【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.057)
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始発駅と終着駅…感慨・東京駅/上野駅
 投稿者---551planning(2002/02/18 00:18:59)
−Re:始発駅と終着駅…感慨・東京駅/上野駅

 東京駅丸の内口駅舎の丸屋根大ドームが復活するという。辰野金吾デザインで知られる1914年創建当時はルネッサンス様式を取り入れた3層の丸屋根だったが、1945年戦災で焼失、戦後角屋根の2階建てで再建され、現在に至っているものである。駅前から皇居へ伸びる行幸通りも東京都と共同で改修、イベント広場を設けるなど歩道中心に変える由。この方針は以前石原東京都知事と松田社長(当時)の間で合意されていたが、八重洲口の再開発と合わせて正式発表となった。
 その八重洲口は大変貌を遂げる。大丸が入る鉄道会館ビルとその北側の国際観光会館ビルが取り壊され、40階建てツインタワーになる他、手狭な駅前広場も拡幅されるという。2010年度に計画完成、丸の内側が580億円、八重洲側が1800億円が投資される。

 東京駅は当方にとって「始発駅」である。東京東部、営団東西線沿線に住む当方にとって、国鉄〜JRを使って遠方に行くといえば必ず東京駅だった。帰宅するときも東京駅を使うのだが、「遠足は家に着くまでが遠足」と学校で云われた様に、あまり「終着駅」としての印象は無い。もっとも、98年春に全国JR完乗のゴールとしたのは東北新幹線上野−東京間であり、その意味でも思い入れの深い駅でもある。
 先述の通り、東京駅から何処かに行くときは、日本橋駅から歩いて八重洲口に向かうか、大手町駅から地下通路を通って丸の内地下改札口に向かうかだったので、赤煉瓦の丸の内口はさほどの印象が残っていない。強いて言えば「さすらい刑事」等ドラマで見る印象のほうが強いほどである。それゆえ、当方にとっては八重洲口の駅ビルが無くなると言うのは俄かに信じがたいインパクトがある。
 八重洲口駅ビルは高層部が追加建築されており、階段やエスカレーターなどがことごとくばらばらになっているのが興味をそそられる。最近は全く行っていないが高層部には各都道府県の観光協会だかの出先事務所が並んでいるところがありながら、比較的閑散としていた記憶が子供心にある。関西圏ではかなりのステイタスを持つ老舗の大丸も、こと東京駅は地下街こそ大流行りであるものの、本来の百貨店部分の地上階はあまり人気とは云いにくい…それぞれの「八重洲口」への想いが、ついよみがえってきた。

 「絶えず工事をしている」という声も聞くが、機能的な部分で言えば、東京駅はまだまだ不便である。両口の自由連絡通路はいまだ北口1本で、昇降装置やスロープの整備が進められてバリアフリー化が図られたとされるものの、ちょっとした段差は至るところにあり、車椅子利用は「昔の赤煉瓦通路を通れる」と聞こえはいいが、今だ大きく迂回を余儀なくされているのが実情だ。メイン需要の東海道新幹線が-Cと会社が異なることから生まれる弊害も多く、みどりの窓口や連絡改札の配置も利便性から来ているものとは云いにくい。「銀の鈴」は薄暗い地下通路に追いやられているし、最近では物販店舗の整理改善ばかりが目立つ気もする。京葉線ホームの話はもう言うまい…。
 八重洲口再開発で気になるのが南口ハイウェイバス乗り場の配置と、運政審答申に盛り込まれ都もヤル気という都営浅草線延伸部の動向だろう。もはや飽和状態にあるハイウェイバス乗り場だが、「交通ターミナル」を標榜するのなら、構内営業権云々は別として京成や東北急行、リムジンバス乗り場をも含めた整備を期待したい。浅草線議論はまた項を改めて、とするが、工事するなら絶好の好機、やるなら限りなくJR駅舎直下まで通してもらいたいものである。

8====8
 「失われた10年」がなければ、今頃は巨大タワーに変貌していたはずの上野駅。東北上越新幹線開業から20年(上野開業からは17年)が経とうとしている今、東北・上信越へ向かう特急・急行群はもはや昔語りとなり、頭端式ホームを発着するのは通勤列車が太宗となってしまった。「終着駅」の風情が最も似合う駅であるものの、視点を変えれば老朽化が隠せ切れなくなってきたともいえる。
 JR-Eが進める「ステーションルネッサンス」、大連絡橋部に設けた物販施設は「サンフラワープラン」の端緒となり、ペデストリアンデッキとダイレクトに結ぶ新改札口も完成、残された中央改札前の大屋根付近がこのたび大改修を受け、具体的展開「みんなのえきプロジェクト」第1弾として2/22にグランドオープンを迎えることとなった。「街と駅の融合」「文化の薫る駅」「地域との共生」などをコンセプトとし、これまで「北の玄関口」として親しまれてきた歴史的建造物の古き良き部分を活かしつつ、新たな機能を追加することで、より魅力的な駅への再生を目指したという。

