【検証:】羽田アクセス過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<羽田空港アクセスを考える>
(過去ログNo.403)
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羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて 【総論】  投稿者:551planning 投稿日00/11/04(土) 21:41

 久々の大型企画をお目にかけましょうか。忌憚なき批評をお待ちしております。
 なお、順次投稿致しますので、それぞれにコメントの程、宜しくお願い申し上げます。

羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて 目次
  【総論】
   @羽田国際化・再拡張はもはや「奔流」
   @軌道系アクセスの存在意義は
  【既存2路線評価】
   @東京モノレール編
   @京浜急行編
  【大胆新線予測】
   @東急〜京急連絡線
   @京急大師線延伸

@羽田国際化・再拡張はもはや「奔流」

 羽田空港国際線受入・首都圏第3空港議論の高まりにつれ、「羽田再拡張論」が俄然注目されてきた。常々「成田」の礎を無駄にしてはならない、といってきた当方ではあるものの、この潮流…奔流はもはや止められず、むしろ大所高所から見て「国益」により叶うと断言しても良いであろう。

 とすれば今後「ハネダ」の役割は現在よりも更に大きいものとなり、当然利用者数も増大するであろうことは明白である。
 羽田空港は都心に近いこともあってアクセスに占める軌道系交通の割合が日本でも最も高い空港ということができる。現在湾岸道路直結で自動車交通が劇的に便利になったというに、成田空港のように周辺に民間駐車場を整備する余地がない(厳密に言えばそうではないが…)こともあって、それが最近まで東京モノレールが独りで担ってきたものである事に驚かされる。「後参者」京浜急行電鉄が自らの売り込みに必死になるのも至極当然なほど、「羽田アクセス=東モノ」という図式は、羽田空港利用者だけでなく多くの日本人に浸透しきっている。

@軌道系アクセスの存在意義は

 ところで、昨年来羽田空港アクセスは高速バスがその存在意義を増してきている。湾岸道路〜首都高各方面の直通利便性追求と到着地における鉄道アクセス不便性を突くという、まさにバスの得意技が開花したカタチだが、各種レポートで論じている通り、目前に迫った需給調整規程撤廃による「自由化」ともいうべき状況の中で、新規参入組にオイシイ所だけ持っていかれんが為の「駆込み開設」ともいえる。
 しかしそれぞれの路線での利用者数は少数としても、「積もれば…」。それが何処からの転移であるかを考えれば、東モノ・京急両者ともその動向は無視し得ないものになってくるのではないだろうか。特にバス事業を兼ねる京急と違って東モノは路線1本で競うしかない点で危機感はより強かろう。
 2社共通の利点は「定時性」と「大量輸送」だ。最ラッシュ時である朝夕に限らず高速道路は渋滞が恐い。突発的な需要増にあくまで中量輸送システムのバスでは即応的な対処が難しい場合もある。加えて高速バス路線を見ると強気の運賃設定であるところも多い。「廉価性」とまではいかないが、運賃面での訴求力もなくはない。

 しかし、東モノにせよ京急にせよ、万人に便利というアクセス路線ではない。それは両者1私鉄路線としてしかその効果を持たないこと、首都圏最大の鉄道ネットワークであるJRとの接続点が浜松町・品川と、これまでは比較的地味に映る駅であったことが物語る。京急は都営線〜京成線等と相互直通運転しているとはいえ、悲しいかな路線的に「面的効果」を活かすことができないことは皆様にお分かり頂けよう。それが如実に現れているのが京葉地区であるが、これについては後述する。
 よって東モノはJRの「スイカ」参画をし、現在1面1線の浜松町大改良を計画、京急は「パスネット」導入を前倒しし、こちらも現在ネックとなっている京急蒲田駅の大改良で対横浜方面直通に執念を燃やしている。本来は悠長な事を言っていられないはずが、京急蒲田は都市計画の縛りを受けての「20年計画」、浜松町改良に至っては具体的な話が見えてきていない。

 ところで、両社とも「その先」をも見据えているのか、ということがなかなか見えてこない。勿論手近なところからこつこつと…というのが王道だろうが、長期的利用者減少傾向にある中で「羽田という泉」を持つ幸せを未来永劫?維持して行くには長期的展望を明確にしておく必要があるのではないだろうか。ということで、当方勝手ながらちとその世界を垣間見てみようか…。

羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて
 【既存2路線評価 東京モノレール編】
投稿者:551planning
投稿日00/11/04(土) 21:42

@小粒でもピリリと光れ!〜東京モノレール

 「寄らば大樹の陰」…「スイカ」参画によって、東モノはまさしくJRと蜜月関係に入る事となる。現在でも羽田空港駅で売れる切符がかなりの割合でJRとの連絡切符というから、その効果は言わずもがなだ。JRの懐に飛びこんだ才覚、当然といえ御見事ではないか。
 しかし、上下動、迷路の感すら漂う連絡通路構造…現状において浜松町乗換は必ずしもスムースとは言いがたい。浜松町大改良では建物自体の新築も言われているが、予定地は旧貨物線の上とも言われ、今度は新たな接続路線である都営大江戸線とますます離れてしまう。加えてJRにとって浜松町は「主要駅」とは言いがたい。東海道線はおろか、京浜東北線すら快速通過する駅である。東京の副都心である渋谷・新宿・池袋からは山手線の反対側、かの京急結節点・品川を通らねばならない。
 以前より当方が「浜松町に次ぐ拠点駅になる」と注目していた天王洲でのTWR(りんかい線)接続による対副都心および京葉・埼京線方面接続改善策だが、現時点で言われるところでは上下動や連絡通路が長いなど乗換はかなり不便という。
 東モノの広告戦略を見るに、いまだ「羽田アクセスはウチが一番!」的な自負が見え隠れする。確かに始発最終の急行便等の施策も目をひくが、それを使える利用者は少ない。価格訴求面でも先の値上げも浜松町―羽田空港間のみ据え置きという苦しい選択を強いられている状況、大々的にアピールしにくい。

