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【検証:近未来交通地図】 特別リポートNo.049
「第2回 中部地区路面電車サミットat万葉線」
あとは「赤MOMO」を待つばかり@米島口車庫
参加備忘記

(2003/11/22)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。


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 この秋は交通関連の各種イベントが花盛りで、既に御紹介頂いているように函館での路面電車サミット、大阪での土木学会関西支部FCCフォーラム、東京では運輸政策コロキウムとLRT・路面電車に関するものが積極的に展開されているのが特徴といえましょう。12月にも浜松でのシンポジウムや横浜での団体設立総会・全国路面電車ネットワークのフォーラムなども予定されていますし、1月にはFCCフォーラムの追加開催も決まっているそうです(こちらは詳細不明)。なおこれらにつきましては【検証:】交通関連イベントカレンダーを併せて御確認下さい。

【検証:】交通関連イベントカレンダーhttp://peach.candybox.to/ken-show/tackynote/tackynote.cgi?

宣伝はさておき、そんな今秋でも圧巻だったのが11/22〜/24の3連休で高岡・勝山・福井でLRTや地方公共交通に関するイベントが連続して開催された事でしょう。既に別掲でくるりん様が皆勤の旨書かれておりますが(その節はお世話になりました>くるりん様)、当方も高岡での「第2回 中部地区路面電車サミットat万葉線」に参加することができましたので、その様子を簡単に御紹介したいと思います。
なお、主催者であるRACDA高岡のサイトでも詳細が速報されていますので併せて御覧頂ければ幸いです。

RACDA高岡 ractama-club http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Ayame/1282/index.html

京福・・・電車手放したらノンステップバス大量導入―向上か破滅か ../../topics/neotrans/log368.html#41


●カンタンに旅程をば

 当方は前日の急行「能登」で北陸入り、朝早くなってしまうので富山港線を往復した後に射水線バスで新港東口に出て富山新港を渡船で渡り、越の潟からアプローチしました。先ず午前中に開催された特別説明会「万葉線存続の経緯」に参加、昼食を頂いたあとで本編を傍聴し、懇親会には出席せずその足で直ぐに福井へ向かい泊。翌日は以前の訪問以後気になっていたえちぜん鉄道を駆け足で巡って帰京と相成りました。ということで、富山と福井についての所感を別途纏めたいと考えております。

明暗…福井の私鉄 026.html

●特別説明会「万葉線存続の経緯」

 越の潟方からのアプローチ客は当方のみでしたが、高岡からの指定列車は立客多数、直ぐ後ろにつけられた7m観光バス満載でサミット会場の高岡短大へ輸送されます。早速車窓風景から貨物線の成立過程なんてな話も聞かれるなど車内は賑やか、男性が圧倒的ながらその年齢幅はなかなかの感じでした。さて会場に到着、指示のもと教室へと導かれ、受付を済ませてレジュメを2点頂いて席に着きます。ボランティアの女子学生を含め50名ほど(公式には42名参加だそうで)が教室を埋めました。ここで新潟からのくるりん様と初対面、字面から受けた印象とはちょいずれてかなりお若い印象を受けます。御挨拶をしているうちに説明会が開始されました。

 「万葉線存続の経緯」特別説明会と題されたサミットプレ企画は、RACDA高岡会員でもある武山良三高岡短大教授をコーディネーターに、元高岡市生活環境部長の佐野嘉郎氏、元高岡市交通政策担当の小神(おこう)哲夫氏、RACDA高岡会長の島正範氏をパネラーとして各自報告がてらの説明会となりました。
 この間注目したのは武山氏の進めぶりというか、クラリスで作られたタタキの進行表をプロジェクターを通して示しつつ、Macさばきも鮮やかに?そこにどんどん各氏の発言内容を要約して同時進行的に書記役をこなす姿にはなかなかと思いました。ひとつ間違えると独善的な要素も入りそうではありますが、発言要旨が的確に文字化されていくのは大いに参考になったところです。本編の際にも「小ネタ」でくすぐるなどを見ていると、さすが後で調べてみれば関西出身でかつて「ラピート」はじめ南海のサインCIを手掛けているだけお手の物、というところなのでしょうか。

