【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.045)
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地下鉄のリストラ
 投稿者---PATHFINDER氏(2001/10/07 00:38:37)
地下鉄のリストラ
└(東京の)地下鉄のリストラ…まずはソフト面からが急務
 └(東京の)地下鉄のリストラ…具体的検討
地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
 └Re:地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
  └Re:地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
   └東京地下鉄リストラ とも私案
└地下鉄のリストラ:私なりのコンセプト

 皆さん、始めまして、“PATHFINDER”と申します。長い間、読み専門でありましたが、今回始めて書き込みいたします。
 古今東西、社会情勢の変化によって鉄道路線網は必ず変化致します。欧米の事例から地下鉄もその事象に免れる事はありません。
 日本も地下鉄の―運行系統も含めた―路線網を見直す時期ではないか、と思います。以下、東京の地下鉄網に対する改造案です。
 字数制限故に文章が極めて簡潔に致しましたので御配慮を頂けたら幸いです。

記号の凡例:―;既存線、=;新線、「」;既存駅、();新駅

(1) 銀座線―つくばエクスプレスの秋葉原駅経由に経路変更:
   銀座線―「末広町」=(秋葉原)=「神田」―銀座線

 現在建設中のつくばエクスプレスの東京都心側起終点は秋葉原ですがターミナルとしては不便極まりない、と予想されるので、銀座線の末広町駅・神田駅間の経路を、JRとつくばエクスプレスの各秋葉原駅の間に駅を新設した上でその新駅経由に変更する。
 既存経路は営業路線としては廃止。

(2) 丸ノ内線―秋葉原支線の新設:
   丸ノ内線―「淡路町駅」=(秋葉原)

 上記(1)の理由で淡路町・秋葉原を連絡する支線を新設。淡路町駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと改造。秋葉原駅も上記(1)の銀座線と乗換便利な構造にする。
 従来の列車運行系統に丸ノ内線A4ライン、秋葉原支線と従来線直通の新系統に丸ノ内線B4ラインの愛称をつける。

(3) 浅草線―JR東京駅・虎ノ門経由別線の新設:
   浅草線―「人形街」=(東京駅)=(桜田門)=(虎ノ門)=(神谷町)=(赤羽橋)=「泉岳寺」―浅草線

 浅草線と相互直通先の京成・京急線の有効活用策
 東京駅は丸ノ内線の駅に隣接する場所に建設。各分岐駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと改造。
 従来線経由の運行系統には浅草線A1ライン、新線経由には浅草線B1ラインの愛称をつける。

(4) 日比谷線―駒場支線の新設:
   日比谷線―「恵比寿」=(?)=「駒場東大前」―京王井の頭線

 日比谷線の有効活用策 井の頭線の輸送力増強策
 井の頭線と相互直通する為に恵比寿から分岐して駒場東大前に合流。各分岐駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと改造。
 従来の運行系統に日比谷線A2ライン、井の頭線・駒場支線と従来線直通の新系統に日比谷線B2ラインの愛称をつける。

(5) 三田線・南北線―品川支線の新設
   三田線・南北線―「白金高輪」=(品川)

 新幹線停車駅に成る品川駅へと白金高輪駅の折り返し線を延伸。
 従来の南北線の運行系統を南北線A7ライン、品川発着の南北線新系統を南北線B7ラインの愛称をつける。

(6) 三田線―上野支線と池袋支線の新設
   三田線―「板橋区役所前」=(?)=(池袋)
   三田線―「水道橋」=(本郷三丁目)=(上野)

 三田線の有効活用策 ターミナルとしての上野駅の強化策
 目黒・水道橋・上野間を本線化し、水道橋・西高島平間をローカル線化。板橋区沿線の利便性低下防止に板橋区役所前から分岐して池袋に至る支線を新設。各分岐駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと大改造。
 目黒・(水道橋・上野支線経由)・上野間の運行系統に三田線A6ライン、上記(5)の品川・(白金高輪・水道橋・上野支線経由)・上野間に三田線B6ライン、高島平・(板橋区役所前・池袋支線経由)・池袋間に三田線C6ライン、水道橋・西高島平間の運行系統を三田線D6ラインの愛称をつける。

(7) 東西線―銀座汐留支線と池袋支線と高田馬場・飯田橋急行線の新設:
   (池袋)=「高田馬場」―東西線―「大手町」=(銀座)=(汐留)
   東西線―「高田馬場」「飯田橋」―東西線

 東西線―JRとの相互直通―の有効活用策
 池袋支線を池袋駅埼京線に合流した上で埼京線の一部と相互直通運転。高田馬場側からの中央線・埼京線直通列車の大半を大手町から分岐する銀座汐留支線へ流す。
 高田馬場・飯田橋間に単線の急行線を新設、朝は上り・夕は下りの早稲田・神楽坂通過のJR直通快速列車が走行、所要時間を短縮する。
 各分岐駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと大改造。
 従来の運行系統に東西線A5ライン、中央線緩行線直通の中野・(大手町・銀座経由)・汐留間の系統に東西線B5ライン、埼京線直通の池袋・(高田馬場・大手町・銀座経由)・汐留間の系統に東西線C5ラインの愛称をつける。
 急行線経由のものには愛称の先頭に速達を意味する英単語の頭文字Rを追加、東西線RB5ライン、東西線RC5ライン。

(8) 千代田線―銀座日本橋支線と上野駅経由短絡線の新設:
   千代田線―「北千住」=(三ノ輪)=(上野)=「湯島」―千代田線
   「代々木上原」―千代田線―「霞ヶ関」=(銀座)=(八重洲)=(日本橋)

 千代田線―小田急との相互直通―の有効活用策
 ターミナルとしての上野駅の強化策
 北千住・湯島間に三ノ輪と上野駅を経由する複線の短絡線を新設し、綾瀬以遠始発終着のJR直通列車全てをその短絡線経由に移行させ、常磐線沿線と東京都心間の所要時間を短縮させる。綾瀬発着の列車は従来の経路を走行。各分岐駅を同一方向同一ホーム乗換且つ折返し可能な構造へと大改造。
 霞ヶ関から分岐して銀座と八重洲を経て日本橋に至る銀座日本橋支線を新設。八重洲でJR東京駅―特に新幹線―と連絡。小田急との直通列車の大半を霞ヶ関から分岐する銀座日本橋支線に流す。
 JRと小田急に直通し無い形での従来の綾瀬・代々木上原間の運行系統に千代田線A9ライン、JRと直通する綾瀬以遠・(上野短絡線経由)・代々木上原間の系統に千代田線B9ライン、小田急と直通する代々木上原以遠・(霞ヶ関・銀座日本橋支線経由)・日本橋間に千代田線C9ラインの愛称をつける。

