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深夜急行バス

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京阪バス

夜と朝の間に ふたたび~京阪バス乗車記2題&京都の深夜バスを見る

「夜と朝の間に」と題して南海バスの深夜・早朝便酔狂リポートを敢行してから2年、まさかの続編に。
今回の舞台は京都市と大阪府枚方市で京阪バスを中心に-数年前から動向が気になっていたところに、この春から意欲的な路線が登場とあらば…相も変らず、我ながら呆れる駆け足強行軍を組んだ次第でして。

京阪バス
より大きな地図で 京阪バス・京都市交通局深夜バス を表示

大阪・京都・滋賀に路線バス網を持つ京阪バスですが、深夜バスというと長らく香里団地3号経路(枚方市駅南口→新香里・藤田川)1本だったところ(別に樟葉駅発24時過ぎに3本あるも、京阪宇治交通時代から運賃通常同額)、
  2011/05 枚方19号経路(枚方市駅北口→長尾口)
  2012/09 大津4号経路(石山駅→大石小学校)
  2013/03 香里団地1号経路(京阪香里園駅→藤田川)
  2013/12 交野9号経路(京阪香里園駅→交野車庫)
  2014/03 山科85号経路(四条烏丸→大宅)
とじわり増えています。
蛇足ながら京阪電鉄本線には平日淀屋橋00:20発樟葉行「深夜急行」があり、この1本だけの種別。急行停車駅である守口市と枚方公園を通過するもので、香里園00:39着、枚方市00:44着、樟葉00:49着ですが、各駅からの深夜バスは24時台前半発のため乗継は不能です。

その京阪バスで忘れてはならないのが「深夜直Q」-第二京阪開通後の2009/11に運行を開始した「ダイレクトエクスプレス直Q京都号」の隆盛は知られたところですが、2011/04改正で平日深夜1往復で運賃倍額の「深夜直Q」が登場、2013/03改正では京都発で全日1便増となり平日は行1/発2、土休日も発1となっています。
直Qは更に深化、2014/04改正では京阪交野市駅・河内磐船駅から松井山手駅を経て京都駅05:59着の「早朝直Q」が新設!新幹線接続を謳っています。
京阪の早朝戦略はこれに留まらず、ドル箱路線の枚方高槻線に「早バス」を新設。枚方市駅北口04:59発で阪急高槻市駅(05:18着)を経由してJR高槻駅(05:22着)に至るものですが、学研都市線長尾駅近くの長尾口始発(04:35発!)とすることで各線の始発・早朝列車に接続(高槻からは新大阪・京都発の新幹線乗継も)と謳っています。

さて、【検証:】でも大いに注目したのは、2011/03に突如誕生した「深夜湖西急行バス」-京阪系の江若交通が金曜深夜のみ1便、山科駅から堅田・小野方面に試験的に設定したのですがその後定期化されています。
そして今春、「攻めの経営」「大快革!!」を目指す京都市交通局の市バス新運転計画がスタート、3系統で深夜バス設定となりました。この辺りも含めて2晩で見てやろうというのですから…ねぇ。

  • Photo:京都/四条烏丸
  • 京都
    停車中は京都23:27発竹田行
  • 四条
  • 四条
    各線との乗換を急ぐ

京阪バス 四条山科醍醐線85号経路深夜バス(四条烏丸→大宅)

06/19(木)夜、ちょうど発売したての東海道新幹線開業50周年記念「こだま☆楽旅IC早特」を使い、まだ日に2本しかない全線走破のN700こだま683号G車にてゆるゆると京都入り、新大阪まで乗り通したかったが…。烏丸口ロータリーの様子を少し伺ってから地下鉄烏丸線で四条まで。烏丸線は京都発で下り竹田行が00:01発(00:07着)、上り国際会館行が23:47発(00:08着)となっており当方乗車は上り終電1本前だったが、座席定員ほどなれど流動は多いと見た。
四条での乗り替わりも多く、阪急烏丸駅へと急ぐ人も。その阪急はというと、梅田終は烏丸23:27(河原町23:25)発普通で23:32発高槻市行快速急行と接続可能、23:51発が正雀まで、前後6本桂行があって終電は00:49発(桂00:57着)となかなか深い時間まである印象。ちなみに梅田発最終快速急行が23:45発で河原町00:32着、茨木市接続で桂以遠の殿を務める終電は00:42着、桂までは梅田00:00発最終準急が、高槻市からの各駅殿となる。四条烏丸
梅田23:00発の快速急行が到着してドバっと人が降りてきたが、この時間でもカートを手にした人や外国人が見受けられるのは京都ならではか。それにしても行き交う人はシラフな女性が目に付くなと。酔客男性はもうチョットだけ…てな時間かな? 人の流れが収まったところで国際会館行と正雀行終電時刻の23:51が近づき、両駅でほぼ同時に終電の旨の肉声放送が流れた。

