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(過去ログNo.)

「試された大地」…AIR DO 5年間の葛藤

投稿者---551planning(2002/02/17 16:39:57)

北海道国際航空(AIR DO)基本方針

  1. 安全運航、定時運航
    就航以来一貫した高い就航率と定時出発率を今後とも堅持し、路線の状況を知り尽くした専用線ならではの「世界一安全な航空会社」の地位を不動のものとします。
  2. ロープライスリーダー
    エア・ドゥ創業の理念である、割安な航空運賃の提供を基本に、ロープライスリーダーとしての役割を果たしていきます。
  3. 北海道の翼
    北海道に根を張り、愛され支持される企業となるため、北海道とともに歩んでまいります。北海道の翼として、真心のこもったサービスを提供します。 エア・ドゥは、ご搭乗いただいたときから北海道です。 エア・ドゥは、北海道の空飛ぶ広告塔になります。
  4. 競争力あるエアラインへの脱皮
    首都圏での販売拠点の整備や新予約システムの導入など営業力の強化とともに、地上支援業務(グランドハンドリング)や 機体整備の自営化など大幅なコスト削減をすすめ、高収益・低コストへの体質へと構造改革をはかり、競争力あるエアラインへ脱皮し、経営を安定させて自立を図ります。
 

4.は2001/06の新経営改善計画時に付け加えられたものである。同年1月策定の中期経営改善計画が瓦解、抜本的に見直さざるを得なくなった同計画で改めて、「北海道の翼」として自立を目指すという意気込みが伝わってくる。5カ年計画で収支均衡・経営安定化を目標に掲げ、道内路線との連携や海外エアラインを含む他社との連携、3号機導入と新路線開設や国際チャーター便参入などを将来展望に見据えたものであった。
しかし9/11の米同時多発テロ以降の世界的な航空不安、JAL-JAS連合(日本航空システム)の誕生という航空界の激変の影響を受けつつ、自社体力は落ち込みを続け、11月には抜本的な運賃体系の見直し(=2.のロープライスリーダー理念の実質的撤回)を表明せざるを得なくなった。さらに新千歳空港利用料の未払、度重なる道庁への支援要請という事態を迎え、ついに2002年2月、国内大手との提携(傘下入り)を模索する旨の方針が固められたとの具体的報道がなされるに至った(02/02/15付北海道新聞他)。

  • 参考 2002/02現在 東京(羽田)-札幌(新千歳)間就航便数(最大)
       ANA 28便  JAL 28便  JAS 24便  ADO 12便

どうせなら折角確保した世界最大級の需要を誇る発着枠を「商売」することで最後の大勝負をしてもらいたいと思ってしまうが、道新記事では機体整備委託先のJALがJASと「日本航空ジャパン」への統合を控えていることもあり、ANAが有力視されているとしており、まさに政治的なスキームであることを伺わせるものであり、傘下入りの方針が早くから決められていたとも推測される。

ADOは道財界主導により1996/11設立、1998/12/20就航、航空業界規制緩和の旗手として先発のスカイマーーク(SKY)とともに注目を集め、その低価格運賃戦略は大手3社の収益構造を変革させるという大きな成果をもたらすこととなったが、それは自らの脆弱な体力に跳ね返ってくるという結果をも生むこととなった。さらにADO設立の立役者であり、「北海道の翼」たる信念を推し進めた実質創業者の濱田輝夫氏(当時社長)が2000/07に急逝、以後会社経営自体が非常に不安定になってゆく。
象徴的ともいえる事例は2000/12の「喫煙席導入」。国内線完全禁煙化の流れの中で当方はある意味面白い施策と思ったものの利用者の賛同を得るには程遠く、たった3ヶ月で撤回するに至ったのである。打ち出す施策ごとに成果が上がらず、社気が揚がらない中で01年2月にようやく社長に道庁出身の石子彭培氏を迎え、以後「道管理」色が強まってゆく。

当方は就航当初、その経営理念を「利用者主体交通」への胎動と評価しつつ、ドル箱路線東京-札幌線だけでなく、道内コミューター会社を含めた道主導の広域交通航空会社への飛躍を期待、「喫煙席導入」時には大手傘下をも模索すべきとしつつ、大手の垣根を越えた道内航空会社再編の可能性をも探ってきた。その意味では今回のADOの方針転換をある意味当然の流れとして受け止めつつ、やはり道民感情を思えば多額の血税を投入しての結果としては納得できかねるところもある。
手早く新千歳-伊丹-福岡線を手掛け、それは失敗したものの東京-鹿児島線参入が秒読み、企業としても収支均衡が視界に入ってきたSKYは対照的に移るが、新規参入社の動向を見れば、創業者の信念と資金力こそが必要だったとの結論は容易い。しかしながらJAL-JAS連合、FairとNALのANA提携などが象徴する業界動向の収斂性を思えば、SKYの動向も安定かと言い切れない微妙さを持っている。さらに宮崎ベースのスカイネットアジア航空、東京-那覇線参入を狙うレキオン航空などへの影響も否定できなかろう。それだけADOの方針転換は意味を持つものであると考える。

「試された大地」、北海道。ADO葛藤の5年間が残した代償は大きいか小さいか…道政治経済界が背負わされた十字架の重みはまだ見えない。

Re:「試された大地」…AIR DO 5年間の葛藤

投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/17 23:25:37)
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

AIR DOの「歴史」が何を物語るか、そして何を学ぶか。
結局、米国航空業界で起きた規制緩和から再寡占へのムーブメントが周回遅れで我が国でも起きた。つまり、いわゆる「規制緩和」が大手の寡占をもたらすという、当初の美辞麗句の全く逆を招くということが、米国の固有事情ではなく、一般則であるということを証明したことに他なりません。

もっとも、米国の場合はパンナムのように生け贄になった企業があり、まがいなりにも大手の間での再編はありましたが、我が国では大手の競争力を縛ってはおらず、いとも簡単に米国に「追いついた」ようです。

低価格競争もあくまで競争下での話であり、独占(異種交通機関の存在はトリガーにならないようだ)体制であれば、ウソのように高い運賃が温存されている現実はなかなか表沙汰になりません。

本来事業者ではなく利用者の便益を建前に進められてきた規制緩和ですが、そろそろ総括をするべき時期に来ているようです。

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米国におけるSouthwestの評価・・日本の航空市場が小さすぎるだけでは?

