【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.338)
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アストラムラインと高速4号線ルポ  投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/05 01:25:32)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 GWを利用して広島県下の実家に来たので、いろいろ見てきました。

 まずは昨年10月に開通の広島高速4号線(西風トンネル)とアストラムラインについてです。
 位置関係をいうと、中心街の本通から県庁前(紙屋町)を経て、祇園新道上を北上し、可部線大町駅付近から西に、そして伴あたりから西南にと大きく弧を描いて広域公園前(ビッグアーチ)に向かうアストラムラインに対し、横川と西広島の間から西部の丘陵地帯を西風トンネルでぶち抜き、アストラムラインの大塚駅(ビッグアーチの1つ手前)に出るのが高速4号線です。

※広島高速は、広島呉道路から分岐して宇品までが2号線、旧安芸府中道路(さらに昔はぬくしなバイパス)が1号線というネットワークも何も無い有料道路の集合体です。だったら熊野道路や草津沼田道路、海田大橋とかも編入すればいいのに...

***
 小雨降るお昼過ぎ、広島バスセンターの4番線でバスを待ちます。
 高速4号線経由の路線は、平日は毎時4〜6本は確保されており、一部は横川駅にも寄るようです。土休は少し間が開くものの、それでも毎時3〜4本はあるため利用しやすいです。センターにはひっきりなしにバスが来ており、山口や岡山、出雲市や鳥取といった長距離便に、三次、福山、因島、竹原といった県内高速。そして高陽団地などの近距離便とバラエティに富んでいます。
 ただ、切符売場の運賃や時刻案内が、東西南北の方面別というのは親切なようで不便です。明らかに分かる場合はともかく、五月ヶ丘のように西か北かというケースは迷います(西に掲載されています)

 やってきたのは広電の一般車。「高速4号線経由」のオレンジが鮮やかな字幕の五月ヶ丘団地行きです。私を入れて5人を乗せて発車。そごう3階のセンターからスロープで降り、正面に鯉城こと広島城というT字路を左折します。テープが次は市立大学入口と告げていますが、運賃表がいきなり330円を示しており、西風トンネルの向こうまでノンストップのようです。
 江波−横川駅の電車通りを越え、中広まで来るとそのまま通りは高速4号線になります。通行料は軽300円、普通車400円、大型650円と短絡路ということと、4車線という規格を考えるとお値打ちですが、通行量は少ないです。

 4号線に入ると太田川放水路を渡ります。そしてすぐ西風トンネルに入りますが、この3800m超のトンネル、真っ直ぐぶち抜いたようで意外と細かい曲線がありました。
 出ると料金所。女性の係員が収受の際に「ありがとうございます」とはっきり言うのは好感。ちなみに広島高速はハイウェイカードが使えます。
 料金所を出てすぐ、右手の丘の上に校舎が見える市立大学入口を通過。反対側のバス停に篠つく雨をついて3人が待ってました。

 そしてなんと次がもう大塚(おおづか)駅。350円を払い私ともう一人が降りましたが、センターからわずか10分で到着は革命的な速さです。反対センター行きバス停には10人が待っており、ちょうど五月ヶ丘からとこころ団地方面から2台続行できましたが、五月ヶ丘は5人くらいでしたが、こころ方面からは大塚駅到着時点で20人近い乗客です。2人が降りてアストラムラインに乗り継いだのですが、アストラムラインへの継送というより、アストラムからの吸い上げを疑う光景でした。

 さて交差点南西のアストラムライン大塚駅に移動しましたが、駅員も不在で人気の無い静まり返った駅でした。本通からの到着列車に乗客は4人。その内2人が下車しました。
駅には朝1本の急行列車の案内があり、急行は広域公園前を出ると大塚、長楽寺、上安、大町、県庁前停車の本通行きですが、急行の前に大町どまり、急行の後に大町始発の普通があり、急行通過駅でも大町どまりから急行に乗り継ぐと都心へ早く着き、大町以遠の急行通過駅へも急行で大町まで行けば乗り継げるというけっこう技巧派?の案内でした。
 列車は日中10分ヘッドですが、大塚発上りの場合、土休の11時21分が出ると、12時41分が出るまで、20分おきに間引かれています。おそらく昼食入庫絡みで、増員ではなく列車削減で対応というある意味乗客不在の対応です。

 さてやってきた本通行きは無人。バスからの2人と私が乗客の総てです。
 バスの様子を見た後だけにお先真っ暗というような漢字です。伴中央などで5人前後の乗客を拾いますが、最高速度60kmというのは遅すぎます。大塚までセンターからバスは10分、350円で来ましたが、アストラムラインは本通までなんと33分、430円です。可部線継送を考えても、大町まで16分ですから極めて厳しいです。バスが渋滞などで20分遅れてもなお速いのではもうどうしようもないでしょう。

 ただ、都心に近づくとさすがに賑わいを取り戻してきました。長楽寺やバスターミナルのある上安では20人程度が乗車。大町も降車が5人程度なのに20人近く乗車と、各車両ともかなり混み合ってきました。このあたりからは祇園新道経由のバスもライバルですが、往復6車線のバイパスは祇園大橋で太田川を渡り、左岸の道路と合流しますが、その4車線道路と合流後は往復8車線と非常に恵まれた規格です。
 白島を出ると地下にもぐり、ほどなく県庁前。ここで降りましたが、本通との降車客の割合は半々でした。もちろんこれは平和大通り周辺の「フラワーフェスタ」の影響によるところが大きいのでしょうが。