 上野駅から旅立つときは、銀座線駅から狭い通路を通って中央改札のすぐ脇に出てくるコースが一般的だった。今でこそ何処彼処…だが、正直云って昔からホームレスが比較的多かったものである。地下の薄暗い通路に大衆食堂が並んでいて、ド演歌をがんがん鳴らしていた。改札には旅を感じさせる行先の列車案内板が所狭しと掛かっていた…。都会っ子ですら、「ふるさとの訛なつかし…」を強く感じる場所でもあった。それゆえ「終着駅」としての印象がどうしても非常に強い。
 もうひとつの上野駅の顔が意外にも「外国への玄関口」であったことだ。なんと云っても京成上野駅から出るスカイライナー。銀座線駅には京成線方面の案内に必ず「(飛行機)マーク」が入っていた。物心がついてからは、社会的に上野の山=イラン人という符号もできた頃だったか…。アメ横、東上野コリアタウンしかり、ベタベタな日本チックと不思議なエキゾチックが複雑に絡み合う、新宿とはまた違うちょっと物騒さすら感じる空間であった。

 上野駅は大学時代の1年間、通学途上でお世話になった。頭端ホームから出る通勤列車に乗って、密かに旅気分を味わったものだ。当時は在来線「あさま」が健在で、「ひたち」と2大スターだった。「北斗星」も輝きを失っていなかったように映る。
 一方で狭い通路、低い天井など、中央改札と高架ホームとの乗換通路は不便だった。大連絡橋は使わなかったので不便さが余計に強かったと思う。今回の大改修でこの通路にも昇降装置が大量導入されるというから、どう変貌しているか楽しみである…そう、ここしばらく上野駅(中央改札)に行っていないことにふと気づいた。もはや「北の玄関口」すら東京駅になっていることを改めて実感する。
 「駅は財産」というのが-Eの経営戦略である。その流れは正しいだろうが、上野の街そのものの活気はどうであろうか。商圏が御徒町駅との間に細長く伸びていることもあるが、求心力はかつてより数段は落ちていることだろう。そうした中で改札を降りて楽しむ客層を取り込めるのか。ラッチ内をメインターゲットとしてきたこれまでと違うだけに、まさに真価が問われる企画。当方も近いうちに体感してこようと思う。

JR-Eサイト http://www.jreast.co.jp/press/20020201/main.html

Re:始発駅と終着駅…感慨・東京駅/上野駅
 投稿者---矢切氏(2002/02/19 02:28:00)

 上野駅の改善はきれいに・便利になるということで、大歓迎です。エレベーター・エスカレーターも整備されるようですし。駅上の東西自由通路オープンなどここ数年一気に改善がすすんだ上野ですが、これで完成ですね。あと気になるのは京成スカイライナー乗り換え等の案内サイン充実です(先日は山手線から常磐線に中央口経由で乗換えようとしてうっかり不忍口に出てしまいました:これはサインを見ようとしなかった私に責任がありますが)。

 東京駅はとくに八重洲側が気になります。かなりの大規模開発ですが、テナントは入るのでしょうか。汐留をはじめあちこちで再開発しているので一等地とはいえどれほどの需要があるのか心配です。こちらは東西移動の不便が気になる所で、浅草線接着が八重洲正面までとなりそうな状況では、中央口〜南口間の地下あるいは南口の南の1Fのいずれかにも東西自由通路をつくってくれることを希望します。周辺が活性化すればスカイライナーや京急羽田線の東京駅乗り入れも少し正当化されるかなと。

2002年度 「変化の鼓動」
 投稿者---かもめっち氏(2002/02/23 21:42:50)
−鉄道存廃論に見る「変化の鼓動」
 └Re:鉄道存廃論に見る「変化の鼓動」
  └鉄道がなくなると・・・・・・
   └Re:鉄道がなくなると・・・・・・
    └Re:鉄道がなくなると・・・・・・
混沌…交通カードの「変化の鼓動」
 └Re:混沌…交通カードの「変化の鼓動」
  └西高東低
   └関西での競争第2幕を見る
 └バッテン…せた○

 千葉の方でお世話になりました、かもめっちです。
 こちらでもどうぞよろしくお願い致します。

 さて、来る2002年度は交通界でかなりの変化が予定されています。
 12月に東北新幹線八戸延伸、りんかい線大崎延伸、3月に営団半蔵門線押上延伸、上飯田連絡線開業と、いづれも長年待ち望まれたビッグプロジェクトが完成します。

 また、成田空港の暫定平行滑走路供用や羽田空港の発着枠拡大も予定され、さらに道路も着実に延伸して行くと思われます。

 都市再開発でも六本木や汐留地区で高層ビルが徐々に完成し出し、営団南北線や都営大江戸線が本当の意味で機能するようになります。それも含めて人口の都心回帰や少子化等による都市鉄道需要の構造的な変化が続くものと思われます。

 このようなトピックが予定されている2002年度、まだまだ発展途上ですが、今後あるべき姿への変化の鼓動が聞こえてくる1年となりそうです。
 変わり行く鉄道をしっかりと見届けたいと思います。

 まずは、来年度事業計画の発表を待ちたいと思います。

鉄道存廃論に見る「変化の鼓動」
 投稿者---551planning(2002/04/01 01:04:17)

