【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.330)
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〔LRT〕函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者--- 打越健太郎
 投稿日時: 2001年7月20日 13時46分
〔LRT〕函館市電、川島令三氏のLRT化案
└Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
└Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 └ご意見有り難うございます
 └Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
  └Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
   └Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
    └函館の特殊事情はいかが?
     └Re: 函館の特殊事情はいかが?
      └新市街地、難しいのでは?
       └『海峡の光』はどこへ?
       └新市街地、難しいと思います。
        └新市街地、新幹線があって衰退しはじめた市街地
            ・・・いけないかな??

 皆さん、お久しぶりです。打越健太郎です。今回は久し振りにLRTをテーマにした投稿をしようと思います。今回は川島令三氏の「新線鉄道計画徹底ガイド 東日本編」(山海堂)で取り上げられている「函館市電の改良とAGT導入構想」(P20)を下敷きに致しました。

 最近「ニッポンの空港論」では、新幹線と飛行機の競争・連携に関する議論が盛んですね。「整備新幹線は飛行機に対して競争力があるか?」というテーマが論点になっているのでしょうが、これに関しては賛否分かれますね。東北北海道新幹線などがその典型です。羽田〜新千歳間の飛行機は世界的にも例が無いほどの頻繁運転ですから、東京駅〜札幌駅間が「需要無し」ということは有り得ないのですが、飛行機がさらなる利便性向上と運賃値下げで対抗する可能性もあり、また新幹線も全線で350km/h運転をする必要が生じるなど、なかなか難しい問題があります。ただ、1つ言えるのは、一部の人が言う「自由競争なのだから、飛行機はどこまでも新幹線に対抗してくる」という予想は、逆に自由競争経済を十分に把握していない物言いではないか、ということです。何も羽田〜新千歳間だけが飛行機の市場ではなく、新幹線が出来た場合、鉄道に比べて路線の柔軟性に富む飛行機が羽田〜新千歳間路線から撤退若しくは縮小して、別の路線に主力を移す、という可能性も充分に考えられます。そういった方法もまた、自由競争の世の中での賢い戦略となり得るでしょう。

 さて、函館です。函館に市電があることは、皆さんご存知でしょう。現在ではだいぶ路線を縮小したものの、それでも都市の基幹交通として活かすという方針が定まっており、現在の路線は安泰でしょうね。でも、かつてこの路線には廃止案がありました。

http://www2.comco.ne.jp/~kotuken/toshi/yamamoto169.htm

 この提案、16年前の函館市職員(当時)によるもののようですが、公的な開発事業に対して無邪気に期待を掛けた、まだ地方自治体が財政難に陥る前の、そしてAGT・モノレールなどの「新交通システム」に対する無批判な賞賛に満ち溢れていることからも分かるように、「古き良き時代」の提言ということがわかりますね。僕も土木関係の公務員ですから、こうした「カネ」の問題を考えない政策立案が出来た、夢溢れる土木行政が行われていた時代があったことには、ちょっとした羨ましさを感じずにはいられません。
 とはいえ、この提案、AGTやモノレール等、今日では時代遅れになってしまったツールを提案している点を除けば、決して今日的な価値を失ってはおりません。特に都市内の拠点の有機的結合を訴えている点などは注目に値致します。川島令三氏もこの提案の秀逸さに気付いたのでしょう、この提案を「函館市電のLRT化」という形で今日的にリメークしておられます。具体的には以下のような提言となっています。

 川島氏の提案
1,本町交差点(五稜郭公園前電停付近)での、交通渋滞解消の為の市電地下化
2,湯の川電停から分岐線を建設し、函館空港に乗り入れ
3,五稜郭公園前電停から分岐線を建設してJR五稜郭駅に達し、ここから函館本線に直通、渡島大野駅まで乗り入れ

 まず1ですが、なかなか良いところをついていますね。自動車と平面交差する路面電車というのは、決して望ましいあり方ではありません。両方にとって迷惑ですし、何より電車の乗客に危険が及ぶことがあります。まして交差点ですからね。そういった意味で、ここを地下化する、これに反対する理由は特に思いつきません。

 2に関しては、これは函館空港の重要性如何ですね。函館空港が今後もそれなりに利用されるのであれば、これは意味があります(この点もう1度、後で論じます)。

 3ですが、一見無謀です。かつて函館市電は五稜郭駅前まで達していましたから、廃線の復活という意味で賭けになってしまいます。しかし、ここで思い出してもらいたいのは「函館本線への直通」です。先ほどは渡島大野駅までの直通と申しましたが、ここにはいずれ新幹線の新函館駅が建設されます。したがって、函館市街と新函館駅とを結ぶという意味で、これはかつてとは全く違った意味合いを持つでしょう。で、JRに直通できるかですが、JRは1067mm軌間、市電は1372mm軌間で、一見無理なようです。しかし、異軌間直通というのは実は路面電車やLRTの得意とする所で、かつて京都(N電と一般市電)、京阪大津軌道線と江若鉄道、など至る所に前例があり、現在でもドイツ・シュトゥットガルドやツヴィッカウで行われています。これらは全て3本レールを用いており、ここでも同様の方法が使えるでしょう。因みに。、電化に関しては「五稜郭駅から」「函館本線に」というのがミソで、江差線の五稜郭〜函館間は電化されていても函館本線のこの区間は非電化ですから、直流600ボルトで電化しても差支えありませんね。

 実は2について先ほど留保したのは、この3との絡みがあったからです。2と3とを並べれば分かるように、この川島氏の提言では、LRTで新幹線駅と空港を結ぶという点が中心になっています。これについての賛否が、この意見への賛否をそのまま分けるでしようね。皆様はどう思われますか?

Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者--- 打越健太郎
氏 投稿日時: 2001年7月20日 21時24分

 打越健太郎です。川島氏の提言は以上ですが、実は函館市電には別の新線案もあります。そちらを追加致しましょう。

4,五稜郭公園前電停から東に路線を延伸し、団地のある美原地区からのアクセス手段とする

 これも魅力的なアイデアです。ただ、函館の市街地は今日甚だしい空洞化が進んでおり、このような路線に利用が集まるかどうかがポイントですね。まあ、現時点では中心市街地が駄目であっても、この地域に積極的に公営住宅や官公署を設置し、かつ市民の集まる公共施設(ホールなど)を集約する、という都市計画は当然有り得ますし、その際の市街地アクセス手段として市電を活かす、というのであれば、これはこれで優れたアイデアと言えるでしょう。