***
 乗り比べて思ったのは、アストラムラインの路線選定と高速4号線計画の間に何らかの調整はあったのでしょうか。もともと丘陵地帯を挟むとはいえ、大きく弧を描く迂回という不自然な線形ですが、現状を見る限り、車庫があり急行が止まる長楽寺以遠は不要といって差し支えなく、ビッグアーチ対応というのでしょうが、サンフレッチェの試合のためにここまでの設備というのは疑問です。いわんや一過性のイベントであるW杯(当時は立候補していた)対応の含みとしたら、何をか況やです。

 ただ、少なくとも安地区から都心寄りでは、軌道系交通を導入した成果が明らかに見られます。GWで、市内でイベント(フラワーフェスタと市民球場でのCT戦)が重なっていたとは言え、あれだけ乗っていれば充分といえます。

 このあたり、スクラップアンドビルドの考え方で大胆にメリハリを付けたサービス提供もあっていいのではと思います。

広電の限界
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/05 01:41:58)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
広電の限界
└Re:広電の限界
└軌道の限界?
 └広島市にふさわしい交通として
  └Re:広島市にふさわしい交通として
   └基幹交通
    └広島の都市交通計画
     └Re:広島の都市交通計画
     └Re:広島の都市交通計画
      └Re:広島の都市交通計画

 アストラムラインで県庁前に着き、次は広電です。
 紙屋町の地下街「シャレオ」で県庁前と紙屋町、バスセンターなどはつながっていますが、通路左右のブティック系のお店が並ぶ様も定着したようで、そこそこお客の姿が見られますし、地下街の雰囲気造りに一役買っています。
 交差点直下は広場になっており、今日は大型モニターを前に椅子が並んでおり、何やらイベントがあるようです。八丁堀方面の通路にも人が多く、雨脚が強いということを割り引いても、休日の午後、人出もまずまずです。

 さて、案内に従って乗り場に出ると、交差点東側の電停です。紙屋町交差点側の横断歩道は廃止になっており、シャレオ経由になりますが、反対側の横断歩道は健在で、そちらからだとそのまま同一平面で街に行けます。
 以前はいかにも電停然とした雰囲気でしたが、ホーム全体に車道と隔てる屋根と一体になった壁が出来、駅っぽくなっています。特に「電車の渋滞」対応で、連接車が2編成優に停めれる長さがあるだけに、1ブロック分の長さに至っており、ますますもって「駅」です。

 ちょうど宮島行きが来ましたが超満員。ホームにはオレンジのウィンドブレーカーを着た職員が2人立ち、案内やカードの販売をしてますが、本領は到着時で、溢れる乗客をさばくため、乗降口の区分をせずに運転手と車掌がいる降車口は車側で乗降両方を扱い、いない乗車口ではホーム係員が降車客から運賃を受け取っているのです。
 紙屋町経由宇品への1系統にも3両連接車が本格投入されており、電停にはグリーンムーバーも1編成入っているという案内がありました。

 そのグリーンムーバーを待って何台か見送り、ようやく引きました。
 超満員ですが降車が多く、入るとそれほどでもない感じです。ノンステですから乗車は楽です。車内は5車体の連結部分も広く取ってあるので狭さを感じませんが、言われているように座席数が足りない、というか構造上座席を置くスペースが少ないため、見た目の立ち客が多いことが実感できます。(構造上の出っ張りに腰掛けている人が何人もいた)

 さて、紙屋町交差点を越えると西側にも電停があります。ここですさまじく乗ってきました。女性車掌が「ここは出入口ですから、どんどん中に入って下さい」と半ば絶叫のように案内しないと乗れません。ここまで混乱すると「人に優しい」なんて乗り物とは到底言えません。しかも入れと言っておいて、次の原爆ドーム前の案内が流れるや否や、「降りる方はお早めに…」と来ますから、おちおち立ってもいられません。

 あまりの混雑に、原爆ドーム前でもう降りることにしました。狭いホームに降りるとここも係員が2名出ています。どうもCT戦が開門後に雨天中止になったようで、カープファンやタイガースファンの姿も多く、これが混雑に輪を掛けています。グリーンムーバーの後続の単車はホームに膨らんだ乗客のせいで、急停車&最徐行で進入です。
 反対ホームも係員が2人。単車で満員の広島駅行きを見送り、3800系の宮島からの広島駅行きに乗りました。見てると紙屋町(西)も両方向2人ずつ。立町、胡町、八丁堀にも2人いました。

***
 昨年4月10日から1年間交通社会実験として試行された原爆ドームまでの運賃120円への値下げですが、結局4月9日をもって終了しています。放送でも「一部区間の運賃値下げは、4月9日を持ちまして終了させて頂きました」と流れてますが、この現状を見ると均一での収受をしないと対応できず、却って徒になりかねません。150円でも充分安く、終了は妥当な決断だと思います。

 広島駅に着くと乗り場は長蛇の列。駅の入口には赤旗を持った整理・誘導員がおり、2線ある降車口にも2人ずついます。乗車口には1人出ており、人海戦術のようです。
 それにしても3両連接車とグリーンムーバーには車掌2人乗務で、電停の要員もいます。こうなると路面電車、LRTのメリットである「運行単位あたりの輸送量が多い」、つまり乗務員という固定費負担が少ないどころか、相当な水準の固定費負担を強いられている不合理な運営ということが出来ます。
 さらに人に優しいどころか、座る云々を通り越して乗るのも一苦労という実態、人が溢れる電停と、前にも指摘しましたが、広島の市内交通をこれ以上市内電車に頼ることは無理と断じていいでしょう。
 確かに広電の努力はありますが、「路面電車」としては相当な無理を重ねた結果でもあることは自認すべきであり、それが「当たり前」になって良いものかどうか、自社の安全、CSの問題にとどまらず、路面電車復権を計る他都市への影響(これがスタンダードだと思い込むことへの懸念)も熟慮して欲しいものです。