(9) 有楽町線―浦安への延伸と池袋・飯田橋急行線の新設:
   有楽町線―「新木場」=(西葛西)=(浦安)
   有楽町線―「池袋」「飯田橋」―有楽町線

 有楽町線の有効活用策と東西線の混雑緩和策
 従来の有楽町線を新木場から浦安へ延伸し、浦安付近で地上に出る。浦安駅を東西線と同一方向同一ホームで乗換可能な構造に都市再開発込みの大改造する。
 下記(10)を考慮して従来の運行系統に有楽町線A8ライン、急行線経由には有楽町線RA8ラインの愛称をつける。

(10)有楽町線・半蔵門線―豊洲・住吉分岐線とJR新金線との相互直通:
    半蔵門線―「住吉」/有楽町線―「豊洲」=「住吉」=(亀戸)―「新小岩」−新金線―「金町」―「松戸」

 常磐線と総武線を短絡する新金線の有効活用策
 有楽町線と半蔵門線―計画中の有楽町線分岐線―の有効活用策
 豊洲から分岐して住吉で建設中の半蔵門線と合流する有楽町線分岐線を住吉で半蔵門線から分岐する様に亀戸駅へさらに延伸させ、JRの新金貨物線と合流させる。新金線の旅客併用複線化かつ常磐線の金町・松戸間の線増も行う。
 これらよりJRの松戸・金町・新小岩・亀戸区間と有楽町・半蔵門各線の相互直通運転を行う。
 半蔵門線への直通運転範囲は九段下に折り返し線を設置してそこまでとする。
 従来の有楽町線と半蔵門線の運行系統には各線名の後にA8やA11を、JRとの相互直通系統には各線名の後にB8やB11を愛称としてつける。

 以上の様に、私は東京の地下鉄網のリストラクチャリング(restructuring:再構成)―略してリストラを考えます。

(東京の)地下鉄のリストラ…まずはソフト面からが急務
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2001/10/07 13:26:10)

 PATHFINDER様、初めまして。御投稿誠に有難うございます。
 字数制限をお気になされているようですが、適度なところでの分割投稿でも構いません(その際続きは紐付けて頂ければ)。なお、適度に纏まったものであれば「大作論文」や「特別報告」というカタチで、サイト上に編集して掲載も致します。どうぞお気軽に、宜しくお願い申し上げます。

 古今東西、社会情勢の変化によって鉄道路線網は必ず変化致します。
 欧米の事例から地下鉄もその事象に免れる事はありません。
 日本も地下鉄の―運行系統も含めた―路線網を見直す時期ではないか、と思います。

 お説ごもっともでございます。確かにタイムラグはあろうとも、時代の要請に沿った鉄道運営が望ましいことは誰にとっても明らかなところであります。
 御例示して頂いた個別具体案に関しては後ほど個々に検討するとして、個人的にはまず「ハード的再編案に至る前提条件」について考えを述べたいと思います。すなわち、「まずやるべきことがあるのではないか」ということです。

 御存知の通り、小泉改革の目玉である特殊法人改革の中でも、営団地下鉄の民営化が盛り込まれており、そもそも以前よりその方向性であったがゆえ、テストケース的に話が今後とんとん進む可能性もあろうかと考えます。その過程において、都交通局との関係性への言及を避けて通ることはできないでしょう。むしろ都の台所事情を勘案しての一本化というところまで具体的に話が出ているところでもあります。利用者にしてみれば、営団と都で運賃格差が生じているがための不便を囲っているところもあり、中身に関しては見張っておかねばならないにせよ、一本化による運賃体系の整理統合による利便性向上には期待するものがありましょう。

 例えば都営大江戸線は、現在もな予想を下回る利用人員によってダメの烙印を押される印象が強いですが、現状は「第2山手線」という名称の真意である乗換需要の受け入れが進んでいないためで、(運賃)一本化によってそれまで営団の遠回りだったルートからの移行が進むと思われます。ただし、構造的に地中深くなっていることからも適切な乗換構造となっていないことが悔やまれますね。迷路のような六本木、これでもかという遠さを無理やり同一駅にした麻布十番…門前仲町は逆に使いやすい印象のある駅です。連絡改札がなくなれば、目的地への選択肢が広がる印象を強く与えるとも思いますし。

 話を戻して、大江戸線や南北線の例を引かずとも、もはや東京都心部の地下空間利用の限界が近づいていることはお分かり頂けようと思います。「大深度地下」なぞ、都心部短絡路線にはまさに不向きであって、さらに既存路線との連携を考えた地下鉄新線建設はかなり難しいところに来ていると云えるのではないでしょうが。また、都心部への流れや都心を迂回する流れなど、大局的見地に立てば外環状線的路線の存在価値が今後問われてくるものと思います。メトロセブンやエイトライナーはさておき、今回のJR-E「湘南新宿ライン」での山手貨物線の活用や、御指摘になられている新金線などの「休眠資産」の活用で、新たな流れは低コストで生み出せるのではないかと考えます。あるいはバスによる二点間直結輸送など、面の創造もさることながら、線のバラエティ化は今後ビジネスモデルとしても注目ではないでしょうか。

 以上を纏めると、
「まずはソフト面、でき得ることから外堀を埋めてゆく」
「その上でのハード面の整備について、将来を見据えた吟味の中から検討実施してゆく」
という方向性は不可欠と考えます。その意味での、御提案に関する個人的意見を纏めたいと思います。

(東京の)地下鉄のリストラ…具体的検討
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2001/10/07 13:28:06)

 さて、御提示頂いた10案について、順次個人的意見をば。

(1) 銀座線―つくばエクスプレスの秋葉原駅経由に経路変更:
   銀座線―「末広町」=(秋葉原)=「神田」―銀座線

 秋葉原のターミナル性に関しては疑問のあるところながら、とりあえず常磐新線(つくばエクスプレスって慣れない…)の起点になる以上は、周辺各路線との有機的結合による総合駅化という方向性は確かに有益でしょう。
 秋葉原駅周辺が電気街として「歩ける街」である以上、無理に新線によって接着しなくても、という気がします。おカネを掛けずに新線建設に近づく利便性を追求するなら、旧万世橋駅の復活で足りるのではと考えます。
 ここでポイントとなるのは、地上連絡でも構わないとして日比谷線秋葉原・新宿線岩本町との乗継駅認知でしょう。蔵前の浅草線―大江戸線がOKならば、現状でも日比谷線―新宿線間の乗継利便性を図るべきではないでしょうか。常磐新線開業後も、対新宿方面への有効な受け皿となれる新宿線への「接着」のほうがむしろ必要性は高かろうと考えます。

(2) 丸ノ内線―秋葉原支線の新設:
   丸ノ内線―「淡路町駅」=(秋葉原)

