという経緯をお伺いしているうちに盛り上がり、「じゃあ会長呼ぼっか?」とこちらが躊躇するまもなく携帯に手が…。

 こうして思いがけずRACDA会長の岡様との面談が実現、電話から10分ほどでMOMOのTシャツを着た岡様が登場、当方が思ったよりも普通の中年オジサマという風貌、話し振りも気さくな方でした。
 我々を一瞥して「その筋」とお感じになられたのでしょう、MOMO登場までを駆け足ながら分かりやすくお話し頂きました。「僕は鉄道べったりでの意識ではない」という、あくまでまちづくりがメインであり、車両そのものに関してもそんなに意匠を凝らしたものを追求するつもりでもなかった主旨のお話は意外にも取れましたが、翻って【検証:】が比較的LRTには懐疑的な論調であることを考えればすっと受け入れられるものでより好感を抱きました。
 個人的に強く感じたのは「清濁併せ呑む」気概とでも云いましょうか、丁度市議の方が顔を出されたり、市や国交省とのくだり(普通は地方自治体の陳情をもって予算折衝が行われるのに、手早い根回しゆえにまず予算確保を取り付けて自治体・会社と交渉するという逆転が現実だったそうで)を聞いているうちにその想いをひしひしと受け止めました。

 件のオバサマも斉藤様と仰られてもともと内田百閧ナのつながりからこのスペースを任せられるほどにRACDAの主要メンバーとなられた経緯をお伺いし、当方もサイトをやっていて常々感じる人の縁の不思議さを改めて感じました。
 その斉藤様が「すごくおしゃべりですよ」と仰られていた通り(笑)岡様との会談はあっという間に1時間半ほどが過ぎ、当方が飛行機の時間となってタイムアップ。他の参加者の皆様には惜しいことをしてしまいました。名刺をお渡しし、再訪の意を述べて泣く泣く辞しました。その後一行は岡山駅まで戻り、MOMOとの最後の別れを惜しみつつ(?)当方とさいたま様が先に離脱、他の方はもう少し話されていたようです。

***
 RACDAの活動そのものはそれなりに見聞しているとおもいますが、やはり中での活動を思うとあくまで外野の立場としては羨ましくもあり、ある種一歩後ずさりさえしてしまうような感覚をも感じました。
 ともあれ、一応顔は覚えていただいたでしょうから、近いうちに必ず正式岡山オフを計画したいものです。天満屋や市役所筋等岡山の市内交通も改めて俯瞰したいところですし。

 そろそろ当板でも都市中量交通のあり方の方向性を皆様と打ち出せることができればとも思いますし、無論それだけでない交通全体の将来展望を気軽に議論できるようなスペースづくりに励む所存ですので、今後とも皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

岡山電気軌道 http://www.okayama-kido.co.jp/
RACDA http://www1.harenet.ne.jp/~racda/index2.html
プラットフォームMOMO 
http://www1.harenet.ne.jp/~racda/platformMOMO.html

市内交通と路線図
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/06 20:14:09)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
市内交通と路線図
└Re:市内交通と路線図

 4日のオフで岡山を訪れた際、城下電停そばの「プラットフォームMOMO」に寄りました。MOMOグッズや書籍があり、簡単な観光案内所としての機能もあります。担当の女性も気さくで、あれこれお話されるのもまた楽しいものです。
 惜しむらくは8月いっぱいの期間限定オープンであり、9月以降も継続をお願いしたいところです。

 さて、そのプラットフォームMOMOに岡山のバスマップが売られていました。
 税込み100円とは思えない力作で、分りやすい市内電車とうって変わって分りづらいバスの利用も楽になります。

***
 ふと思うのですが、公共交通「網」があるそれなりの規模の都市で、公共交通を網羅的に記載したマップが完備されている都市ってどれだけあるでしょうか。
 地下鉄など軌道系だけはあるという都市や、事業者単位でなら存在するという都市はありますが、事業者の枠を超えて、真にその都市のそのエリアを走っている交通機関の総てが分るマップは意外と無いものです。

 かつてヨーロッパや北米を旅行したことがあるんですが、たいていの都市では空港や中央駅、もしくはその都市の中心にある広場(欧州では「広場」を中心に発展しているケースが多い)に観光案内所があり、そこではマップの頒布や、一日乗車券などの販売があります。
しかし、日本の場合、観光案内所がないケースも多く、名所めぐりの地図はあっても、そこに記載されているバス停を網羅した公共交通のマップはほとんど無いといっていいでしょう。
 次善の策として、駅前にバス路線図が置いてあるかですが、これも案外と少なく、地図式ではなく系統番号別の表組みになっていると土地勘の無い観光客にとっては使えません。

