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【検証:近未来交通地図】
特別リポートNo.050-2

京阪大津線系統点描…から

いろいろと難しそうな
「湖南のおはなし」

 本投稿は、【検証:】掲示板でもお馴染みの、うり様より当BBSに御投稿頂きました文章を、読みやすく構成させて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

路線分断の掲示

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いろいろと難しそうな「湖南のおはなし」
 投稿者---551planning(2004/01/07 23:09:27)
─湖南地区道路事情
 └大津に思う...
  └大津の商業施設と京津線の存在感
 └Re:湖南地区道路事情
  └Re:湖南地区道路事情
   └Re:湖南地区道路事情
 └やっぱり難しいおはなしのようで…
  └補足
   └Re:補足
  └Re:やっぱり難しいおはなしのようで…
   └上か下か
    └Re:上か下か

 すいません、時間が無いので備忘兼ネタ出し程度に。

滋賀県、湖岸道路渋滞解消に検討委 車線拡幅など7提案(01/03京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…
通勤通学はレンタサイクルで 大津市、放置自転車削減に(01/03京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…

 通過交通、域内交通、末端交通…課題山積のようですが、一方で京津線や路線バスの価値をそれらの中でどのように見出してゆくかを考えたいと思っておりますが、なにとぞ実状知見不足なため、御意見を賜れれば幸いです

湖南地区道路事情
 投稿者---うり氏(2004/01/10 00:51:45)

 近々名神大津ICと石山地区とを結ぶ道路が開通するようですが、現時点では開通していないものとして考えます。

 大津市の商業集積は概ね以下のようになっています。

大規模小売店舗 浜大津〜におの浜(アーカス、パルコ、西武、マックスバリュ)
 ※浜大津OPAは開店してから約5年ですが、近々閉鎖される。
いわゆるロードサイド店 西大津周辺〜堅田が最大の集積地、におの浜周辺も多少集まっている。
大津市内の国道1号は意外と少なく、湖東方面は草津市内のほうが集積している。
その他 競艇場が浜大津に、競輪場が西大津にある

 なぜ浜大津〜におの浜付近の湖岸道路が混むかですが、

  1. そもそも湖東−湖西を繋ぐ道路は、湖岸道路と琵琶湖大橋の2本しか存在しない。
  2. 買い物の場合、浜大津〜におの浜周辺が目的地となることが多い。
  3. 京都東IC〜京滋バイパス合流部間の1号線は片側1車線のため、慢性的に渋滞している、そのため、湖岸道路はむしろ抜け道的な存在でもある。近江大橋の通行料を許容するのであれば、山科−草津方面へは湖岸道路を通過するのが最も速いルートとなる(浜大津−草津川までの区間はすべて片側2車線)。
  4. 湖岸道路と並行している京阪石山坂本線の踏切が右左折車を滞留させ、渋滞を引き起こしている。
  5. 休日は浜大津アーカスの駐車場待ちの車が湖岸道路に溢れ、結果として渋滞を引き起こしている。
  6. 利用者の視点から見れば、近江大橋西詰交差点の構造、および信号には欠陥があると考えられ、におの浜→近江大橋方向についていえば、理想的な車線配置と信号では起こりえないような渋滞が発生している。

といった問題があります。

 また滋賀県は、滋賀県民(特に鉄道利用者)が滋賀県内で買い物をせず、購買需要が京都や大阪へ流出している現状を問題視しています。しかしながら滋賀県最大の商業集積地への交通アクセスは、道路鉄道共にきわめて悪いのが現状です。

 この地域の抜本的な交通渋滞緩和策ですが、まず、例示された案を検証します(ここから京都新聞の記事を引用)。

 浜大津−由美浜間は

▽浜大津方面の車線を1車線増やし5車線化
▽6車線化

 理想といえば理想ですが、現実問題可能なのでしょうか?また、京阪石山坂本線を廃止か線路移転し、線路敷を道路に転用でもしないと現実には拡幅不可能と思われる区間もあります。

▽におの浜2丁目の大津パルコ前交差点に円形歩道橋設置
 大津パルコ前交差点への歩道橋の設置と渋滞解消とは無関係です。

▽高架建設
 道路拡幅以上の困難が見込まれます。

▽国道1号へのう回案内板設置
 片側2車線の道を通行しようとしている車に、慢性渋滞が発生している片側1車線の道へ迂回させようというのでしょうか?全く現実を知らない人が机上だけで議論しているとしか思えません。

 由美浜−近江大橋間は

▽同大橋西詰で石山方面行きを立体化
 立体化するスペースがあるのであれば、におの浜→近江大橋方向の車線を増やすことで、立体化することなく渋滞は解消すると予想されます。

▽6車線化
 理想ですが、現実には相当難しいのでは?
 ただし、におの浜周辺と比較すれば建物が低層のため、まだ現実性はあります。

「市民の車、市内を訪れる車、通過だけの車のそれぞれについて考えるべき」
 通過車両は名神、京滋バイパス、湖西道路を利用しろと言いたいのでしょう。しかしながら実際問題として、通過車両の湖西道路通行禁止などできるはずもないですし、どうやって通過車両とそれ以外の車両とを区別するのでしょう?