投稿者---樫通氏(2002/02/18 11:48:50)

★米国も現在寡占に向いつつある事は確かですが、勝ち組の中に1971年創業のSouthwestがある点は特記されるべきでしょう。すなわち従前の寡占メンバーとは異質のプレーヤーが生き残っている点です。
おそらくAir DoやSkymarkもSouthwestを1つの成功例として掲げていたとは思います。にもかかわらずなにゆえ日本ではできなかったか、という点の分析抜きに、規制緩和の失敗例という結論を導く事はやや早計に感じます。

★個人的には東京=千歳でさえ既存エアラインとの体力勝負があったことに加え、道内路線に進出しようにも鉄道や高速道路との競合が可能な程度の航空市場であった点が失敗の主因と考えます。
Southwestとの比較では、こちらはADOの東京=千歳にあたるような「軸」を複数抱える事が出来た点がまず異なり、さらには空港発着枠に参入余地があった点、発着料負担が小さい為合理化効果の対運賃に占める割合が大きく、割安感を大きく与えられた、という理由が思いつきます。

★これらを総じて見るに、日本の航空市場の小ささゆえに、決着がとっととついてしまった、と言えるかと思います。一方で現在の航空運賃低下の引き金がSKY・ADO参入であったことも言えるかと思いますので、必ずしも規制緩和の失敗例にはならないかと思います。あえて言えば、規制緩和が必ずしも新規参入者への置き換えになるわけではない事を証明した事例になるかと思います。

ニッチ

投稿者---和寒氏(2002/02/18 18:33:08)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

ADOにしてもSKYにしても、既存繁忙区間においてニッチを狙ったという面があります。会社の存在そのものがニッチとみなすことが可能です。ところが、既存エアも同様にそのニッチを追求してきたため、存在意義が薄れたというところでしょうか(ユニクロ対既存アパレルの構図がこれに近い)。
両者とも(特に前者)、会社経営として成功しているとは到底いえません。しかし、規制緩和の評価については、まだまだ長い目で見る必要があります(私自身はネガティブに見ているが、現段階ではそのように評価を下すのは尚早か)。

また、需要を喚起するという観点からは、運賃値下げが必ずしもアドバンテージではないことを証明した観があります。やはり、一定の運行本数がないと、利用者の「食いつき」が違うようです。
してみると、東北上越新幹線でやっていた(今もやっているか?)、閑散時間帯列車の割引が、方向性としては正しいように思います。ADOにしてもSKYにしても、繁忙時間帯の割引を、新会社を設立したうえで行ったようなものですから、そもそも手法として無理があったような気がします。
既存エアの閑散時間帯便そのものを安価で借り受け、適価で利用者に分譲するという、ツアー会社的な手法で行けば、初期投資が少なく成功する可能性もあったでしょうし、仮にうまくいかなくとも撤退は容易だったでしょう。

ADOとサウスウエストの決定的な違い

投稿者---とも氏(2002/02/18 20:03:50)
http://island.geocities.jp/town_m_resp/index.html

ともです。

  • 日本市場のパイは小さいのか?
    そんなことは無いと思います。
    東京-千歳は世界で最も乗客数が多い区間であり、世界中探してもB747が述べ30便以上就航している都市間などないと思われます。
    ではADOはなぜうまくいかないのか。着陸料が高い、それはありますが、羽田や千歳はそれほど高くはないですね。料金の格安競争に負けたのか、それは否定しませんが、その安さ故のファンは確実に根付いています。
    市場の小ささではとなるのはわかりますが、前述のとおり、需要はものすごく多く、今後も成長が期待できる区間です。
  • サウスウエスト
    モデルになったと言われるアメリカ・サウスウエスト航空。確かにモデルにしているとよく言われます。ただ、日本の新規参入2社とサウスウエストには決定的な違いがあります。サウスウエストは規制緩和前からある地域航空会社です。コンチネンタルなどと提携し、一時はホノルルにまで路線を持っていました。でも、規制緩和の波にもまれ、会社を立て直すにあたり、機材をB737に統一し、シップリターンを25分にまで短くして、という策に出たのです。ということは新規参入でもなんでもないんですね。確かにリスタートはしてますが。
    で、そのサウスウエストの経費削減策を真似したのがSKYでありADOなので、結局モデルといってもスタートがまったく異なりますのでそのままということはできないんですね。
    サービスも特徴的です。案外とシートは豪華ですし、機内サービスもアメリカ大手の国内線と遜色ありませんからね。
    どちらかというと日本の新規参入2社は「安かろう」のバリュージェットなんかが近い存在なのかなと思います。
  • ではなぜダメなのか
    単純です。和寒さんの書かれる、料金の問題、そしてイメージです。
    ADOは安さを売りにしすぎるがあまり、じつはシートピッチが広く大手3社のB767、A300に比べゆったりしていることや、バスアクセスは羽田の場合半数近く、なにもADOだけではないし、ADOは新千歳ではボーディングブリッジのしかも結構いい場所に着くという「快適さ」のアピールが足りないのが原因では?
    要は、同じ値段、もしくは数千円高くても便利・快適なほうを使いますよね。ADOも12便あり、決して不便ではないのですが、その辺のアピールも足りない。さらに、機内でのドリンクを販売にするとか細かいところのサービスもなにか物足りない。その辺に原因があるような気がします。
    であるから料金を選択肢にする乗客以外には根付かないんですね。私も数回使いましたが、最初の1回を除き、消極的理由で同社を選択しました。
  • 再建への提案
    ADOの再建はかなり厳しいでしょうね。ただ、道内各社との提携や逆に高サービス低料金での打ち出し(オーストラリアのヴァージンブルーのようなもの)を考えても良いかもしれませんね。
    あとは思い切って外資と提携するかです。日本に相手のいない会社が狙いかと。
  • 規制緩和
    規制緩和自体には反対するつもりは無いのですが、日本の場合、経営上や経済学上の規制緩和に話しが終始しているのではないかと。
    アメリカも規制緩和しながらも厳しくするところは厳しくしているんですから、なんでも緩和緩和の日本方式が本当に良いのかですね。
    ADOはその波にもまれるだけもまれて、乗れなかった悲しいサーファーなんでしょうか・・・

なんかまとまらない上に感傷的です。失礼しました
ではでは

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緩和後の誕生かどうかよりも異質かどうかがポイントでは?

