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(過去ログNo.)

「利用者主体交通」へのアプローチ~【AIR DO】に学ぶ~

投稿者---投稿者:551planning 投稿日:99/02/15(月)23:06

横浜フリューゲルスの劇的なサッカー天皇杯制覇・そして「消滅」からはや1ヶ月が過ぎました。
一連の事態経過に納得がいかないファンの想いは形を変え、新しいFCの設立という動きに進展しています。まさしく「企業スポーツ」から「市民スポーツ」への転換を目指す画期的な出来事だと考えます。

なんの話か、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、目先を変えてみれば交通事業においても「利用者主体交通」への胎動とも思われる出来事が始まっています-北海道国際航空 AIR DO です。
航空自由化政策に呼応し、スカイマークエアラインズに続き昨年から運行を開始しました。スカイマークがHIS等の起業資本がしっかりしているのに比べ、AIR DOのコンセプトが「北海道のための」航空会社であるがゆえ、拓銀破綻の余波は大きく、なかなか資金が集まらなかったという事情もあって、むしろそれによる期待感というものもあってか、従来の大手3社体制では成し得なかった低運賃という新たな利用選択の試みはまずは受け入れられているようです。しかし大手の値下げ攻勢も始まっており、会社自体の不安定さ・厳しさを増す北海道経済ともあいまって、上昇気流に乗るにはまだまだ時間がかかりそうです。

政府は規制緩和政策の一環として、交通分野の基本とも言うべき需給調整規定の撤廃を始めとした方向性を決定しています。他資本による新規参入が大幅に緩和され、航空業界やタクシー業界で地殻変化が実際に起こっているのは皆様の御存知の通りです。そして既存の交通事業体にとっても事業存続への起業努力が否応無しに求められることになりつつあります。新規航空2社参入によってドル箱の羽田―福岡・新千歳線では価格競争が始まったわけですが、どうも体力勝負になりそうで先行きが大いに心配されます。
 大手3社にとってドル箱路線で利益を確保すると同時に閑散路線への進出も求められていた、JALがリスクの大きい国際線をメインに担当し、ANAが国内幹線・JASが国内ローカル線を中心に路線展開するという棲み分けがしっかりとしていたのがこれまでの航空政策でした。ANA・JASの国際線進出は海外旅行が一般化してきたことでの「逆の発想」(会社のステイタス向上と共に海外ドル箱線での利益確保)たる背景があります。
その意味での政策転換の申し子である新規2社による低価格競争は、閑散路線の見直し・休止を招くことにもなります。自己体力の低下しているJASにとっては死力戦にもなりかねない危険性があるといっても過言ではないでしょう。そして、今や主力交通機関として広く認知され、生活路線ともなった路線の退廃は、かつての国鉄ローカル線問題とは現実感が違うとはいえ、問題視すべき事態だと私は考えます。

ここでひとつの選択肢としてコミューター航空が挙げられます。もとは離島路線を主として運行されてきたものが、85年の基準緩和以降都市間路線の設定が進み、旅客輸送実績も飛躍的な向上を見せております。ただしこちらも運航会社の経営基盤が脆弱で、公的支援がかなりの支えになっているほか、路線開設の自由がまだない(一般定期路線の非就航路線がほとんど)事など企業の独自性を阻んでいるといえましょう。
そもそも定期航空とコミューター航空と区別して定義していることも疑問です。機材選択性の自由を航空会社全般に広げるべきではないでしょうか。YS機なきあと、一般路線で無理な中・大型機材化が進んだせいで地方空港整備のハードルが高まったことも事実です。直結をとの地方の要望は強く羽田発着枠も今だままならない現状、視点を変えて地域ハブによる路線展開(機軸空港とは大型機材、そこから小型機材で周辺空港と接続連絡ネットワークの形成)も今後考えられていいのではないでしょうか。

例えば北海道で言えば、丘珠(新千歳・旭川)をハブ空港に、帯広・釧路・中標津・女満別・紋別・稚内などとのスポーク路線が考えられましょう。むしろロシア沿海州をも睨んだ国際線開設という方向性まで話を膨らませて考えるべきでしょう。ちなみに北海道では離島路線を持つエアー北海道(ANA系)と、都市間路線を担う予定の北海道エアシステム(JAS系)と2社のコミューター運航会社がありますが、それぞれ道が出資しているものの、相互補完関係にあるわけではありません。短絡的発想ですが、AIR DO(JALと機体整備等で提携関係)との再編を行うことで、文字通り北海道広域交通を担う航空会社誕生の可能性もあるわけです。3社とも道が深く関わっているのですから、政策的連携を図ることは現状でも可能でしょう。しかし、ここでの発想は道民の思い、利用者の思いはきっかけひとつで実るものだということを実践してくれたAIR DOの設立思想に立ち帰ってのものです。

