【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.035)
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ホスピタリティ
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ)
 投稿日時: 2001年6月25日 17時48分
ホスピタリティ
└不正と配慮
 └実演てんぷら(笑)と乗り継ぎ下車
└鉄道利用にサンポート効果
 └だったら尚更(Re:鉄道利用にサンポート効果)

 24日の日曜日、明石大橋・大鳴門橋・高松道経由で高松に行き、瀬戸大橋経由で岡山に渡り、山陽道で神戸に帰るバス旅(瀬戸大橋区間は鉄道)をしました。いろいろ話題に事欠かず、仔細はこのサイトの各掲示板においおい書きこみますが、一点だけ独立した話題をば。

***
 高松で琴電(長尾線、志度線。琴平線は既に乗っているのでパス)に乗ったのですが、志度まで行った帰りはJRにしてみました。時間があったので次のオレンジタウンまで行き、交換する上りで高松に出ました。
 オレンジタウンはJR四国と関連の四鉄不動産が開発したニュータウンですが、昼過ぎの上下列車とも乗降はほとんど無く、開発途上とはいえ毎時2本程度見当のランダムダイヤの高徳線の旗色は悪そうです。もっとも高松道志度ICに近く、クルマのアクセスや高徳高速バスへのアクセスが目玉になるかもしれません。

 さて、鉄道利用は岡山までなので切符を買うのですが、無人駅のオレンジタウンに券売機があったのは立派です。表示に従って1850円区間の切符を買い上り列車に乗りました。
 1000系気動車2連ですが1両は回送でワンマン運転。車内は中扉をはさんで片側千鳥配置になるボックスに1〜2人、ロングがさらっと埋まっている感じです。

 志度で結構入れ替わりましたが、琴電の状況からして志度町が目的地なのでしょう。
 屋島で普通と特急の交換待ちの長時間停車となりましたが、運転士が車両後部に向かいました。見ると、高校生らしきカップルに何やら尋問しており、どうも乗車した駅より先の整理券を不正に取得したようです。(オレンジタウンより先から乗ってた。なお栗林で下車)
 運転士は駅員を呼び、切符を買わせていましたが、規則通り3倍額の徴収をすればいいのに。
 ワンマンだとこうした問題が不可避ですが、この運転士は駅ごとに目配りしており、好感が持てました。

***
 さて、高松に着きました。岡山行き「マリンライナー」は10数分の接続ですが、昼飯を食べていないし、なにか土産(といっても自分で食うのですが)でも、と思い、30分あとの列車にするつもりでした。
 ところが駅構内を見るとありきたりのキヨスクがホームにあるだけで、かつてあった「かな泉」のうどん屋など飲食店もありません。高松港の再開発に伴い、移転・改築され新しい高松港地区の中心に相応しい駅になったということで、昨今の駅の流行に習って商業施設が充実していることを想像していたのですが、大きく当てが外れた素寒貧な状況です。
 うどん屋はホーム(マリンライナー発車ホームには無い...)にありましたが、準備中の札を出して休んでいます。そもそも名物とも何とも言わず、そばやラーメンの舌代も見えるあたり期待薄で、かつては突端式ホームの根元で、立ち食いとは言え「実演」の看板を出して打ち立てを供していたことを思うと雲泥の差です。

 これでは完全な兵糧攻めで如何ともしがたく、手元の切符は100kmまでの下車前途無効ですが、ダメもとで改札口の女性駅員(集札は総て女性だった)にお伺いを立てると、聞くや否や「できません。XX分のマリンライナーに乗っていただくしか...」とにべも無い返事です。
さすがに腹が減ってとか言うのも忍びなく、諦めてすぐのマリンライナーに乗って岡山に向かいました。

 考えてみれば、JR四国本社のお膝元で、「四国の玄関口」という誇り(高松出身者は郷土を語る時、まずこのフレーズを使う)ある駅で、飲食設備も物販店も無いというのも寂しい限りです。
 連絡船時代とは違い、乗継客よりも改札をくぐる客が多いとは言え、高徳線との乗り換えもありますから、改札内で休んだり飲食したりするスペースが欲しいです。
 時刻表には多彩な駅弁が並んでいましたが、ラチ内乗り換えで買える売店にはありきたりの幕の内しかありません。固定式の売店を置くだけの需要が無いなら出店でも、と見ると、全国ブランドの「雪苺娘」を売ってるのですから話になりません。

 そうした経験をすると、綺麗な駅舎と構内も、妙に寒々しく見えてきます。よしんばラチ内にはそうした施設を置かないのであれば、改札で「お食事やお買い物なら...」と便宜を図るくらいの器量が必要です。
 規則ではダメなんだから、という向きがあるでしょうが、私のように規則を百も承知で「無理なお願い」を自覚しているのなら断られても割り切れますが、普通のお客さんがそうした対応をされて、どう感じるでしょうか。乗り換え客はたいがい途中下車可能な切符所持でしょ、というかもしれませんが、屋島から岡山とか、観光で無いとは言いきれないケースも同様の問題をはらみます。

 航空機や船舶、そして高速道路と、他の交通期間では、ホスピタリティの向上が目を見張るなか、綺麗な新築駅の寒々しい対応は、仏作って魂入れずを地で行くのではないでしょうか。

不正と配慮
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年6月26日 00時48分

 屋島で普通と特急の交換待ちの長時間停車となりましたが、運転士が車両後部に向かいました。見ると、高校生らしきカップルに何やら尋問しており、どうも乗車した駅より先の整理券を不正に取得したようです。(オレンジタウンより先から乗ってた。なお栗林で下車)
 運転士は駅員を呼び、切符を買わせていましたが、規則通り3倍額の徴収をすればいいのに。
 ワンマンだとこうした問題が不可避ですが、この運転士は駅ごとに目配りしており、好感が持てました。

 タダでさえ物騒な世の中ですからねぇ。現業員の毅然とした態度は当然がらアッパレでしょう。
 尤も運転士一人の証言によって3倍徴収処置をするのも、後で揉めるモトともなりかねませんし、お灸を据えたということでよしとする肝要さも、特に通学生が「顧客」である地方路線にはあってしかるべきでしょうか。

