【検証:】掲示板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.119)
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結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか? 〔続〕
 投稿者---TAKA氏(2003/09/28 23:44:20)

結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
└「大過なく」が暗転して...
└雑感
(以上前ページ)

└完全に仮線に移行出来たのか?
 └Re:完全に仮線に移行出来たのか?
Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
 └Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」を…
  └大規模運休の是非と契約論を同列扱いはナンセンス
   └同感です
    └「訂正・謝罪」と私の評価を・・・
     └議論のための議論
      └中央線長期運休の原因が明らかに
       └繰り返しですが
 └即応体制の検証こそ重要課題
  └最高でも金最低でも金

   └規模は理由になるのか?
    └及第点≒満点の辛さ
     └穴を残したリスク管理
      └是々非々

▽前ページより

完全に仮線に移行出来たのか?
 投稿者---若松河田氏(2003/09/29 00:17:57)

 こんばんは。若松河田です。ネタ振りをしておきながら遅レスです。

 (実作業に関わる)ともさんのコメント興味深く読みました。現場を知らないだけにとても参考になりました。

ひとまずの結果論 log118.html#12

 またまた疑問なのですが、下記記事内に、信号とポイントの連動が出来なく、結局原因を突き止められず、ポイントを固定したとあります。(記事を要約)

JRの甘い判断に重なるミス、「休日台無し」怒りの声(讀賣 09/28) http://headlines.yahoo.co.jp/…

 ということは、まだ仮線として、完全に出来上がっていないということでしょうか?武蔵小金井は車輌基地のある要衝だけに気になります。

Re:完全に仮線に移行出来たのか?
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/29 00:50:01) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 まさにそこが最大の懸念材料です。
 夜に入って武蔵小金井で信号故障が発生したという情報もあり、明日の運行が懸念されます。特に、信号、通信系で「平日ダイヤ」での実施を別パターンにしている場合、切替後初の運用になる可能性もあるだけに。

 今回の事故ですが、報道を見て感じたのは、そもそもの計画で運行再開への手順に重大な問題があるのではということです。
 取り敢えず仮復旧した8時過ぎ、そこで運行を再開せずに、工事の責任者が独断で復旧よりも原因究明を優先させたことで、配線ミスが続々発覚とありますが、このことは、工事終了後、「システム」としてのチェックをしない前提で工程を組んでいたということを意味します。
 もしチェックが組まれていたら、3時の工事終了後の早い段階でこれらの不具合は発覚しているはずで、もしそもそもの原因となったトラブルが無かったら、運行再開後に断続的に故障が各地で発生していたことになります。

 どういう検収体制になっていたのか。ここが再発防止における最大のポイントになりそうです。

Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
 投稿者---とも氏(2003/09/29 02:14:44)

 ともです。

 簡単に異論。
 結果的に大失敗に見えますが、二面性があることを考えなきゃならないでしょう。

 今回のミスの要因が単に工事時間内にすべての工事が終わらなかったということではなく、その作業ミスが原因であってそれは計画運休によるものではないわけです。
 この点を間違えてはいけないでしょう。
 細切れ施工でも同様の工事ミスはおきえるわけです。よって「大規模運休工事が失敗」というのは一面からしかみていないと考えますが(大規模運休をせずにポイントの切り替えだけでも同じことが生じる可能性は否定できない)。

 振り替えに関しては確かに甘いといえます。これは糾弾されてしかるべきでしょう。が、しかし、それと大規模運休の是非は別です。今回の事故は作業ミスからして生じた事故であり、振り替え輸送に関しても、いわば通常の事故による振り替え輸送同様の問題といってもよいでしょう(よって、JR東日本への苦情「バスをもっと長く用意できないのか」は一面では正論でも、一面では過剰な準備になりかねない。その回答として「見通しが甘かった」は正論。とはいえ、そこまでの準備を果たしてできうるかはそれはそれで疑問。むしろバス会社との臨機応変の調整ができないのが最大の課題)。

 私は大規模運休を是とする気はありません。一つの考え方であるとは思いますが。ただ、今回の大規模運休に関しては、一面で失敗だ成功だといえるものではないと考えます。

 「少なくとも計画運休時に関しては振り替え輸送、需要抑制策は成功であった。しかし、工事ミスによる運休に関して、振り替え対応が遅れたこと、工事においてミスが重なったのは失敗であった」
 と考えるのが正論ではないかと。

 JR東日本と東京都の肩をもつ気はさらさら無い(被害者の1人ですから)ですが、今回はJRの施工計画や運休計画そのものに落ち度があったのではなく、施工業者のレベルあるいは手法に問題があった。結果、施工管理者としてのJRの責任が問われた。決して計画サイドのミスではない。
 これはおそらくこの手の業界にいる方々ならそう思うでしょう。この事実関係はきっちりしたい。感情的にではなくです。

 施工業者のレベルは入札時の技術評定に問題があったとなります。この事業はJRの単独事業ではなく東京都が施主の公共事業です。よって「いつもの組み合わせ」といった理由での業者選定はわが国の公共事業入札手法ではありえません。しかし、それでも問題なく進む技術力が求められるのではないでしょうか。

 そう考えると二面性はみなきゃならないでしょう。
 だれもミスをしたくてするのではないのです。責めるのは簡単ですが、その原因を考えることがより重要なのですから。

 批判的ですが。

Re:結果的には失敗だった「大規模運休による線路切り替え」をどう考えるか?
 投稿者---TAKA氏(2003/09/29 13:06:01)

 ともさまこんにちは。TAKAです大変ご無沙汰しております。
 私も昼の移動中なので手短に・・・

 今回のミスの要因が単に工事時間内にすべての工事が終わらなかったということではなく、その作業ミスが原因であってそれは計画運休によるものではないわけです。
 この点を間違えてはいけないでしょう。
 細切れ施工でも同様の工事ミスはおきえるわけです。よって「大規模運休工事が失敗」というのは一面からしかみていないと考えますが(大規模運休をせずにポイントの切り替えだけでも同じことが生じる可能性は否定できない)。