「車を減らすため、公共交通の利用促進策を考えるべき」
 公共交通を利用させようとすればするほど、買い物需要は滋賀から京都、大阪へますます流出します。JRの線路は湖東・湖西ともに、におの浜や浜大津を向かず、京都や大阪を向いています。
 公共交通の利用促進は、大津の街そのものを寂れさせてしまうことになりかねず、おそらく高い実効性を持つ公共交通の利用促進策が実施されることはないと考えられます。

「古都指定を受けた大津にふさわしい道路を」
 私には具体的にどういう道路かわかりませんが、少なくとも高架道路でないことは確かでしょう。

 というわけで、今回の記事の中に答えがあるとは思えません。
 そこで、私なりの抜本的解決策です。

(1)1号線利用者を名神もしくは京滋バイパスに誘導する。

 しかしながら、現状の割高感が否めない通行料での誘導はまず無理でしょう。大型車が片側1車線の1号線を大挙して通過する現状では、相当の割引料金を導入しないと誘導は無理であると考えます。
 仮に割引を導入するとすれば、京滋バイパス巨椋IC−瀬田東IC、および名神京都東IC−栗東ICで行わなければ実効性はないと予想されます。しかしながら大津市から大きく外れた区間を、大津市のために割り引くとすれば、誰が費用をだすのか?入り口の議論で揉めそうな気がします。

(2)1号線を拡幅する。

 そもそも1号線のバイパスとしての役割である京滋バイパスが利用されず、利用されない結果として一般道路の1号線を拡幅するというのは本末転倒です。
 むしろ、まずバイパスとしての京滋バイパスの利用促進策を打つのが筋だと考えます。

(3)暴論ですが、商業集積を他地域に移す。

それでなくとも購買需要の京都、大阪への流出に悩む滋賀県(大津市)が、こんな手段をとるわけがありません。むしろ、さらに店舗を集積させたいのでは?(浜大津OPAの失敗がこの事実を物語っています)

(4) これまた暴論ですが、琵琶湖を道路幅分埋め立てて、その埋立地に道路を建設する。
もしくは、湖岸道路のさらに浜手にある道路を琵琶湖側に拡幅する。

 国道1号や湖岸道路の拡幅など、用地買収の手間ひま、そして費用について現実的に考えれば、途方もない時間を要するというのは容易に察することができます。そのため、なるべく早く、かつ効果的な道路整備といえばこの方法しか思いつきません。
 自然保護や環境保護の問題があり、おそらく誰も率先して口にすることはない方法ですが、裏ではこの案が練られていると個人的には予想しています

大津に思う...
 投稿者---エル・アルコン氏(2004/01/11 01:43:45) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 大津についてはさほど詳しくないんですが、少々感じたことを書きます。
 ちなみに路面電車廃止問題の親スレを立てた私が言うのもなんですが、そちらの京阪に関する議論も合流させたほうが良いですね。

存続問題の路線における不吉な共通点 ../../update/conversion/log001.html#2

●大津の商業
 うりさんご提示の展開を見て思ったのは、大津の商業施設はどこをターゲットにしているのでしょうか。
 琵琶湖南岸の言ってみれば「隘路」とも言うべき地勢の、いちばん浜手に展開していますが、クルマにしろ公共交通にしろ、どこから、どうやって、そこに行くことを想定しているのか。しかも全国的に見ても希有な府県庁所在地間の短さ、つまりすぐ隣りに商工・観光で圧倒的な京都、さらには大阪を控えていますが、そうしたライバルを考えたとき、大津の存在感が非常に薄く感じます。

 来やすさという面では、西大津バイパス、京滋バイパス・名神高速といったバイパスから離れて敢えて混み合う中心街に向かう印象ですし、しかもそのいちばん逃げ場が無さそうなエリアです。公共交通で見ても、広域集客が可能なJRからは必ず京阪やバスに乗り換えとなる感じです(膳所や大津から歩けなくはないがきついでしょう)。

●京阪の位置付け
 微妙というかなんというか。
 市営地下鉄直通というメリットはありますが如何せん遅いですし、京都の「中心」が京都駅ビル開業で動いた感もあるだけに、大津方面からの京都市内への交通機関として機能しているかどうか。

近江バスマルチライダー

 とはいえ石山、膳所、また今度西大津への移設が予定されている皇子山におけるJRのフィーダーならまだ目もあるでしょうが、現状では外側への展開ではなく、外側ではJR並行、もしくは石山寺のようにすぐ終点であり、逆にこれらの駅から大津市中心街へのフィーダーとしてしか生きる道が無いようで、これは厳しいです。

 そうなると滋賀県や大津市が腰を据えて市内の「平面エレベーター」として再生させるべきでしょうが、管理人さんのルポにもあったように、市内移動の任に就く近江鉄道バス三病院線がマルチライダーで運行というように、その輸送規模が果たして現在の軽電車、いやLRT程度のものがあるかどうか、という問題になります。

●道路交通
 市内のR1旧道を行く大型車がどこに向かうかが焦点でしょう。
 湖西を北上、また大津や京都市内が目的地、もしくは京都市内を抜けてR9方面に向かうのであれば京滋BPへの誘導は難しいですが(京滋BPの大山崎から外環状として京都縦貫道までつなぐ計画を推進させることで対応できるが)、単に山科に抜けて外環状で六地蔵に抜けるといった通過交通であれば、京滋BPや名神への誘導をもっと推進すべきですし、湖西道路の値下げ実験よりも優先して「社会実験」をすべきです。