 以上、1〜4のアイデアを通読すると、この提言はドイツなどのヨーロッパ都市におけるLRT導入プランと大きく類似していることに気付きます。川島氏の提言は「鉄道に偏りすぎている」「総合交通体系という視点に欠ける」という批判を受けやすく、僕もこの批判にはかなりの程度同意致します。例えば氏はしばしばLRT導入を提言なさいますが、その際に考えるべき「通過交通への対応」具体的には外環状バイパスの建設等を併せて提言するということが稀で、その他にも氏の提言においては「何ゆえの鉄道導入案か?」「他の交通手段では駄目か?」「鉄道導入そのものの意義は認めるにせよ、他の交通手段との連携はどのように進めるべきか?」といった疑問に充分に答えておられない場合が多く、極端な場合「LRT導入賛成、外環バイパス反対」などという矛盾した意見すら見受けられます(ex.前出「新線鉄道計画徹底ガイド 東日本編」甲府へのLRT導入案)。しかし、この函館市電のLRT化案に関しては、そのような川島氏の提言にしばしば見受けられる欠点は見られず「中心市街地と新幹線駅、そして空港との連絡」などといった、総合交通体系という意味からも高く評価できる優れた提言と申せましょう。この川島氏の提言(1〜3)に、それとは別に論じられている提言(4)を付け加えると、さらに充実したLRT導入案になるでしょう(念の為に申し添えれば、函館や長崎のような半島の突端にある『行き止まり』の都市においては通過交通は有り得ず、環状バイパスは不要です)。

 もっとも、今回の意見(川島氏の提言プラスアルファ)には懸念が無いでもありません。その点にも触れておきましょう。前述1において「本町交差点(五稜郭公園前電停付近)での、交通渋滞解消の為の市電地下化」が提唱されているにも拘らず、3において「五稜郭公園前電停から分岐線を建設してJR五稜郭駅に達し」、4においても同様に「五稜郭公園前電停から東に路線を延伸し」となっている点です。これらを総合すると、本町交差点(五稜郭公園前電停付近)に置かれるLRTの分岐点は地下に設けられることになってしまいます。これが建設コストを跳ね上げないでしょうか。といって、このコスト高騰を避ける為に五稜郭公園前電停付近を地上のままに残したら、現時点ですら渋滞の原因になっている本町交差点が、ますますの渋滞を引き起こすことになってしまいかねません。この点が大丈夫かどうかが気にかかります。或いは、強力に自動車を排除してしまうしか無いでしょうか。前述のように函館の場合には通過交通が存在しない為、自動車利用の排除は(パーク&ライドなどを含めて実行すれば)必ずしも不可能ではありません。このあたりを含めて、皆様の御意見をお聴かせ願えれば、幸いです。

Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者--- 矢切
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月21日 00時36分

 函館空港は良いターゲットになると思います。

 市電に力を入れるなら、打越さんのおっしゃる通り、旧市街(あるいは沿線)の活性化とセットでないと、整備し甲斐がないですね。函館の中心ってどこなんでしょう?

 五稜郭からJRに乗り入れるLRTだと、七重方面から函館駅に行きたい時に1駅手前で降ろされてしまうので、迷惑でしょう。市役所最寄は函館駅ですし。函館駅前で市電に乗りかえるのでも構わないでは。直通させるとしても函館駅から(電化方式の問題が出るけど)。

 鉄道をいかすなら、函館五稜郭間、五稜郭桔梗間、五稜郭七重浜間にそれぞれ新駅を作るとか、五稜郭駅裏の車両置き場を潰して再開発を行うといったことも函館市に考えてほしいと思います。

ご意見有り難うございます
 投稿者--- 打越健太郎
氏 投稿日時: 2001年7月22日 07時11分

 矢切様、ご意見有り難うございます。

函館空港は良いターゲットになると思います。

 そうですね。空港アクセス鉄道の重要性は、成田・羽田・関西国際空港等で明らかですからね。バスも同様の重責を担う必要がありますが、市街地(何れの都市であっても)を通る場合、定時性の高い軌道系が向いているでしょう。飛行機のフィーダーなのに時間が読めないのでは、ちょっと困ってしまいます(念の為に申し添えます。定時性に難の有る場合、空港フィーダーバスは、ルートの変更などの方法で定時性を高める必要があります。バスレーンを設定できれば良いのですが、地元利用の出来ない空港バスのためだけのバスレーンを設定するというのは、ドライバー等の理解は得られますまい。一般路線バス向けにバスレーンを設定し、そこを長距離バスも走るというのなら出来そうですね)。 

 市電に力を入れるなら、打越さんのおっしゃる通り、旧市街(あるいは沿線)の活性化とセットでないと、整備し甲斐がないですね。函館の中心ってどこなんでしょう?

 やっぱり函館駅前でしょう。因みに、函館駅前電停の次が市役所前電停です。沿線には市役所の分庁舎もあり、市電の路線としては市の中心拠点を効率良く繋いだ、なかなか優れたものです。ただ、駅前の繁華街も、最近では「シャッター通り」と化してしまっているんですよ。僕が函館に参ったのは平成9年の秋でしたが、当時から衰退は甚しく、今ではもっと悲惨なことになっているようです。これでは観光的な魅力が薄れ、函館市の基幹産業の1つである観光が駄目になってしまいますから、函館市における中心市街地の活性化は急務と申せましょう。

 五稜郭からJRに乗り入れるLRTだと、七重方面から函館駅に行きたい時に1駅手前で降ろされてしまうので、迷惑でしょう。市役所最寄は函館駅ですし。函館駅前で市電に乗りかえるのでも構わないでは。直通させるとしても函館駅から(電化方式の問題が出るけど)。

 市電にも函館駅前電停・市役所前電停がございます。ですから、五稜郭駅をジャンクションにしても、市電で函館駅などに行くことは可能です。ただ、現在の市電は遅いので、准専用軌道化(センターリザベイション等。阪堺電軌のような比較的簡易なリザベイションでも、速度制限緩和の特認が得られています)を図るなどして、JR廻りと所要時間を遜色無いものにする必要があるでしょうね。ある程度の高速化が図れれば、むしろ改札や跨線橋等の無い市電のほうが、結果として目的地に早く到達できるでしょう。

 鉄道をいかすなら、函館五稜郭間、五稜郭桔梗間、五稜郭七重浜間にそれぞれ新駅を作るとか、五稜郭駅裏の車両置き場を潰して再開発を行うといったことも函館市に考えてほしいと思います。

 五稜郭駅裏の再開発は賛成です。ここに駐車・駐輪場を設け、函館市街地方面行きのLRTと、JR長距離列車の双方でパーク&ライドに活用するのも一案ですね。バスターミナルをも設け、やはりLRT・長距離列車とバスとの乗継拠点にするのも良いでしょう。その他の新駅ですが、これはLRT専用で設置すれば、随分と建設費が安くなります。実際、ドイツで一般的になりつつある鉄軌道直通(カールスルーエ・モデル)でも、鉄道区間にLRT専用の電停を設ける(そして鉄道列車の退避なども行うのでしょうか)という例が多いですね。因みに、駅が増えてもLRVは高加減速車なので、所要時間はむしろ鉄道より短いようですよ。

Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者--- スーパー北海
氏 投稿日時: 2001年7月22日 21時04分

 お久です。スーパー北海です。最近わからない話題や興味のない話題があったのでRom気味でした。
 親戚が函館なので1年に1回は最低行くので、函館市電の状態は知ってるつもりなので投稿さしていただきます。

 いきなりレス

 函館空港は良いターゲットになると思います。

 これたしか否定的だったように思えます。
 でも羽田に大型機で着てますからけっこういけるかと・・・。

 市電に力を入れるなら、打越さんのおっしゃる通り、旧市街(あるいは沿線)の活性化とセットでないと、整備し甲斐がないですね。函館の中心ってどこなんでしょう?

