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  • Photo:羽田亀有線
  • 羽田亀有線
    交通量は多いが流れていた
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    若干の遅れを持って葛西「通過」
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    見送る人々の心境や如何に?
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    葛西南高校東交差点から詰まる
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    堀江団地交差点で身動き不能に
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    ほうほうの体で湾岸線入り
羽田空港アクセスシリーズ

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※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

亀有線

〔羽田バスアクセス〕亀有線開業で考える環7東部地区南北交通の今後

当ページを御覧頂いている方は既に御存知の通り、【検証:】特別リポートの端緒は1999/12に開業した小岩駅-羽田空港間空港連絡バス試乗記であった。その後の羽田空港連絡バス路線の伸張はめざましく、当リポートもこの話題を中心に続ける事となったわけであり、一方で同線沿線地元に棲む当方としてももはや愛着すら覚えている。言い換えれば、リムジン小岩線無くして【検証:】企画の発展は無かったとも云うべきであろうか。
時は流れて…小岩線も順調に成長、2度目のダイヤ改正と共に兄弟路線である亀有線が開業することと相成った。「先輩」に次ぐ環七~湾岸道路経由の同線に試乗するとともに、小岩線成長の変遷と環七東部地区の南北交通のあり方をも視野に入れて以下考えてみたい。

亀有駅→羽田空港 空港行4便

体感的には真冬の寒さではないにしても、生憎の雨模様のなか吹く風が身体の中を通り過ぎて行くような、そんな感じを思いつつ迎えた弥生3月の初日。当方は『両さんのふるさと』JR亀有駅の南口のバス乗り場に佇んでいた。再開発で面目を一新して久しい広場はまだ夜が明け切らぬようで、通勤通学客の出足もまだ鈍い。ロータリーで休む京成バスの側面の京成タウンバスの赤文字が印象的…。羽田亀有線
めざす羽田空港行き高速バス乗り場は駅南口から一番近い2番乗り場。葛飾区南北主軸バスルートである京成バス:亀有駅~新小岩駅線と同じところ。庇はあるものの雨は容赦なく吹き込んで来る。7時前に到着したが、しばらくしてバスが到着、経ずして乗用車で東空交社員が出張ってきて、三々五々待っている利用客に声掛け。「7時ちょうどの新小岩行きが出てから入りますんで、もう少々お待ち下さい」と断りつつ、何処から来たか、何で開業を知ったかとリサーチ。片耳で聞くところでは沿線で撒いたチラシが効果的だった様である。

京成バスが到着し、そこそこ列になっていた客の半数以上が乗り込んで出発。直後にオレンジのリムジンバスが到着し、5人が乗り込んだ。初日から回数券購入者も出るなど順調な出だしといえそう。最終的には10名が乗車して、津田沼線時のような式典はなかったものの複数の路線関係者と思しき背広組に見送られながら定刻に出発、すぐに環七に入る。早速渋滞につかまる、といっても全般的に流れておりストレスを感じるノロノロ感にはまだ至らず。
京成線の高架をくぐって青砥駅東交差点を通過、さすがに停留所は設けられなかった。御存知の通り環七では都心方面への主要道路との交点には陸橋が設けられており、信号待ちを繰り返さなくて済む点が「ある程度時間が読める」コトに繋がっている。各所の情報案内板が都心方面渋滞を示しているのに環七では渋滞なしと表示しているのはそのためでもあるわけだが、葛西の先で真っ赤に表示されているのが多少気にかかる…。
3分ほどの延着で一之江駅、3名乗車。ここでも社員が控えており、『葛西は通過ですね』と確認。空港行きは葛西駅には朝3便のみ停車で、以降通過扱い。なお亀有行きでは全便降車扱いを行なう。「大票田」葛西の通過は様々な意図があってとは推察されるものの…その葛西駅は道路の最内側を通過。10名弱の待ち客がおり、オレンジ色のジャンパーを羽織った社員と思しき人も…眼前を通過して行くクルマを前に「説明」しているのかという感じが見て取れた。

葛西駅を過ぎてしばし、さすがに湾岸道路手前で渋滞にはまる。急に動かなくなり、運転手も無線で首都高へ乗るランプの支持を仰ぐも、建物に阻まれてか感度悪し。この日、月初めに雨天が重なり各所で渋滞が伸びた様だが、無線からは成田からの羽田・横浜方面便のアクアライン迂回、その他千葉方面各路線には下道(R357)も渋滞のために『本線(東関道~首都高)走行を』と途切れ途切れにリアルな情報も…東空交では最近、従来の無線指示に加えGPSを組み合わせたバス運行管理システムを導入したのだが、バス現在地の詳細補足までは難しいらしく何度か正確な位置確認が求められたが、動こうにも動けない…葛西では首都高およびR357への入口が環七交点のみになっているため、かなりのボトルネックなのである。無線からは非情にも、葛西を出た後続便に迂回指示が出された。
トイレもなく、渋滞情報提供の放送もなく、葛西駅から都心へ向かおうかという周囲の流れを見遣りつつ、動かない車内にいるのも退屈する。いたたまれなくなったのか初老の男性が「9時発便に乗るんだけど、大丈夫か?」と問い合わせ。運転手も首都高に乗れれば…とつれない返事。「遅延等で発生した損害等については、運行会社ではその責は一切負いかねます」とパンフにも書かれている通り、乗ったら最後、まず腹を括るしかない…結局、5キロもないところで30分を要し、葛西ランプへ。

