【検証:】空港板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<ニッポンの空(港)論>
(過去ログNo.414)
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成田の民営化
 投稿者---とも氏(2001/09/07 22:54:51)
−「お引越し」は大変そう…
 └引越しは大変だけどそれができなきゃね

 ともです。こんばんは。

 御覧になった方も多いかと思いますが、9/7のNステで石原大臣がロンドンヒースローを視察した話をやっていました。
 そこで、ヒースローの民営化の成果として、商業施設の増加や発着枠の増加などを盛んに強調していました。
 確かに、ヒースローの民営化は良い例と思いますし、成田空港の民営化には基本的に賛成というか積極的にすすめるべきと思います。
 BAA(イギリス空港会社)が運営する空港をいくつか利用しましたが、どこも良い空港ですし、ハブ議論であるように、成田の今後を考えると施設サービス面の問題を考えなくてはならないですから、民営で効率化はすすめるのが良いでしょうね。

 ただ、一つだけ気になったのは例にあげたヒースローはそんなに良い空港なのかということです。実際、民営化された直後の評判はかなり良いものでした。しかし、その数年後には同空港をハブにする某社の同空港でのロストバゲージの多さは有名になってしまいましたし、また、ターミナルがバラバラでただでさえ使いにくいのに、発着枠を増やそうとするがあまり、ターミナルの利用法がバラバラで、同じ会社でもターミナルビルが違うとか、国内線なのに国際線から出発するとか、混乱するような運用が多いという話を良く聞きます。
 さらには、高級ブランドやショップは増えたが、キオスクなどが減ったとか、ファーストフードが入ってこれまであったカフェがなくなったなんていう話もありますよね。
 これは、民営化する際に、収益にばかり目がいって、見た目のサービスであるハードは良いが、ソフトがついていかず、結局はサービスがあまりよろしく無いということがおきているとも考えられます。

 同じBAAが経営するシドニーやブリスベンの評価は高いのですが、これには、国民や州のチェック機能が大きいと聞きます。これらの空港はあくまでBAAの所有なんですが、チェックがきっちり働いているらしく、空港待ち合い室なんだかショッピングモールなんだかということはなく、ショッピングゾーンとゆっくり待つエリアがきっちり分かれています。ここも、そのターミナルのサービスへのチェックがあるからなのでしょうね。

 成田の場合も単純に民営化するのではなく、サービス向上を図るようにするとともになんらかのチェック機能が働く形での民営化をやっていったほうがよいと思います。日本の場合、収益に走ると、ホントに収益だけを追求しがちですから。
 行政がそういった国民サイドの意向を受けてのチェックのために民間に介入するのならだれも文句はいいませんから(欠陥住宅などと同じですね)。
 でも、そういった課題はあのVTRからは判らないかも...

 ほとんど雑感でした。失礼しました。
 ではでは

「お引越し」は大変そう…
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2001/10/10 02:24:30)

 御無沙汰しております、おさぼり管理人でございます。
 私事に追われる毎日でございまして、溜まりにたまったネタを吐き出す暇もございません…この数ヶ月で、それまで生まれてン十年、搭乗1度きりのの当方が2回もヒコーキに乗り、4つの空港にはじめて行ったという驚異的なペースで航空とたわむれております…。
 その間、まもなく1ヶ月が経とうとしているあの日、我々はかの悪夢を目の当たりにしたわけですが、瓦礫の山が片付かないうちにまたそれを生み出してしまうという…人間という生き物の儚さを思い知ります。

 それよりも気になるのは「航空事故連鎖」です。テロは別としても、シベリア航空機撃墜に次いで、ミラノ・リナーテ空港でのSAS機事故が発生、共に乗客乗員全員が亡くなる惨事となりました。飛行機が一度落ちると続くのは、恐ろしいことに「珍しいこと」ではありません。最たる例は1966年、日本で4件もの乗客乗員全員死亡事故が発生、うち3件は2ヶ月以内に立て続けに起きたものでした。当時とは各種設備が飛躍的に高度化しているとはいえ、テロ再発も懸念される中、航空業界はかつてない危機的状況にあるといえましょう。

 長い前置きがすっかり暗いものになってしまいました。
 さて本題。成田空港を管轄する新東京国際空港公団(NAA)は今年5月に、大規模改装工事が進む第1ターミナルリニューアルオープン後に、現状のアライナンスグループを踏まえた航空会社の再配置を行うと発表していましたが、その最終案が固まったそうで。

成田空港:航空会社の配置を入れ替え 公団が案を発表 log409.html#3
NAAインフォメーション http://www.naa.go.jp/press.ns4/…

 実は成田空港は、ノースウエスト(NW)とユナイテッド(UA)がアジアでのハブ拠点としており、NAAインフォメーションでも記されている通り、NWが余計な移転続きとなることに難色を示していたのでありました…。NAAは押し切る旨とされていますが、「お引越し」は算段から苦労しそうですね…。で、NAAの民営化が進んだ場合、ビル管理などがメインの「新会社」がそれほど強権的に出るわけにも行かなさそうですし、欧米諸国と違って国内航空各社にはハブ&スポーク思想がさほど根付いているわけでもななそうなことを考えれば、航空会社系なターミナル運営もまだまだという感じ、どうなることでしょうか?
 それにしても、ビル的には綺麗な第2のほうが航空会社的にも人気があると思いきや、今のところを移るのも…というのが本音なのでしょうか。第1であれば主滑走路に近いということもありましょうし。

 まずは雑談程度に振ってみましたが、ちょっと成田の中について詳しく議論するのも検討中であります…なお、新高速鉄道はCTC特別板でどうそ。

引越しは大変だけどそれができなきゃね
 投稿者---とも氏(2001/10/10 18:07:13) http://town-m.vop.jp/

 ともです。こちらではご無沙汰ですね。

 この数ヶ月で、それまで生まれてン十年、搭乗1度きりのの当方が2回もヒコーキに乗り、4つの空港にはじめて行ったという驚異的なペースで航空とたわむれております…。

 いやいやすごいペースですね。僕もこの3ヶ月に国際線を述べ7回(第三国間を含め)、国内線を日本で2回、海外で3回という超ハイペースで乗っています。
 あと年内に仕事を含め6回程度乗ることになりそうで、なんか最近乗らない新幹線が懐かしく感じます。(笑)

