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  • photo:羽田小岩線
  • 羽田小岩線
    駅前ロータリー中央部から出発
  • 羽田小岩線
    やはり臨海公園交差点で滞る
  • 羽田小岩線
    臨海副都心を駆け抜けて
  • photo:羽田小岩線
  • 羽田小岩線
    19:55発木更津行
  • 羽田小岩線
    20:25発木更津行
  • 羽田小岩線
    お台場の観覧車を横目に
羽田空港アクセスシリーズ

トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート19

※当リポートは発表後の変化を反映させ再構成した Reconstruction スタイルです。

■2度目の再構成にあたり(2010/08)

【検証:近未来交通地図】は1998/10にサイトオープン、当初はBBSを中心に適宜過去ログ化することで、持続的な意見交換スペースを目指していました。その後、同時並行的に非交通系を含め数種の企画モノを展開していましたが、そのひとつとして出発したのがこの551planningリポートであり、その中心には2000年代に目覚しい発展を遂げた羽田空港アクセスバスの存在がありました。

その端緒となった葛西・一之江・小岩線にはかなりの思い入れがあります。なによりも当時の棲家の近くから羽田空港まで直行バスが出るというのは、いろんな意味でカルチャーショックでした。当時の本業が羽田空港アクセスにかなり近しいモノだった-ということもあるのですが、なにせその時点で生まれてこの方ヒコーキに乗ったことがなく陸海公共交通機関一辺倒、未だ『何故あんな鉄の塊が大空に舞い上がるのか?』と半ば真剣に思い込んでいたものですが、さりとてさすがに社会人となると各地を彷徨するにも時間的制約と、時同じくして45/47体制の終焉による劇的ともいえる航空運賃の低減があり、効率を重視すれば当然選択肢に入ってくる中で、東京駅アクセスが至便な一方で羽田はとなると最低1回乗継ではあったものの小1時間かかることからまだまだ手を出せずにいた-というのが率直なトコロだったので、近くから30分足らずで羽田ダイレクトというインパクトは本当に大きかったのです。
結果、2000年夏に新千歳→羽田で人生初搭乗を果たした後は、マイレージサービスの充実に電子マネーが結びつくことにより“貯めるヨロコビ”が身近になったこともあり、さすがにヘビーユーザーとまでは行かないものの、東阪間移動ですら早朝深夜便狙いなど、コストパフォーマンス重視によりエアーを選択することが増えたのでした。

話を戻して、2003年に長年暮らしてきた江戸川南部を離れたことにより以後の利用こそなくなりましたが、まさしく小岩線の発展とともに当方の羽田空港バスアクセスウォッチにも熱が入り、種々の実見リポートから羽田空港アクセスバスデータという新しい企画にも発展、更にはWikiスタイルの導入という技術的にも【検証:】サイト運営を1段引き上げる原動力につながっています。
本リポートも2002年にreviewスタイルと称した再構成を行っていますが、2009年からのサイトデザインリニューアルにあわせ、今回改めて見直しを行いました…ま、表現の稚拙さ等はさて置いて頂いて、いろいろな意味で10年ひとむかしを実感させられたのでした。

 
小岩線

〔羽田バスアクセス〕小岩駅-羽田空港連絡バス試乗記

師走も半分過ぎた12/16(木)、開業当日の小岩駅-羽田空港間空港連絡バスに試乗しました。これは小岩駅南口-一之江駅-葛西駅を経由し湾岸道路で羽田空港に向かうもの。江戸川区の肝入りらしく、先日の広報えどがわ1面にて大々的に報じられています。

小岩駅→羽田空港 空港行3便

07:15 小岩駅南口

ようやく朝の活動時間帯となりつつある小岩駅前、早出の通勤通学客が先を急いでいる。羽田空港直行バスが登場の日にしては落ち着いた普段と変わらない感じに映る…それもそのはず、乗り場を戸惑ってしまうほど告知・宣伝等が無い…!江戸川区待望の路線だけに、これは拍子抜け。ようやく駅ロータリー中央部、葛西臨海公園行2階建てバス乗り場の脇にポールを見つける。
周囲には5~6人。しかし暫くして彼らが関係者であるとわかる。バスがなかなか来ないのでそわそわしているよう。と、小岩駅の雰囲気には見慣れない高速バスが到着、07:25。