 今後も東モノが羽田アクセスの主要交通機関として残ってゆく事は否定できないし、その存在価値が失われたわけではない。しかしながら、今みてきたように率直に言って展望は思わしくない。望まれる施策としては、とりあえず下記のようなところか。

  1. 浜松町駅の利便性向上…JRとの共同改札化(ラッチ内連絡化)
  2. 天王洲アイル駅の拠点駅化…TWRとの連絡性見直し
  3. 沿線ホテル等とのタイアップ…セット発売で利用者を掴む
  4. 速達化…昭和島待避・急行運転等

 JRとの「提携」も大きな武器だ。「スイカ」での連絡割引対応や始終発連絡等ダイヤ構成での連絡強化、いっそVIEWカード参入も面白かろう。しかし、「大樹の陰」になっていくだけではなるまい。京浜東北線快速の停車、TWRでの「スイカ」使用など、東モノが先頭に立って働きかけるべき事柄もある。
 先の沖縄サミット時の「G8列車」秘話として慣れない事に苦労した旨東モノ常務が記されていた(鉄道ピクトリアル2000年10月号p71「サミットトレイン顛末記」)が、たとえ小粒でも…いまこそその「発想力」が試されている。

羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて
 【既存2路線評価 京浜急行編】
 投稿者:551planning 投稿日00/11/04(土) 21:43
羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて【既存2路線評価 京浜急行編】
└Re:既存2路線評価 京浜急行編

@「二兎」を追えないか〜京浜急行

 悲願の羽田空港延伸からまもなく2周年。順調に利用者を伸ばすもあきたらず、京急は今日も宣伝に努めている。東モノが先んじていたJR通勤電車への広告掲出など、必死になって羽田は京急を印象付けている戦略は涙ぐましいほど。言葉を悪くすればなりふり構わずの感こそあれ、関東大手私鉄の中でも早々に利用者数減に転じていたのに歯止めが掛かったのだから当然というべきか。
  度重なるダイヤ改正で更なる利便性向上を図る姿勢も評価すべき、しかしながら本線系統の大改変ともあいまって「本線軽視か!」という利用者の声もある。「パスネット」参画乗り遅れ、その順調な浸透状況に慌てて対応前倒しという、致命的とも言うべき経営判断ミスも断じざるを得ない。

 「すべては京急蒲田大改良で」というのが本音だろう。空港線で必ず上下線クロスが入るという特異な配線構造も、すべては対横浜方面連絡強化のため…先述したように、品川および都営線以遠の「面的効果」が懐疑的である以上、現在自前バスで太いパイプが築かれている「横浜」という拠点輸送が大いに魅力的に映るのは致し方なかろう。
 といって品川を拠点とする対都心以遠方面をおろそかにしているわけではない。むしろ「品川」という「転がってきたビジネスチャンス」を見逃すテはなかろう。しかし明確なビジョンがありそうにも見えない。京急というカイシャの不思議なところだ。
 ナニが言いたいか…ヒコーキに乗ろうとしている、天候が悪くて欠航だ、新幹線が動いている…東京駅と羽田空港はずいぶん遠くに思えたものだが、東海道新幹線の品川新駅ができるのである。企業集積もすでに始まっている。今から5年前はすっからかんの空き地が今から5年後にはビルで埋め尽くされている「現実」があるのだ。新宿・渋谷・池袋…副都心発展に、そこに集う私鉄企業の「投資」を否定する事は野暮と言うもの。
 京急が投資をおろそかにしているというわけではない(もっとも、品川により投資しているのは西武かもしれないが)。ただ、蒲田が計画通りできあがれば、都営線が止まればすぐに電車が数珠繋ぎになりかねない現状、次のボトルネックは必ずや品川駅ということになる。品川駅の改良、加えて八ツ山橋をそろそろどうにかしないと、また駅を改良すれば今度は、どうせ上大岡で百貨店をやるならば…という事を含めて京急がどう考えているかを知りたいところである。

 いささか論がずれてしまった。話を変えると羽田空港駅のキャパシティも気になるところ。普段十分な安全側線を取る京急が羽田空港ではホームぎりぎりが行き止まりのため、到着までにずいぶんと速度規制がかかっている。奥に引上げ線があれば、運用面でも柔軟性が持てたかもしれないということもある。横浜・品川、双方の需要を満たす事ができるのか…。「二兎」ならぬ「ニ都」物語というべきか。一応望まれる施策を纏めておこう。

  1. 品川駅大改良…蒲田と同時か先取りして利便性向上を
  2. 「パスネット」ワーク活用…連絡割引切符対応を(東急・相鉄・営団含め)
  3. 空港線強化…羽田空港駅・京急蒲田駅引上線設置等線路容量をアップさせるべき
  4. バスとの棲み分け…共倒れしない慎重な路線展開を

*** 
 以上2社の動向を見てきたわけだが、率直に言って現状のスペックでの2社任せは先を見通せば必ずや限界が出てくる様に思われる。特に東モノの「モノレール構造の限界点」の見極めもそろそろ必要になってくるのではないか。それを見越してというわけではなかろうが、先の運政審答申等、羽田空港鉄道アクセスに関してはいろいろな新路線が取り沙汰されているが、以下それらについて考えてみたい。

Re:羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて【既存2路線評価 京浜急行編】
 brother-t氏の ホームページ 投稿日:00/11/07(火) 02:12