 打越さんのいうとおり駅前の大門商店街はシャッターだらけです。
 棒二と和光だけがあるようにも見えます。さいかデパートは潰れてもっと淋しくなってしまいました。もうあれを食い止めることはできるんでしょうか・・。
 もし市電でだったら美原への延長とかありそうなんですが・・。意味無いですかね・・・。

 中心地ですがおばあちゃん談 美原だということです・・。お父さんはばらばらでよくわからないといっておりました。
 実質的には五稜郭電停付近だと思います。駅のほうは夜は静かだということです・・・。

 さて・・・。美原なんですがここはぜひ延長して欲しいところのひとつでもあります。
 美原には郊外型(と言ってもちょっと古い)のスーパーが2件ありその周りにはちらほら店が立ってます。あと渡島支庁もここらへんだったと思います。なので結構な客が見込めそうなんですがいかんせんここまで通じる道路が4車線でほどほどに流れてるので1車線にしたら渋滞しかねるかもわかりません。
 そして終点付近には函館で渋滞の名所の産業道路もあるのでなにがおこるかわかりません。車の人は絶対車を手放さないと思うので・・。結局、市は資金難ということでここへの延長は見合わせてるはずです・・(たしか)

 五稜郭からJRに乗り入れるLRTだと、七重方面から函館駅に行きたい時に1駅手前で降ろされてしまうので、迷惑でしょう。市役所最寄は函館駅ですし。函館駅前で市電に乗りかえるのでも構わないでは。直通させるとしても函館駅から(電化方式の問題が出るけど)。

 確かに電化方式の問題はありますね。交流2万ボルト・・それと江差線に関しては線路容量の問題もあわせてあります。あそこは非常に多くの種別が線路の取り合いをしており乗り入れが入る余地はないと思うんですが・・。
 五稜郭から市電に乗り入れですが問題はないと思います。五稜郭電停付近に用事がある場合いちいち函館駅まで行くのはめんどいからです。駅付近に用事がある場合は駅にて乗換えをしてもらうということで・・。身勝手なわがままですね・・(苦笑)

 五稜郭駅裏の車両置き場を潰して再開発を行うといったことも函館市に考えてほしいと思います。

 それこそ逆効果な気がします・・。さらに駅前のドーナツ化現象を加速させるだけだと思うんですがあってるんでしょうか・・・??

 ぜひ函館市電にはがんばってもらいたいです。
 あの継ぎはぎ放送もすきだし・・。
 今年のことですが冬あまりにも寒くて、定時性に優れてる電車が一時的に売上が伸びたという報告もあります。やっぱりがんばって欲しい函館市交・・ 函館市電・・。

Σ( ̄□ ̄;しまった!!付け加えとかしてたらこんなに変な文になってしまった!
すみません・・・。それではぁ〜〜〜

Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者---
氏 投稿日時: 2001年7月24日 01時15分

 お元気ですか?Pでございます。
 北海道民のわりには函館には縁もゆかりもない上、近頃では関西ネタふったりしてるエセ・ホッカイダーのPですが、LRTネタということで…。

 函館市側が都心再活性化と市電をタイアップさせるか、岡山のRACDAのような市民運動があれば良いのですが、札幌よりも「地方」ですので…、それでも何とかLRT化をすれば旧都ですので、良い観光資源にもなってくれるはずです。

 空港延伸とそれに伴う新幹線結節による総合交通ターミナル化、そういう見方がありましたね。また、この辺り、道路転用されましたが、旧国鉄未成線の戸井線の廃線敷がまだ残っていますので、これを活用した戸井方面延伸も良いかもしれません。湯の側から札幌までは地形図を見て分かるように標高差がありますが、無理ではないようなので、実現すべきですね。
 私:Pは北海道新幹線は新函館駅を造らず上磯・七飯辺りから標準軌併用で函館駅まで支線的乗り入れを行うべきだという主張だったのですが、市電をシュタットバーン・スタイルで乗り入れるというのは考えてみれば良い話ですよね。また、北海道新聞が刊行している雑誌「道新TODAY」(朝日新聞にとってのAERAと思っていただければ…)では先月号で北海道新幹線がもたらす地域財政破綻(並行在来線第3セクター化に関して)を取り上げておりましたが、初回投資額は増えるとしても、この「函館・シュタット」(勝手に名前を付けるのはPの悪い癖です)があれば、現在長距離列車で持っていると言われる函館口の函館本線が近郊路線として活性化される糸口にもなる計画ですね。

 ただし、バスと経営体が分離される(しかしながら、市電全廃という選択肢を取らなかったのは賢明な選択ですよね)など不安材料もあります。が、現在、札幌市が路面電車活用による都心交通ビジョンを打ち出し、かなり上手な市民啓蒙を始めています。AIR-G´(FM北海道のことです)で広報の方が1週間(4回)、5分コーナーの出演されており、LRTという言葉を最後の最後にやっと使われておりました。LRTといったところでするっと理解できる人のほうが少ないので、これはかなりP的に高評価です、札幌市の本気度が見えました。また、さらに関係ないうえに瑣末なことを記すようですが、この夏、札幌市電は旧型車両が現役を退きます(このトピックはS-北海くんがお詳しいでしょう)。これは札幌のLRT導入の布石の一つとPは穿っていますが…。同じ道内で、札幌が成功するなら、当然函館や旭川も追随するはずです。
 突っ込んだレスは、この夏もし函館に行く機会があって、実際まちの具合を見てからにいたします。

 ところで打越様、186億円あったら水戸市内にかなりのLRT網が構築できましたねぇ…。惜しかったですねぇ〜、「打越帝国」の建設が今1歩で頓挫しちゃいましたね(公務員サンにはちょっと危険な冗談でしょうか)。
 So Long.