☆ これは否定しません。工事の失敗がなければ「大規模運休は無事完了」で今後のモデルケース足り得たほど上手く行ったと思います。またこの様な工事の失敗は、別に大規模にやったから起きた物でもないという事も一面に置いては言う事が出来ます。確率論的に言えば、普通の切り替え工事でも起きても可笑しくはない事ではあります。
 但し工事が大規模かつ複雑になればなるほど失敗発生の確率は大きくなるのも事実です。そう言う意味でのリスクの分散という点から、大規模な切り替えに関しては私は疑問を持っています(しかし工事の効率性という点からは、長大な作業間合いが確保出来る大規模運休に関しては賛成ですが・・・これは一長一短であるという事になると思います)。

 私は大規模運休を是とする気はありません。一つの考え方であるとは思いますが。ただ、今回の大規模運休に関しては、一面で失敗だ成功だといえるものではないと考えます。
 「少なくとも計画運休時に関しては振り替え輸送、需要抑制策は成功であった。しかし、工事ミスによる運休に関して、振り替え対応が遅れたこと、工事においてミスが重なったのは失敗であった。」と考えるのが正論ではないかと。

☆ このとも様の考えには完全に同意致します。少なくとも土曜日の段階ではこの大規模運休は成功でした。日曜日になってからの「工事の失敗」「運転再開の遅れ」「振替輸送の中止」は完全に失敗でした。

 JR東日本と東京都の肩をもつ気はさらさら無い(被害者の1人ですから)ですが、今回はJRの施工計画や運休計画そのものに落ち度があったのではなく、施工業者のレベルあるいは手法に問題があった。結果、施工管理者としてのJRの責任が問われた。決して計画サイドのミスではない。
 これはおそらくこの手の業界にいる方々ならそう思うでしょう。この事実関係はきっちりしたい。感情的にではなくです。

☆ 此処は多少考えが違います。運休計画に関しては広報・振替輸送・実施とも今までの経験と今回の規模を考えれば9割方成功であったと思います。それに関してはとも様と意見は同一です。
 しかし施工計画に問題がなかったか?これには疑問有りです。私は問題があったのではないかと思います。単純に考えて施工業者のレベル・手法の前にまず施工計画がありきです。今回の工事は「活線の工事」「前例のない大規模切り替え」「車庫線区間の構内を含めた複雑な切り替え」「複数工区間に跨った切り替え」という特殊な要因を考えれば、施工業者のレベル・手法はまず施工計画の中で考慮すべきでしょう。
 この様な特殊な工事の場合慣れた施工者というのは日本の中でも限られています。それこそ「他で何回も経験してきた。その集大成が今回の切り替え」ぐらいのレベルの監督・職工を集めないと上手く行かない位大規模な物です。それだけの人がどれくらい居るか?ゼネコンでもそんなに多くないはずですし、専門業者でもそんなに多くない。その様な人を集めなければならないのに、工事は大規模となれば必然的にその様な優秀な人の比率は、この様な特殊工事では減ってしまいます。ですから「欲張った施工計画」や「工事業者間のコミュニケーション」や「工事業者の経験」等に問題があり、その根本の工事施工計画に問題有りと言う事になるのではないでしょうか?
 後はJRの担当者が現場を知っていたか?これも重要でしょう。机上の計画で上手く行っていても現場は生き物です。現場を知らない人間が計画を作れば、この様な事が発生する可能性は十分あります。現場の経験も技術力です。鉄道会社の工務担当者で有ればそれは絶対必要な事です。そこら辺に問題のあった可能性もあると思います。

 施工業者のレベルは入札時の技術評定に問題があったとなります。この事業はJRの単独事業ではなく東京都が施主の公共事業です。
 よって「いつもの組み合わせ」といった理由での業者選定はわが国の公共事業入札手法ではありえません。
 しかし、それでも問題なく進む技術力が求められるのではないでしょうか。

☆ 公共事業の入札にお手盛りの「いつもの組み合わせ」があると言うのは確かに問題です。それでは談合になります。談合情報があった訳ではないので、それはなかったという事になるでしょう。
 しかし問題の技術力という話になると、特殊工事に関しては当然それだけの技術力がある所となると限られてきて、技術力基準でやれば「いつもの組み合わせ」という事になる可能性もあります。
 高架橋築造工事で有れば、大手ゼネコンと言われる会社で施工出来ない技術力の会社はないでしょう。しかしそれに組み合わせで出てくる「活線の切り替え工事」となると、その大手ゼネコンの中でも経験豊富なゼネコンは限られてきます。大体鉄道会社系の鉄建・東急や大手の中でも大林・大成・清水等に限られて来るはずです(清水・東急は東横線の複々線工事の切り替えで経験していますし、大林は池袋・新宿でJRの工事をやっていますよね)。
 この様な経験は一般的に使われる「経審」では出てきません。その様な技術力という事になると必然的に一般競争入札ではあぶり出すのが難しくなります。そこが入札制度の難しい所です。公共事業である以上より安く良い物を作ってもらう為に入札制度は必要な物です。しかし安ければいいと言う物ではありません。技術力や施工経験等も加味した選定をしなければ
 この様な事が又発生する可能性もあると思います。

☆ 究極を言えば、私もこの工事に直接関わっていた訳ではないので推測でしか物を言えません。最終的にはJR等の原因追及とその報告を待たなければならないでしょうが、この様な事は表面に出て来づらい事です。多分出てこないでしょう。
 それを良しとしないで、事故報告に埋もれかねない事も追求して貰い今後こういう事故が起きない事を祈るのみです。
 来年中央線連続立体工事は下り線の切り替えがあります。多分大規模運休を伴い、今回の規模に近い切り替えが行われ、施工業者も変わらないです。その時に事実と今回の教訓を生かせたかの真価が現れるでしょう。来年の切り替えが上手く行く事を祈りつつ・・・