http://www.takaoka-nc.ac.jp/~takeyama/

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 さて説明会ですが、まずお二人の元高岡市職員の方からレジュメをもとに大雑把な万葉線転換経緯の説明があり、国による欠損補助打切を契機として存廃問題が浮上、1998年に設置された「万葉線検討会」で第3セクター化が提案されるとともに運輸政策研究機構委託による調査研究がなされ、2000年からはその調査結果を下敷きとした「万葉線問題懇話会」で3セク化存続への行程表が示されたとのこと。
 その一方で、早くから「万葉線を愛する会」といった愛好的組織はあったものの、一方でバスや城端・氷見線を含めた全市的な公共交通問題に対する関心が薄かったことから、市側より青年団等での個人的繋がりから、高岡駅前の呉服屋の婿殿(=島氏)に住民参加型の組織による街づくり運動展開が持ちかけられる形で研究会組織が誕生、その後研究会での記念講演で招いた岡将男RACDA会長に心酔して「RACDA高岡」としての暖簾分けに至った(岡山では反対の声もあったそうですが)…ということになった由。

 この前後で島氏が引き継ぐ形となり、そもそも商店主として駅前商店街の急速な寂れに対して万葉線云々という発想がなかったこと、当初は中心市街地活性化としての仕掛け(各種イベント)を行っていたのが、岡山でのトロッコレースという、輸送機関としての乗物という発想からの脱却からの街づくり策、すなわち街における装置としての軌道の存在をどのように活かすべきかを考える中で、存廃問題が切実なものとして受け止められるようになったと。その中で暖簾分けの際に唯一絶対条件となった「自ら知恵を出し・汗を流し・お金も出す」、何処からも制約を受けない市民団体として何ができるのか、というところから出前フォーラム「RACDAキャラバン」が誕生することとなります。
 このキャラバンというのは万葉線存否問題だけでなく高岡全域の公共交通を議論するもので、当初は市街中心で実施していたものを、各地域を細かく廻る事で浸透させていこうという企画、それは後に万葉線存続への大きな力となる特殊とも云える強固な自治会組織(全市で560、加入率90%以上!)を巧く使ったことでRACDA高岡の存在・万葉線存廃論が広く浸透することとなった由。さらには半ば閉鎖的でもあった地域内の自治会組織間での相互流動が活発化するといった副次的効果をも生んでいるとか。

 ここでパネラー同士の掛け合いになっていったのですが、特に万葉線沿線外における場合は、バス転換時にはそちらに車両が廻されることでこちら(当該地区)の便数が減らされるんですよ、という危機感を煽った事が注目を集めたというテクニック論は実が市側の知恵付けであったとか、また「万葉線問題懇話会」では高岡市自治会連および婦人会連からも委員を入れたことで、RACDA高岡の活動がそのまま反映されてゆく形になったことが大きかったと元市職員の弁。じつは元部長氏が婦人会連とのつながりがあったとのこと、当方としてはいろいろなルートでの市の間接的関与が結果を生んだと捉えました。
 存続へのもうひとつ大きなポイントとなったのが、「懇話会」会長としての故蝋山昌一高岡短大学長の舵取りだったそうです。特に3セク化スキームが具体的に示された懇話会3回目の開催直前に商工会議所が存続反対を表明、その後地場マスコミの論調すら懐疑的に転換するという事態を迎え、席上商工会議所関係者から「絶対反対ではない」という言質を取ったり、特に住民投票をという声に対して「問題として馴染まない」と即断するなどの政治力を発揮する一方で、懇話会で中間報告を纏めた後に再び自治会・婦人会、また市民組織である「万葉線について意見を聴く会」などを通して各地域で案をも見直させるなど、適切な是々非々の対応が特に地域からの直接的な信頼を得るに至ったとのこと。それは、3セク化スキームの中で特に懐疑的とされた、市民からの寄付1億円が結果的に上回る形で集まったことが証明している、とされていました。