投稿者---樫通氏(2002/02/19 17:57:21)

★長くなってしまいますが失礼します。

日本市場のパイは小さいのか?

★日本の場合、主戦場として東京=千歳・大阪・福岡の3つだけ飛びぬけております。一方で米国の場合、このクラスの輸送規模を持つ区間(エリア間移動も含む・・・郊外飛行場発着もあるため)は10をくだらない、ひょっとしたら50近くあるのではと思います(単に航空各社の設定本数からの感度からですが)。この巨大なベースに対応した組織でローカル路線まで管理する事が困難であるがゆえにニッチ狙いの航空会社が存在していると考えられるかと思います。

★加えて日本の場合、是非は別として鉄道がかなりのパイを握っているがゆえに、欧米との比較においては航空輸送が優位性を発揮できる市場が小さいと思います。この状況下で、新規参入組がまともに三本柱の一角だけを狙いに行き、狙われた既存航空会社が体力勝負で反撃したため、新規参入組が消耗戦に力尽きてきているのが現状と考えます。

★全くの仮定ですが、たとえばもし北海道内に北斗・おおぞら・とかち・オホーツクがなければ、ADOは千歳を一種のハブとしてAll北海道をベースに出来た可能性もあるのではとも考えます。既存組には道内輸送特化は非効率ゆえに、新規参入組みでも足場を固められたのではというわけです。なんらかの「合わせ技」があって初めて主戦場での戦いが可能かと思いますが、現状ADOについてはほとんど持っておりません。一方で既存組は、マイレージサービス等での利用客囲い込みが、メリットは生まぬにしても他者への妨害は可能である程度には効果を発揮していると考えられ、ADOの苦境に繋がっているのではとも考えます。

着陸料が高い、それはありますが、羽田や千歳はそれほど高くはないですね。

★着陸料(等の費用)ですが、聞きかじりなのですが、最低クラスのヒースローが10万円、米国が20~30万円、羽田や千歳が50万程度、成田や関空が100万円という感度を聞いたことがあります。この点全く自信がないのですが、欧米との比較では千歳や羽田ですら高い事は確かかと思いますので、500人くらいが乗れる747で乗客一人当たり500円程度の差はあるかと思います。運賃において3%程度の余計な負担があるというのは、値下げ原資をさらに少なくしてより体力消耗を著しく早めると思いますので、新規参入者の負荷の大きさを欧米と比較する場合に理由のひとつとして掲げる事が出来ると思います。

モデルになったと言われるアメリカ・サウスウエスト航空。確かにモデルにしているとよく言われます。ただ、日本の新規参入2社とサウスウエストには決定的な違いがあります。サウスウエストは規制緩和前からある地域航空会社です。(中略)ということは新規参入でもなんでもないんですね。確かにリスタートはしてますが。

★規制緩和の目的は、競争によって半強制的に高コスト体質を改善する事が最大であって、新規参入は副次的効果と考えます。誕生が競争前後のどちらかということ重要なのではなく、後発組が競争下で勝ち残った先例があるということが重要ではないかと思います。もちろん先発組が勝ってはならない事はないのでしょうけど、先例が1つもない競争では後に続くものが出にくいでしょうから、競争を活発にさせる意味でも「異質」が生き残っていることは注目できるかと思います。また、逆に言えばSouthwestの現時点ので優位性は、規制緩和以前から存在していたという事実にはあまり影響されていないのではないかと思います。

ではなぜ(ADOは)ダメなのか

★和寒さん、ともさんの書かれた点におおむね首肯しますが、前述のマイレージサービス等による既存組の囲い込みが、ADOのメリットを打ち消したこともあるかと考えます。どこまで深い考察がなされた記事かはわかりませんが、今週ユナイテッドの整備士のストライキが予定されているにも関わらず、さほど他社への流出が見られない理由付けとして、マイレージサービスによる囲い込みが功を奏しているという記事もあります。

再建への提案

★この点は私も無策です。あえて述べれば道内との提携がもっとも効果的とは思いますが、決定打とは言えませんし・・・。

規制緩和自体には反対するつもりは無いのですが、日本の場合、経営上や経済学上の規制緩和に話しが終始しているのではないかと。
アメリカも規制緩和しながらも厳しくするところは厳しくしているんですから、なんでも緩和緩和の日本方式が本当に良いのかですね。

★同意します。ただ、前述の繰り返しにもなりますが、規制緩和の目的は、規制により保護されている産業の高コスト体質を、保護による社会全体のメリットを上回るデメリット分だけ改善するものかと思います。社会全体のメリットやデメリットを厳密に計算する方法などはないのですが、無いことに託けて過大に計算したり、もしくは全く計算せずにコスト削減だけを無鉄砲に行うという点に問題があると思います。またリスクがゼロでは無い点だけを過度に強調して規制緩和自体に反対と言う論調も多いように感じます。

・・・じゃぁ、どうしろというんだ、となると、極論や妄想の域を出ないアイデアしか出てこないところが自身情けなくもありますが。

Re:緩和後の誕生かどうかよりも異質かどうかがポイントでは?

投稿者---とも氏(2002/02/21 21:27:57)
http://island.geocities.jp/town_m_resp/index.html

ともです。
わざわざご丁寧なレスありがとうございます。

日本の場合、主戦場として東京=千歳・大阪・福岡の3つだけ飛びぬけております。一方で米国の場合、このクラスの輸送規模を持つ区間(エリア間移動も含む・・・郊外飛行場発着もあるため)は10をくだらない、ひょっとしたら50近くあるのではと思います(単に航空各社の設定本数からの感度からですが)。

アメリカの場合、ほとんどがいわゆるナローボディー(A320シリーズ、B757、B737クラス)以下の小型機での運行ですから、必然的に便数が多くなります。半数がジャンボ、しかもそのほかもほとんどがワイドボディ機でおおよそ20分間隔での運行がされている区間など世界中探してもほとんどありません。
東京-札幌は年間800万人を超える搭乗実績があり、ここまでの利用者がいる路線は複数空港を含めたとしてもないでしょう。
仮に供給量で見ても、B737(120人)~B757(200人)クラスが日100便運行されても、B777(400人)~B747(500人)が50便のほうが多くなりますからね。