 なお、今回の訪問でいまさらながら気付いたのですが、広島駅から各電停に「M1」からの通し番号が付いていました(紙屋町はM9など)。
 また「紙屋町、つづいて紙屋町」という名物?電停が、「紙屋町東」「紙屋町西」と案内が分けられています(両者同じM9だが)。
 行先も、「宇品」が「広島港(宇品)」に、「己斐」が「西広島(己斐)」に、「宮島」が「宮島口」に変わっており、しかも宮島口系統も市内線西広島行きと同じ2系統を付けるようになってました。
 分かりやすい表示への変更でしょうが、前から知ってただけに、無用の混乱をしてしまいました。

Re:広電の限界
 投稿者---和寒氏(2002/05/06 20:15:26) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 確かに広電の努力はありますが、「路面電車」としては相当な無理を重ねた結果でもあることは自認すべきであり、それが「当たり前」になって良いものかどうか、自社の安全、CSの問題にとどまらず、路面電車復権を計る他都市への影響(これがスタンダードだと思い込むことへの懸念)も熟慮して欲しいものです。

 この見解には、ほぼ無条件に賛成します。広島市内の交通を運営するにあたって、トラムという形態は、器として小さすぎる面があります。
 なんといっても、東西軸が細すぎることが厳しい。現状の宮島線直通系統は3両連接車がスタンダードとはいえ、他系統も輻輳しているところであり、さらには軌道の優先運行が困難な幹線道路をいくという不利もあり、現在以上の発展は期しがたいものがあります。増結も増発も時間短縮も、不可能に近い困難ということであれば、別モードに発展的解消するべきなんでしょう(ただし、3両連接車をそのまま地下に入れる方式も、選択肢としてはありえるでしょう。運賃収受を駅サイドで行うという条件付きになりますが)。
 拙HP広島電鉄研究(超暫定版)は、このあたりも視野に入れた分析もしようと構想中ですが、いまだ詳細な構想が練れていません。それでも、全体のトーンとしては、エル・アルコン様とほぼ同趣旨になろうかと思います。

軌道の限界?
 投稿者---KAZ氏(2002/05/11 04:40:10) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。

 前にも指摘しましたが、広島の市内交通をこれ以上市内電車に頼ることは無理と断じていいでしょう。

 これは「現行のネットワークで捌く」という前提での話ですよね。広電が構想している平和大通り線ができれば輸送力は今の2倍になりますし、平和大通り線は急行線的性格を持たせるような構想になっているようなので速達化も可能です。宮島線では連接車の2編成併結の構想もあり、クランクの少ない(というか存在しない)平和大通り線ができれば2連併結のまま市内線へ乗り入れるといった運用も特認が取れれば可能です。広島駅側からも駅前大橋短絡線の建設で今より2分程度はスピードアップできますし、変に地下鉄道なんかにされたらホームまでのアクセスとイグレスで、目的地到達は却って遅くなる場合も多く出そうです。

 広島程度の都市面積であれば、併用軌道線の複数路線整備で対応した方が利便性が高まると思いますよ。地下鉄1本で捌くか、軌道線2〜3本で対応するかを考えれば、面的な広がりが大きいのは後者でしょうし、利用者の負担が少ないのも後者だと思います。地下鉄掘るカネがあるのなら、さっさと平和大通り線と駅前大橋短絡線を作って、あと城南通り経由で広島駅と県庁・紙屋町を結ぶ「都心北縁線」を作って3幹線体勢にすれば、混雑解消・速達性向上・選択肢の広がり・ネットワークの充実など、大きな効果があると思いますよ。

広島市にふさわしい交通として
 投稿者---和寒氏(2002/05/11 06:47:14) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

→平和大通り線は一見すぐれた構想ですが、最善の解ではないと思います。なぜなら、既存の中心街を避けた経路になるからです。紙屋町まで乗り入れようとすると、クランクが発生してしまい、速達性が損なわれる苦しさもあります。

→広島は典型的な一極集中型の都市ですから、複数路線整備が効果的かどうか、私は疑わしく思います。やはり、軸となる東西方向の地下鉄は必要ではないでしょうか。
 ただし、地下鉄をつくるにしても、現在の軌道ネットワークをそのまま温存すれば、都市交通の流れを形成するうえで、おおいに役立つと思います(例/地下鉄:中距離速達/トラム:短距離コミュニティ型)。地下鉄等の高速軌道系があればトラムは要らない、ということはないでしょう。

Re:広島市にふさわしい交通として
 投稿者---KAZ氏(2002/05/11 13:47:56) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。

 紙屋町一極集中と言われている都市構造は商業面だけであり、また最近は並木通りなど本通り以南の街の成熟も進んでいます。業務集積については鯉城通りの袋町以南にも市役所や中国電力をはじめ、まとまった集積がありますし、十日市・土橋地区もそれなりの集積です。県庁は城南通りからのアクセスも可能です。本当に一極集中都市なのかどうか疑問です。東京・大阪くらいの都市規模の中で考えれば「一極集中」なのでしょうけど、地方都市としては「分散型」になるのではないかと思います。商業地にしても八丁堀・紙屋町・並木通りと、それなりに分散されていますしね。

 ただし、地下鉄をつくるにしても、現在の軌道ネットワークをそのまま温存すれば、都市交通の流れを形成するうえで、おおいに役立つと思います。(例/地下鉄:中距離速達/トラム:短距離コミュニティ型)地下鉄等の高速軌道系があればトラムは要らない、ということはないでしょう。