●京都市内
 京都市内のLRT計画とのリンクも悪くはないですが、春秋を中心とする観光シーズンに麻痺状態になる市内交通の現状を考えると、地下鉄東西線のHRTとしての存在が大きいだけに難しいです。
 観光ニーズの高い東山方面において、「使える交通機関」としての東西線蹴上の存在は大きく、一方で叡山電車や京福電車がパンクしがちなことを考えると、きちんとしたHRTとしてこの軸は温存したい部分です。

大津の商業施設と京津線の存在感
 投稿者---うり氏(2004/01/12 04:37:17)

 うりです。
 電車では間に1駅しかない京都と大津。どうして大津でこんな商業施設が成り立つのか、傍目には確かに疑問かもしれません。

大津の商業
 うりさんご提示の展開を見て思ったのは、大津の商業施設はどこをターゲットにしているのでしょうか。

 滋賀県から京都市内(特に河原町四条周辺)へは、距離は非常に短いですが、一般道の渋滞および高速道のどのICからでも微妙に京都市内(碁盤の目)からは距離があるという問題があり、車では行きにくいのが実情です。
 そのため、滋賀県湖南地域、および湖西地域南部のクルマ利用者が主要顧客層であると予想しています。
 逆にこの地域在住者であっても公共交通利用者はターゲットには入っていないのではないかと思われます。公共交通利用者は京都駅ビルをはじめとした京都市内、さらには大阪市内へ出てしまっているのが現状です。

 休日になれば、大津パルコ、および浜大津アーカスの駐車場はほぼ満車です。やはり、滋賀から京都の碁盤の目にはクルマで入りにくいという道路事情が、滋賀県民のクルマを大津で堰き止めているのではないでしょうか?
 逆に大津への入りこみですが、西国三十三ヶ所に入っているお寺が三箇所あるため、観光シーズンの石山周辺、および西大津周辺は麻痺状態になるのも事実です。

 来やすさという面では、西大津バイパス、京滋バイパス・名神高速といったバイパスから離れて敢えて混み合う中心街に向かう印象ですし、しかもそのいちばん逃げ場が無さそうなエリアです。公共交通で見ても、広域集客が可能なJRからは必ず京阪やバスに乗り換えとなる感じです(膳所や大津から歩けなくはないがきついでしょう)。

 広域集客が可能なJR利用者は、(特に湖西方面は)京都駅ビル方面に流れ、敢えて膳所で降りてという利用者は少ないと思われます。なお、膳所からは特に歩くのがきついというわけではありません。実際、買い物客と思われる人が膳所−パルコ前交差点の間を相当数歩いています。

京阪の位置付け
 微妙というかなんというか。
 市営地下鉄直通というメリットはありますが如何せん遅いですし、京都の「中心」が京都駅ビル開業で動いた感もあるだけに、大津方面からの京都市内への交通機関として機能しているかどうか。

 15分に1本の京津線電車の乗り込みを見ている限りは、「機能していない」というのが現実ではないかと思います。明石−神戸間のJRと山陽電鉄との関係、および市川−船橋間のJRと京成との関係に似ているような気がしてなりません。

Re:湖南地区道路事情
 投稿者---とも氏(2004/01/11 01:56:56) http://www.koutsu-machi.com/

 ともです。

 あまり詳しい地域ではないですが、それほど悲観的に捕らえるまでもない状況と見ます。
 少なくとも通過流動と市内流動の分断と公共交通利用促進を図ることは間違いなく可能であり、それで大阪京都に流れるとするならば、今の大津の衰退は今後明らかに進んでいくでしょうし、車が入れても衰退します。それなら打つ手は無いですが、そこまで酷くは無いです。

 ということで可能なことを考えて見ましょう。

A.京滋バイパスの利用促進

 料金値下げを行うことでしょう。社会実験補助で行えば国の補助金が出ますので滋賀県の動き一つですが可能性はあります。大津都市圏として支出できるかどうかです。

B.「市民の車、市内を訪れる車、通過だけの車のそれぞれについて考えるべき」

C.「車を減らすため、公共交通の利用促進策を考えるべき」

 まさに実行すべきです。しかし単に移れといっても動くわけが無い。
 ということで以下のような対策。

といったところでしょう。

 さらにうり様のご提示のものを検証していきましょう。

 仮に割引を導入するとすれば、京滋バイパス巨椋IC−瀬田東IC、および名神京都東IC−栗東ICで行わなければ実効性はないと予想されます。しかしながら大津市から大きく外れた区間を、大津市のために割り引くとすれば、誰が費用をだすのか?入り口の議論で揉めそうな気がします。

 先にも書いたとおり今の社会実験制度を用いればまずは可能です。その後は1号の渋滞対策事業として恒久的な割引はできましょう。

 これまた暴論ですが、琵琶湖を道路幅分埋め立てて、その埋立地に道路を建設する。もしくは、湖岸道路のさらに浜手にある道路を琵琶湖側に拡幅する。

 これも費用が相当かかります。決して現実的ではないでしょう。
 まずだれが事業費を負担するかがあります。さらに自然環境保護云々もありますが、そもそも環境影響評価に耐えられるか。その点を考えれば不可能に近いです。

 大津の場合、公共交通利用促進で救えるとは単純には思えませんが、だからといって打つ手が無いわけではない。いろいろやっているのは確かですが、いまのままでは厳しいでしょう。
 少なくとも石山坂本線の存在は予想以上に大きく、道路網とのマッチングも悪くは無いです。あとはバスなどを含め如何にして交通体系を構築するか。無理ではないだけに考えていきたい点です。

