【検証:】空港板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<ニッポンの空(港)論>
(過去ログNo.434)
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成田の役割
 投稿者---和寒氏(2003/07/29 08:10:02)
 http://www.geocities.jp/history_of_rail/
−敵は意外なところに潜んでいる
 └Re:敵は意外なところに潜んでいる
  └成田がハブであり続ける理由
   └成田がハブであり続けるには…
    └中国は脅威だが・・・
     └Re:中国は脅威だが・・・
      └Re:中国は脅威だが・・・
   └Re:成田がハブであり続ける理由
    └続・成田がハブであり続ける理由
     └Re:続・成田がハブであり続ける理由
      └≪管理者投稿≫これじゃずっと続きそう…
       └相似形の議論と非現実的な議論
      └Re:続・成田がハブであり続ける理由
       └Re:続・成田がハブであり続ける理由
        └日本でビジネスをしていく上では
        └≪管理者投稿≫先が見えない
         └Re:≪管理者投稿≫先が見えない
          └常識としての議論の前提
           └Re:常識としての議論の前提
            └Re:常識としての議論の前提
             └Re:常識としての議論の前提
              └そうならない前提での議論ですが

 前々からちょっと気になる話題でしたが、なかなか時間とれずでして。
 成田空港は世界でも稀な高密度需要地−首都圏−を後背地にしています。その全体の需要の中では埋没しがちであまり目立たないとはいえ、乗換利用者数も決して少なくありません。
 成田空港では、旺盛な需要を背景にしているがゆえに、いわゆるハブ機能が成立しているわけであって、その点ではアジアのなかでまだまだ比較優位を保っているといえます。そのため、羽田空港の国際化とは成田のハブ機能を削ぐばかりであり、その観点では利が少ないかと思われます。
 当面は金哺とグアム便ということですから、それだけならばローカルな利用者が中心で問題は顕在化しないでしょう。しかし、さらに遠距離便にまで開放すると、地球を股にかける利用者にとっては成田も羽田も不便な乗換ポイントとなり、アジアのハブから一気に転落するばかりではなく、世界の航空地図から日本が消える危険性をもはらんでいるかと思います。

敵は意外なところに潜んでいる
 投稿者---とも氏(2003/08/12 17:21:26) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 成田が既にハブ空港として機能しているのは皆様すでにご承知のこと。
 ただ、ちょっと嫌な雲行きが・・・
 と言いますのも、A340-500、600やB777-200LRに代表される超長距離機材です。

 北米からアジアへのフライトにおいて、確実にノンストップで飛べる限界は日本や台湾、ソウルなど北東アジアまでとされています。ニューヨークのように東海岸からでは成田が限界で、たとえ微妙な距離とはいえ中国国際航空の北京−NYは成田を経由しますし、キャセイパシフィックのニューヨーク線はバンクーバー経由、フィリピン航空にはホノルル経由も存在した時期があります。
 また、西海岸のロサンゼルスなどでも、タイやマレーシア、シンガポールからは成田経由や台北経由での運行となっています。
 これらの存在は成田からの利便性向上に資するだけではなく、これらと提携各社の乗り継ぎによる成田のハブ機能向上に密接に関わる問題です。

 しかし、昨今の航空機性能の向上はすさまじく、東南アジアからノンストップで北米を結ぶことが出来る機材が開発され、東南アジア系航空会社でも導入が進められています。
 これらによりノンストップ就航がされた場合、成田の地位低下は避けられず、アジアの玄関口からただのアジアの通過点に成り下がるおそれもあります。そのためには成田を軸にしたネットワークの形成が急務といえましょう。
 成田「パッシング」をさせないためには成田のネットワーク拡充が大きな課題なのです。

 まとまりませんが。ではでは

Re:敵は意外なところに潜んでいる
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/12 20:40:23)

 既に成田がハブとして機能しているのは理解しました。
 また、自然に成田がハブとして機能しているなら、成田を拡張するのが適当なのも理解しました。

 しかし、成田がハブとして機能しなくなるのが自然な流れなら、何故、自然な流れに逆らってまで成田がハブとして機能し続ける必要があるのか、教えていただけますか?

成田がハブであり続ける理由
 投稿者---とも氏(2003/08/14 13:23:01) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 しかし、成田がハブとして機能しなくなるのが自然な流れなら、何故、自然な流れに逆らってまで成田がハブとして機能し続ける必要があるのか、教えていただけますか?

 東京がアジアの経済中心であることは疑いようのないことです。その東京の求心力は確かに高く、それにより航空路も多数成立し、これが成田がハブである要因と言えます。しかし、それだけでハブが成立するわけではないのですね。もう一つとして航空機の航続性能の関係で成田がちょうど良い位置にあるということがあります。

 北米からノンストップでフライトできるという点でいえば成田のロケーションは良いのですが、航続距離が伸びたことにより、成田のロケーションが必ずしも良いとは限らなくなる。結果、そういった目的での成田寄港が減少し、ハブ機能が若干低下するおそれがあります。
 そこが懸念です。

 ハブ機能が低下することは日本にとって不利益か利益か。この辺は議論になる点ですが、不利益が大きいと言えましょう。
 ハブ機能を有すると言うことは多くの路線が設定されるということですから都市としての利便性は高くなります。シンガポールや香港が中継地として栄えたように。結果、それが減少していくことで日本の世界的な地位低下が生じるのです。いかに日本に魅力があったとしても、ソウル経由や香港経由でしか日本にたどり着けないとなった場合、旅客だけではなく貨物などの敬遠も生じかねません。
 ですからハブ機能は維持しなくてはならないのです。