 こんばんわ〜、

・品川に関して
 僕もここは多分京急の21世紀を占う上での最重要地域といっても良い場所だと思います。
 というのは管理人さんは新幹線を中心に書いていますが、更には東北本線、高崎・常磐各線が乗りいれる事で中央本線を除くJRの主要幹線がほとんどそろう事になるわけです。その割には物販が京急ストアとウィングだけというのは多分現状の山手線のターミナルの中では1番発展性がある所なのでさすがにもったいない気がします。思いきった策が必要でしょうね。例えば八山橋立体化+現状のJRの上にホーム移設+2面4線化+跡地に京急百貨店建設+ウィングへの連絡歩道橋(上大岡の京急百貨店と三越を結ぶ歩道橋のような)といったところを基本に更に1階にバスターミナルを設置すれば形として面白くなるのではなかろうかと。あとポルタのような地下街も周辺ホテルと共同で作れば良いのではないかと思います。

・地下鉄〜京成グループ各線について
 管理人さんはあまり評価してないようですが、ただ気になるのは蒲田以南〜と地下鉄のつなぎの悪さで、例えば品川どまりの快特を泉岳寺まで延長すればこれに空港線内区間列車と組合せればもう1つの直通chが出来ます。確かに京急は頑張ってると思いますが、ただエア快の存在が実は見た目の利便性を小さく見せてる気がします。更に現状不便としか言いようのない京成(特に北総)へのつなぎを改善すれば、成田空港・幕張新都心・政令指定都市千葉市・そして東松戸連絡の武蔵野線、新鎌ヶ谷連絡の野田線・新京成線、そして都営線の東京乗り入れも考えると、これらの可能性はまだ切り開いて行けるのではないでしょうか、というよりバス路線を開設する前にやっておくべきことだったのではないでしょうか。

・横浜駅
 個々に関してはやはりもう設備的に限界で、今のホーム増設工事よりもむしろホームを地下にもぐらせてでも2面4線化(多分出来ないからああだとも思うのですが)するべきだったのではと思います。

 と毎回の事ながら乱筆乱文にて失礼します。

羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて
 【大胆新線予測 東急〜京急短絡線】
 投稿者:551planning 投稿日00/11/12(日) 23:17
羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて【大胆新線予測 東急〜京急短絡線】
└蒲蒲新線をLRTにしてみたら?
└Re:大胆新線予測 東急〜京急短絡線
 └鉄道復権の好機と捉えるべきケース
  └Re:鉄道復権の好機と捉えるべきケース
   └南武線直通も
   └エイトライナーへの先行投資と考えるべき
    └当方の「本命」はやはり…

@「利便性飛躍的向上」の虚実?

 先の運輸政策審議会18号答申にて、2015年までに整備着手が適当であると選定された(A2評価)、羽田空港アクセス新規路線の筆頭候補。
 東急蒲田手前で地下化、そのまま東進して京急蒲田直下に至り、大鳥居まで延びて京急空港線と「接続(乗換)する」路線。生まれ変わった目蒲線のうち「分離独立」という悲哀の多摩川線に直通、目黒線経由都営三田線・営団南北〜埼玉高速鉄道線方面に加え、同答申で挙がった東横線と営団13号線の直通化により、営団有楽町線〜西武池袋・東武東上両線まで直通電車を…という壮大な計画である。実現すれば東京三副都心はもとより埼玉方面と羽田空港との利便性は飛躍的に向上すること請け合いである。

 蒲田〜品川間の利用者を根こそぎ取られる可能性が高い京急にとっては飲みづらく、確実な需要が望める東急にはオイシイ提案といえそう。簡単に言えば東急蒲田―大鳥居間の新線建設だが、現実的にはハードルは決して低くない。
 当然東急側が大鳥居止まりということになれば効果は半減以下、なんとしてでも羽田まで直通を!ということになるだろう。まずこの時点で異軌間・車両長他種々の制約が生じる事になる。「3線レールにすれば…」等々云うは易し。例えば20m車10連で考えると京急羽田空港駅ホーム長を更に50m伸ばす必要がある。実は羽田空港駅は運輸省港湾局の建造。仮に現在工事を始めても、まさに造成中の東ターミナル直下を掘り進める必要があり、空港整備計画全体に与える影響は大きい。もともと軟弱地盤ゆえ改良や別線計画も長期間となることが予想される分即応的ではない。
 また、完成したとして経由路線が現状のままでは期待し得る利便性提供ができるかも悩ましいところ。蒲田・田園調布・渋谷…というような大胆な速達運転が可能かどうか、20m8連基準の改良含め、東横線の現状から推察するのは難しい。しかしそれくらいでなければ利用価値評価も疑わしいものになるとは云えまいか。さらに、乗入れる営団13号線も、羽田アクセスの「大票田」たるべき新宿が三丁目付近に駅設置と、乗換低減に資するものとは云い難かろう。埼玉方面からの対空港利便性向上の大義名分は速達性という観点で瓦解する危険性が多分にあるというのは言い過ぎだろうか…。

@現実味ちょい増した?「エイトライナー」

 論を広げて「エイトライナー」に関しても触れておこう。すでに御承知の方も多かろうが、東京23区のうち外縁各区が連携して導入を呼びかけている環状路線構想のうちの西側区間の愛称(仮称?)である。羽田空港から蒲田・田園調布・二子玉川・荻窪・光が丘等を経由して赤羽に至るルートが想定されている(なお、この先環7付近を経由して葛西臨海公園まで至るものが「メトロセブン」構想)。運政審答申では「区部周辺環状公共交通(仮称)」として今後の整備を検討すべき路線として言及しており(B評価)、うち田園調布〜羽田空港間については東急〜京急短絡線の整備状況を踏まえるものとされた(また構想そのものに関しては今後の輸送状況を踏まえた優先着工区間の決定をと進言)。
 「エイトライナー構想」そのものに関しては当方、個人的に懐疑論者であるが、この東急〜京急短絡線構想と石原都政が推し進めているロードプライジング政度の進展如何ではものになる可能性も否定できなくなったというべきか。現時点ではロードプライジング対象は長距離トラック等の都内通過交通が主眼となっているが、レジャー等の都内流入乗用車等も対象とする意思があれば、代替公共交通の充実は不可欠となる。現時点では環7以内をゾーン対象と考えている様で、それならば環7付近での環状公共交通網も考慮されてしかるべきだろう。
 では、「エイトライナー」が羽田空港アクセスを掲げ続けるならば、東急〜京急短絡線に準じる交通機関仕様でなければなるまい。独自仕様に拘ることはいたづらに避けるべきだろう。もしくは東京モノレール仕様か…それならば天空橋―田園調布間で2種の交通が並行することになる。この場合交差路線の多くが狭軌鉄道である事を考えれば、連絡線設置で大動脈となることは間違いなかろう。さりとて現実的に考えれば建設費・事業主体・採算性…不確定要素が大きすぎる「賭け」にすぎない。