 飛行機の事故連鎖は怖いですね。とはいえ、今の状況はちょっと異常ではありますからね。ちなみに、アメリカの今回のテロで脚光をあびた空港セキュリティについて、後ほど投稿します。

 さて本題。成田空港を管轄する新東京国際空港公団(NAA)は今年5月に、大規模改装工事が進む第1ターミナルリニューアルオープン後に、現状のアライナンスグループを踏まえた航空会社の再配置を行うと発表していましたが、その最終案が固まったそうで。

 いやいや難航が予想されるとは思っていましたが、意外と長くかかりましたね。
 NWの苦情は当然でしょう。今でもバラバラ、沖止め(バスで行くこと)も多いのですから、苦情を言わなくてどうするといったところだと思います。

 この中で注目なのはワンワールドの第二への移転にも難色を示す社の存在ですね。
 ビルの構造としては第1のほうが評価が高いですね。施設的には第2よりも優れてきています。中はかなりきれいですし。
 で、このほかにも移転したくないという理由があるとすれば、引越しの面倒くささではなく、ハンドリングでしょう。
 意外なことなのですが、AA、BAのハンドリング(地上での整備、給油、給水など)はなんとANAが担当しています。そしてAFと組んでいるDLもANAです。
 これはその昔、ANAが国際線に進出し始めたころの協力関係からなのですが、意外な組み合わせですね。
 第二にこれらの会社が移る(DLは第一だから問題ない)場合、当然ハンドリングはJL(ハンドリングをJALがやるものが第二)になりますから、それを変えたくないとかあるのかもしれません。
 COも資本関係すらあるNWではなくJLがやっていますし。

 まずは雑談程度に振ってみましたが、ちょっと成田の中について詳しく議論するのも検討中であります…

 お待ちしております??
 ではでは

新規開港より自衛隊基地活用の可能性
 投稿者---若松河田(2001/09/09 00:29:01)
 http://members.tripod.co.jp/higucchi_yosi/
−Re:新規開港より自衛隊基地活用の可能性
 └Re:新規開港より自衛隊基地活用の可能性
下総空港
 └Re:下総空港
  └Re:下総空港
   └下総をなくすことが本当に国益につながるのか
    └Re:下総をなくすことが本当に国益につながるのか(横レス)
     └Re:下総をなくすことが本当に国益につながるのか(横レス)
      └下総・習志野関係の飛行状況(横レス)
       └飛行空域はもう少し南まで(実見)

 成田拡張や横田返還、首都圏第3空港など計画や構想が発表されていますが、新設より既存の米軍基地或いは自衛隊基地の活用の可能性がないのかと思っています。
 例えば、首都圏では、定期航空が就航している空港以外に、横田、立川、入間、厚木、下総、木更津、宇都宮、百里の各基地及び飛行場があります(ジェット機が就航可能として選出)。

 現在国内線は大型機の運行中心で、規制緩和による新規参入は厳しい状態にあるといえます。ここで上に挙げた中小規模空港を活用し中型(B737,A320など)小型機(BAe146,F-100)ジェット機、或いはプロペラ機を使えば、独自路線の新規開拓という点で可能性があると思います。
 因みにブリティッシュ・エアロスペース社BAe146という機種は、滑走路1500m以内で離着陸可能、高翼のため機体高さが低くタラップ内蔵で地上設備(ジェットウェイ)が省略可能、しかも騒音が低いと、日本に最適な装備を持った旅客機といえます。米国内ではコミューター路線用として活躍しています。

 自衛隊基地や米軍基地に民間航空が就航すれば、小松や三沢といった共用化という形になりますが、新規需要の創出という点や既存インフラの活用にメリットがあります。
 また空港があるにも拘らず羽田の発着枠が一杯で就航できない福井や佐渡、但馬、これから開港する能登、或いは大阪八尾と首都圏の例えば都心に近い下総、厚木などで就航できるのでは。
 確かに都知事の構想にもあるように空域を含めた横田の返還は大いにメリットがあるといえます。日本というか首都圏の空域の混雑解消に役立ちます。米軍チャーターによる民間旅客機の就航実績があり、税関設備もあるので共用化でも十分混雑緩和にもなり得ます。
 他にも、ジェット機クラスが就航可能な飛行場として岐阜、浜松、岩国、芦屋(福岡県)、八戸、新田原(宮崎県)があり、プロペラ機(滑走路1200m以下)では、築城、防府、小月(山口県)、静浜(静岡県)、明野(三重県)、松島、大湊、鹿屋(鹿児島)、嘉手納、普天間があります。

 もちろん防衛や日米関係に差し支えの無い範囲でということになります。特に沖縄や日本海側に面する芦屋、千歳は十分な検討が必要です。
 以上にあげた飛行場は、すべて自衛隊、米軍といった所にかかわっているため、国政レベルの話になってしまいますが、いたずらに国際線就航可能な空港や無理やり農道空港をつくるよりは、安上がりであると思います。

Re:新規開港より自衛隊基地活用の可能性
 投稿者---とも氏(2001/09/10 22:00:13) http://town-m.vop.jp/

 ともです。こんばんは。

 まず、百里についてはすでに民間空港化が決まっており、ターミナルビルを含め事業が開始しています。百里であればなんの問題も無くB767クラスの就航が可能ですから第三空港の一部機能を分担する空港となるでしょう。
 入間や厚木はコミューター機であればなんら問題なく離発着が可能でしょう(厚木はジャンボだって就航できますね)。ただ、立川、下総は住宅地のど真ん中にあるヘリコプター用空港ですし、宇都宮、木更津はジェット機就航は不可能でしょう。なぜなら、民間航空機が就航するには周辺環境がタイトすぎますし、空域の問題があります。特に木更津は羽田と空域がバッティングしますから管制の処理を考えると厳しいでしょう。
 横田は石原知事も言ってますが、本当に簡単に可能です。あそこには旅客ターミナルがあり、岩国、三沢、ロサンゼルス、グアムなどに米軍専用の定期便が就航しています。時期によってはチャーターでB767やB747も就航していますから可能性は十分。問題は米軍との共同利用は三沢を見ても解るようにかなり難しいと言うこと(三沢は機材、飛行コースが制限されているほか、米軍機優先のため、定時発着が厳しい)がありますね。

