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【検証:近未来交通地図】Special030 函館サミット探訪記 (2003/10/2〜5)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。 |
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こんにちは。いつもお世話になっております。
さて、私、今月初めに行われた第6回路面電車サミット函館大会に行ってまいりました。思い起こせば8月18日に函館の事務局から私宛に来た案内状、すべてはここから始まったわけで。
第6回路面電車サミット2003 in 函館 公式ホームページ http://www.donan.net/shiden/
● 迷った芸術ホールへの道
10月2日、函館上陸。白鳥71号で降り立った私は、路面電車がテーマなサミットなのですが、会場の芸術ホールに行くのにあえてバスに乗ろうとしました。ご存知のとおり、交通局のバスはすでに函館バス(株)に移管されており、その状況も見たかったのもあり、早速駅前のバスターミナルへ。
ところが、バスターミナルへ行ってマップを見るに、芸術ホールは駅前から出ておらず、近辺の棒仁森屋前から出ているとのこと。諦めて五稜郭公園前まで市電で向かうことに(あとでわかったことですが、路線バスは朝・夕のみしか芸術ホールに立ち寄らないそうです)。
さて、五稜郭公園前電停についてまず感じたのは、駅前に比べて人の賑わいがぜんぜん違ったこと。バス停には駅前に比べ多くの市民が待っており、同じ中心市街地でもそこそこの雲泥の差があったように感じました。のちにタクシーの運転手に聞くと、駅前より美原(昭和)地区や七重・上磯両町に近い五稜郭は中心市街地衰退の中でいまだ賑わいを持続しているとのことでしたから、まだ期待できるのではないかと空想した次第。
問題は電停から歩いて芸術ホールというとき。それが大変でした。重い荷物を引っさげて10分、コンビニの店員さんに教えられて裏道を歩いてやっと到着しました。芸術ホールって不案内ですね。ついでながら、このようなコンベンションが行われるのにもかかわらず、案内人がいなかったのも残念な限り。
14時、ようやくサミット初日の幕が切られました。● サミット本編初日
さて、芸術ホールへ入ると、この「検証」でも書き込まれた岡山RACDA代表の岡氏に早速声をかけられ数分雑談。本当はこっちから質問しようにも、やはり予想通りなことに向こうからの質問攻めといったところでしょうか。
今回のサミット、聞いた話では参加者は前回の熊本サミットを大きく下回る100人程にとどまった模様。先日に道東ながらも地震があり、加えて各地域から行くのに不便である由があったからではとの事務局の話。それでも全国路面電車愛好支援団体全部と全国路面軌道全国協議会のうちの7割くらいの事業者がそろってよかったとは思いました。また、路面電車のないところの団体で見かけられたのは私の知る限りでは残念ながら金沢の団体のみにとどまったこと、この「検証」で話題になった浜松の団体が来ていなかったことを記しておきます。※[修正]路面電車のない町での参加団体で修正。よく見てたら第三分科会で東京都中央区の街づくり協議会のメンバーがパネラーでいました。金沢以外にもいたようです。また、参加者100人は函館外からです。
14時前、歓迎アトラクションとして民謡披露があり、その後本編が始まりました。おのおのの挨拶があり、各都市による報告があって(この活動報告は、おそらくニュースでも流されているような、あるいはこの「検証」でも紹介されているような内容ばかりでしたので省略いたします)、最後に国土交通省の道路・鉄道両局のお役人による基調講演(これも中身はここの常連各氏にはわかるようなことばかりなので省略)と続いて、16:10ころ終わった次第。
その後、部分低床車とパトカー塗色の貸切電車に乗車して、駅前のホテルに移動と相成ったわけです。ただし、私は荷物を宿に入れるため、タクシーで移動したために、残念ながらこちらには参加しませんでしたが。