 存続最後の山となったのは3セク化への具体的過程、すなわち加越能鉄道との交渉において、先の3セクスキームで簿価による資産取得額2.5億円との設定が時価15億円との主張がなされた事でした。結果的に車庫用地の一部など売却可能な部分について限定的に時価判断がなされて総額4億円(簿価2.4億+時価1.6億)で折り合いがついたわけですが、スキームとの比較で時価判断分とされた1.6億が結果増えたところについては県・2市で貸付金としての追加補助となる分各種の調整が必要になりました。
 また、懇話会方針に伴う「首長社長でない経営手腕に長けた社長選出」も難航を極め、結局元北陸銀行常務が受けることになったのは設立総会の1月前であったとのことで、直接交渉の場に参加した元部長もその際拒否されれば万葉線存続は水泡だと大いに緊張した述べられていました。

 このあと質疑応答になり、キャラバン等での地元住民を乗せる「テクニック論」や、コミュバス展開など各種交通モードとの関連方向性などが問われた後、当方はこの間あまり話に出なかった新湊市の動向について訊いてみました。
 まず元部長氏からは新港分断以後特に地場の軌道線維持への意識が強かったと認識する一方で具体的アクションがなかったこと、市の動きとしても高岡に連携してというおんぶに抱っこ的意識が半ばあったのではないかという所見が示された後、島会長からは、氏自身がキャラバンの段に至るまで新湊市内に行く事すらほとんどなかった、ただし高岡と同じように自治会組織が強かった事、「テクニック論」のひとつとして自治会経由で各種作成ビラを全戸的に撒くことでの意識喚起・浸透を図ったとの経過が示されました。ただし関心は高まっているもののRACDA高岡の参加メンバーまでは…という状況だそうです。後述しますが、後の本会でも新湊からの参加者の話にうーんと思いましたが、もはや新湊の商圏は高岡商店街ではない、その意味での万葉線存続意識も…?ということがここから完全に伺えたのでした。

●昼休み

 和気藹々とした説明会もここでタイムアップ、学食にて用意された弁当を食べつつこんどはくるりん様より新潟について手早くながら延々とレクチャーを受けました。
 そんな最中にくるりん様が「神」(←結構2ch用語を多用される方で…)と崇める?RACDA岡山・岡会長も登場、さあ本編になります。こんどは擂鉢状の小ホールを舞台としてのサミット本編、会場の外にもパネルで諸外国や岡山のパネル展示がなされてらしい雰囲気を醸し出しています。受付とともに福井ののりのりマップと富山の団体から資料を頂きました。
 開始の前に岡会長に御挨拶、と最初は当方については記憶が戻らなかったようでしたが、「君のところは今回は近いよなァ」とくるりん様が振られました。確かに御自慢される通りなかなかツーカーの仲?のようです。ところで岡会長、なんでもこの秋は15箇所ほどで講演しているとのことでさすがにパワーポイントで要旨を造ったとされていましたが、それにしても今回のような3連荘はないなァとのこと。

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●第2回 中部地区路面電車サミットat万葉線

 そんなこんなで会場も2/3ほど、100名をゆうに越える来場者を集めて(170名だそうです)いよいよ会が始まりました。短大からの応援と思しき可愛らしくも棒読みな女性司会者のもと式次第が説明されます。まずは岡会長の記念講演会と質疑応答、休憩を挟んでサミット会員である岐阜(岐阜未来研究団)・豊橋(とよはし市電を愛する会)・福井(ROBAの会)・高岡(RACDA高岡)からの話題提供、再び休憩の後にパネルディスカッションということになりまして4時間半突っ走るということになります。