07:30 小岩駅南口発車

乗車は私含め5名。うち2名が江戸川区関係者。他2名は空港利用客のようだ。足早に駅へと向かう通勤の人の中で「おや…?」、という顔はあるものの差ほどの注目は浴びていない…?。自転車で通りかかったオヤジさんが物珍しげにポールを見つめている。「羽田に行けるんかい?」
すでに05:00・06:15発が出ていてこの車は3便、京成車。トイレもついている本格仕様の車両だ。
07:30発車。真新しい表示器にも案内放送にも「羽田空港」がくすぐったい。細い道を通勤通学客を一杯乗せた路線バスを何台もやりすごしつつ通ってしばし、進路を南へ向け混みつつある環七へ入った。

07:50 一之江駅 / 07:57 葛西駅

環七はまあ流れており、一之江駅着は定時5分遅れ。大荷物を持った女性1名が乗車。ここにも京成社員が待機している。荷物を載せるのに苦労する女性客をすかさずサポートしていた。
しばし走って葛西駅、ここでは8名乗車。試乗然という人もいるが、空港利用者もちゃんと。沿線住民にとっては利用のし甲斐のあるまさしく待望の路線なのだ。
発車後再度放送が入り、運転士の肉声放送も。「到着予定は08:25」だが、さて…。

08:17 首都高湾岸線葛西ランプ / 08:25 お台場付近

08:17湾岸葛西ランプ。この時間は環七よりもこの先、湾岸が勝負となるのだが、情報板にはさほどの渋滞は出ていない。しかしさすが案の定のろのろに、前に車が詰まっていて先が見通せない。
湾岸道路はさすがの「空港連絡バス街道」。どの成田行きもそこそこの乗りだ。え、TDL行きも結構乗ってる? 辰巳JCT過ぎから流れ始める。08:25お台場付近通過。いつ見ても[未来都市]然としている。逆に人の息遣いが聞こえ無いというか…。そうこうしているうちに東京港トンネルを抜け、大井へ。前方につくばセンターからと思われる関東鉄道バス車が。そういや関鉄もなかなか[KANAC]塗装にならないなぁ…。

08:35 羽田空港着

08:35羽田空港着。渋滞に巻込まれ…という画を想像していたので呆気ない到着というべきか、10分延は上出来と言えそう。出発階の2階でまず南側(JAL・JASカウンター前)で8名が、北側(ANA)で6名が下車し、まさかの65分走破は幕を閉じた。

関鉄つくば便 京急TDL便

8~9時台は朝の到着のピークの時間でもあるが、一方の出発ロビーはまだまだ静か…首都圏各地からのバスが折り返してゆくが、つくば行きもその一つ。

長い行列が出来ていたのはTDL便、平日(木曜)というのにこの集客力はやはりさすがだ。

 

羽田空港→葛西駅 空港発9便

羽田空港 19:45~20:30

空港行きの京急線急行は、空港線内であらかた乗客が降り、羽田空港駅のホームに降り立ったのはざっと100人弱か。
空港内の空気をみても、発つ人戻る人、帰路への安堵感というか、ほっとした雰囲気が何やら漂ってくる感じすらある。

それにしても最近の空港連絡バスの変化は目まぐるしい。ここ2~3年でもアクアライン線、高崎・前橋線、たまプラーザ線、つくばセンター線、本厚木線…一昔前までは京浜急行と東京空港交通の牙城だったのが、今ビックバードを様々なカラフルバスが彩っている。
左の写真は19:55発(日東交通便)と20:25発(小湊鉄道便)のアクアラインバス木更津行きだが、双方かなりの乗り。空港客の他に通勤帰りと思わしき方も多く、定期券発行とあいまって更なる「通勤路線」としての利便性が高まっていそうである。

京急YCAT便 東空交新宿便

とはいえ老舗会社・路線もまだまだ。
京浜急行空91横浜線は5~10分間隔、全車8割以上の乗りは当たり前で「次発車待ち」の列も自然とできるが、京急空港線開業後は減回が続いている。
池袋・新宿方面は東京空港交通の独壇場。時間は掛かり割高だが着席性と1本直行という魅力には代え難い…。

 

羽田空港6番バス乗り場発 20:35

20:25羽田空港6番乗り場。ここはお台場・TDL、池袋方面の乗り場でもあり、先発の池袋行きははや7割以上の乗り。外に残る一部はの人々は30分後の後続の池袋行狙いの様子、果たして我らが小岩便の利用のほどはと案じられる…。
池袋行発車後もお目当てはなかなか入線せず、立会いの京成社員・リムジン係員もそわそわ。係員が電話で連絡を取っている…。どうやら遅れているのか?

