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早朝便

新トレンドになる?「早朝便高速バス」-東京駅への2路線試乗から

成田湯川駅

JAPAN SPEEDを掲げ疾走する新型スカイライナー-ついに成田スカイアクセス開業を迎え、1つのステップを上がったともいえる成田空港流動ですが、空港連絡バスでその一翼を担う千葉交通にとっては、車庫用地を成田湯川駅に提供するとともに開業後には成田ニュータウン路線の一部延伸などの対応を見せつつも、今後の流動変化次第では更なる変革を迫られることになるやもしれません。
で、成田湯川絡みについてサイトで情報を確認しようと思ったら、「早朝便高速バス」なる文字が!なるほどこう来ましたか…かねてよりこの分野にニッチの可能性を感じている当方、コレには注目せざるを得ません。

同便はガーデンホテル成田を04:20に始発し、成田・公津の杜・酒々井・佐倉を経由し、東京駅八重洲口前に05:50、浜松町バスターミナルに06:00に到着する1便のみの運行。言わずもがなターゲットは新幹線・航空便利用者で、8月いっぱいは開業記念として毎日運行するも、9月以降は土休日運行(平日運休)としています。なお、お試しご乗車キャンペーンとして当面の間は通常運賃より400円引きとしており、成田エリアは1100円、佐倉エリアの一部は1000円となっています。
若干気になるのは、成田駅こそJR・京成ともにロータリーに入るものの、公津の杜・酒々井・佐倉の各駅とも「入口」ということで駅前には入らない点。早朝ですし、明確な目標のほうがいいとも思うのですが、多分に試行的なところで停留所設定調整の面倒を省いた、ということでしょうか。

ところで早朝便といえば、先日取り上げた西東京バスの路線バス4時台始発便といい、高速バス松本新宿線(松電・京王)の松本始発便が04:50発繰上げといい、プチブームというか新トレンドに?

というか、【検証:】でも何度も触れているように、千葉エリアでは平和交通が2001年9月から「早朝特急バス」として検見川・海浜幕張エリアから1本運行しており、コンセプトはそれに近いとも思えるのですが、こちらは東京駅八重洲口06:30着と早めの通勤を意識したものという意味で、のぞみ1号接続まではという点で物足りなさ?を感じていたので、千葉交通の取り組みは大いに注目されましょう。
空港連絡バスや銚子方面高速バスで奮闘する一方で、かつて新機軸を狙うも苦戦する同社の姿を覚えているだけに気になるのはその実ですが、なによりまずはということで実見してきました。加えて、こちらもかねてより言及してきたものの実見したことはなかった平和交通についても急遽乗ってみることとしました-ひとあじ違う高速バス体験や如何に。


  • photo:千葉交通早朝便
  • 千葉交通早朝便
    表示では特に早朝便の強調なし
  • 千葉交通早朝便
    ぐるっと廻りこんでJR西口へ
  • 千葉交通早朝便
    公津の杜は未だ目覚め前
  • 千葉交通早朝便
    佐倉ICから東関道へ
  • 千葉交通早朝便
    高速で40分足らずで東京駅前へ
  • 千葉交通早朝便
    浜松町BT着…こちらも目覚め前

千葉交通 成田・佐倉~東京駅・浜松町線「早朝便高速バス」

千葉交通早朝便

夜明けまでにはまだしばらく時間がある払暁直前ながら、未だ昨日の熱気が抜けきらない04:00過ぎの京成成田駅東口。バス停に地方ローカル路線ばりというべき腰低のホーロー?看板を確認…無論新品で綺麗ではあるものの、「高速バス専用」との記載にそこはかとない違和感を覚えたり。
丁度のりば後にはアパホテル1Fのローソンがあり、しばし涼をとることに。と、女性がひとり入ってきて、飲物を買った後にバス停へ。さすがに運行開始1週間ということで貸切状態まであるかなと思っていたので意外な感じも。2人でしばし佇んでいると時間丁度にK'SEIカラーのバスが入線、さすがに?始発であるガーデンホテルからの乗客はなし。