Re: 函館市電、川島令三氏のLRT化案
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年7月26日 23時33分

 ともです。
 函館には2、3度行っただけですので、詳しいことは言えませんが、一般論として。

 まず、函館市電の改善、これに関しては当然行っていくべきなんだろうなと考えます。また、五稜郭延伸ですが、今の函館市の都市化状況を勘案すると案外にもいけるプランではないかと思います。また、函館空港は昔からネタとして語る方が多い話ですね。同感です。普通鉄道では厳しいでしょうが、LRTクラスなら問題ないでしょうね。

 ただ、函館本線への直通ですが、果たして必要なんでしょうか。
 僕自身、幹線鉄道へのLRT直通については否定的な意見をもっています。
 都心への主たる導線上にある既存鉄道の活用としての乗り入れということ自体は悪いとは思いませんし、進めていくべきとも思います。ただ、衰退する地方鉄道の活性化のためのLRTでは本末転倒です。そう考えると本当に函館本線に直通することが必要なのか疑問です。
 確かに、渡島大野あたりまでは通勤需要がありそうですが、その人流動は函館市電に直通することに本当に合うのでしょうか。それであれば、函館駅の総合駅化による乗り換え抵抗の減少(頭端式にできるのですから、改札前に市電を入れて垂直移動無しに乗継ぎができるとか)、都心ループ軌道の運行、ゾーン運賃によるJR近郊区間との共通運賃化、バスとの連携など行うことが良いと思いますね。場合によっては都心部の軌道ルートの変更だって考えるべきでしょう。あと、パークアンドライドについても函館の場合たしかに適地ではあるんですが、厳寒地であること、都心が分散化していることを考え得ると厳しいと思いますね。本気でやるのなら屋内型で乗継ぎ拠点の屋内化まで考えるべきです。

 とはいえ、その前に、函館の場合はいわば「構造改革」が先です。
 どういったビジョンをもってまちづくりをすすめるのか、商業の衰退はどうしたってあるものですから、いかに復活させるかです。函館市当局とそして函館市民の手腕、考えが問われているのですね。
 北海道には札幌という市民参加形まちづくりの模範例があるんですから、函館にも頑張ってほしいものです。

 ちょっと否定的になってますが、御容赦を。ではでは。

函館の特殊事情はいかが?
 投稿者--- 打越健太郎
氏 投稿日時: 2001年7月27日 09時03分

 打越健太郎です。とも様のご意見、お待ちしておりました。

 なるほど。「空港連絡鉄道を建設する」という目的を実現するということをまず目標にして、その際に建設費の安いLRTで・・・という発想ですか。勉強になります。

 ただ、函館本線への直通ですが、果たして必要なんでしょうか。
 僕自身、幹線鉄道へのLRT直通については否定的な意見をもっています。
 都心への主たる導線上にある既存鉄道の活用としての乗り入れということ自体は悪いとは思いませんし、進めていくべきとも思います。ただ、衰退する地方鉄道の活性化のためのLRTでは本末転倒です。そう考えると本当に函館本線に直通することが必要なのか疑問です。

 一般論として、なるほど傾聴に値するご意見かと心得ます。でも、どうして函館ではJRに直通するのがそれほど有意義とは言えないのか、今ひとつピンときません。渡島大野から函館市街に通勤・通学需要があるのなら、LRTで直通したほうがシームレスという視点からは有益ではないでしょうか。それに函館の場合には、JR函館本線の活性化が主目的ではありません(無論、JRに直通するのなら通勤・通学需要をも可能な限り取り込むのは当然ですが)。新幹線新函館駅へ/からのアクセス手段として(つまり函館空港延伸と類似の目的で)の直通ですから、こういった特殊事情も、直通すべき積極的な理由にはならないでしょうか。

 あと、パークアンドライドについても函館の場合たしかに適地ではあるんですが、厳寒地であること、都心が分散化していることを考え得ると厳しいと思いますね。本気でやるのなら屋内型で乗継ぎ拠点の屋内化まで考えるべきです。

 とはいえ、その前に、函館の場合はいわば「構造改革」が先です。
 どういったビジョンをもってまちづくりをすすめるのか、商業の衰退はどうしたってあるものですから、いかに復活させるかです。函館市当局とそして函館市民の手腕、考えが問われているのですね。
 北海道には札幌という市民参加形まちづくりの模範例があるんですから、函館にも頑張ってほしいものです。

 こちらは大賛成です。函館という都市をもう一度再生する、都市の魅力を高めるという大目的を先に考え、その手段の1つとしてLRTもあるよ、といった発想を持たないと、社会への有益な提言とは成り得ず、単なる鉄道好きの茶飲み話になってしまいますからね。

函館の特殊事情はいかが?
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年7月28日 00時53分

 ともです。
 すいません。ここのところハブ空港ネタの整理に追われてまして。
 さらにオーストラリア滞在中に「あえてLRTを選択しなかった都市」の話をニュースで見たものですから、そのメモの整理やらで忙しくて。
 なんだか半独立状態になってからの方が忙しいです。

 さてさて

 なるほど。「空港連絡鉄道を建設する」という目的を実現するということをまず目標にして、その際に建設費の安いLRTで・・・という発想ですか。勉強になります。

 というか、函館空港の場合には空港の利用者数からしても市電乗り入れぐらい考えても良いのかなと思うまでで。

 どうして函館ではJRに直通するのがそれほど有意義とは言えないのか、今ひとつピンときません。渡島大野から函館市街に通勤・通学需要があるのなら、LRTで直通したほうがシームレスという視点からは有益ではないでしょうか。それに函館の場合には、JR函館本線の活性化が主目的ではありません(無論、JRに直通するのなら通勤・通学需要をも可能な限り取り込むのは当然ですが)。新幹線新函館駅へ/からのアクセス手段として(つまり函館空港延伸と類似の目的で)の直通ですから、こういった特殊事情も、直通すべき積極的な理由にはならないでしょうか。

 まず、新函館駅への乗り入れ自体は批判しませんが、それをJR乗り入れで実現する必要性の問題です。
 新函館駅周辺はまちがいなく函館の新市街地として発展するでしょうから、独自に乗り入れるべきでしょう。それならば函館市街〜新函館のルートとしてはJRとは別の機能をもったものとなります。
 さらに、函館市街への通勤需要導線をチェックしなければなりませんが、市街地の業務地域の広がり具合からすると、市電をJRに入れることで結果的に乗車時間の増大やアクセスタイムの増大になることだって考えられます。
 であれば3線軌道をやってまで乗り入れする必要はないと考えます。

 函館という都市をもう一度再生する、都市の魅力を高めるという大目的を先に考え、その手段の1つとしてLRTもあるよ、といった発想を持たないと、社会への有益な提言とは成り得ず、単なる鉄道好きの茶飲み話になってしまいますからね。

 そうなんですよ。本気で提言する気なら、LRTなどのシステムに固執してはいけません。あくまでメニューの一つと考えるべきなんです。
 なぜか最近、特に鉄道系HPや鉄道雑誌では鉄道整備のための鉄道整備と言うか、ホントに茶飲み話レベルの議論がまかり通っています。でも、総合交通体系的視点と都市交通計画という視点からの検討をすすめなくては、市民の理解を得る、あるいは行政に聞いてはもらえません。
 この掲示板はそこが良いところなんですから、有意義な議論をしたいものです。おっとまとめになってしまいますねこれでは。勝手にやってはいけませんね。(爆)