 まとまりませんが。では

Re:湖南地区道路事情
 投稿者---うり氏(2004/01/12 06:01:04)

 うりです。

 少なくとも通過流動と市内流動の分断と公共交通利用促進を図ることは間違いなく可能であり、それで大阪京都に流れるとするならば、今の大津の衰退は今後明らかに進んでいくでしょうし、車が入れても衰退します。それなら打つ手は無いですが、そこまで酷くは無いです。

 クルマでは容易に京都市内、大阪市内へ出られないが、公共交通の場合は大津市内の商業施設へ行くにも、京都市内の商業施設へ行くにも(金銭的、時間的に)そう変わらないというのが現状です。
 このことが大津の商業を支え、かつ守っています。
 そのため、極端な公共交通誘導は現実問題として出来ないのでは?と考える次第です。

京滋バイパスの利用促進
 料金値下げを行うことでしょう。社会実験補助で行えば国の補助金が出ますので滋賀県の動き一つですが可能性はあります。大津都市圏として支出できるかどうかです。

 この社会実験は大津市(滋賀県)単独でやっても意味がありません。なぜなら、通過流動を減らす=逢坂山越えのクルマを減らすわけですから、逢坂山の反対側にある京都府側を巻き込む必要があります。ここら辺の調整如何では、社会実験も出来ると考えます。
 しかしながら京都側がすんなり応じてくれるか?京都は京都で、他にも社会実験の必要度が高い区間もありそうです。

・まず大津市内の通過流動を困難にする。
→トラフィックセルや一方通行、右左折規制の導入による市街地通過流動の抑制(市民や市内来訪車の流動にはさして影響は出ない

 大津市内の通過流動を容易に抑えることが可能な場所としては、(1)逢坂山越え (2)瀬田川越え の2箇所しかありません。他の場所で行ったとしても、生活道路へのクルマの流入は必至です。しかしながら、瀬田川越えで流入制限を行うとすれば一般市民の生活への影響は必至のため、逢坂山越え車両に対し、何らかの規制を行うのが最善だと考えます。
 しかしながら現実問題として、超一級の幹線道路に流入規制というのは、どのような方法があるのでしょうか?

・環状機能道路の強化
→本来的には京都を含め考える必要があるが湖西道路や京滋バイパス、名神の料金政策とセットでの導入
・トラック交通の抑制
→京滋バイパスへの積極誘導。料金の割引

 上にも書きましたが、京都府側との調整が最大のネックでしょう。

・パークアンドライドの実施
→ただし、大津の場合地形的に余裕が無いことから困難であるのは間違いないが、再開発などと絡めて実施を行うと理想的。石山駅や皇子山など既存道路からのダイレクトアクセスが可能な場所での設置は検討に値する。
 駐車場料金を既存市内駐車場と同様に買い物割り引きの適用を行うとともに鉄道運賃を含め、実質的に鉄道利用による負担を無くす(これにより大阪方面への割高感を演出できる)。

 石山周辺やや皇子山周辺も、既に慢性的に渋滞しています。また、これらの場所で大規模な駐車場が確保できるとは思えません。また、浜大津やにおの浜周辺でも、駐車場待ちが出るのはごく一部の駐車場であり、決して駐車場そのものが足りないわけではありません。そのため、買い物客を飛ばす可能性がある公共交通誘導よりも、駐車料金を柔軟にすることによる駐車場混雑均等化策の方が費用対効果の面で優位なのではと考えています。

・市内における歩行者専用街区の設置
 市内においては自動車の走行性を思い切って悪化させ、変わりに周辺部にしっかりした駐車場を設置する。それによりアクセス性の低下を招かずに対応が可能。

 そもそも大津市内の商業施設が交通規制を望んでいるのか?交通規制は商業施設にとって、むしろマイナスの影響が出るのではないか?
 私が危惧しているのはこの点です。
 商業施設へのアクセスが確保できるならば、商業施設へ車で乗り付けられなくても良いという考え方は、大津では受け入れられないと考えます。
 「そこまでして大津に買い物に行くくらいなら、京都か大阪へ出る」となってしまうのではないでしょうか?

・琵琶湖埋立地に道路建設・浜手道路拡幅
 これも費用が相当かかります。決して現実的ではないでしょう。
 まずだれが事業費を負担するかがあります。さらに自然環境保護云々もありますが、そもそも環境影響評価に耐えられるか。その点を考えれば不可能に近いです。

 アーカス以東であれば、琵琶湖側に拡幅というのは、(環境影響評価という面にかんしては)さほど問題はないものと判断します。現状でも埋め立てですし、海側に多少広げる余地は残されていると思います。
事業費の問題ですが、現状の湖西道路を拡幅する事業費があるならば、その費用で湖岸道路のさらに浜側の道を拡幅というのは出来ない話ではないと思います。

 問題は湖西側でしょう。
 R161拡幅もままならず、湖西側は湖に接していろいろな施設がありますので、埋め立てるなんてのもまず不可能でしょう。
こちらのほうが拡幅の必要性は高い(特に、夏場の混雑はどうしようもないくらいひどいです)にもかかわらず、今回の俎上には載っていません。
 こちら側をどうするのかが、むしろ知りたいところです。