そのかわり、宿のあった五稜郭(ちなみに私は宿の斡旋をあえて受けませんでした)からバスに乗ることにしました。地理に不慣れなのを承知で、1本(14系統)乗り遅れたあと来た39系統に乗車、するとこの道をたどってきてびっくり。実はずいぶん前に廃止された函館市電の走っていた跡をたどるコースだったようです。いい収穫でした。電車廃止後は4車線の道路となっています。
そういえば、西武デパートがなくなったということは知っていましたが、ではバス停名はどうなったか知りたかったのですが、函館バスによると、しばらくは名称変更しないとのこと(車内で張り紙あり)。また、発着機能のある西武前についても残すこととなったようです。
さて、バスの話に戻りますが、残念ながら、車内の客は5人も乗っていませんでした。しまいには函館駅前終点で振り向くと、私一人という、地方ならではの光景になりました。ほかの時間の入りようはわかりませんが、これでもこの39系統、函館空港からですが、毎時1〜2本ほどはあるようです。さて、夜の会場であるハーバービューホテルでは、代表者会議が開かれるとのこと。個人の身分で来ている私には本来なら用無しではありますが、傍聴だけさせてほしいと議長氏にお願いしてみると、快く認めて頂きまして見物させていただきました。この席で、全国路面電車愛好支援組織に全国鉄道利用者会議と福井のROBAの会、ならびにLRTさっぽろの加盟承認と、第8回サミットの開催が2006年長崎に決まりました。また、来年の7回開催の高知からの報告で、期日を10月22日(金)〜24日(日)になったとの話もありました。
で、あとはウェルカムパーティで初日終了。そこで意外なことを知ったのです。ついにあの岡山RACDAに専従職員がついたようで・・・。やはり先駆者は違いますね。終了後、私は宿に戻りましたが、一部の人は、岡山RACDA岡会長の手引き(?)により2次会へと行ったようです。お疲れ様です。● サミット本編2日目
翌10月3日、時間を間違えた私は1時間前に集合場所に到着。その集合場所は函館山ロープウエイの山麓駅。実は午前中、市内視察という一連の行事に参加させていただきました。・・・といっても、観光地をただ案内して頂いているくらいなもの。もちろん、これを見透かしているサミット参加者もいて、この視察、欠席者もそこそこいたように見えます(あの岡氏に至っては大沼公園に行って、後に人々を驚かしていましたが)。この視察で驚いたこと・・・函館山でみぞれに出くわしたことでしょうか。やはり北の大地ですね。写真がないのが悔やまれますが(苦笑)。
さて、舞台を国際ホテルに移して午後の行事に。3つの分科会に分かれてのパネルディスカッションということになりました。分科会の内容は次のとおり。
第一分科会は車社会と路面電車の題で、一番広い宴会場にて開催。私もそこにいました。コーディネーターは車社会を問い直す会副代表で函館在住の中里氏、パネリストは道はだれのもの?札幌21の秋山氏と環境自治体会議の上岡氏、LRTさっぽろの吉岡氏という陣容で始まりました。
秋山氏は路面電車というよりは、環境問題としての交通として自転車を中心とした交通問題を提起され、上岡氏は先日ご出版された書籍(書名失念)のなかから、主に車と公共交通の社会的費用による比較などを提起、吉岡氏は札幌市の都市交通ビジョン懇談会の紹介・11月に行われる1000人ワークショップならびに十数回にわたるプレフォーラムの宣伝紹介を兼ねた札幌の交通問題の提起といった内容でした。ただ残念ながら開催地函館については、あまり話題にならなかったのは少々残念なところです。第二分科会はまちづくりにおけるLRTということで行われた模様。こちらは関心が高く、一番狭い宴会場にもかかわらず、立ち見が出たほどのようです。参加されていた方に聞いたところ、内容はここの常連諸氏が想定している通り(LRTの財源や市民合意など、一般的な問題点の提起程度)のようでした。ただ、こちらは函館市に関しての話も聞けたそうなので、なるほど、注目が集まったのかな?と個人的雑感。