 島会長からの主催者挨拶の後、岡会長からの記念講演「めざせ延伸、RACDA岡山の”アクション5”」として、まぁ当方としては聞いたことのある話を中心に展開されましたが、あの語り口とふんだんな写真ですので惹き付けられないわけはなかろうかと…ただ後で質疑応答で出ていましたが、吉備線についてはJR-W南谷会長との直接的なつながり(大学の先輩後輩)で出てきた話だというところで、富山も然りというところで富山側の出席者から市民レベルでそれを受け止める組織がまだまだ育っていないとの苦言というか、戸惑いが示されていたところ、また先頃RACDA岡山掲示板で繰り広げられていた、岡会長が「この人に乗せられたし『担ぐ人がやっと現れた』と云われた」という仲である懐刀・佐野事務局長との吉備線延伸案における見解の相違を見るにつけ、いささかこの地方線区委譲案が若干勇み足的なところも無きにしも非ずでもあること、当然とはいえやはりトントン拍子には行かないなと痛感するところです。
 また『京都会議を踏まえて環境問題も云えるようになった。Co2発生率は 自動車9>バス3>LRT1 という式が云えるようになった。これは大いに使ってください。ただし、お判りの通り輸送規模による数字ですので、LRTが適切な輸送規模に満たない場合には当然これを導入する事は無理でして…』との言には、前段だけが一人歩きしないかな…とちょっと気掛かりになりました。
 なお、質疑応答の際には北勢線関連の桑名市議氏が「MOMOもそうだし万葉線にも新車が入るが、三岐鉄道は50億を越える税金が投入されるにも拘らず新車が入らない、どうしたらいいのか」とされたところで、MOMOも1編成しか入らないのは、やはり上下分離なり3セク化ありきでないと各種補助が使えない以上に民営組織の問題点である旨の苦しい返答でした。
 また、当方はICカードの現状について問うたのですが、『(会社側から)スルKAN加盟が取り沙汰されたが、状況的にICカードが望ましい、ただし(吉備線直通案含め)JR-Wと共通性がないとならないことや、システム自体の成熟性から見ても時期尚早的な印象を持っている』との返答でした。よって現段階的にはまだないという感じのようです。

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 休憩を挟んで各団体からの話題提供、岐阜は会を通して岡会長はじめ各氏から「厳しい状況のところ何とか…」と振られるところ自虐的に『来年居るかどうか…』との口火で、先の社会実験も芳しい状況にないことや、それでも各種企画を連動して展開しているとの報告がなされましたが、ちょいと持ち時間をオーバーしても語り尽くせなかった感じで、豊橋と福井はカンタンな現状報告、高岡も設立5年の回顧とカンタンな将来展望が示される程度だったことから、岐阜の消化不良感が目立つ結果になったのはちょっと残念でした。

 さて、パネルディスカッションでは武山教授をコーディネーター、岡会長をオブザーバーとして、豊橋の伊奈彦定副会長、岐阜の宮崎良一氏、福井の内田桂嗣会長、万葉線を愛する会の大代武夫幹事と島会長をパネラーとして展開されました。まず『ここにいらっしゃる全員が話好きなので…』ということで武山氏お手製のイエロー・レッド「プラカード」が示されたら発言停止というお約束となるべく方言豊かな話し合いとの方針が決められた後に、基調講演に対するパネラーの所感が聞かれ、根本として「街の魅力とは」という視点の中で各種議論が進められていきました。岡山では「可能姉妹」によるMOMOショップ実現過程が、岐阜では生涯学習センターを軸とした各種仕掛け、その延長線上としての貸切電車の展開などが紹介される一方で、福井からは商店街組織との連携・融合の難しさが示されたほか、高岡からも「果たして商店街組織というものが絶対的に必要なのか?」という疑問が呈されました。
 といって郊外SCにない雑多な魅力をどのように表現してゆくかというところで会場に意見が求められたところ、引っ越して新湊に住むという参加者として、港向こうで乗り継いで高岡商店街では買物できない。車を持っていないと何処にも気軽に行けない。結局出張時に東京でティッシュペーパーを買うことになっているとの意見が示されたほか、旅行者の視点でとの問いに高岡では夜の街に活気がなさ過ぎるとの意見も。その一方で「路面電車の走っている街には何らかの魅力があるはず」といった(これはのちに名言とされる)積極的な評価、特に高岡では城址や大伴家持関連の史跡をどのように活用して行くかがポイントになるのではとの意見も出されました。これについてはお忍びで参加、というわけでもないのでしょうが万葉線会社の人にも振られ、鋭意検討する旨の返答に留まったのでした。