@好機を逸する事勿れ

 求められる「期待」に対してはかなりの辛口となってしまうが、現実的に考えてゆくと妥当な評価ではなかろうか。下記のようなところが今後望まれるべき点と考える。
     1)飛躍的利便性向上への「期待」の慎重なる見極め
     2)東急線内の大規模改良…10両化、「特急」運転ができるか
     3)直通系統の取捨選択…バラエティに富んでも分かりづらければ意味なし
 もしこれが必要不可欠というのであれば2015年までに工事着手が望ましいなどと云わず、すぐにでも明確なビジョンを策定すべきである。可能性としては東急単独によるとりあえずの大鳥居延伸・乗換接続点整備だろうが、かつてほどの企業力を信じる時代でなくなった事が今や明白な中、東急単独での整備は難しかろうし、なにぶん京急が自己の蒲田改良に追われている上にこの案に乗り気でないことから、「すぐに」というのは酷かもしれない。

 そう…もはや鉄道新線整備は事業体だけの責任で行なう時代ではなくなっているのである。

蒲蒲新線をLRTにしてみたら?
 とも氏 投稿日:00/11/17(金) 23:47

 他の掲示板にしょっちゅう顔出ししている、ともです。

 羽田アクセスで書くかどうか悩んだんですが、大田区へのLRT導入案を都市交通デザインの方に書いてみました。
 内容は、東急〜京急短絡線(蒲蒲新線)をLRTにしてみたら?というものです。
 この管理人様ご提議の内容への一つの答えかもしれません。
 では。

【LRT】大田区への導入提案 ../citydesign/log211.html#2

Re:大胆新線予測 東急〜京急短絡線
 brother-t氏の ホームページ 投稿日:00/11/20(月) 02:23

 こんばんわ〜、エアポート快特のレポート見ました。それはまたの機会ということで

・多摩川線京急蒲田乗り入れ
 これに絞って論を書けば京急にとってむしろおいしいプロジェクトだと思います。というのは現状なんのつながりの無い多摩川・池上両線の客が京急をする可能性があると言う点で、運賃次第ですが少なくとも津田沼に置ける京成津田沼・新津田沼の関係が京急蒲田・蒲田という形で移ってくる可能性があるというのは現状4万人ほどの京急蒲田の乗客が倍に増えるかもしれないと考えれば京急蒲田〜品川の乗客の乗客が多少減っても天空橋〜羽田空港の特定運賃という事も踏まえて考えれば実害は0に近いのでは、そしてそれを踏まえてこの区間そのものに関しては京浜東北線の混雑緩和も踏まえて、やるべきでしょうね。

新津田沼・京成津田沼の関係について http://www.cost.ie.musashi-tech.ac.jp/cost/home/tr41.htm

・西武・東武〜13号線〜多摩川線〜羽田空港直通について
 これに関しては北総線の成田空港乗り入れ以上の無茶なプロジェクトでしょう。北総線の場合成田空港までの線路保有者が第3セクターでまだ話し合いの余地があるし、建設費もそれなりに押さえられて何とか採算の目処は立ちそうなものの、この場合は品川〜蒲田の乗客の減少を危惧する京急でかつ建設費も莫大になり、蒲田〜大鳥居で特定運賃になるだろうから、多摩川線・池上線の京急本線のフィーダー路線化という京急のおいしい目は大きく減るのでどうあがいたって話し合いにならないのは目に見えてる。しかも利便性向上を目指せば目指すほど大家の京急の顰蹙を買うという二律背信もある。と考えると作らない方が良い、という結論になる。が、200〜300万人クラスのメガターミナル(新宿は新宿3丁目だが)3つとの直通、やったら大きいし、ダイヤ的には現状の東急急行でも立派な効果はあるとは思う。やはり直通で時間が読める効果は案外大きいと思います。
 しかし建設費と巨額の建設費をかけて空港乗り入れを行った京急のこと、そして羽田空港そのものの需要を考えると厳しいといえる。その辺の覚悟・予測・計画がきっちりしてない限りやるべきではないでしょうね。現段階では乗換え抵抗の低減に最大限気を使いつつ京急蒲田乗り入れというのが最適解の様な気がします。

鉄道復権の好機と捉えるべきケース
 エル・アルコン氏の ホームページ 投稿日:00/11/20(月) 20:15

 羽田の軌道系アクセスが両方とも「単線区間」というネックを抱えており、しかも当面改良されるあてが無いということは、何か暗示的です(京急蒲田の連立も、20年がかりですから...) 。

 さて、東急多摩川線と京急空港線の直通化については、ほとんどの方が否定的なんですが、私は軌道系によるネットワークを最大限に活かせる典型的なケースであり、これを鉄道復権の好機と捉えるべきと考えます。

●ネットワークの広がり
 埼玉県全域に空港直通列車を走らせることが可能になります。
 13号線を介して西武池袋線、東武東上線。南北線を介して埼玉高速鉄道。日比谷線を介して東武伊勢崎線に直通でき、さらに都営三田線にも直通できます。
 東京都北部や三多摩地域を含めると、かなり大きな市場です。