結局2人乗車にて出発、R51をしばし南下、不動トンネルで鉄道線を潜って北上し、JR成田駅西口ロータリーを経由するも待ち人なし。ここから西進し成田NT内へ、歩道には駅へと向かうと思しき若者がちらほらと…後述するが鉄道の成田始発は5時前からだ。
と、税務署前で親子2人が乗車、大荷物ではないものの遠出の様子。すわ成田NT内での上澄みを期待したものの後は続かず。成田NT内ではクルマの通りも僅少、公津の杜も静かだったが駅入口でラフな姿の若い男性が1人乗車した。
R51もガラガラでバスは淡々と進み酒々井町内をスルー、佐倉市内に入った白銀三丁目で壮年夫婦が、佐倉駅入口でもやはり壮年夫婦が乗車。東の空にはようやく朝陽が昇りはじめる中、結局乗車8人にて佐倉ICから東関道入り。当方としては開業1週間でこの数字は率直に言ってなかなか、と見るのだがどうだろうか。

さすがにまだ早過ぎたか、成田空港行連絡バスとの離合も乏しい中淡々と歩を進める。走り慣れた道ゆえか記憶が途切れ途切れになり、湾岸習志野料金所の次は江戸川を越えて東京入りした葛西。9号線に入った先でも記憶が途切れ、結局呉服橋ランプを下りたところでシャキッと目が覚めた。
眼前に桜交通のツアーバスがでんと腰を据えて降車扱いする中、東京駅八重洲口には05:45の到着、壮年夫婦2組が降車した。中央通りから海岸通りを進んで、世界貿易センターを仰ぎ見れば浜松町BTに05:52着。早着はうれしいものの、営業時間前ということなのか、BT内部とを隔てる自動ドアがどこも反応せず、降車した人々は車路から貿易センタービル本館に向かうことに。親子はそのままモノレールに乗る様子、他の2人はJR駅方面に向かっていった。バスは回送表示で足早に消えていったがどこで休憩するのだろうか。

千葉交通早朝便高速バス
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入れ違いに宮古からのビーム1京急便(所定06:25着)とアクアラインバス君津行京成便(所定06:10発)がやってきて、浜松町BTの朝が始まる-といった様子だが、早くもアクアラインバスのりばには壮年女性が、そして到着レーンでは若い女性がバスを待ちわびていた。後者の方は出迎えかと思うものの、道理で彼女たちも外に佇んでいたのだろうのか?ならば考え物という気もするが。

成田からの始発列車は、京成が04:47発の普通京成上野行、04:58発の快速に抜かれずに上野に先着します。JRはというと我孫子行が04:47・千葉行が04:58発ながら、東京駅へは京成利用が安く、船橋乗換総武線快速では06:14着と千葉行乗換と同着なのですが、運賃がJRだと1110円なのに対し京成経由で900円となります。ちなみに平日限定ながらなんと最速は勝田台&西船橋乗換、東葉高速から武蔵野線快速へとつないで06:09着というもの…ちなみにこちらの運賃は1260円也。
なお、佐倉というか04:35発の宗吾参道始発普通に乗れば、船橋乗換総武線快速利用で東京着が05:44と余裕でのぞみ1号接続が可能。また京成津田沼で空港連絡バスに乗り継げばこちらも6時前に羽田空港到着が可能ですが、こちらは往々にして満席御礼となるという話もあり、確実性という部分では気になるところも。

その意味で今回の千葉交通の施策は、『トイレ付車両で座って行ける!!!』と掲出案内で自ら謳うように、少なくとも東京駅へのニーズとしてはルート取りや価格設定含め、なかなか面白いところを突いてきたな、という印象を受けます。浜松町でのモノレール接続による羽田空港方面アクセス考慮もそうですが、いずれも自前の停車スペースを確保しているのは強みでしょう。裏を返すと今回直接羽田に乗り入れなかったのには認可等の必要が出てくるということなのかと思われますが、様子見の部分もかなり強いものとも-。