 大津の場合、公共交通利用促進で救えるとは単純には思えませんが、だからといって打つ手が無いわけではない。いろいろやっているのは確かですが、いまのままでは厳しいでしょう。
 少なくとも石山坂本線の存在は予想以上に大きく、道路網とのマッチングも悪くは無いです。あとはバスなどを含め如何にして交通体系を構築するか。無理ではないだけに考えて生きたい点です。

 大津市内もマンションが増えていますので、石山坂本線もうまく活用すれば、これらマンション住民の足にもなりえます。
また、石山坂本線は湖東側、湖西側ともに渋滞区間を並行して走行していますので、渋滞解消の切り札としても期待されます。
 問題は、
  (1)線路の引き方が、旅客の流れと合っていない
  (2)駅数は多いが、必ずしも人が集まる施設に近接して駅があるわけではない(県庁、病院、商業施設等)
  (3)運賃の割高感がぬぐえない(特に他の交通機関と乗り継ぎする場合)
といったところでしょうか?

Re:湖南地区道路事情
 投稿者---とも氏(2004/01/11 01:56:56) http://www.koutsu-machi.com/

 ともです。

○大津の商業施設はそんなに弱いのか?
 道路交通が京都や大阪のアクセス性に難があるから使われる。本当にその程度でしょうか?
 京都や大阪の集客力は確かに侮れませんし、大津の商業展開が難しいのは確かです。
 しかし、ガチンコで勝負は無理でも郊外ならではの商業展開なら成立しうる。そこを考えれば公共交通転移=衰退などという話はありえないでしょう。それは商業施設側の努力です。

○交通誘導と交通規制はちがう
 私が提案しているのはアクセス性は確保したままで車の誘導を図る「交通誘導策」です。もちろんこれには規制もかかわりますが、総量抑制といった話と違い、誘導が基本です。大津の場合、街中にまで車が入り込めます。これはおかしい。その対策を考えればいいのです。
 交通誘導を図ることができればいいのですから。

 また、アクセス性についてはさまざまな全国での調査結果、事例を見ても低下というイメージを植えつけてはいませんし、一時的な影響はあってもアクセス交通さえしっかりしていればさほど問題はありません。

○現状ではなく改善をすることを前提に
 現状から考えていくと無理が多くとも、トータル改善でできるという考え方であれば意外と可能性はあるものです。

○交通実験
 大津市が主導でも京都側に影響がある社会実験は可能です。むしろ国交省を巻き込めば何の問題も無く可能なはず(同様の実験をやっている場所でも両端が加わっていないものもある)。京都市側がどう考えるかという点も、京都として1号に通過流動が流れ込むのは嫌でしょうから可能性はありえます。

 取り急ぎ。それでは

やっぱり難しいおはなしのようで…
 投稿者---551planning(2004/01/12 17:12:27)

 皆様からいろいろと出てきましたね。特にうり様は地元ということで各種検証は大いに参考になります。

 さて皆様のやり取りを拝読して、大津における商業集積とそのアクセスの特殊性がなんとなく理解できてきました。傍目には京阪石山坂本線もあることからP&Rを絡ませて域内流動を公共交通系に絞ることも…と訪問時に湖岸道路の混雑振りを実感しつつ思っていたものの、うり様が書かれている通りに軌道ルートが商業集積と微妙にずれていることからそうカンタンにいかなさそうということですね。商圏の主軸であるにおの浜の大津西武(&ロフト)・パルコは関西圏では独自性がありそうとはいえ実際のところはそう色があるわけでもなく、完全に郊外型大店舗と捉えれば、苦にならない程度とはいえ膳所の駅から微妙な距離があること以前に、気軽なショッピング先にはドアツードアのクルマで乗り付けたい、ということになりましょう。現時点では路線バスがその影響を直接受けており、近江バスが車両の小型化と石山での系統分断という形で生き残りを図っていると…短絡的ながらバスレーン等での公共交通活性化はと思えば膳所や石山から湖岸道路に出るのもまた細道裏道…こうなるとやはり湖岸道路の処理能力を上げるのが手っ取り早いということになるのでしょう。
 この点通過流動が具体的に見えないのでなんともですが、直ぐに直接的工事をとするならば、各種の社会実験を行ってみることは王道と感じます。確かに実質的なハードルはまだ高いかもしれませんが、当該地域の有料道路の状況と昨今の情勢を鑑みれば、そう悲観的にならずとも進みそうな気はしますが。なによりも大津市として危機感があり将来像を提示していることからすれば、何らかのアクションがありそうかなとも思います。

 しかしながら、通過流動の抽出と域内流動の抑制を図る上で、そのロケーションゆえ京阪大津線系統の役割はなかなか見えにくいところがあります。そこで思ったところから2点に絞って可能性を探ってみたいと考えます。
 まず、うり様の商業集積の移転、というところで思ったのは、「浜大津の失敗」でしょうかね。公共交通拠点である浜大津周辺だと大津港再開発の絡みか逆に空き地が目立つ状況、放置自転車の報道から見るに新快速停車駅である大津が結節点として孤立していることもちぐはぐさを感じます。そこで個人的には「石山の可能性」に注目します。後背地に団地を持ち、新快速も停車する求心力の高さ。周囲を工場に囲まれ、商店街も弱含みではあるものの、仮に再開発が上手くいけば化ける可能性はあると思いますね。道路状況の悪さを公共交通で補える強みもありますし、近畿地方交通審議会が俎上にという滋賀県南部LRT構想と絡めてという方向性も打ち出せるかと。こうして東部方面からのニーズとアプローチを集約させてやるのです…ただし直ぐに思いつくのが安易な展開になれば草津駅前のような“郊外駅前の画一的なゾーン化”してしまう懸念でしょうか。その意味では色がないながらもにおの浜ゾーンの魅力(=さすが“ネームバリュー”でしょうかね)を感じてしまったりもします。