 また、アジア域内利用者の利便性という側面もあります。
 たとえば、北米に向かう場合、バンコクやシンガポールからダイレクトでもロサンゼルスやサンフランシスコといった都市に向かうコトになりましょう。そこから先、アメリカ国内線のハブスポークネットワークで乗り継ぎ、目的地に向かうことになります。その場合、各社のハブで再度の乗り継ぎも必要になるかも知れません。たとえばデトロイトやミネアポリスやアトランタ、ダラス・・・でも、成田からならばこれらにダイレクトに就航できます。それは日本の経済力が背景にあるからこそアメリカの各ハブ空港にダイレクトフライトを設定してもペイするのです。
 しかし、東南アジア各国からではさすがにそこまでは無理です。
 いくら経済力があるマレーシアやシンガポール、中国でもダイレクトが設定できる範囲は限られましょう。おそらくニューヨークやシカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコぐらいでしょうか。
 また、逆もあります。アメリカからアジア各地への路線設定はさすがに採算面で不安がありますね。台北や香港やバンコク等大都市ならいいでしょうが、今成田で乗り継ぎができる高雄や釜山、大連、青島、広州等にダイレクト便をアメリカ本土の複数都市から出すのは難しいでしょう。
 各国内での乗り継ぎを考慮したとしても、行って戻ってといった行動パターンも生じやすく、決して利便性が高いわけではありません。となると、成田のようなハブ機能は利便性が高くなるのです。

 成田ハブ解消が自然の流れではなく、成田を経由しない便の設定が増えていくと成田の利便性が低下する、つまりそれは成田だけではなく北東アジアからの利便性低下につながるおそれもあるのです。
 よって、何を成田がすべきか。そこを考えていく必要があるかと考えますが。

 まとまりませんが。ではでは

成田がハブであり続けるには…
 投稿者---かまにし氏(2003/08/18 12:58:57)

 かまにしです。

 僕はこの手の話題にあまり詳しくなかったのですが、皆さんの議論を聞いていて、ハブ空港としての地位を築くために必要な条件として、

  1. 背後に控える都市の求心力

  2. 発地からの航続距離との関係

  3. 大量の航空需要を捌くための設備

などが挙げられ、中でも成田は特にAやBの要因から、これまで北米路線を中心に実質的なハブ空港としての機能してきたといえることが分かりました。よくマスコミは、中国や香港、韓国の3000m級の滑走路を複数持つ空港を取り上げ、こういった設備面での遅れから「成田がハブ空港として落第点である」という報じ方をしますが、それはあくまで一面な見方にすぎず、実質的にハブとして機能している現状を見ればとても的外れだったんですね。

 ただやはり個人的に気になるのは、「今後も成田がハブ空港として安泰か?」という点です。まずAについてですが、日本の人口は今後は明らかに局面を迎えていく反面、中国の経済規模は明らかに拡大していくものと思われます。もちろん人口そのものが減少しても、それを穴埋めするだけの交流人口を増やすことができれば、都市の求心力そのものを維持することは可能です。ただし、世界一の人口をバックにした経済発展で、北京や上海といった都市の求心力がさらに高まり、日本の求心力を上回ることも当然考えられます。

 またBについては、とも様がおっしゃるように技術革新などによって航続距離が伸びる可能性もさることながら、日本が北東アジアの拠点として有利な位置関係にあるのは、あくまで発地が北米の場合です。例えば、今後の世界経済において北米の比重が低下してしまった場合、とも様が挙げられた有利な位置関係そのものが変わってしまうことも考えられます。

 僕がこの議論を通じて感じたのは、日本がハブ空港であり続けられるかの鍵を握るのは、結局のところ、少子高齢化や産業の空洞化といった根本的な問題を、いかに乗り越えるかにかかってくるのではないかと思いました。そういった前提があって、成田や羽田の拡張といった航空需要を捌くための設備増強も活きてくるのでしょう。

中国は脅威だが・・・
 投稿者---とも氏(2003/08/18 14:02:26) http://town-m.vop.jp

 ともです。
 やや誤解もあるようですので厳しめに。

○北京や上海との競争
 まず、これらの空港が本当にハブ空港になりうるかという問題があります。
 上海に関しては明らかにハブねらいであり、その機能もハブ空港として十分なスペックを有すると言われています。設備面でも相当なものとの評判です。
 また、上海の経済的な地位・価値はこれも相当であり、その実力は侮れません。
 しかし、大きな弱点があります。
 これは北京もそうなのですが、歴史的なものもあって北京や上海からの路線設定に難があること、そしていくら人口が多くても交流人口に結びつかない点です。
 中国大陸からの直行ネットワークを調べてみると意外な事実に突き当たります。たとえば、北米やヨーロッパから中国の都市、大連や青島、広州、長春、ハルピンなどに向かおうと思うと経由地が限られてきます。上海や北京は多くの国から直行便が設定されていますがこれら中規模都市(といっても十分大都市クラスの人口はいる)への便は少なく、ネットワークでは成田、ソウル、香港といった都市からのネットワークに頼らざるを得ません。中国系各社はアライアンスへの加盟が進んでいないため、国内線−国際線乗り継ぎに対する料金的抵抗が大きくなっており、使い勝手は良くはありません。

 また、台湾へのネットワークに代表される政治的な問題が大きくのしかかり、就航都市が少ないという事実もあります。よって、ハブになってもスポークが弱くなります。つまり、上海なり北京なりをハブにする会社が無い現状において、これらの空港が単純にハブには成り得ないという事実は変わりません(上海は中国東方、北京は中国国際がハブにしているが、両社ともネットワークでみると充実はしていない)。

 さらにビザの問題があります。中国の出入国管理は厳しいため、ビザが必要です(トランジットであってもビザを要するケースが多い)。
 特区ビザ等により、空港によっては簡易取得が可能とはいえ、このビザ取得は大きな欠点です(日本も出入国管理が厳しく、ビザはうるさいがトランジットは容易)。
 さらに、航空協定があります。日本はアメリカとの協定で「日本〜第三国間」の輸送、いわゆる以遠権を認めています。よってアメリカ系各社は日本をハブにでき、米系各社の便名を日系やアジア系各社の便に付してネットワーク拡充が可能です(逆も可)。しかし、中国と各国の間にそのような協定が存在するかが鍵になりますが、そういったものは見られません。
 実際問題として、中国の都市を経由して向かう路線は少なく、今はイラン航空のテヘラン線のみとなっています。こういった部分も課題でありましょう。

