【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.053)
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バスをあなどる事勿れ…東阪間移動実見より
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/05 12:49:52)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

東海道夜行・隙間に落ちたのは鉄道である
└Re:東海道夜行・隙間に落ちたのは鉄道である
└自分の立脚点表示+いくつかのコメント
└Re:総括・鉄路を行く高速バスの勧め
 └大前提・それは東海道だから...
  └余剰人員活用での体力勝負のバスを相手に鉄道が利益をあげられるか?

東海道昼特急大阪号&青春ドリーム大阪号 登場! log052.html
「東海道昼特急」乗車ルポ 
log052.html#2

 論点が多岐に亘りますので分割して述べます。
 基調として、幸か不幸かこの初夏から東阪間の移動を繰り返してきた経験、そして今までの利用経験に基づいて語っていることをお含み置き下さい。

東海道夜行・隙間に落ちたのは鉄道である

 まず夜行需要ですが、明らかに鉄道側の無策が必要以上の逸走を招いているといえます。

●高速バスの異常な分担率
 少なくとも東(名)阪間移動において、夜行移動は需要からも経営からも無視できないシェアを持っています。現在、首都圏から中京圏および京滋地区、奈良、京阪神、泉南・和歌山を含む関西圏(紀州と北近畿は若干性質が違うので除外)の夜行交通機関を比較すると、鉄道が急行「銀河」、快速「ムーンライトながら」および多客期運転の所謂「救済臨」の3本です。その座席・寝台提供総数は最大で1,500、閑散期は800弱に過ぎません。
 一方で高速バスですが、中京圏対象で9本、関西圏対象は実に43本を数えます。(名古屋−西船橋の「ファンタジアなごや号」、新宿−なんばの「カジュアルツインクル」を含む)
1車30人(SHDは28or29人、DDLは34人程度の平均)として、1台運行で1,500人を超える座席提供であり、複数台運行となる多客期は3,000を下らないオーダーになると思われます。

 この時点で鉄道:バスの名目輸送力は約1:2であり、夜行という範疇においては鉄道利用が「青春18」利用でかろうじて対抗できるニッチ狙いに回っています。
 例えばこれが「ムーンライトえちご」のように高速バスの輸送力も高が知れているのであれば、「低需要でも成立する」利点を強調できますが、通常(閑散期)ベースで新幹線1本を超える輸送力を分担している(「ながら」なら現状に加えてあと3列車の運行が成立する)規模というのは、本来バスが担うべき分野を大きく超越しています。運行コスト(東海道の場合既存夜行や貨物の運行もあり、純粋に車両と乗務員のコストに従う)の面でも、30人単位で機材と人件費がかかり(固定費負担が1/30より下がらない)、スケールメリットを追求できないバスより優れているはずの鉄道の方が収益性の高い運行が可能ではないでしょうか。

 この区間のバスの特徴として、特に多い大阪エリア行きの便がほぼ全区間スローズドドアという完全拠点間輸送に徹していることです。逆に鉄道の方が途中乗車、途中降車で面的需要をカバーするという、一般的には高速バスがシェアを確保するときの特徴を備えています。バスは首都圏と関西圏でターミナルが分散してますが、東京と新宿、梅田となんばがそこまで峻別されていることもないでしょうし、逆に同じ東阪間のバスとして選択関係にあると見ていいでしょう。

 こうした拠点間の大量輸送という鉄道の最も得意とする分野で、バスの半分しか分担できないということは異常と言えます。
 これでも「バスでいい」というのであれば、鉄道として存続できる分野は極めて限られたものになってしまうのではないでしょうか。

●需要は決して隙間ではない
 
かつての、といっても10年ちょっと前の平成初期を思い出してください。東名阪間の夜行交通機関といえば、「銀河」と「大垣夜行」(「救済臨」)が鉄道で、バスはJRのドリーム号が名古屋、京都、大阪に1便ずつと言う時代が長く続いていました。
 バスは2台以上の運行が恒常化していたとはいえ、都合10台出ることも無かったでしょうが、10台としても400人程度(当時は4列シート:1台運行なら120人程度!)です。一方の鉄道は通常で1,200人程度、多客期で2,000人程度の輸送力です。

 ベースの輸送力を比較すると平成初期は1,300人程度だったのが今は2,300人程度、多客期の場合2,400人程度が4,500人程度とざっと2倍に増えています。
 この間新幹線は「のぞみ」の運行開始などスピードアップをはじめとする利便性が向上してますが、本来発生するはずの高速化による夜行需要の減少と正反対の現象が起こっています。
 この夜行需要増を輸送力の分担比で見ると、平成初期は83〜92%だった鉄道が、現在では35%程度にまで落としているばかりか、絶対数まで落ちており、需要の増加を全く取りこめないうえに逸走まで生じたという散々な結果が見えます。
 実際、「銀河」は減車、「ながら」は「大垣夜行」時代に比べて座席数が大幅減、「救済臨」も概ね座れるという状況からもうかがえます。