加えて日本の場合、是非は別として鉄道がかなりのパイを握っているがゆえに、(略)新規参入組が消耗戦に力尽きてきているのが現状と考えます。

新規参入組の場合、この需要量に押されて、札幌、福岡に進出したといえます。
ただ、大手3社の稼ぎ頭はこれらに加え、九州各地や四国のような路線ですから、こういったある程度稼げる路線を持たない、単純往復路線のみの新規2社はどうしたって厳しいですね。
ただ、札幌は鉄道分担率は5%、福岡もいわずもがなです。アメリカのNY-シカゴよりも航空依存度が高く、しかも移動需要も多いのですが、そうなりますね。

全くの仮定ですが、たとえばもし北海道内に北斗・おおぞら・とかち・オホーツクがなければ、・・・(略)ADOの苦境に繋がっているのではとも考えます。

可能性は十分あると思います。せっかくの陸空のマルチモーダルハブ機能を捨てるのは惜しいですが、北海道内に乱立する各社を道がまとめられれば可能性はあるでしょう。

着陸料(等の費用)ですが、聞きかじりなのですが、最低クラスのヒースローが10万円、米国が20~30万円、羽田や千歳が50万程度、成田や関空が100万円という感度を聞いたことがあります。

高い高いといわれますが、実はそれほどではありません。アメリカやヨーロッパは着陸料とは別に航法援助施設使用料、ターミナルビル使用料、ボーディングブリッジの使用料など様々な料金がかかります。
しかし、日本の場合、着陸料が割高でもこういったものが安く、成田ですらアジア各空港や欧米の結果的に3割~5割増しですんでいます。羽田や新千歳はもっと安いですね。
ただ、ここでポイントなのはアメリカの場合、たとえばNYのJFKは成田よりも高いのですが、LGAは格安です。さらにニューアークはもっと安くなります。
この辺が競争になっているからこそハブ割引といったものが成立するといえ、格安会社の進出が容易な点といえます。
日本の場合、事実上東京には羽田だけですからね。そこが違いといえます。

サウスウエスト
規制緩和の目的は、競争によって半強制的に高コスト体質を改善する事が最大であって、新規参入は副次的効果と考えます。

サウスウエストは、ハブ・アンド・スポークネットワークを組む大手各社の流れに反し、ローカル・トゥ・ローカルネットワークを組んだことがもしかしたら最大の異質な点かもしれません。ではADOやSKYはどうかといえば、見てくれのサービス面こそ真似してますし、日本タイプとしての確立をしていますが、そのほかはどうでしょう。
サウスウエストの場合、高コスト体質を脱却するために機材の小型化、中古機材導入、機材統一といった部分に話題が集中していますね。これらは見習う点ですが、単にこれらを真似しても、サウスウエストの路線設定の考え方や空港の使い方など真似しようにも日本のように発着枠や空港乗り入れに機材規制のあるようなところでは上手くいかないものもあるのだから、モデルにはなりえないのではないですか?
ましてや今回のADOにしてもSKYにしてもモロに大手ネットに挑んだんですから、サウスウエストが隙間を狙ったのとは逆の攻め方です。
そう考えれば、モデルとして見習う点はあるにせよ、会社としての航空路設定のコンセプトも存在意義もまったく異なりますから、サウスウエストをそのまま成功例として比較することにも疑問を感じるのです。

どこまで深い考察がなされた記事かはわかりませんが、今週ユナイテッドの整備士のストライキが予定されているにも関わらず、さほど他社への流出が見られない理由付けとして、マイレージサービスによる囲い込みが功を奏しているという記事もあります。

おなじことは香港のキャセイでも起こりましたね。ストをしてもしっかり客はもどってくる。たしかに、これらの会社はヒラ会員にまで「大事なお得意様」という意識で向かいます。ですからマイレージメンバーは各社を積極的に選択したくなりますからね。
マイレージ特典にプラスしてそういったサービスを受けるとその会社のファンになりますからね。ADOあたりはその辺できそうなものなのに・・・

ADOは経営環境が厳しいといわれますが、やはり機材の選択などが失敗だったのだと思います。B767で搭乗率があのレベルでは・・・・だったら最初からB757にでもしたほうが無難だったのにと思います。その分コストも抑えられますし。
打開策としては、やはり北海道内での浸透、東京での積極的な販売でしょうか。
それぐらいしかないかも・・・
でも、Eチケットなんて導入できるだろうに・・・。

規制緩和の目的は、規制により保護されている産業の高コスト体質を、保護による社会全体のメリットを上回るデメリット分だけ改善するものかと思います。社会全体のメリットやデメリットを厳密に計算する方法などはないのですが、無いことに託けて過大に計算したり、もしくは全く計算せずにコスト削減だけを無鉄砲に行うという点に問題があると思います。またリスクがゼロでは無い点だけを過度に強調して規制緩和自体に反対と言う論調も多いように感じます。

そうなんですよね。規制緩和は進めなくてはならない。ただリスクは当然あるものなんだからそれをいかにセーフティーネットを用意するのか、規制緩和と自己責任は一体であることをきっちり解らせなくてはならないのではないか、そういった点が抜け落ちて、どちらかに振れてしまう、妥協や玉虫色も場合によっては必要なことということを考えずにデジタル的に0か1かで物事を判断する。それはいけません。でも抵抗勢力なんて言い方で一つに進もうとするところがどうにも腑に落ちないというか・・・

なんだかまとまらなくてすみません。
ではでは

本題からは逸れますが

投稿者---和寒氏(2002/02/22 06:59:56)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

高い高いといわれますが、実はそれほどではありません。アメリカやヨーロッパは着陸料とは別に航法援助施設使用料、ターミナルビル使用料、ボーディングブリッジの使用料など様々な料金がかかります。
しかし、日本の場合、着陸料が割高でもこういったものが安く、成田ですらアジア各空港や欧米の結果的に3割~5割増ですんでいます。羽田や新千歳はもっと安いですね。

→であるならば、日本においては如何に「為にする議論」が罷り通っているか、よくわかるというものです。何故に合理的な根拠に基づく議論が成立しないのか。不可思議ではあります。