#しかしこうした輩がグレムリンのように増長しているという房…某地区もあるわけで、なんともはや。

 そうした経験をすると、綺麗な駅舎と構内も、妙に寒々しく見えてきます。よしんばラチ内にはそうした施設を置かないのであれば、改札で「お食事やお買い物なら...」と便宜を図るくらいの器量が必要です。
 規則ではダメなんだから、という向きがあるでしょうが、私のように規則を百も承知で「無理なお願い」を自覚しているのなら断られても割り切れますが、普通のお客さんがそうした対応をされて、どう感じるでしょうか。

 ケースバイケースなんでしょうね。列車本数もそこそこある「岡山都市圏」の高松では、確かに些か正直過ぎる対応ながら、正当な処置でもあり、如何とも言い難いですが、もっと本数の少ないようなところでは融通を利かせてくれるでしょう。昨夏訪れた北海道、滝川→札幌間を普通切符で乗車中に、岩見沢駅(…その後焼失しちゃったんですよねぇ)は自動改札機設置ながら、「駅舎を撮りたい」旨伝えるとすんなり出してくれました。

 事例は違いますが、JR-Eで自動券売機で新幹線から在来線へ乗り越した場合の処置に関して新聞記事になっていました(6/19 朝日朝刊)。大宮→新潟→新津乗車時に、大宮の窓口混雑を嫌って自動券売機で新潟まで購入、金額が同じ新津で改札を出ようとしたところ「乗り越しです」。101km以上の場合、券面表記駅までが運賃適用区間であり、係員の対応は正当ではあるものの、窓口の混雑、自券機が在来線駅発売非対応だったことから押し問答に…というもので、各地で苦情が絶えなかったことからJR-Eでは昨11月から「駅員がやむを得ないと判断すれば請求しなくてもいい」旨の通達を出すまでに至ったそうで。ちなみに在来線駅購入対応自券機にいち早く切り替えているJR-C、-Wは規則重視の対応という…一概にどちらがスマートかは問えませんが、難しい問題ではあります。

 ある時は毅然と、ある時はソフトに…現業員の対応が、会社そのものの印象を決める、これは鉄道ならずとも接客業界では前提中の前提。対人表現が難しくなってきている今だからこそ、範たるものであって欲しいものです。

実演てんぷら(笑)と乗り継ぎ下車
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ) 投稿日時: 2001年6月20日 10時47分

 高松の場合は改札外にはいくつか物販店などが見えており、駅舎上層階にもあると思われますので、駅で乗降する場合はまだマシなものと思われます。でないとせっかくバスターミナルと一体整備し、桟橋や築港駅に分散していたバス路線を駅前に集約して、交通拠点化した意義が大きく損なわれますね。

 連絡船時代の記憶ですが、突端部にあった「実演」は、うどんの他、「てんぷら」もありました。四国の「てんぷら」は衣揚げではなく一種のさつま揚げなのですが、こうした舞台回しによって「四国に来た」という感情が盛り上がりました。その時代の記憶があるからこそ「四国の玄関口」と万人が認める街・駅だったのでしょう。
 おいおい書きこみますが、マリンライナーも一頃の活気が去ったのか6連運行が常態化しています。しかも1両がロザ、1両がハザで自由席が4両しかないのに、いちばん混み合う岡山−児島間でも若干名が立つ程度です。京阪神へのバスも、他の明石大橋関連のバスに比べてふるわないようで、「昔日の栄光」というフレーズに取って代わる日も近いのかもしれません。

***
 「途中下車」の件ですが、都市部の交通機関ではある程度便宜を見越した取り扱いという方向になっているようです。営団や都営の乗り換え30分ルールも、ウラを返せば「30分以内なら次回乗車をサービスしますよ」という側面があります。
 また7月7日に開業する神戸市営地下鉄海岸線(新長田−三宮・花時計前)では、新長田がラチ内連絡通路ですが、三宮は相当離れています。ところが交通局では新長田のほか、三宮での乗り継ぎも認めることとしており、その乗り継ぎ時間を90分としたのです。これは駅が離れているというだけでは説明がつかず、また、新長田でもいったん改札を出ても90分以内に乗り継げばOKという三宮同様の制度を併用することになっており、「乗り継ぎ時の途中下車」をサービスとして考えているようです(その他、三宮−新長田を含む定期の場合、経路外のルートへの乗車が可能な2ウェイサービスを導入する。経路外ルートの途中駅では下車できないが、新長田と三宮/三宮・花時計前での下車は可能) 。

 もっとも、近鉄が2月に途中下車指定駅制度と遠距離切符での途中下車を廃止したように、各社局によって濃淡があるのも事実です。
#途中下車指定駅制度は他に三岐鉄道、高松琴平電鉄にもある。京成もかつて京成成田で出来た。。

鉄道利用にサンポート効果
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年6月27日 00時25分

 …だそうです。

 JR四国は二十五日、サンポート高松が五月に一部オープンしたのに伴う高松駅などの利用状況を発表した。鉄道部門では、高松駅の乗車券発売枚数が前年同月比で三年六カ月ぶりにプラスに転じ、県内で近距離客が伸びるなど「サンポート効果」がくっきり表れている。全日空ホテルクレメント高松、駅ビルの商業施設も想定を上回る利用があった。
(6/25 四国新聞サイトより一部引用)

http://www.shikoku-np.co.jp/news/economy/200106/20010625000499.htm

 鉄道利用(乗車券販売)が増加に転じ、『駅ビルの商業施設「COM(コム)高松」は、5月13日から6月24日までに延べ約284,000人、1日平均約6,600人が利用。売り上げは14店舗全体で当初計画を3割程度上回る好調な滑り出し。飲食関連はいずれも計画をクリアし、2.5倍となっている店舗もある』そうで。全日空ホテルクレメント高松の客室稼働率は75.4%、目標を大きく上回っている由。