 交流人口に関しては上海や北京への来訪人口が増えても、これらから出て行く人口が少なければ意味がありません。しかし、中国の今の状況では海外旅行の増大は期待できず、特にアメリカ・日本・ヨーロッパ各国も中国に対する出入国管理が厳しい(というか中国側の出国が厳しい)現状を考えると、その懸念はあまり考える必要はないでしょう。

○経済重心
 ハブ&スポークのネットワークというのは必ずしも経済情勢に結びつくモノではありません。
 仮に今のドルの力が弱まり、ユーロが強くなることでマーケットとしてヨーロッパシフトが起こっても、アメリカが後退するというものではなく、さらにいえばアメリカの人口が減少していく訳ではありません。

 つまり、ヨーロッパに対応しないからということはあまり関係なく、むしろ逆でアジアの経済成長があれば対北米・中南米に対するハブとなるだけでしょう(といっても成田はヨーロッパからのハブの一つにもなっているが)。

○産業空洞化や少子高齢化は切り離した方が良い
 ハブ空港論議において産業空洞化や少子高齢化は切り離した方がよいでしょう。総論としての経済論はいいとして、個別具体論としてのこういったものは直接的に関係がありません。むしろ、シンガポールや香港のように「ハブ空港機能」そのものが新産業として空洞化を埋める可能性も否定できませんし。
 確かに成田の場合、その強い需要がハブ空港としての成立を支えてきたのは事実ですが、衰退したハブであるアンカレッジやセントルイスのように需要が極端に少ないハブ空港ではない以上、あまり気にする必要はないでしょう。

 成田のハブとしての優位点はかまにし様ご指摘の点では揺るがないと思います。ただ、問題はハブ空港としての地位確保はしておかなくてはならないと言うことでしょう。その議論をするほうが建設的ではないかと考えますが。
 なにをすべきか、なにが求められるのか。
 悲観的に日本の将来を考えて、少子高齢化や産業空洞化に答えを求めるのはやや曲解と感じますが。

 批判的ですがご容赦を。ではでは

Re:中国は脅威だが・・・
 投稿者---かまにし氏(2003/08/18 16:34:53)

 かまにしです。
 すみません、誤解していたようですね…。

○北京や上海との競争
 この点については、僕は完全に勉強不足でした。ご指摘の点をまとめると、

ということでしょうか?

 ただ、この2点についても確かに「今」はそうかもしれません。ご指摘の点は要は中国政府の姿勢によって、いかようにもなるものです。中国政府も当然、ハブ空港化は狙っていきたいところでしょうから、前者については今後、少しずつ修正されていく可能性も大いに考えられます。また、後者についてはたとえ中期的に中国国内からの海外渡航者は限られるにせよ、中国が今後さらに巨大なマーケットと見込まれている以上、海外からの渡航者だけでも相当の数に上るのではないでしょうか。

○産業空洞化や少子高齢化は切り離した方が良い
 僕は、少子高齢化や産業空洞化の問題とは、やはり切り離せないと思います。とも様もご自分でご指摘の通り、成田がこれまで北東アジアのハブとして成長してきた背景として、ヒト・モノ・カネ・情報の集まる経済大国であったことが大きいと思います。この点は、香港やシンガポールも同様だと思われます。

 もちろん「ハブ空港機能」の存在は、こうした経済大国としての地位を「下支え」するものと僕も考えますが、そのためにはあくまでヒト・モノ・カネ・情報が集まることが前提になりますよね。

 ヒト・モノ・カネ・情報を集めるためには、いろいろの方法があると思いますが、それは少なからず少子高齢化や産業空洞化の対策にも結びつくのではないでしょうか。

 僕もとも様のおっしゃっていることは大筋では同感ですが、ただ「成田のハブとしての優位点はかまにし様ご指摘の点では揺るがない」とまでは言えないような気がします。

 細かい点で申し訳ありませんが…。ではでは。

Re:中国は脅威だが・・・
 投稿者---とも氏(2003/08/18 17:07:45) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 中国政府の開放政策により上海や広州が化けるのは十分考えられます。香港的な「特区」により政治制度を「一国二制度」に近いモノにすることで、結果的にハブ機能を高める可能性は否定できません。実際、中国政府は日本人に対する観光目的や乗り継ぎ目的のビザについて不要とすることを検討しているとは報道されています。
 実際問題として、海上交通と陸上交通と航空のマルチモーダルハブ都市となっているシンセン市は「特区」としてビザは短期滞在であれば事実上不要です。入国前に入管で簡易ビザを取得することで入国できます。
 ですから中国政府の腹づもり一つなのは確かです。
 しかし、それをしたとしても、中国系航空会社の各国への乗り入れに制約がある以上はハブ形成は相当困難といえましょう。
 北米への中国系会社の乗り入れは未だ限られていますし、今後米中が緊密になったとしても、日系や米系ほど多くの都市に乗り入れができるかは微妙な問題です。

 中国への渡航者は確実に増えるのは私も同感です。しかし、ここで鍵になるのはルート取りです。上海や北京から中国各都市に再度国内線に乗らなくてはなりません。上海や北京単体でももちろん相当大きな需要はありますが、そのボリュームは東京にはとても及ばないのです。
 仮に海外からの渡航者が倍増しても、出て行く人も増えなければ増加分は限られます。つまり来訪者だけで東京規模、世界でもトップテンに入る出入国者数を確保するというのは困難でしょう。
 しかも広州や南京など他の都市からはすでに日本や韓国への国際線が設定されています。そういう路線との競争となったとき、果たして上海ハブ・北京ハブが成立するのか。懐疑的にならざるを得ません。