 丸ノ内線と銀座線の「相直」は魅力的かもしれませんね。現状では赤坂見附で丸ノ内線新宿方面と銀座線上野方面が結ばれているわけですが、池袋と日本橋方面、上野と大手町方面の接着は検討に値しようかと思います。淡路町から秋葉原(万世橋)方面に支線となれば上野―大手町なんでしょうが、個人的には池袋―御茶ノ水―神田間連絡線による池袋―日本橋―銀座(4丁目)は面白いと思います。神田川をどうするかが重要課題でしょう。

(3) 浅草線―JR東京駅・虎ノ門経由別線の新設:
   浅草線―「人形街」=(東京駅)=(桜田門)=(虎ノ門)=(神谷町)=(赤羽橋)=「泉岳寺」―浅草線

 「東京駅接着線」が注目を浴びる浅草線ですが、かの川島令三氏も著書で東日本橋―東京駅八重洲口―新橋間の、ミニ総武―横須賀地下線というべきヘ別線線増案を挙げられていました。Y字接着では列車追い抜きという点では使いづらく、運行形態も複雑化する懸念が指摘されているので、こちらのほうが有効策ではあると思います。その点御提案のものではより遠回りになる懸念も…。
 個人的には東京駅接着線そのものを不要と考えています。羽田空港に限れば、後述するとおり三田線の改軌直通化で十分足りたと思います。成田方面に関して云えば、軌間差を置いても都営新宿線―北千葉線方面による対都心・新宿方面がベスト、矢切からの東京方面大深度地下活用(及び新幹線との連携)がベターと考えます。話が広がるので続きはCTC特別掲示板にしましょうか…。

(4) 日比谷線―駒場支線の新設:
   日比谷線―「恵比寿」=(?)=「駒場東大前」―京王井の頭線

 井の頭線の強化を考えるに一番相応しかったのは、銀座線との相直であったと言い切ります。銀座線車両規模の低さや第3軌条方式集電などハードルは高いですが、銀座線の輸送規模と井の頭線のそれを比べても、そのままの容量で吉祥寺まで運行すれば釣りあうモノと思われます(急行運転などの速達性が疑問に残るものの…)
 蛇足ではありますが、京王の車両大型化という選択はベストでしたね。軌間差こそあれ、全社20m車で統一できたのは車両機器整備面でも大きなポイントとなろうかと思います。18m車を地方私鉄に売りさばくことにも成功してますし、さすが陸の王者?京王!
 東横線との相直縮小化が云われて久しい日比谷線ですが、といって中目黒までの存在意義が低くなったということは全くなく、むしろ多摩川線〜「蒲々連絡線」経由の羽田空港方面を考えるに当たって、18m車8連サイズ直通運行は(初期投資低減としての)魅力がありましょう。しばらく様子見になろうかと。

(5) 三田線・南北線―品川支線の新設
   三田線・南北線―「白金高輪」=(品川)

 先述したとおり、都の三田線施策において採るべき選択は、対京急羽田空港と日比谷・丸ノ内オフィス街直結という改軌直通ではなかったかなとずっと思っております。現状でも三田―白金高輪を捨ててでも…という思いすらあります。神保町や蓮根のカーブも18m車にはちょうど良かったかな…と。
 品川の副都心としてのポテンシャルの低さは、浅草線ではJRともろ被りで新宿方面も山手線に延々乗るという、対都心部方面利便性の低さにあると思います。その意味では南北線の延伸も面白いとは思いますが、今となってはどうでしょうか…。もし伸ばすのであれば天王洲方面、さらにりんかい線乗り入れによる台場方面があってしかるべきでしょう

(6) 三田線―上野支線と池袋支線の新設
   三田線―「板橋区役所前」=(?)=(池袋)
   三田線―「水道橋」=(本郷三丁目)=(上野)

 現在も乗換拠点としては重要な存在ながら、「ターミナル」としての上野駅という存在は、新幹線東京延伸によってその幕を下ろしたといえます。それは周辺の街の魅力の評価が難しいところにあろうかと。アメ横方面のショッピングゾーン、上野公園方面の文教ゾーン、浅草方面の問屋街・観光ゾーンの回遊性が低いのです。集客のランドマークもないですし。
 将来性へのポテンシャルとして、成田新高速による京成スカイライナーの強化と、京成上野―大江戸線上野御徒町両駅間の中央通り地下街整備がポイントとなろうかと。「ナリタへの玄関」と都心各方面への大江戸線のリンクで、さらには両駅間のショッピングゾーン再編如何によれば面白いものになろうかと思います。
対大手町方面へは先ほどの銀座線連絡線のほうが有効でしょう。三田「北線」と池袋の連携は埼京線との駅連絡で足りようかと。新板橋と板橋は500m無いんでしょうから。

(7) 東西線―銀座汐留支線と池袋支線と高田馬場・飯田橋急行線の新設:
   (池袋)=「高田馬場」―東西線―「大手町」=(銀座)=(汐留)
   東西線―「高田馬場」=「飯田橋」―東西線

 ごめんなさい、頭がこんがらがってしまいました。有楽町線の利便性強化が鍵になるのでしょうね。
 有楽町線が「不便」なのは、そのまま乗換の不便にありましょう。論点としてはずれますが、ハード面での整備において、せめて南北線飯田橋―市ヶ谷間を方向別複々線にできなかったのかと思いますね。
 東西「西線」の快速運転化は現状でも実施すべきと思います(九段下駅2面4線化等の改良が必要)。JR線方面との相直に関しては、運政審答申の東京―新宿―三鷹間新線の動向によりましょう。大規模に作り替えるならこちらのほうが有効な投資といえるのでは?

(8) 千代田線―銀座日本橋支線と上野駅経由短絡線の新設:
   千代田線―「北千住」=(三ノ輪)=(上野)=「湯島」―千代田線
   「代々木上原」―千代田線―「霞ヶ関」=(銀座)=(八重洲)=(日本橋)

 常磐線・東武伊勢崎線の強化策においては、「常磐新線直通」これでしょう。常磐新線自体、早晩秋葉原からの東京駅方面延伸という話が出るのではなかろうかと推察していますが、それを見越さずとも北千住を介した直通が「可能」である以上、カンタンなお話で良かろうかと。

(9) 有楽町線―浦安への延伸と池袋・飯田橋急行線の新設:
   有楽町線―「新木場」=(西葛西)=(浦安)
   有楽町線―「池袋」=「飯田橋」―有楽町線

 川島氏曰くの「第2東西線」構想ですが、まずもって新木場―浦安間では、荒川河口部を地上で渡らざるを得ない以上、全線地上となり得ましょう。浦安駅の大改良も、前後にカーブ区間を抱えていることや周辺土地利用の状況を見てもかなりの難問になろうかと。現実論としては、素直に半蔵門線の東進=清澄〜南砂町間延伸、以遠複々線化が有効ではないでしょうか。有楽町線の有効活用は、京葉線との相直を持ってしかるべきでしょう。「池袋とTDRが直結!」というだけでも凄いウリです。