第三分科会は電車沿線の商店街振興ということで、主に中心市街地活性化という問題にスポットが当てられたよう。やっぱりそこでの主役は岡山(途中略)で、レジュメをたくさんまとめて発言できるの?と思うくらいの量を発言しておられたとの由。部屋の広さの割には、人が少なかったのは残念な限り。
さて、終了後は、一部の人がオプショナルツアー(後藤軒(夕食)と函館山)に行った以外は思い思いの夜を過ごすことに・・・。私は、数人の参加者有志で地ビールのパブでビールと北の大地に舌鼓・・・で2日目終了。話の中身は・・・酔っ払って忘れました(笑)。
● サミット本編最終日
最終日、午前中だけですので、さっさと公民館に。報告・挨拶などが淡々と行われ、途中で今回の宣言が発表され、5項目によるものでした。要約すると、
環境問題のための路面電車の役割強化
地域経済と街づくりの強化
福祉問題のために、バリアフリー車両の導入・改良促進
LRT導入促進のための調査・研究と国・自治体によるさらなる支援の要望
今回の大会の成果を今後の活動に反映ならびに路面電車の日等での積極的なイベント企画を行う
ということでした。
このとき初めて知った不届きなことですが、函館の路面電車って90周年になったんですね。
10:30、定刻よりずいぶん早く、終了。来年は高知です。
● サミット後の午後
サミットは終わりました。しかしながら、私が函館を去るまでもうしばらく時間があるので、暇つぶしに函館線とバスを乗りつぶしに行くことにしました。
その前に、前述の公民館を下って、電車で駅に行こうとすると、ハイカラ号が・・・。当然、類は友を呼ぶが如く、参加者が集中して乗車。函館駅前で下車します。
さて、宿を移りました(10月5日は早朝から帰途に就く)ので、さっさと宿に荷物を預け、函館駅前に。実はこのあと森に行って18時ころまでに函館に戻ろうとして、藤城並びに砂原まわりの列車に乗車しようと考えていましたので、時間を逆算したところ、結局15:24発の北斗15号となったために少々時間が空いてしまいました。そこへ知り合ったとある参加者に、函館バスが1日にダイヤ改正を行って時刻表を配っているとの情報を入手、早速窓口に行ってゲット。どこへ行こうか考えたら、ちょうど5系統が入線してきたのでこれに乗って、深堀町まで乗ることにしました。さて、2日に乗った39系統もそうですが、この5系統は函館市バスからの移譲路線ということで、しかも路面電車とまったくかかわらない路線ということで、どのような路線なのか楽しみでした。時刻表には路線全体では毎時3本は用意されているようで、また、ノンステップバス(この函館には結構あるんですね。全台数はしりませんが、10台以上見かけました)も走っている路線のようでした。私が乗ったのは普通のツーステップのバスでしたが。
ルート的には、昭和橋まで電車と併走、そこから閑静な住宅街へと入っていきます。途中、交差点で曲がりながらも全体的に平坦で、十数分後に深堀町到着。乗客は数人とまあ昼間の路線バスはこんなもんかなという程度でした。帰ってきたのち、函館出身の知人に聞いたら、この路線はさらに住宅街へと入っていくそうです。終点は日吉営業所です。
で、深堀町から湯の川まで電車で行って折り返し、函館駅へ行ったのですが、やはりバスと電車では乗客数が違う。絶えず電車には客が乗り降りする、鉄軌道の偉大さに改めて感服した次第。電車に乗っている最中にこの函館バスの時刻表を眺めたら、この10月で千代田ならびに清川・文月各方面の廃止も掲載されておりました。これも帰宅後に知人に聞いたらかなりの閑散路線だったそうです。
これ以外にも時刻表をめくると、次のようなことがわかって来ました。
市内・近郊のバスはよほど辺鄙なところさえ行かなければ基本的に毎時1〜3本はあるとみてよい。特に市バス移管後は1社による運行において、美原・昭和地区へは系統も多くバラエティに富むように見えた。