 これは何が起こったのか、掘り起こした需要は夜行高速バスのサービス諸水準であれば移動するという新規需要なのです。端的にいえばコスト問題であり、東京のイベントに、テーマパークに遊びに行く、関西に観光に行くといった、本来は相応のコスト負担を交通費と宿泊費に費やすことを覚悟しなければ行けなかった層の掘り起こしに成功した結果なのです。今回は調べてないので触れませんが、団体形式のバスツアーも含めた場合、その数は上述の数をはるかに上回ると見られます。
 鉄道はなぜこの流れにおいて蚊帳の外だったか。テーマパークや諸イベントへの訪問・参加意欲の高まりとそれに対する障害の把握が全く出来ていなかったといえます。少なくともここ四半世紀以上言われて来た東阪間の(価格競争力のある周遊券利用のできる)座席夜行設定の要求を無視して、寝台急行や周遊券で利用できない全車指定席急行の利用を促進してきた国鉄〜JRの姿勢はその象徴で、別稿で述べる予定ですが、本来のターゲットには嫌われる水準にすぎない「銀河」は、今や基本8連、閑散期(といっても相当な期間)6連、提供寝台数は200人にも満たないという状態です。本来これだけの基礎票がある区間で、「夜寝ていく」という夜行本来のスタイルにもかかわらずここまで嫌われているのは、ニーズとあまりにも乖離した内容に拠るところ大で、決して「夜行の時代は終わった」という外部要因ではないのです。

 それに対して青春18という商品の優れている点は、会社側が意図しなかったことではありましょうが、新規の「移動」需要を発掘する点であり、現状、高速バスに対して唯一対抗できる商品です。だからこそ大垣と米原という2箇所の乗り換えを介していてもなお競争力を持っているのです。
 しかしこの度の低価格バスでその優位性は相当損なわれます。「ながら」利用での東阪間移動の実質コストは指定券や横浜までの乗車券の合計で考えると実は3,000円を大きく超えており(東京行きは6,000円近い)、絶対的な優位性があるとは必ずしも言えません。そして差額が1,500円前後となると乗り換え無しの利便性を考えれば拮抗したといっていいでしょう。

 なお首都圏、中京圏、関西圏における他交通機関との連続性があまり問われないことから、3大都市圏に何かしらの地盤を持つ層、つまり発着地または目的地が3大都市圏という層に「限定」されることは正鵠ですが、基礎票があまりにも膨大であるため、掘り起こした時のマグニチュードは莫大です。そもそも新幹線を含めてこの区間の移動需要で3大都市圏に関係無い利用のシェアは相当低いはずです。

▽東海道昼行・新しい形態の移動需要の取りこみが鍵

 さて昼行便です。

●昼間需要も小さくない
 ここでも基礎票の大きさが大きくものを言っています。前に「昼特急」のルポで書きましたが、一日丸々つぶれるダイヤですが、それでも高い利用率となっているのはもともと需要の絶対数が大きいからです。その数を考えた際、やはり鉄道側が「これくらいならバスに任せた」といってられる数なのかという問題があります。

 過去ログで管理人さんや私がルポしてますが、予約定員制を取らず自由定員制の東名高速線の昼行便では積み残しが相当な数で発生しているようです。その東名高速線を含む東名阪間のバスですが、これも少ないとは決して言えません。
 ご存知昼特急は4便ですが、その他東名間の速達便である東名ライナー、中央ライナーが8便、一般便の特急が同じく8便、浜松4便、静岡20便となっており、名神間でも京都20便、大阪7便、神戸4便となっています。つまり概ね30〜40便、座席数でいくと1,500人程度の提供と考えられます。もちろん新幹線1本分といえばそれまでですが、無視できる数ではありません。

 特徴的なのは普通運賃より安い価格設定ということもあり、18シーズン以外のエコノミー直行需要は特に東名間でこちらに集中しています。これらの移動需要がコストと密接にかかわるものであり、夜行利用の「銀河」誘導が惨めな失敗に終わったのと同様、新幹線へのシフトは起こり得ないと断言できます。(新幹線が驚異的なダンピングをすれば話は別ですが)