ようやく入線は20:30。いつのまにか試乗風サラリーマンと旅行帰りの御婦人グループなど7~8人が待っていた。一同千円札を握り締めている。
20:35発車。直前に若い女性2名が駆け込んできての最終乗車16名は初日には上出来と見よう。しかしどうやら乗車場所が分からなかったという感じの利用者が多い様に見受けられたのは残念だ。発車前に立会いの京成社員が「たいへんお待たせしました」との一声も当然ではあるものの、やはり悪くは無い。
行きは京成車だったので…ということで選んだ帰りの東京空港交通車は大量増備中の汎用車、トイレはついていなかった。LED式となった側面表示も見慣れたが、やはり「葛西・一之江・小岩」の文字は新鮮だ。

首都高湾岸線大井料金所 20:45 / 辰巳JCT 20:50

湾岸線は順調そのもの。といって無理をしない手堅い走りで淡々と進む。20分で葛西ランプ。とはいえ夜は環七のほうが気になる…、さてどうかと思っていたがこれまたあっさりとほぼ定時で葛西駅着。ここで半数8名が下車、4~5人が駅改札口のほうへと向かった感じ。駆け込み乗車の若い女性連れも葛西で降りたが、「早いわぁ、いいわね」といっていたのが印象的だった。

葛西ランプ 20:55 / 葛西駅前バスターミナル 21:01


率直な意見として、沿線住民としては「あり」ですね。
個人的にこのような形の路線開設を模索したこともあったのですが、まさか丸1年で実現のものとなるとは全く思っていませんでした。
朝時の時間が読めるかどうかはいまいち微妙とはいえ、うまく流れに乗ってくれれば速いこと。搭乗より余裕をもって行くことを考えると十分選択対象になりうるものと考えます。

それぞれの停留所の駅からは1回乗換で空港には行ける(都営浅草線~京急線)ものの、朝ラッシュで考えれば確実性はともかく速さと着席性は魅力です。
より期待は夕方以降の帰宅便。はっきり言って葛西までなら確実に30分を切ると思っていいので、葛西地区のみならず東西線沿線への利用もアピールできましょう(近例でTDL便があるが、浦安市街からの利用でもワンクッション移動が必要で利便性は低い)。

今後の課題としては、まずバスカードへの対応。特に南北交通をバスに頼る江戸川区地域ではバスカードの普及率も結構なもの。他の近距離リムジンもそうだが、これは是非やってもらいたいところです。羽田小岩線
全区間均一1,000円ですが、葛西駅はさらなる値下げが考慮されてもいいのではないでしょうか。価格比較では東西線・都営浅草線~京急線ルートでは790円なので、これでも十分競争力はあると考えますが、家族など3~4人でタクシー利用を考えればドアトゥドアで一人当たりの負担はそう変わらないものとなります。江戸川区南部地域で葛西駅まで出る、葛西駅から帰るのはそう利便性が高いとは言えないため、もう少し価格面での訴求力を持たせても良いのではないでしょうか。

その意味で葛西折り返し運用便の設定もおもしろいのではないでしょうか。西葛西・清新町方面やなぎさニュータウン・南葛西方面など各団地経由もありかもしれません。
そもそもリムジン仕様ハイデッカーバスでの運行形態一辺倒の考えを改めてもいいのでは? 一般路線としての設定により、中間乗車も可とすれば別利用の旅客も取れると考えるのですが…。

ともあれ、やりよう如何ではかなりの潜在的需要開拓も不可能ではないこの新路線、今後要注目してみてゆきたいと考えております。

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価値あり

投稿者---僕もK車嫌い氏(1999/12/21 00:50)

551さんの、取材の速さには驚かされますね。まさか、もうこの取材記が載るとは・・・。

さて、この羽田空港行きのバスについてですが、1日8往復、葛西駅と羽田空港を約30分、1,000円で結ぶものですが、これはなかなか価値があります。葛西駅から羽田空港に行くには、モノレールにしろ京急にしろ、1時間以上かかるし、乗り換えもあるので、昼間の渋滞の少ない時間帯は、俄然バスが有利になりますし。

でも、葛西駅のみならず、バスの融通が利く良さを生かして、西葛西駅やなぎさニュータウン経由の便があったらいいのになと思います。
あと、京成電鉄さん、新宿発25:00の葛西・浦安行き深夜高速バスを走らせてください。お願いします。

空港内の案内は?

