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空港乗合タクシー

“空港乗合タクシー”の興亡

【検証:】が追い続けている空港乗合タクシー。夜行長距離便の話題提供に注目し、さらに2003/02からのANAあいのりタクシーサービスの動向から近距離便の方向性を気に掛けてきたわけですが、ここにきていろいろと動きが出ています。


●成田-東京「リムジンライナー」撤退

俗に「大日本帝国」※とも称される東京都内最大手タクシー事業者の一角、帝都自動車交通など京成グループ事業者5社が運行していた成田空港-東京都内間の乗合タクシー「リムジンライナー」が利用低迷により、7月いっぱいで運行廃止となります。2002/04/18の成田空港平行滑走路オープンに併せて運行開始してから丸3年強での撤退です。なんといっても印象的であったのが、専用車両に施された親会社のスカイライナーを模したカラーデザインでしょうか。リムジンライナー
  ※大和自動車交通・日本交通・帝都自動車交通・国際自動車(km)
   「東京4社」ともいわれ、チケット共通利用などのサービスも。

都内と成田空港を結ぶ乗合タクシーは、2001/12/21から開始され、千葉側事業者主体(アルファ交通他)の「ジェットパートナー」、東京側は昭栄自動車等による東京ジャンボタクシー「ジェットハーモニー」と東京エムケイの「スカイゲートシャトル」が競うカタチとなり、「リムジンライナー」が加わって4グループで推移していました(あいのりタクシーには「ジェットハーモニー」が参加)。このうちエムケイの動向については関西ほど積極的では無いとも聞いていたのですが、全体のパイが少なかったということなのでしょうか…。
ちなみに羽田空港については1999年から「ジェットハーモニー」が運行していたものの、率直に言って低迷していたようで、あいのりタクシーが渡りに船という感じで完全移行しています(要は非ANA利用者では乗合タクシーが使えなくなった)。
なお京成グループでは、都内への送り込み回送便の活用として2002/12/27から、京成成田を04:40に出て酒々井・佐倉・臼井の各駅を経由し羽田空港に到る1便を同じ「リムジンライナー」の名称で運行していたのですが、これも同時に消えるのかな…と思って問い合わせた結果、こちらも利用がほとんど無く2004年には無くなったとの由。昨年に京成電車の車内広告で存在を確認していたのですが、やはり鉄道とモロかちあった分、上手く行かなかったのかと残念でなりません。

●活況の中部・関空を見て

そんな一方、先日セントレアと関空に行ってきましたが、乗合タクシーの活況振りには目を瞠るものがありました。

アメニティートゥエンティワン

先ずセントレアですが、名古屋空港時代からその名が知られていたアルピコタクシーによる松本便をはじめとする長野県勢に加え、中京圏勢が多数設定される状況となっており、2度の訪問時もハイエースやアルファード(さすが御当地!)といったジャンボタクシーが列をなして停まっていました。
ここでの注目は「アメニティートゥエンティワン」でしょうか。もともと松本を本拠とする運送業者でしたが旅客事業にも進出、更に常滑に営業所を構えて松本-中部空港間の乗合タクシーを運行するとともに空港周辺を中心とするジャンボタクシー事業等を展開しています。
また、路線バス許可を得ている中津川インター便を運行する平和コーポレーションはハイエースでの運行。この日たまたまアルピコ便のマイクロバスを見掛けていただけにフシギな気もしました…なお中津川ではやはり少ないのか、7月改正で減便(13往復→行8発10)と桃花台停車で梃入れされてます。

次いで関空、こちらは何度も見てきていますが、相変わらずMKジャンボタクシー軍団が日中からたむろっていました。ただし今年4月に北摂便の廃止、7月に神戸便の一部値上げが実施されるなど情勢が明るいというわけではなさそうですが。 MK 夜には国際線到着客を中心にか1Fにある専用窓口には人垣が。ヤサカも専用窓口を持っており複数台が待機していますがMKには押される感じ。おっ、はくろタクシーも控えていました。
ただし、状況を見ていると必ずしも乗合タクシーとしての利用というよりも、チャーターが目立つ感じ。もともと京都を中心にジャンボタクシーが定着していることもありましょうが、全体のパイの違いは置くにせよ、成田や羽田ですらよく見かける隣接民間駐車場への送迎バス等をあまり見なかったことからも、立地上マイカーで行くよりは…という結果も1つあろうかと思われます。

***
中部・関空ともに感じられるのは、空港での情報量の少なさ。関空にははくろタクシーのほか朝日自動車なども入っているとされますが、確たる情報は確認できず。セントレアでもインフォメーションで問い合わせたところ、中京圏については基本的知識はあるものの、運行事業者の多い長野県方面については「聞いたことはありますが…」との由。ニッチ需要で原則予約制ではあるのは重々承知にしても、できれば空港会社側でもアクセスアピールの1つとして把握してもらいたいと思うのは当方だけでしょうか…。

●地方空港こそジャストフィットでは?