地上の四条烏丸交差点はタクシータイム。通りを歩く人も少なく、すわ貸切かと思いきや、女性2人連れが当方の後ろに並んだとほぼ同時に三日月マークを掲げた大宅行が入線。ところでバス停だが、時間こそ当然書かれているものの、深夜バス新設等の案内があるわけでもなかったのには若干拍子抜け。
女性連れの1人は見送りで、間際にパラパラと加わり女性3人乗車にて出発、四条河原町で5人を加えた。四条河原町交差点で信号待ち時に市バスが北上していったが、京都駅24時発のMN17号系統か。パラパラ乗っていたものと。こちらは四条京阪で3人、祇園でも2人乗車。過半は女性だ。いっぽう先斗町から祇園にかけては人通りも増えたが、オッサン…もとい、ダンディ度高めだった。
東山通を下り、五条陸橋を行くドリーム328号と思しきDD車を追ってR1五条BPへ…っと、五条坂バス停で小休止。クローズドドアではないので時間通り進まねばならない、この先でも各所で時間調整を取ることに。一息入れて坂を駆け上がり東山トンネルを抜けると、山科市街の灯りが飛び込んでくる。上花山久保町で先ず1人降車、右折して新幹線高架を通り、山科エリアのセンターラインのない細道へと進むと、川田清水焼団地で1人、花山稲荷でこの日最多の4人が降りた。1人降車の大石神社ではセブン-イレブンの敷地内にぐんと入れて時間調整、西野山団地と勧修寺北出町で各2人が降り、名神沿いに進む蚊ヶ瀬で最後の2人が降車。当方は大宅まで乗り通して定刻着と相成った。『無事入庫 ごくろうさん!!』

京阪バス
  • Photo:京都駅烏丸口
  • 京都駅烏丸口
    23:20発205系統烏丸北大路行
  • 京都駅烏丸口
    まだLED車も残る…よるバス
  • Photo:京都駅八条口
  • 京都駅八条口
    深夜直Qは京田辺市役所まで
  • 京都駅八条口
    23:45発深夜直Q最終便

京都・山科発深夜バスを見る■

翌06/20(金)22時台の河原町三条バス停、さすがに人通りが多い。京都駅方面へは3系統が通り、「市バス新運転計画」で増便・等間隔運行が図られたことで、平日11~19時台には3~4分間隔、20~23時台は全日5分間隔となっている。
よるバス一般系統が深夜帯減る中で、このバス停を始発として22時台から10分間隔で10本走るのが「かわらまち・よるバス」、京都まちづくり交通研究所が市交通局に委託するスタイルで2007/12から運行しているが、やってくるクルマは市バスで、1日乗車券や定期券等も使用可能、“別物”と意識させるのはバスポールが独自のものくらいだろうか(河原町三条は「河原町三条北」バス停)。既存バス停ながら系統別ゆえ京都駅行が停まらない場所にも独自バスポールを置くとともに、四条河原町南からは京都駅まで直行となる。2009/12からは京都駅から祇園、四条河原町、四条烏丸と反時計回りに循環運行する「ぎおん・よるバス」が20時以降10本設定されているほか、「京都らくなんエクスプレス」「京都観光よるバス」「京都ひるバス」「東寺・水族館・西本願寺エクスプレス」等々、京都まちづくり交通研究所による、ときに市交通局以外にもパートナーを求める多角的展開へとつながっているが、「攻め」に転じる市交通局との今後の関係性は?

22:20発便は直前に205系統が出たため空振り、22:30発は逆に一般系統が空いたため座席がさらりと埋まる乗りで出発。当方乗車の22:40発は、始発では数人の乗りも、2つの独自バス停で立客も出る盛況に。前面モニターや案内放送は市バスのそれと全く同じ新デザインとなっていて、それによれば臨4系統らしい。細かい点だが独自バス停の河原町三条南と四条河原町北、ローマ字では「Minamizume/Kitazume」と京都駅烏丸口なっているほか、四条河原町南バス停も市バスと同じ四条河原町(ローマ字も「Zume」なし)であった。その四条河原町からはノンストップだが、一般系統を追い抜くまでには至らず。京都駅烏丸口では九条車庫へと向かう205系統が塩小路通上での降車となるところ、ロータリーの中まで入っての降車となった。

日中は観光客を中心に多くの人がニラメッコする方面別案内板だが、この時間も見入る人がちらほらと。市バスは23時前後であらかた終了、バス停で伸びていた列もそれぞれのクルマに吸い込まれていった。一般系統で残るは205系統烏丸北大路が23:20発、九条車庫行は23:39発まで。烏丸北大路行は前日もこだま降車後に見たが、それより少し多い位の18人にて出発となった。
よるバスも最終前2本を出迎えたがいずれも立客多数の盛況、それよりも個人的に驚かされたのは、烏丸口周辺の飲食店収容能力の高さだろうか。確かに当方、この辺りで飲食したことはないけれど、駅に向かう人並みが途切れないこと…過去の烏丸口の深い時間帯は早々と閉まる地下街を筆頭に人通りががくんと減る印象が強いのだが、これも景気回復の一端?