相互直通の深化・・・近畿地方交通審の検討内容 ../log135.html

 一方で観光流動の再構築も考えたいテーマのひとつと思います。琵琶湖しかり、石山寺・三井寺・街道筋の街並みなど魅力的なゾーンもまだまだ残っており、そういった「街歩き」に石山坂本線は手頃な存在であり、丁度訪れたときが紅葉のピークかつ3連休だったこともあり中高年層ハイカーなどで活況だったこともあってか、個人的には比叡山ルート含め可能性としてはまだまだあるのではと…。ただしやはり京津線と京阪線が“分断”された印象が強いこと、それにより分断前はそれでも良かったJRからのアプローチ難がより重荷になっていることが大きくマイナスポイントにつながっている気がします。さらには厳しい経済状況を反映して京阪が琵琶湖観光に熱心でなくなるどころか手を引き始めているとすら思える状況が追い討ちになっています。まさに大津線系統の分離独立から撤退にトーンが変わってきたことがその証左でしょう。ただここでひとつ云えるのが、観光ゾーンとは別に一息つけるような、飲食然り観光ショッピング然りの提供ゾーンが薄いという印象でしょうか。それはアクセス提供の京阪だけでなく、地元の積極的な協力・または展開があってこそとも思いますし、そのキーポイントたる浜大津の開発が先述の通りの対地元需要志向による「失敗」が指し示していると考えます。手頃な観光地ながら広範というか“点在”を線なり面なりに展開し切れていないジレンマとでも云えましょうか…。

 書いているうちに見えなくなってきてしまいました。考えてゆくとどうにも分が悪いような気がしますね…。ただし、改めて思えるのは、湖岸道路強化がコタエではない…というところなのですが。少なくとも、周辺交通状況を内向きな需要ないし流動で捉えるには惜しい、観光流入の存在と軌道系交通の可能性への思考があっても良いのではと思いました。

補足
 投稿者---World's Uniquest Railway Enthusiast氏(2004/01/12 20:44:22)

 こんにちは、

 実は私、3年ほど前に滋賀県の草津市に住んでいた事があります。本業の傍ら街づくり活動などにも顔を出してあれやこれや余計な事を口にしていました。
 ということで、このネタについても興味があるので補足しておきます。

○湖岸道路渋滞緩和案(委員会提案に関して)

 元のリンクが切れていたので再検索しました。

滋賀県、湖岸道路渋滞解消に検討委 車線拡幅など7提案(01/03京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…

 この提案、どうも的を外しているような感じがするのですがいかがでしょうか。渋滞は渋滞の原因となっている場所の道路の改善が必要で、実際に車が溜まっている所を拡張しても仕方がないという話があります。水の入った瓶をさかさまにしたとき、なかなか流れていかないのは、流れている瓶口の口径の狭さによるもので、流れが止まっている内側の太い部分をさらに太くしても仕方が無いという例えがあります。湖岸道路は繋がっている道が2車線なのに対し、4車線ですから、この場合、瓶の内側の太い部分ではないか?と思うのですが。

○近江大橋の役割

 ここまでの議論を見ると、大津市中心部はかなり自動車交通で孤立した地域のように描写されています。この地区(西大津、大津、石山)の周辺の人口は10〜15万人くらいでしょうか(確か、大津市の人口が25万人で、堅田と瀬田周辺にそれぞれ5万人くらいの人口が存在したから)。ただ、商圏がそれだけかというとそうでもなく、大津中心部と湖南地区(草津市)を結ぶ幹線道路として近江大橋の役割などを再検討する必要があるかもしれません。この道路、4車線で信号も無くスムーズに流れているので通行量が少ないように見えますが、滋賀県道路公社のHPによると一日3万5千台の通行量があるとの事、これは、滋賀県内の国道一号の通行量に匹敵(国土交通省HP 道路交通センサスデータによる)するようです(ここの京滋バイパスデータは一般国道区間のものであてにならない)。ちなみに道路公団HPの平成14年データによると有料区間の京滋バイパスの通行量は1万8千台、4車線道路にしては少なく、やはり設備が無駄になっているという感じがしないでもありません。

滋賀県道路公社 http://www.biwa.ne.jp/~douro-co/yuryo/omi2.html
道路交通センサスデータ http://www.mlit.go.jp/road/ir/data/koutu/index06.html
道路公団 平成14年データ http://www.jhnet.go.jp/topic/riyou/H14/index.html

 近江大橋は通行料150円/普通車 で、これを利用すると、草津、栗東、守山(人口20万人程度)といったところから大津市内への移動がかなり便利になります。移動がかなりあるのは分かったのですが買物でどれだけ使われているのは今後確認したいところ。しかし、県内で他にめぼしい店がある草津中心部も結構渋滞することから、この橋で買物に行くという人も結構多いのではないでしょうか。
 ちなみに近江大橋を使うと、草津市内から大津市中心部まで自転車で30分で行けてしまいます。私はこの橋をよく自転車で渡りましたが、長さ1.2キロもある橋の割には歩行者や自転車の通行が多い橋です。