(10)有楽町線・半蔵門線―豊洲・住吉分岐線とJR新金線との相互直通:
   半蔵門線―「住吉」/[有楽町線―「豊洲」=「住吉」=(亀戸)―「新小岩」−新金線―「金町」―「松戸」

 有楽町住吉延伸線は、現状にあっては供給過剰の恐れ大と言えます。錦糸町―東陽町間はバス路線もドル箱でそれなりの需要が見込めますが、有楽町線を介しての対都心方面を考えるに大回りなのは明らかです。
 ただし、豊洲地区を含めた臨海副都心部の発展如何では、城東地区との軌道系交通が必要になってくるかもしれません。それがゆりかもめの門前仲町延伸で足りるか、小名木川貨物線旅客化まで必要かの勘案はもう少し時間が掛かりそうですが、そうした選択肢のほうが有楽町線延伸よりは上位にあると考えます。
 新金線の活用は小名木川線とセットでやるのが現実的でしょうか。JR-Wあたりであれば、今頃には東京総武地下駅発の「スーパーひたち」が出ていたのでは、と思ったりしますが…。通勤線化としても、京成線というライバルの存在や、総武線の容量的に今すぐに、という話にはならなさそうな気がします。


 以上、生意気にもほとんど否定的になってしまいまして…皆様の率直な御意見が賜れればと考えております。
 追伸:久々に「熱くなった」御投稿でございました。おさぼり管理人ではございますが、昨今新規御投稿の方々が増えており、まことに嬉しい限りでございます。Romの方々含めまして、皆様今後ともよしなに…。

地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
 投稿者---とも氏(2001/10/07 14:08:33)

 ともです。
 PATHFINDERさん、はじめまして。よろしくお願いします。

 地下鉄のリストラは世界のどの都市でも地下鉄整備がある程度進むと行われるものなのですが、東京の場合はちょうど今がいいタイミングかもしれません。
 ニューヨークは合併時に行い、香港は返還時に計画を策定しました。

 では、一つ一つ意見を言わさせていただきます。

(1) 銀座線―つくばエクスプレスの秋葉原駅経由に経路変更:

 銀座線のルートと常磐新線のルートで考えると、確かに魅力的ではあるものの、費用対効果からすれば?ですね。都心部へなら日比谷線がありますし、北千住から千代田線もあります。さらには田原町−新浅草という乗り継ぎ可能性も秘めています。
 まずは、常磐新線秋葉原と都営新宿線岩本町、日比谷線秋葉原の乗り継ぎ利便性向上が先かなと思いますね。

(2)丸ノ内線―秋葉原支線の新設

 淡路町から秋葉原の場合、新宿線(小川町ー岩本町)とかぶりますね。
 無理にまわす必要はないと思います。

(3) 浅草線―JR東京駅・虎ノ門経由別線の新設:

 少なくとも今の東京都案=運政審答申よりはいいですね(笑)
 神谷町〜赤羽橋は需要が絶対に見込めるのにない区間ですからなんとかしてほしいところではあります。

(4) 日比谷線―駒場支線の新設:

 恵比寿−駒場東大前ということは旧山手通りをとおり、代官山、青葉台を経てというルートですね。
 一部で首都高速中央環状線とラップしますが、なんとか可能性はありそうです。
 ただ、井の頭線沿線から日比谷線がどの程度の需要があるのか、特に井の頭線は渋谷−吉祥寺の相互利用が多いですから、その人流と合致するのかという点からすると?です。

(5) 三田線・南北線―品川支線の新設

 白金高輪から品川はどれだけの需要があるのでしょうか。三田−泉岳寺−品川ルートがありますから、厳しいかなという印象です。

(6) 三田線―上野支線と池袋支線の新設

 三田線とは別に、池袋〜本郷〜上野はほしいですね。といっても新線になってしまいますが。
 個人的には京成の延伸でやったら面白いと思うのですが。

(7) 東西線―銀座汐留支線と池袋支線と高田馬場・飯田橋急行線の新設:

 ちょっとぴんときませんが、まず、東西線中野方から銀座の場合、丸の内、中央各線と機能が似てしまいます。逆に船橋方ならほしいところです。
 高田馬場−飯田橋急行線は良いかもしれません。東西線の速達化ができれば中央線との分散がすすみます。
 ただ、池袋−埼京線はどうでしょうか。池袋から東西線に無理に客を引き込むほどの需要はないでしょうし、埼京線と東北・高崎線との分担ということもあるので、埼京線は今までどおり副都心アクセスにしておくほうが良いと思います。

(8)千代田線―銀座日本橋支線と上野駅経由短絡線の新設:

 千代田線は僕もいろいろいいたいのですが、まずは日比谷、大手町での三田線との方向別化がさきですかね。
 上野ルートについてはどうなんでしょうか。常磐新線があり、常磐線があり、さらに北千住からは日比谷線もありますから、それほど必要性があるとは思えません。
 ただ、湯島付近で上野にというのはちょっと惹かれます。特に小田急側から上野アクセスとしては悪くないでしょう。
 銀座方面はどうでしょうか。今の霞ヶ関や日比谷での乗り換えも少ないですし、それほど潜在需要が多いとも思えません。

(9) 有楽町線―浦安への延伸と池袋・飯田橋急行線の新設:

 有楽町線は豊洲から北に分岐する支線がありますから、これを東に向かせ、東陽町から南砂町経由で東西線に貼り付け線増が良いかなと思いますね。
 新木場から浦安の場合、今の構想にある新木場−新浦安−津田沼ルートと重なりますし、荒川を地下で越えるのは無理でしょう。

(10)有楽町線・半蔵門線―豊洲・住吉分岐線とJR新金線との相互直通:

 今の11号と8号分岐線は住吉から北上し、押上から松戸方面にというのが基本ルートですよね。
 これに新金線をからめるのは一案ですが、新金線の複線化は難しいこともありますし、新小岩までどうするのかということがありますので、ここは新規に松戸−新小岩−(小名木川貨物)−越中島で小型車によるシャトル高頻度運転なんてどうでしょうか。
 それこそ豊洲に引っ張ってゆりかもめと方向別ホームなんて...(夢ですね(爆))

 ちょっと批判的ですが。
 ただ、僕も大賛成なのは路線名への系統番号付与です。ニューヨークやパリ、ソウルなど世界中で行われている方法ですし、ラインカラーとの組み合わせでかなりわかりやすくなります(ラインカラーの話は私のHPにもあります。ちょうど各線の番号付与私案をアップさせようとしていたので、そちらもご覧ください )。

 さらには、管理人さんも書かれている「料金一元化」ですね。
 前は東京の地下鉄へのゾーン運賃導入には批判的だったのですが、最近、ゾーン運賃もいいのかなと思っています。