駅やバスターミナル発着も多いように見えるが、五稜郭(電停前)や西武前発着が昼間を中心に非常に多いこと。タクシー運転手いわく、現在の函館最大の歓楽街は五稜郭になってしまっているとのこと。
上磯、七飯、大野といったベッドタウンへの路線が間に合わない状況のように見えたこと。また、藤城あたりまで毎時1本近い本数が確保されていること(実はこの辺で驚いた。理由はこの後北斗15号で知ることになる)。
さて、所定の時間になったので、函館駅から北斗15号に乗ることにした。ご存知の通り、特急・貨物ならびに普通列車の一部は急勾配を避けるため作られた通称藤城線を通ります。そこへ行ってみたかったのと、帰りに砂原周りを通りたかったというのが、今回の森行きの目的です。
特急は定刻に発車。五稜郭通過後はぐんぐんスピードを上げていく。途中でいよいよ藤城線へ・・・ん、だんだんなんか住宅街が・・・そうです、この藤城、新興住宅街が広がっていたのでした。前述の知人いわく、そこは函館新道や函館江差道開通前からそれを見込んでできた住宅地とのこと。なるほど、バスが毎時1本来るのにはうなづけます。それにしても、帰りもそうでしたが、渡島大野以南は本州の平野とそれほど変わらないですね。乗客もそれないに多いし(気動車2両で立ち客がでるほどでしょうか)。ベッドタウン、おそるべしといったところでしょうか。16:02森着。では旅人恒例のいかめし購入の儀式(?)も済まして駅を見渡すと、バスの時刻表が・・・おぼろげに私は見ましたが、運賃が列車よりバスのほうが安いように見えちゃいました。未確認が故、これ以上書きませんが、もしそうだとしたら、競争があるんだろうなあという気がして、砂原周りの列車発車が近くになって、ホームから駅前を見渡すと、函館行きのバスがいました。乗客は1人だけでした。ここでも鉄軌道とバスの差を痛感。
再び列車に乗って砂原を回って函館に戻ります。大沼まではいかにもローカル線といった感じで一人こそなりませんでしたが、数人のみで淡々と進んでいきます。大沼から駒ケ岳回りの乗り換え客を拾って峠を越え、渡島大野に入ると乗客がとたんに増えてきました。そして七飯あたりで立ち客が発生。夕方というのもありますが、北の大地でもそんなことがあるのかとここでもベッドタウン、恐るべし(こら)という感じでしょうか。
函館着後、さっさと宿に入って翌朝に備えました。● そして離道
さて、滞在最終日、早朝5時に起きて朝市に向かいます。日曜日でしたが、店はやっており、1種類海鮮をのっけた丼を朝食にして、7:00発のスーパー白鳥10号に乗車、グリーン車にも座ってみて、気持ちよかったのですが、私は同じ号車の指定席。さて、発車後、逆かぶりつきを青函トンネルまで楽しむことにしました。上磯を通過後は駅周辺を除いて北海道らしくなってきました。やはり途中途中には貨物列車が通過を待っていました。ということは、上磯〜五稜郭間は単線がネックになってかなり逼迫しているのですね。できるかわからない新幹線ができるまでそのままなのでしょうか。特急もスピードダウンですね。2日に白鳥71号に乗車してても思うのですが、いくら無人で普通列車の本数の少ない北海道でもほかの鉄道輸送体系でがんばっているんだなと改めて思った次第。
青函トンネルを抜けても、やっぱり貨物列車と津軽線列車が退避・交換しているところを目に付けても、津軽海峡線は地方交通線だなと実感した次第。8:51に青森に着きました。● 路面電車を中心とした検証再考
今回、探訪をしてみて、改めて気づいたのは、函館西武がなくなっても函館の中心市街地自体が完全に駅前〜どっく方面から五稜郭に移行している状況がみてとれ、また、周辺町村の人口が減っているところの多い北海道の中でも函館は七飯・大野・上磯と複数の町が人口を増やしている稀有な都市圏であることでした。また、前述しましたが、いつできるかわからない新幹線という見えない在来線淘汰の波も感じる中で、市電があり、江差線の一部区間という電化設備もある状況下で、ではいったいどうあるべきなのか、あえて私なりに再考してみました。まあ、限られた時間の中で函館都市圏を回りきれるはずもない中で、あえて感じた部分と市民から漏れてきた言葉などをかすかに拾いつつの話ですし、第二分科会でも取り上げられてはいるそうですが、当方別の分科会出席でしかなく、また、ほかのツールをとりあげないなどの批判などは重々承知の上ですが。