***
 今後、東京に人・モノ・カネ・情報が集まらなくなると言い切れるほど日本の国力は弱いのでしょうか?
 そこでしょうね。
 少なくとも世界的に見てそこまで日本が弱いとは思えません。
 少子高齢化にしても労働人口不足は生じるでしょうが、かといってそれで生産性が落ちるというのはどうも解せません。産業空洞化も、「ではそれが日本の空港が中国や韓国に比べ劣るモノとなるほどに国力を殺ぐものなのですか?」ということですね。
 確かに産業空洞化は大きな問題です。でもそれをハブ空港に結びつけても何も答えは出ないのでは?
 逆にハブ空港(港湾)を軸にする「中継産業」育成という観点でというのなら解りますが。

 確かにこのままほったらかしはできません。新たな産業を考えていく必要はある。それはそうだと思います。しかし、だからといってハブ空港論まで深入りして中国や韓国に負けるとは考えにくい。

 たとえば、観光需要に関しては日本への潜在需要はあるんですが供給が追いついていないのが現状です。特にアジア圏からの訪日は爆発的な勢いで増えており、今後、それこそ台湾や香港や韓国、ASEAN各国の経済成長次第でさらに伸びましょう。さらに、欧米でも日本への旅行はそれなりに人気があるのですが、日本側の受け入れに問題があり、なかなか増えていない現実があります。
 そういった需要を取りこぼさないかも考えることです。

 さらに、成田は今は入港「キャンセル待ち」状態です。よってこれらを如何にして取り込むか、そのことが求められましょう。
 つまり、今は取りこぼしている訳です。これをどうやって上手くすくい上げるか。
 ソウル仁川や上海がどうやって呼ぶかで悩んでいるのとは対照的なのです。

 そう考えると、ハブ空港論議は産業空洞化や少子高齢化と分けて考えるべきだと考えますが。

 産業空洞化や少子高齢化で日本の国力は落ちる一方でいずれ中国・韓国に抜かれるから、羽田や成田の需要もこれ以上は伸びないのでこのままでよいなどという悲観的な議論ではないのですから。

 厳しめです。ではでは

Re:成田がハブであり続ける理由
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/18 18:07:37)

 まず、私は「成田がハブであることが自然な流れでも、他の空港をハブにしろ」と言ってる訳ではありません。
 また、東京がアジア経済の中心であること等が、成田がハブであることを自然な流れにしていることも理解してます。
 でも、やっぱり成田がハブとして機能しなくなるのが自然な流れなら、何故、自然な流れに逆らってまで成田がハブとして機能し続ける必要があるのかは理解できません。
 教えていただけますか?

 それと、以前も書きましたが、日本単独で見た場合の話に興味はありません。

ささやかな疑問-成田「経由便」の通関扱い log432.html#3

続・成田がハブであり続ける理由
 投稿者---とも氏(2003/08/18 19:44:49) http://town-m.vop.jp

 ともです。
 そもそも論からになるんでしょうね。

1 なぜアジアにハブ空港が必要か、ハブアンドスポークネットワークが必要か

 いくつもの理由があります。一番は効率性。多くの需要(アジアであれば太平洋横断区間とかヨーロッパ−北東アジアなど)がある区間では束ね、拠点から路線を出してサービスすると。
 それが単純に見てローカルtoローカルよりも効率的なわけです。
 その拠点たる空港は

  • 拠点都市であって後背地の都市規模が高い

  • 域内へのアクセス路線(空路だけに限らず)が豊富でかつ位置的に他の大陸及び地域の拠点空港への航空路の便が良いところ

が不可避な点になります。
 というのも、ハブ空港で基幹路線からローカルに乗り換えていく訳ですが、これらの成立にはそもそもその都市の経済力や求心力がないと成立し得ません。

2 ではどうして成田をハブにしなくてはならないのか

 何度も書いていることのおさらいになりますが、新たな点も加えて整理するとこうなります。

  1. ハブ空港となることでアジアの地域的な核としてさらに強化される。

  2. アジア圏において単独で北米やヨーロッパ各地に路線を就航できるほどの需要がある都市は少ないので単独で就航できる数少ない都市の一つである成田を核にすることが結果的にアジアの世界的なアクセス性向上に資する。

  3. 2.同様、アジア域内路線においても単独就航でもそれなりに需要が見込めるので、路線が成立する。

  4. 北東アジアで数少ない政治的制約が少ない立地であり、もともと他国便が乗り入れない北朝鮮を除くアジア・オセアニアのほぼ全域にフィーダー路線網を設定できる(就航していない国でも就航希望は多い)。

  5. 旅客だけではなく貨物においても同様であり、需要が比較的少ない路線では客貨混載となるがその場合でも効率が良く、利便性が高くなるということでしょうか。

 たとえばソウルをハブにしたとしても、ソウルから北米各地、それこそ日本から就航しているような都市にまで就航が可能でしょうか。いくら日本の地方需要を集めてもおそらく無理でしょう。
 また、アジアはどうでしょう。台北や香港、バンコク、シンガポールへの路線をソウルからこれだけの頻度で出せますでしょうか。
 その需要があるか、非常に懐疑的です。

 つまり、アジアの様々な国からのアクセスが容易で、かつ世界各国と結ばれる空港。これが使いやすいハブ空港の条件になります。その場合、ソウルでは韓国の経済からして今のところまだ役不足。上海では政治的に厳しい。となると、北東アジアでは成田というのは当然ではないでしょうか。
 もちろん、ハブは地域に1つではありません。アジア地域で見れば、シンガポール・バンコクが東南アジアのハブに、東アジアのもう一つのハブとして東南アジアとの境にある香港がハブ機能を有し、各国航空会社が乗り入れる拠点になっているのですから。

3 では航続距離が伸びてローカルtoローカルになれば利便性は向上し、乗り継ぎポイントとしての成田は不要では?