 ちなみに混雑地区の情報に関しては、滋賀国道事務所のHPに記載がありました。国道一号の流れの悪さは致命的ですね。

滋賀国道事務所 http://www.shiga.kkr.mlit.go.jp/gaiyou/category2/02_2.html

○京阪線

 大金をかけて地下鉄直通にすべきだったかどうかは疑問ですが、大津市内の路線についてはJRを補完するシステムとしてそれなりに価値があるものではないかと思っています。全盛期の3分の1とはいいますが、全盛期と言われる時代の琵琶湖線(東海道線)はとても利用できたダイヤではなく、やむを得ず利用していた層も多かったはずですから、別の視点で考える必要があると思われます。曖昧な話で申し訳ないのですが、3大都市圏以外の路線バスの利用客数は全盛期の2.5分の1だそうですが、それをもってバスを廃止せよという話でもないわけですし。
 ただ、20億円の赤字を県や大津市が補助するとしたら規模が大きすぎるように思われます。滋賀県全体で、代替、コミュニティバスに対する補助金額が5億4千万円と言われています。私自身は大手私鉄ゆえの高コスト体質を改めて、さらにある程度(結構な金額になるとは思いますが)の金額を補助するのがベストと考えていますが、いかがでしょう。といっても、新税を設けるのでも無ければ大変な試みになるとは思いますが。

○LRT

 これは以前県の担当者に話を伺った事があるのですが、作ったことのないLRTの建設費を見積もるのに苦労されていたようでした。確か最初の試算は欧米で一般的と言われるキロ当たり40億円という数字に単純に総延長をかけて算出したものだったような(「そういう計算で見積もったでしょう?」と突っ込んだ記憶が・・・)、今後の動向に期待したいところです。

 どうも舌足らずですが暇、もしくはレスがあったらもう少し補足します

WURE

Re:補足
 投稿者---とも氏(2004/01/13 00:09:05) http://www.koutsu-machi.com/

 ともです。
 改めていろいろ調べてみますと私の大津の認識はとてつもない非常識なようです。お目汚し失礼しております。
 さて、

○湖岸道路渋滞緩和案(委員会提案に関して)

 渋滞は渋滞の原因となっている場所の道路の改善が必要で、実際に車が溜まっている所を拡張しても仕方がないという話があります。水の入った瓶をさかさまにしたとき、なかなか流れていかないのは、流れている瓶口の口径の狭さによるもので、流れが止まっている内側の太い部分をさらに太くしても仕方が無いという例えがあります。湖岸道路は繋がっている道が2車線なのに対し、4車線ですから、この場合、瓶の内側の太い部分ではないか?と思うのですが。

 いわゆる鉄則である「ボトルネック」をいかに解消するかということになります。
 交差点の円形歩道橋は明らかに交差点容量拡大によるボトルネック解消策ですし、拡幅はだれもがわかる緩和策です。
 ただ、どうも理解できないというかこれじゃ無理だろ・・・と思わせるだけのものはあるのは事実です。
 しかし、別に悪くはありません。ボトルネックがあってもその先の吸い込みを良くすることで渋滞は軽くなりますし、混んでいる道路の交差道路を改善すると信号割り振りで混んでいる道路を流せるということで一概に評価しにくい問題であり、詳しい具体策を知りたいところです。

○近江大橋と1号

 どうしたって国道であのスペックなら流れは悪くなるはずですが、それにしても醜いです。少なくとも社会実験は可能なのですから、滋賀県や京都府を巻き込んだ策を考えていく必要がありましょう。
 京都市や京都府にとっても、市内に通過流動が流れ込むという事態があるのですし。

○LRT

 確か最初の試算は欧米で一般的と言われるキロ当たり40億円という数字に単純に総延長をかけて算出したものだったような(「そういう計算で見積もったでしょう?」と突っ込んだ記憶が・・・)、今後の動向に期待したいところです。

 まぁ路線も真っ当に考えられていないのならそんなレベルでもあたらずも遠からずになりましょう。単価原単位表は結構そこいらで出回っていますし、本気で調べればなんとでもないでしょう。悪い数字でもないですし、やや高い気はしますが安全側ということでしょう。
 というか今の段階で詳細な工事費算定はどう考えても無理ですからね。

 ということで。では

Re:やっぱり難しいおはなしのようで…
 投稿者---うり氏(2004/01/14 00:36:54)

 商圏の主軸であるにおの浜の大津西武(&ロフト)・パルコは関西圏では独自性がありそうとはいえ実際のところはそう色があるわけでもなく、完全に郊外型大店舗と捉えれば、苦にならない程度とはいえ膳所の駅から微妙な距離があること以前に、気軽なショッピング先にはドアツードアのクルマで乗り付けたい、ということになりましょう。

 私が言おうとしていただいたことをおっしゃっていただき、ありがとうございます。浜大津アーカス、パルコ、西武、すべて郊外型大店舗で車で乗り付けられることが最大の魅力であり、車で行けないのであればとてもじゃないけど現在ほどの客を集められないというのが現実でしょう。
 西大津ジャスコ、膳所マックスバリュも同様です。