 『買い物などの近距離客が増えたものの、サンポートのにぎわいづくりは緒についたばかり。県外ではほとんど知られておらず、PRに努めたい』(梅原利之JR四国社長)だったら…、という話でもないんですが、こんな情報もということでとりあえず。

だったら尚更(Re:鉄道利用にサンポート効果)
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ) 投稿日時: 2001年6月27日 10時55分

 私の場合、たまたまバスで高松入りしており、駅と周辺の変貌というか威容を見ているからこそ、途中下車を申し出たのです。もちろん地元の人であれば周知の事実でしょうし、足下の実績も「地元ニュース」の範囲であることは梅原社長も認めています。

 いみじくも社長自ら「県外ではほとんど知られておらず...」というのなら、尚更高松駅改札を抜けさせる努力が必要なはずで、それこそ逆にホームの物販はキヨスク程度と最小限にして、お買物・お食事は改札を出て...という展開があってもいいでしょう。

「あのぉ、何か食べるところやお土産を買える所はないんですか」
「それでしたら改札を出たこちらにいろいろございます」
「でもこの切符で出られるのかな」
「構いませんのでどうぞ」(下車印を押す)

これなら誰も損せず、メリットを享受して、八方丸く収まったのに。

高速バス繁盛記
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ)
 投稿日時: 2001年6月27日 10時27分
高速バス繁盛記
└図ったように…交通新聞記事より
 └瀬戸大橋線の単線区間に思う
  └Re:瀬戸大橋線の単線区間に思う
   └Re:瀬戸大橋線の単線区間に思う

 6月24日日曜日、天気予報では梅雨の晴れ間となるはずだったので瀬戸内海東部一周橋巡りとしゃれ込んだ小旅行を試みました。
前夕、三ノ宮駅の西日本JRバスの窓口で購入したのは京都7時50分発の「高松エクスプレス京都1号」、神戸在住で、三ノ宮始発や大阪始発ではなく京都とはこれ如何にというと、阪神高速経由というありきたりなアプローチではなく、中国・山陽道経由の期待があったからです。
 そのおかげで朝は早起き、摂津本山からJRに乗れば芦屋で快速に乗り換えるだけと簡単に行けるのですが、なにせ高く、300円安い阪急を選択。しかしその代償?は5分多く歩き、駅発の時間に至っては30分早いと、時は金なりを地で行きました。

 阪急岡本は朝唯一の快急のつもりが、予想より早く着いたため普通車に乗車。阪神と違い、JR並みに駅間が長いため梅田まで27分で着きます。この数字、JRの普通(摂津本山−大阪)の25分と比べても遜色なく、阪神が青木−梅田で35分といずれも無停車の普通の中で格段に遅いです。駅が多いのもありますが、実は平日の快急でも青木から梅田が24分ですから、苦しい闘いです。(阪急特急は岡本から梅田まで21分)

 ただ、駅間が長いとはいえ、市街化された地域ですから、目の前を疾駆するだけで乗れない層が多いのも痛いところ。西宮北口を出て武庫川を渡る手前には「地域の願い 武庫川駅」という看板も見えましたが、そこから武庫川を渡って武庫之荘までまだ2kmはあります。
とはいえ、駅をこまめに設けると、速達系の足を引っ張らないために緩急結合や追い越しを頻繁にする必要が出てきます。阪急神戸線はここがネックで、緩急結合が可能なのは園田と西宮北口、あと通過追い越しが六甲で出来るだけと、複々線のJR、9駅で緩急結合が可能な阪神と比べると違いが際立ちます。

 十三からは快急。特急車の6300系でした。座席に6割程度の入りで、京都観光然とした人も多いです。淡路で2分停車して天六からの北千里行きと相互接続。すれ違い大阪市交車は銀色ボディに窓や戸袋部のステッカーが賑やかです。
 茨木市や高槻市では降車もさることながら乗車もそれなりにあり、京都への足という任務も大きいようです。
 烏丸で地下鉄に乗り換えますが、反対側国際会館行きの1101F編成は、「二条城障壁画」と銘打ち、障壁画を模した塗装です。ただ、動かぬ障子を遠目に見るから美しいのであって、目の前を流れるそれは、銀鼠の色彩もあって、なにか汚れて見えました。

***
 さて本題の高速バスです。巨大な京都駅の烏丸口から発車。発車直前に大粒の雨が激しく降る悪天候。R1(堀川通り)まで西進するのに、タワー前の通りにダイレクトに入らず、駅ビル横の路地を迂回したのはなぜでしょうか...
 西日本JRバスの担当で、運転手は茶髪の青年。車内は早朝且つ悪天候ということもあってかわずか5人で、柱がかぶる座席から運転手直後の席に移動しました。実は直前まで1A席が空いていたのですが、発車1分前に予約者が現れました。残念!

 R1を下り、京都南から名神へ。古い高速ゆえか、京都の玄関口のICなのに料金所、ランプウェイとも窮屈な作りです。名神はここから片側3車線で音に聞く西の渋滞名所の天王山に向かいますが、拡幅工事が完成し、長岡京あたりから2車線ずつの右ルート、左ルートに別れて都合片側4車線になりました。
 バスは右ルートに入り天王山トンネルへ。ここと続く第一、第二の梶原トンネルがかつては名神、いや、西日本屈指の渋滞ポイントでしたが、上下とも左右2車線ずつ片側4車線に拡幅されて、だいぶ良くなりました。

 平野部に戻ると再び片側3車線になります。天気のせいもあるでしょうが、どうも他のクルマの走りが鈍いです。追越車線も走行車線も知ったことじゃないというようなめりはりの無い走りで、ところどころ停滞寸前になるのもこうしたドライバーがネックになっているようです。
 吹田JCTで中国道へ。十字型のジャンクションですが、東西に走る近畿道から中国道に向かうと、名神京都方面から別れてきた道路がそのまま本線になり、近畿道から真っ直ぐ来たはずのルートは傍流です。