 長野電鉄木島線(信州中野−木島間、12.9km)は3/31、78年の歴史に終止符を打ちました。かつては野沢高原のアクセスルートとして特急も走る華やかな時期もありましたが、モータリゼーションの進展、沿線人口の減少、長野対飯山都市間輸送では千曲川対岸をゆく飯山線との競争力低下とトリプルパンチに見舞われての結論です。当方は幸いにもこの1月に試乗機会を得ましたが、丁度下校時と重なったせいか信州中野発車時には2両編成で立客も出る盛況、木島到着時も30人以上が乗っていました。「お名残乗車組」も沿線含め散見されており、それを差し引いても間引きに間引いた日中1時間半間隔がもたらした結果、冬期除雪等各種メンテを加味した費用対効果では1民間事業者には手に負えないということなのでしょう。「残念」というのはカンタンですが、事業者だってやめたくてやめたくて…というわけでないことを我々は肝に銘じなければなりません。

 国鉄民営化から15周年、21世紀になってより深刻化する鉄道の廃線問題…「瀬戸際」2例から考えてみたいと思います。

 事業者にとって屈辱というべき「全線運行停止命令」もはや9ヵ月継続中の京福福井支社。一時は沿線自治体を中心に存続気運が高まり、3セク設立までのレールが引かれたかに見えましたが、負担金額を巡り足並み乱れ…。京福は昨年10月に廃止届を提出済であり、すでに鉄道要員の配置転換も終え、3セクへの人的参加は行なわないとも表明しています。規制緩和による鉄道事業法改正(2000)で1年後には自動的に廃止が確定するため、事実上「京福」としての電車運行はもはやないと云わざるを得ません。
 当方は昨年9月に現地を訪れ、バス転換止む無しという意見を纏めました。当然他所の者が軽々に議論すべき問題ではないし、地元でも複数の団体・個人が活動なされているのも拝見しています。しかしながら、福井都市圏の中にあっての京福鉄道線路線展開は今後の成長性については疑問であり、バス代行の現状にあってクルマあるいはJRへの流出が止まらない以上、さらには2度の事故によって結果的に運行再開へのハードルがさらに高くなっていることを考えての結論であります。さらには存続論を見ると総じて代行バスへの評価が低く、特に冬季の運行確保に対する懸念も指摘されていますが、京福自身が運行ルートならびにダイヤを手直ししているもののあくまでも「電車代行」の枠に縛られたものとなっており、京福自身鉄道廃止によって転換バス路線運行形態についても既存路線との補正などの策を取ってくるのは当然でしょうから、決してマイナスには働かないと思われます…極端な過疎化に陥っている北海道などとは状況が異なり、むしろ収支改善はより容易と考えられるのだか甘いでしょうか。
 他者の批判は容易いかもしれませんが、2月に行われた市民会議の席上、「鉄道アナリスト」川島令三氏は車両の省エネ化・15分間隔運行・駅前駐車場での課税による財源確保・警察の交通取締強化等によって経営健全化は可能とされた由(各種報道等による551planning纏め)。P&Rへの誘導を主軸としたTDMによる需要確保を念頭にされた御意見でしょうが、それでただでさえ負担割合で紛糾する3セク経営論が片付くとは…提言にせよ安易に過ぎると思われますが。

【検証:】特別リポート032 明暗…福井の私鉄  report/026.html
全国鉄道利用者会議(2/3付シンポジウム)
http://boat.zero.ad.jp/~zbj34761/riyosha/rekisi/migi.html

参考記事:鉄道ピクトリアルNo.717(2002年5月号) 『運行停止から8ヶ月、混迷続く−京福電気鉄道福井鉄道部の現況』岡本英志著 p51〜

 広島から県北の景勝地・三段峡を結ぶJR-W可部線。広島都市圏の可部までは国鉄時代に電化され、新製および常磐緩行線からまわった105系電車が軽やかに走っています。一転以北は気動車が細き道をゆくルート。加計−三段峡間は1日5往復の隘路となっていました。
 JR-Wが可部以北46.2kmについて廃止表明したのは1998年のこと。沿線では猛烈な反対運動が起こり、かつての国鉄赤字路線廃止時に見られた「乗って残そう運動」の発展形を大規模かつ多彩に展開、当初2000年春とされた廃止期限を押し切り、さらには運行回数を増やすことでクルマからの転換を図れるとした『試験増便』が実施されるに至りました。1度目は2000年秋からの108日間で-W側が示した存廃ライン:輸送密度800人には一歩及ばないものの759人と「善戦」(99年度は421人)、-Wは地元の努力と通年の利用状況の見極めを行うとしてさらに1年間継続されました。2度に渡った実験はこの3/31で終了、目立って増える状況に至らなければ廃止という意向を-Wは変えていません。
 当方は可部線に数回、加計以北は97年に1度乗っていますが、最終1本前、夕方三段峡に着く列車は加計出発時点でガラガラで、三段峡到着時は2名のみ…。沿線には中国道をはじめとした高速道路網整備が進んでおり、戸河内や加計からも広島直通バスが運行されています。
 周辺自治体を巻き込んでの『試験運行』という試みは大いに評価できましょう。しかし当初の3ヶ月強のときよりも1年間に及ぶ2度目の結果がシビアに出そうな情勢…それを踏まえて-Wがどのような現実的な対応を見せるのかが気掛かりであります。例えば可部から先の数駅では市街地化が進んでおり利用が望めるともされており、電化延伸の声も。一方で3セク存続という声は大きくなっておらず、傍目から見れば「結論先送りの試験運行」と云わざるを得ない状況になってしまうのかもしれません。沿線自治体に押されての判断にせよ、-Wには後手後手の中途半端な決断がもたらした、後々に響く「事例」を生み出した責任があると考えます。特に2度目の試験運行実施において、1度目の終了前に-W南谷社長が『試験増便分の利用は寂寞たるものがあった』『消え行くローカル線のさよなら運動が行われたとの印象で受け止めている』という発言が波紋を呼んだことも大きかったと思われます。
 -Wは他の過疎路線についても大幅な間引き、保守による計画運休を実施する方針を発表、各地で波紋を呼んでいますが、この可部線問題を踏まえた「基本は路線維持、コスト最減化」追及姿勢なのか、段階的縮小廃止姿勢なのか今ひとつはっきりしません。一旦大幅間引きを謳っておきながらアーバンネットワーク拡大のもとに一転電化が決まった加古川線のようなケースもあります。「どっちつかず」の姿勢が利用者に何をもたらすのか…可部線問題は果たしてその回答を導き出せるのでしょうか。