 BAe146は確かに日本向きかもしれませんね。就航距離も長いので、オーストラリアでは国際線にも使用されていますし。欠点があまりない機材ですからね。
 とはいえ、首都圏第三空港への乗り入れと言う観点ではその目的からすると小さいですね。伊豆諸島線や小笠原線向けかもしれません。
 ただ、1500mで離発着可能なジェット機にはMD87やB737-500なんていうのもあります。これだとすでに日本国内でほぼ同型のDC-9シリーズやB737の就航実績もありますから新たにパイロットを養成する必要もありませんし、であるからこそJASやANKが導入したんでしょうね。BAe146は日本には無い機材ですから導入コストを考えると航空会社は躊躇してしまうでしょう。
J-AirがCRJ-100導入をした時になら可能性がありましたが。

 福井、但馬はそもそも滑走路が短すぎで、プロペラ機しか就航できません。それであれば無理に東京に飛ばす必要はないでしょう。
 また、能登はジェット対応の空港ですし、八尾との間にプロペラが就航しても大阪〜羽田にくらべてのメリットが少ないですからさほど利用者は見込めないでしょう。大阪のコミューター空港としてならいいかもしれませんが。

 今の航空法では1200m以下の滑走路しかない空港には定期旅客便はほとんど運航できないと思ったほうが良いでしょう。特例、あるいは特認でのフライトです。また、挙げられた基地のうち、岐阜-名古屋、岩国-広島西、芦屋-福岡、八戸-三沢、新田原-北九州、防府-山口宇部、小月(山口県)-石見(または山口宇部)、静浜(静岡県)-静岡(予定)、松島-仙台、嘉手納-那覇という近隣関係が成立しますので、これらの空港との関係からして民間機乗り入れをする必要性は薄いでしょう。また、普天間は返還構想がありますし、鹿屋、大湊は周辺人口や開発動向からして必要性がないでしょう。
 千歳に関しては一応、新千歳完成後は民間機の就航は行われないことになっていますが、現実には2つの空港は隣接しており、事実上の一体の空港と言えます。
 実際、気象異常時などには双方は相互に使ってますから逆にもっとも可能性のある民間共用化空港かもしれません。(今も航空法上は民間機就航空港となっている)

 いたずらに国際線就航可能な空港や無理やり農道空港をつくるよりは、安上がりであると思います。

 農道空港は航空法上の飛行場では無く、農水省が治外法権的(脱法行為と言った人もいましたね(爆))につくったものです。これは日本の航空政策とはなんら一貫性はなく、一部航空法上の空港となったものもありますが、現実にはほとんどがただの空き地です。
 もう、今後は造らないと言うことなので、今ある農道空港を活用するような施策は考えるとしても、現実的に観光やビジネス用途に使えそうなものは少なく、厳しいと思いますね。災害時の物資輸送ぐらいが良いとこかもしれません。
 国際化について言えば、所詮CIQの問題だけですから、それほど気にすることは無いでしょう。それよりも地方空港が国際化競争(別に悪いことではないのですが)に走るがあまり日本の空港の地盤沈下を引き起こすのがなんともかんとも...

 まず、日本の地方空港の問題は、必ずしかも複数あるボーディングブリッジ、出発と到着が立体的に分離した建物、無駄に長い滑走路などの過剰なまでの豪華さにあります。さらに首都圏の場合は、羽田の東京上空飛行制限や横田空域による制約、スポットが集中することによる誘導路の渋滞などの細かいことが羽田の発着数を少なくしているとも言えます。まずは羽田にもう一本は滑走路をつくるとか、幻のD(旧C)滑走路を活用するとか工夫はできるのですから、そういったことをやって、さらに足りなければ空港を造るとしたほうがよいのでしょうね。

 まずは雑感です。ではでは。

Re:新規開港より自衛隊基地活用の可能性
 投稿者---若松河田氏(2001/09/11 01:11:59) http://members.tripod.co.jp/higucchi_yosi/

 こちらこそこんばんは。ご意見頂きありがとうございます。

 この件の狙いは、航空自由化に伴う新規参入の門戸を広げるということです。
 これは既存の大手3社系列以外の中小航空業者の参入や新規事業者の参入を促すために現状では、発着枠の既得権があり、発着回数に限りのある羽田、成田に捉われず、需要のある首都圏内で自由に発着空港を選べるという利点があるためです。
 新規参入組のスカイマーク、エアドゥ共にいかんせん既存路線での競争になるため運賃面でしか競争力があるに過ぎず、それも追随によって危ういといった状況です。
 そこで2社に留まっている新規参入を促すため発着可能な空港を増やすということです。例えば最近路線バス事業に参入を表明したMKなど意欲的な交通事業者や異業種の参入を期待したいものです。

 まず、百里についてはすでに民間空港化が決まっており、ターミナルビルを含め事業が開始しています。百里であればなんの問題も無くB767クラスの就航が可能ですから第三空港の一部機能を分担する空港となるでしょう。

 そうですね。しかし立地に難があると思っています。首都圏第3空港の補助にしか成り得ないと考えています。

 立川、下総は住宅地のど真ん中にあるヘリコプター用空港ですし、宇都宮、木更津はジェット機就航は不可能でしょう。

 立川は防災基地の役割があり、立地は良いのですが明らかに周辺環境に難があると思っています。ただ下総は北側(沼南町)の方はそれほど過密地域ではないのと、滑走路有効長が2,000mを超えるため可能性があるのでは。木更津、宇都宮は苦しいところです。