 リムジンバスがなぜ好調かを考えると、乗り換えなしという「連続性」を重視するニーズを捉えきったことにあります。浜松町や品川で乗り換えれば速くて安いと分っていてもリムジンに流れるのは、楽であり、かつ乗れば確実に地元に到着するという面が大きいです。

 その意味で、迂回ルート(実際には蒲田−渋谷間ではさほど迂回していない)であったとしても、直通で地元の駅まで行けるということは、乗客への訴求力が大きいです。

●軌間の問題
 言うまでも無い問題ですが、標準軌の京急へはそのまま乗り入れできません。
 手法としては、フリーゲージ専用車の投入、京急線の三線軌化の二つがあります。前者のコスト問題も、それなりの頻度を確保する前提であれば、相当な編成数を確保する必要があるので、トータルコストは下げられます。後者も、18m車でないとクリア出来ない曲線や勾配屈曲は見当たらず、構内有効長をどう確保するかという問題に帰結します。

●問題はまだあるが
 目黒線から南北線、三田線に乗り入れるためにはホームドアに対応するため20m4扉車が条件です。
 一方、日比谷線は18m車であり、2種類の車両が必要になります。
 編成については南北線、三田線にそろえると6連、そうでなければ10連です。日比谷線は8連ですね。

 羽田空港駅の問題ですが、東ターミナルが「建設中」の今だからこそ出来るプランであり、完成後ではもう半永久的に無理でしょう。
 有料列車として20m車6連で乗り入れるというのであれば可能ですが、特別な列車よりもいつもの電車が自然に乗り入れる形態のほうが、使い勝手がいいでしょう。
 国内線は、もう特別な乗り物というわけではないでしょうし。

●果実の帰属
 蒲田−京急蒲田−大鳥居間の建設主体と運営方法の問題です。
 京急蒲田−大鳥居で、高架線の京急と、地下線の東急(もしくは三セク)の運賃体系を分けることは、京都市と京阪の御陵−山科間のような混乱を招くので、一本化が適切です。京急蒲田−羽田空港間は京急の料金体系のままとし、京急の収益とする。京急蒲田−蒲田間は東急(もしくは三セク)の料金体系とするというのが妥当なところでしょう。
 ちなみに京急蒲田−大鳥居間の収益配賦を経由路線によって分けることの弊害ですが、羽田空港−大鳥居と羽田空港−京急蒲田の運賃差30円が減収分であり、直通化で利用が1割増えると考えればいいのです(蒲田まで330円、大鳥居まで300円) 。

 とはいえ、巨額の建設費をどう負担するか。本来なら国策の部分ですが...

Re:鉄道復権の好機と捉えるべきケース
 brother-t氏の ホームページ 投稿日:00/11/22(水) 00:02

 こんばんわ〜、こことは直接関係ないのですが、13号線+東部方面線で新幹線アクセス路線@新横浜が出来るのですがあまり語られて無い様な気がします。なぜでしょうか?

●ネットワークの広がり
 密かに思うのですが、曲がりなりにも羽田空港直通列車が40分に2本走る京成本線や北総公団線ってどの程度羽田空港アクセス路線として利用されてるのでしょうか?特別リポートNo.018で見る限り直行列車がある地区でもリムジンバスが好調で、?特別リポートNo.020で見るように羽田空港行き特急の青砥での大量乗換えが出るのが気にかかるところです。ただ渋谷や新宿(3丁目とは言え)・池袋に羽田空港方面○○線と案内(また逆もしかり)があったら、ものすごいPRになるとは思いますが。

●軌間の問題 ●問題はまだあるが
 乗り入れをやるとしたらやっぱり専用列車よりも乗り入れの1系統としての方が良いですね、と考えるとフリーゲージトレイン よりも専用線路の施設といった形のほうが良いと思います。そして乗り入れ系統に関しては13号ルートの東上線・池袋線を最優先に、目黒線ルートは三田線が三田で連絡することを考えて優先順位は低く考えておくのが良いと思います。構内延長はもし工事するなら京急の12両編成対応216mがどんな形にも対応出来て良いと思います。

●果実の帰属
  結極1番大きな問題はこれで、果実と手間の分担です。実際乗客が多く首都を走るので勘違いされることも多いのですが、この路線は結局東京都・埼玉県と空港を結ぶローカルルートで、もともと京急空港線、モノレール線があり、東北地方のハブ空港化という命題を背負う可能性のある仙台空港線が地元の負担で作られるからにはエル・アルコンさんのおっしゃるような国策といえるものではない、というのが私見ではあるのですが、東京および首都圏の都市整備という点から考えると、第3セクターが建設主体となり、地下鉄補助くらいの補助体制は作っておくべきでしょう。その上で全路線の運営主体は京急とし、蒲田乗換え本線方面はそのまま、空港方面は割増運賃とするといった形にするのが良いと思います。
 建設費に関しては上でも書いた通り基本的には国がお金を出すような問題では無いと思います。がやはり自治体に財源が無いことと東京都、埼玉県と2都県に受益が分かれるのでその調整の意味合いもかねて地下鉄補助程度の負担はするべきだと思います。ただ現状の京急羽田空港の乗降客数から考えてそれで採算が取れるかどうかは微妙な所といったところでしょうか。

津田沼線開業で直行バスますます充実!京葉地区⇔羽田空港 ../report/014.html
満2歳…エアポート快特の現実を見る 
../report/016.html