 中央環状線からR176に挟まれた区間を行きます。宝塚からは6車線でモノレールも並行してます。このあたり、震災時に被害を受けており、私も当時、新幹線は不通、飛行機は満席という状況下で千葉から広島に行く用があり、やむなくクルマで出かけたところ、このあたりで波打った路面の走れる部分を縫ったジグザグコースと化していました。制限20kmとありましたが、そんなに速く走れないというほど慎重な走行を余儀なくされました。

 さてトンネルが増えると武庫川上流の山間部へ。といっても谷間の西宮名塩は一大ニュータウンですし、谷を抜けた西宮北IC付近も西宮市山口町の住宅街の真ん中です。
 西宮北ICの手前でJCTの工事中でしたが、これは西宮山口JCTで分岐する阪神高速北神戸線の分岐です。ここから有馬口につなげて、そのまま新神戸トンネルや明石大橋、第二神明に抜けられます。

 こちらは神戸JCTから山陽道に入ります。6車線は神戸北ICまで。山間部という趣の神戸市北区の北辺を走り、三木市にいったん入った三木JCTで分岐します。ただ、神戸西ICまでは同じ山陽道で、そこから自動車専用道の神戸淡路鳴門道となります。瀬戸大橋の早島−倉敷JCT間に似ています。神戸西を出ると、自専道の「お約束」、100km規制の標識などで急に賑やかになりました。

 垂水JCTを出るといよいよ明石海峡大橋です。舞子トンネルを出るとすぐ高速舞子で、そのまま橋にでます。といっても事実ではなく、実は長い(3km程度)舞子トンネルの真ん中で居眠りモードにはいってしまい、目が覚めたら明石大橋の真ん中でした。
 雨と霧に煙っており、視界が利きません。淡路SAを出て東浦までの間はハイアングルから大阪湾を望むビューポイントですが今日は駄目。天候が回復しないまま来てしまい、非常に不安です。

 島を瀬戸内海側に横断すると北淡。相変わらず視界は利きません。室津PAで5分停車休憩ですが、自販機とトイレだけのPAでの休憩は何か損した感じです。すれ違う高速バスは、ところどころ空席が目立つ便がありますが、総じてよく乗っていますし、高速舞子便もまあまあ乗っています。そして本線上バス停で待つ人も多いです。
 島内の背骨の部分を通ると今度は大鳴門橋です。潮のタイミングが悪く凪いだ状態で渦はなし。洲本や福良から鳴門へのバス区間便をがあるようで、一般仕様の区間便が並行しています。本線のバス停で待つ人も多く、だいぶ生活に密着したようです。

 鳴門ICが神戸淡路鳴門線の終点になるのですが、IC出口の表示で示したR11・高松の逆方向、つまりR11を徳島方向に進みます。キツネにつままれていると、すぐ側道に降りて板野町方面へ。高松道の案内もあり、このほど開業した板野ICがターゲットです。
 実はこの間、四国88箇所巡りの1番寺の霊山寺と2番寺があり、観光需要が多いと見ます。

 板野から高松道に。大坂TNを抜けると播磨灘が見えます。淡路島南部から急に晴れてきており、ここに来ると上天気です。暫定2車線で追い越し区間も少なく、どうも滞りを感じました。
 すれ違う高松・丸亀−京阪神の高速バスはどれも人影が少なく、これはどうも過剰な設定をしたせいでしょう。京都が6往復、大阪がJR系と阪急系合わせて26往復、神戸がJR系と神姫バス系で合計18往復はちょっと多すぎる気がします。

 途中から国道11号高松東道路の区間が現れるはずでしたが見当たりません。まあ、変な情報は混乱の元です。
 現下の終点である高松中央ICで高速を降り、インター前の停留所で1人降車。そして残りは改装なった高松駅に15分ほど早着しました。かつては桟橋や琴電琴平と比べても「華」が無いエリアでしたが、改装を機に桟橋や琴電駅に分散していたバスは駅構内に入り、交通拠点としての性格が増しております。

***
 さて帰路は岡山から三ノ宮への神姫バスです。(神姫バスはJR同様「三ノ宮」と表記している)共同運行の中鉄バスの案内窓口が駅前にあり、予約を申し出ると、この路線の宣伝ビラを渡され、記されたフリーダイヤルに掛けるよう言われました。電話予約はあっさり済み、市内を回って17時42分の発車時刻10分前に、出発するワシントンホテル前に着きました。
 すると結構な人出です。さっき駅前の案内所で、「多分大丈夫でしょう」といっていたのですが、ここで10人以上乗り込むようです。
実はこの路線、チボリ公園と風致地区の倉敷が始終発で観光利用に適しているばかりか、回数券や往復券のダンピングが凄いのです。片道三ノ宮−岡山で2750円が、4枚綴り6ヶ月有効の回数券や、10日間有効の往復券だと1回1630円にまで下がります。そのせいか当日の利用は30人を超えており、ほとんどが回数券か往復券利用でした。

 到着が遅れて17時42分発が50分発に。神姫バスの「ハーバーライナー号」はなんとトイレ無し。途中福石PAで休憩はありますが、ちょっと不安です。
 乗り場がワシントンホテル前で、駅に向かって進むため、駅前を右折してからちょこまかと曲がってR53に入りますが、岡山大学のあたりから渋滞に巻き込まれました。
 いったん旧道に入った岡山商大前で5人が乗って33人乗車でインターへ向かいます。

 岡山ICから山陽道に入ります。津山へ向かうR53から入ったのでイメージ的には近かった旭川や津山線を越えたのはかなり離れた地点で、後で地図を見ると5km以上離れてました。通行量は少な目で、観光バスや高速バスの比率が高いです。もっとも、かつては山陽新幹線に並行するバスは岡山線などごく一部で、本数も少なかったのですが、福山や笠岡などかなり増えてきています。