 これは理想ですが、広島の地下鉄計画をご存じですか?東西線は広島駅〜市街北側から八丁堀へ入り、平和大通りを通って西広島駅へ至るルートで、紙屋町は通りません。八丁堀も構想では通ることになっていますが、道幅の問題や工事中の交通処理がネックになって、ここを通さずに平和大通りへ直接入れるという選択肢もあるようです。南北線は現在のアストラムをそのまま市役所・広大跡地・広島港へと延ばすものです。で、広電のネットワークは「交通弱者にやさしい乗り物」として維持させる方針です。
 しかし、東西線は紙屋町、下手をすれば八丁堀も通らないかもしれないといった路線で、おまけに広電が残存するのであれば利用者は非常に少なくなると思われますし、南北線は逆に広電と完全に競合するルートになり、営利企業である広電の軌道線が本当に維持可能なのかを考える必要があります。いくら理想だといえ、広島の都市規模で発生する移動距離を考えると、「大量・高速」の「基幹交通」というものが本当に必要なのか、私は疑問視しています。JR各線の「都心乗り入れ」路線としての整備なら理解できるのですが、都心部の交通処理として地下鉄を導入しようというのは、アクセス・イグレスに面で問題が大きいように思います。

 如何にして軌道線と利便性を損なわずに総合的な輸送力を増やすことができるか、まずはそれを考えてもいいと思います。平和大通り線なんかは「プレメトロ」という扱いでもいいでしょうし。

基幹交通
 投稿者---和寒氏(2002/05/11 14:15:21) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 紙屋町一極集中と言われている都市構造は商業面だけであり、また最近は並木通りなど本通り以南の街の成熟も進んでいます。業務集積については鯉城通りの袋町以南にも市役所や中国電力をはじめ、まとまった集積がありますし、十日市・土橋地区もそれなりの集積です。

→そのくらいの範囲であれば、充分に一極集中といえます。
 ともあれ、どういう形態であれ、基幹交通はメインストリートを行くべきだと思います。東京では丸の内線、大阪では御堂筋線、名古屋では東山線が専ら混雑している状況を考えれば、サブストリートの集客力がどれほど期待できるか、苦しいものがあると思います。

 広島の地下鉄計画をご存じですか?東西線は広島駅〜市街北側から八丁堀へ入り、平和大通りを通って西広島駅へ至るルートで、紙屋町は通りません。八丁堀も構想では通ることになっていますが、道幅の問題や工事中の交通処理がネックになって、ここを通さずに平和大通りへ直接入れるという選択肢もあるようです。

→寡聞にして存じ上げませんでした。前記の趣旨からすれば、この地下鉄計画は問題です。集客力がほとんど期待できません。私の頭にあったのは、あくまでもメインストリート直下の地下鉄でして、そうでなければ基幹交通になりえないでしょう。

 JR各線の「都心乗り入れ」路線としての整備なら理解できるのですが、都心部の交通処理として地下鉄を導入しようというのは、アクセス・イグレスに面で問題が大きいように思います。

→地下鉄を掘るならば、JRとの直通を前提とした規模のものも想定するのが、順当だと思います。確かに、短距離の域内交通に地下鉄を充てるというと、過大投資の観がなきにしもあらずです。
 最も悩ましいのは、宮島線直通系統を地下にもぐらせる場合でして、輸送力は中程度、しかし建設コストは本格地下鉄なみ、という苦しさがあります。
 宮島線直通系統を地平に残す場合は、如何にして優先通行権を与えるかが課題になるかと思います。それができなければ、発展性がありません。

広島の都市交通計画
 投稿者---KAZ氏(2002/05/11 14:49:11) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。
 広島の都市交通計画ですが、過去から現在までの流れで見ていくと・・・

●最初期
 横川〜平和大通り〜広島駅の普通鉄道規格地下鉄を建設し、芸備線を電化し、更に芸備・可部連絡線を建設した上で環状運転を実施する。
○結果
 国鉄による芸備可部連絡線の建設が行われなかったので廃案に。

●その後の案(これが現在のベースになる)
 西広島〜平和大通り〜八丁堀〜広島駅〜広島貨物駅間の東西線とそこから分岐する広大〜宇品港間の南北線。東西線は国鉄山陽線・広電宮島線との相互乗り入れを実施する
○結果
 国鉄・広電両者との相互乗り入れは技術的に難問が多く、また広島の土壌が地下掘削に適さないので建設費が高騰するために財源確保ができない。また広電の在来軌道線の動向も流動的で、存廃の動きを見極めたい → 様子見が延々と続く

●西部丘陵都市線建設に絡んで
 伴地区での新都市建設に合わせた鉄軌道導入が新交通規格になり、それに合わせた地下鉄構想の修正。非現実的なJR・広電両者との相互乗り入れを放棄し、新交通規格による閉鎖的ネットワークを作るもの。ルートは以前の地下鉄構想を継承。
○結果
 西部丘陵都市線はできたものの、新交通規格の非効率性や閉鎖的なネットワーク形成が広島都市圏に与えるインパクトも疑問視され、この案を推し進めたい市と、LRTによる高度な路線網を展開したい広電・中国運輸局が対立するような構造に。市民の意見も対立し、混迷の極みに。

というような感じです。市の構想では今の電車通りへの集中を是正し、都心軸としての機能を平和大通りへ誘導したいという思惑があるようで、今まで一貫して平和大通り案しか出ませんでしたが、最近は電車通りへの建設も考えないといけないという風潮も出てきたようです。
 しかし相生通り(電車通り)に地下鉄を建設しようとなると、広島駅はともかくとして八丁堀や紙屋町は地下街の下にコンコース、更にその下にホームができる訳で、大深度地下に匹敵するような深い位置の駅になってしまい、アクセス性が非常に劣ります。例えば紙屋町交差点から広島駅へ出てJRに乗る流れを想定すると、