 まずは簡単に。各論は追って。ではでは。

Re:地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/08 00:15:10) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 ニューヨークなんかはINDなど3社合併という歴史の彼方ではなく、最近でもちょこまかと運行系統を変えています。その中には変更によって使ったり使わなくなったりという渡り線やホームもあるくらいで、本来は需給環境の変化に従ってバスのように柔軟に変更できるシステムを最初から構築すべきでした。
 その点で東京は、郊外線との規格は揃ってますが、地下鉄相互の規格は必ずしも揃っておらず、しかも路線相互の行き来ができないようになっているため一度敷いたら見直しが難しいのです。

 今後は大規模な新線よりもご指摘のような路線の見直しを前提にした短絡線、接続線の整備というステップを重視するというのも、地下鉄の21世紀を考える上で重要になってくるかもしれません。

***
P.S.
 南北線の品川延長ですが、品川駅から魚藍坂下経由で溜池方面に出る四92、四97といった幹線系統(南北線・三田線・大江戸線整備で改廃されたが)があったことを考えると、あながち無茶とも言えないのでは?
 白金高輪から品川方面というのは若干手戻りですが、三田線と2線とも目黒という芸の無さ(どちらかが白金高輪折り返しという不合理)を考えれば、品川方面への延伸は魅力的です。

Re:地下鉄のリストラこそ都市再生のスタートかも
 投稿者---とも氏(2001/10/08 15:00:35) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 その点で東京は、郊外線との規格は揃ってますが、地下鉄相互の規格は必ずしも揃っておらず、しかも路線相互の行き来ができないようになっているため一度敷いたら見直しが難しいのです。

 東京の場合、世界的にも優れた都市高速鉄道−郊外電車の直通運転事例なのですが、これが原因でリストラができません。おっしゃるとおり、規格があわないことと、見逃せないもう一つのポイントは信号装置や運転台の機能という利用者には無関係のところでの乗り入れ制約などがあります。
 実際、南北線、有楽町線、千代田線の3線はすでに、将来的には半蔵門線もすべて短絡線で結ばれますが、これらの規格の問題から乗り入れは難しいでしょう。

 本来、輸送力の格差が見られる東西線や千代田線なんかは対策をとってもよさそうなものなのですが、現実を考えると?といったところではないでしょうか。
 たとえば、千代田線の新木場乗り入れ(国会議事堂前から桜田門に今と逆の短絡線を設置)とか、東西線の豊洲経由での有楽町線乗り入れなんて費用的にはそれほどかからずに可能なんですが、なかなかできないですね。

 これはよく言われる話ですが、大阪は将来を考えて大きめにそして拡張性をもって地下鉄をつくっているが、東京は最小限の費用と考え、拡張性がなかったという話があります。まさしくそのとおりで、もし、東京も最初から拡張性を考慮していれば地下複々線もできたのでしょうが、小手先対応とも言える最小限整備にこだわったがあまりこうなったともいえます。

 南北線の品川延長ですが、品川駅から魚藍坂下経由で溜池方面に出る四92、四97といった幹線系統(南北線・三田線・大江戸線整備で改廃されたが)があったことを考えると、あながち無茶とも言えないのでは?
 白金高輪から品川方面というのは若干手戻りですが、三田線と2線とも目黒という芸の無さ(どちらかが白金高輪折り返しという不合理)を考えれば、品川方面への延伸は魅力的です。

 品川延伸については、否定はしませんが、需要から見てどうなのかが疑問です。
 個人的には、白金高輪から第二京浜地下を進み、五反田から現浅草線ルートを改築して西馬込、さらに第二京浜地下を進んで川崎か新川崎に至るなんていうのが良いと思いますが。今の西馬込〜泉岳寺の流れを見ると、そのまま三田で三田線という需要もありそうですし、今の第二京浜沿いは軌道系が貧弱ですから、ない話ではないのかなと思います。

 一応私なりの対案は別で。ではでは。

東京地下鉄リストラ とも私案
 投稿者---とも氏(2001/10/08 15:59:03) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 私なりの対案を示すのが筋かなと思いまして、いくつか提案してみます。

1 東西線の豊洲延伸・有楽町線乗り入れ

 東西線船橋方の混雑緩和のため、東西線西葛西から貼り付け線増の形で新線を建設、地下に入り込むところで現在線の南をそのまま高架で進み、東陽町検車区から地下に入って、有楽町線豊洲駅中線に至ります。
 ここから有楽町線に乗り入れ、池袋方面に入ります。
 茅場町、日本橋両駅の混雑緩和と東西線の輸送力増(吸い込みを良くする)を狙ったものです。

2 千代田線の有楽町線乗り入れ

 今でも桜田門〜霞ヶ関に短絡線がありますが、これとは別に、千代田線霞ヶ関から日比谷公園下を走って有楽町線有楽町まで短絡線を建設、それを使って有楽町線に入れます。これは、有楽町線方面への利便性ではなく、1を使っての東西線直通の受け(東西線から渋谷・青山方面の需要は案外と多い)をねらってのものです。

3 丸の内線支線のリニア化

 丸の内線の方南町支線を大江戸線規格に改築し、中野坂上から都庁前まで新設(青梅街道〜副都心街路なので用地買収はほぼ不要)します。
 ただ、中野富士見町に車庫があるので、中野坂上〜富士見町間は丸ノ内線車両の通過も可能なような整備にします。
 方南町から先ですが、可能ならば永福町までの延伸をしたいところです(京王線の混雑緩和が可能)。

4 ゆりかもめの豊洲以北への延伸

 地下鉄ではありませんがご容赦を。
 ゆりかもめは豊洲まで延伸されますが、これをさらに北に伸ばしましょう。
 豊洲から枝川を経て小名木川貨物線に至り、この貨物線敷地を使います。西大島で都営新宿線、亀戸で総武線に連絡し、ここから東武亀戸線か、新金貨物線を使い、曳舟か金町にいたるというものです。
 通常の地下鉄にするほどの需要は明らかにありませんし、両線とも平面による地域分断などの問題も抱えているので可能性はあるかなと思います。
 豊洲から北上してという有楽町分岐線構想がありますが、これはこのゆりかもめ延伸にしてしまいましょう。

5 運賃統一とゾーン運賃導入、トランスファーの確立

 これは新線建設ではありませんが、今の東京の交通網の抜本改革の切り札でしょう。
 地下鉄とバスがゾーン運賃を採用し(本当はJRも参加してほしいが)、乗り継ぎ時間制限(現在と同じ同一駅30分)にてトランスファーを認めれば、大江戸線を有効に活用できます。さらには定期券をルート自由にすると混雑緩和も狙えます。
 営団を特殊法人のまま、東京都などが資本参加を強める形態(パリなどと同じ)にするとさらに良いと思うのですが...