 これは成田ハブ論では注意しなくてはならない点です。
 たとえば、TGのバンコク−成田−ロサンゼルスがA340-600化でバンコク−ロサンゼルスのダイレクト就航になったとしましょう。
 そうなった場合、運行するTGはバンコク−ロスの所要時間大幅短縮になり利用者も大喜び・・・ですが、常に一定レベルの搭乗率を確保しなくてはなりません。
 その際、バンコクは東南アジアでハブ機能を有してますから、マレーシアやミャンマーやインドなどからそれなりの集客は期待できますが、タイの経済力からしてロサンゼルスまでのダイレクト便で常に高い搭乗率を確保できるほどの需要があるのか、やや疑問と思わずにはいられません。そうなった場合、この路線、そのものの集客力に難が出てきます。つまり、「成立しない」可能性があるのです。これまでは成田経由とすることで、バンコク−成田、成田−ロサンゼルスという旅客(両方とも相当な高需要区間)を確保できたのにそういった客がつかなくなるということです。そうなると下手するとTGはロス線ではあまり儲からなくなり、場合によっては減便もあり得ます。
 利用者サイドから見ると、バンコクからロス以外の都市に行く場合、これまでは成田で同じスターアライアンスのUAやNH、AC便に乗り継ぐことで、ニューヨークやシカゴ、シアトル、ワシントン、バンクーバーなどにタイムロスなく乗り継げました。しかし、ロスにダイレクトの場合、ロスで乗り継いでそれぞれに向かうのですが、場所によってはタイムロスが生じます。たとえばバンクーバーなら一度南に行って北に戻るという動きになる。その距離は数時間にも及びます。

 であればTGはA340-600を入れなきゃいいだろ。となるかもしれません。しかし、成田の発着料やキャパシティに問題がある上に、他の経由地でも多かれ少なかれそういう問題はある。そういう地点を経由する路線を就航させるのもどうも・・・となれば超長距離機材に導入は一つの考え方になります。

 それによるデメリットをカバーするにはどうすべきか。そこが成田ハブ論の一つのポイントです。

4 自然な流れはいくつもに分かれる

 上述のとおり、超長距離機材導入は一つの流れではありますし、メリットは当然あるのですが、デメリットもある。だからこそアジアの玄関口となる成田のハブ機能を拡充させてそのデメリットをカバーする必要があるのです。
 仮に、バンコク−ロサンゼルスの旅客が直行便に流れても、成田の利便性が高いままならバンコク−NYとかバンコク−シカゴなどの旅客の一定割合は成田乗り継ぎで残りますし、利用者もそれを苦とは思わないでしょう。しかし、成田が不便ならそういう旅客は時間ロスを感じつつロスを経由するしかありません。利用者は不便と感じる場合もありえましょう。
 かといってTGがSFO線を別途出せるかといえばそれまた厳しい。でも、成田が使えなければ他の空港を経由して設定するかも知れない。そうなったとき、バンコクやサンフランシスコ線の利用者が減少し、いくら東京の需要が強くても今ほどの高頻度運行が出来ない。そうなれば頻度が下がる→利便性が低下→空港ポテンシャルの低下というスパイラルにはまります。そうなった場合、東京の都市としての需要をしぼませることにもなりかねません。
 であるからこそ成田の利便性を高め、ハブ空港として機能させることが重要なのです。

 自然な流れはいくつもに分かれることもあります。その流れの一つが超長距離機材導入であるのは確かですが、成田ハブはそれに逆らっているのではなく、別な一つの流れといえます。
 なにもアジア線全便を成田に寄港させるべしではないんです。成田の利便性を損なわないように施設や施策で配慮すべし。ということです。

5 直行便は便利だが・・・

 この手ケースで類似例は結構あります。
 エジプト航空は、B747を使い東京−マニラ−バンコク−カイロを就航していましたが、就航距離の長いA340を導入した際、東京−カイロのノンストップとマニラ−バンコク−カイロに分離し就航させました。ちょうどエジプト観光が日本で人気であったので、当初は好調のようでしたが、テロの影響で観光客が激減。これまではマニラやバンコクまでの利用者もいたため、そういった場合でもエジプト観光だけではなく様々な需要を確保して搭乗率を保っていたのですがカイロ直行では保てなくなったと。で、さらに、マニラ・バンコク線も不振になったと。そこで結局はマニラ・バンコク経由に戻ったという経緯があります。
 エジプト航空はバンコクでのハブは組んでいないものの、バンコク経由とすることで東京−バンコク、バンコクーカイロをも確保でき、さらに南アジアや東南アジアへの旅行者にも利用されるバンコクハブを形成する1路線となっています。

------
 TGやSQ、QFの北米直行便を否定するのではありません。
 また、ソウルのハブとしての育成を阻むつもりもありません。
 しかし、成田でのハブ解消、成田のローカル空港化が必ずしもアジア全体の利益にはつながらないのです。
 成田ハブはメリットがあるということをもっと打ち出した方が良い。成田の高い利便性をもっと追求し、利用しやすくした方がよい。ということをみなさんが書かれ、ハブ空港として育成した方が良いとするところでしょう。
 これこそが「成田がハブであり続ける理由」そのものでしょう。

 いかがでしょうか。
 それでは。

Re:続・成田がハブであり続ける理由
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/19 01:08:37)

 全然、私の質問の趣旨を理解していただけなかったみたいですね。
 しょうがないので、質問内容を変えてみます。

 東京以上を経済力を持ち、政治的問題も無い都市がアジアに出現したら、ハブ空港はその都市に建設されるべきなのですか?