●地下鉄の場合
 地下のホームまでの移動に5分・電車の待ち時間が5分・列車の所要時間4分・ホームからJR改札までの移動に3分として合計17分。

●広電の場合
 電停までの移動に1分・電車の待ち時間2分・電車の所要時間が現行で12分・降車場からJR改札まで2分として合計17分

ということで地下鉄と現行の広電は同等、広電の駅前大橋短絡線ができれば2分程度短縮できるはずなので、地下鉄より広電の方が早いと言う結果も考えられます。またこれが立町の東急ハンズ前とかからだと、施設からホームまでの移動時間に差が出すぎて、絶対的に広電の方が早いということになります。

 こういうことを考えると、広島に地下高速鉄道が本当に必要なのか疑問になってくるんですよね・・・

Re:広島の都市交通計画
 投稿者---和寒氏(2002/05/12 16:49:48) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 なるほど、興味深くうかがいました。
 以下、過去の計画経緯に、若干のコメントを。

最初期
→あまり筋がよい発想ではないのでは。(当時としては)マイナーな路線を環状運転させたところで、交通改善につながったかどうか、極めて疑わしい。そもそも単線区間が多く、路線の勢力範囲が(太田川を挟んでいるとはいえ)かなり重なっており、旺盛な需要が期待できない。地下鉄が成立したかどうか、疑問であり、よい計画とはいえない。
 これは現在でもなお、同じことがいえる、

その後の案(現在のベース)
→基本的な発想はよい。しかし、広電←→山陽線の直通という、事実上異モードの直通を図らなければならないこと、市内のメインルートをはずしている点に、苦しい点がある。
 広電をはずして、山陽線←→山陽・呉線直通とすれば、計画としては整合性を持ったはずだが、広島都市圏において最も大きな発言力を持つ広電の意向は無視できなかったのだと考えられる。

西部丘陵都市線
→そもそもアストラムは、前記計画に見られる問題点を超越できること、街路事業となるため、事業の大部分に国庫補助を受けられることから、積極的に推進されたと理解できる。
 おそらく、市サイドとしては、「問題点超越」に光明を見出し、延伸計画を出しているのではなかろうか。即ち、JRが自らの発意にて市内直通を図ることはまずありえず、広電が自力で平和大通線を実行するには資金力が足りない。いわばモードのニッチをねらった作戦といえる。
 市サイドとしてよい作戦であっても、市民にとってベターな戦略と呼べるかどうかは疑問。アストラム程度の輸送力で、南北軸はともかく、東西軸を負わせるのは苦しい。広電の位置づけが宙に浮くなど、他モードとの整合性もない(閉鎖的ネットワークとは至言です)。

 しかし、アストラムは南北線が開業しているわけでして、これを最大限活かそうという発想もあってしかるべき。そのため、

この案を推し進めたい市と、LRTによる高度な路線網を展開したい広電・中国運輸局が対立するような構造に。市民の意見も対立し、混迷の極みに。

→という結果ですか。
 広島市における都市交通の議論には、難しさが伴うようですね。
 私はやはり地下鉄(山陽線←→山陽・呉線直通)がほしいと思いますが、その実現が難しい場合、広電短絡線(己斐−十日市町/途中駅は天満のみ)新設が至当であり、平和大通線は(少なくとも現段階では)やや迂遠な策と見ています。
 また、運賃収受を列車内ではなく、駅側で行うなどの改善は必要で、そうなると既存電停の集約及び電停の拡幅、更に自動改札機の設置などが、必要になると考えられます。

Re:広島の都市交通計画
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/12 00:13:58) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 これは前回の投稿「ひろでん、誇り高き挑戦」(過去ログ参照)でも書いた事ですが、私の主張は現在の混迷している各種計画をいったん白紙に戻して、その上で現在の広島に相応しい軌道系(および道路)交通を計画すべきというものです。

ひろでん、誇り高き挑戦 log318.html#3

 大阪の御堂筋線と四ツ橋線、名古屋の東山線と桜通線、いや、東京においても銀座線と浅草線など、面的展開しているようにみえる業務中枢地区において、メインとサブルートの明暗は恐ろしいほどはっきり分かれるという実例はそれこそ枚数にいとまがありません。
 その意味で、現在の電車通りと平和大通りの両面作戦が成功する可能性には疑問が多く、ましてや平和大通り線の計画が、己斐から1系統と交差するところまでではなく、6、8系統との交差地点までと後退している(平和公園前の通過に難色を示す動きがある)こともあり、実効性が薄い対症療法にもならない案と言わざるを得ません。

 地下鉄導入となると確かに紙屋町や八丁堀での深度が深くなる難題はありますが(アストラムラインもまた障壁になる)、地下街を一つクッションに挟むことで、心理的な抵抗感を軽減することも可能です。
 また、結局中心街というものが、西広島(己斐)と広島の間に収まっていることを考えると、いっそJRを西広島から広島までの間で地下鉄経由に全面的に振り替えてしまうというような大胆な見直しも充分選択肢足り得ます。

※これによって問題なのは横川駅および可部線方面からから西広島方面の利用者と、貨物と寝台列車のみ。後者は既設線(西広島−横川)を貨物・長距離用に存置すればよく、前者も広島駅経由で辛抱するか、それこそ既設線にトラムを設置するかで対応できる。

 明らかに逼迫してる現行の2系統を高速鉄道化してはじめて、それを面的に補完する存在としてのトラムの価値(気楽に乗れる存在としての面が大きい)が活きてくるのではないでしょうか。

***
 既存線の活用でよく言われる、トータルの移動時間の問題ですが、電車の渋滞や広島駅、西広島駅や紙屋町での電車待ち(乗り切れないで見送るケース)といった、本来軌道系交通が絶対的に有する時間の信頼性を損なう事象とその発生頻度を考えると、決してトラムが有利とは言い切れないと思います。