南武線直通も
 
矢切氏の ホームページ 投稿日:00/11/23(木) 01:29

 東急多摩川線方面に直通するなら、相手は13号線が良いでしょう。日比谷線直通では浅草線と交わるので受益者は自由が丘周辺の人に限られメリット少。南北線・三田線直通では直通先の需要総数に疑問があります。新宿の位置が悪いものの渋谷と池袋を通り西武と東武東上線に直通できる13号は美味しい路線。この場合、東急に合わせた18m8連か13号線に合わせた20m7連。エイトライナーにすると中央線連絡が荻窪で便利ですが京王は八幡山・小田急は近くに駅がなくいまいち。

 東急直通でなくなりますが、南武線も放射状各路線との乗り継ぎが良いので検討して良いと思います。20m車7連で。JR川崎から六郷土手付近まで短い新線建設、蒲田駅改良後ならここから直通できます。京急としては羽田駅の容量が小さいので、京急蒲田を通らない列車ができるは嫌でしょう。この案なら全列車京急蒲田経由です。さらに府中本町から武蔵野線にまわすことも可能でしょう。

 川崎縦貫鉄道直通では中央線や京王本線までつながらないので集客力が弱いと思います。

エイトライナーへの先行投資と考えるべき
 とも氏 投稿日:00/11/23(木) 14:20

 ともです。
 京急の羽田関係が盛んですね。僕も参戦します。

 読ませていただいて感じたことは、やはり多くの方が新宿/池袋から羽田へのアクセスは重要と言う観点を持っていることでしょうか。そのような前提において果たして京急空港線と東急多摩川線を直通させる必要はあるのでしょうか。

 運輸省は運政審答申のなかで、需要動向を見極めた上で検討する区間にTWRの天王洲〜大井〜羽田空港を加えています。これはまさしく埼京線経由での対新宿、池袋の本命となるべきものであり、13号線から東横、多摩川、京急ルートはそれまでのつなぎ的な発想なのでしょう。
 羽田空港は需要はあるものの、方向が分散していますから軌道系アクセスとしては対都心もしくは交通結節点というもの意外の成立は厳しいでしょう。
 TWR経由はそう言う意味で可能性はあります。埼京線への直通により新宿、池袋、大宮へ、京葉線への直通により幕張、千葉、そして京葉総武連絡線経由での成田空港アクセスも可能です。
 建設費も用地費がほぼ0で済みますし、湾岸道路の下をシールドトンネルで進めばそれほど困難なく施工可能でしょう。
 そう考えれば、蒲田短絡線の用地費ばかりの膨大な事業費にくらべれば費用対効果は大きいかもしれません。

 とすると京急蒲田〜東急蒲田間の短絡線は無駄な投資ととられてもおかしくはありません。そういう意味では、この短絡線は将来のエイトライナーへの先行投資と考えるべきでしょう(もちろん運輸省はそんなことは言っていませんが) 。

 このようなものがあったので、僕が別項目で提案したものがLRTなのですが...

【LRT】大田区への導入提案 ../citydesign/log211.html#2

 ぐちゃぐちゃ書いちゃいましたがまずはこんなとこで。

 ちなみに、京急蒲田の改良は20年後と言われてますが、実際には2000年から着手したとして、空港線単線と本線下りの高架化が2008年(H20)(この時点で空港線は複線化)、残りの空港線単線と本線上りの高架化は2012年(H24)ですから、運行上、京急蒲田の単線制約による制限はあと8年ということになるようです。20年後は全線(平和島〜六郷土手)の高架化の完成予定です。(「東京都市計画高速鉄道京浜急行電鉄本線(平和島六郷土手間)、京浜急行電鉄空港線(京急蒲田大鳥居間)建設事業 環境影響評価書 平成11年 東京都」より)

当方の「本命」はやはり…
 551planning 投稿日:00/11/25(土) 02:06

 この1週間バタついていまして…気付くと盛り上がって増したねぇ。とりあえずピンポイントに。

 まずはとも様が提案されている大田区LRT論はこちらにて。空港アクセスとは別儀に考えたい内容ですね。なお、当方はエイトライナー含め、東モノ規格で事業化するほうが無難と考えますが…。

【LRT】大田区への導入提案 ../citydesign/log211.html#2

●財源論と運賃論
 成田の悪夢がどうしても頭に過ぎりますが、羽田空港アクセスは事業者・自治体のみならず国策と考えるべきでしょう。
 蒲田―京急蒲田(大鳥居)間の運賃をどうするかですが、2社間でそんなに差を設けるわけにも行かず、かといってJR線からの流入が容易になることは横浜・川崎地区からの京急利用を削ぐ可能性もある事を考えれば難しいところですね。京急には大人の対応を…ということなんでしょうが、そもそもこの話がユメのまた夢なんでいやはや…。
●南武線接続&TWR
 これは【総論】で書いた通り、京急大師線延伸案および「りんかい線」活用案のところで触れたいと思います。鋭意執筆中ですので乞う御期待?
 最初にネタ晴らししておきますと、既に直行バス津田沼線の折に軽く触れましたが、当方の「本命」はやはりTWR延伸です。対埼玉利便性云々が云われる京急〜東急連絡線と比べ、JRと結ばれる事が決定的に違いますね。対埼玉はおろか、千葉や北関東も一気に視野に入ってくるのはなんとも魅力的ではないでしょうか。

羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて
 【大胆新線予測 京急大師線延伸案】
 投稿者:551planning 投稿日00/11/26(日) 23:11
羽田空港鉄道アクセスの「本命」を求めて【大胆新線予測 京急大師線延伸案】
└大師線よりも新幹線
 └Re:大師線よりも新幹線
  └Re:大師線よりも新幹線
└Re:京急大師線延伸案

@神奈川県東部からのアクセスが飛躍的向上へ

川崎方面からの、また運政審答申でA1評価=早急な建設が示唆された川崎縦貫鉄道(新百合ヶ丘〜元住吉〜川崎)との連絡による多摩地域とのアクセス線として論じられる事が多い。かつては二俣川からの神奈川東部方面線とのセットでもウワサされていた。しかしそのどれもが具体化しているわけではない。