 横田はとりあえず日本と米国の航空会社だけでも乗り入れをさせて欲しいですね。杉浦一機氏の著書には貨物機の乗り入れをと書いてありましたが。

 BAe146を取り上げたのは、「なぜ採用されないのだ」、という個人的な気持が大いに入ってます。BAe146-100型であれば、900mの滑走路で発着可能。夜間離発着禁止の空港での運用実績(オーストラリア等)。ある某国軍隊では、世界一静かな輸送機として低騒音が採用の理由です。

 福井、但馬はそもそも滑走路が短すぎで、プロペラ機しか就航できません。それであれば無理に東京に飛ばす必要はないでしょう。
 また、能登はジェット対応の空港ですし、八尾との間にプロペラが就航しても大阪〜羽田にくらべてのメリットが少ないですからさほど利用者は見込めないでしょう。大阪のコミューター空港としてならいいかもしれませんが。

 以上のような空港でのジェット就航のためにBAe146を提案したのですが。また比較するのは難ありですがニューヨークの例も見てもこれだけの人口集積がある首都圏にまともな空港が2つしかないというのは不足で、新規需要を創出する可能性は十分あると思っています。

 今の航空法では1200m以下の滑走路しかない空港には定期旅客便はほとんど運航できないと思ったほうが良いでしょう。特例、あるいは特認でのフライトです。また、挙げられた基地のうち、岐阜-名古屋、岩国-広島西、芦屋-福岡、八戸-三沢、新田原-北九州、防府-山口宇部、小月(山口県)-石見(または山口宇部)、静浜(静岡県)-静岡(予定)、松島-仙台、嘉手納-那覇という近隣関係が成立しますので、これらの空港との関係からして民間機乗り入れをする必要性は薄いでしょう。また、普天間は返還構想がありますし、鹿屋、大湊は周辺人口や開発動向からして必要性がないでしょう。

 以上のうち岐阜は、滑走路2700mで十分、カンタス航空などのチャーター機の一時駐機の実績もあります。またアクセスの面でも名鉄各務原線三柿野駅やJR高山線との連絡も楽です。岩国は広島西には近いですが、広島空港より市内に近く、徳山にも近いので可能性があるのでは。あと那覇は本題とは外れますが、嘉手納との空域の交差が大きな問題となっており改善が必要です。
 仔細なことですが、北九州の近接空港は築城或いは芦屋、新田原は宮崎だと思いますが。貧弱な北九州代替として新規空港が構想されていますが、既存基地の活用の方が良いのではないかと思っています。

 国際化について言えば、所詮CIQの問題だけですから、それほど気にすることは無いでしょう。それよりも地方空港が国際化競争(別に悪いことではないのですが)に走るがあまり日本の空港の地盤沈下を引き起こすのがなんともかんとも...

 そうですね。大韓航空、アシアナ航空によってソウル仁川空港に流れてしまいますね。無駄な増強より、1日も早く成田増強をすべきですね。

 神戸、びわこなど関西地区でも第3空港の計画がでていますが、関西地区には流用できそうな空港が無い。そこで神戸方面は伊丹へ、大阪中心・南部は関西へということで、外れている京都・奈良・京阪奈丘陵・滋賀方面の空港として、京都市南部にある巨椋池干拓地を活用して空港を新設するのはどうでしょうか。
 びわこより周辺人口(マーケット)が多く魅力的です。既存交通網を使えば、京都、大阪、奈良、大和地区、湖東方面のアクセスも良いと思います。少々無謀ですが。乗り入れる海外の航空会社としても、ネームバリューのある京都発着は魅力があると思います。これは渡航者に比べ少ない外国人観光客を増加することにも効果があるのではと思っています。
 現計画では、伊丹とバッティングし、利権がからみ金の掛かる神戸、集客力が少なく単なる地方空港になりかねない、びわこでは中途半端だと思っています。

 多いに脱線してしまいました。またご意見御願いします。

下総空港
 投稿者---きりん氏(2002/04/05 09:29:44)

 下総空港の路線は面白いのかもしれません、あそこは少し無理すれば成田高速鉄道とくっつけることができますし滑走路は2250メートルもあります。周りには住宅もほとんどなく駅前だというのに店すらありません。市役所のそばは舗装もされていませんし、あそこにリージョナルなどで韓国や台湾中国の都市へ運行すれば面白いと思います。後石垣や紋別や石見などの需要の少ない路線なども

Re:下総空港
 投稿者---とも氏(2002/04/09 12:29:13) http://town-m.vop.jp/

 下総基地の場所は確かに魅力的ではあるものの、首都圏第三空港がすべて東関東に固まることになり、適切とは思えません。
 であれば、横田や調布の活用を視野に入れるほうが東京圏全体で考えればプラスではないかと思います。

 昨今の第三空港論議が散漫な原因は、なんといっても空港の使い分け論議ができていない点です。
 羽田と成田すらあいまいなままで、第三空港を国内線用としても、であれば都心アクセスの近い羽田には間違いなく勝てない訳ですから、地域空港とするのか、国際空港とするのか、そこも明らかにしなくてはなりません。

 もしコミューター主体ならば調布飛行場があります。ターボプロップや小型ジェットなら十分就航可能です。
 大型貨物なら厚木か横田があります。
 これらはアクセス性は全く問題なしです。
 なにを主体にしたいのか、そこでしょう。
 羽田の緊急用防災滑走路を使えば、伊豆諸島線はコミューター化できるし、それが可能なら羽田のスポットにさらに余裕が出来る。
 また、ハブアンドスポークが組めれば地方路線の直行を経由化でき、機材大型化によって効率が上がりますよね。

 そういった工夫も無く、第三空港をつくることを考えても仕方ないのではと思いますが。

 下総の場合、不可能ではないと私も考えを改めますが、成田、羽田との機能分担を考えると非現実的と考えますが。
 ではでは

Re:下総空港
 投稿者---きりん氏(2002/04/09 20:25:41)