大規模運休の是非と契約論を同列扱いはナンセンス
 投稿者---とも氏(2003/09/29 20:17:43)

 ともです。
 簡単に。

 今回の事故は施工計画そのものが誤りというほどのミスかといえば、報道を見る限り、そうではないでしょう。
 もちろん原因究明がされていない段階でウジャウジャやっても仕方がないですが、ミスをしたこと、判断を誤ったこと、そしてその後のフォローと施工管理を問題にしたいところです。

 また、今回の施工計画を「誤り」として、小田急連立のような「細切れ施工にすべきである」としても、一括施工でも細切れ施工でもこのようなミスは起きうる(起きないという保証は無い)わけで何の解決にもならないですよね。

 ましてや、今回の事故において、ミスをしたのは軌道回路工事なのは報道などで明らかになっています。その工事を請け負うのは専門工事会社(注1)であり「経審」(注2)云々はここでは無関係でしょう。特定業者ができるできないという議論はこの板ですることではないはずです。

注1) 通常であれば、「一般土木」ではないので、業者は相応の技術力が無くてはならない。
注2) 建設業経営事項審査のこと。公共事業入札にあたり各官庁がこの経審と実績から各業者をランク付けする。よって業者選定の一つのポイント。このランク付けで「○ランクが入札可能」といった制約を持たせる。不良業者などを防ぎ、品質を維持するための措置。決して一般用語ではありません。

 それでは。

同感です
 投稿者---和寒氏(2003/09/29 20:46:53) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 とも様の発言を全面的に支持します。
 元投稿は「業界筋」でなければ理解できない用語を使っており、しかつめらしい説明が加えられていますが、これは業界筋ではない読者に対して著しく不親切な書き方です。インサイダー情報を記しているような格好をもって、専門家であるようなスタイルを採るのは不適と考えます。この板の読者の多くは中立であると想定されるのですから。
 また、当該事象に関係のない個別的具体的社名を挙げることは、著しく適切を欠く投稿であると考えます。宣伝の意図でもあるのか、と勘ぐられても仕方ない内容であり、是正措置を希望するものです。

「訂正・謝罪」と私の評価を・・・
 投稿者---TAKA氏(2003/09/30 13:06:52)

 とも様・和寒様

 ご指摘の趣旨は理解致しました。その様な宣伝を意図して書いた訳ではございませんが、業界用語は意図して使った訳ではありませんが、結果的に不適切かつ難解な話になった事は陳謝致します。
 又「業界人」という意味では「インサイダー」という事かもしれませんが、私はこの工事に利害を持っている訳では有りませんし、既に半分OB状態ですから特定の利害を持って話をしている訳ではありません(私の未だ関係している所は東京都の工事はしていますが、JR東日本の鉄道工事には相手にされない規模ですから・・・)。
 それから特定の社名を上げた件ですが、あくまでも鉄道の切り替え工事を行う様な一般的に実績のあるゼネコンの名前を上げただけであり、自分の関係のある会社名を上げた訳ではありません。少なくとも自分の存在を明らかにしない様に注意深く書いているつもりです(前の書き込みの切り替え工事の経験の実例と実際上げた会社名は適合致しません)。ですから宣伝の意図など有りません。その点は明記しておきます。
 只一般論としてあげた社名がその様に取られるのは遺憾ではありますが、確かに言われる様に誤解を招くと言う事で有ればそれは此処で撤回させて頂きます。

 しかし今回多分調査をして報告が表に公表されても、私が書いた事はまず間違いなく表には出てきません。表に出てくる事は「施工のミス」「代行手配の甘さ」等の表面的かつ技術的な事です。しかしその裏には書いたことのようなことがあり得るという事は、多少は認識しても良いのではないかと思い書き込みました。
 私は書いた事の本論自体は間違えていないと考えます。土木工事は経験工学です。数字だけでなくその経験を買う事が最終的には全てを上手く納める事でもあるという事を考える必要はあると思います。それが全てではないですが・・・・

 鉄道の「活線工事」は成功して当たり前です。電車を止めると言う事は最悪の事で一番大きい失敗です(それこそクビ・左遷物です)。電車を止めるより、工事が終わらず未完成のまま電車を通し、その後チビチビダメ直しをする方が100倍良い事です。少なくとも失敗が表に出てきただけで0点です。
 完全に100点か0点かと言う世界ではありませんが、この様な工事の評価は無事全部工事が終わり電車を通せれば100点、少しでも電車の運行に支障が出た段階で0点です(電車の運行には支障が出ないが工事が残ったというのはその中間)。これは鉄道の「活線工事」に携わった人間大部分が言う事です。
 ですから私の今回の工事に対する私の評価は0点です(昨日は複数の人間(設備屋や土木屋等)と話しましたが評価は一緒でした(0点or最悪))。その様な結果であった以上技術的な物だけでなく、その奥に潜んでいる事にも考える必要はあるとは思うのですが・・・・。まあ多分こう考えるのは私だけかもしれませんが。

議論のための議論
 投稿者---とも氏(2003/09/30 18:46:23)

 ともです。
 過去ログへの記載は不要です。 (あえて載せました>551planning@おさぼり管理人)

 仰っていることはまさにそのとおりです。活線工事には0点か100点しかありません。それは、鉄道に限らず道路や空港などの工事関係はすべてそうでしょう。
 ただ、そこで契約体制云々はむしろ重箱の隅にすぎない。なぜなら契約方式や契約体制というものは「ルール」であって、そのルールが悪いから変えろというのならまだしも、工事ミスの原因を契約体制に求めるのは本末転倒も甚だしいでしょう。

 確かに、「あそこの会社に頼まなければ成功した」とか「もう少しマシな成果が出た」という話は枚挙いとまないものです。しかし、それだからといって、必ずしもその会社に頼めばいいというものでもないですね。
 入札制度という「根幹」を変えない限りあり得ないわけです。でも、そこまでの議論をここでやっても何の答えもでないし、そもそも議論の題材でもないでしょう。
 現実にはJRが業者のレベルが大丈夫ということで契約したわけで、それを「そもそもおかしい」と言い切れるほどの議論が果たしてできるのでしょうか。また、その下請けや孫請け云々まで話は及び、結果エンドレスにもなりませんか?
 であれば議論のための議論、それになるのではないのでしょうか。