≪管理者投稿≫これじゃずっと続きそう…
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/08/19 04:54:07)

 THE-Q様、とも様。
 外野からで申し訳ないですが、これじゃいつまで経っても変わらなさそうです。

 成田の地理的、アジア経済圏的背景からの国際ハブ空港としての現実については概ね相互理解が進んでいるようですが、この先においてどうしたらいいのかというところで根本的相違のままで、「質問を変える」云々をなされても、言葉を尽くしてもその相違は埋まる気配が無いと思われます。
 別にどちらの方を持つわけではないですが、当方としてはこれまでのスレの流れからも、そもそも日本に住み暮らすものとしても、滑走路、ターミナルといったキャパシティに留まらない成田の利便性向上余地はまだまだあって、それをどうするべきかを考えてゆく事が必要なのではと思いますが。そして一方でアジアの他の国際ハブ空港にもメリットデメリットがあるなら、そのポイントから指摘されたほうが議論がかみ合ってきそうな気が致しますが…。

 何せ当方自身、先ず渡航経験ゼロというところで知見から具体的内容そのものを論じることがなかなかできないのが面映いのですが、ちょいと議論の流れまでに私見を述べさせて頂きました。

相似形の議論と非現実的な議論
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/19 09:23:02) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ここまで拝見してきて感じたことですが、2つの親スレともに、実は航空、それも国際線特有の話ではなく、交通全体の一般論として既に回答が出ている部分だと思います。

【羽田国際化】 あれれ?これって効果が・・・ log432.html#2
ささやかな疑問-成田「経由便」の通関扱い 
log432.html#3

 つまり、ハブ&スポークにおけるハブ相互間は、新幹線など大量輸送機関による集約がベターな区間と擬制することが可能であり、そこから接続する交通を鉄道なりバスなりマイカーなり、輸送規模に応じて用意する形態と同じことでしょう。
そして片方のハブと片方のスポークの先端や、スポークの先端同士の流動も確かにありますし、無視し得ない規模だったり、交通拠点として魅力的な面を持つケースもあります。ただそう言う場合でも、大量輸送機関を直接持ってくるほうが良いのかは別問題でありますし、ローコストの高速バスなどで直通需要をサポートすれば足り、大局的には並行するハブ&スポーク形態のルートによる輸送のほうがメインになっているという棲み分けの例はそれこそ数多くあるわけです。

 そう言う視点で今回の議論を見れば、北米や欧州を片方のハブとして固定した場合、中国・韓国・東南アジアへの需要は確かにあるけれど、機材その他でコスト高な直行便を割り当てる需要は無いわけで、成田をハブにする輸送をメインにしたほうがベターな区間であるわけです。そして成田がハブとしてふさわしい理由はこれまで述べられたとおりでしょう。

***
 成田がハブの座を下りるケース。それはまさにTHE-Qさんが仮定した事態が発生したときです。
 国内の交通においても、都市の栄枯盛衰、交通モードの変化によりかつては拠点だった都市が今では見る影もなしという例は数限りなくあります。北陸北回りルートの乗り換え駅としての長岡、四国への玄関口としての宇野や高松、九州の玄関だった門司港、門司。もちろん都市自体は自体しているケースも多いですが、ハブとしての性格は失われています。

 一方でそういう事態が発生するのかどうか、またそれを是とするのか。
 大前提として、そう言う事態は日本の繁栄、国際社会におけるプレゼンスの根源が失われることを意味しますから、理論としては有り得ても現実のものになることを絶対に許してはならない部分です。

 また、他国が日本に代わり北東アジア、いや、アジアにおいての中心になりえるのかを考えますと、軍事的な「強国」であるだけで良いのならかつての東西対立の一方の雄であったソ連、そしてその首都モスクワは欧州の拠点だったはずですが、そうではなかったことから、経済面での「強国」ということになります。
 そうなると少なくともその国がパリクラブメンバーになり、さらにG8に招聘されるくらいの実力を継続して備える必要があります。当然、その国の通貨はハードカレンシーであり、変動相場制を取り金融市場に受け容れられる必要があります。もちろん自由貿易、自由な人的交流によるヒト・モノ・カネの流れは必須です。
 日本はこれらの条件を総て満たしているわけですが、逆にアジア諸国でこれらの条件を一つでも満たしている国があるかというとどうでしょうか。貿易面という意味でインドと台湾が該当するくらいでしょうが、インドは地理的に西に寄り過ぎていますし、台湾は政治的問題があります。

 そう考えると「仮定」は理論的には可能ですが、極めて現実味に欠けます。
 ならばそうそう心配する必要は無いとも言えますが、せっかくの成田、いや、日本のプレゼンスを活かさない手は無いわけで、そう言う意味で成田のハブ機能を向上させるべきという提案は意味をなすわけです。

Re:続・成田がハブであり続ける理由
 投稿者---とも氏(2003/08/19 11:33:38) http://town-m.vop.jp

 ともです。

 全然、私の質問の趣旨を理解していただけなかったみたいですね。
 しょうがないので、質問内容を変えてみます。

 失礼致しました。

 東京以上を経済力を持ち、政治的問題も無い都市がアジアに出現したら、ハブ空港はその都市に建設されるべきなのですか?

 はい。そのとおりです。というか「べき」ではなく「される」でしょう。

 もっと言いましょう。韓国の経済発展が進み、世界経済においてウォンが国際通貨として認知され、かつ世界中の都市からソウルに航空便が就航するようなコトになり、韓国が世界経済において非常に大きな役割を担い、G8クラスの会合に参加し、ソウルの株式市場の動向がNYやロンドンに影響を与えるほどになり、その時点で東京の株式市場が世界から相手にされなくなり、円が世界中で通用せず、一度ドルにしなければ海外では両替できないほどの価値になり、先進国から途上国に落ちぶれる。そんな事態になれば、アメリカ系、ヨーロッパ系各社は採算の確保できない成田を見切ってソウルに移転をし、米系の太平洋線、ヨーロッパ系のシベリア回り直行は相手側の需要で確保できるロンドンやパリなどのお情け路線程度となり、日系の太平洋線も採算確保ができないため大幅に減って1日に数便になり、アジア系各社は日本線から撤退し、フェデックスやDHLやカーゴルクスも撤退することになりましょう。
 ソウルが無理でも香港やシンガポールなら移転はあるかもしれませんね。
 そうなって成田は自然淘汰され、ハブ機能はソウルなどに移転していってしまうでしょう。