本題からは逸れたところをさらにそらしますが

投稿者---とも氏(2002/02/22 11:52:22)
http://island.geocities.jp/town_m_resp/index.html

ともです。

格安のヒースローやチャンギを別にして、さらに大型機が多いという成田の特性をかんがみた数字ですので、純粋1機あたりでは確かに成田は高いと言えますが、それでもJFKよりは安くなっていますし、特に格安のヒースローでも成田の半額になるかどうかといった程度です。
ただ、ヒースローはグランドハンドリングなどの料金が高い上に、出入国手数料などを徴収しますから、客1人あたりの負担で言えばますます差がなくなります。

成田や関空の空港施設使用料など典型ですね。あんなもの世界中で取っている空港は無いなどといわれていましたが、香港は新空港で1,500円(100HK$)、ソウルは600円(6,000ウォン)、バンクーバーは1,200円(15$)、クアラルンプールは2,000円(50リンキッド)とられるんですね。でもそれをまったくとらないチャンギやロス、ニューヨークと比較する。でもこれらは運賃内に含まれているんですね。アメリカなんて出入国税が5,000円、空港保安施設料3,000円で8,000円もかかります。でも成田は施設使用料2,040円しかとらないんですから、逆にいえば良心的なんです。
それをいかにも役所的公団サービスの欠陥のように取り上げるから話しがややこしい。某大臣がヒースローを見に行って、「お店がいっぱいあっていいですね。やっぱり民営だからかな」って成田だって結構あるし(もちろん不足はしてますが)、ヒースローは収益性の低いサービスが淘汰されるがあまり、安いカフェが無いとか、キオスクが無いといった問題も起きているのに、それでいいの?と思いますね。そもそもBAAはNAAをモデルにしたってわかっているのだろうか・・・。

日本がアジアのハブになれない、それは違いますよね。だってすでになっているのですから。ただ、それは日本人にとっては意識しないものですよね。アジアハブなぞ日本人にはほとんど縁が無いですからね。
内外ハブとしてはものすごく弱いですが、アジア対欧米では強いですよね。
成田の路線ネットワークの凄さは世界有数です。そして世界一ジャンボが来る空港なのです。それだけ利用者が多いと言うことです。ハブは地域に1つではなく、各アライアンスが持ち、しかも域内に複数ほしくなるものですから、北東アジアでの成田の地位はしっかり確立されているのですからそれをいかに維持し発展させていくかを考えることが大切ではないのかなと。

ソウルや香港が自国航空会社以外のハブ化に苦労しているのからすれば、成田は恵まれているともいえますね。あとは日系各社の努力です。

そこにADOが絡めればいいのですが。新千歳ハブの動きもあることですし。
なんか無理に戻して。ではでは

日本のハブ空港は羽生四冠なみに強い

投稿者---和寒氏(2002/02/23 11:08:35)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

日本がアジアのハブになれない、それは違いますよね。だってすでになっているのですから。ただ、それは日本人にとっては意識しないものですよね。アジアハブなぞ日本人にはほとんど縁が無いですからね。

→まったくそのとおりだと思います。
成田空港の乗換客は、全体の約7%といわれています。あれだけの利用者数があっての7%ですから、相当大きな数字といえます。ちなみに、乗換利用者の太宗は北米←→ ASEAN諸国だと聞きます。
アジア他国がハブ空港を育成しようとしても、しばらく当面は追いつけない可能性が大です。設備は立派でも、空港使用料が安くとも、魅力ある航空便を揃えられなければ、ハブとしての機能を果たせません。日本人がハワイに行き続ける限り、あるいはアジア諸国発の旅行者が大挙ハワイを目指すようにならない限り、つまり成田空港にハワイ便をはじめとするアメリカ便が集中している限り、成田の地位は安泰でしょう。
(仁川国際空港の戦略は、日本の地方国際空港に大韓航空便を飛ばし、日本人のハワイ行利用者を集約して一定数のハワイ便を運行し、ハブ空港としての足固めをする点にあるといわれている)

内外ハブとしてはものすごく弱いですが、アジア対欧米では強いですよね。
成田の路線ネットワークの凄さは世界有数です。そして世界一ジャンボが来る空港なのです。それだけ利用者が多いと言うことです。ハブは地域に1つではなく、各アライアンスが持ち、しかも域内に複数ほしくなるものですから、北東アジアでの成田の地位はしっかり確立されているのですからそれをいかに維持し発展させていくかを考えることが大切ではないのかなと。

→これまたまったく同感です。

ソウルや香港が自国航空会社以外のハブ化に苦労しているのからすれば、成田は恵まれているともいえますね。あとは日系各社の努力です。

→まったく恵まれています。
後背地に首都圏がなければ、これほどの地位を得ることができたかどうか・・・・・・

そこにADOが絡めればいいのですが。新千歳ハブの動きもあることですし。

→昨夜の羽田では、JALに空席が残る一方、ADOは満席でした。
だからといって、収益率が高いわけではない点が辛いところですが。

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教えてください

投稿者---樫通氏(2002/02/26 07:27:27)

色々ご教示ありがとうございます。
幾つか教えていただければありがたく。

  • とも さま
    発着料ですが、例示された諸外国の例においては、国内線・国際線での差は無いでしょうか? 私の聞いている話というのが非常に漠然としているものではあるのですが、関空はじめ日本の空港は「若干の差」である一方、海外諸国は「雲泥の差」と聞いたことがあるもので・・・。個人的には国際線については殿様商売が出来る間は政策的に高くする事も可とは思います。問題は何時まで殿様商売できるかという点だとは思いますが。
  • 和寒さま
    アジアのハブ争いにおける上海・北京の競争力はどの様なものなのでしょうか? 香港・仁川・シンガポールは、後背地への依存を小さく、(成田との比較では)ハブに徹する事になるかと思うのですが、中国本土については今後の後背地の成長が見込まれ、意図せずともハブになってしまうくらいの実力があるのかと思って(or 恐れて)いるのですが・・・。

P.S. 現在スペイン旅行中なのですが、観光地は「1月は日本が制覇、2~3月は日米関係、3~4月は日独伊3国同盟、10月までのシーズンは全世界からで以後日独伊→日米→日本のみで年が終わる」というくらい、年中日本からの観光客を迎え入れているとの事。日本の実力と言うのが正直わからないというのが感想です。