中国新聞 可部線特集 http://www.chugoku-np.co.jp/jrkabe/index.html

 南海和歌山港線水軒(和歌山県所有)、有田鉄道、近鉄北勢線…それぞれの事情はさまざまなれど、廃止決定路線は着実に現れています。地域問題のみならず、日本の鉄道を取り巻く情勢にも我々は改めて目を配ってゆくべきではないでしょうか。

Re:鉄道存廃論に見る「変化の鼓動」
 投稿者---とも氏(2002/04/01 16:53:26) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 まさにそのとおりかと。

 昨今、交通計画論の大原則を忘れた議論がまかり通っています。
 交通計画や都市計画の大原則はなにか、「都市(地域)がそこに住む働く遊ぶ人々にとって良い地域になること」こそが究極の目標です。

 鉄道事業の廃止に対し、感情的反対論というか感傷的なというかそういった類の反対が多いのはみなさまご存知のとおりです。
 近鉄北勢線や京福関連のHPを見てますと、自動車との対立軸思想からの環境保護的発想、交通弱者対策、バス=不便という固まった図式からの存続論が多いです。
 でも、本当にそうでしょうか。京福に関して管理人様がかかれているように、バスのルートが代替の枠を越えられれば・・・といった例の典型でしょうし、長野電鉄木島線も線路が市街や集落から外れており、集落や市街を通過する道路のほうが明らかに利便性が高いのです。
 ということは、鉄道を残してというよりもバスに転換し、高度なサービスを提供するほうがよほど良いということも考えられます。
 バスであれば学校や病院の前まで入ることも、集落内でフリー乗降にすることも可能なのです。すなわち、弱者対策としても有利な場合があるのです。都心方向への高速バス的な展開も考えられます。
 そのほうが、地域住民にとって便利ではないのか。そういった検証はありませんね。

 鉄道とバス、それぞれの特性を考え、その都市・地域に適切な交通網はなんなのかを検証することがまず大切なのではないでしょうか。
 輸送密度が低く、誰も使わない鉄道などそれこそ環境に悪影響を及ぼすものです。であれば、バスなどに転換させ、公共交通サービスを担保して自動車や他の鉄道との連携を図る工夫。それがこれからの交通運営に求められているのではないでしょうか。
 現在、廃止がウワサされる路線の一部には軽便鉄道的なSLを・・・なんていう意見やLRT化により客が増えるという意見など各線様々な存続案があります。こういった議論は必要ですし、どんどんすべきですが、今のルート、駅位置、人口、町の状況に変化が無ければ、よほどのことをしなければ状況に変化は無く存続は難しいのです。

 自動車利用の抑制のためにTDMでパークアンドライドといっても、それを今の住民が本当に望んでいない、需要導線と乖離しているのなら絵に書いたモチです(川島氏の発言は活性化策の王道ではありますが、京福での発言に対しては私は支持できません)。

 前に書いたことと重なりますが、鉄道があろうが無かろうが、その地域の人々にとって良い方向になればよいのです。
 「鉄道を残すため」にTDMをやる、鉄道を利用促進するために沿線市街化を進めるのではなく、その「都市、地域を発展させるため」に、公共交通指向としてできるだけ自動車を少なくさせようとか、TDMを入れようと考えることが第一なのです。そのために各モードの特性を活かしたものを考えること、そこです。
 そういった観点が無い、感情論・原理主義論での判断がされないことを期待したいです。

 日本では鉄道に対しては、今は追い風です。決して向かい風の状況ではありません。整備新幹線に対してすら追い風です。ましてや都市交通などは困ってしまうほどの状況でしょう。
 しかし、それでも廃止論が消えない各線・・・ということはどういうことか。
 それを考えないとなりませんね。鉄道をその地域の人々が本当に必要としているのか・・・。