 また、細かい話で恐縮ですが、猿候橋などの迂回を回避する駅前大橋経由ですが、現在バスが駅前大橋、電車がその先東蟹谷町?と曲がる地点を違えていることで電車通りの流れが保たれている可能性は無いのでしょうか。
 つまり、駅前大橋の交差点での、駅〜電車通りの方向「だけ」の通過可能時間を拡大する必要性が生じることで、電車通りや駅前大橋側の直進時間が削減されたり、信号サイクルが拡大する可能性が指摘できます。
 さらに、駅前大橋から紙屋町方面に右折してすぐの橋ですが、ここは前後の区間に比べて道幅が狭く(バスの並進が難しい?片側2車線に絞られる。上記交差点がせっかく3車線一斉右折が可能なのにここで効果が死ぬ)、ここと当該交差点との距離を考えると、予想外のマイナスの相乗効果が出る懸念もあり、単純な話で終わらないことが予想されます。

Re:広島の都市交通計画
 投稿者---KAZ氏(2002/05/12 00:45:33) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。

 指摘の内容は今の広電の軌道ネットワークでの問題でしょう。平和大通り線や他のルートでの整備が行われれば大抵は解決する内容の問題のように思います。
 積み残しの問題についても現在の1ルートしかなくクランクだらけの路線以外に平和大通り線を直進して袋町に至る路線があれば輸送力は倍増する訳ですし、
 また特認が認められて連接車の2連併結が実施できれば輸送力は今の3倍にまで膨れあがります。地下軌道が絶対に必要というような状況にはならないのでは?

 個人的に、地下軌道の高速鉄道を建設するのであれば、横川〜県庁前〜県合同庁舎〜広島駅というルートでJR規格の鉄道で建設するのがいいと思います。これなら広電との役割分担もできますし、JR各線と都心・新幹線とのネットワークも強化され、広島自体の都市構造強化にも役立つと思います。まあ細かい実地検証はしていないので難しし面もあるかと思いますが、安易な地下鉄道の建設は既存の広電ネットワークの維持という観点からも諸手を揚げて賛成とは言い難いです。

広島私案
 投稿者---とも氏(2002/05/14 18:53:43)
 
 http://town-m.vop.jp/
広島私案
└To be, or not.
 └アストラム延伸が最善でしょう
  └最善策が最善にならない点が広島の悩み
  └Re:アストラム延伸が最善でしょう
   └興味深い提言
    └Re:興味深い提言
     └明日トラム

 ともです。

*広島地下鉄
 JR規格によるJR直通の地下軌道は一つの答だとは思います。
 広電は都市内水平エレベーター、地下鉄は速達型の遠近分離とし、一部駅で地下鉄と広電の直接乗り換えが容易にできれば無駄なものではないでしょう。
 ただ、費用対効果ではどうかという部分は残りますが。

*広電の長編成化
 可能性はあるでしょうが、あまり長くすると自動車交通への影響が大きすぎます。
 中心部はまだしも外縁部の道路網が脆弱な広島では厳しいかもしれません。
 ストラスブールのような長編成タイプを思い切って入れるのも一案ではあります。

*アストラムライン
 あまり旗色が良くはありませんが、せっかくの設備を活かさないのはなんともおしいので、延伸もありかなという気がします。
 広電のサポートとして駅間を思いっきりとばしたシャトルに化けさせるのも一つですし、高性能を活かし、広電との同一平面乗り換えなどによる急行としての機能も一つです。
 たとえば、西広島駅を大改造して、広電とアストラムを方向別の同一レベルホームにして、アストラムは一気に地下に入り、東西軸をほぼ平和公園だけに停車をする都心直結線になるというのもありかなという気がします。せっかくのAGTですから特徴を活かさないと。その上で、広電とバスを含めたゾーン運賃なら十分可能性はあると思います(西広島〜紙屋町で広電より5分早ければ流れそうな気がします)。
 輸送力不足は確かに懸念されますが、広電のネットワークもありますし、緩急分離でやればできなくはないかと。

*で、広電
 広電の問題はハードが世界レベルの良い車両を持ち、高い性能を有していながら、ソフトがいまだに過去の遺物的路面電車を引きずっている点ではないかと感じます。
 運賃システムもICカード方式の導入やチケットキャンセラー、セルフチェックなどいくらでも方法はあるのですから、検討の余地はあるはずです。
 さらには、道路交通との混在も問題です。併用軌道である以上は仕方がないとはいえ、いっそ広島高速道路の建設を一気に進め、通過交通を排除してしまうというのはどうでしょうか。
 広島の場合、入口が狭いですから、入口部で高速に山と海に逃げさすことが出来れば、十分対処は可能と思われます。
 さらに、現在、中央部を走行している軌道を南北どちらかに寄せ、並木と芝生の専用軌道にしてしまい、道路は4車線程度でどちらかによせるのです。
 自動車は平和大通りと広島高速道に転移できるでしょうから路線とルート次第ではありますが、うまくやれば出来そうな気がします。
 広島駅の地下乗り入れも考慮に入れてほしいですし、とにかくあるものを最大限生かす。その辺がポイントではないでしょうか。

 まとまらないままに。ではでは

To be, or not.
 投稿者---和寒氏(2002/05/15 11:52:12) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 とにかくあるものを最大限生かす。その辺がポイントではないでしょうか。

→あるものを生かすには実力逼迫、かといって新規の投資は重すぎる、判断が極めて悩ましいところなのだと思います。議論が混乱する原因は、そのあたりにもあろうかと思われます。