 首都圏の基地が空港として転換できるのは(決定している百里と)入間、厚木、横田、下総の5つがあるように思われます。
 一番第3空港としていいのは横田でしょうが、アメリカ軍が簡単にどくとは思いません、厚木にしても過去に少しだけ実績がありますが難しいと思います、入間は輸送機が離発着しているので、一番簡単にできるのは下総なのかと思います(下総は主に訓練用に使われています)。
 羽田でもある程度便数が多い幹線と便数の少ないローカル線(石見、石垣、宮古、紋別根室中標津9などは今注目されているリージョナルで便数を多くするという方法で飛ばせばそれほど都心から離れてないし面白いのではないかと思います。その余った便でソウル、台北やプサンなどの近距離便を飛ばせればいいのかなと思いました、そして成田は欧米やアジアなどのある程度長い中距離便へと移行すればいいのかなと思いました。

下総をなくすことが本当に国益につながるのか
 投稿者---とも氏(2002/04/09 21:51:27) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 そもそも第三空港はなんのために必要かを考えてみれば、国内線空港ではあるのですが、コミューター主体なのか、中型ジェットなのかを考慮しなくてはならないのです。
 となると下総でも問題なく就航は可能ですが、その前に羽田との性格分けをきっちり考えなくてはなりません。また、東京全域で考えたときに本当に下総がよいのかです。

 下総、成田、百里、羽田と首都圏及びその周辺に4つの空港ができて、そのすべてが千葉方面では東京の都市構造から見て好ましいとはいえません。
 もし、リジョーナルジェットでというのなら、本来はハブアンドスポークを構築するなど、ネットワークの形成をどう考えるかを考えなくてはならず、今の下総にその場合のハブになるかといえば否でしょう。
 さらに、アクセスも見逃せません。下総の場合、鉄道アクセスはよいですが、北部に北千葉道路が計画されているもののいつできるのかわからないですから、道路アクセスは劣ります。空港は鉄道以上に道路アクセスが重要ですので(いまのリムジンバスの繁栄をみればわかるように)、下総では役不足でしょう。

 であれば、私はやはり厚木もしくは横田の返還か調布の活用を提案します。
 調布は滑走路も1500に伸ばすことは十分可能ですし、今のターボプロップ機やリジョーナルジェット機なら離着陸は可能です。場所的にも文句はありません。
 アクセスも鉄道は京王線、道路は中央道があり、不満はありません。

 なんなら輸送基地の入間でも構いません。圏央道にも近く、西武池袋線もありますのでアクセスは言うまでもないですね。

******
 さて、下総まで返還した場合どうなるでしょうか。
 パラシュート降下訓練は北海道でも沖縄でも可能でしょうが、習志野駐屯地は陸上自衛隊のヘリ部隊の要衝ですよね。であれば、災害時派遣などを考慮すると関東から出て行ってもらう必要は無いわけで、無理にこの空港を返還してまで民間化するなり共用にする必要は無いでしょう。
******

 コミューター主体なら羽田の防災滑走路で十分です。2000あるんですから。
 それでは

Re:下総をなくすことが本当に国益につながるのか(横レス)
 投稿者---エル・アルコン
(2002/04/11 11:03:33) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 下総と習志野の話となると出てこないわけには...

●下総基地
 海上自衛隊の基地で、主に対潜哨戒機のP3Cが配属されています。
 ただ、「実戦」ではなく訓練に使われている基地なので、代替地が確保できれば我が国の対潜哨戒網に影響するということはありません。

●習志野駐屯地
 陸上自衛隊の基地で、我が国唯一のパラシュート部隊である第一空挺団の根拠地です。
 なお、降下用機材は入間のC-1、小牧のC-130、木更津のCH-47で、習志野駐屯地内には常駐していません(というか、固定翼機は当然離発着できませんし、ヘリも基本的には正月の降下初や春夏の駐屯地開放時の展示の時しか駐屯地や演習場での離発着はしません。空挺団ですから、着陸は必要としません)。ただ搭乗が下総なのか入間なのかは不明です。ヘリは木更津か。演習場で乗せているのかも。
※ヘリ部隊は木更津の第一ヘリコプター団所属

 ちなみに、空挺団は「空挺降下という機動力で制圧する」という性格上、「専守防衛」の自衛隊において唯一「攻撃」的な部隊ですから、首都近郊に置く必然性は疑問です(首都近郊で機動制圧を必要とする事態が発生してたら戦略的にはもう終わってますがな...)。また装備品も基本的にパラシュートで吊れるレベルなので、あまり重装備なものはありません。ですから災害派遣などを視野に入れるとちょっと手薄ですが、県内部隊は下志津と松戸の高射部隊、木更津のヘリ部隊とどうも普通の部隊ではないので、空挺団の普通科群は重要です。

***
 で、下総の場合、現在の基地本部をターミナルにしたら、最寄りは東武野田線高柳で、クルマだとR16(白井市冨塚)か船取線からのアクセスになります。R16のこのあたりは野田〜沼南の高規格バイパスの南端に近いので、完成の暁には常磐道柏ICにはアクセスしやすいです。R464と北千葉道路を考えてターミナルを基地南端に持ってくる考えもありますが、東葛地区をターゲットにした場合は現状の方が良いですね。

 ただ滑走路が南北方向ですから、北方向は成田や百里と、南方向は羽田との空域競合があります。(特に羽田が都内上空を飛ばずに大井沖で大旋回して東京湾岸沿いや千葉県上空を飛ぶルートを採用している)あと、離発着コースが特に南方向の場合、鎌ヶ谷市や船橋市(特に新京成沿線)の市街地にかかるため、それへの対策も必要です。

Re:下総をなくすことが本当に国益につながるのか(横レス)
 投稿者---とも
(2002/04/11 16:39:49) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 下総にP3Cが配備されているのなら航法援助施設がついていることも納得です。
 私がごっちゃになってました。失礼しました。