 まとまりませんね、あいかわらず・・・
 ではでは

鉄道がなくなると・・・・・・
 投稿者---和寒氏(2002/04/12 10:57:10) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 昨今、交通計画論の大原則を忘れた議論がまかり通っています。
 交通計画や都市計画の大原則はなにか、「都市(地域)がそこに住む働く遊ぶ人々にとって良い地域になること」こそが究極の目標です。

→このテーゼに対しては全面的に同意しますが、その時に「状況により鉄道を廃止してもよい」とストレートにいいきれるかどうか、私は自信がありません。
 3/28付交通新聞記事によれば、名鉄4線区の廃止後、転換バス利用者数は鉄道時代と比べ半減以下で、谷汲線などは83%も減った由。こうも壊滅的な状況になると、公共交通維持という観点において、鉄道の廃止が妥当であったかどうか、確信が持てないのです。経済的合理性はともかくとして。
 ただ、鉄道時代に全てのオプションが試されているわけではなく、「運賃が上がったから利用者が減った」のか、「鉄道ではなくバスになったから利用者が減った」のか、つかみきれません。
 このあたりのことは、近々に自分のHPに記事を載せますが、ひょっとすると「感情論」にも一理あるのではと、ひそかに感じつつあります。立証できない点、苦しいところではありますが。

 和寒です。
 先の投稿にも記した、HPへのアップを終了しました。
 名古屋鉄道4線区を素材としたもので、過去の記事とあわせ、入口を一本化してあります。
  http://www.geocities.jp/history_of_rail/mei4/00.html

 感情論は感情論でもいいのです。実際のところ、「鉄道だからこそ利用する」という行動原理が介在している可能性も、指摘できます。でも、「どうしても鉄道で存続を」と唱えるならば、相応の負担に耐えられなければなりません。
 名鉄4線区で惜しまれるのは、社会実験をする前に、廃止が決まってしまったことです。
 詳しくは、拙稿を御笑覧を。(2002/04/13 17:56:44)

Re:鉄道がなくなると・・・・・・
 投稿者---とも氏(2002/04/12 11:33:52) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

→このテーゼに対しては全面的に同意しますが、その時に「状況により鉄道を廃止してもよい」とストレートにいいきれるかどうか、私は自信がありません。

 まさにそれはそのとおりかと思います。経済合理性を重視するがあまりの廃止論は反対です。
 私が昨今の鉄道存続論に対し比較的冷めた反応を示すのは経済論はさておき、公共交通としての必要性すら疑わしい路線の廃止路線への過剰なまでの感情的拒否論に対してです。
 名鉄4線の場合、私は廃止は正解と考えていますが、その後の自治体なり関係機関の動きに甘さがあると考えます。ただ、代替バスを動かすのではなく、それをどうにかして使いやすくすることは考えられなかったのか、すなわち、各駅を地域拠点として活用するとか、名鉄の場合比較的市街地から離れた路線位置になっている場合も多いですから、集落や市街地をこまめに回る設定にできなかったのか。
 代替バスであるから仕方が無いとはいえ、そのあたりの総合的な交通政策を行わなかったという点をまずはチェックしなくてはならないと思います。

 最近、旧鉄道駅を道の駅もしくはバスの駅として拠点整備する動きがみられますが、こういったことも一つの案ですし、なにも軌道にこだわらずにバスでのサービス拡充を考えることも必要ではないのかと考えます。

 ただ、鉄道時代に全てのオプションが試されているわけではなく、「運賃が上がったから利用者が減った」のか、「鉄道ではなくバスになったから利用者が減った」のか、つかみきれません。

 そういうことなんですね。
 クルマが便利になった→鉄道を誰も使わない→鉄道廃止→クルマは悪というイタチごっこのような話しになりがちです。
 それこそ、ではなぜクルマに負けたのか、それはニーズと乖離していたからではないのか。バスではなぜダメなのか、そういった検証をしなくてはならないはずなのに、クルマ=悪を前提とした感情論になってしまう、それこそが問題であると感じています。
 まずは、本当に鉄道のメリットを活かせるものだったのか、それともバス規模で、逆に路面系にすることがプラスではないのか。そういった観点を忘れてはならないでしょう。

 「感情論」そのものはその人それぞれの考え方ですから良いのですが、問題は感情的になるがあまり、バスの過小評価につながっている点だと思います。
 中立的公平的にジャッジできるような仕組みも必要なのかもしれませんね。

 バスになって集落に寄ることで利便性が増すのなら、利用者にとってプラスなのですし、そういった評価も必ずしなくてはならないことでしょう。

 例えば、茨城の筑波鉄道は、廃止後バス代替になりましたが、中心市街地であるつくばセンターへの立ち寄りや土浦市街のアクセス向上により代替バスが派生的に広がり、路線バス網をきっちり形成できるまでになっています。
 利用者も、それなりにいますし、大型バスも比較的多く運行されてます。
 こういった好例もあるのですから、行政と鉄道・バス事業者の手腕一つではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 なんかまとまらないな・・・相変わらず。失礼しました。
 ではでは

Re:鉄道がなくなると・・・・・・
 投稿者---矢切氏(2002/04/14 04:03:30) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 ともさんの投稿の考え方に賛成です。