 ではでは。

新市街地、難しいのでは?
 投稿者--- 打越健太郎
氏 投稿日時: 2001年7月28日 14時33分

 とも様、ご意見有り難うございます。
 そうでしたか。プロといえども、常に研鑚を怠っておられないわけですね。いや、プロゆえにこそと言うべきかな? 僕は「ニッポンの空(港)論」はRom状態で、滅多に投稿致しませんがキチンと拝読しており、とも様のご見識には学ぶ点が多々あると感じております。オーストラリアの地は決してニッポンから遠くないにも拘らず、案外知られていないので、是非そういった情報もお教え下さい。世界各国の情勢や新施策などに目を配りその得失を考えるために、そういった貴重な情報には飢えております。

 ところで、これはとも様でなく、皆様にお伝えしたいのですが、ちょっとした情報から… 茨城県土木部の企画員の方に、このページのことをお教え致しました。無論、僕のような素人が主張した提言など、プロ中のプロたる企画員にお見せすること自体お恥ずかしい限りですが、ここに投稿なさる皆様の中には、とも様のようなプロやさいたま先生のような専門家、またプロや専門家ではないまでも大変なご見識をお持ちの方も大勢いらっしゃいますので、1つの情報源として存在をお知らせしておいても良いかな、と思った次第です。

 さて、本題です。

 まず、新函館駅への乗り入れ自体は批判しませんが、それをJR乗り入れで実現する必要性の問題です。
 新函館駅周辺はまちがいなく函館の新市街地として発展するでしょうから、独自に乗り入れるべきでしょう。それならば函館市街〜新函館のルートとしてはJRとは別の機能をもったものとなります。

 これですが、如何でしょうか。果たして新函館駅前が新市街地になるかどうか。函館市の人口は30万人弱で、僕の住む水戸市(人口約25万)と同じくらいですね。どちらにせよ、あまり大きな都市ではありません(函館市が寂れてしまったのは様々な要因があり、無論、今後の行政と市民との連携・努力によって現在よりはるかに活気を帯びるでしょうが、往年の栄光を取り戻すのは無理でしょう。というのは、飛行機の盛況と青函トンネルの開通によって函館市は「北海道の玄関口」としての役割を終えてしまっているからです。函館という都市を人間に例えてみれば中高年であり、スポーツと健康管理で健康を取り戻すことは可能でも、20歳の若者に帰る事は出来ないようなものです)。
 で、水戸市・函館市レベルの都市が都心部を2つ持てるかというと、中々厳しいのではないでしょうか。例えば水戸市は水戸駅(北口)前の中心市街地が都心部ですが、常磐自動車道の開通、赤塚駅(水戸駅の西隣駅)再開発、茨城県庁の笠原(水戸市南部)移転といった要因で、必ずしも人の流れの中心ではなくなりつつあります。県庁移転はともかく、常磐自動車道水戸ICと赤塚(再開発)駅と、水戸市の玄関口が2つ増えたわけですが、それでICや赤塚駅付近が副都心になったかといえば、かなり怪しい。赤塚駅はともかく、水戸ICの設置からは15年以上の月日が経っているのに、ですよ。
 「特急も殆ど停まらない赤塚駅と、新幹線の停まる新函館駅を一緒にするな」という御反論が有り得ますが、確かに新幹線が利用されることは確かでも、その利用者が駅周辺に滞留するとは思えません。サッサと旧来の函館市街地に向かってしまうような気が致します。いや、函館といわず、横浜のような大都市でもそれは感じました。数年前のことですが、新横浜駅に参りました。ここは「横浜の副都心」と言われてはいますが、確かに一方の出口を出ると高層ビルが林立していても、反対側は全くの草地、まるで映画セット状態で、仰天致しました。これが本当に副都心なのか、やはり横浜駅前とは比べ物にならないではないかと感じたものです。こうした例を考えてみると、軌道系を必要とするほどの交通需要はあくまでも新幹線利用者、つまり「新函館駅」という1点を向いているに過ぎず、途中の別ルートには、軌道系を必要とするほどの需要は無いような気が致します。少しはあるにせよ、それはバスに委ねるべきレベルに止まるのではないでしょうか。

 さらに、函館市街への通勤需要導線をチェックしなければなりませんが、市街地の業務地域の広がり具合からすると、市電をJRに入れることで結果的に乗車時間の増大やアクセスタイムの増大になることだって考えられます。
 であれば3線軌道をやってまで乗り入れする必要はないと考えます。

 これも上記の意見がそのまま当て嵌まります。函館〜渡島大野間の需要が、JRと別ルートの軌道系を必要とするほどあるとは思えません。むしろ、既存中間駅の周辺にこそ需要があると考えたほうが妥当でしょう。それならば、そういった「需要のありそうな」ルート、すなわちJR函館本線にLRTを走らせるのがもっとも穏当ではないでしょうか。また「遠回りになる」という点に関しても、JR線、つまり専用軌道を走るという特性を利用して、高速運転をすれば充分に補えると思います。LRVは高加減速性能に長けていますから、JR線の途中にLRVのみが停車する停留所を幾つか設けても、これは変わらないはずです(ドイツ・カールスルーエ、ツヴィッカウの例による)。

 (LRT等の都市交通に関する意見を)本気で提言する気なら、LRTなどのシステムに固執してはいけません。あくまでメニューの一つと考えるべきなんです。
 なぜか最近、特に鉄道系HPや鉄道雑誌では鉄道整備のための鉄道整備と言うか、ホントに茶飲み話レベルの議論がまかり通っています。でも、総合交通体系的視点と都市交通計画という視点からの検討をすすめなくては、市民の理解を得る、あるいは行政に聞いてはもらえません。

 そうでしたか。僕などは行政においても使用されるような、詳しく精緻な文献を使う事が多い(別に僕が公務員だからではなく、僕は結構疑り深くしつこい性格(笑)なので、とことん詳細に調査し論述した文献でないと納得できないのです)ので、あまりそういった事は気付きませんでした。まあ、たとい茶飲み話のレベルであっても、都市交通に興味を持ってLRT等を提言する方が増えた事自体は、市民の政治(行政)参加という視点からは悪いことではありません(僕だって、最初は何も分からなかった…今も分かっていないかな?)から、そういった興味を持った方に、正確な知識と広い視野を持って頂き、有益かつ実用的な提言が出来るようになって頂くべく、とも様のようなプロにはなお一層のご発言が求められている所だと考えている所です。 僕も微力非才ながら可能な限りそういった試みにご協力させて頂きたいので、例えばこの掲示板で市民提案を紹介し、それを現実的かつ有益な形になるように添削してみる、などといったことを皆様と一緒に出来ればなあ… などと願っております。