リムジンライナー

実は2002/12/28から、同ルートに近い形で京成系タクシー会社が羽田空港行乗合タクシーを運行していました。定員8人のワゴン車に先代スカイライナー車両のカラーリングを施した「リムジンライナー」として、京成成田駅を04:40に出発し、京成酒々井・京成佐倉・京成臼井の各駅を経由、羽田空港に06:00頃到着する1便のみ運行というものでしたが、2004年には消えてしまったそうで。
仔細は当方も詳しくないので誤解があるかもしれませんが、3500円という価格設定や2日前までの要予約制という手間、乗車地を駅に絞ったスタイルがドアtoドアの印象が強い乗合タクシーには合わなかったのかもしれません。ちなみにこちら、都内~成田空港間乗合タクシーの出庫回送を活用した施策だったのですが、その本体も2005年7月いっぱいで廃止されています。

話によると展開次第では羽田空港連絡バスへの昇華もあり得る?とのことですが、羽田乗り入れ等を考慮するならば会員制バスでの試行でスタートするほうがリスクが少ないとも思ったのですが、予約なり支払方法なりに負荷がかかる分、これまでの積み上げた実績を活用した最小限のリソースによる路線設定のほうが話が早いということになったものかと。ただ、空港連絡バス化されるとしても、始発便だけでも新幹線接続という狙いは堅持してもらいたいですね。というかココには新たな可能性を感じているのですが…。

ところで実績を積み上げてきた千葉交通の高速バス施策で思い出されるのが、2002/11/21から運行開始した銚子-千葉・幕張線。もともと1999年8月から平日限定で幕張の千葉運転免許センター向け路線を1往復運行していたのを、高速バス初進出となるちばシティバスとの共同運行により一挙8往復化。当時まだ183系&113系全盛であったJR-E総武本線に果敢に挑んだのですが、高速区間は千葉東金道路と全体の半分以下のうえ、一般道区間もJR以上に手が入っていない両側2車線の区間が大半だったことから、時刻表ベースですら負けていたうえに、平日すら時間帯によっては渋滞に巻き込まれ遅延が常態化、当然ながら勝負になりません。
2003/08/04からは土休日が4往復化、その4ヵ月後の2003/12/01には早くも全日2往復化に縮退、この際ちばシティバスが撤退しています。その後も縮退は続き、2004年7月には平日2往復・休日1往復化、2005年4月には平日のみ運行に。そして2009/07/21には平日も1往復化され、結局命脈こそ保っているとはいえ先祖帰りしています。

高速バス東京~銚子線や~富里・匝瑳線も一般道区間は比較的長いですが、やはり東京という求心力の違いや、それこそ千葉市内ならクルマで…ということにもなろうかという点では、参考事例として引くのは適切でないのかもしれませんが、やはりニッチはニッチ、ともなるでしょうし、一方では時代の先読み感が敏感という側面を有しているとの評価もできるやもしれません。苦い経験をしているからこそ、今回「9月以降は土休日のみ運行」という割り切りにつながっているのかな、とも思ってみたりするのですが。

 
  • photo:平和交通早朝便
  • 平和交通早朝便
    JIUラッピング車登場
  • 平和交通早朝便
    スカイタウンで数人待つも乗車1人
  • 平和交通早朝便
    こちら6人乗車の畑町ホームランド
  • 平和交通早朝便
    新検見川駅もまだ静か
  • 平和交通早朝便
    新設のエリストバス停はゼロ
  • 平和交通早朝便
    海浜幕張マンション群をかきわける
  • 平和交通早朝便
    湾岸習志野ICから高速入り
  • 平和交通早朝便
    スカイツリーが見えた
  • 平和交通早朝便
    東京駅八重洲口は定刻着