 ともあれ広電宮島線は、広島市内への基幹交通でありながらも、容量と速度の面で、現状での力不足は明らかです。市外延部からの直通需要と市内短距離流動を混在させることにまず無理があり、道路交通に対し優先されていないこと、運賃収受の前時代性(速度低下の一因でもあります)にも苦しい面があります。
 ・・・・・・以上のような具合に問題点を整理していけば、解決策は見えてくるのだろうと思います。

 私案としては、広電ネットワークを最大限に生かすならば、宮島線直通系統は己斐−紙屋町−広島駅を結ぶバイパス線(経由地は概ねの意)にて完全に分離、高架か地下か路上かは状況次第ながら、道路交通に対して優先通行権を与えることを前提とし、速達運転し、外延部からの需要をさばかせたい。
 既存ネットワークには己斐行2系統を含む全系統を温存、短距離交通を担わせたいところ。

 逆に既存ネットワークをまったく活かさない案もありえますが、私はその案は今のところ採りません。JRを紙屋町に回す地下鉄案には、実はかなり魅力があるのですが、これは広電に対して競合的すぎるので、採るには躊躇を覚えます。

アストラム延伸が最善でしょう
 投稿者---とある広島市民氏(2002/05/15 23:16:54)

 初めて書き込みします。いつも楽しくROMさせていただいておりますが、私の住む広島の話題なのでつい口を挟んでしまいました。

 まず、JRの市中心部への直通ですが、地下鉄東西線の計画段階でこの案はJRが断ったため、広電またはアストラムの延伸の2案が残り、最終的にアストラムの延伸に決まったと聞いております。
 広電の宮島線が力不足といっても、廿日市市以西は広島駅、西広島までJRを利用するのが一般的であり、利用者は西区、佐伯区の西広島バイパス以南がメインです。そして、新しい団地はバイパスの北側または廿日市以西に作られており、宮島線の利用者の増加は見込めない状況で、宮島線直通系統の増設の効果は疑問です。
 また、朝は入場するバスで渋滞する程バスセンターに集中する郊外線のバスを減らすためには、現在開発中の西風新都にバスターミナルを設け、西風新都及び佐伯区北部のバスセンター行きのバスをアストラムで受け止め市中心部へ流せば、朝の市内の渋滞の緩和にもつながると考えます。
 アストラムについては、西風新都〜西広島間は2015年頃完成予定であり、これをできるだけ早く市中心部に延伸する事が最善の策ではないかと思います。
 それまでの間に、広電の市内線についても、改良すべき所は改良してもらいたいと思います。市の方針とほぼ同じ意見ですが・・。

http://www.city.hiroshima.jp/koutsuu/toshikoutsuu/koutsu_3.html

 鉄道に関しては素人に近いものが出しゃばって申し訳有りませんが、どうかご容赦下さい。

最善策が最善にならない点が広島の悩み
 投稿者---和寒氏(2002/05/16 17:34:11) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 鉄道に関しては素人に近いものが・・・・・・

→当方こそ、何度か訪れただけの見聞で、広島市の都市交通を云々しておりますもので、的を射ていない点は御寛恕のほどを。

 アストラムについては、西風新都〜西広島間は2015年頃完成予定であり、これをできるだけ早く市中心部に延伸する事が最善の策ではないかと思います。

→この計画は私も承知しております。過去の経緯をまったく抜きにして、基幹交通の線形をゼロから考えるのであれば、確かにアストラムの中心部延伸α線形成は最善の策です。

 それでも諸手を挙げて賛成しかねるあたりが、広島市の都市交通の難しさでしょうか。理由は次の2つあります。
   1)アストラムの容量で、東西軸を担わせて大丈夫か?
   2)完全独立規格の交通機関を基幹交通に据えてよいのか?
 アストラムをLRTに出来ればなんら問題がなかったのですが、今からでは遅すぎます。次善の策としては、広電宮島線をアストラムに転換するというアイディアもありえますが、これはフリクションが大きそうですね。

 まったくの余談ですが、広島に限らず、相互に互換性のない交通システムを導入していくというのは、弊害が多いのですね。広島の悩みは際立った典型といえますが、他にも札幌などにも同様の典型例があり、東京・大阪・名古屋といった大都市圏でさえ、地下鉄路線相互の互換性が実はないなど、問題の根は深そうです。

Re:アストラム延伸が最善でしょう
 投稿者---KAZ氏(2002/05/17 16:55:56)

 どうもです。

 広島は西風新都への足を新交通システムにしてしまったことが今の混乱の元凶なのかもしれませんね。まあ補助金の関係があって他に選択肢がない状態で建設が急がれていたので仕方がないところもありますが、あれがリニア駆動式の小型地下鉄程度の鉄輪式車両を使う規格であれば問題は少なかったんでしょうけど。まあ今更言っても仕方のないことです。

 で、現在のアストラムを活かす形で考えれば、南北軸はアストラムの延伸しかないでしょうけど、東西軸については輸送力増強が望まれる宮島線の処遇も含めて様々な可能性を検討していくべきなのかも知れません。西風新都の開発と、逼迫する宮島線の輸送力、そのどちらを取るのかで東西線のモードは変わってくるでしょうし、逆に宮島線と西風新都線のモードを共通性のあるものにして双方から東西線への乗り入れが可能な状態にすることができるかどうかも真剣に検討して欲しいところです。

 かなり無謀な案かも知れませんが、長楽寺〜広域公園間はいっそのこと鉄輪式リニア(車体規格は今の新交通に準拠)にモードを転換し、東西線はリニア式ミニ地下鉄(車両規格は広電・アストラムに準拠)とすれば、西風新都線・宮島線双方から東西線に直通でき、伴地区からも都心部への到達時間が短縮できていいように思うのですが・・・。最高速度が60km/hに制限されるゴムタイヤ式の新交通では、西風新都と都心を結ぶルートとしては貧弱すぎるでしょう。