 些細な事あるいは本題とそれる内容ですが、妻の実家のある北条を見ると、下記の内容にはちょっと抵抗があります。

 例えば、茨城の筑波鉄道は、廃止後バス代替になりましたが、中心市街地であるつくばセンターへの立ち寄りや土浦市街のアクセス向上により代替バスが派生的に広がり、路線バス網をきっちり形成できるまでになっています。
 利用者も、それなりにいますし、大型バスも比較的多く運行されてます。
 こういった好例もあるのですから、行政と鉄道・バス事業者の手腕一つではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 バスは、土浦のごく近くはともかく、小田・北条・筑波となるとがらがらです(筑波鉄道筑波駅から土浦に向けて順に、筑波駅・常陸北条駅・常陸小田駅)。大型バスを使用しているのは高校生対策と思われます(土浦に土浦 一高・二高、北条に筑波高校があります)。

 北条には行政サービスを受けられる支所があるほか、日用品を買うスーパーも、病院もあります。マイカーに乗れないような人で、わざわざ学園へ行く人は少ないと思います。バスは、土浦方面は毎時1本強あるのに対し、学園方面へは半分の本数しかありません。旧沿線住民は、学園を自分たちの街の中心と考えていないのではないかと思います。また、毎時1本に満たず早朝や夜は運行されない筑波〜北条〜つくばセンター線は、本当に「生きた」路線バス網なのかどうか、ちょっと疑問です(学園内の路線であるセンター〜高エネ研〜大穂線の半数がおまけのようにちょっと筑波まで足を伸ばしているだけ?)。

 筑波鉄道の土浦筑波間は、レールバスとして残したらどうだったでしょうか。廃止された当時、まだ鉄道転換のレールバスは稀な存在でしたから考慮されなかっただけかもしれません。朝ラッシュ時の土浦市内の渋滞や観光シーズンの筑波山付近の渋滞にかかった場合、レールバスとバスでは所要時間に雲泥の差があります。定時性・速達性と妥当な運賃をもったレールバスだったら、もう少し需要があったと思います。筑波以南の廃止が正しい決断だったかどうか、疑問に思っています。

混沌…交通カードの「変化の鼓動」
 投稿者---551planning(2002/04/19 22:01:49)

 埼玉高速鉄道(SR)は3月にICカード定期券を導入した。鉄道事業者としては広島のスカイレール、JR-E Suicaなどに次ぐものである。
 SRは昨年開業、赤羽岩淵から営団南北線と相直している他、東川口でJR-E武蔵野線と接続、終点の浦和美園はW杯会場のひとつであるさいたまスタジアム2002最寄駅であることなど、皆様には既に御存知のことだろう。今回のIC定期券導入の背景として、このW杯対応ということもおわかりいただけると思う。外国人向けチケットのIC化検討は昨年報道されているし、SRの導入発表と丁度前後して大幅な割引など具体的な対応策も発表されはじめている。
 しかし残念を通り越して(大袈裟ながら)怒りすら覚えるのは、このIC定期券、「自社線専用」であることだ。前述の通りSRは南北線・武蔵野線と接続している。本来的には南北線も揃って導入してほしいところながらそれは差し置いても、-Eが威信を賭けているとも云うべきSuicaとの統合、連携は当然あって然るべきではなかろうか。
 導入過程について各種報道からも子細を知ることは当方できていないが、「統合できなかった」尤もらしい理由を考えるとこんなところであろうか。

  • Suicaとシステムが異なる
  • 出資母体である営団の反対
  • -Eの対応不足、あるいは相当の理由により拒否された
  • W杯での本格稼働を想定した実験導入に過ぎない

 営団の反対とすれば下品ながらケツの穴の小さいというか、得策とは云いがたい。普通には考えにくい。-Eの対応不足等も自らが積極展開中、折りしも「子会社」東京モノレールが4/21導入するにあって考えにくいところ。システムの違いかあくまで「実験」か…それも確たる理由にはならないだろう。

SR http://www.s-rail.co.jp/Top_j.html

 やはりそもそもイオ→Suicaとパスネット、バスカードが乱立する首都圏の交通カード展開が利用者ないがしろの産物としか言いようがない。さらに運用面でも別スレッドでも触れられているがJR-東モノ期間限定割引の裏で「エアポートきっぷ」はパスネット非対応というねじれも起きている。
 関西圏にせよスルッとKANSAIとJスルーの並立があるものの、同じ磁気システムということで既に近鉄が両者とも利用できるほか、来年度から始まるICカード化ではJR-Wの参加もかなりの確率で見込まれている。バスでも利用可能な点は当然とはいえ特記しておこうか。
 山梨交通はいち早くICカードのクレジット融合を実施した。福岡圏の「よかネット」や四国の事業者協議会設立動向など、交通カードは地域毎に全国展開を見せつつあり、他方大手私鉄グループやJRではハウスクレジットカードの囲い込みに躍起になっている。その一方でSuicaに代表される次世代カード像、あるいは大同団結の方向性は見えてこない…。自動車はETCが曲がりなりにも全国ネットとなった今、ハウスカードの覇権を競うのもいいが、交通カードの将来を真剣に考え、提言する会社がそろそろ現れないものだろうか。鍵は西の阪急・東のJR-Eの動きにあると当方は密かに思っているのだが…。