お答えします

投稿者---和寒氏(2002/02/26 11:23:34)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

→自分の見聞した限りにおいて、お答えします。
中国に限らず、アジア諸国の潜在力・成長力は、侮れないことは確かです。しかし、ハブ空港の育成に関していえば、決定的に欠ける点があります。
というのは、日本人ほど海外旅行が好きな民族はいない、ということです。年間1千万人もの渡航者がいるという現実を、いったいどう理解すればいいのか。単純に頭割りすれば12人に 1人が海外旅行する計算になりますから。勿論、この旅行者の全てが観光ではないとしても、相当部分が観光であることは間違いありません。ハワイ行需要の旺盛さなど、世界的にも特異な現象でしょう。
これだけ旺盛な需要があるからこそ、成田には世界各地からの航空便が集積し、結果としてハブ空港としても機能している、という面があります。
中国含むアジア諸国では、後背地の経済及び人口がどれほど成長するかに加え、外国への観光旅行熱がどこまで成長するかが、ハブ空港育成の大きな鍵になるでしょう。おそらく、日本ほどの観光需要(というか外国に旅行しようという意欲)は育たず、結果として外国への航空便数は大きく伸びず、ハブ空港としては成田に次ぐレベルにとどまる、というのが私の読みですが。

→日本には、実力がありますよ。ただ、他国から相手にされているかどうかは別次元の話ですが。ジャンプ競技のレギュレーション改訂、モーグル・ハーフパイプ判定の不可解さ、STスケート審判のアジア・バッシングを見れば明瞭であるとおり、日本含めアジアは欧米から異質視されていることは間違いありません(おっと論点飛躍)。

Re:教えてください

投稿者---とも氏(2002/02/27 20:00:55)
http://island.geocities.jp/town_m_resp/index.html

ともです。
そんなご教示なんてとんでもないです。

発着料ですが、例示された諸外国の例においては、国内線・国際線での差は無いでしょうか? 私の聞いている話というのが非常に漠然としているものではあるのですが、関空はじめ日本の空港は「若干の差」である一方、海外諸国は「雲泥の差」と聞いたことがあるもので・・・。個人的には国際線については殿様商売が出来る間は政策的に高くする事も可とは思います。問題は何時まで殿様商売できるかという点だとは思いますが。

どうなんでしょう。そこまでは存じませんが、昔、聞きかじった話しでは違うらしいということは聞いたことがあります。でも確証はありません。
アメリカの場合、自社ターミナルを持っている航空会社が多いですね。よって、ターミナル使用料などはかからないんですね。そういう都市をハブにしている航空会社はハブでのコスト縮減がされてますね。
日本の場合には各社入り混じってのターミナルですから、スポット配分などを除き、各社同列の扱いですね。
そうなると自国割引など不可能ですから高くなりますね。それもあるかもしれません。

日本の空港は日系企業に冷たいですよね。だいたいどの国でも自国のキャリアには優遇するのに、日本は一緒です。もちろん航空会社側のスタンスの問題もありますが・・・

日本の実力と言うのが正直わからないというのが感想です。

よく、日本人だけは世界中どこに行ってもいるなんていいますよね。
本当にそう思います。
NYも観光客減少の何が痛いって日本人が減ったことといいますからね。ショッピングが注目されがちですが、日本人は観光地や施設を丁寧に回りますし、メリハリある金の使い方をするので、ファーストフードなどにも影響があるようです。

きっと日本人の経済力は言われている以上なんだと思います。ただ、日本人自身が自身喪失してしまっているがためにそれを実感できない。それでしょうね。

まとまらなくてすみません。ではでは

Re:教えてください

投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2002/03/02 23:03:13)

こんばんわ。

色々ご教示ありがとうございます。

まったくその通りで…。

日本の空港は日系企業に冷たいですよね。だいたいどの国でも自国のキャリアには優遇するのに、日本は一緒です。もちろん航空会社側のスタンスの問題もありますが・・・

国土交通省のHPに、交通企業の新規業務推進の事例集がありますね。役所は規制緩和を推進しているのですから、後発企業はむしろ、錦の御旗の下にいるのではないだろうかとも思えるのですが…。投資する金融企業の問題ですか???

現在スペイン旅行中なのですが、≪略≫年中日本からの観光客を迎え入れているとの事。日本の実力と言うのが正直わからないというのが感想です。

いやあ、それが実力なのでしょう。スペイン、いいですねえ。私はバルセロナ行ったことがあります。
日本人、いますよ。います。チョモランマの頂上で一番多いのが日本人登山者のゴミなんですから。ちょっと意味違いますか。

NYも観光客減少の何が痛いって日本人が減ったことといいますからね。ショッピングが注目されがちですが、日本人は観光地や施設を丁寧に回りますし、メリハリある金の使い方をするので、ファーストフードなどにも影響があるようです。

レポートにも書きましたが、NYグランドセントラル駅で鰻弁当売っているのですし、タイムズスクエアーには立ち食いそば屋がありますよ。最近は「熊本ラーメン」が流行っているとか。それは需要があるからですよね。外国で活躍している日本人はみな元気です。

きっと日本人の経済力は言われている以上なんだと思います。ただ、日本人自身が自身喪失してしまっているがためにそれを実感できない。それでしょうね。

自信喪失の上に疑心暗鬼になっているといってもいいでしょう。内向きになっている日本人が多すぎます!!ネットの発達も理由かもしれませんね。悪口告げ口のサイトも流行っているようですし。今まで通りおおらかにやっていかないと、世界の富を集めて再分配するシステムが動かなくなるのではないでしょうか。もっとしっかりしなくては。

Re:教えてください

投稿者---樫通氏(2002/03/18 19:52:18)