 また、もう一つ。
 今回の工事は明らかに失敗です。ただ、それと今回のこの元レスのテーマ「大規模運休」は切り離すべきです。
 大規模運休したから全てが悪いとはだれも考えないですよ。でも「技術者と話したが今回の「工事」は失敗だった」となれば、大規模運休そのものの否定にもなる。
 しかし、そこは別次元の話でしょう。失敗したら0点。でも大規模運休したから失敗ではない。主因は違います。
 そう考えない限り、この論議は「議論のための議論」になるだけとしか私は思えませんが。

中央線長期運休の原因が明らかに
 投稿者---TAKA氏(2003/10/07 13:03:07)

 こんにちはTAKAです。一度止まった議論ですが、表題に関係する記事を見つけましたので、書き込みをします。

<JR中央線>長時間不通 受注会社の配線図にミス (毎日 10/07)http://headlines.yahoo.co.jp/…

 ミスの原因がJRの関係会社の配線図の作成ミスと別の配線図を用いて作業した結果のミスとの事です。これで私の議論で述べていた事が過ちである事が明らかになりました。

  1. 今回のミスの基がJR関連の設備業者であった事。
     少なくとも記事に載っている会社はJRの設備関連業者であるという事は、「慣れない業者の経験不足」や「JRとのコミュニケーションに不足等があったのでは?」という事に誤りがあった事が明らかです。これに関しては私が誤りな事は明らかですので、今までの誤りは撤回します。
     

  2. 原因が「配線図の書き間違い」と「配線図の取り違い」にあった点
     ニュースの記事にはこれだけしか書いていませんが、実際には何が原因だったのでしょうか?この記事では読めない点が出てきます。それは下記の点にあるのではと思います。

 まあこれが擦り抜けてしまっていたから、今回のような事故が起きたのでしょう。一応原因が明らかにはなりました。

☆ この事故原因を見て考えられる事はいくつか有る様な気がします。私が思った事を如何に書いてみます。

(1)設備業者がJRの関係会社であるという事は、私の言った「阿吽の呼吸」が逆に作用してしまったのか?
(2)JRが関連設備業者にお任せ過ぎであったのではないだろうか?

 どちらにしろ責任は設備業者にあるにしろ、工事の監理者としてのJRの責任も重い物が有ると思います。
 昨日は京浜東北線で工事終了後置き忘れたユンボの部品が電車に当たり4時間不通という事がありました。昨日の事故では、作業終了後線路閉鎖を解除する時に何で軌道上を確認しないで線路閉鎖を解除したのか?と言う素朴な疑問を感じます(当然JRの保線担当者が立ち会っていたはずですから。立ち会っていなければそれ又問題です)。
 少なくとも約10日間で工事が原因で電車を長時間止めた事故が2件発生したという現実を考えると、JRはこの事実を重く受け止める必要があると思います。

 石原国交省の言う「胃の手術と肺の手術を間違えた」というのは例えとしてちょっと違う様な気がしますが、少なくともJRに工事監理の基本的な点で重大な過失が有った事は事実です。石原国交省の言う様に「小さなミスから大きな事故が発生しかねない」というのは当たっています。配線を間違えたまま電車が走って信号が誤作動したり澄み切りが閉まらなかったり、ユンボの部品に当たって電車が大脱線したりしたら、それこそ大事故です。
 JRはこの2件の事故を重く考え根本から事故再発策を考える必要があると思います。

繰り返しですが
 投稿者---和寒氏(2003/10/08 13:41:38) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 本論にもコメントしようかと思いましたが、それよりはるか以前の問題なので、ここにレスをつけます。

 昨日は京浜東北線で工事終了後置き忘れたユ○ボの部品が電車に当たり4時間不通という事がありました。
 信号が誤作動したり澄み切りが閉まらなかったり、ユ○ボの部品に当たって電車が大脱線したりしたら、それこそ大事故です。

 同じことを繰り返して記さなければならないのは苦痛以外のなにものでもないのですが、問題がある記述なので、看過できません。繰り返します。
 当該事象に関係のない個別的具体的商品名を挙げることは、著しく適切を欠きます。お控えあってしかるべきです。
 「ユ○ボ」は商品名です。機械の正式名称は「バックホウ」です。これもあまり一般的な表現ではないですから、ショベルカーなどと表現するのもありえるでしょう。でも、商品名を記すのはNGです。事故を起こしたものが他社の機械である可能性がありますし、むしろその可能性の方が高いのですから。
 「ユ○ボ」のような個別商品名は書かない、書けば即落第、というのは土木施工管理技士や技術士の受験参考書では最初の方に記述してある、初歩中の初歩といえる注意事項です。曲がりなりにも「業界筋」に身を置いておられるならば、その程度のことさえわきまえていないのは困りものです。敢えてきつく苦言を申し上げます。

即応体制の検証こそ重要課題
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/09/29 21:53:35)

 振り替えに関しては確かに甘いといえます。これは糾弾されてしかるべきでしょう。が、しかし、それと大規模運休の是非は別です。今回の事故は作業ミスからして生じた事故であり、振り替え輸送に関しても、いわば通常の事故による振り替え輸送同様の問題といってもよいでしょう(よって、JR東日本への苦情「バスをもっと長く用意できないのか」は一面では正論でも、一面では過剰な準備になりかねない。その回答として「見通しが甘かった」は正論。とはいえ、そこまでの準備を果たしてできうるかはそれはそれで疑問。むしろバス会社との臨機応変の調整ができないのが最大の課題)。