Re:混沌…交通カードの「変化の鼓動」
 投稿者---とも氏(2002/04/23 19:18:25) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 なんともかんとも本当に怒りを感じます。
 もし、パスネット協議会に加盟しているからSuicaは入れませんなどという利用者不在の判断をしたのなら許されないことです。
 ワールドカップ時のIC乗車券モデルケースは札幌で行われます。よって、埼玉高速が今の時期になぜ、しかも自社専用を導入したのか理解に苦しみます。

 導入過程について各種報道からも子細を知ることは当方できていないが、「統合できなかった」尤もらしい理由を考えるとこんなところであろうか。
  ・Suicaとシステムが異なる

 少なくとも、国際的に実績があり、かつ汎用性が高くてとなると、今のSuicaのシステムかあるいはクレジットカードICのシステムしかありません。しかし、クレジットカードICシステムは香港オクトパスカードシステムと共通であり、オクトパスカードシステムはSuicaのベースとなったものということはシステム的な互換性に問題は無いはず(現にVIEWビザはそれを実現しようとしている)です。

  ・出資母体である営団の反対

 営団が反対してとなると何を考えているのかという話しですね。
 パスネット協議会との絡みであればなおさらであって、実際問題としてSuicaの営団や都営、民鉄各線への導入意見が利用者サイドから生じている現状をかんがみて、このような判断をするとは思えません。

  ・-Eの対応不足、あるいは相当の理由により拒否された

 これはありえないでしょう。逆ならありえますが(苦笑)
ワールドカップ輸送を考慮すれば埼玉高速に導入するメリットはJR側にもあり、また、導入に二の足を踏んでいるかつての関連会社営団地下鉄への良い圧力になります。

  ・W杯での本格稼働を想定した実験導入に過ぎない

 実験導入というのが本音のような気がします。
 W杯なのかその後なのかは不明ですが、乗り入れ先の東急や営団との関係もあり、まずは実験ということでしょうか。
 しかし、現にSuicaが存在し、利用者の高い支持(特に女性やお年寄りに好評)も得ている現状をかんがみれば、試験的にとしても共通化をしなくては無意味のような気もします。

 Suicaに関してはベースとなったシステムが同じく導入された香港、シンガポールにおいて多機能電子マネーとして利用されていること、簡易改札機のバスへの投入さえできれば、今のプリペイドカードスタイルのものより安価で導入可能なこと、PDAによる簡易チェッカーが香港などで導入されていること、ソウルでは時間制限機能も有していることを考えると、バスだけではなく多機能カードとしての展開は十分可能です。

 もし、首都圏の他の鉄道会社がパスネットやJR-Eとの対抗意識だけで導入を拒んでいるとしたら、JR-Eが他社との競争を優位に進めるため導入させない(経営方針と合わないが・・・)としたら言語道断といわざるを得ません。
 ハウスカード発展でもいいんです。例えば東急はTOP、京王はパスポート、小田急はOXとありますが、これらにIC機能を付加し、その代わりSuicaベースのIC乗車券にすればよいだけの話しでは?

 今、アジア圏の主要都市で共通方式IC乗車システムを導入していないのは日本国内ぐらいになってきました。ソウル、香港、シンガポールではすでに導入も進み、香港では広州や台北そして同じシステムの日本との共通化まで議論されています。しかもすべてが日本のシステムがベースなのです。
 こんなところで覇権争いをしているうちに、自ら墓穴を掘っているとしか思えません。

西高東低
 投稿者---551planning(2002/04/24 22:09:54)

 図らずも4/23付の交通新聞1面は、東モノSuicaとスルKAN記事が揃い踏みしています。
 東モノは3年前からの社内検討の結果、利用者の約8割がJR乗換客であることや、パスネットも近い将来IC化される見通しとして99年6月にSuica共通化を決めており、その後今年2月にはJR-E傘下に。「共通カード化とは直接関係はない」(武石東モノ社長)としつつも、期間限定ながら割引が実現したのは東モノの立場を如実に示していると思います。
 羽田空港駅での記念式典の際、「将来的には20羽、30羽に増やしてゆきたい」(石田-E副社長)と他の事業者へもラブコール。記事でも 『既に埼玉高速鉄道では、Suicaとの共通化をも視野に入れたICカードシステムがスタートしている』 と結ばれており、改めてSRよ何故に…と思ってしまいます。

 一方のスルKANのICカード戦略も見えてきました。2003年度開始時は阪急と京阪が導入する他、同種システム導入予定のJR-Wとも共通化を検討中とのこと。既に伝えられている内容もありますが、その特徴をまとめてみると

 クレジット決済はJCBが、システム管理は日立が担当するということで、ソニー製のSuicaとの融合性がちょっと気になるところですが、現状でも自動改札機システムがサイバネティスク協議会のもと全国で仕様統一されているところからして、早晩同様の統括機関による調整が必要になってくるかも知れません。

ICカードシステム利用促進協議会 http://www.jicsap.com/

 他方、スルKANは磁気カードの統一化によって、共同企画の実施や阪急・阪神での阪神間定期券共通乗車化など、事業者の垣根を大きく越えた「交通連合」的ものに成長してきた中から、ICカードによって自社ハウスクレジットカードとの融合、独自ポイントサービスなどの展開による新たな競争関係への移行も見えつつあり、事業者個々のありかたもまた問われることになりそうな予感が…。