※ちなみに私は新交通系に関してLRT一辺倒という考えではありません。できればガイドウェイ・基幹バスとの組み合わせでいくべきというのが個人的な考えですが、まあ、個々それぞれの町の都合もありますので・・・。
1、函館空港方面
2、美原・昭和方面
3、函館・江差線乗り入れ |
【LRT】函館市電、川島令三氏のLRT化案 log330.html
いずれにせよ、妄想の域を出ないわけで、結局結論は説得力のある過去ログに行き着くのかな・・・という気がします。私の説得力のない文章だからでしょうが。
う〜ん、本当は函館あたりはもっと何かいいヒントがありそうな都市ですから、滞在期間を延長すればよかったんですけれど、なにぶん会社から休みを特別にもらっていくくらいですから、リベンジするくらいの覚悟はいるでしょうね。
結局なにか物足りない探訪記になりましたが、この辺で終わらせていただきたく。ただ、この函館以外にも、実は移動の時だけでも感じたいくつかの点があるので、別の場所で書き込もうかな・・・と検討中です。
それではこの辺で。
函館都市圏と公共交通
投稿者---551planning(2003/10/13 23:13:48)くるりん様、サミット出席報告ありがとうございました。
当方も参加したかったのですが、招待状?が来るというのも凄いですね。岡会長から質問攻めというのも!(ある意味想像できたりしますが…?)
内容については…ですかね?正直サミット1週間を経てネット上で(雰囲気含めの)詳細が伝わってこなかったこともあって気には掛けていたのですが。公式サイトも付属的なところに終始していた事もあったので果たしてどうだったのかと…なるほど、伝わってこないわけだなぁ、といっては怒られそうですが。
まぁ導入議論ありきのネットワークという存在が出来たことで、既存事業者の連絡会的なところから始まっているサミットとの棲み分けが今後進んでいくのかもしれませんね…まぁ当方両者とも参加した事はないので実際のところは判りかねますが。
第6回路面電車サミット2003 in 函館 公式ホームページ http://www.donan.net/shiden/
ともあれ、今秋は今後も各種イベントが目白押しですし、それらを通して改めて現状と課題が見えてくるかもしれませんね。というわけで【検証:】では「交通関連イベントカレンダー」を開設しましたので、御活用賜りたく存じます(って宣伝でした!)。
交通関連イベントカレンダー http://g3.gaiax.com/~member/calendar.cgi?planning@genie
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さて、改めて御提示頂いた函館市電の可能性論、以前は2年前に議論していましたか。【検証:】では久々に海峡のきらめきを見たというわけですね。
【LRT】函館市電、川島令三氏のLRT化案 log330.html
当方は昨年夏、スカイターン試乗時に足を伸ばしてまさに駆け足で巡ったのですが(主目的だった部分低床車には出会わず終い、結局収穫は最後の「海峡」乗車とYS&ツインオッターチェック…)、先ず函館駅前の「地盤沈下」進行振りが気になったのは確か、郊外の状況を見る時間はなかったものの少なくとも市電ルートが需要動線とは合致していない事は認識せざるを得なかったかなと。ただし運行本数もかなりあり、利用者もそれなりについていることも実感できたのは良かったかなと思ったものです。
さて、空港の往復には函館帝産のリムジンバスを利用したのですが、R278漁火通りを海伝いに快走します。駅前ハーバービューH前から20分ほどで空港に到着しました。空港へはくるりん様御紹介の函館バス路線93系統と北都観光の観光循環路線が入っていますが、空港利用客にはどちらもちょっと使いづらいかなと。