京都市交深夜バス

とはいえ24時が近づくとさすがに汐も引いてくるが、ロータリー内では最後の行列が再び形成。00:00ジャストにMN17号系統錦林車庫前行とMN205号系統烏丸北大路行が同時発車となるが、それぞれ30人弱と15人強が乗り込んでの出発となった。
ところで賛否両論ある方向幕新デザインだが、モノトーン基調に赤ランプだと若干視認性が…深夜バスマークも埋もれている感じがしたり。よるバス程のアピールがあっても、とは余計なお世話かな。

深夜直Q

さて時間は前後するが、ここからは八条口発深夜直Qの様子も。地下通路を行ったり来たりしていたのだが、やはり地下街は全てシャッターが降りていて、JRと地下鉄改札口に急ぎ向かう人の流れは地上よりも少なかった。
先述の通り深夜直Qは平日23:10発と:45発の2便、いずれも京田辺市役所まで運行される。23時過ぎに八条口ホテル京阪前のりばに向かうと15人程の列が…と、松井山手を22:40に出た通常最終便が入線、通勤と思しき7人が降車。その間も行列はどんどん延びて、結局34人での出発となったが、ベンチで眠りこける1人に、出発後に地下道から息を切らして駆け上がってきた1人、いずれも酔客のオトーサン…。
23:40過ぎに再び八条口へ向かうとまたもや行列、バス停周りの樹木を塒としているムクドリがけたたましい鳴声を立てる中でもじっと到着を待っていた。少し遅れて到着した松井山手23:17発の行便深夜直Qからは学生風な女性1人が降車、その後続々と乗り込んだ乗客は総勢29人、2便ともに男女比5:3くらいだったろうか、通勤客が非常に目につき、直Qの完全なる定着ぶりを改めて伺えた。そうそう、オトーサン2人もしっかり乗車…お疲れ様である。

ここで鉄道鉄道各線の終電状況を整理しておくと、

京都駅
JRJR京都線新快速西明石行23:54普通高槻行00:27
普通大阪行00:15
琵琶湖線普通米原行23:57普通野洲行00:34
湖西線普通近江今津行00:05
嵯峨野線普通園部行00:06
奈良線普通奈良行23:58
近鉄京都線急行近鉄奈良行※23:41普通新田辺行00:15
 ※新田辺で普通大和西大寺行連絡
地下鉄烏丸線国際会館行23:47竹田行00:01
<以上2014/06現在551planning調べ:区別化のため24時台は00時で記載>

と、さすがに琵琶湖線は遅くまである印象。ちょうど湖西線近江今津行の225系8連と嵯峨野線園部行221系4連の両終電を見送ったが、近江今津行は着席定員弱、園部行は130%程といったところだったろうか。
当方は00:11発新快速野洲行で山科に移動、降車も多かったが乗車もかなり目立ったのが印象的。京都行は00:08、京阪京津線浜大津行は00:02、地下鉄東西線六地蔵行も00:07で終了しており残るは野洲行があと3本のみ。京津線を挟んだ先の駅前ロータリーはタクシータイムとなっていて、醍醐方面の京阪バスは石田行23:27発が最終と早仕舞いな印象も。

深夜湖西急行バス

ロータリーにはバースが5つあって、駅改札から最も遠い5番のりばには渋谷・新宿(京阪&関東バスの東京ミッドナイトエクスプレス京都号、23:41発)と上野・TDR・千葉・鎌取(現在は千葉中央バス単独運行となった元きょうと号、23:33発)という夜行バス2路線に加えて江若交通の深夜湖西急行バスがやってくるのだが…発車10分前に現れて、並んでいた男性3人が乗り込んだ。クルマは99年式の貸切兼用タイプとのことでなかなか年季が入っている印象も、PiTaPa/ICOCAにもしっかり対応している。
改めて車内を廻って降車場所確認をし、後部乗車口から外に出て一息入れていた運転手氏に伺ってみるには、大体10?15人程の乗り、終点の小野に迎えに来てもらって更に今津方面へ向かう利用者も少なくないとか。ニッチはあるところにはあるのだ。
琵琶湖線終電は山科駅00:38着で定刻だった様子、この日は結局10人を乗せて定刻出発と相成った。