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 そんなこんなでちょいと視点が定まらなくなりかけた?頃合でタイムアップとなり、最後に『軽快都市宣言』唱和、時期開催が岐阜に決定して散会となったのでした。このあとは島会長より、先の学食で懇親会、お酒もお寿司もたんまり用意…と、RACDA会長たるものはどうもお酒好きでないと勤まらないようで?当方は岡会長とくるりん様に挨拶をして退出しました。
 帰路のバス車中では、前の方が金沢からの参加のようで「(シティライナーの)ダメなところは(方向幕・LEDに)「県庁」しか出してないから野町でも香林坊でも金沢駅に行く人が(経由するのに)乗らないんだよな…」なんてな話をしていました。当方もたまたま隣席となった方としばしお話をさせて頂きながら、万葉線に揺られて高岡駅前へと向かったのでした。


北陸三連戦参加備忘記
投稿者---くるりん氏(2003/12/01 21:22:54)

 管理人さま・・・どうもありがとうございました。おかげで思い出すことができ、駄文ながらもまとめることができます(←他人任せですみません)。やはり秋はイベントの季節ですなぁ(笑)。

  ●高岡入りの経緯(快速「くびき野」と特急「はくたか」)

 さて、私は前日入り・・・実は悲しきかな件の特別説明会はこうしなければ間に合わないという罠が待ち受けたりしていたのです(泣)。しかも、本来ならば「北陸往復きっぷ」の福井用を使うつもりが、この前日入りで使えなくなり、富山用に差し替えることもあり、費用もかさんだというおまけまでついちゃいました。
 富山入りに使った列車は快速「くびき野」6号と特急「はくたか」22号の組み合わせです。これですと仕事が定時に終わってもきちんと乗れるということで計画したわけです。
 前者の「くびき野」は最近口コミが効いてか、特に6号の“通勤”快速化はものすごく、時折この列車とは違う方向の列車(実は私が通勤に使っている路線ではありますが)からみると、“一度は乗って見たいくらい”の混雑ぶりでしたので、今回機会が生まれたことに感謝しつつも発車時の車内を見渡すと、特急用車両のデッキにはすでに20〜30人ほどの人だかり。なるほど、楽して退勤したい気持ちはわかります。首都圏ならライナー券500円かかるところを、料金系なしで乗れる(まあそのあとに長岡行の「らくらくホームトレイン」(乗車整理券310円)がありますが)のは「MLえちご」送り込み村上行快速同様大きいです。
 新津で大量の下車があった以降は、長岡まで完全着席といった状況。だんだん減っても長岡でふたたび立席があり、宮内で完全着席の後は減っていき、直江津で下車するころには各車両10〜20人ほどといったところでしょうか。

 直江津からは後者の「はくたか」22号に乗車します。こちらは金沢には日付が変わって到着するにもかかわらず、7〜8割の乗車率。金曜日だったせいもありますが、上越新幹線経由の北陸連絡も人気があるもんだと感じた次第。富山では、深夜にも関わらず100人以上の下車客がいた感じです。