 ただし、そこで日本政府が、たとえば成田空港及び周辺地域全体を保税区域にするとか、ターミナルビルを拡張整備し、滑走路の延伸・増設を行うとか、着陸料を下げ、乗り継ぎが容易なように整備をするといった、「中継貿易」的な役割に徹した空港に作りかえるような策を講じていくのなら、成田にとどまり続けることは航空会社にとってメリットがありますから便が多少逃げることはあっても、ハブ機能はそれなりに維持されることとなるでしょう。バンコクが東南アジアのハブであるように、その国の経済力ではなく、「空港」が一つの産業になるような施策を講じれば、ハブ空港としての機能は保持されます。

 また、ソウルがアジア経済の中心になっても、日本の経済力がまだ世界経済において競争力を有しているのであれば、ソウルと成田双方がハブとして機能していくのでしょう。なにもハブ空港は地域に1つしか設けないモノじゃないのですから。

 もし、日本経済は今後、産業空洞化、少子高齢化で明らかに衰退するから韓国や中国に確実に淘汰されるのが自然の流れであるから成田をハブにする必要がないということならば、それも一つの考えではあります。しかし、それでは日本という国を考えれば損をするだけのこと。であればむしろ、成田をハブとしてきちんと育成し、世界各国からの航空便がたとえ世界経済での地位低下があっても集中するような策を取るのが国の政策として当然でありましょう。まさにアジア通貨危機の際に香港やシンガポールがやったことです。日本の国益などどうでもいいからアジア全体の利益をというのなら、その前にそもそも日本の世界経済での地位が衰退しないことこそがアジア全体の利益にかなうのは明らかでしょう。「ジャパンマネー」がアジア経済に与えているインパクトを考えればわかることです。日本がダメになれば韓国や中国企業も市場を失うのですから。
 世界経済から見ても韓国や中国の成長はそれは大変良いことですが、だからといって日本の衰退が良いことでは無い。そんなことは誰にでもわかることです。

 今のアジアにおいて航空路のソウルシフトは自然な流れではありません。日本の地方空港の「国際線開設競争」という「メンツ」において、安易に開設できるソウルがターゲットになる(需要もあるし供給面での不安も小さい)というだけのこと。
 むしろ自然な流れと成り行きにまかせれば成田にさらなる集中が進むことだって考えられます。すでに関空にはいっているエミレーツや、計画が進むエルアルだって本当の乗り入れ希望先は「成田」なのですし。

 成田はハブ空港になろうとしてなった空港ではありません。その辺がソウルや香港やシンガポール、あるいは関空とは違います。でもハブになっている。つまり自然な流れでハブになっているのです。そういう空港を自然の流れではないからとか世界的な経済面から・・・という理由で「ソウルでいいじゃない」というのはそれこそ自然の流れというか、需要や供給を全く無視した議論にすぎなくなると思いますが。

 批判的ですが、どうもこれ以上の議論に意味を感じられませんので。ここでひとまず。
 では

Re:続・成田がハブであり続ける理由
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/19 13:38:34)

 つまり、
 東京がアジア経済の中心であり続けるなら、世界全体の為に成田をハブにして欲しい。
 そうで無いなら、日本一国の為に世界全体を無視して成田をハブにして欲しい。

 そういうことでしょうか?

日本でビジネスをしていく上では
 投稿者---Tom氏(2003/08/19 21:18:16)

 THE-Qさんの見解が示されていないところで横レス気味の意見を書くのも何なのですが。

 日本で世界を視野に入れたビジネスを進めて行く上では、日本国内、それも経済中心地である東京圏にハブがあることは重要なことと思います。
 既に他の方が書かれている通り、ハブはなりたくてなれるものではなく、日本に魅力がなくなれば無理やり留めようとしても出て行ってしまうことでしょう。
 そういう中でも、唯一のハブでなくとも、ワンオブゼムであってもハブがあれば、世界各国に行くための時間障壁が低くなります。

 国際線で乗り継ぎをされたことがあればお分かりだと思いますが、国際線から国内線/他の国際線への乗り継ぎが短時間で済むケースしそう多くはありません。
 便数が比較的多い北米であっても、国際線→国内線の乗り継ぎで3時間程度待たされることはザラにあります(直行便のない南米やアフリカへの観光ツアーをみてみればわかると思います。米国内一泊とか、西アジア・欧州一泊なんてのもザラにあります)。
 また、国際線→国際線であれば、それぞれ一日一便〜ニ便程度しか飛んでいない区間というのは実は相当数あるのです。
 成田がハブである為、パリやロンドン、NY、LA、SFなどについては一日に5便以上飛んでいますし、ダラスやデトロイトなどにも直行便がとんでいます。
 その為、日本企業でも北米や欧州に展開している企業はたやすく人を派遣できますし、また日本で会議などをやる場合でも比較的容易に参集できます(例えば、デトロイト便がある為に日系自動車メーカー/電装部品メーカーがビッグスリーと商談や会議を持つときでも気軽に飛べますね)。

 これが、乗り継ぎ便だとそうたやすくは行きません。観光ならばともかく、ビジネスで途中乗り継ぎで数時間もロスすることになればそれこそ時間の無駄が生じます。海外出張を多くするクラスともなれば社内でもある程度の地位にいる人が多く、尚更でしょう。
 また、外国からのビジネスマンの足も遠のくことになりがちになると思われます(どうしても「日本」でなければらないこと以外は)。
 日本がアジアの中心であったからこそ、当たり前のように享受していることのいくつかは失われることになります。
 そういう観点からすれば、日本という国として諸外国の航空会社に魅力あるサービスを提供するように努めるのは当然のことでしょう。
 ただ、従来は日本以外の中心地は考えられなかったため、成田がバカ高い着陸料でも利用されていますが、他に魅力あるハブが東アジアにできた時は着陸料の設定などは考え直さないといけないでしょうね。
 ただし、幸いにも日本はアジアの東端にあるという好立地の為、経済力と相まって第一のハブであることはなくなってもハブの地位そのものをなくすことはないでしょう(シンガポールなどは東南アジアのポイントとなる所にある為、対アフリカ便が運航しており、日本人にも良く利用されていることをお考え頂ければ良いかと思います)。

≪管理者投稿≫先が見えない
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/08/19 19:41:37)

 【検証:】サイトを御覧の皆様、おさぼり管理人の551planningでございます。皆様には当掲示板群の快適な議論スペース維持に御理解御協力を賜りまして、誠に有難うございます。

 さて、THE-Q様

 そういうことでしょうか?