 
  • Photo:早バス
  • 早バス
    早バス
  • 早バス
  • 早バス

京阪バス 枚方高槻線1A号経路早バス(長尾口→JR高槻)

長尾駅

06/19(金)、大宅で深夜バスを降りた後、山科区内を彷徨いながら時間調整の末、「司法判断にサービスで応える」という“飛び道具”を使ってやってきたのは大阪府枚方市、JR学研都市線長尾駅。嘗ての電化非電化の境界駅であるとは当方も書籍の写真で見た限りの話、2013/02に橋上駅舎化、その後旧駅舎跡に駅前広場が整備されて面目を一新した様子。京阪バスも複数路線が発着し、枚方市駅や樟葉駅と日中でも毎時複数本走っている。
が、当方のお目当てである早バスは、300mほど南西にある長尾口バス停が始発。まぁ長尾駅の学研都市線始発は下り松井山手05:03(長尾05:07)発までないため大勢に影響はない、とすればそれまでだが。
その長尾口に発車10分前に向かうと…なんと先客1人!どうも御同輩らしいが、さてどうやって夜を明かしたのだろうか…発車時刻間際にバスが到着、乗車1人で出発となった。r144を西進するが、行き交うクルマも少ない。時間調整もあるのか途中乗車もないのに律儀?に各バス停でドアを開けるため、ブザー音が耳につくなと。出屋敷で通勤姿の男性が乗車し、R1京阪国道を越えると全部のバス停では開けなくなった。須山東と都ヶ丘で1人づつ加え、右手に関西外大の洒落た建物群を見やって更に進むと京阪本線の高架が見えてきてまもなく枚方市駅に定刻04:57着、京阪本線は淀屋橋行区間急行始発が05:05発、寝屋川市始発の普通出町柳行が05:11発となる。駅高架下の降車場で途中乗車の3名が降車したが、車内放送でも都度、早バスのため運賃倍額と放送しているものの、普段使い故というか通常運賃しか払わずに降りようとする人も。

北口バス停では1晩飲み明かしたという体のカップルが待っていて彼女が乗車し04:59発。こんどは関西医大のビル群を横目にしてr13からR170外環状線へとひらパーをちらり見ながらぐるり入り、枚方大橋で日の出を見ながらの淀川越え。さすがに交通量が増える中、大塚、北大塚、深沢と各1人が乗車、南辻子では若者2人が、新幹線高架を抜けて春日町でも1人を加え総勢8人となって阪急高槻市駅北口へ。ここで5人が降りたが、若者2人が支払いに手間取ってこちらは気を揉むことに…市役所前でも通勤然な男性が1人降車し。JR高槻までは長尾口からの御同輩と途中乗車の御老人の2人が乗り通したのだった。

早朝直Q

当方はというと急ぎ降車し駅階段をダッシュ-実は早バスが定刻05:22着、所定接続列車は下り西明石行05:30発と上り京都行05:39発となっているのだが、上りには05:23発京都行があって…当方にとっての“絶対に負けられない闘い”は無事乗継成功! 無論オススメは致しかねる。
というわけで京都駅八条口に京阪交野市駅05:08、松井山手駅05:33発の早朝直Qが定刻05:59到着を余裕で出迎え。22人が降車したが、金曜朝ながらカートを手にした家族連れが中心だったのが印象的。06:03発松井山手行にもこちらは通勤通学なのか3人が乗り込んでの出発に。
更に粘って迎えたのは、京田辺市役所05:48、松井山手駅06:05発の通常始発便で定刻06:31着、こちらは早朝直Qと打って変わって通勤所用客中心に25人が降車。以降6時台にもう1本、7時台6本、8時台5本が到着するが、通勤需要の立ち上がりの早さを実感。加えて06:33発松井山手行にも3人が乗車、双方向需要の手堅さをも窺い知ることとなった。


それにしても直Qの金脈というか金塊ぶりには改めて驚かされた次第。なんば系統についても機会があればじっくりと。何より深夜直Qに実乗してみたいものですが。近鉄京都線終電だと京都00:15発で新田辺00:46着、駅から1km弱南西の京田辺市役所に深夜直Qは00:29着となれば乗り通し需要はどうなのかな…。
早バスもチャレンジングですが、さすが枚方高槻のドル箱区間は手堅そうな印象も。倍額、という点がどう評価されるか、かもしれませんが。深夜バスについてはこれまでの沿線型から並行路線型ともいうべき展開が今後の指標となるのか、京都市交のそれと併せて注目です。


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