 翌朝・・・つまり高岡のイベントの日ですね。まずはホテルで朝食・・・ん?富山地鉄を撮っている人を何人か見かけました。この中の一人が、こちらの管理人様だったということを後で知るわけですが。
 高岡までは普通列車ですが、1本前の列車に乗れる事がわかったので、乗ることにしたものの、行って見ると城端・氷見線用のキハ40が単行で発車を待っている状態(しかもツーマン)。車内は高校生を中心にぼちぼちといったところでしょうか。結局高岡に着いて電車待ちと相成ったわけです。

 万葉線、昨年9月以来でしたが、変わってなくて安堵感です。管理人様がそこに乗っているとは露知らずだったわけですが。

  ●鉄道まちづくり会議

 さて、高岡のイベントは散会(その後2次会が例によって岡氏のもとで開かれたようでして・・・しかも、翌朝の本年最終の高岡朝市まで立ち寄ったそうです)、私はさっさと福井で泊まりまして翌日、これまた朝早くに開催されるためにえちぜん鉄道に乗車することになったわけです。その前に宿泊先近くの京福バスターミナルへ。最終日のシンポの主役である「のりのりマップ」だけでなく、せめてなら時刻表は欲しいところ。当然のごとく福井発着全路線分いただきました(しかも大野営業所管内付ということものちに知るわけですが)。
 こうしてえちぜん鉄道に乗車するわけですが、もちろん往復分浮かすためにフリーきっぷということになります。結局後ほど三国芦原線に乗車することにもつながっちゃうわけですが。その三国芦原線の電車が到着してほどなく発車します。車内は参加者らしき方がぼちぼちといらっしゃるところ。しかも、管理人様も同行されて少々小ネタ(?)でしゃべりつつも事故現場などご教示いただき、感謝しつつも到着。別れてすぐ、先に着いてた勝山市の福祉バスで会場に行ったのでした。

 10:00、早速始まりまして、福井大学教授の川上氏のショートスピーチ(主にえちぜん鉄道復活にむけての合意形成が中心)の後、午前中は地方鉄道のここが知りたいということをテーマに、質問・・・というより各自治体や団体から宣伝が飛び出しました。その中でも資料をもらったふるさと銀河線に特急を走らせる有志の会と可部線の再生と存続を考える会は切羽詰った感じで発言していました。また、地元の団体などは京福問題について2つの事故のあとから復活にいたるまでを語っておられました(私は傍聴席にいたので聞き取れない状況でした)。
 資料をもらった団体のうち前者は、その日、地元で協議会が開催されている状況で、代表など上層部が張り込んでいるので変わりにきたという東京の方がしゃべられておりまして、資料を見ると、メリット面や高速化案・収支予想が出ていましたが、後ろの2つは川島令三氏の思案をもとにしたものという注意書きが・・・よく調べて見ると、代表者が全国鉄道利用者会議の代表(武田泉氏)だったのですね。氏は顧問ですから依頼するのは納得の行くところ。東京からきた発言者もその団体の会員ということで、休憩時間に聞いてみると、この団体から4人くらいが送り込まれていたようでした(よくよく考えて見ると、何らかのフォーラムには大人数で来ますね)。後者は後に福井でROBAの会主催の飲み会(?)でも出会った方々で、11月30日に大田川流域鉄道再生基金発表会でもって、市民から1億円を集めよう・・・という計画を持ち上げた方の1人でして、実際にそのイベントは大成功だったようですが、要は将来的に復活させたいと思う人たちの集まりとのこと。後にRACDAの岡会長は、「ようやく市民運動の形ができた」と支援を約束していたようです。

 昼食は勝山市からのお寿司のプレゼント。贅沢にいただきました。こんなタダ飯でよかったのでしょうか。
 午後からは本会議・・・というよりシンポジウム。長い来賓挨拶後中部運輸局の方の講演、京都大学助教授の報告と続き(傍聴席で急病人がいて私も付き合っていた関係で聞き逃しました。命に別状が無ければよいのですが、心配です)、例の岡氏のたらいまわしパワーポイント(笑)の講演、質疑応答後終了と相成りました。
 最後に環境自治体会議の上岡氏の司会で鉄道まちづくり会議の正式発足と相成りまして、来年の開催地島根県平田市の挨拶があって終了と相成りました。