羽田亀有線

もうすぐ営業開始する葛西臨海公園の観覧車を左に仰ぎ、首都高最混雑区間へ。といっても環七終点部よりははるかに流れており、新木場を過ぎれば猛ダッシュで一路空港へ…お詫び放送が入って空港着は渋滞分30分の延着となった。よくやったとは思うが、飛び降りんばかりに足早にカウンターへと消えて行く乗客を見るにつけ、ほろ苦のデビューとなったというべきだろうか。
1階ではちょうど到着ラッシュを迎えており、ツアーデスク前では長い行列ができている。平日というのにTDL線や都心方面を中心に各のりばそれぞれ人がついている。昨日まで「葛西・一之江・小岩駅方面」だったのが「葛西・小岩・亀有方面」となっていた。まもなく、亀有行き初便が乗り場にやってくる頃だ…。


既に諸掲示板で記した通り、亀有線開業のポイントは2点と考える。既存地区対応&新規需要確保の産物といえようか。
対常磐線近距離区間という意味では勿論松戸・柏という大都市狙いの方が理想的だろうが、首都高中央環状~三郷線の「信頼度」を考えると、まずは亀有線で市場調査を…という狙いが読み取れる。東空交リリースでは、『綾瀬~柏間の沿線にお住まいの方々にとって大変便利になります』としており、何やら中途半端に感じるが…?個人的には今後として流山・柏方面は充分考えられそうな気がしている。
亀有線のミソは小岩線…というよりも「葛西対策」であろう。運行コストを考えれば葛西止まりとするのも亀有まで行くのもさほど変わらないというコトなのだろう。

であるとして、図らずも南北軌道系公共交通が弱い当該地域でそこそこの距離でのバス路線の運行が始まったということをより有効活用できまいか…すなわち、「環七快速バス」は成立しないだろうかと考える。具体的に云えば、葛西~小岩・亀有間での中間乗車による輸送サービスの提供である。勿論現状では「空港限定バス」の縛りがある事は重々承知しているが、バス事業自由化まであと1年なのである。
葛西~小岩間では路線バスが運行されており通しの利用者もなくはない。隣の西葛西~新小岩間では都バスによる急行バスの運転も始まっている。葛西~亀有間での流動はまず考えられないとされがちだが、例えば綾瀬の東京武道館や柴又帝釈天、あるいは葛西臨海公園やお台場方面などへのアクセスを考えると、潜在需要はゼロとは云いきれない。
何時になったら実現するか分からない「メトロセブン」を夢見るのも結構だが、主要鉄道フィーダーとしての役割だけではなく相互間交流の起爆剤になり得る可能性があることを証明できれば、「メトロセブン」実現への有効な一助になるとも考えるのだが…。

■その後の後の記(2011/04)

常磐線駅接着路線としては、予想していた柏線は2003/06に、その後2007/03に北千住線が開業-ある意味順当というべきか京急&東武コンビでしたね。両路線とも増便されていますが、10往復で運行開始した亀有線も現時点で空港行22/発21、兄弟路線というべき葛西・一之江・小岩線も22往復にまで成長しています。「葛西対策」とも書きましたが、倍増しているという意味では亀有の利用もしっかりつかんでいるのでしょう。なにより、これもひとえに環七の信頼性の賜物でしょうか。

その意味で個人的に強く期待した「環七快速バス」は2007/04に「環七シャトルバス」として亀有・小岩~葛西臨海公園・TDR間の路線バスとして試行され、翌年からはシャトル☆セブンとして本格運行に至っているのは御承知の通りかと。ただし、今でこそ専用新車が投入されているものの結局路線車のままで、利用好調な分TDRまで立客多数…というのはなんだか勿体無いような気もします。

亀有線も気づけば開業から丸10年-当面は現状維持が続くものとも思われますが、外環道開通による松戸方面路線の可能性や、中央環状線の負荷軽減如何によっては葛飾区内ダイレクト路線等の展開も期待されるかなとも…チト気が早いかな。

 

最新情報は【検証:】Wiki-羽田空港アクセスバスデータにて
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