とも様、和寒様、御礼遅くなり申し訳ありませんが、お答えありがとうございました。

【和寒さま】
シナリオの蓋然性は、諸事情の変化でいくらでも変わりうるものとは思いますが、承知の上でいくつか貴説と違って考えている点をあげさせていただきたく。

  1. 収益性のベースはビジネス需要では?
    貴説のベースには観光需要が航空路線参入の最大誘因という理由があるかと思いますが、観光客の場合正規運賃での利用客が少ないと言う点からやや疑問に思います。全日空が関空からの欧州便や名古屋からのハワイ便を、それなりの搭乗率を誇っていたにも関わらず廃止したことの理由も、割引運賃客がメインとなり方策貧乏的な状況だったからやに聞いた事もありますので。一方でビジネス利用客はリピーターも多く、日程の柔軟性確保のために依然正規料金利用や、エコノミー以外のクラスの利用も多いかと思います。日本をアジアのハブに起用する前提を航空会社サイドから考えると、観光需要の要因はさほどでは無いのではないかと言う気がしております。
  2. 観光特需は日本人のみの嗜好か?
    確かに日本人の海外旅行熱も高いですし、搭乗率確保としての観光客利用も採算確保上無視できないとは思います。またそもそも日本に存在しない規模の自然や歴史遺産がある一方で、中国については自然・歴史については自国内でもある程度は観光地となりうるものが日本よりは多いという違いは確かにあるかと思います。とはいえ、やはり経済力を12億人のたとえ4分の1でも日本並みになったとしたら、それだけで日本以上の観光需要がうまれてしまうわけなので、貴説ではやや過小評価なのではと思います。

以上、裏づけの資料がまったく無い上での机上の空論であり、失礼致しました。

Re:教えてください

投稿者---とも氏(2002/03/19 00:11:41)
http://island.geocities.jp/town_m_resp/index.html

とも@復活です。

とも様、和寒様、御礼遅くなり申し訳ありませんが、お答えありがとうございました。

いえいえ。とんでもありません。

収益性のベースはビジネス需要では?

これはその通りと思います。関空線の欠点はビジネスクラスの低搭乗率といわれてます。が、もう一つ忘れてはならないのは観光需要の平準化です。関空の場合、観光需要がピーク集中型であり、成田のように平準化できないことから収益性が低いという話があります。
観光だけでは食べてはいけないものの、観光需要は捨てられないものです。上手く両立しなくてはならないのでしょうね。

観光特需は日本人のみの嗜好か?

中国に関しては確かに観光需要の多さは考えられます。しかし、経済力の差だけではなく政治的な問題もあって、なかなか海外旅行熱はおきないでしょうから、あまり中国市場の期待はできません。いまだに韓国だけがノービザで、あとは観光ビザが必要ですからね。
とはいえ、ビジネス需要が堅実なのは明らかで、中国は要注意といえます。とはいえ、ではどうすべきなのか。
考えられるのは成田のハブ機能強化ですが、世界的に見てもすでに稀なハブ空港であることは紛れも無い事実であり、では民営化すれば着陸料が下がるのかといえば、イギリスやアメリカのような上下分離が出来るのなら可能でしょうが、今の単純民営化ではいくらリテール収入が増えても厳しいでしょう。
そう考えると、航空会社の努力に期待するしかありません。JALやANAが成田をハブにできるのかでしょう。

それでは

旅行熱の温度差

投稿者---和寒氏(2002/03/25 17:20:25)
http://www.geocities.jp/history_of_rail/

樫通様、愚説に御意見を頂戴しまして、ありがとうございます。

収益性のベースはビジネス需要では?

→収益ベースでいえば、御指摘のとおりと思います。
ただし、「数は力」の例えもありますように、収益性が相対的に低くとも便数が揃っていれば、ハブ空港としての価値は高いといえるのではないでしょうか。鉄道を例にしていえば、新宿駅を利用する方の客単価は東京駅より低いはずですが、利用者数では(特に私鉄・地下鉄を含む場合)新宿は日本一のターミナルといって差し支えないでしょう。なにしろ、JR4系統、私鉄3系統、地下鉄3系統が集まる拠点駅ですから。
(ああ、でもこれをいうと、東京は新幹線3系統、在来線5系統、私鉄0、地下鉄1系統--大手町を含めばさらに4系統と、名実ともに日本一か! 悩ましいところですな)

観光特需は日本人のみの嗜好か?

→これに関しては、明確にいえると思ってます。日本人は、世界で一番外国旅行が好きな民族である、と。日本人には、どういうわけか、外国(あるいは単に遠いところ)に対するプリミティブな憧れがあるのですね。
その一方、中国人には外国を憧れの対象とはしない傾向があります。欧米人やASEAN諸国人と比べても、興味の水準は低いと思います。そして、中国がいくら経済成長を果たしたところで、次の理由から海外旅行熱は日本よりはるかに低くなるものと、私は予測しています。

  • 平均的中国人は外国に対する興味が少ない。
  • 外国に興味を持つ中国人は、旅行よりも移住を希望する傾向がある。
    (年に一度ハワイに行くならば、いっそ定住しようとの発想を持つのではないか)
  • 中国政府は外国旅行を推奨しない。
    (外貨獲得を考えれば当然の措置/元を切り上げれば話は別だが)
    (してみると海外旅行を推奨した日本の旧運輸省の政策判断は世界的に見ても特異である)
  • 中国の観光地は外国人にとって魅力が少ない。そのため、外国からの観光客数は、ある一定の水準をすぎれば必ず伸び悩む。
    (これは一度行ってみればすぐわかります。私は中国に対する歴史的憧れがありましたが、ある中国旅行に参加したところ、その憧れが完全に霧散しました。中国の観光には「歓待」の要素が少ないのです。私はさほど多くの国に行ったわけではありませんが、中国観光には他国と比べ多くの課題があると認識しています。余談が長くて申し訳ありません)

勿論、上記は全て私見であって、的確かどうかはわかりません。とはいえ、決して過小評価ではあるまいと、直感しています。
仮に、北京なり上海なりの大都市圏が、日本の首都圏と同程度の人口と経済力に恵まれたと仮定しても、外国への旅行客数は日本の5割程度、外国からの旅行客数は日本の3割程度にとどまる(それぞれ±2割以上の誤差はあると思うが)、と読んでいます。

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こんな展開はいかがでしょう?(JR-H資本傘下論)

投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2002/03/02 23:03:13)