関西での競争第2幕を見る
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/04/29 02:46:16) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 関西におけるJRと私鉄の競争に新たな流れが出てきました。
 競合する駅利用者の囲い込みを図るべく、フィーダーサービスのバス利用者の取り込みが目立ってきています。

 その典型は定期券の1枚化で、阪神が自社バスのみならず、尼崎市営バス、そして阪急バスと阪神間で自社路線に接続するバス利用者が「浮気」しないように、1枚の定期で乗れる、という利便性を押し出しています。
 尼崎や西宮、芦屋といったJRと近接する激戦区では、バス路線は阪神、JR、阪急の駅を結んでおり、乗客を何処で降ろすかが勝負になりますし、しっかり囲い込まないと呆気なく逸走されます。

 さてJRWも指をくわえて見てる訳ではありません。
 明石地区で神姫バスとの共通化を開始しましたが、六甲道駅接続の神戸市バスとの共通化も始まりました。阪神御影始発で六甲道駅、阪急六甲駅を経由して六甲ケーブル下への16系統や鶴甲団地へ向かう36系統は、六甲山山腹に広がる住宅街を地盤にしており、本数も多ければ利用も多いです。
 現状、御影まで東西移動をする阪神接続は少ないですが(阪急六甲、六甲道に相当するのは御影の2駅西の新在家)、「頭ハネ」の位置関係になる阪急への殴り込みということは容易に想像できます。阪急六甲は特急や通特が停まらず、早朝深夜の快急だけですが、JR六甲道は朝は芦屋で新快速待避とは言え快速が停車するため、充分いけると読んだのでしょう(そのほか、六甲道始発阪急六甲経由の御影山手行き32系統、摩耶ケーブル下、青谷、布引経由の三宮阪神前行き18系統も対象)。

 このほか、定期券ではないですが、山陽電車が「山陽バス&直特きっぷ」と称して、垂水接続の山陽バス往復乗車券と三宮もしくは阪神梅田までの往復乗車券のセットを発売しています。(6月30日まで)
 三宮までだと電車往復分(860円)でバス代(200円×2)がタダ。梅田までだと電車往復の8%引き(1500円が1380円)相当でバス代がタダです。
 山陽が一番競争力が無い神明間のてこ入れですが、JRだと垂水−三ノ宮が往復580円(元町だと420円で山陽の半額以下!)、垂水−大阪が1560円で、三宮バージョンは運賃格差解消が狙い、梅田バージョンは安い直特のアピールと微妙な目的の違いがうかがえます。

***
 バス各社も共通化に際し、今まで無かった6ヶ月定期を新設するなど前向きで、今後この傾向は続くと見られます。
 ただ、願わくば、JRと組んだらJRだけ、というのではなく、阪急や阪神も選択できるようにすることが、長い目で見れば公共交通の繁栄につながります。

バッテン…せた○
 投稿者---551planning(2002/04/01 01:04:17)

ICカードの非接触の仕組みは東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」と同じだが、JR東日本との乗り入れは検討していないという (5/14付 日経産業新聞記事より一部抜粋)

 東急よ、お前もか…。

東急プレスリリース http://www.tokyu.co.jp/guide/news/020513.html

 先般東急が導入を表明していた非接触型ICカード乗車券の概要が発表された。世田谷線専用で7/7導入の「せたまる」がそれである。ネーミングもどっかで聞いたような中途半端さながら、関東大手私鉄初導入のシステムの中身もいまいちという感じがする。
 カードは定期券と回数券の2種類で、「せたまる定期券」は現行方式のまま、「せたまる回数券」はポイント制を導入、1乗車毎に利用日・時間帯に応じて1〜4ポイントを加算、累積10ポイントで1乗車分の運賃をチャージ(追加入金)時に還元するというもの。確かに目新しくはあるものの、自動付与でなく追加入金の手間が必要になるのは、ある程度まで積んでおけばそれなりの利用分廻せるようでないと、めんどくさいとも思えるが。
 チャージは三軒茶屋、上町、下高井戸のICカード発売機および車内に設置する車上入金機で行えるが、基本的に「スイカ」がやっているように各駅に設置してのチケットキャンセラまでには昇華しない感じだ。
 そしてなんといってもあくまで「世田谷線専用」であること。せめて田都線三軒茶屋・渋谷にはチェッカーを置いても良いのではないか。当初目指していたJR-Eとの「相互乗入」も検討外とあらば、導入実験にもならないのではなかろうか。リリースにもJR-Eの文字が無いばかりか「日本鉄道サイバネティクス協議会が制定しているICカード乗車券規格に準拠」という文字がいやに目に付く感じがしてならない。

 そもそも運賃収受にはより大胆な方策があっても良かったのではと思う。三軒茶屋・山下(豪徳寺)・下高井戸への流れである以上、原則そこでの駅業務に絞ってワンマン化で運転専念、抜き打ちのキセルチェックで3倍以上の罰則など、世田谷線のロケーションを日本的LRTシステムの実験場にすればよかったのではないかと思うのだが…。

東急世田谷線に見るLRVの可能性 log006.html

2004.11.02 Update


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