ととも様も書かれているように、今回より問題視しなければならないのは、異常時対応の即応体制の検証こそであると考えます。これは皆様当然お判り頂けると思いますが、工事の有無関係なしに、むしろ事故故障・自然災害等により突発的に発生し得るからです。
 その意味では2点問題点が指摘できましょう。情報伝達体制と振替輸送対応です。

 当方が工事遅延を知ったのは、TVのテロップで流れた日曜朝9時前後であったでしょうか。その後TVでは週括り情報系番組の多い日曜朝の特性もあって特段のアナウンスはなく(勿論JR-Eサイト運転情報では断続的に情報更新されていたが)、現場の実況を流した10時のNHKニュースで「大事だ」ということが伝わってきました。NHKではその後もニュースで立川駅からのリポート(客待ちタクシーがいない等)や代行バスの「打切り」を伝えていましたが、民放各局では11時半の定時ニュースまで特段の情報伝達はなかったかと思います。
 こうしたマスコミへの告知の重要さと別に、接続交通機関への情報伝達についても疑問の残るところです。今日のTV報道で『花小金井を抜けてここまで来たんだ!』と駅員に噛み付く御立腹の紳士が映されていましたが、例えば路線バスやタクシーへの情報伝達体制があったのか、仮になかったとしても、異常時である以上は会社経由で伝達し、バス車内で運転手が告知するなり、タクシーを各駅に配置するなりといった応対が可能であったのではないかと考えます。

 今回は「代行バス打切り」がクローズアップされているところ、これもとも様が指摘されているように事前予測にも限界があるわけで、ある意味致し方なしとも云えましょうが、それでなくても5台10台でもかき集める事もできなかったのかは疑問です。代行バス担当運転手も徹夜明けで云々、別のバス会社でも対応できなかったという報道もありましたが、これは根本的な異常時対応にマニュアライズ化されているのかどうかという問題にもなろうかと思います。
 あと、南武線の人身事故はさておき、京王線・西武新宿線の対応はどうだったのか、さらには焼け石に…ということにもなりましょうが、西武線と武蔵野線に乗客を流せる国分寺までの運行はできなかったのかという点も気に掛かったところでした。

***
 さて、既にとも様・和寒様からの御投稿もあるところですが、工事そのもののノウハウはあるに越した事は当然として、人為的ミス含めそれでも起こるべき事態である異常時対応、特に利用者への配慮という観点からの検証を皆様と進めたいと考えますが、如何でしょうか?

最高でも金最低でも金
 投稿者---和寒氏(2003/09/29 22:18:13) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 人為的ミス含めそれでも起こるべき事態である異常時対応、特に利用者への配慮という観点からの検証を皆様と進めたいと考えますが、如何でしょうか?

 管理者様からの御提議もっともです。
 この点に関して私見を記します。まず、このスレッドで最初に見解を明らかにしたのはエル・アルコン様ですが、

 代行の体制を万が一作業が伸びた場合は30分刻みとかで延長するというような臨機応変なマニュアル化はされていなかったのか。
 肝心なところで手抜かりがあったようです。

という意見は利用者本位に考えれば当然と首肯しなければならないところ、しかし現実には出来ないことだと考えます。
 なぜならば、これだけの長時間運休においては、乗務員の勤務シフトが一杯になるからです。16時から25時くらいまで、明けて5時から7時くらいまでという代行時間を考えれば、明けてからの時間が短いことがすぐにわかります。となると、明けは宿直勤務と考えられ、9/27は4時間勤務、仮泊をはさんで9/28は2時間勤務というシフトでしょう。車両回送に要する時間等までを拘束時間と考えれば、明け勤務の延長は2時間程度が限度、その点9時まで代行運転があったという報道が正しければ、よくやったと称賛に値するのです。
 勿論、結果として運休が続いたわけですから、利用者にとっては不誠実な対応となります。ただし、鉄道(代行バス)側が利用者に誠実であろうとすれば、明確な労働基準法違反となり、これはこれで問題事象になってしまうのです。急な話ですから、スタッフの召集もままならないでしょう。運休時間が延びたからといって、バス代行を何時間も延ばすことは所詮無理な話です。

 だからこそ、施工に失敗は許されないのです。柔道の田村亮子選手ではありませんが、「最高でも金最低でも金」なんです。こういう工事では、及第点はほとんど満点に近い水準にあるのであって、成功してあたりまえという厳しい世界なんです。従って、明確に失敗したこのたびのことは、その結果だけをとらえて厳しく批判されなければならないのです。
 とも様が指摘されているとおり、大規模運休の是非は、この現象からでは判断できません。私自身は是としないことは記述したとおりですが、だからといってこの「失敗」という結果から非と導けるとは考えません。

***
 なお、憶測を交えて「失敗」の原因を考察すれば、おそらくは「作業基点の間違い」つまり「どこから工事を始めるかをミスった」のだろうと推測しています。なぜこのように推測するかというと、いじらなくてもいい分岐器をいじる、という信じがたいポカをしているからです。このポカを起こすためには、工事する範囲そのものを誤認しなければならない。ということは、作業を開始すする場所を間違えて、あとは将棋倒し式にミスが連鎖したと想像しています。勿論、現時点では事故原因は報道されていないので、あくまでも想像です。
 この現象が発生するためには、計画サイド施工サイド双方に原因がありえるので、現時点では即断できません。計画サイドのミスだとすれば、工事範囲の図面ミス(例えば距離程の800を600と誤記するとか)というところ。施工サイドのミスだとすれば、図面の位置と現場の位置を間違えたという線でしょう。
 いずれもあくまで想像ですが、参考までに。

規模は理由になるのか?
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/29 22:49:50) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 今回の大規模運休工事について、「大規模だから」というのは一見正当のようですが、事象の本質を考えると当たらずというところでしょう。もし細分化したとしても、こういうチェック体制であったら発生し得るトラブルであり、逆に細分化により切替が増える分だけリスクも高まるという評価も可能です。