北海道国際航空。どうしましょう?こんな妄想を考えました。

いっそJRグループに入れてしまうというのはどうでしょう?
JR-Hの提携の下、一体化輸送として、上野に乗り入れている寝台特急「北斗星」に続いて、航空機路線で羽田乗り入れするというのはどうでしょう。現在でも若干の資本参加があるのでしょうか?もしあるのなら、その割合を大きくすることで関連会社化して新幹線開業まで首都圏~北海道の交通企業として道内の住民のために利便を図るという理屈は通らないでしょうか?
たしか、分割後も連絡船は廃止までJR-H担当だった思うのですが、これを復活して航空機に置き換えたという解釈はできないでしょうか。せっかくの新興企業ですから、道内企業による支援に限界があるのなら、「特殊法人」でありますが、道内の大企業であるJR-H傘下に非常避難することで活路を見いだすという手は禁じ手ですか?
特殊法人の民営化という流れには逆行しますが、人口や密度の上でハンディがある地域の「居住の自由」の確保のために、このぐらいの荒療治をしてもいいのではないですか?
企業として不振なのであれば、経営改善の上、公的資金を導入(資本参加・社債株式購入)するという企業振興策が有効なのではないでしょうか。経営が改善したら公的資金を引き上げればいいのでしょう。起業者や明らかに可能性がありながら不振の企業を経営している人(もちろん儲かっている訳のない)をもっと助けてもいいのではないでしょうか。

きっと妄想なのですが、限界もあるのでしょうね。
まさに乱筆。ご笑覧を。

Re:こんな展開はいかがでしょう?(JR-H資本傘下論)

投稿者---樫通氏(2002/03/18 19:52:18)

★さて、さいたま先生の「JR-Hとの提携」案ですが、国レベルで取り組むかどうかは別として、北海道レベルでは取り組んでもいいのではという気もしております。とはいえ、JR-Hにとっては、既存エアラインを完全に敵に回してしまうだけの踏ん切りもつきそうも無いとは思いますのでくるしいところではありますが・・・

★そうは言っても、これだけ高速化に尽力をした後で酷かもしれませんが、札幌から5時間以上かかる稚内・網走については、鉄道はあくまで2番手に控え、航空便を速達需要の1番手とするほうが得策なのではとも思います。JR-Hが航空部門を持つさいたま先生の案を採った上で、稚内・網走からの千歳行きを設定し、千歳=羽田便への乗り継ぎ利用については安価を設定できれば、ADO本体の採算性向上にもつながり面白いのでは、という妄想をもっております。

以上、裏づけの資料がまったく無い上での机上の空論であり、失礼致しました。

Re:こんな展開はいかがでしょう?(北海道路線サービス妄想)

投稿者---さいたま市民@西浦和氏(2002/03/25 00:33:38)

みなさん、こんばんわ。相変わらずの妄想担当で・・・。樫通さんおつき合いありがとうございます。

ADO自身の置かれている立場を考えると、どう差別化するか、もう少し工夫しなければならないでしょうか。

ちょっとした思いつきですが、大手他社にできないソフト・サービス面の充実で結構いけそうなんですが…。
例;同じ飛行機の中でも乗客が選択する数タイプのサービス(クラス分けでなく)ごとに座席を分けるなんていうのはどうでしょう?

  1. 飲食サービス(フルの機内食またはファーストフード)
  2. 喫煙席サービス
  3. エンターテインメントサービス(全部の座席にシートバックTVが無くていい)
  4. グランドサービス(出発前ラウンジ使用とか、手荷物優先ピックアップとか)
  5. ノーサービス

1時間30分程度の路線(水平になっている時間の方が短い?)でどんなことができるのか、ちょっとわかりませんが、ノーサービスを基本料金(激安価格?)として、それぞれについて数百円~千数百円程度上乗せでオプション的にこれを選択させて料金を決めればいいでしょう。

この思いつきの種は、昔行った(10年前)パリへの激安ツアーで乗ったブリティシュミッドランドのロンドン~パリ線(1時間程度ですね)で、間違ってアッパークラスに乗ってしまい、機内食のフルコースを出された事があって、斜めになっているうちからチーズを選ばされ、シャンパンをすすめられてしまったことがあります。札幌線でこれが出来るかどうかわかりませんが、このくらいの意気込みがほしいですね。千歳のケータリング会社と提携できないんでしょうか?

これだけ高速化に尽力をした後で酷かもしれませんが、札幌から5時間以上かかる稚内・網走については、鉄道はあくまで2番手に控え、航空便を速達需要の1番手とするほうが得策なのではとも思います。

人口数で行けば、稚内市4万3千人、網走・北見で15万人・・・どうでしょう?それぞれの街から、対札幌(または東京)の鉄道と航空機を同じ値段に設定して選択できるような形がいいかもしれませんね。鉄道は一応市内中心部から出発しますし、飛行場は市内からはバスのアクセスで、多くの乗客は飛行場や駅へ自家用車やレンタカー利用となるのでしょう。ここに選択の幅が出てくるかなというところです。
鉄道の場合、路線の各都市からの乗降もありますから、供給座席数に余裕がほしいかもしれません。航空機は長距離間の点を結ぶ輸送ですから、過去ログにも書いたとおり、小型機のスポーク路線、中~大型機での東京路線という形が理想なのでしょう。
乗れば早いがアクセスに時間がかかり、輸送量は小さい航空機と、都市中心間を結び輸送量は比較的多いがトータルの乗車時間は長い鉄道という棲み分けを確立してほしいですね。ここではライバルは長距離バスになりますか。

札幌駅や小樽駅、苫小牧駅や帯広駅から羽田までを一体的な輸送区間として時刻を表示することで1本の路線、列車(それぞれ接続便に愛称付けたりして)のように表して、接続に努力すれば、固定客も掴めるでしょう。時間が読めますから、日帰りの人たちなんかは重宝しそうです。最終便接続なんかは今もしてますか。

かつて、国鉄時代には連絡船を挟んでそうやっていたのです。
上野16時ちょうどの「はつかり5号」(列車番号は1M)、大阪からの「白鳥」(4001M)~連絡船1便~北斗1号で札幌に10時頃着いていたのではなかったかなあ。1便接続とか呼んでいたかな。その他にも、東北線が夜行(「はくつる」)になる5便接続や常磐線が夜行(「ゆうづる」)になる7便接続(これだと札幌は夕方着)なんていうパターンもありましたね。
これをADOとJR-Hでやればいいのでしょう。別に会社が一緒でなくてもいいかも。

以上、裏づけの資料がまったく無い上での机上の空論であり、失礼致しました。

いやいや私などは思いつきの上に妄想ばかりたくましくて・・・。
ご笑覧あれ、今宵も乱筆ご容赦。


ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

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