6 路線番号と記号の導入

 東京のわかりやすいサイン類をぶち壊しにしている乗り入れの複雑さを明確にするため、運行系統を設定し、そこに番号や記号をつけます。
 さらに、車両にもニューヨークのように大きな表示をさせ、明確にしましょう。
 これにはJRや民鉄にも協力してもらう必要がありますが、乗客サービスの一環で東京都がリーダーシップをとればできない話ではないと思います。

 まずは、こんなんで。思うままですが、
 ではでは。

地下鉄のリストラ:私なりのコンセプト
 投稿者---PATHFINDER氏(2001/10/20 22:31:54)

 “PATHFINDER”です、皆様方、早速のレス有難う御座います。

 私が先に記載した路線の着想について補足説明は以下の通りで御座います。
 旧運輸省の答申等―政府の構想は殆ど無視し、ましてや川島本も無視し、首都圏の近郊・郊外と都心を通う一生活者の視点から構想しております。
 なぜならば、政府の構想自体は、国民の少数派である東京都内の―政権与党と密着した―地主の意向に偏重して、多数派であるサラリーマンの意向を無視している様に思われるからです。
 この地主の意向とは、都内の大半を高層オフィスビルと大型商業施設の集積地化への大規模再開発によって土地等の不動産の大幅な値上がりを期待し、その為の地下鉄の計画が是非必要、と言う事です。
 しかし、現在建設中の汐留と品川に続く先述の様な新たなる大規模再開発はもう在り得無いだろう、たとえあっても失敗するだろう、と思います。
 将来の再開発とは臨海工業地域を住宅地にするものが唯一に成るでしょう。
 そもそも一昔前のバブルとは不動産バブルであり、その崩壊後の不況とは、再開発の名目でオフィスビルを大量に造り過ぎてはオフィス需要に対して供給過剰に成って、それらに融資した大量の資金が回収不可能と陥って不良債権化しては金融業界が瀕死状態に陥った、と言う事であります。 
 今現在でも都心には「テナント募集」の知らせが張ったビルが目立ちます。

 さて、私を含めた多くのサラリーマンの願いは「通勤を楽にせよ!」です。
 従って、既存のオフィス街と商業地―建設中のものを含めて―それらへの移動は面倒な乗換無しにより楽に成る様に、なおかつ座って帰宅出来る為に既存のターミナルとの連絡をさらに強化、等の観点から路線を考えた訳であります。
 深度が浅い地下鉄路線ならばリストラクチャリングが簡単と思います。
 近郊列車の停車駅である上野駅や錦糸町駅や新橋駅や中野駅等を経由し無い不便な大江戸線は、都市圏都心周辺居住のサラリーマンを完全に無視した、沿線地域ボスの資産形成の為に建設された、と思ってしまいます。

モーダルシフト:物流に使える鉄道を;臨海鉄道復権
 投稿者---PATHFINDER氏(2001/10/21 18:44:45)
モーダルシフト:物流に使える鉄道を;臨海鉄道復権
└臨海鉄道復権(神戸編)
└モーダルシフトよりもマルチモーダルを
└東名阪間輸送力強化案

 皆さん、今日は、“PATHFINDER”です。

 以下の内容は私自身の知識の範囲で以って記述されている事を御承知して頂いた上で様々な意見を頂けたら幸いです。

【物流のモーダルシフト】

 近年において鉄道整備の“錦の御旗の一つ”が「地球温暖化対策」ですが、地球温暖化対策として本当に効果的な―費用対効果が高い―ものは、整備新幹線でも無く、ましてや路面電車を含むLRTでも無く、「物流(貨物輸送)における交通モードのシェア上位が自動車から鉄道へのシフト:物流のモーダルシフト」ではないでしょうか。
 その他には、「鉄道に乗用車限定の高速道路機能を持たせる:自家用車等の一般乗用車限定のカートレイン」でしょうか。

 余談ですが、寂れた商店街の活性化の為に路面電車とトランジットモールを新設する計画は、実施したら数年後に大失敗に陥るでしょう、ハードウェアを整備してもソフトウェアに魅力が無ければ次第に普通の生活者に飽きられては客足が遠のいて再び寂れては路面電車とトランジットモールに閑古鳥が鳴く。
 魅力競争で東京ディズニーランドに敗れて各地のテーマパークや遊園地の多くが閉鎖に追い込まれると同様に、また古くは20世紀前半に当時の新しい交通モードである鉄道を拒否した街道の宿場町が衰退したと同様に、一般大衆の欲望と嗜好と選択には逆らえ無いものです。
 その計画を後押しする為に地球温暖化対策を持ち出すのは変です。

 さて、冒頭の物流のモーダルシフトとは、自動車や鉄道等の各交通モードには適性があるから、自動車が担当する全てを鉄道へシフトする訳では無く、短距離・少量輸送である集荷・配送輸送は従来通りに自動車が担い、現状ではトラックがシェア上位である長距離・大量輸送である物流拠点間輸送では本来それに最適な交通モードである鉄道へシフトさせる事です。

 シフトさせる為には物流業者にとって、人員当たりの輸送量効率が良い鉄道にすれば運転手が減らせて人件費が浮くと言う事だけでは駄目であり、多くの点で鉄道が使い物に成る様に―魅力ある存在にすべきです。
 数々の改善点の中でインフラ整備を必要とする重要なものは次の二点です。

  1. 荷主の時間についての要望に応じられるダイヤ設定を可能にする:その為に高速貨物列車走行可能路線を増やす。
  2. 他の物流交通モードとの連携強化:既存の物流拠点に引込線を新設。

 先の1.についての補足は後日に別のコメントにおいて構想例を挙げて改めて記述致し、2.について続けます。

【臨海鉄道の再生】

 鉄道と他の交通モードとの連携強化事業で最優先となるものは、やはり、日本は貿易立国である以上は、重要国際貿易港の“コンテナ埠(ふ)頭”に引込線を新設する事です。

 日本の重要国際貿易港の“コンテナ埠頭”に引込線が無い現状では、埠頭のバース近傍で巨大な荷役作業機械によってコンテナ船から降ろされて埠頭のヤードに一旦集められた海上コンテナは、わざわざ海上コンテナ運送用の大型トラック(トレーラ)で最寄の貨物駅に運送されるよりも、そのまま日本各地のトラックターミナル等の物流拠点に運送されてしまっている事例が多いです、逆方向も然りです。

 その状況に対してモーダルシフトを推進する策が、“コンテナ埠頭”に引込線を新設する事です、せめてコンテナ埠頭内のコンテナヤードまでに敷設し、引込線をさらにバース近傍まで延伸すれば、クレーンで以ってコンテナ船からコンテナ貨車へと海上コンテナを直接搭載する事が可能に成ります、逆も。むろん、それらの実現には例えば輸出入手続きや検査等のいわゆるソフトの改善も必要不可欠です。