  ●結局福井へは・・・

 さて、多くの人々と一緒にえちぜん鉄道で福井へ目指します。やってきた電車は愛知環状鉄道からやってきた単行降圧改造電車でした。件の岡氏にボックスシートを勧められましたが、恐れ多く(?)立席で。しかしここで岡氏の財界人パワー(笑)が炸裂してしまいました。その中で、来年1月に運行開始が正式に確定した万葉線新車の話題になると、私にうらやましいだろーと自慢下に言われ、ショックを受けました。・・・そうなんですよね。いくら自治体的に隣町(新潟県聖籠町)で作られているとはいえ、地元民はそれを知らずに過去に熊本・岡山、そしてこんどは高岡に運ばれるのですね(泣)。新潟トランシス様、アルビレックス新潟のクラブハウスを公開するわけですからせめてなら、新潟都市圏民にLRVを公開してくださイッ!!(こら)
 私は三国芦原線乗車のため、福井口で下車、乗り換え後すぐ発車しました。
 すでに闇に包まれていたので、景色は見えずじまい。それでも三国駅到着後、駅前で待っていた中型バスで福井へ戻りました。バス車内で運転士に不思議がられたのは言うまでもありません(笑)。
 福井到着後、遅れて行くとROBAの会に通達してあるとおり、若干遅れてレセプション会場到着。乾杯寸前に水を差す結果になっちゃいました。ごめんなさい。終了後は例により岡氏、ROBAの会の内田会長、例の可部線運動関係者ら十数人で福井駅前のカラオケボックスで・・・(以下盛り上がりすぎて書けません)。

 さて、バスの話はすでに書いたので・・・

京福・・・電車手放したらノンステップバス大量導入―向上か破滅か ../../neotrans/log368.html#41

  ●まちづくり進歩ジウム−つないで活きる電車・バス

・・・と題したシンポジウム、まずは中村文彦氏の基調講演。全国各地の交通計画策定で飛び回っている氏ならではの話が聞けて(というより、私はすでに2ヶ月前に地元の生涯学習講座で聞いているわけですが)、よかったわけですが、肝心の中身はクリチバの施策やらコミュバスやらで皆さんもご存知のものですので、省略します。ただ、話術は相変わらずうまいということだけですね。
 事例報告は、ROBAの会の会員が4つの報告を行いました。まずは、のりのりマップの使い方や特色などのメリット面や今後の目標などが語られ、次のイベント輸送の公共交通利用調査報告では、10月の青年会議所全国大会時の報告があり(やはり公共交通は全体的に低く、ホテル関係者も信用していないようだったとのこと)、乗り継ぎの実践報告では福井大学の2キャンパスの移動を実践するものの、バスの接続より本数が無いといった報告がありました。最後はワークショップ報告、ハード面が少ないなど、改善がしにくいのであれば、ソフト面の改善を行っていこうという報告がありました。
 さて、休憩後のパネルディスカッション。鉄道まちづくり会議でも短い基調講演をしていた川上福井大学教授によるコーディネーションに中村・竹内(中部運輸局鉄道部長)・岡・三崎(テレビ神奈川アナウンサー・福井出身)の4氏のパネリストによってはじまりました。竹内氏は鉄道まちづくり会議の話、岡氏は例によりあのパワーポイントでの話がそれぞれ主で、三崎氏の出身者ならではの公共交通感もあって、かなり盛り上がりました。

 会場の後ろには、海外や岡山など日本各地のバスマップが展示されていました。時間が無かったのでじっくり見れませんでしたが。

 終了後、福井駅から特急に乗り、そのまま富山で乗り継いで新潟に帰りましたが、北陸って市民が元気ですね。市民が交通を支える・・・ようやくその芽が出てきたのかな・・・と感じた4日間でありました。

2004.10.23 Update

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