 福石で7分休憩。岡山商大前での12分延が回復できていません。帆坂峠を越えて兵庫県に入り、赤穂ICではいったんICを出てバスストップへ。ICの入口手前に停留所があり、わざわざ出口から来たバスがUターン出来る道が切ってありました。
 この赤穂から神戸市北区の淡河(おうご)まで山陽道上のバス停に停車し、岡山からの降車と三ノ宮までの乗車に加え、これらバス停相互の利用も出来るのがこのバスの特徴で、1日わずか2往復というのがもったいないです。

 本線上もしくはIC前の停留所は10個所。赤穂、相生、竜野、白鳥(しらとり)、飾東(しきとう)、権現湖、小野、久留美(くるみ)、志染(しじみ)、淡河で、赤穂と竜野がICを出ての停留所です。
 その竜野ICはスペースの関係か、側道のように分岐して下るとすぐに料金所という都市高速のような作りです。岡山方と神戸方のICが向き合って分離しており、ICを出て、すぐICから入って停留所と、非常に通行料がもったいない感じです。

 山陽姫路東からは山陽線やR2と離れて内陸に向かいます。播但道経由でR2姫路バイパス、加古川バイパス、第二神明と走り継いで神戸に向かうクルマも多く、山陽道の通行量がまた落ちました。右手遠くに明石あたりの灯を見ながら神戸淡路鳴門道方面との分岐である三木JCTまでくると、この手前に志染バス停があります。
 ここで女性客が1人降車。志染といっても神鉄粟生線の同名の駅とは10km近く離れており、マップルではアクセス道路すらない場所ですから、彼女はどうやって帰るのでしょうか。

 神戸市北区に入り淡河を通過。志染からの運賃はわずか150円と、高速バスの区間運賃としては最安値ではないでしょうか。実は三木JCTから南下して布施畑JCTで阪神高速北神戸線経由か、垂水JCTから第二神明経由を予想していたのを覆して東進します。結局神戸北ICで降りて、六甲北道路に入り、そのまま柳谷ランプから阪神高速北神戸線に入りました。
 このあたり、神鉄岡場駅前に広がる藤原台ニュータウンの灯かりが眼前に輝き、左手奥には神戸JCTの灯も見えます。

 先ほど六甲北道路と別れたと書きましたが、実はからと西(唐櫃西)まで両者は並行しています。その意味では北神戸線が有馬口で分岐して中国道に西宮山口JCTで接することで、阪神高速と六甲北道路、中国道と山陽道で狭いエリアに8の字を描く路線網と、ちょっと過剰な感じがします。
 また三木JCTから垂水JCTの山陽道〜神戸淡路鳴門道も、北神戸線が中国道につながれば、北神戸線と接続の布施畑以北は不要だったはずです。西へは第二神明、加古川BP経由で充分ですし、実際クルマの姿もまばらで存在自体が疑問な区間です。

 バスは箕谷で新神戸トンネルに入ります。トンネルの料金所へダイレクトのランプウェイは良いのですが、カーブしたトンネルが狭く、ちょっと難所です。
 六甲山をぶち抜いた7km弱のトンネルを抜けると新神戸駅下の布引ですが、Uターンして新神戸駅に入るルートや、地上での道路との接続の関係で分岐やカーブが出口付近に続くのは、渋滞の元ですし事故の元です。
 そのまま生田川からR2に入り、三ノ宮駅東側ガード下の神姫バスターミナルに着いたのは逆に3分早着の20時20分でした。

***
 以下比較資料です。

京都−高松はバスで4800円(往復の片道4320円)、3時間32分。
鉄道は「ひかり」と「マリンライナー」で8390円(自由席)、2時間14分。
新快速と普通、「マリンライナー」で5130円、4時間6分。

大阪−高松だとバスで4300円(往復の片道3870円)、3時間11分。
鉄道は新大阪から「ひかり」「マリンライナー」で6920円(自由席)、1時間57分。
新快速と普通、「マリンライナー」で4500円、3時間38分。

なお、三宮新港第三突堤−高松東港のジャンボフェリーだと1990円、3時間40分。
(三ノ宮−高松のバスは3900円、2時間30分)

三ノ宮−岡山はバスで2750円(往復等の片道1630円)、2時間41分。
鉄道は新神戸からの「ひかり」で4940円(自由席)、34分。
新快速と普通で2520円、2時間6分。

図ったように…交通新聞記事より
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年6月28日 00時48分

 サンポート高松(高松港頭地区)にJR高松駅をはじめ、高松港やバスターミナルが整備されて1ヶ月余。新しい海陸交通拠点の役割、機能とともに鉄道、バス、船舶各社の対関西戦略を探った。

 あらあら。6/27付交通新聞で「対関西戦略 交流拡大狙う」としてJR四国の戦略がサンポートと絡めて纏められております。

 対関西のトレンドはエル卿紹介の通り高速バス。香川―京阪神間利用客は98年度約63,000人だったのが00年度で233,000人と3.7倍に。一方で瀬戸大橋線利用客が98年度950万人(マリンライナー利用客580万人)から00年度870万人(同518万人)と漸減。

 JR四国の鉄道利用促進策の1つが「シティハイクOSAKAきっぷ」。新大阪までの新幹線自由席特急券つき往復乗車券に、大阪地区JRフリー乗車券+大阪市交1日乗車券がセットで平日12,500円(休日は11,000円)と2割弱の割引切符で、昨年度実績で高松駅で3万枚を売り上げている。今年度から神戸ループバス乗車券などをセットにした「シティハイクKOBEきっぷ」も投入されている由。
 今後はJR西日本との相互送客に力を入れる構え、とりわけサンポート高松を交流拡大の起爆剤の1つに位置付けているということです…エル卿!