 とりとめもない話になってしまいましたが、お許しを。広島はややこしい・・・

興味深い提言
 投稿者---和寒氏(2002/05/18 10:36:08) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 かなり無謀な案かも知れませんが、長楽寺〜広域公園間はいっそのこと鉄輪式リニア(車体規格は今の新交通に準拠)にモードを転換し、東西線はリニア式ミニ地下鉄(車両規格は広電・アストラムに準拠)とすれば、

→一見突飛に見えても、これは真剣に考えるべきアイディアでしょう。α線は重要な軸とはいえ、西北部のどこかに需要の谷ができるは必定。であるならばどこかで境をつくり、広電と互換性のあるシステムを導入する、という案は真剣な検討に値するかと思います。
 アストラムを採るか広電を採るかの二者択一を迫るのではなく、どっちも使えるような仕掛を構築することは、かなりグッドな解決策になると考えられます。ただし、システム構築が滅茶苦茶たいへんという課題は残りますが、独立規格の交通機関ばかり開発してきたつけを返すには、やむをえないのかもしれません。

Re:興味深い提言
 投稿者---とある広島市民氏(2002/05/22 23:54:22)

 なるほど、そういう考え方もあるのですね。
 しかし、西風新都の大塚〜広島駅間はせいぜい10km。これからさらに延ばす予定もないのに、さらに「鉄輪式リニア」という新しい車両の導入は、まだMOメディア10枚しか持ってないのにDVDドライブを買おうとするようなもんで、もったいなさすぎでは。
 アストラムは最高速度60kmといっても、リニアで10分かかるところが15分かかっても大した差ではありませんし、なにしろ高架でも「静か」というメリットもあります。大塚を中心とする西風新都から都心への通勤者数も10年後でもせいぜい4万人程度と考えられ、両者を結ぶバス路線もあるし、西広島駅でJR、広電宮島線からの乗り換えが生じるとしても、路線改良した広電市内線との分担、運行間隔の短縮で朝夕の通勤ラッシュにも耐えうると思われます。
 まあ、いまから市の方針をひっくり返すとなると、また時間が無駄になるというのもいやなんですよね・・・。

明日トラム
 投稿者---和寒氏(2002/05/24 06:44:54) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 広島の都市圏交通は、考える素材としては、まったく難しいと思います。
 アストラム延伸はよいとしても、平和大通りルートでは、ほんとうに基幹交通になりえるのか、という懸念があります。
 ひょっとすると、アストラムを基幹交通に育てるのではなく、中心部〜西北部への閉鎖的ネットワークとしてα線を形成する、という発想かもしれません。であるならば、現状のネットワークと併存できる、というところでしょうか。

 とはいえ、アストラムが基幹交通に成長すると、話が複雑になります。摩擦は大きいと思われますが、広電宮島線との整合を採ることも必要になり、あるいは宮島線をスクラップしてアストラムに置換するという選択すら、真剣に考えなければならなくなる可能性もあります。

涙雨のスカイレール  投稿者---エル・アルコン氏(2002/05/05 01:39:24)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 広島を出て瀬野に移動し、スカイレールに乗ってきました。

 瀬野駅に接続のみどり口駅に行くと、小さな窓口で記念乗車券やグッズを売ってました。150円のきっぷを買って自動改札を通ると、なんときっぷはここで集札されてお終いです。降車口には改札というものが無く、まるで遊園地です。
 ホームへの階段を上がると、ブザーが鳴ってゴンドラの扉が開きました。下のコンコースは薄暗く人気がありませんでしたが、当然ホームもゴンドラも無人です。乗り込んで程なく発車しました。
 車内の定員は25人。但し座席は8人だけです。ちょうど乗ったゴンドラには1999年のローレル賞受賞プレートがありましたが、笑ったのは注意事項に「前後バランスよくご乗車を」というくだり。そんな注意がある「通勤輸送用交通機関」なんて前代未聞です。

 小刻みに揺れますが、ロープウェイのような不安定感はさすがに鉄製軌道ゆえありません。駅前の急斜面(崖?)をよじ登ると住宅街に出ます。売れ残りばかりと思ってたんですが、かなり家が建て込んでおり、そこそこの街になっています。ただ、皆さんお出かけはクルマでしょうね。広い庭と駐車場がお約束の一戸建てが並んでますし。
 宅地の真ん中を行くだけに、ゴンドラから家が丸見えというのもネックで、今は誰も乗らない(爆)からいいですが、そのうち、六甲ライナーの住吉のマンション対策のように、窓が曇るといった特殊装備を求められる可能性は無きにしもあらずです。
 唯一の中間駅、みどり中街では下り?便とすれ違いですが無人。ホーム上に自動改札があり、降車は柵にあるドアを押して出よ、という構造です。
 ここからみどり坂住宅地の上のほうの分譲地ですが、さすがにここはまだ区画整理のみで家はありません。少しずつ建ってはいますが、下に比べると全然です。

 みどり中央終点には6分ほどで到着。階段を降りるとそのままコンコースへ。駅前をちょっと見て、折り返しましたが、結局下りも私だけ。すれ違った上り?便もゼロ。
 10分間隔で座席定員8人のゴンドラが動くのがもったいないというレベルの路線でしたが、別にクルマで上がれないことはないところですから、バスで充分だったのではないでしょうか。2往復分実質乗客ゼロというのはあまりにも悲惨で、現状は少なくとも2人が張り付いていました。西宮名塩の斜行エレベーターのように、住民の共役費負担で無料開放して、エレベーターのように呼び出しがあって動くというようなほうが、まだマシなのかもしれませんし、実際、そういうレベルでの導入でしょうから。

2004.11.02 Update


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