 ちなみに、近時の例では西武池袋線の中村陸橋(練馬−中村橋)の逆立体工事(西武線と目白通りの入れ替え)や、中村橋−練馬高野台の複々線化というような「一発勝負」かつ長大区間の切り替え例がありますし、首都圏での類似例というと昭和56年7月の総武線津田沼−千葉の緩急分離があります。

 この例は距離にして10kmあまりと今回の6kmを遥かに上回りますし、幕張電車区の入庫線の切り替えを津田沼、幕張の2個所で行うという今回を遥かに上回る大工事でした。
 工事自体は7月5日の14時過ぎから6日5時頃(ただし初電から運転開始)に掛けてという今回とほど同時間帯の作業で、代行区間は津田沼−蘇我、佐倉と言う今回を遥かに上回る規模でしたが完遂しています。
 実は復旧一番列車が送電故障で30分延着していますが、それだけです。そういう意味で、経験としての蓄積が無いとは言わせません。

***
 代行バスの手配ですが、確かに計画に伴う手配を前提にしたら無理です。しかし、その計画自体に問題があるというのは否定できません。
 手配が空振りでいいから午前中いっぱいの車両と要員を確保するというリスク対応がなかったのか。例えば高速道路の集中工事は最終日には数時間単位で早上がりするケースがざらですが、時間内に終わらなかった時の混乱を考えると、どちらがベストか。それと同じことです。

 無駄は出来ないといっても、休日の流動の特徴を考えると、平日のようにラッシュ時が終わると急速に収斂するのではなく、立ち上がりは遅いが昼に向けて増える一方という状況です。そう考えると、代行手配が終わった時間帯は、平日ならラッシュの入口という時間帯に比せられるわけです。
 万が一を考えているのであれば、そこまでの対応がされて然るべきであり、今回の事故における対応の甘さを見せています。

及第点≒満点の辛さ
 投稿者---和寒氏(2003/09/30 00:43:52) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 まず訂正なんですが、読売夕刊報道によれば、「すべて配線ミス」「いずれもケーブルには記号がつけられ、初歩的なミスだった」そうです。
 先の投稿は、批判されるべき失敗とはいっても30〜40点くらいはとっていると予測しての内容でしたが、実際には限りなく0点に近いレベルだったようで、お粗末極まりないとさらに厳しく批判しなければならないところです。
 さて。

 手配が空振りでいいから午前中いっぱいの車両と要員を確保するというリスク対応がなかったのか。

 これは無理でしょう。というか、実作業工程が朝7時に終えるという前提でこれを許容するためには、システムチェックと試運転に午前中一杯を要するという共通認識が得られなければなりません。しかしながら、今回は大失敗に帰したとはいえ、エル・アルコン様も挙げられているとおり、また私も例示したとおり、成功裡に終わった事例の方が圧倒的に多いのです。そういう成功事例が大多数を占める以上、「なぜその準備が要るのか?」という指摘に対して「リスク対応です」という回答では、通常の組織であれば稟議が通るとは考えられないところです(この例外がありうるならばワンマン社長のトップダウン組織くらいしかないでしょう)。施工に伴う技術力は及第点に達しているというのが大前提であり、0点近いローレベルという事態は想定されていない、さらにいえば想定するべきではないのです。

 さらにいえば、このたびの切替工事は、工事そのものは終わっているという点に留意が必要です。ところが機械が作動しない。つまり、日頃よくある信号故障モードに入ったと解釈することが可能です。
 事象が連続しているので一般にそのように解釈する向きはまずないかもしれません。しかし、中央線においてよくある事象が発生したと解釈することは可能です。そして、日頃の事故運休において、代替バスが出ることはないのです。
 さてここで、エル・アルコン様の意見をある一定幅に拡大すれば、「中央線は一定の頻度で不通になる以上、常に代替バスを確保しておくべきである」という極論が簡単に成立してしまうおそれも感じます。勿論、先の投稿でエル・アルコン様が意図されていることはそういうことではないと承知していますが、その意見を是とすると、容易にこの極論に誘導することになりかねないと感じます。

 さらにいえば、代替バスという措置そのものが姑息な弥縫策にすぎない点も挙げなければなりません。よりぞー様のいう、

 当方が問題視したいのは、28日午後の会見における、JREの記者会見での一言です。それは、
   JRは「もっとバスを借りられるように手配すべきだったが、ここまでの事態は予想できなかった。しかし、
  すべての乗客をそもそもバスに振り替えるのは無理。バス輸送は補完的なもので、隣接する私鉄に回って、
  と前からお願いしていた」と説明した。
とされる、ややもすると「逆ギレ」ともとれる発言です。

という意見は、利用者感情としては理解できるものではありますが、ではその代替バスは本当に鉄道の機能を代替しているのか、という問題があります。輸送力は10分の1程度かそれ以下、所要時間は10倍程度もしくはそれ以上と、はっきりいえば代替になっていない。極端にいえば「代替措置を用意しました」というポーズをつけるためのエクスキューズでしかないともいえるのです。
 このように、本質的に代替ならざる手段を代替と銘さなければならない実態がある以上、これに頼る時間は最小限にしたいと発想するのが運営者側の良心と考えるべきでしょう。そしてそれを具現化するためには、施工課題を満点に近い及第点をクリアしなければならないという、技術屋の高度な技量が前提されているのです。だからこそ、及第点以下の技量は想定するべきでないのです。

穴を残したリスク管理
 投稿者---エル・アルコン氏(2003/09/30 11:10:39) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 やや反論です。

●代行バスの手配
 作業の手順確認と共に重要なのが、「もし遅延したら」という異常時への備えです。
 通常の異常時対応と異なり、前提条件として作業で電車を止めているということがあり、そこからスタートするという点で、発生そのものの可能性から問い得る通常の異常時とは異なります。