 なお、三宮新港第三突堤−高松東港のジャンボフェリーだと1990円、3時間40分。
(三ノ宮−高松のバスは3900円、2時間30分)

 記事によるとコンビニ端末発券で1,890円からとなっております(通常2,100円)。
 トラック利用増加で5/13から1往復増便の6往復体制に、週末には旅客利用も増え、特に神戸到着が有効時間帯になる早朝便(高松発05:30→神戸着09:10)で200〜300人が乗船する由。サンポート発着でないものの、乗船場までの無料連絡バスを運行しており、乗船場に無料駐車場設置、船内に女性専用室やチャイルドルームなど施策も多様化しているそうで。
 小豆島経由で大阪と結ぶ高速船もあり、こちらはサンポート発。最短所要2時間、5,800円と速くて安い。さらに2週間前までの早期往復割引で9,000円に。USJ開業に合わせ1隻追加、2往復だった大阪便を4.5往復と増強している。現状知名度不足が難点で、CMなどのPR戦略を検討中との由。

 すれ違う高松・丸亀−京阪神の高速バスはどれも人影が少なく、これはどうも過剰な設定をしたせいでしょう。京都が6往復、大阪がJR系と阪急系合わせて26往復、神戸がJR系と神姫バス系で合計18往復はちょっと多すぎる気がします。

 朝夕はマリンライナーを凌ぐ高頻度、大阪・神戸便を15分間隔で運行、5月の利用客は運行6社計で約49,000人、JR系1便当たり大阪便15.5名、神戸便14.5名とまあまあか。概ね採算ラインぎりぎりで割れているという感じながら、今後のリピーターに期待している由。「ローソンチケット」発券など利便性向上策も積極化していくと。

***
 話は若干ずれますが、-C・-H・-Qとも分社化した今、JRで自動車事業を持っているのはJR四国のみになったはずです。特に明石海峡高速バス路線参入前後の動向は目覚しく、高速バスが生命線となっているといっても過言ではないでしょう。その中で過疎の一般路線を切り離してきた事実もまたしかり。
 昨今の(昼行)高速バスの隆盛で、息を吹き返したバス会社は結構あります。以前例示した日本中央バスや山梨交通、日東交通は高速バス収益を一般路線に「還元」している点が特に共感が持てるところです。対極にあるのがJRバス各社としても過言ではないでしょう。無論JRバスが継承した一般路線は特に過疎地域や鉄道未成線代替といった特殊要因を多く抱えているなど、並列で語れない部分はあるものの、「オイシイとこ取り」の感は否定できません。今後の規制緩和後を考えると、これはバスだけでなく事業者全体へのものでもありますが、コストや収益といっただけでない「企業姿勢」というものも重要なファクターになりはしないかとつい思ってしまいました。

瀬戸大橋線の単線区間に思う
 投稿者--- brother-t
(ホームページ) 投稿日時: 2001年7月1日 00時53分

 こんばんは、最近エル・アルコンさんのハンドルネームの由来が某少女マンガ(競馬のお馬さんかもしれません)という事を知りました。びっくりしました。

 さて、

 対関西のトレンドはエル卿紹介の通り高速バス。香川―京阪神間利用客は98年度約63,000人だったのが00年度で233,000人と3.7倍に。一方で瀬戸大橋線利用客が98年度950万人(マリンライナー利用客580万人)から00年度870万人(同518万人)と漸減。

 これを見てふと思ったのは高速バスにとっては神戸淡路鳴門線の開業という大きな改善用因があったのにも関らず、瀬戸大橋線にとっては未だに岡山周辺で単線区間という大きなネックが残るという事で、確かに高速バスが大きく伸びるのが分かる気がします。ただそれでも23万人対870万人と言う規模の差、そして現状でも1時間で特急2本、快速2本に時間帯によっては普通が直通する事から考えるともはや瀬戸大橋線は限界です。岡山〜宇多津でうずしお、南風が連結されているケースまであると考えると瀬戸大橋線の完全複線化更にスピードアップは四国〜本州の流動の強化のためには必修だと思うのですがどうでしょうか?

Re:瀬戸大橋線の単線区間に思う
 投稿者--- とも
氏 投稿日時: 2001年7月2日 01時15分

 こんばんは。ともです。
 さて、この1年で四国に親戚が急に増えた僕的にはかなり興味ありありのネタです。

 瀬戸大橋線の完全複線化更にスピードアップは四国〜本州の流動の強化のためには必修だと思うのですがどうでしょうか?

 同感です。瀬戸大橋に関しては良く悪口がいわれますが、この流動を見る限り、下手な都市内鉄道よりも高い輸送密度なんですから、成功したと言えるのでしょうから、アプローチの強化は必須でしょう。
 岡山と高松はすでに1つの都市圏となりつつありますし。
 瀬戸大橋線は岡山付近で連続立体交差化の事業が予定されていますから、併せて複線化を考えてほしいものです。

 やはり、そう考えると、瀬戸大橋線の複線化は不可欠でしょうね。
 とはいえ、しおかぜにしても南風にしても瀬戸大橋区間ではあまり混んでいると言う印象はありません。
 ひとつ考え方を変えて、多度津〜岡山は特定特急料金化などによる緊急的な輸送力増強も可能性があるかなと思います。
 また、マリンライナー自体も朝晩を除くと比較的余裕がありますから、観音寺方面と児島での分割併合なども考えても良いかも知れません。

 とはいえ、四国にこの2年で5〜6回行ってますが、一度も瀬戸大橋を使っていません。新幹線とマリンライナーの接続が良く無いんですよね。
 こういった点も複線化のあかつきには改善かなという気もします。
 いっそ、しおかぜや南風の新大阪直通なんていいかも(笑)ではでは。

Re:瀬戸大橋線の単線区間に思う
 投稿者--- brother-t
(ホームページ)投稿日時: 2001年7月2日 02時20分

 こんばんは、ご無沙汰してます。うらやましいですね。僕の方は親戚の福岡一極集中が進みつつあります。

 マリンライナーの分割併合はともかく瀬戸大橋線の複線化を新幹線ののぞみ増発と同時に行って、500系のぞみ接続しおかぜ・うずしお・マリンライナー続行、700系のぞみ接続南風・マリンライナー続行位のダイヤは組んで欲しいですね。

 個人的には思いきって新快速を30分毎に高松延長等と言う妄想が浮かんできます。

 おやすみなさい。

コトデン駆け足散歩
 投稿者--- エル・アルコン
(ホームページ)
 投稿日時: 2001年7月4日 09時09分
コトデン駆け足散歩
└「電車は止めない」…切迫する経営問題