 最低限「引込線を新設すべきコンテナ埠頭」についての私なりの構想例は、JR貨物の東京貨物ターミナルの近所である東京都品川区八潮の大井埠頭、最寄駅が神奈川臨海鉄道本牧埠頭貨物駅である横浜市本牧埠頭と大黒埠頭、ついでに本牧と大黒を横浜ベイブリッジに沿って直結する線路も必要です、そして最寄駅がJR貨物の神戸港貨物駅である神戸市ポートアイランド内の各埠頭に、私にとってコンテナ埠頭名が判りませんが、茨城県鹿島港と三重県の四日市港と福岡県の博多港にも最低限必要でしょう。
 皆様方、これらの地理情報については地図を御参照して頂ければ幸いです。
 なお、これらの新設すべき引込線は貨物専用に限定するのでは無く旅客輸送に使用出来る様にしたら良いでしょう。

 これら構想が現実化したならば、それはまさに、埠頭への引込線の大量廃止で規模縮小されて一旦は存在意義を失い掛けた日本の臨海鉄道の復活です。

 私自身多忙故に再コメントとレスは大幅に遅くなって簡潔になりますが、多種多様な業種の方々を含めた皆様方から多種多様な御意見を頂けたならば極めて幸いであります。

Re:モーダルシフト:物流に使える鉄道を;臨海鉄道復権(神戸編)
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/22 22:04:14) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 神戸港の場合、コンテナの取扱いはポートアイランド及びポーアイ2期、六甲アイランド、摩耶埠頭に分散されています。このうちポートアイランド及び六甲アイランドについては言わずと知れた人工島です。
 港湾施設と外部を結ぶアクセスについては、摩耶埠頭については神戸港貨物駅から摩耶埠頭の各突堤に向けての貨物線がありましたが、東灘信号所から神戸港に入り、スイッチバックして摩耶埠頭という迂遠なルートと言うこともあり、現在は廃線になっています。

 この3拠点については神戸市港湾局管理の「港湾幹線」(ハーバーハイウェイ)が結ぶ形になっており、ポートアイランド、新港、摩耶、高羽、六甲アイランドの各出入口でこれら港湾施設とアクセスする形になります。
 ただしこの港湾幹線は東の住吉川渡り線で阪神高速湾岸線とつながっている他は他の高速道路との接続がなく(しかも渡り線ができたのは最近)、陸上交通との結節と言う点では弱いのが難点です。
 なお他のルートは、ポートアイランドが神戸大橋(港湾幹線ルートと共用)から三宮市街とR2浜手バイパスに接続しており、京橋か柳原で阪神高速神戸線(西は第二神明直結)に入れます。六甲アイランドは阪神高速湾岸線の六甲アイランド北から阪神高速湾岸線に入れますが、西方向は港湾幹線高羽で降りて、阪神高速神戸線摩耶を使うことになります。そして摩耶埠頭は阪神高速神戸線摩耶を使うことになります。

 流動が集中する阪高摩耶は道路交通情報の常連であり、海側の製鉄所・発電所沿いに並行する摩耶〜高羽のルートも混み合っており、道路が必ずしも有利と言えないのが神戸港です。
 しかし鉄道はというと、ポートアイランドと六甲アイランドに貨物鉄道を延ばすことは事実上不可能です。というのも、市街地との水路は摩耶埠頭や尼崎西宮芦屋港につながる水路であり、外航船が航行できるだけの高度を確保しています。そのため橋梁は高く、貨物列車の運行を可能にするだけの緩勾配を維持しようとすると、島側に真っ直ぐ引いたら南岸に出てしまいますし、さもなければおそろしく面積を取るループは必至です。さらに北の市街地側に真っ直ぐ伸ばしたら阪神を越えてJR線あたりでようやく着地しかねない状況ですし、東西方向に曲げたとしても相当な距離を要します。(だから新交通システムが導入されているともいえる)

 また、東灘信号所、神戸港駅を中継するとなると、東方面は1回、西方向は2回の方向転換を要し、これも手間とコストアップと所要時間長を招くため厳しい状況です。
 なお市街地の進展により、東海道線と港湾地区を結ぶのは東灘信号所〜神戸港の貨物線以外に無い状況です。それも東部新都心の玄関である灘駅の南隣に踏切道を持つなど、闇雲に増強できない状態にあります。

***
 こうした悲観的な状況はいったん置いておいて、鉄道貨物の可能性について考えましょう。
 ポーアイ、六甲アイランドともに、中心に市街地を置き、周囲に広大な埠頭を配した構造になっています。この土地を活かして、外航船と鉄道の間の積み替えの自動化は図れないでしょうか。
 つまり、規格品の外航コンテナ専用という前提で、クレーンで下ろしたコンテナを埠頭の地表上で自動仕訳にかけるのです。積換え待ちのコンテナは数段のラックに積まれる形になり、仕訳けられたコンテナは貨物列車に積みこまれます。
 外航コンテナのような大型かつ重量品の輸送の例はありませんが、リニアモーター搬送器による平面仕訳は実例がありますし、規格品から一部汎用品について、立体倉庫を用いた仕訳も実用化されています。コンテナ列車は床が平面仕訳の層とツラいちになるようにして停車し(線路が掘割のイメージ)、リニア搬送器でコンテナ車に据付けられます。

 莫大な設備投資と土地が要りますが、神戸の場合はまだまだ手付かず?の土地が両アイランドにあります。(さらに言うならば、焦点の神戸空港人工島もある)
 将来的に阪神高速湾岸線は六甲アイランドから(どうやってか)ポーアイ2期を通り和田岬に至る予定であり、このルートに鉄道を併設して鷹取につなぐという手もあります。(鷹取から東西に進む)
 また、徹底的な省力化が期待できますから(船−船にも利用可能)、神戸港の競争力を高めることが出来ますね。

 現状の港湾施設だと、外航船から鉄道、さらにトラックという積み替えはコストアップに時間がかかると問題山積で、さらに規模も小さいので敢えて鉄道を介さなくともトラックで充分だったのも鉄道抜きの物流に拍車をかけていました。
 これを徹底的に低コストな港で外航船から下ろし、国内各拠点に鉄道で大量輸送し、中・小型トラックで末端輸送するという可能性が無いものでしょうかね。

 ちょっと荒唐無稽な論ですが、では。

モーダルシフトよりもマルチモーダルを
 投稿者---とも氏(2001/10/10 01:17:47) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 PATHFINDERさん、こんばんは。よろしくおねがいします。

 以下の内容は私自身の知識の範囲で以って記述されている事を御承知して頂いた上で様々な意見を頂けたら幸いです。

 いえいえとんでもございません。

 トラック輸送から鉄道への転換ですね。
 確かに、地球温暖化対策としては最も効果があるでしょう。
 ただ、注意しなくてはならないのは、モーダルシフトというものは、それこそ「シフト=転換」なわけです。しかし、物流と一口に言ってもものすごく広いものですから、「シフト」にこだわるよりも、昔の言い方なら「ミックス」、今なら「マルチモーダル=連携」なのでしょう。