現在京急大師線は川崎市都市計画に基く、ほぼ全線の地下化が計画されている。これによると川崎駅は本線から独立化して現市役所通り付近に設置され(現在京急川崎駅南東側の空き区画が事業用地)、市役所通りをしばし直進後川崎競馬場下を通りR409直下に整備される高速道=川崎縦貫道路に並行し、川崎大師駅付近から現路線直下を進んで終点・小島新田近くで地上に出る予定。なお京急本線とは現状の品川方面からの連絡線が地下化されてつながる予定、よって軌間も標準軌が予定されている。ただし、川崎縦貫鉄道との直通が具現化すれば狭軌採用もということになるだろうか(蛇足ながら、大師線はかつて貨物需要から一部3線レール化されている)。
 小島新田のすぐ目の前にはJR川崎貨物ターミナルが広がっており、そこを走る東海道貨物線は多摩川を潜り、天空橋駅付近を掠めて大井の東京貨物Tへ向かう。つまりは短絡線建設によって天空橋接続で、もしくはそちらでも短絡線を作っての直通化は不可能ではないともいえるが、貨物線旅客化については別項で詳述しよう。

@京急主体の路線だが…

 ここでは小島新田以遠新線建設を考えてみよう。やはり地下シールドトンネルで多摩川河口を潜り、空港島旧ターミナル(現在羽田東急Hや日航オペレーションセンターが残存)付近で京急空港線へ連絡するのが最短かつ効果的なものと考える。旧ターミナル地区では大規模再開発構想があり、京急・東モノの新駅設置も期待されているという。であれば、現空港線および「大師新線」を包括する2面4線の拠点駅を設けるのが適当か。これによって1面2線と手狭な羽田空港駅の補完的役割をも担える事になり、京急としては申し分なかろう。
 川崎駅での京急本線との接続は品川方が予定されているが、当然横浜方との連絡を考慮しなければならない。川崎地下駅から南西方向に進路を取り、―尻手―鶴見―生麦で地上に出るのが素直なルート取りか。

 …しかし、そこまでして造る意義はこれだけでは見えてこない。実際京急も京急蒲田駅付近大改良によるスイッチバック方式での空港直通化を明言しており、大師線改良は川崎市の都市計画以上の何物でもないというスタンスのようだ。
 とすれば、この路線の活用を見出すには川崎縦貫鉄道の行方が非常に気になってくるということになる。

@川崎市の「意地」…縦貫鉄道の現実度
 
 川崎縦貫鉄道の建設自体には議論があるところだろう。武蔵野貨物線の旅客化も云われていたが、運政審答申後は完全新線化の方向で話が進みつつある。とはいえ、南武線が完全平行しており、また経由地としても東横線では元住吉ということで、折角隣の武蔵小杉が結節点として発展しつつあるだけに、この区間で2路線も必要かどうか疑問視する声も多い。
  ともあれ、これができて大師線と直通ということになれば、新百合ヶ丘から小田急多摩線を経て多摩センター方面までという「大票田」をバックに羽田直通という声が高まる事は間違いない。大師線改良は川崎縦貫鉄道次第で大きくそのあり方を変えてくるのだ。

 客観的に見て「大師線改良」は、京急川崎駅近くと川崎大師駅付近でのR409との交点、産業道路駅横の産業道路との交点の都合3ヵ所をクリアすればいいとも思える。京急空港線大鳥居駅付近の環八との交点は地下化でこれをクリアしているので、それぞれの場所での立体化で良さそうなのだが、実は大師線立体化とセットで首都高浮島JCTと東名方面を結ぶ高速道路=川崎縦貫道の建設が進められるために、これだけ大袈裟な話になったともいえよう。2つの縦貫ルート…縦貫鉄道と縦貫道は東西に細長い川崎市にとって京浜間の「通過点」に過ぎない同市の悲願というべきもの、そう易々と引き下がれるものでなくなりつつあるのである。

***
 現実的な投資効果は疑問的である。素直に考えれば標準軌の京急としては蒲田接続の強化を考えようし、川崎縦貫鉄道も武蔵野貨物線の旅客化を考慮すれば東海道貨物線とのリンクによる空港輸送は無理ではない。
 しかしながら、である。川崎・新百合ヶ丘・多摩センター・立川…現在空港直行バスで結ばれている各地、しかも需要をキープしている事を考えれば、単なる直行潜在需要は纏まった数字として捉える事は可能であり、各線とのフィーダー的役割を評価すれば現実感がなさ過ぎるという評は当てはまらなくなりそうだ。
 いずれにせよ、空港アクセスの機能としては長期的視野を持って考慮しても遅くはない、「将来有望株」といえるだろうか…。

大師線よりも新幹線
 
青野邑咲氏 投稿日:00/11/28(火) 21:43

 京急線大師線延長問題について読ませていただきました。大師線にはいろいろな将来構想があり夢がある反面、川崎縦貫鉄道など、乗り入れ計画があり大変なことが行われる可能性をひめているようです。
 まず、京急大師線に川崎縦貫鉄道を乗り入れ計画ですが、これは京急があまり乗る気がないから難しいと言えます。理由は大師線は京急発祥の路線でそう簡単には手渡す気がないと言われているからです。このため、他社の鉄道にも乗り入れもする気はないと考えられます。
 羽田空港アクセスは、とりあえず京急羽田空港線と東京モノレールで良いのではないかと思います。大師線を空港線と直通も面白いですが、羽田空港は埋め立て地で工事がかなり難航することが予想されます。川崎縦貫鉄道はやめて、武蔵野南線を旅客化して東京臨海副都心線とつなげて大環状線のほうがなにかと都合がよいのでは、と考えています。そして天空橋付近に駅を設置して各線と連絡でよいでしょう。それでも、羽田空港を滑走路増強により国際便が多くなると羽田空港線と東京モノレールだけでは輸送力不足になります。