 現状の空域図を見ると、下総は北方面はラップしません。ただ、南は羽田空域にあたり、また、新木場のヘリ空域にもあたるので、トンネル状の空域を確保しているようです。
 となると、北方向からのアプローチになりますがP3Cが飛べるということは高度的な問題はないのでしょう。
 そうなると、旅客化の可能性はありえますね。

 ただし、東京圏全体を考えると、下総は千葉方面には良いものの、神奈川・東京西部方面からのアクセスは悪く、使いにくい空港になります。
 それでは航空路の千葉シフト的なものになり、決して好ましいとはいえません。どうせなら、やはり横田か厚木でしょう。

 あと、下総は2200mの誘導路なしですから、航空ダイヤはかなり制約され、限られた便数になります。
 そうなると、いくらリジョーナル中心であっても羽田の一部代替にはなりえず、国際チャーターなども成立は困難でしょう。

 東京の第三空港であれば、東京圏全体を見渡して、適切な配置にしないといけないですからね。

 なんかまとまらないですが。それでは

下総・習志野関係の飛行状況(横レス)
 投稿者---エル・アルコン
(2002/04/11 20:00:28) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 非常に細かい話で恐縮ですが...

 下総基地の飛行訓練は、私の実家から見えるので(その昔、あまり家が建て込むまでは着陸コースに入って脚を出すところ(当時はP2J)まで見えた)、その記憶をひもといて話します。
 訓練飛行の高度はそんなに高くありません。空挺団の降下訓練用の飛行のようにガラスがビビるほどの低高度ではないですが、それでも塗装や日の丸がはっきり見えます。
 このあたりは空挺団が新京成三咲駅方面から高根台と松ヶ丘の間を抜けるように飛んで、習志野台から高津に向かう方向で演習場に降下させています。(今は知りませんが、かつてはそこから船橋・八千代市境を北上していたので、よくよく考えると下総が絡んでいた可能性がある)

 下総の場合は南側では船橋と鎌ヶ谷・白井の市境あたり(八木が谷付近)を南端にした基地を周回もしくは八の字飛行だったはずです。滑走路の位置を考えると、南側とのアプローチはすぐに曲がるような格好になるかなり苦しいコースどりのような気がします。

***
 下総の「適性」ですが、千葉県内でも東葛地区くらいしか利便性を感じるところはないでしょう(このエリアは羽田とのアクセスが決定的に悪く、外環完成後も湾岸の動向次第では厳しいという追い風はあるが)。あとはせいぜい常磐線沿線の南部(土浦・つくばあたりだと圏央道完成後は成田の方が便利)であり、関東全域を考えるまでも無く、県内においても意外とメリットは無さそうです。

飛行空域はもう少し南まで(実見)
 投稿者---エル・アルコン
(2002/04/15 16:13:42) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 三咲と滝不動が近い実家滞在中、爆音が聞こえたので見ると、オライオンがすぐ上から古和釜方面に飛んでました。前の書きこみの誤りを身をもって体験した一瞬でした(苦笑)

ANK、幹線デビュー!しかも羽田―関空で!!
 投稿者---551planning(2001/10/21 00:23:42)
−Re:ANK、幹線デビュー!

 だそうです。

 この増強は、米国同時多発テロ事件後の、国際線旅客需要の減退を、国内高需要路線(東京=大阪線)にて全日空グループ一体となってカバーすべく、羽田空港・関西空港にそれぞれ早朝に駐機中であった、エアーニッポンの機材(B737-500型機、126席)を有効活用することにより実現したものです。

全日空ニュース http://svc.ana.co.jp/pr/01-1012/01-065.html

 事情はどうあれ、こんな活用方もあるんですねぇ。なかなか巧い発想ですが、今までこうしたことができなかったのか、またこうした例がまだまだあり得るのか、というところも気になります。
 テロに隠れてますが、全日空をはじめ、国内地方路線の整理縮小が進められています。注目記事紹介でも新千歳−岡山・山口宇部・高松(ANA)、仙台―岡山・高松(JAS)、広島西―小松・福島(J-AIR)の休廃止を御紹介しましたが、これらはテロ事件云々の前に出てきた話であり、「取れるところから取る」は当然ながらも、今後こうした方向性の拡大が懸念されるところです。

注目記事紹介 http://nq10.gaiax.com/~member/monthlydiary.cgi?trafficmap@moomoo:200109

Re:ANK、幹線デビュー!
 投稿者---とも氏(2001/10/27 01:18:47) http://town-m.vop.jp/

 ともです。こんばんは。

 事情はどうあれ、こんな活用方もあるんですねぇ。なかなか巧い発想ですが、今までこうしたことができなかったのか、またこうした例がまだまだあり得るのか、というところも気になります。

 ANKではないんですが、JTAが羽田−沖縄の早朝深夜便なんか典型例でしょうね。
 ANAには、国内線機材の有効活用としての関空−グアム線深夜便(B747-400DorB767-300 いまはこの路線用の国際線機材が間合いで国内線運用に入るけど・・・。さしずめ航空業界のムーンライトながら??)という先例もありますし、JALの成田−福岡線なんかもあります(国際線用機材が使用されるお得なフライトなんですよね)。

 テロに隠れてますが、全日空をはじめ、国内地方路線の整理縮小が進められています。(略)これらはテロ事件云々の前に出てきた話であり、「取れるところから取る」は当然ながらも、今後こうした方向性の拡大が懸念されるところです。

 でもそろそろ再編期なんだと思います。テロをきっかけにというのは不謹慎ですが、日本の航空会社にはどのような形でこれから生き残るのかを考えさせられる時期なのでしょうね。
 国内でハブアンドスポークを形成するのか、直行便主体のネットワークを組むのか、また、3社はどういったすみわけを狙うのか。

 実際、打撃をうけたアメリカや航空会社の倒産・清算が相次いだヨーロッパ(スイスエアーが・・・)、オーストラリア(アンセット)に目が向きがちですが、見えないところでアジアの路線網再編は始まっています。
 たとえば、キャセイパシフィックが「アジア人観光客」ターゲットの千歳−香港線を就航します(日本人向けではないタイムスケジュールなんですよ)。さらに、スリランカ航空がモルディブ直行便になったり、アシアナが成田線を臨時増便したり、さらには日系も中国線増便を行うようですし。