 まず、そういうことであったとして、あるいはなかったとして、それで貴殿はどのように反応されるのでしょうか。
 貴殿自身が投げかけられている通り、もはや視点はYesNoになってきているところでその先に何を求められているのか。

 弊BBSは皆で考える一助となるための議論スペースです。当該スレの流れはもはや議論ではありません。質問であれば質問板にてお願い致したく。

 以上。

Re:≪管理者投稿≫先が見えない
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/19 22:33:52)

 まず、そういうことであったとして、あるいはなかったとして、それで貴殿はどのように反応されるのでしょうか。

 そんなの、ともさんの回答しだいですよ。
 「そういうことです」とか「違います」といった答が返ってくるとは限りませんからね。
 それどころか、現地点において成田がハブとして相応しい理由とか、成田をハブにすることによって日本が得る利益とかを、えんえんと書き並べられる可能性すらあるじゃないですか。

常識としての議論の前提
 投稿者---とも氏(2003/08/20 12:37:04) http://town-m.vop.jp

 ともです。
 非常識なゼロサム議論はハッキリ言ってしたくありません。

 東京がアジア経済の中心であり続けるなら、世界全体の為に成田をハブにして欲しい。
 そうで無いなら、日本一国の為に世界全体を無視して成田をハブにして欲しい。

 そんなの、ともさんの回答しだいですよ。
 「そういうことです」とか「違います」といった答が返ってくるとは限りませんからね。

 ということですので、示すだけ示しましょう。

 「そういうことです。」

 日本の国益を考えれば成田ハブは保持が必要であると。
 しかも「ハブにして欲しい」ではなく「ハブになっている」ですが。「ハブにしてください」とは誰も言ってもいないし、言う必要もない。だって、「既になっている」のだから。

 そもそも東京の経済地位の信じられないほどの低下=日本の国力の極度な衰退=国民の不利益ですから国策として避けるのは当然でしょ。国益を減してまで何もしない政府など常識的に考えて、ありえない。
 当然、言うまでもなく「世界全体を無視して」ではないです。あったり前ですが。

 国益と国民の利益と世界やアジア情勢を考えてのこと。そんなことぐらい議論の前提でしょう。

 これでいかがですか。こんなの議論とは言わないでしょうが。
 では。

Re:常識としての議論の前提
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/20 14:33:43)

 「ハブにして欲しい」ではなく「ハブになっている」です

 了解。訂正しておきます。

 そもそも東京の経済地位の信じられないほどの低下=日本の国力の極度な衰退=国民の不利益ですから国策として避けるのは当然でしょ。国益を減してまで何もしない政府など常識的に考えて、ありえない。

 質問内容が悪かったかな?
 もう一回、質問を修正しますね。

 東京の経済地位が「他のアジアの都市と比べて」低下した時でも、成田がハブであり続けて欲しい。
 そういうことでしょうか?

Re:常識としての議論の前提
 投稿者---とも氏(2003/08/20 17:18:15) http://town-m.vop.jp

 もういい加減にしませんか。
 ここは質問をやりとりする場ではないですね。議論をする場です。あなたの考えを明確に示さず、人の考えを聞く。まぁ議論にならないですからいい加減これで止めましょう。

 東京の経済地位が「他のアジアの都市と比べて」低下した時でも、成田がハブであり続けて欲しい。
 そういうことでしょうか?

 何度も同じことを書いてますし、他の方も書かれてますから書くのはアホクサイですが。

 日本の国益を考えれば「そのとおり」。ハブでありつづけなければならないでしょう。

 ソウルに抜かれたらソウルがハブ空港として台頭してくるかもしれないし、香港に抜かれたら香港かも知れない。成田のハブ空港の地位は自然と危うくなるかも知れない。
 でも、だからといって日本政府自らが「成田をハブではないようにします」などとバカなことをするか?といえばするわけがないでしょ。なんとか引き留めるように策を討つ。当然ではないでしょうかね。それがおかしいですか?

 それでは

Re:常識としての議論の前提
 投稿者---THE-Q氏(2003/08/20 14:33:43)

 でも、だからといって日本政府自らが「成田をハブではないようにします」などとバカなことをするか?

 何で世界全体の為に日本が身を引くことがバカなことなの?
 第一、引き留めるのに失敗したら多額の税金が無駄になるよ。

そうならない前提での議論ですが
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/08/20 19:46:12) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ここまでくると話にならないとは思ってますが...

***
 国境というものは都道府県境や市町村境などと違って非常に厳格であり、残酷なものです。
 世界全体のためといっても、そのメリットが日本にきちんと返ってくることは絶対にありません。日本全体のためにある地域は我慢しろといっても、そこの住民が命まで取られることはありませんし、生活水準が極端に下がることもありませんが、国境が絡むとそれが起こりますよね。他地域の繁栄の蔭に、別に政治体制にとりたてて問題があるわけでもないのに国民の多くが飢餓で死線をさまよい、30歳代の平均寿命に甘んじ、食糧支援があるといっても死なないのがやっとというような国が確実に存在するわけです。でもそれで世界全体で考えるとメリットが勝っているという残酷な現状があるわけです。

 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、とは言いますが、国際社会では浮かぶ瀬など無く、沈んだらそれっきりです。そうならないために頑張るのが一国の政治であり、そうやって守り育てるのが国益というものです。失敗したら税金が無駄になるというようなレベルではなく、失敗することが許されないという話であり、我々の議論も、その最低限の前提を否定しては進みません。
 常識論で語らずとも、そもそも、交通のあり方を考えるというこの場において、交通も当然含む我が国そのものが悪化することを是とする方向での議論は、本サイトのテーマと根源から矛盾しているのではないでしょうか?

アジアの空の覇権 log436.html#21

2004.11.14 Update


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