平和交通 検見川・海浜幕張~東京線「早朝特急バス」

平和交通早朝便

千葉市稲毛区宮野木町、宮野木JCTから東関道を南に少し進んだ地点を本拠とする平和交通、その本社営業所を訪れるのは実は当方初めてとなる。
京成成田駅よりも1時間遅い05:00過ぎに到着すると、朝陽のオレンジが空を染めつつある中、ホワイトやイエローの路線車を中心に、BE-TRANSSEカラーや城西国際大(JIU)ラッピングなどの高速車、病院送迎用のマイクロバスなどが整然と並ぶ中、早くも運転手が数人、出庫前点検や洗車に勤しんでいた。
周囲は丘陵地帯の住宅地を県道72号穴川天戸線が走り、最寄コンビニまでは500mほどあるも、本社前の宮野木町交差点シダックスカラオケ店や閉まっているものの昔ながらの売店なども佇んでいる。時折早朝散歩中の人と出くわすも、クルマもさほど通らない、直ぐ傍を東関道があるにもかかわらず防音板のおかげか、閑静な印象だ。

入口横にポールと小振りなプラスチック製の庇があり、腰を下ろしてしばし待機。05:10過ぎにBE-TRANSSEカラーの、5分ほど後にJIUラッピングの高速車がそれぞれ出庫していく。前者はちはら台、後者は横浜に向かうのだろうか。ちなみに路線バスは本社始発で05:36発稲毛駅行、それ以外は6時前後となっており出庫までにはまだ時間がある様子、文字通り「早朝便」特急バスが始発となる。なお、県道には京成バス稲41系統稲毛駅~さつきが丘団地線が走っており、交差点の先にある宮野木バス停の稲毛駅行始発は06:25となっている。

出発5分前、JIUラッピング車がのりばに据え付けられる直前にワイシャツ姿の男性がふらりとやってきて乗車、座ると直ぐにもう一眠りの体勢…まさに一足早い通勤に重宝している様子か。本社ではこの1人乗車にて出発。県道をしばらく南進するも、ここは京成のテリトリーゆえ路線バスも停留所はない。園生町交差点を右折すると、停留所にスーツ姿の男性がいたもののこちらは特急便が停まらずそのまま通過、この後の始発路線バスを待っていた模様。先のあさま台入口でまず1人乗車。次のスカイタウンでは4人が待つもキャリー片手の1人のみ乗車。小中台高架橋交差点をまっすぐ進み、東関道を潜って180度ターンしスカイマンションバス停に寄るも乗車はなく、小中台高架橋交差点を左折して丘陵の団地内狭隘区間を右に左にと進んでゆくが、このあたりの細やかなルート取りは深夜急行バスとともに興味深い。
西小中台エリアは乗車なしもにれのき台エリアではにれの木台東で1人、畑町ホームランドでは6人の大量乗車。これまでは男性ばかりだったが、畑町で乗車のうち3人は女性だった。今度は県道をしばし北上、畑町西交差点を左折すると一気に海まで下ってゆく。朝日ヶ丘中央で1人乗車、始発便回送中の京成路線バスの後ろにしばしついた後、まだ通勤客等もまばらな新検見川駅前をスルー。京成千葉線と東関道を跨ぐと周囲の様相は一変し、検見川浜の団地群の中へ。

真砂中央公園で2人乗車、検見川浜駅北側交差点を右折すると、バス停に10人以上の大群! よく見れば空港行バス停で時間的に羽田空港行便を待つ人々、グループを含めコレからひとっ飛びというラフな姿の人が多い。京葉線を潜り花見川を渡ると海浜幕張の高級マンション群、去る6月に新設されたエリストバス停は乗車なしも、やはり10人ほどが羽田行きを待つ幕張ベイタウンバス停の手前で左折しマンションの狭間を進むとパティオスで3人乗車。これにて乗車確定、ほぼ通勤ないし出張姿の男性客中心の16人のうち、真砂中央公園の1人を加えた4人はいずれも用務然とした壮年女性、やはり通勤利用なのだろうか。
一般道を右に左にと走ってきたが、ここまでは定刻から若干の遅れ進行。丁度千葉交通便が浜松町についた頃の6時過ぎに湾岸習志野ICから高速入り…と、またもやここから記憶が断片的に。気付けば辰巳JCTを9号線に向け駆け上がっているところ。乗客満載の成田空港行東空交便と何台もすれ違い、やはり成田スカイアクセスができようとも30年の実績と知名度は侮れないということか。と、左側車線を前方のトラックにつく形となり、9号線はそのままゆったりとした走りで右側を何台も抜いていかれる。先程の一般道では結構飛ばしていた気がするが…箱崎JCTはクルマが多いもののまだ余裕、結局東京駅八重洲口には定刻06:30きっかりの到着と相成った。