 アメリカ各社の日本からの撤退&ソウルシフト(デルタやユナイテッド)も始まっています。そんななかでANAをはじめとする各社はどうするのか・・・
 しばらく注視しますか。

 ではでは

たかが、されど…「500円」に考える航空運賃
 投稿者---551planning(2001/10/21 01:02:50)
−割引運賃は諸刃の剣

 「バーゲンフェアヨ!」…藤原紀香が500円玉15枚を握り締めて「お母ぁさん、今度帰るわぁ」というCM(いきなり脱線!見るたびに「帰り代はお母ぁさんにせびるんだろうなぁ」と思って見ている)をやっていたらと思ったら、同時多発テロ事件の影響による航空保険料値上がり分の運賃上乗せがそのJALより発表、JAS・ANAも追随した。「国内線500円、国際線は5ドル」というのも横並びである。
 確かに致し方ない、妥当な処理と考える。ただ、いまだに各社の割引CMが行われている中、どうもぴんと来ない…。

 そもそも航空自由化の流れの中での幅運賃の導入は、各社の知恵のぶつかり合いとなり、利用者にとっても飛行機を気軽に使える機会を広く与えてくれたという功績は大きい。何せ生まれてこの方飛行機を避けてきたといっていい当方がばんばん使ってしまうような、新規需要掘り出しに見事成功したのだから。しかしながら、時間推移予約型割引からバーゲン型一律割引に変化してゆく中で、「本当の運賃」が見えなくなってしまった弊害があるように思う。
 鉄道運賃はちょっとした知識があれば時刻表で調べることができる。2点間輸送である航空運賃は表面上、「公式」が見出しづらい。しかも今や予約時期・搭乗便・果ては支払方法で価格が変動する。ありがたいことにWebの世界でだいたいの運賃情報を得ることができるが、市中のチケットショップではまた変わってしまう…そんな状況下で「500円」は何処から生まれ、消えるのかが非常に分かりづらい気がしてならない。裏を返せば、いつまでこの措置が続いてゆくのかが見えないと思われるのである。

 いたづらな価格競争も困った話だが、恣意的に価格が上下動するのもどうかと思う。特に採算性が問われる地方路線と幹線との「価格差」の極大化も気がかりなところだ。
 しかし、こうした見方はもしかすると、鉄道的な?運賃体系に馴れたがゆえの見方かもしれない。果たしてどのような価格設定が「適正」なのか…決して安かろうだけでは成立し得ない公共交通の大きなテーマなのかもしれない。

割引運賃は諸刃の剣
 投稿者---551planning(2001/11/10 01:20:40)

 いたづらな価格競争も困った話だが、恣意的に価格が上下動するのもどうかと思う。特に採算性が問われる地方路線と幹線との「価格差」の極大化も気がかりなところだ。

 航空需要拡大を引っ張ってきた割引運賃における最大のヒットは、なんと言ってもいわゆるバーゲン型一律運賃だろう。どの路線でも該当日は同一料金なのだから、だったらより遠くへ行こうかという流れを生み出したわけである。
 しかしそうすることで利用者数は伸びても、コストが変わらなければ個々の利益分が減るのは当然…大手とはパイの違う子会社にとっては辛いところだろう。
 10/31付発表のANKの中間決算が減収減益になった。ANAからの福島―札幌線移管や超割の拡大で旅客数・利用率を伸ばしたものの、単価減が響き営業利益で半減、中間純利益で前年の4割になってしまった。通期も赤字決算の見通しという。

http://www.air-nippon.co.jp/topics/pr/01-1012/index024.html

 運行コストを下げるには機材の有効活用が必須だ。先に御紹介した羽田―関空線しかり、利用率向上策として小型機材に変更した伊丹―石見線などの動向からも読み取れる…しかしながら、そう考えるとANKよりもより小さな会社はどうだろうか。
 9月に会社設立5周年の割引を行ったJ-Air。リージョナルジェットとして注目を集めた広島西―福島線が利用率低迷で廃止に。
 「視界不良」が続くADO。通常価格20,000円が事前購入割引(net24)で最大8,000円引きになっていたものが来年1月から3,000円までに割引率低減=値上げが実施される由。「搭乗率が好調な中で、(高割引率で)収支悪化の一因にもなった」(11/6 交通)。

 アメリカ同時テロの影響が続けば、航空需要の冷え込みがますます強まることになろう。企業体力の消耗戦となりつつある今、業界再編をも視界に入る事態を想定する必要があるのかもしれない。

〔業界再編〕JAL−JASが経営統合・・・業界再編へのスタート
 投稿者---とも氏(2001/11/11 13:40:54)
 
 http://town-m.vop.jp/
−「枠組」を占う
 └親子関係は維持?

 11/10の夕刊紙などで一部報道されていたJAL(日本航空)とJAS(日本エアシステム)の経営統合が本決まりになったようです。

日経新聞記事 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20011111CAHI034010.html

 この2社、すでに成田ーソウルでの共同運航や小松や岡山でのグランドハンドリングの提携、チェックイン機の共通化、保安施設の共通使用など地道な提携を進めていますから、案外と受け入れられやすいとは思うものの、大手3社のうちの2社の経営統合のインパクトは大きいですね。
 これにより、国内線のシェアをANA(ANK含む)と2分することになるだけではなく、国内線に強いネットワークをもち中国線の拡充が進むJASと、国際線ネットワークでは世界最大級であるJALとの経営統合はまさにお互いの弱点を補強するものであり、成田をハブにした国内−国際線接続運行などへの期待も膨らみます。
 実際、JASは国内線におけるノースウエスト・KLMとのコードシェアを着々と進めており、関空や新千歳を内外ハブにしての運行形態をすでに実践していますから、成田並行滑走路供用後の内外ハブ機能強化に大きなポイントになるでしょう。