以前「全国空港乗合タクシー抽出録」をまとめた際に感じたのは、地方空港こそジャストフィットする運行スタイルなのでは、ということでした。
2002年、秋北バスが国からの赤字路線補助要件厳格化に伴う路線大幅縮小方針に際し、1998年の開港時から、5人/便程度の利用に低迷し赤字基調にある大館能代空港連絡バスの廃止を地元に打診。結果的には地元自治体の支援や、運行車両小型化・傘下タクシー会社への運行移管などにより路線こそ維持されましたが、地元の別のタクシー会社も乗合タクシー運行を決定。大館・能代市街からのDoorToDoorサービスを行っています。

それがきっかけ、というわけではないのでしょうが、お隣の秋田空港では、1981年の内陸移転で市内とのアクセスがバス中心となり不便であることや、1997年の秋田新幹線開業に伴い利用者が減少したことなどを受け、「秋田二次アクセスを進める会」が主体となる乗合タクシー「あきたエアポートライナー」が2002年10月から運行されています。
秋田市内方面への乗合タクシーは2001年頃から運行されていたものの、同会では空港と観光地のダイレクトアクセスを標榜し、運行事業者だけでなく空港関連、観光地関連などの諸団体が連携して企画立案。主要6方面(秋田市内・男鹿半島、能代白神、玉川温泉、角館・田沢湖、横手、本荘)からスタートし、秋田市内直行便と玉川温泉ルートを中心に需要を確保、大曲方面路線も増えています。
更には、同様の手法で大館能代空港から十和田湖・玉川温泉方面への「愛☆のりくん」もスタートするなど、こと秋田エリアの空港乗合タクシーは熱いです。

似て非なる、とまでするのは言い過ぎかもしれませんが、「能登空港ふるさとタクシー」も特徴的でしょう。2003/07/07の開港にあわせて運行開始、半島内を5つのゾーンに分け、基本的にくまなくアクセスすることが可能(なお、「幹線道路から離れた場所は直接送迎できない場合も」-との但し書きもあり)。運賃も500円~2000円と相当な勉強価格になっています。
無論、厳しい声の中での開港とともに半島全体の底上げという意味で、多分に行政支援が入っているからこそなのですが(あきたエアポートライナーは各種補助制度を上手に活用しながらも基本的に運行経費への行政支援は入っていないはず)、空港を点ではなく面で捉える試みとしては注目に値しましょう。

***
当方贔屓のANAあいのりタクシーサービスも、今年に入り「家族割キャンペーン」が展開されるなど新たなニーズを模索している様子。先に触れたようにMKの縮小などでサービスエリアが狭まりつつあるのは気にかかるところですが、まさしくタクシーまでの負担感がない中での“1ランク上の空港アクセス”の発展と、特に地方空港においてはその空港の面的なカバーエリア拡大という意味において、これからの展開に是非に期待したいところです。

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空港乗合タクシー 存続への正念場?

投稿者---551planning(2006/03/06 04:40:44)

当方、最近では羽田到着時には必ず利用しているANAあいのりタクシーサービス。もはや混み合うモノレールや電車を乗り継いで帰るなんてな事が想像できなくなっているのですが…サービス自体がついにというかやはりというか、どうも曲がり角に来ているようで。
先日神戸空港からの帰路に利用した際には、到着ロビーや貸切バス乗場横の受付場所ではそこそこの需要が感じられた(それにしてもある意味ムダとも云うべき京急駅と地上との直結スペースを寒さ対策に巧く?使ってましたね)のですが、待っているクルマが皆セダンだったことに先ず引っかかりました。あいのりタクシーの象徴?というべきワゴン型ジャンボタクシーには昨夏もお世話になったほか、1~2ヶ月前にも都心で見かけた記憶があり、それが居ないことにちょっと違和感を覚えたのですが、まぁその時には出払っているのかな…という風にとっていました。
今回利用時には当方含め3名利用、港区2ヵ所、新宿区1ヵ所で当方が最初の到着ながら最後の降車に。15分ほど待って最後の乗車客がやってきて出発となりましたが、その間にも周囲の数台が出発し、それぞれ1~3名乗車だったので、丁度時間も22時半ということで旺盛な利用を感じていました。今回は首都高を使わず、品川から六本木、青山と都心部の夜景を堪能しつつ、同乗者が降りたところで早速運転手氏とトーク開始。若い運転手氏とあって直ぐ話に乗ってくれたのはラッキーでした。

「久々乗ったけど、なかなか利用多いですね。ところでワゴンのクルマはどうしたの?」
『お客さん、詳しいですねェ…ワゴン、やめちゃったんですよ』
「えー!そうなの? でも昭栄さん頑張ってたじゃない」
『ウチ、もう引き上げるんですよ。これからはマンザキさんが1本でやるんですよ』