 今回は9時頃までの手配はされていましたが、それ以上遅延した時の対応という想定がなかったことが問題です。そういった万が一への対応として、あらかじめ準備する、その場で当日手配するという選択肢があるわけですが、振替輸送の時間帯拡大という当日手配で可能な部分と、バス代行時間帯の拡大という当日手配が困難なものに分けられます。このとき、バス代行については時間が想定以上に伸びた時、当日手配で台数が揃えられる時間までの間、対応手段がなくなることを意味していますから、これはやはり問題でしょう。通常、この手の「プロジェクト」におけるリスク管理では、対応手段がない、というセクターを残すというのは考えにくいです。

 動いていて当たり前、と言う鉄道の場合、万が一の対応においても100%が求められるわけです。もちろんバスだけでの対応は不可能ですが、だからといってバスを欠いた例えば80%の対応で「80点」が貰えるというこはありません。

●遅延した時の対応
 これは日本の鉄道の確実性の現れでもあるんですが、普段正確に動いているものが止まるからここまでの周知徹底をしたわけであり、だからこそ「7時に正常運転」「特急は正常運転」とあれば、必ず動いていると信じて疑わないわけです。このあたりが道路と決定的に違う部分です。
 今回、早朝まで食いこんだ形ですが、大方の利用者が現れる頃には終わっているという絶妙なスケジュールも徒になっており、工事が終わらないという情報を利用者に周知する手段に乏しかったことも指摘出来ます。

 つまり、動いていて当たり前、工事が終わっていて当然という発想(=信頼性)ゆえ、出掛けに鉄道の運行状況をチェックする習慣は通常ありません。そこに加えて日曜の朝です。平日ならそれでも朝起きたらニュースをつけると言う習慣がありますが、日曜はないでしょう。少なくとも利用者はメディアの最新情報を入手する環境にないわけですし、それを責めると言うのは一般的な生活慣習を考えると酷です。

 考えられる、かつ実効的な対応としては、時間通りの運転再開が不可能になった時点で、首都圏近郊の各駅(JR,私鉄問わず。振替エリア外も)に運転再開が遅れる旨を連絡して、掲出することで、駅までは無駄足だが、そこで食い止めると言う対応が必要でした。
 利用形態によっては振替・迂回ルートは最寄駅の時点から中央線経由と異なるルートになるわけで、極力当該不通区間まで来ないようにさせる努力も必要です。そして、少なくとも東側からの流動については新宿駅が最後の決断点、分岐点になるわけで、ここで車内外でくどいほどの周知をしていれば、代行手段を選択できたわけで、事態はまだ悪化しなかったと思われますが、現実は不通区間の先の行先を表示した「行先不明列車」が運行され、三鷹で前途不通で投げ出される利用者が続出したわけです。

是々非々
 投稿者---和寒氏(2003/10/01 08:59:56) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 まさにタイトルのとおりです。

●代行バスの手配

 作業の手順確認と共に重要なのが、「もし遅延したら」という異常時への備えです。
 通常の異常時対応と異なり、前提条件として作業で電車を止めているということがあり、そこからスタートするという点で、発生そのものの可能性から問い得る通常の異常時とは異なります。

→この点に関しては厳しく反論いたします。しかし、その内容は当初の問題提起の意図を大幅に逸脱することと、内容がかなりヘビーになることから、準備に時間を頂戴したく、また新スレッドを興して議論したいと思います。

●遅延した時の対応

→基本的に同意いたします。特に、

 考えられる、かつ実効的な対応としては(以下略)

については、JR全般に通じる情報提供のまずさを端的に指摘するものであり、強く同意するものです。

定性論による批判から科学的批判へ
 投稿者---和寒氏(2003/10/01 21:00:12)
 
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

定性論による批判から科学的批判へ

(以下次ページ)
「対応の空白」の是非を問いたい
 └敢えて定性論を展開する
  └目的に対する意味合いの違い
   └なるほど<とりあえずの結論>
超横レス的展論<「ひねくれた」ものの見方があってもよかった>
 └超横レス:「信頼」と「余裕」
  └超横レスの蛇足
ちょっと蒸し返しますが
 └さらに反論になりますが
  └感想戦というか雑感というか...
   └私からの感想戦
    └Re:私からの感想戦

 さて、反論です。
 とはいえ、念のために記しておきます。この投稿はエル・アルコン様投稿「穴を残したリスク管理」に対する反論という形式になりますし、また前後の経緯からしてそういう形式にならざるをえません。しかし、エル・アルコン様の意見そのものに対する反論かというと、実はそうではない面があります。禅問答のようで恐縮ですが。その点をエル・アルコン様のみならず、読者の皆様にも認識を共有して頂ければ幸いです。

穴を残したリスク管理 log119.html#13

 エル・アルコン様は、まぎれもなく定性論の雄であり春秋の覇者です。この【検証】という掲示板のみならず、広く世に出ても最高級の力量を有する論者の珠玉と比せましょう。とはいえ、定性論です。ということは、定性論という枠から抜け出すことができません。具体的にいえば、新聞なり論文誌なりのメディアに呈されるさまざまな意見があるなかで、その最高級の域に議論の質がとどまってしまう、ということです。
 その意味において、この投稿は、定性論という「論じ方」そのものに対する批判になります。矢面に立たされるエル・アルコン様にとっては迷惑千万な話になりますが、どうか御寛恕のほど。
 そして、読者の皆様におけれましてはどうか認識して頂きたいのです。世の中には科学的な手法があるということ、そしてそれは一部の専門家の手中にとどまるものではないということを。

■論じたい箇所

●代行バスの手配
 作業の手順確認と共に重要なのが、「もし遅延したら」という異常時への備えです。
 通常の異常時対応と異なり、前提条件として作業で電車を止めているということがあり、そこからスタートするという点で、発生そのものの可能性から問い得る通常の異常時とは異なります。