 そこで自分は考えました。現在浜松町から東京貨物ターミナルに向かう貨物線がありますが、あの路線を東京貨物ターミナルから羽田空港に延長したらどうでしょうか。浜松町から新幹線の車庫線が分岐するところまで単線ですが、上下線の一本を地下に潜らせて浜松町手前で地上に出るようにします。勾配がきついかもしれませんが、なんとか可能でしょう。途中で先ほどの大環状線と連絡して、羽田空港に向かいます。できればJRに運行してもらいたいものです。
 さらに、もっとすごい案を提案したいと思います。それは、新幹線の車庫線から羽田空港まで延長するのです。地図でみると新幹線の大井にある車庫から羽田空港までほんのわずかです。JR東海は、嫌がると考えられるので難しいかもしれませんが、東京駅からノンストップで羽田空港に行くことができるので、面白いでしょう。もし、実現になれば、とりあえず回送列車を流用案ということが現実的かもしれませんが、名古屋方面から来るこだまの乗り入れも悪くない選択と思います。東京駅から羽田空港まで20分の所要時間となれば、運賃が高くても乗ってくれるでしょう。ただし、東京駅を上手く使わないと混乱するので、この辺りの工夫が必要になります。運賃はタクシーより少し安い料金が理想です。
 新幹線車庫線を羽田アクセスに使うには、東海道新幹線品川駅が開業後でしょう。こうすればすこしはそちらに乗客が流れて少しは可能性が見えるかもしれません。
 東海道新幹線車庫線を羽田空港延長案は、かなり無理があると思いますが、みなさんはどう考えていますか。

Re:大師線よりも新幹線
 
551planning 投稿日:00/11/28(火) 23:55

 青野邑咲様、毎度御来場有難うございます。
 御願いですが、できるだけメールアドレス開示にて…なお、不定期に(無)551ぷらんにんぐからの各種情報メールを御覧の皆様にお送りしております。
 
@新幹線延長案
 あっ…ネタ取られた!
 津田沼線ルポの際にも触れましたが、当連作拙文の最後を飾る「りんかい線活用案」で【ウルトラC】として大々的に取り上げようと思っていたんです…。
 なお、貨物線延伸案は先の運政審答申にも盛り込まれましたね。

津田沼線開業で直行バスますます充実!京葉地区⇔羽田空港 ../report/014.html

Re:大師線よりも新幹線
 青野邑咲氏 投稿日:00/11/29(水) 23:08

 管理人さんの文章を読ませていただきました。メールアドレスのことについてですが、別に隠していることではなく公開しても誰からもメールが来るわけでもないので、メールを書きませんでした。それに、打ち込むのも面倒という理由もあります。今後は、メールアドレスを書くときと書かない場合があるのでよろしくお願いします。

 ところで、新幹線大井回送線延長についてですが、この話は誰でも考えるので気にしないでください。大井回送線を羽田空港延長はかなり難しいでしょうね。まずJR東海は、理解してくれないでしょうし、今から羽田空港に乗り入れとなると、かなり地中深くに駅を建設しなくてはならず、技術的に建設は可能としても、羽田空港での乗り換えがとても面倒で誰も利用したがらない鉄道になってしまう可能性もあります。いまでも京急羽田空港駅をみてもわかりますが、空港内の移動が不便なところにあるため、利用者も今ひとつのようです。
 それに、浅草線東京駅乗り入れが具体化している以上、あえて無理して乗り入れる理由を見つけるのも苦労するのではないかと思います。
 でも、自分としては東北新幹線などをそのまま羽田空港乗り入れが実現できれば、とてもすばらしいと考えています。一時間に三本程度で、東京駅から羽田空港まで1,000円程度にして、所要時間10分、そして、グリーン車も同じ料金で開放してくれればもっとよいですが、これは贅沢でしょうか。列車名は「エアポートのぞみ」ですね。
 博多にある車庫線を旅客化した例もあるし、上越新幹線新潟空港乗り入れ計画もありますが、日本初の新幹線空港乗り入れを実現できたらよいですね。
 管理人さんは、新幹線羽田空港乗り入れが実現できたら、乗りに行きますか。

Re:京急大師線延伸案
 
有高 ケン氏の ホームページ 投稿日:00/12/03(日) 02:40

 良く出る話ではありますが,現実的に考えれば投資効果に疑問符がつけてしまいます。どこに疑問符をつけるかとゆうと,ほとんど全区間なんですが,川崎縦貫自体,ほんとに投資する価値があるか疑問で少なくても大型車を投入する需要はないように思います。まあ川崎縦貫の話は別にしておくにして,大師線延伸ですが,これも需要に疑問があります。羽田が拡張されて現行よりも需要が増大するのなら話は別ですが,そことセットしない限り絶対量において現行以上に羽田アクセス路線を増やす必要はないと思います。すると大師線延長案はちょっと厳しいかなと思う次第です。
 あと川崎縦貫沿線からの需要ですが,川崎縦貫線自体が南武線と同様にクロスする各線への連絡路線として機能することがメインであり,羽田までの需要は絶対量的に経営が成り立つほどではないと考えて良いと思います。確かに川崎縦貫の沿線から空港直通バスが運行されてますが,バスだから可能という程度の需要に過ぎません。私は多摩センター住民なので毎日直通バスの様子を見てますが,一部時間帯以外は空席があります。他の地区はわかりませんが,それほど差異はないんじゃないかなと思います。クロスする各線からの需要に関してもクロスする箇所の問題と対羽田需要そのものに対する問題からどうかなと思います。
 色々書いてきましたが,まとめれば羽田に対する需要が一定である以上,大師線を延伸するほどの価値はないと思います。

2005.01.20Update


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