 6月24日、京都から到着した「高松エクスプレス京都1号」はサンポート高松のバスターミナルに到着しました。正面にはガラス張りの高松新駅。これに背を向け桟橋側の玉藻城跡、その傍らの琴電高松築港駅へ向かいました。

 着くと間もなく長尾行きが発車というタイミング。バスの車内から見えたなかなか古豪の旧型車2連がそれで、迷わず乗車。ちょうど琴平から来た電車は旧京急600形(今の京急600形になる先代の2扉セミクロス車。琴電では正面貫通・ロング化)でした。
 両運2連で、先頭車は最初客がおらず、後ろの車だけ混んでいたので、瓦町あたりで切り離しかと疑ったのですが、その様子もありません。先頭のかぶりつき席に座りました。コトデンそごうのビルの基部にある瓦町が琴電のターミナルですが、長尾線と琴平線のホームは見えますが、海沿いを行く志度線のホームが見えません。分岐する線路も無く、どうしたことか謎です。

 市街をのんびり進む電車は50kmくらいのスピードがせいぜいのようです。長尾近くで65kmを僅かに上回ったのがMAXでは、クルマに勝てる訳が無いと心配になります。とはいえダイヤはかなり頑張っており、日中は20分ヘッド、夜半以降30分ヘッドは立派です。1駅おきくらいに交換駅があり、日中は交換駅1つおきで交換実施ですから、10分ヘッドまでは詰められそうです。琴平線も車庫のある仏生山の先の一宮まで15分ヘッド、以遠30分ヘッドです。
 先ほど通った高松道が寄り添うと水田。このあたり、R11と讃岐街道(長尾街道)との交差点除去のため、なんと連立化工事中。三木町の中心街の平木では上屋の柱に「途中下車指定駅」の表示。近鉄や三岐でこの2月まであった制度ですが、琴電では未だに現役なんでしょうか。もっとも、このあと見かけた屋島や八栗、そして拠点の瓦町くらいしか実用性はないですが。

 瓦町では30人くらいは乗っていたはずなのに、白山で私一人に。長尾線は日中5本使用のようですが、2本が旧型車。先頭から62と67の2両で、62は2扉、67は3扉ですが、67は木造車のような小さい窓にしかも日よけが鎧戸でした。ただ、沿線に2本、名古屋市交通局から購入・改造の600系、700系がおり、その気なら全運用を600系、700系に出来るのですが...
 築港から37分で長尾。16.3kmですから電化区間としては遅いです。
 駅は露地の突き当たり。志度に抜けるバスでもないかと表通りに出ると、県内に路線を広げる大川自動車の本社がありました。しかし、大内・三本松への便はあれど、志度へはわずか4本(土休は3本・ダイヤは後述)で、すごすごと引き返しました。

 さて、券売機では高松、そして屋島あたりまでは買えますが、さすがに志度は考慮外のようで買えません。窓口に人はいますが「券売機で購入して下さい」の札が出ており、屋島まで買って乗り越すことにしました。
 復路は長尾で6人乗車、その後も駅ごとに乗車しており、瓦町に着く頃には立つ人も出ており、なんとも判断に迷う状況です。高松市の「市街地」が三木町にかかっていて、その範囲では利用が堅調であり、長尾はちょっとその外側という感じでしょうか。

 瓦町で志度線に乗り換え。コトデンそごうの下に入れたのは琴平線と長尾線だけのようで、志度線は建屋の外に分離されてしまい、しかも線路も切られています。琴平・長尾線のコンコースから動く歩道とエスカレーターでつながってますが、結構距離があります。結構気は遣ってますが、やっぱり実際にも心理的にも距離感があり、これは問題です。志度、屋島はJR高徳線と近接してますが、瓦町が街の中心とはいえ、コアのコトデンそごうが例の一件で閉店してしまい、しかもJR高松駅のある桟橋地区がサンポート高松として再開発され、集客力を増した高松の新名所になっている現状を考えると、瓦町で長い距離のある乗り換えを伴う琴電は決定的に不利です。

 志度線のダイヤも20分ヘッド。朝夕10分で夜半以降は30分です。ただ日中毎時22分発は途中の大町(屋島や八栗よりは先)止まりで、以遠は20分、40分の変則です。
 さて電車は600系。長尾線でもそうでしたが、乗務員は発車時間ぎりぎりになって詰め所から来ます。もちろん各社の考えがあるのでしょうが、まっすぐ乗務員室に入りすぐ発車というよりは、発車前の目視点検くらいする余裕は欲しいです。
 さて次の今橋には車庫があり、旧京急230系などの旧型車が大勢いますが、どうも600系、700系の進出で日中5本使用の枠に入れずお茶を挽いているようです。往年の名車揃いの琴電ですから、何とか残す道を考えたいものです。

 正面にケーブルの見える屋島、八栗寺をかかえる五剣山を控えた八栗と観光色のある駅を通りますが、屋島で数人観光客が降りた程度です。塩屋を出るといきなり海岸線に躍り出て、志度に着きました。このあと別スレで触れたように高徳線で帰ったのですが、志度での折り返しはすぐのタイミング。どうも2つ手前の房崎の交換設備撤去が大町折り返しの変則ダイヤを含めてキーになってるようで、20分あとに来る電車は志度で20分以上待機し、この間に大町折り返しをとんぼ返りさせています。

 さて、琴電の両線を見て感じたのは、ダイヤはまあまあ、車両も何とか近代化しており、高松の市内〜近郊電車として機能しているようです。ただ道路事情が悪いとは到底いえないので、クルマとの競合で苦戦は免れません。桟橋地区ということは市街地の突端で袋小路になるサンポートのロケーションが渋滞を呼べば勝機も有りそうですが、難なく受け容れる気がします。
 また今更どうしようもないのですが、志度線の分離は厳しく、中長期的には漸減する苦戦は免れないでしょう。商業・業務の桟橋地区へのシフトとJR高徳線の整備次第では、根こそぎやられかねません(せっかく高徳特急バスが高速乗せ替えで直接のライバル関係でなくなったのに)。
 