 アメリカの同時多発テロ以降、アメリカ系各社やヨーロッパ系各社で始まっていた業界再編の波がついに日本にも及んだということでしょうか。これがさらにアライアンスの提携(DLとUAの提携など)に広がり、利用者にプラスになることを期待したいですね。

 これにより業界再編が進むのか。スカイネットアジアやレキオスなどの新興航空会社の動きとともに注目です。これらの2社は日系ではなく台湾や韓国に整備を依頼するという新たな手をつかっていますから、航空自由化次第でどう転ぶのか・・・

 乱文ですがご容赦を。
 ではでは。

「枠組」を占う
 投稿者---551planning(2001/11/10 01:20:40)

 JAL+JAS、経営統合…このニュースを最初に聞いたときは、「この時期か」というちょっとした驚きと、「やはり」という確かなる想いが交錯しました。JASには数年来身売り話が出ており、その主軸としてJALとの統合は以前から言われていた話であったからです。
 JASが東急グループであると聞くと意外に思われる方も多いでしょうが、グループ再建を急ぐ東急にとって、多額の負債を抱えるJASは最大といってもいい「重荷」になっていただけに、結局は落ち着くところに…ということだろうと解釈しています。JASの今期中間決算が良かったということと、米同時多発テロによる「風」がJAL首脳にも決断を促したということでしょう。

 日経報道では共同設立持ち株会社傘下に両社(グループ)が入る方向性、とのことですが、ここで両グループを改めて整理しておきましょう。最近は役割別分担が進んでいる両社ですが、パズルの組み直しは「日本の空」に新たな方向性を生み出してほしいという期待があります。

●JAL系

     
日本航空 JAL(JL) 国際線 国内幹線
日本アジア航空 JAA(EG) 国際線(台湾)  
ジャルウェイズ (JO) 国際線(ハワイ・グアム・サイパン)  
日本トランスオーシャン航空 JTA(NU)   沖縄準幹線
ジャルエクスプレス JEX(JC)   国内準幹線
ジェイ・エア J-air(XM)   国内コミューター線・リージョナルジェット
琉球エアコミューター RAC   沖縄コミューター線
       

●JAS系

     
日本エアシステム JAS(JD) 国際線(韓国・中国) 国内(準)幹線
ハーレクインエア HLQ 国際線(チャーター便) 国内準幹線
日本エアコミューター JAC(3X)   国内コミューター線
北海道エアコミューター HAC   北海道コミューター線

 JAL・JASともに国内路線でいえば自社が幹線メイン、準幹線をコストダウンの戦略子会社(JEX・HLQ)に移管を進め、コミューターも次世代の動向を伺う(J-Air・HAC)という特徴が見えてきます。無論ANA系もこうした構図はあるのですが。
 その意味では路線規模的な統合は一見簡単そうにも見えますが、HLQなど独自色を出していこうという「大手の枠」に留まらない施策を行っていた会社もあるだけに、すんなりゆくかどうか…。一方で国際線に関しては対アジア近距離路線と長距離路線という2種に大別できそうですが、政治色あるJAAをどうするのかということで旧JAL・旧JAS系という残り方もありえそう…。
 さらにはアライアンス加盟が焦点に。コードシェアでは北米路線でJAL-AA/JAS-NW、欧州路線でJAL-AF/JAS-KLという構図、さらにはJALがAA系「ワンワールド」・AF系「スカイチーム」とのねじれ関係があり、さらにJASが近い「ウイングス」が絡むとなると、そろそろ孤高を保ってきたJALがアライアンスの決断を迫られることになるのではと思います。

 両社とも労使関係が極めて良好、というわけではなく、強い統率力ある経営陣という姿でも捉えられないこと、さらには結局JALの「JAS救済」という側面が(市場的に)強く思われる以上は、今後の動向を注意深く見てゆく必要があろうとは思いますが、航空自由化をもってしても「無風」に近かった業界構造が一気に流動化したというこの事実は、利用者にどのような利害をもたらすのか、大いに期待感を持って迎えたいと思います。

親子関係は維持?
 投稿者---551planning(2001/11/13 00:38:00)

 両社統合が正式発表されました。今日の市場が好感を持って迎えたのが大きな要因にもなったのでしょうが、今朝のJAL NEWSではしらばっくれていたくせに、夕方には詳細がアップされているんですから、微妙な話とはいえゲンキンなものです。
 さて、統合は持株会社設立、事業別再編の2段階にて行われる由。事業別再編では国際線旅客会社(JAL承継)・国内線旅客会社(JAS承継)・貨物会社と関連事業会社に分けられることになります。これが本体だけなのか、さらにはそれぞれの子会社まで及ぶのかは文面からは判断できません。

JASサイト(こっちが見やすい) http://www.jas.co.jp/jasnews/press-01.htm
JALサイト 
http://www.news.jal.co.jp/JAL_NEWS.ns4/…

 ただ、夜のTVニュースショーでは一様に扱いが低かったですね。WBSでは結構触れるかなと思いきや、ほとんどがトピックス程度、唯一NEWS23でそこそこ(メガキャリアの紹介)の扱いでした。御時世とはいえ、ビックニュースだと思うんですが…。
 これにはまだ「眉唾物では?」という見方が少なからずあることが反映されているかもしれません。「弱者連合」との見方、労使間交渉、ANAとの関係性…難問はこれからだけに、「すでに春から話はあった」とはいえ「駆け込み統合」は自明の理であり、先行きが気掛かりなところです。

 話を戻して、それぞれの「親子関係」はどうなるのか…。戦略子会社・地域ローカルなど、その性格がさまざまな会社だけに、意外とそのまま存置されるのかもしれません。とはいえ、マイル精算等を考えてもあまりにごちゃごちゃしているのも何でしょうから、何らかの動きはありと思われますが、さほどないのかな?
 あとはADOが焦点になりそう。そろそろ単独での事業維持の行先を真剣に考えなければならないでしょうから、ビジネス面で付き合いのあるJALとの関係性が焦点になろうかと思います。

2004.11.14 Update


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