平和交通早朝特急バス
より大きな地図で 平和交通早朝特急バスルート を表示

乗客が三々五々消えてゆき、07:40発のJIU便までひといきと思われる回送表示のバスも走り去ったバス停には思いがけない20人以上の乗客。直ぐ後にやってきた06:35発の銚子線始発便、女性運転手の京成車に吸い込まれていった。
なおも佇んでいると、まずは窓側座席を中心に乗客が埋めた、成東からのちばフラワーバス・シーサイドライナー始発便が定刻より若干早めの到着。20人以上が降車し、終点の浜松町に向かう人も10人弱ほどいただろうか。そしてこちらは定刻の06:45丁度、お目当てのマイタウンダイレクトバス新浦安線2便の京成車が到着。足早に降りてゆく乗客は東京駅方面だけでなく、日本橋・京橋方面に向かう人も少なくない…そして全員降車を確認すれば、なんと正座席定員ぎりぎりの42人と盛況!添乗係員もいたということは、この状況が定着している様子も伺えたのだった。

はや9年の実績は侮れないなと。むしろ四街道や稲毛海岸エリアでも-と先走っちゃうのですが、結果論からするとあくまでもJIU便送り込み回送があるからこそというニッチの王道!という運用スタイルでしょうし、正直なところ損益分岐点的にも微妙なものがあるのやも知れません。冒頭にて物足りないと感じるとした、新幹線や羽田接続を考慮した時間の前倒しを-といったところで、タクシーやそれこそクルマで最寄駅まで送ってもらえれば済む話なエリアなだけに、そこは当然考慮されたうえでの時刻設定ということなのでしょう。
そのあたりの経験値は、昨年から運行開始したマイタウンライナー昼行便にも反映されていると言え、2路線とも始発便の東京駅到着時刻は8時前と明らかに通勤対応での設定となっています。ただ開業半年を経てマイタウンライナーの次なる展開が見えてこないのは、京成マイタウン・ダイレクトバスが両路線とも減便改正となっているのと比べると、まだ慎重な設定が奏功というか、結果その程度の潜在需要確保に留まっている-という見方のほうが近いのかもしれません。

マイタウンダイレクト新浦安線

とはいえ、それこそ早晩再見しなければと思わせたほどのマイタウンダイレクト新浦安線2便到着状況を見てしまうと、対都心近距離早朝直行バスの可能性はまだありそう…というのが正直な感想。これを平和交通早朝特急バスのルートで想起するならば、狭小な一般道の脆弱性-より後の時間だと一般路線バスやマイカーなどによる渋滞リスクが高まる故の未設定と理解するのですが、ひっくり返せばそれなりの道路環境があり、鉄道との競争力があれば成立余地が出てくるのではと。
そう、当方的にはどうしても長年暮らした江戸川区南部、東西線以南の団地街を念頭にしてしまうのですが、マイダウンダイレクト新浦安線とてICカード割引こそあれど、定期券とは言わないまでもよりリピート性を強めるであろう回数券というステップにも至っていないのは、まだまだホームライナー的要素-利用者側もお試し感が強いということでしょうか。

 

2路線を実見し、改めて感じたのは“似て非なる”ということでした。後者があえてのぞみ1号に接続しなかったのも、前者が直接羽田に乗り入れなかったのも、それぞれが現実的な選択をしている証左でありつつ、路線バス事業の制約でもあり権益でもあるという複雑なようで単純でもある背景が透けて見える気すら-とまでするのは大袈裟でしょうか。
はっきりしたのは、早朝便高速バスの成立可能性としては、