その意味で、市電湯の川からの延伸をどのように考えるべきかとすれば、空港利用客以外の利用確保が最大の課題になろうかと思いますね。観光拠点は(湯の川温泉を置いて)函館駅前で揺るぎないところ、直行需要のほうが勝る気がします。かつ本町(五稜郭公園電停)方面からの直行ルートがないことが現状での潜在性を物語っていようかと…こう見えても以前は空港延伸論者だったのですが。
函館バス http://www.hotweb.or.jp/hakobus/welcome.html
北都観光 http://www.hokto.co.jp/s_hako_junkan.htm
他地域の可能性については、やはり当方も現地を見てからと致したく…ただひとつのポイントとしては、現状において函館駅前の寂れはあろうと観光およびビジネス拠点である事は事実、さらに本町付近の商業集積、あるいは将来的な渡島大野地域の発展と拠点分散化が進む中で、正直云って既存路線のジリ貧化は否めないところ、何も「座して…」というわけではないのですが、まずは函館駅前周辺地域の観光路線化の推進による魅力向上(単に再開発云々とできないところが正直辛い…)、新幹線を見据えた市域デザインをもとにしての市電の位置付け再検討が肝要かと。
観光路線としては中途半端、ただ拠点間流動の位置付けができれば活性化は不可能ではないと見ます。日常需要確保としては過去ログでも挙がっているP&R等の活用が求められるところ、これは産業道路を巧く使いたいところでしょうね。その上で新幹線前提としては本町から北上して五稜郭公園内を通り、亀田からJR五稜郭駅への延伸、その先は「富山港/吉備」方式もあり得るのでなかろうかと。無論その頃にはバッテリートラムが、ということにもなっていましょうし…って都合良く話を進め過ぎかな?私事ながら、函館市電にはちょっとした思い入れもありまして。なんせ当方の苗字の付いた電停があるもんですから…まぁそれは置いといて、函館バス移管とともにLCSA100とか元町地区での小型バス路線の仕掛けも試していますし、小回りの効く路線展開の動向に注目しているところもあり、余計に市電の硬直性が気になってしまうのですが…うーん当方も巧く纏まりませんで。皆様の御意見を伺いたいところですね!
大阪でもLRTに関する講演が・・・「どうしてできないLRT」 投稿者---KAZ氏(2003/10/27 11:39:34) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/mono/ |
大阪でもLRTに関する講演が・・・「どうしてできないLRT」 └東京ではコロキュウム「わが国へのLRTの導入は可能か?」 |
どうもです。最近はLRT関係の講演も色々と行われておりますが、大阪でもありましたので軽くご報告をば。
10月10日の夕刻より行われましたのは、土木学会関西支部主催で「どうしてできないLRT」と銘打たれたもので、100名ほどが参加しての結構大規模?なものでした。パネリストは都市交通研究家の服部氏とRACDA代表の岡氏、そしてコーディネーターとして兵庫県の本田氏という面々で、国内の軌道事業者の現状とRACDAの活動を通じて感じられる軌道線運行や改良への支障などを語り合うというものでした。土木学会主催なのでもっと技術的な話もあるかと思いましたが、時間不足から意見交換もほとんどできず現状報告が中心となりました。
まず本田氏の挨拶があり、その後は服部氏による国内事業者の現状報告や簡単な海外事例の紹介があり、収支の推移から三グループに分けられる(若干の伸び・現状維持・ジリ貧)ことがグラフで示され、現在国内で実施されている軌道や車両改良の事例が紹介されました。ここで軌道事業者に対しての補助制度についての話があり、黒字であるが故に近代化補助が受けられないとか、今後は街路事業としての補助制度を使った改良可能性があるという報告がありました。また岐阜で大掛かりな交通実験が予定されているが各方面の意見相違でかなり規模が縮小してしまったという報告がありました。