 とはいえ、20分ヘッドのパターンダイヤと冷房付きの車両で、ある意味「完成」してしまっただけに、今後は観光客向けに1日乗車券や、屋島・八栗ケーブルとの連絡割引乗車券(1日券も)といった商品面でのサポートが欲しいところです。

***
長尾−志度間バス(所要長尾発15分、志度発17分)
長尾発 7:40、11:20、15:50、17:35(土休運休)
志度発 8:43(土休運行)、10:08(土休運休)、13:03、16:53

「電車は止めない」…切迫する経営問題
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年7月8日 03時40分

 読売新聞高松総局サイトに「レールの向こうに 揺らぐ名門・琴電」として連載記事が出ていたようです。当文投稿時は連載の後編がアップされていますが、毎日更新のため御覧頂いたときには変わっているかもしれません。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news001.htm

 あるMLにてこの記事の紹介を得たのですが、連載記事前編の主軸は、鉄道事業の赤字を埋めてきた不動産事業において、社運を賭けた瓦町ビルのキーテナントであったコトデンそごうの破綻による巨額債務が足枷となり、特にメインバンクの百十四銀行を中心としたビル債権者によるテナント誘致(岡山・広島の老舗百貨店である天満屋が出店決定)も、賃借料でそごう時代の半分になるなどずいぶんと買い叩かれたために、百十四銀と琴電の間での不和が生じている、というもの。また後編では、サンポートと瓦町という高松の2繁華街を高架で結ぼうという県の計画に関して、名鉄三河線一部廃止により、愛知県西尾市での高架化事業が結果的に「無駄」になったという実例を引きつつ、県都の将来像にも大きな課題となっている由。
 願わくば実際の文章を読んでみたいのですが…ちょっとあたって見る事とします。

 なお、参考に朝日でも連載がありましたので御紹介しておきましょうか。5月の連載ですが、現在なお事態がまったく改善していないことが伺えます。

asahi.com香川 http://mytown.asahi.com/kagawa/kikaku_itiran.asp
コトデングループ 
http://www.kotoden.co.jp/publichtm/index.htm

 御存知の通り、鉄道事業において「動く博物館」と云われるように古くから中古車導入を続けてきた琴電ですが、昨今の、特に長尾・志度線の設備近代化などの積極的な投資策が水泡に帰すことが無いように願いたいものです。バス事業も苦しく昨今激変している高速バスにも手を出していません。まさに「コトデンそごう」(瓦町再開発)がビックプロジェクトであっただけに、敗北感から来る見方があるのかもしれませんが、その意味においても地方私鉄という独特な存在感がまさに問われているということなのでしょう。京福もそうですが、これらの議論に利用者主体で見るという根本が重きを置いて見られるように、強く願いたいものです 。

浜松市ウェブサイト:ユニバーサルデザインで◎
 投稿者--- 矢切
(ホームページ)
 投稿日時: 2001年7月20日 16時14分
浜松市ウェブサイト:ユニバーサルデザインで◎
└ユニバーサルデザイン…難しいですねぇ。

 先日ラジオを聞いていたら、ある団体が地方公共団体のウェブサイトをいくつか(30個程度?)調べたら、浜松市のものがベスト(理由:見たいものにすぐ行ける)、宮崎市のものがワースト(電話回線で見ると重い部分が有る)、という結果が出たという報道がされていました。

 で、さっそく見てみました。浜松市ウェブサイト(1)
 なるほど、ぱっとみて使いやすそうな構成です。矢切が気になったのはユニバーサルデザインの扱い。
 トップページから「・ ユニバーサルデザインってなに?」という項目が選べます(2)。いろいろ書いてあり感激。

 ユニバーサルデザインリンク集にある浜松福祉マップは、各駅のユニバーサルデザイン・バリアフリー対応状況が一覧表になっています(3)
 蛇足ながら静岡県のサイトにはユニバーサルデザインなホームページ作りの照会もありました(4)

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/(1)
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/sosiki/universal/udindex.htm(2)
http://www.wbs.ne.jp/cmt/f-map/(3)
http://www.pref.shizuoka.jp/kikaku/ki-10/basic/smp032.htm(4)

 ここまでそろっていると嬉しいですね。他の団体にも頑張ってほしいです。

 P.S.(蛇足) 群馬県のページは、うーん、まだまだ頑張ってもらわないと。矢切の職場のサイト(実は矢切が書いている)は、私が担当になってから(=2年ちょっと前から)バリアフリー情報をしっかり載せています。本当はユニバーサルデザインって言葉を使いたかったのですが、バリアフリーのほうがなじみの有る言葉かなと思って、時代遅れなのを承知の上でバリアフリーと書いています。また、職場の建物のほうは、スロープ・エレベーター・身障者トイレはあるものの、人にやさしくはないですね。やたらとドアが重いし、案内掲示が少ないし。建築家がデザインにこだわりすぎたせいで、いろいろ不便しています。

ユニバーサルデザイン…難しいですねぇ。
 投稿者--- 551planning 投稿日時: 2001年7月21日 00時04分

 浜松市HP、見易いです。薄い色調の色が明るさを演出してますし、下部ページへのアクセスもストレス無いですね。

 宮崎市も見ましたが、云うほど悪くないかな、という気がします。観光情報案内ページが画像中心で開くまでにストレスを感じました(なお551のネット環境はアナログ56kモデムという低速度環境でして…)。サイト全体が把握しづらいというのも原点と判断されたのでしょうか。

宮崎市 http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/

 他人の振り見て我が振り直せ…。時間が掛けられれば、わかりづらい当サイト構成も抜本的に見直せれば、と考えておりますが…皆様、率直な御意見をば!

P.S. 矢切先生、御遠慮なさらずに。

県立ぐんま天文台 http://www.astron.pref.gunma.jp/

2005.02.05 Update


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