『海峡の光』はどこへ?
 投稿者--- さいたま市民@西浦和
氏 投稿日時: 2001年7月29日 00時55分

 こんばんわ。みなさん。
 函館ですね。20年前の3月末、半日ほどさまよいました。

 ともさま。勤務形態が変わったのですか。お体どうぞ大切に。
 打越さま。知識はどん欲に集めませんとね。わたしもおそわりたいです。

 前にも、どなたかとの話題になったのですが、結構このページは対論や議論が中立的であるとの指摘を頂いたことがありますね。ほんと、皆さん専門家で、追いついていくのが大変です…たまに妄想入るところがありますが(特に私)…。

 函館ですね。私も地形図を買ってきました。すてきな形をした街です。陸繋島という地形です。
 20年前を思い出してみると、市電の路線網は長崎と似た感じがしましたが…。北は五稜郭駅前行きと湯ノ川行きの2路線。南はドック前、谷地頭の2路線でしたね。東西連絡線が3路線、五稜郭公園からガス会社前と駅前から松風町と十字街から宝来町!でしたね。軌間は都電と同じ偏軌です。現存しているのは、ドック、谷地頭から十字街〜駅前〜松風町〜五稜郭公園前〜湯ノ川だけですね。
 函館は、連絡船が無くなって交通の要衝というより、通過地点になった感じがします。自動車交通上は海陸交通の結節点になるのでしょうが、北海道〜本州間のフェリーは北海道本州とも複数の港湾を結んでいますので、どこが結束点?という地点がないような気もします。でもJR連絡船を継承したフェリー路線もあるのでしょうから、そのターミナルなどは市内でも道路交通の結節点となるでしょうか。
 地形図と皆さんの情報からの都市の姿ですが、地形でいうと、陸繋島の砂州の上の長細い地域に旧市街が集中しているのですね。砂州の根元に五稜郭公園があり、その北側は住宅団地などの新市街が展開しているようです。五稜郭の東に湯ノ川地区があり、温泉街、更に東に空港があります。湯ノ川や空港地区の北側の山腹に住宅街が広がりつつあるようです。旧市街は空洞化しており、函館山の麓の観光地区の活性化はずいぶん行われたようですが、駅前や五稜郭地区はきびしいですね。トンネルの開通や対東京の人の流れが飛行機へ移行したため、JR沿いの交通流通関係の企業などが縮小したようにみえます。JRも五稜郭には広大な貨物操車場があり、連絡船との貨車のやりとりも盛んでした。20年前には、函館桟橋に加え、五稜郭操車場近くの貨物専用の有川桟橋からもJR連絡船が出ていました。
 五稜郭駅からはトンネルへ向かう江差線が別れ西へ向かいます。未成線として恵山方向へ向かって戸井線の路盤が確認できます。これは渡島支庁のある美原地区、市電の終点の湯ノ川地区をかすめ、空港のターミナルの反対側である南側を通って東へ向かいます。この未成線は現在は道路などになっているようですが、空港付近では路盤もあるようです。
 道路は、北海道ならではの広いものでしょうが、市街の北側を環状する道路が建設中で、ここから国道5号線が大沼へ向かって伸びています。平行して高速道も建設されるのでしょうか。おそらく、この環状道路沿いなどに大規模ショッピングセンターやロードサイドの店舗が展開しているため、市内中心部の空洞化が進んでいるのでしょう。
 ちなみに『新函館』駅となる予定の「渡島大野」駅付近は農村地帯で、旧道沿いに農家が並んでいる街村(戸数は百数十程度?)です。

 新幹線新函館駅へ/からのアクセス手段としての直通ですから、こういった特殊事情も、直通すべき積極的な理由にはならないでしょうか。

 3線軌間にしなければならないですね。JRの負担が…。

 (新函館駅周辺が)新市街地となるかどうかは、都市計画次第でしょう。独自のルートを構成し、沿線の開発をするとなれば、他地域の開発はすべてストップするぐらいの厳しい計画を立てないと、旧市街の再構成も進まないでしょう。
 トンネルができた頃、「海峡圏」という言葉がありましたね。青森と函館をトンネルを活用して活性化するという構想でした。現在では誇大妄想のたぐいか。誰が思い付いたんだっ!!

 北海道新幹線が実現するかどうかわかりませんが、「新函館」駅ができたとき、どの様な都市計画を考えるべきかの思いつきをご披露しましょう。

○3線軌道が実現した場合
 五稜郭〜渡島大野間の3線軌道が実現した場合は五稜郭公園〜五稜郭駅間を復活させ、新函館駅〜五稜郭〜松風町〜函館駅〜十字街(〜どっく又は谷地頭)という系統で都市計画を考えなければなりません。旧市街の新都心(副次レベルでよい)として、五稜郭公園付近と十字街付近の再開発は必須です。

○JR乗り入れが実現しない場合
1 「新函館」駅路線建設の場合
 
市電をJRとは別に新幹線駅へ乗り入れるとしたら、五稜郭公園または函館駅から新幹線駅へ路線を新設することになりますね。どこを通るにせよ、旧市街〜新幹線駅間の弾丸道路上に市電をセットで延長することになるのでしょうか。五稜郭公園からなら、前述の環状道路〜大野方向への道路となるでしょう。この道路沿線に、工業団地等を誘致することになるのでしょう。函館駅から埋め立て地沿いに七重浜から環状道路〜大野方向となると、比較的土地の余っている埋め立て地の活用ができるかもしれません。

2 新幹線駅路線建設しない場合
 
新幹線駅路線を建設しない場合は、現状路線の充実を進めることとなり、これについては様々な人たちが主張しているのでいいでしょう。
 ただ、市電路線に面した道路沿線の建ぺい率を上げるなどして、沿線人口や利用者増の努力を都市計画レベルで進めるべきである。函館レベルの都市でも高層マンションの需要が増えていると考えられる。

○新幹線と関係なく路線を展開する場合
 
いつ来るかわからない新幹線に頼るより先に、市内の均等な発展を進めるためには、路線を拡張することにトライしてもいい。
1 空港路線
 
湯ノ川から延長して空港への路線を建設する。空港もしくは湯ノ川をターミナルとし、東側からのバス路線を結節する。
2 美原路線
 
渡島支庁がある美原地区への延長。美原地区に残る戸井線路盤を活用した空港路線への展開も可能。
 市電終点で結節した中長距離バス路線は市電区間では都市中心の終点まで無停車で運行してほしいですね。

 一つ覚えのようですが、LRTを含めた軌道系都市交通を培養するには、停留所からのコミュニティーバス路線は必須であると言えます。

○おまけ。「JR函館空港線」はいかが?
 
何度も出てきた戸井線の路盤を活用して、五稜郭〜函館空港のJR路線を建設する。函館駅でスイッチバックしますが、江差・木古内、大沼・森・八雲・長万部ぐらいまでの直通サービス(鈍行でもいいから)をしたらいいのでは?