現状報告が中心の服部氏に対し、岡氏はRACDAの活動を中心にして市街地活性化とLRTの関係、そして軌道事業に対する各方面の認識などの話となりました。RACDAの活動実績とあわせて商工会議所との連携で地元での活動をスムーズに行っていることや、RACDA以前からの都心活性化に対する運動(京橋朝市やホバー就航運動など)、そして市・県・国など行政とのパイプ作りなどが説明されました。岡氏が強調されていたのは「まちづくりツールとしての選択肢のひとつがLRTだ」ということ。都心活性化なら商工会議所をはじめとした地元財界の協力は不可欠で、また行政面でも実務レベルでの根回しとトップに対しての積極的なアプローチ、そして国政レベルでの検討を推進するといった総合的な活動をしなければ新しい事例を生み出すことはできない、という旨の内容でした。
しかしそれらを総合的に行ったRACDAの活動をもってしても全面的な協力体制を作りあげるのは困難で、都心空洞化化を問題視しない郊外選出の議員や新しいことを嫌う警察・行政実務担当者をどう動かすか、そこが一番の問題になっているとの報告がありました。また環境団体がLRTに対してさほどの興味を示さないことも紹介され、バリアフリーや環境負荷軽減という面でのアピールが難しいことが示されました。その後はフランスのコンサルタント会社が海外での活動実績を紹介し、続いて意見交換となったのですが時間がかなり押しており、2〜3件の意見発表があった程度でお開きとなり、その後は懇親会で、ということになりました。
簡単ですが内容のご報告まで。やはり新規モードを生み出すのは難しいようですね・・・。
東京ではコロキュウム「わが国へのLRTの導入は可能か?」
投稿者---551planning(2003/10/27 15:20:25)交通関連イベントカレンダーでも紹介していましたが、去る10/24(金)に運輸政策コロキュウム「わが国へのLRTの導入は可能か?」が東京で開催され、当方も参加してきました。
交通関連イベントカレンダー http://g3.gaiax.com/~member/calendar.cgi?planning@genie
開始15分ほど前に到着すると、場内は結構な混み様!なんとか入口側の端の席を見つけて座り、辺りをキョロキョロ…ほとんどがスーツ姿の男性で、年齢層も比較的高めです。会費は1,000円で缶ビール(かウーロン茶)とおにぎりセット?の軽食が出ました。
会は18時過ぎにスタート、運輸政策研究所(運政研)中村英夫所長(武蔵工業大学教授、そして御存知道路四公団民営化推進委員)の司会のもとでスタート、講師として伊東誠運政研企画室長が今夏御自身での欧州視察状況を踏まえた現状説明と将来展望・提言をという形態で1時間半、その後コメンテーターとして大田哲哉広電社長が最近視察を行ったというストラスブールについての補足的説明、および質疑応答が30分ほどで計2時間の内容でした。
率直に云って素人ながら特段目新しいな、という内容はありませんでしたが、まあ講師からも議論のネタにしてねチックな返答があったりしましたので深く掘り下げるのはこれから、という感じでした。ただ、広電社長のストラスブール近況報告…ラッシュ時の飽和状態やモール内での店舗競争の激化はよくよく注目価値ありかとも思いましたね。それと質疑応答はなにぶんにも刺激的?でした…。
メモ程度と簡単ではありますが、以下に纏めてみます。
●発表
1 LRTとは
2 路面電車/LRTの概況 (外国/日本)
3 欧州の事例分析
4 LRTを支える制度
5 わが国へのLRT導入の課題と対策 ●コメント
ストラスブールの詳細分析 ●質疑応答
●参加者
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なお、本会内容についてはおいおい運政研サイトで紹介されるものと思われます(数ヶ月ほどかかるようですが)ので御注目の程。
2004.11.14 Update | |||
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