 この点通過流動が具体的に見えないのでなんともですが、直ぐに直接的工事をとするならば、各種の社会実験を行ってみることは王道と感じます。確かに実質的なハードルはまだ高いかもしれませんが、当該地域の有料道路の状況と昨今の情勢を鑑みれば、そう悲観的にならずとも進みそうな気はしますが。なによりも大津市として危機感があり将来像を提示していることからすれば、何らかのアクションがありそうかなとも思います。

 やはり皆さんからもご提示のある、京滋バイパスの有効活用が第一です。
 瀬田東−巨椋部分開通時の通行量は予測の1/6でしたが、これを予測値どおりの通行量まで引き上げることが出来れば、大津市域における通過交通の市内流入問題は相当程度解消するものと思われます。
 現在は両端が名神とつながり交通量も増えましたが、私としては、京滋バイパスを需要予測どおりの通行量にするような料金設定にしていただきたいと考えています。

 まず、うり様の商業集積の移転、というところで思ったのは、「浜大津の失敗」でしょうかね。公共交通拠点である浜大津周辺だと大津港再開発の絡みか逆に空き地が目立つ状況、放置自転車の報道から見るに新快速停車駅である大津が結節点として孤立していることもちぐはぐさを感じます。

 大津市が浜大津を過大評価したがために、(1)浜大津OPAの失敗、(2)大津市商業集積の分散、(3)大津駅の拠点性のなさという問題が発生していったと考えます。
 私の印象として浜大津という場所は、JRで行くには不便であり、車で行くには渋滞がひどすぎて行く気にならないというイメージがあります。

 そこで個人的には「石山の可能性」に注目します。後背地に団地を持ち、新快速も停車する求心力の高さ。周囲を工場に囲まれ、商店街も弱含みではあるものの、仮に再開発が上手くいけば化ける可能性はあると思いますね。道路状況の悪さを公共交通で補える強みもありますし、

 石山駅前ですが・・・。
 新快速停車駅ながら、入り組んだ駅前、特に瀬田川に阻まれた東方向からのアクセスの悪さという問題があります。再開発を行って中途半端な施設しか出来ないのであれば、浜大津と同様に失敗は必至です。
 私の予想するウルトラCは、工場撤退もしくは縮小による、工場跡地の再開発というのが出るのではないかと考えています。現在の(石山の)平和堂と同規模、同内容の商業施設を造って共倒れを防ぐためにも、圧倒的な規模を持つ施設が期待したいと思います。例えば親記事にもあるような、石山寺に行った観光客にお金を落とさせることが出来る施設というのも一案かと思います。

 ただし直ぐに思いつくのが安易な展開になれば草津駅前のような“郊外駅前の画一的なゾーン化”してしまう懸念でしょうか。その意味では色がないながらもにおの浜ゾーンの魅力(=さすが“ネームバリュー”でしょうかね)を感じてしまったりもします。

 草津駅前は、「駅前にある郊外型商業施設」があり、滋賀県最大規模のホームセンター+平和堂が核となっていますが、かなり広範囲からの集客に成功しています。草津駅前は道路事情が良いとはいえないにも関わらず・・・です。このことを考えると、湖南地域の商業施設は、駐車場の台数とその停めやすさが施設の成功を左右するという、典型的なクルマ社会地域の商圏と考えるべきでしょう。
 逆に、浜大津OPAは、クルマで行きにくい、駐車場にクルマがとめにくく、かつ駐車料金が高いという、クルマ社会を考慮しなかった施設設計が敗因だったと考えています(ただし、大津パルコは駐車場に問題がありますが、何故か集客できています)。

 書いているうちに見えなくなってきてしまいました。考えてゆくとどうにも分が悪いような気がしますね…。ただし、改めて思えるのは、湖岸道路強化がコタエではない…というところなのですが。少なくとも、周辺交通状況を内向きな需要ないし流動で捉えるには惜しい、観光流入の存在と軌道系交通の可能性への思考があっても良いのではと思いました。

 観光客に滋賀県内でお金を落としてもらう、という視点で考えた場合、現状では様々な問題があることは確かです。軌道系交通の視点から見れば、

という問題があります。ハードルは高いですが、東海道線(琵琶湖線)、湖西線、石山坂本線の3線を有機的に結びつけたトライアングルとして活用できれば、軌道交通もまた活きてくると考えています。

上か下か
 投稿者---551planning(2004/02/27 00:52:32)

 取り急ぎ記事ネタ報告までに。
 結局そのようです…?

立体交差計画で2案を提案 滋賀県 近江大橋西詰の渋滞解消(02/26京都)http://www.kyoto-np.co.jp/…

渋滞対策検討会議 http://www.pref.shiga.jp/h/o-doboku/jyuutaitaisaku.htm

 仔細は大津土木事務所の渋滞対策検討会議サイトで追って報告されるでしょうが、県の方針としてはとにもかくにもボトルネックの解消を!ということのようですね。

Re:上か下か
 投稿者---うり氏(2004/02/29 21:37:00)

 あまりにもローカルなネタであり、私なりの意見を返信するのが適当であるかどうか迷いましたが、返信投稿を行います。
 別にそんな大がかりな工事を行う必要はなく、信号運用の改善、レーンの変更で容易に対応できるのではないかというのが、私の意見です。

近江大橋西詰交差点渋滞解消策

(1)浜大津→近江大橋方向

(2)近江大橋→浜大津方向

2007.01.28 Update

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