 (LRT等の都市交通に関する意見を)本気で提言する気なら、LRTなどのシステムに固執してはいけません。あくまでメニューの一つと考えるべきなんです。

 そうです。出版するとかなったら、そういう路線でないと、K氏の二番煎じになるですね。そろそろポストLRT推進の視点もほしいですよね。でも先に行き過ぎか?このHPは行きつ戻りつして吟味している所がいいです。

 なぜか最近、特に鉄道系HPや鉄道雑誌では鉄道整備のための鉄道整備と言うか、ホントに茶飲み話レベルの議論がまかり通っています。でも、総合交通体系的視点と都市交通計画という視点からの検討をすすめなくては、市民の理解を得る、あるいは行政に聞いてはもらえません。

 人の流れに基づいた路線・施設を設定、建設するのか、人の流れを創る路線を設定、建設するのかという視点が上記の議論に欠けているのです。特に鉄道雑誌は、結構正確な情報を持っているにもかかわらず、こと提言となると発想が貧困です。世論をリードする立場なのに、さまざまなしがらみがあるのでしょう。佐藤先生のご意見(本音?)もお聞きしてみたいものです。
 鉄道系HPで、私が投稿したいと思うものは、そう多くは無いです。皆さんの楽しそうな対話を読むのは楽しいのですが…。

 ともさん。打越さん。私たちは大丈夫。もっと勉強しましょう。
 乱筆ご容赦。茶飲み話・妄想担当のわたしでした。

新市街地、難しいと思います。
 投稿者---
氏 投稿日時: 2001年8月1日 03時01分

 お元気ですか?Pでございます。まだ、函館には行ってません。言った事は守るのが本筋なんですが…ちょっと、レスを付けたくなりました。
 とも様、私のような、完全に市井の民とは違った視点のとも様のご意見は私も、いつでも、楽しませて頂いています。
 打越様、北海道移住以来の書離れを挽回すべく、近頃、また、図書館ハンティングに精を出すPでございます。しばらく離れていた間に、かなり内容が突っ込んだものになって、Pは大変なジレンマに陥っていました(実は…)。

 新函館駅前の新市街地ですが、私も打越様と全く同意見です。東北・上越新幹線のローカル駅(新花巻、水沢江刺など…)は現在も周辺はのどかなイーハトーヴ状態ですよね。函館は知りませんが、室蘭にはこの春行ってまいりましたが、ここも元々製鉄工場でもっていた所為もありましょうか、旧市街(室蘭駅周辺)はJR駅移転後で再開発待ちの空き地が開け、大変、落ち込んだ印象を受けました。函館よりも早くに実現する新青森もどう行ったものになるか、Pは大きな懸念を抱いていおります。
 東名阪圏でしたら新市街地整備も判るのですが、それよりも、現都心の地盤沈下で苦しむ都市の方が多いこの昨今、「新函館周辺に新市街地を」という事になったらロードサイドに発展を吸い上げられる結末にしかならないと思います。現に、ロードサイドから大きく発展したジャ○コのイ△ンショッピングセンター、近年では某外資系CDショップや○ターバック○コーヒーがテナント入りしたりして、休日などは駐車場待ちのクルマで周辺道路が渋滞を起こす事も…。「イ△ンSCは町を食い荒らす」とわが出身地(愛知県岡崎市:人口約35万人)の商店主の伯父は申しておりました。

 私も、つい最近今尾恵介氏著の「路面電車」を拝読させていただきました(かなり遅れ馳せなんですが)。ツヴィッカウでは…たしか…メーターゲージ(軌間1000mm)のトラムに標準軌を併設してDB(ドイツの旧国鉄)のディーゼルLRVを街の中心までほぼ1時間ヘッドで乗り入れるというものでしたね。JRに京王ゲージを併設するよりも、五稜郭から湯の川・空港までの新線および、函館駅からも支線を分けて松風町と十字街まで現軌道に1067mm軌条を併設というのも一つの対案としては良い様に愚考いたしました(本当はこういうことは実地調査(?)後に申し述べたかったのですが)。

 たとえば…私は名古屋がLRT導入を言い出したら猛反対するでしょう。何故なら、今からLRTを導入するよりももっとバスを改良した方がまちの適性として優れていると感じるからです。私も(やはり)根が鉄道マニアですので、そういった観点を忘れがちになるのですが、だからこそ、このBBSでの討論が楽しいのです。プロの方にしたら『笑わせんなよ』といった意見かもしれませんが、私としてはインスピレーションというのは個々自身からではなく多くの人々との邂逅の中・それを経過した後に生まれるものと考えております。だからこそ、稚拙で、お見苦しく、論拠の足らない拙稿ばかりをこれまで開陳させて頂いてきた次第なのですが、如何様なものにせよ、全て大事な言葉と捉えております(何だかお別れの言葉みたいですが、決してそんなわけではありません。今後も出没させていただく所存です) 。
 So Long.

新市街地、新幹線があって衰退しはじめた市街地・・・いけないかな??
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年8月1日 21時06分

 ともです。こんばんは。

 お元気ですか?Pでございます。まだ、函館には行ってません。言った事は守るのが本筋なんですが…ちょっと、レスを付けたくなりました。
 とも様、私のような、完全に市井の民とは違った視点のとも様のご意見は私も、いつでも、楽しませて頂いています。

 ご苦労様です。
 僕だって似たようなものです。ほとんど個人的なぼやきに近いですし。

 さて確かに、函館の人口規模を考えると夢物語と思われるかも知れません。
 しかし、函館の場合すでに成熟し、再開発は歴史的建造物保存という観点からすれば困難な市街地を抱え、しかも産業衰退が見られながらも観光客が多数訪れるという日本にはあまりない都市構造です。
 こういった町の場合、それなりにオフィス需要がありさらに観光指向の中心部とは異なる商業形態を求めるため、おっしゃられるようなロードサイド型店鋪の増加になります。しかし、ロードサイド型店鋪の無計画な増加は道路機能の低下、スプロール化、無意味な自動車利用の増加につながり、決して望ましいことではなく、こういった大規模開発店鋪は計画的土地利用によって誘導・規制すべきで、その観点からすれば新函館駅周辺地区に大規模開発の余地を与え、ロードサイド型店鋪に近いショッピングゾーンを形成し、さらにオフィス需要もまかなうようなことができれば、十分可能性があります。
 そして、旧市街地は思いきって官公庁と観光主体の町に作り替えるのです。
 それであれば、速達性を持たせたJRと中間需要を拾う市電に別けるというてもあります。

 まず、道路の狭い函館での3線併用軌道は難しいと思います。車両限界が大きくなり、現状軌道のままでは不可能かもしれません。
 さらに言えば、新函館駅〜函館駅間の速達需要はJRには及びませんから、市電は別にするのが筋だと思います。

 たとえば…私は名古屋がLRT導入を言い出したら猛反対するでしょう。何故なら、今からLRTを導入するよりももっとバスを改良した方がまちの適性として優れていると感じるからです。私も(やはり)根が鉄道マニアですので、そういった観点を忘れがちになるのですが、だからこそ、このBBSでの討論が楽しいのです。プロの方にしたら『笑わせんなよ』といった意見かもしれませんが、私としてはインスピレーションというのは個々自身からではなく多くの人々との邂逅の中・それを経過した後に生まれるものと考えております。