「試される大地 北海道」-低迷する経済の起爆剤として、日本の航空政策そのもののターニングポイントを目指した画期的な試みとして、十分検討課題と考えるのは私だけでしょうか。これはなにも北海道に限った話ではありません。福岡や那覇をハブとした西日本国内線・台湾・中国方面の国際線展開集約も考えられておかしくないでしょう。「きっかけ」は国の施策でした。そして今後、そのイニシアチブを取るべきは、我々利用者なのではないでしょうか。

スカイマークのインパクトから

投稿者:brother-t氏 投稿時刻:99/03/16(火)14:48

551planningさんお久しぶりです。
最近うちの両親がおじいちゃんの3回忌に大分の竹田というところに行ってきたのですが、その時は大分で無く、福岡空港を使ったといってました。それでなんでか聞いてみると、やはり本数もさる事ながら、割引率が大きく違う事を挙げていて、今度いとこの結婚式でハウステンボスへ行く時も福岡を利用するそうです。この様にスカイマークが出来た事によって、福岡空港は少なくとも北九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本)でのハブポートの地位をより強化しているようです。
ただ、ここでうちの両親がなぜ福岡空港を利用したほうが便利になるかについてもう少しつめて考えると、もう一つ重要な要因があると言えます。それは各地への足付けの良さです。まず、高速バスが九州の各県庁所在地には1時間に2本以上出ているし、地下鉄で一駅行った博多駅からも各地へ特急列車が出ています。福岡空港の強さは言うなれば、九州の中心地福岡市の中心部に近いがために福岡市志向のバス、鉄道との連携が自然に出来てしまった事にあると言えます。

この様に、利用者に便利な交通を作っていくためには航空、鉄道、バス、タクシーといった各事業者それぞれの最大利益を求めるので無く、全体で最も利用されるように考えていくのが大切と考えられます。いわゆるSCMの考え方が求められるわけです。その点においてJR北海道がAIRDOのチケットを扱ったり、京急が航空券を扱ったりしているのは注目できると思います。

Re:スカイマークのインパクトから

投稿者:551planning 投稿時刻:99/04/29(木)01:07

brother-t様、投稿有難う御座います&大幅にお返事が遅れましたこと、この場を借りまして…。

JR-Hや京急が行っていることは何も珍しいことではありません。
営団が新幹線とセット販売を行っていたこともありますが、根本的に「チケットが分かれる」ことへの抵抗感が強いようです。
京急も全国8箇所以上の空港に自販機を設置していますが、どれもが売れて売れて…というわけではありません(というか意味もない…と言ってはみもふたもないが)。こうした「事実」をどう考えるか、航空券販売体制というそのものにメスが入る日も近いかもしれません。下手するとプリペイドカードとか…?

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〔AIR DO〕上昇気流は生まれるか?

投稿者:551planning 投稿日00/12/03(日) 00:55

航空機の構造上、空気は上方から下方へうずを巻きながら流れる仕組みとなっており、影響は少ないものと考えますが…

道民の期待を一身に受けた飛翔からまもなく2年…北海道国際航空が正念場を迎えています。
当方も以前期待を述べたようにその動向に注目しておりました。実際、当初の謳い文句であった低運賃というウリは大手3社の価格攻勢の中で浮沈を続け、回数券(DOきっぷ)や学割といった施策に変化しつつ、道内各イベントとのタイアップなど地道な営業努力を続けてきました。この12/1からは世の流れに反するかのように「喫煙席」を設置、他社との区別化に腐心する様子がひしひしと伝わってきます。
しかしながら経営状態は不安定な搭乗率が直に出るカタチで「低空飛行」を続け、7月の初代社長急死後は経営陣内部の調整もままならず、債務超過状態回避のために次期社長が提案した道経済界への増資要請も反発を受け、ついには臨時株主総会の延期・社長就任辞退という混迷状態が続いていると…(2日付朝日朝刊記事)。まさに下降気流に呑みこまれんとしている状況と云えましょう。
道議会では10億円の緊急融資を提案、経済界への支援要請も続けて行くとしており、「AIR DOが倒れれば北海道経済は信用を失う」との切実な声も出ている由、一方で支援額が予想よりはるかに膨らんだことを指摘する声も強く、支援策はそう易々と纏まりそうにないといいます。

まさしく「試される大地」。道経済の前向きな判断を期待したいところですが…道民株主等の下支えも限界があり、コト次第では大手航空会社へ支援を要請する事になって行くのかもしれません。機体整備等でつながりのあるJALか、道出資のコミューター会社・北海道エアシステム(HAC)の親会社であるJASか…ドル箱・札幌線での6往復は両社にとってどのように映るのでしょうか。そして現在の社員達にも…。


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