 おそらく僕の考えと差はないと思われますが、距離や貨物の特性に合わせて適切な交通手段を選択するとして、鉄道、内航海運、航空、道路(トラック)と使い分けができるような総合的な連携が図れればベストだと思います。
 PATHFINDERさんのお考えはおそらくこういった考え方に近いと思いますが、モーダルシフト論者によっては、旧来の鉄道貨物輸送への復古をイメージされている方も多く、トラック輸送を極力転換させるという前提になっている方もいます。

 結局のところ、人流も物流も、その人なりモノなりにとって何が適切な手段かというところをつめる必要があります。
 本当に転換させることが良いのか、それともそのままとするのが適切なのか、そういったことを抜きの転換論は怖いですね。

 大井は、コンテナ埠頭、貨物駅、トラックターミナル、羽田空港と物流の拠点が集積してますから、道路と軌道の一体整備によるマルチモーダル策はありかと思います。
 ただ、横浜はどうでしょうか。
 大黒〜本牧はトラック輸送を前提に、ベイブリッジ下層部の一般道路整備が進んでいます。距離も短いですし、無理に鉄道貨物への転換を進めるよりも、トラック輸送による効率化(ロードトレインの導入)、本牧駅からの鉄道貨物輸送の強化のほうが得策のような気がします。
 ちなみに、本牧〜東京貨物ターミナル間にはすでに海上コンテナ輸送列車が運行されています。

 あえて埠頭にまで鉄道を引き込む必要があるとするとポーアイくらいでしょうか。鹿島港なら常陸那珂港のほうが良いとは思います。鉄道としての採算もコンテナ機能の高い常陸那珂のほうがとりやすい(国営公園もありますし)と思います。
 博多、四日市は不要かな・・・それよりも大穴は千葉港でしょう。東京湾内各港のなかでも取扱量が多い港ですし。
 日本海側なら直江津か新潟を加えたいところです。あとは失敗した苫小牧を北日本の拠点として加えたいですね。千歳とあわせて北東アジアのロジ拠点への発展を目指すなんてどうでしょう。

 ただ、最大の問題はコストです。
 ただでさえ高い日本の物流コストが鉄道への転換によってさらに高くなることが懸念されます。
 それをクリアすることが鉄道復活のポイントかもしれません。

 ではでは。

モーダルシフト:物流に使える鉄道を;東名阪間輸送力強化案
 投稿者---PATHFINDER氏(2001/11/04 17:32:32)

 皆さん、今日は、“PATHFINDER”です。
 先日のコメントに対して皆様方から幾つかのレスを頂きまして有難う御座います。

 先日のコメントにおいて、物流にとって鉄道が使い物になる為には、「鉄道利用を検討している物流業者(荷主)の―出発・到着時間や所要時間等の時間に関する―要望に応じられるダイヤ設定を可能にする:その為に高速貨物列車走行可能路線を増やす」と記述致しました。
 今回はその件に関して、東京・名古屋・大阪の各々を核とする各大都市圏間の鉄道貨物輸送に限定して、述べたい、と思います。

 東京・名古屋・大阪の各大都市圏を発着かつ経由する物流経路に関して、高速道路を走行するトラックとかろうじて競合可能な―積載重量1000t台で最高速度110km/h規格の―高速貨物列車を多数設定する際に、選択される路線は、唯一東海道線のみである、と言っても過言ではありません。
 が、しかしながら、沿線人口が多い東海道線には通勤等の生活用の旅客列車がかなり多く設定されている関係上、貨物列車のダイヤを物流業者の要望に充分応じられる様に設定する事自体困難であり、それが物流拠点間輸送におけるトラックから鉄道へのモーダルシフトを阻害する原因の一つです。

 そこで、それ解決する為には、線路を増やすしかありません、即ち線増です。
 線増には次の二つが考えられます:
   第一に「既存の東海道線に対する―複々線やバイパス線等の―並行線増」、
   第二に「既存の東海道線に対する異経路の整備」、
の以上です。
 東京・名古屋・大阪の各大都市圏間連絡の貨物輸送強化案が次であります。

(1)「既存の東海道線に対する―複々線やバイパス線等の―並行線増」
大府駅〜(複々線化!)〜笠寺駅〜(南方貨物線!)〜名古屋貨物ターミナル〜(名古屋港貨物線)〜名古屋駅〜(東海道線複々線貨物線)〜枇杷島駅〜(新線!)〜岐阜羽島駅〜(新線!)〜大垣駅

※ 建設途中で破棄された大府・名古屋貨物ターミナル間の貨物線計画を復活。
 これら路線は既存線と離れた区間では駅を幾つか設置した旅客・貨物併用線とする。枇杷島・岐阜羽島・大垣間は、大半を新幹線に並行する様なバイパス線として新設。

(2)「既存の東海道線に対する異経路の整備」
・(東海道線複々線貨物線)〜国府津駅〜(御殿場線)〜駿河小山駅〜(新線!)〜「富士吉田市」〜(新線!)〜石和温泉駅〜(中央線)〜甲府駅〜(中央線)〜小淵沢駅〜(新線!)〜「高遠町」〜伊那北駅〜(飯田線新線!)〜飯田駅〜(中津川線!)〜中津川駅〜(中央線)〜多治見駅〜(太多線)〜美濃太田駅〜(高山線)〜岐阜駅
・多治見駅〜(中央線)〜勝川駅〜(城北線)〜枇杷島駅〜(東海道線複々線貨物線)〜名古屋駅〜(関西線)〜柘植駅〜(関西線)〜木津駅〜(新線!)〜西木津駅〜(新線!)〜東寝屋川駅〜(新線!)〜大阪貨物ターミナル〜(貨物線)〜千里丘駅〜(東海道線三複線貨物線)
・柘植駅〜(草津線)〜草津駅〜(東海道線複々線)

※ 全線の土木構造規格は、先述の規格の高速貨物列車が走行可能な電化路線。
 中央線の該当する区間のみが全線複線、他路線は単線ありの部分複線。伊那北・飯田間は既存の超低規格の飯田線とは別に高規格の単線を新設。着工初期に破棄された飯田・中津川間の中津川線計画を復活。
 駿河小山・石和温泉間、小淵沢・伊那北間、木津・大阪貨物ターミナル間、それぞれを短絡する鉄道を新設し、飯田線新線を含むそれら新線と既存路線を組み合わせる事で東海道線の異経路を形成して、実質的線増を実施する。

 これら整備財源は無駄な公共事業を削ってはこちらに回す事を希望します:特に日本の農業の国際競争力強化を目的にここ十年間で四十兆円程の血税を投入しても―セーフガードを検討する等―全く効果が無かった農林水産省の―干拓事業や広域農道等で代表される―公共事業費を削減してはこちらに回す;それは費用対効果の点で道路関連の公共事業よりも酷いです。

 取り敢えず、以上であります。

2004.11.02 Update


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