 これについてはおっしゃる通りです。僕が言いたかったのは、最近、ここの掲示板はともかく、他の掲示板や雑誌では環境問題を錦の御旗にしての、打越さん流に言えば「原理主義的」導入論を展開される方が少なくありません。だからこそあえて苦言(?)を呈したんです。
 なにもみなさまを批判したつもりはないんですが、そう取られたようでしたら訂正し、謝罪いたします。
 僕自身、ここでの議論の楽しさは、いろいろな立場から一つの計画に対して論ずるということだと思っています。これが僕のような普段は鉄道主義者(あえてマニアとはいいたくないので)の方から批判される立場にいるとなんとも新鮮なので。
 これからもよろしくお願いします。

 まとまりませんが。ではでは。

エイトライナーこそ、LRTを
 投稿者--- ロビン 投稿日時: 2001年7月25日 19時09分
エイトライナーこそ、LRTを
└Re: エイトライナーこそ、LRTを
└Re: エイトライナーこそ、LRTを
 └Re: エイトライナーこそ、LRTを
  └Re: エイトライナーこそ、LRTを

 東京西部の環状8号線の下に、地下鉄を通す計画があります。
 しかし莫大な予算の割に、需要が見込めません。
 階段が多く、利用が少ない大江戸線の二の舞は防ぐべきです。

 それならば建設費が10分の1で、乗り降りが便利なLRTが適していると思います。
 LRTであれば環状8号線だけでなく、環状6、7号線にも作る事ができます。

Re: エイトライナーこそ、LRTを
 投稿者--- (仮)奈良環状LRT氏 投稿日時: 2001年7月26日 00時29分

 お久しぶりです(仮)奈良環状LRTです
 全くの同意見です。

Re: エイトライナーこそ、LRTを
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年7月26日 01時05分

 こんばんは。ロビンさん、はじめまして。

 さて、エイトライナーについてはミニ地下鉄やAGT、高架形リニア駆動軌道、LRTといろいろな案がありますが、需要から見ればAGTやLRTでしょうね。
 ただ、環八の場合、既存鉄道駅との結節部などにおいて道路上から外れる区間があり、そういったところでのLRTの施工は困難でしょう。
 よって、部分的に地下化するLRTといったところが落としどころでしょうか。
 ただ、地下であっても特に支障となる構造物はないでしょうから、大江戸線なんかにくらべると、深さは浅くなるので、場合によっては開削トンネルでの施工も可能であり、丸ノ内線程度の深さになるとおもいます。

 で、環七ですが、東部(赤羽〜葛西)はいいとして、西側では都心に近すぎ不要と考えられます。ここにLRTがあってもトータル所要時間で山手線との差がなくなるためただの端末交通手段にしかならない可能性があります。世田谷線や井の頭線と機能がダブる区間もありますし。
 環六についてはすでに中野坂上〜南長崎間で大江戸線が入っていますし、山手線に近すぎますからそれほどの意味があるとは思えません。
 また、東側も計画の東京8号線や11号線と近く、荒川線の機能強化の一環としての延長などの部分的な改良が限界でしょう。
 個人的には明治通りの王子〜池袋〜新宿〜渋谷〜恵比寿〜赤羽橋〜芝公園〜浜松町なんか良いと思っているのですが。13号線の駅を減らすという意味でも有効と思うのですが(それこそ原宿〜渋谷なんてモール化すると相当インパクトがあると思うのですが) 。

 ただ、これらはすべて、東京外環や中央環状線の整備による通過交通の転換が前提ですね。
 大本命は前から出ている地下になりそうな東京外環の上部空間を利用する案と僕も思いますね。
 40m幅がありますから、緑地帯と4車線道路をとっても道路中央にLRTが入れます。主要道路との交差点は立体にでもすれば完璧。ここは国土交通省に誰か提言しては?(笑)

 まずはこんなんで。ではでは。

Re: エイトライナーこそ、LRTを
 投稿者--- 矢切
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月26日 23時50分

 大本命は前から出ている地下になりそうな東京外環の上部空間を利用する案と僕も思いますね。
 40m幅がありますから、緑地帯と4車線道路をとっても道路中央にLRTが入れます。主要道路との交差点は立体にでもすれば完璧。ここは国土交通省に誰か提言しては?(笑)

 でしょう!
 やりませんか。次オフの宿題かな(笑)

--
 私も以前に「外環にLRTを作る案」と「環8の改良&急行バス」をここで提案したのではありますが、いずれも利用者は主に沿線住民となりそうなのにもかかわらず(=放射状鉄道路線間の乗り継ぎより沿線住民の利用が多い気がする)、外環に作る場合と環8に作る場合では受益者たる沿線住民がちょっと違ってくる(2km位?離れる)のでは、いったい誰の為にやっているんだ?という疑問が出てくるのではありますが(両方やっても良いということかもしれないけど)。

Re: エイトライナーこそ、LRTを
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年7月27日 00時55分

 ともです。

  > 大本命は前から出ている地下になりそうな東京外環の上部空間を利用する案と僕も思いますね。
でしょう!

 ですよね。ただ、既存鉄道との結節性が悪いんですよ。そこが問題なんですね。外環と直接結節できそうなのは、和光市、上石神井、三鷹台くらいなんですね。
 西武池袋線は大泉学園からも石神井公園からも中途半端だし、中央線も西荻窪と吉祥寺のまん中、京王線はつつじヶ丘からじゃちょっと遠くて小田急は喜多見でも成城学園でも遠いんですよ。
 しかも終点がない。東名までしか計画決定されていないので、そこから先のルートがないのです。
 よって二子玉川なのか用賀なのか、悩ましいことになります。

 私も以前に「外環にLRTを作る案」と「環8の改良&急行バス」をここで提案したのではありますが、いずれも利用者は主に沿線住民となりそうなのにもかかわらず(=放射状鉄道路線間の乗り継ぎより沿線住民の利用が多い気がする)、外環に作る場合と環8に作る場合では受益者たる沿線住民がちょっと違ってくる(2km位?離れる)のでは、いったい誰の為にやっているんだ?という疑問が出てくるのではありますが(両方やっても良いということかもしれないけど)。

 拝読させていただいております。
 環八急行バスは実は僕も考えたことがあります。軌道系よりも東京の状況をかんがみるとまちがいなくバスだと思うんですね。環八も結局鉄道駅との結節性が問題なので、思いきってバスのほうが良いのではということなんですが。
 ぜひともオフでネタにしたいですね。個人的なプランを用意します。
 いろいろデータも持ってますので(外環が通過する狛江市民の特権??です(爆))

 ではでは。

2004.11.02 Update


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