  1. 中距離における新幹線・空港連絡始発便接続形態
  2. 近距離におけるライナー的通勤輸送形態
  3. 都市間輸送

の3点に大別でき、前2点についてはいわゆる高速ツアーバスの参入可能性が低い一方で、価格設定等収益性もさほど高いとは云い難いというところでしょうか。まさしくライバルとなる鉄道次第という意味で、アクアラインバスは前2点の形態を双方持っていますが、東急バス新横溝口線は近距離ながら1.的要素が強いのも鉄道利便性が低い故という好例、逆に京浜急行バス横須賀西地区線のように中距離ながら新幹線需要だけでは仕立てられず2.の要素が強いという例もあり、このあたりは神奈中バス新横浜厚木線や、高速バスではないものの「新幹線シャトル守口号」(京阪バス・西日本JRバス)が短命に終わったことにも通じそうです。

その意味では千葉交通成田線の項でも記しましたが、北関東方面などからの羽田空港連絡バスで始発便だけでも東京駅なり品川駅なりを経由する設定というのは難しいのでしょうか。つくば号やみと号がのぞみ1号に連絡していないのは意外な気もしますし、一方で羽田空港へは半夜行便でも成立しうるのは、やはり運賃設定面が大きいということになるのかもしれませんが、始発便だけならば“空港価格”を盛ってでもその価値はあるのかなという気がするのですが。

種々の課題が見えてきた中、別項で深夜のアツい戦いも見たところですが、京成グループ対平和交通という図式でも今後の展開が注目ですし、局地的事例と片付けるには惜しい要素を踏まえつつ、まず千葉交通のチャレンジが9月以降どのようになるのか、見守ってゆきたいと思います。

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1周年は確実となった「早朝便高速バス」

投稿者---551planning (2011/03/01(Tue) 23:30)

2003/10開設の潮見車庫の廃止・東雲車庫への統合や、マイタウンダイレクトバス千城台線の停留所追加等が発表されていますが、こちらも忘れないうちに。

2010/07の開業以来「当面の間」とされてきた通常運賃より400円引きとなるお試しキャンペーンが2月いっぱいで終了し、当初通常運賃より100円安い新通常運賃が設定されました。
また早々と夏季毎日運行日が発表され、07/19~08/19の1ヶ月間に。昨年は08/31まででしたので短縮とはなっていますが、これで1年持つことが決定したものと思われます。

当方は昨年9月に再乗していたのですが、その際は乗車2人…さてその後、知名度は上がってきているのでしょうか?

「早朝便高速バス」2題のその後。

投稿者---551planning (2012/07/23(Mon) 11:34)

あれから2年…「マイタウンライナー幕張ベイタウン線」運行開始に併せ、平和交通「早朝特急バス」は10年以上の歴史にピリオドを打ちました。経路も変更となり、西小中台エリアについては無料の接続バスを運行してカバーする辺りはさすがでしょうか。早速実見しておりますのでリポートを御笑覧の程。

で、実はこっちの動向もずっと気にしていたのですが…ようやく発表。

2010/07から運行している千葉交通の「早朝便高速バス」、原則土休日のみ運行ですが、過去2年とも夏期は毎日運行となっていたところ、今年の発表がなかなか無く、もしや利用が低調なのかと懸念していたのですが、まさにようやくという感じです。『早朝出発の東京駅新幹線や羽田空港国内線への乗継に最適!!』とアピールしていますが、後者については…ねぇ。

Re: 「早朝便高速バス」2題のその後。

投稿者---スカイアクセスライナー氏 (2012/07/29(Sun) 09:41)

私は途中の酒々井町民ですが、はっきり言って『早朝特急バス』はよく持っているなというぐらい低調です。特に酒々井や佐倉ではPR不足ということもありますが、酒々井に関して言えば、京成電車の方が始発が早いですし、船橋で乗り換えても、東京駅には電車の方が早いです(京成酒々井437発で船橋乗り換えで東京駅には544着。ダイヤ改正して、若干早めた方が利用価値が上がりそうな気がします)。


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