投稿者---樋口氏(1999/12/21 21:02)

羽田空港連絡バスのレポートを拝見しました。
客観性と主観が巧い具合に混じり、良く判るし面白かったです。

さて、今後のリムジンバス網育成の最大の障害として、石原都知事が推しているディーゼル車全廃論があります。
というのは冗談半分ですが、実際問題として渋滞による時間が読めない点は不利に違いなく、ビジネスユースとして考えると、いわゆる「直行直帰」の時間帯でなければ、大幅な利用増は困難と思います。いくら昼間は渋滞の少ないルートとはいえ、不意の事故渋滞が起きる可能性は、かなりリスクを伴う決断となるでしょう。
一方の行楽利用ですが、こちらは望めるのではないでしょうか?自家用車で空港まで行くと、複数の利用で直接経費は低廉化しますが、空港での駐車料金は侮れません。期間にもよりますが、バスや鉄道を利用した方が安くなる場合もあるでしょう。こうした場合、乗り換えの発生する鉄道より、直通できるリムジンバスの方が、魅力的な交通機関になり得ると考えます(特に帰路で顕著と思われます)。

問題は空港内での案内についてです。
多方面に直通するという事は、換言すると乗り場が複雑になるという事です。空港でバス乗り場を探し回った挙げ句、目的のバスに乗り遅れたとなっては、次回からも利用するリピーターとなってくれるか怪しいものです。リムジンバス網が急速に拡がりつつある現在、案内を含めた空港の設備が重要になってくると思います。

とりあえず、思いついた事を列記してみました。(^_^)

羽田空港連絡バス増殖中!

投稿者---551planning(2000/01/22 00:20)

投稿しっぱなしで、有難い返答を頂いたのにもかかわらず反応せずで大変恐縮です。

さて新着情報を一つ。
京王バスと東京空港交通が共同で羽田空港―聖蹟桜ヶ丘―京王多摩センター間リムジンバスを今春にも運行開始することとなり、1月7日に路線免許を申請との事。多摩地域からの羽田空港直行便は初めての設定で、12往復を予定している由(20日付日刊工業新聞記事より要旨)。

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2010/08

10往復で運行開始した葛西・一之江・小岩線。変遷の詳細は「羽田空港アクセスバスデータ」に譲るとして、現時点で同路線が空港行21/発22、兄弟路線というべき亀有線が行19/発20にまで成長。両路線18時・21時台の各1便ずつ系4便では、2TB・1TBからそれぞれ始発する“2台出し”の措置がとられていますがこれは本系統のみという特殊例、旺盛な需要を象徴しています。
さらに2010/07/16からは同じ東空交&京成コンビにより行徳・市川線が開業。小岩駅や葛西駅では鉄道乗換利用も少なくないとされていただけに、こちらも兄弟路線と捉えることができましょう。

また“姉妹路線”というべき、成田空港と葛西・一之江・小岩を結ぶ路線が2004/05に開業。それぞれの駅で考えれば最低1回乗換で京成線に接続しておりどうかなとも思ったのですが、当初行5/発8で運行開始も、2007年には行7/発9に増便されており、直行スタイルの定着を感じさせます。

ところでその成田空港線、運賃は1500円也-鉄道との競合を考慮してとはいえ、これは正直激安です。たとえば錦糸町・東陽町地区からでは2700円、TDR・新浦安地区からでは2400円、いずれも東空交が絡んでおり小岩線は京成単独ゆえの強気設定なのでしょうが、逆に羽田空港との運賃バランスを思えばうーんとなってしまいます。
その他、当時に当方が実感した部分でいえは、バスカード対応は2009年にようやくPASMO/Suica対応化が図られていますが、これも現時点では空港行京成便のみでの対応とまだまだ。中間乗車対応については、本系統自体の旺盛な利用で結果的に非現実的な部分となったところはあるにせよ、江戸川区等の肝煎りもありカタチを変え2007年から環七シャトルバス~シャトル☆セブンとして実現はしていますが、こちらも一般路線ゆえバリアフリー法の縛りがあるとはいえ低床バスでは利用イメージとはちとズレを感じるような…。

開業から丸10年、成熟期を迎えつつある本系統ですが、羽田国際化に向け、今後もまだまだ目が離せないというところでしょうか。

 

最新情報は【検証:】Wiki-羽田空港アクセスバスデータにて
ご意見は【検証:】常設板までお気軽に!

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