 さて、こうした中で公共交通が使われているケースを2つ挙げてみましょう。
 まずは京都です。説明するまでも無いヒット商品である「京都観光1日乗車券」「2日乗車券」ですが、その対象となる交通機関は京都市営地下鉄と市バス、そして京都バスです。
 十字形の2路線しかない地下鉄だけで元は取りにくいし、観光には不向きですから、結局市バスと京都バスを観光客が使いこなしていることになります。
 複雑怪奇といってもいい路線網を、観光客が神社仏閣のアプローチとして使いこなしているのは、ひとえに「あるっく社」の歩く地図京都Mapの存在といっていいでしょう。
 たいていのガイドブックが孫引きしているようで、その使い勝手は特筆ものです。

 もう一つは東京です。ここは都バスのマップが思い出した頃交通局から出るくらいでしょうもないんですが、優れているのは地下鉄です。
「メトロ・ネットワーク」と称した直線でデザインされた路線図。都営も似て異なるマップを作ってますが、縦横の線と斜め線は角度を揃えて見やすい営団の方が優れています。斜め線の角度が揃うことで、地図上の線はたった4つの角度で成り立っているため見やすいです。
SFメトロカードにも定期的にこのデザインが現れており、基本的に変わらないデザインのため、イメージとして記憶に残っています。そのため、分りづらいとか面倒とか言いながらも、路線網が活かされています。

 さて、二つの地図に共通するのは、そのデザインです。
 京都はもともと碁盤の目ですから線形に忠実とも言えるんですが、両都市とも方角や距離をある程度無視して、方向性だけを守ったデザインにしています。
 そして路線を直線で配しており、路線が追いやすくなっています。

 対照的というか、試行錯誤の末にこの路線に戻ったのがJREの近郊区間路線図で、旧国鉄時代は営団地下鉄と同様に、角度を揃えた斜め線を使った直線的なデザインでした。
 ところが、JRになって、実際の線形を念頭に置いた、法則性のないデザインに変更しました。確かに路線の形や方向は実際に近くなりましたが、直線と曲線が併用され、ベースの地形図が頭にあれば使いやすいですが、路線図としてみた場合、実際の屈曲に忠実に進む地図上の線は追いづらかったです。
 結局、湘南新宿ライン登場時に、かつての直線パターンに戻した路線図に変更しており、特殊な用途を目的にした地図の場合、事実の描写が必ずしも正解でないということでしょう。

 各都市が、見やすい路線図を常備してくれれば、その街での行動の幅がぐんと広がります。
 住民にも役立つ話であり、一考願いたいものです。

Re:市内交通と路線図
 投稿者---とも氏(2002/08/15 19:14:23) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 ふと思うのですが、公共交通「網」があるそれなりの規模の都市で、公共交通を網羅的に記載したマップが完備されている都市ってどれだけあるでしょうか。
 日本の場合、観光案内所がないケースも多く、名所めぐりの地図はあっても、そこに記載されているバス停を網羅した公共交通のマップはほとんど無いといっていいでしょう。
 次善の策として、駅前にバス路線図が置いてあるかですが、これも案外と少なく、地図式ではなく系統番号別の表組みになっていると土地勘の無い観光客にとっては使えません。

 そういえばそうですね・・・
 外国ではほぼ必ず、無料ではない場合もありますがもらえますからね。下手すりゃ日本のガイドブックより詳しいなんていうのもありますし。
 広告でうまくカバーしているんでしょうが、日本でもできないものですかね。

 京都のものはすばらしいですね。
 世界的に売れている都市交通マップとしては「香港旅遊指南」が有名です。番地から最寄りバス停まで記入され、時刻表までついているのはびっくりです。京都のあの地図はおそらくこれらに負けないでしょう。
 京都やニューヨークのような碁盤型の道路網ならばあのレベルで十分ですね。
 香港や東京、ソウルのようにぐちゃぐちゃでしたら香港や東京の都バスマップのような地図ベースがほしいです。

 各都市が、見やすい路線図を常備してくれれば、その街での行動の幅がぐんと広がります。
 住民にも役立つ話であり、一考願いたいものです。

 そうなんですよね。サイン類って案外忘れがちですが極めて重要なポイントなんです。言葉が分からない国ではやはりサイン類の充実がポイントでしょう。
 日本の場合、横浜などでようやく無料配布のものがありますが、配っている場所が分からない(笑)
 ほかにも優れているのは沖縄の路線バスマップなどないわけではなく、それをもうすこしPRできれば・・・というところでしょうか。

 ちょっとの工夫なんですよね。
 それでは

2004.11.06 Update


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