…東京ジャンボハイヤー設立時から深く関わってきた昭栄自動車の撤退は、サービスそのものへの影響が多いものと思われます。その上、マンザキさんの手法についていろいろと運転手氏から吹き込まれたのですが、まぁこの場に披瀝するのは遠慮するとして、“マンザキさん”とは領収書を確認するとなるほど、従前昭栄自動車と入っていたところに、成田に本社を置く松崎交通との名が記載されていました。同社はもともとANAの欧米線「お帰りハイヤーサービス」を手がけていたようですが、東京営業所を城南島に設置するなど積極策を採っている様子。ただ体制が固まっていないのか、とりあえず昭栄自動車が不足分を支える形を執ってきたとのことですが、3月からは松崎さんが単独でやる形になるのだとか。

ちなみにSFJがサービスをやるけど何処がやるのかなぁ、と振ってみたところ、どうも知らなかった様子。

『昭栄ではないですねぇ』
「第一交通さん絡みかな?」
『タダ何処がやるにしても大変ですよ。成田だって各社やってましたけど…』

と、その場で知ったのが、成田便撤退。羽田よりもニーズはあろうかとも思うのですが、やはりパイが小さかったか…。気づけば一般運用でも昨年にはMKなどが撤退、そして今年2/19でパイオニアであるアルファ交通等の「ジェットパートナー」も撤退と、成田空港からの対都心乗合タクシーサービスは完全撤退となっていました。実は長野の中央タクシーも昨秋にセントレア便を運休、残る成田・羽田線でも燃料費高騰による運賃値上げを実施するなど、収益環境の厳しさは乗合タクシー共通課題、特に短距離では水揚げ自体が少なくなるわけで…。

『それにしても苦しいと思いますよ。ウチもメーター倒して差額もらってなんとかですからね』 「ANAが補助してくれているの?」 『一部ですけどね。それでも赤字ですわ』

確かにメーターを見ると、高速に乗らなくても軽く5000円を越える状況。3人乗せても乗客からの売り上げは実質4800円にしかならないわけで、効率性からいってもムダが多いと云わざるを得ない状況。ましてやジャンボタクシーでは流し運用が出来ないわけで。

「これからまた羽田戻り?」 『いや、コレで通常業務に戻ります。その意味では(この仕業は)ラクは楽なんですよね』

そう云えばこれまでの利用時に同様なことを聞いたときには、何度か往復して朝に早朝お迎え便やクルー送迎などを行うなど、比較的拘束された専門運用を取っていたようでしたが、もはや助っ人という立場では本当にお手伝い、というところなのでしょう…降車時には思わず『しっかり稼いで下さいね』なんて云ってしまいました。

***
改めてANAサイトを確認すると、成田便終了に加え、早朝お迎え便の終了と4月以降の羽田便利用数制限導入が告知されています。その一方で、サービス自体の6月一杯継続もアナウンスされており、とりあえずはホッというところでしょうか。とはいえ、こと羽田においては松崎さんが何処まで踏ん張れるかが焦点という状況、ANAとしても旨みが少ないとなればこのままフェードアウトも十分考えられます。

その意味ではSFJが予定しているサービスの価格設定などが参考になるような…なるほど、やはり株主でもある第一交通産業絡みで来ましたか。完全チャーター方式で、横浜駅線も運行するとは、今後の動向が注目されましょう。

やはり散る…。

投稿者---551planning(2006/08/10 10:10:13)

ついに9月いっぱいでの全サービス終了がアナウンスされました。

別途経過録を取りまとめてみましたが、当初リリースでは『航空会社とタクシー会社(4社=MK・東京MK・東京ジャンボハイヤー・川崎タクシー)が提携し、乗合タクシーとしてご自宅とご旅行先を結ぶDOOR TO DOORサービスをご提供するのは、日本で初めての試み』として、順次他空港への展開も示唆していたのですが…蓋を開けてみると苦難続きだったといいますか、4空港(羽田・成田・伊丹・関西)で1000人/日の利用を見込んでいたところ、最初の数ヶ月で1000人/月程度に低迷。知名度アップのためにボーナス参る付与などのキャンペーンが急ぎ打たれたのですが、結果それらの施策がずーっと継続されることとなってしまい…。

1周年が過ぎてすぐには、利用対象者をマイレージクラブ会員からANA便搭乗客への拡大や羽田利用者の当日電話予約受付開始など現実的な対応も行われる反面、2004年3月末で成田・伊丹発着エリアが、9月末で羽田エリアが縮小され、対川崎・横浜エリアのサービスが終了(=川崎タクシー撤退)。
2005年に入ると、MKのサービス見直しにあわせて伊丹・関空の対象エリアも連動縮小。一方で羽田・成田ではEdy支払対応開始や「家族割キャンペーン」など利便性向上・新規ニーズ発掘施策が打たれており、この時点では既存サービスとして定着していた関西と、未だビジネスモデルが浸透していない関東の差なのかな、とも思っていたのですが。


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