 残念ながら、異なりません。勿論、通常の異常が発生する確率と、大規模工事で「失敗」が発生する確率とでは、数倍の開きがあるかもしれません。しかしその差は、数十倍とか数百倍という桁違いのものではないと考えられます。つまりオーダーは等しいということです。
 「失敗する可能性がある事柄は、失敗する」とは、かの有名な「マーフィーの法則」の一節です。確かにこれは、人間社会における一面の真理を衝いているとはいえます。とはいえ、この体験的「法則」が「公理」であると主張するならば、それはいいすぎでしょう。少なくとも、科学的姿勢とはいえません。エル・アルコン様の主張は、科学的根拠を欠くなかで定性的に「通常の異常時と異なる」とされているだけで、どれだけ「異なる」かの定量的評価を下していません。ここに定性論の危うさがあります。

 私が記した「及第点はほとんど満点に近い水準にある」とは、決して文学的な比喩ではありません。まさに字義どおりの内容を指しているつもりです。
 通常の100点満点の試験においては、得点分布は50点前後の平均点を頂点とする正規分布(※1)となります。リンク先のグラフを見て頂ければ一目瞭然ですので、これについては直感的に同意が頂けることでしょう。そして、このたびの切替工事の得点分布が正規分布に従うのであれば、エル・アルコン様の説もあながち無茶ではありません。
 しかしながらこの種の切替工事においては、別の投稿でも形容されているとおり、結果は「成功」「失敗」のふたとおりしかありません。及第点はほとんど満点近い水準にあり、しかも過去の実績はおしなべて「成功」を記録しています。
 仮に同種工事を100点満点にて評価し、及第点は95点以上としましょう。そうすると、平均点及び最頻点は95〜98点付近に分布する得点分布となります。これは対数分布曲線(※2)のなかでも最も極端な偏差を持つ部類となるでしょう。
 実際のところ、過去の実績は満点付近に集中しています。それは私も挙げているところですが、エル・アルコン様も同様にいくつも実例を挙げている以上、その認識がないとはいわせません。

※1 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Bunpu/normal.html
※2 
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Bunpu/log-normal.html

■「失敗」が発生する可能性

がどれほどのものか。得点分布が対数正規分布(もしくはその亜種関数)に従うと仮定するならば、「失敗」の確率は低く、このたびの中央線の件のような「大失敗」となるとさらに低いでしょう。とはいえ「大失敗」を例えば0-50点の範囲と仮定すれば、その発生確率は「限りなく0に近い極微」の域ではなく、同種工事を百回行ったうちの数回というオーダーになるでしょう。
 この「失敗」発生確率は確かに低いですが、かといって無視できるほどに低い確率とはいえません。なぜならば、一般には「万が一」以下の確率でないと無視できないとされているからです。従って、ごく低い、しかし無視できない「失敗」確率をどう取り扱うか、という問題になります。
 仮に「失敗」発生確率を数%としましょう。その時に、事業者側の意志決定はどうあるべきか。「失敗」が発生してもカバーできる対策を採るか。しかしそれには相応のコストを要します。発生確率の低さを鑑みれば、「失敗」対策のコストは内外に説明ができるとはいいがたいものがあります。確実に「失敗」するならば対策もするでしょう。しかし、この場合の妥当な判断としては、「失敗」対策を考える以前に「失敗」発生確率を下げる方策を考案しそれに金をかけよう、ということになるはずです。
 そして、その方策を考案するアプローチそのものが、技術者の本義本質でもあります。「最高でも金最低でも金」なのです。「成功」か「失敗」しかないのです。つまり、常に「成功」が期待される重圧のなか、血を吐くような努力をもって、「成功」という結果を必ずもたらすよう努力するのが技術者の役割なのです。充分な時間的余裕を持てば「成功」します、というならば、それは技術者としては役立たずであると自ら吹聴するようなものなのです。
 さらにいえば、「充分な時間的余裕」を持った瞬間に、それが技術水準ということにもなるのです。つまりそれだけの時間をかけなければ仕事をこなす能力がないわけですから、結局与えられた時間を超過して「失敗」する確率はたいして下がりはしないのです。

■戦術としての選択肢

 ここまで厳しく論じておいてなんですが、エル・アルコン様と私のどちらが正しいとはいえません。なぜなら、両者ともに事業者側が採りうる「戦術」の選択肢を提示しているにすぎず、そのどれを採るかは事業者側の一存にゆだねられるからです。
 エル・アルコン様が主張する戦術を簡略化していえば、
   「万が一の『失敗』にも備えて予め対応を用意しておくべき」
 ということであり、また私の主張する戦術は、
   「施工に『失敗』は許されないから『失敗』しないよう最高の努力をすべき」
 となります。
 実をいうと、このどちらが正しいということはないのです。しかし、どちらがより妥当かということはできます。ここで下記の諸点、

  1. 「失敗」の発生確率が低いこと
    →これは過去の実績を例示されている以上エル・アルコン様も同意するはず

  2. 「失敗」対策に必要なコストが高くしかも内外に説明がつきにくいこと

  3. 代替バスが実質的に代替手段とならないこと

を鑑みれば、私が主張する戦術がより妥当であることは明らかでしょう。
 エル・アルコン様のいわれるところは、かなり低い確率で工事が「失敗」に終わったとしても、代替バスを出すことによりエクスキューズする余地を残す、というだけのことにすぎません。かける費用の割には効用が低く、しかもそのエクスキューズすら批判されるおそれもあるのです。
 私のいわんとするところは単純明快で、工事に失敗をしてはいけない、失敗した場合には厳しい批判を甘んじて受けなければならない、というものです。

■結論

 上記を総合すれば、「運休時間が長引いたのに代替バスが出ないのはけしからん」との批判は実は的はずれであることが理解できるでしょう。代替バスが鉄道と同等以上の機能を発揮するならばこの批判も成立しますが、そうではなく著しく見劣りするサービスしか提供しない以上、ただのエクスキューズでしかない。
 このたびの中央線の件で真に批判されるべきは「工事が『失敗』した」というただ一点に尽きるのであって、それ以外の批判は以上の批判に付帯・派生するものと解するべきでしょう。まして中央線においては、今までの「悪しき実績」が累積しているわけですから、どれほど強く批判されても不足はないと考えます。

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2004.11.02 Update


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