【高速バス】快適性と利便性と採算性と…東名ハイウェイバスの現実? log019.html#5
「東海道昼特急」乗車ルポ log052.html#2

●昼行移動へのフォローが求められる局面
 いかに18シーズンといえども日中全ての時間帯に長距離移動客があふれるわけではありません。逆に首都圏、中京圏、関西圏の出発、到着に便利な特定の時間帯に集中するため、数字以上の混雑を感じることがままあります。(しかも特定の時間帯の中でも接続の良い特定の列車に集中する)
 そうした特定の時間帯にこの手の流動を分離する目的での列車設定もしくは増結は有効であり、日常利用者へのフォローにもなります。具体的には下り方向だと東京発10時台などの快速「アクティ」、午前中から昼過ぎにかけての熱海−静岡間、午後の浜松−豊橋間、朝夕の大垣−米原間、午前中と夕刻以降の米原からの新快速です。

 よく「そもそも18きっぷは空席利用促進の商品だから、それで混むからと言って増結・増発するのは本末転倒」といわれますが、明らかに新たな「移動」需要を掘り起こしている以上、その上積み分への対応をしないわけにはいきません。

●快速設定の是非
 新しい需要の掘り起こしという側面で考えると、現在乗り換えはあるものの快速サービスがつながっている名阪間が参考になります。
 米原乗り換え(日中は大垣も)で名阪間を結ぶこのルートですが、ほぼ終日30分ヘッドの乗り継ぎパターンが確保されています。不況の折、ビジネス需要も相当食っているようであり、名阪間2時間半程度の所要ですから、近鉄特急とマトモに競合している感じです。
 日中こそ空いていますが、朝晩を中心に混雑しており、18シーズンだと米原以東の4連列車の定員相当の乗り継ぎ(250人前後/列車)が列車ごとに見られます。客層を見ると、大阪発着は名古屋までのほか東京方面直通が多く、イベント参加などの目的型ですが、名古屋発着は京都観光など観光利用が目立ち、新幹線利用の層とあまり差はなくなっており、特殊な需要の掘り起こしから一般需要の掘り起こしへの昇華に成功した例と言えます。

 これに対し、名古屋以東では在来線を乗りとおす層は現在相対的に少ないです。もちろん絶対数としては少なくないのですが、利用層の偏りもまだ見られます。ただ高速バスの状況やそもそもの基礎票の規模を考えると、一般利用者を掘り起こす 余地は十分にあるとみたほうが自然でしょう。
 高速バスの分担を奪取することを考えれば、多客期には毎時1本レベルの設定であっても十分な利用者を確保できると考えます。

●18ユーザーの変質
 マニア向け商品から一般向け「激安」商品に完全にシフトしたと言っていいでしょう。
 興味深いのは、ここまで安ければ「乗り換え」という利用者にとって最大の障壁すら容認されると言うことです。大阪から東京まで、米原、大垣、豊橋、浜松、静岡、熱海と6回乗り換えですら厭わないのが現実であり、小型時刻表を食い入るように見たり、乗り継ぎをメモした紙を確かめながら旅行する人を数限りなく見ています。
 これは鉄道事業者にとって貴重なデータのはずで、乗り換えに対する抵抗を減殺するには18レベルの価格競争力が必要と言うことであり、同時に時刻表を(なんとか)読むことが出来る層が意外と多いこともわかります。

 ちょっと横レス気味ですが、鉄道に興味云々でない人が、「安く移動できる」という理由で18きっぷを選択していることを鉄道側が活かさない手はありません。本来嫌われて消滅しつつある「乗り継いで旅行する」という形態をデフォルトと思っていることは貴重です。例えば小型時刻表をプレゼントしてゲーム感覚で乗り継ぎ旅行を仕立てると言った売り方をすることで、絶滅しつつある(冗談抜きで、「鉄」な乗り継ぎを実践する人は急速に減っている)鉄道旅行、つまり、ネットワークを生かした乗り継ぎを前提とした旅行の形態を次代に残す最後のチャンスかもしれません。
 これがバスがデフォルトになれば、「鉄道を利用する」という発送すら湧かない、「鉄道を利用しないことが当たり前」な世代がメインになるという致命的な事態が加速するのではないでしょうか。

▽総括・鉄路を行く高速バスの勧め

●バスをあなどる事勿れ
 1台あたりでは小さい輸送力ですが、複数路線の開設や続行便の設定など集まれば相当な数になるという事実を忘れてはいけません。少なくとも1個列車以上の輸送力に達しているケースにおいては、鉄道の取りこぼしと言うかニーズの読み違えによる逸走が発生したことになります。

●鉄道の対応
 東名阪間のように、拠点間輸送で明らかに守勢に回っている場合。しかも鉄道が分担すべき輸送量があり、その半分も取れていないようなケースにおいては、早急な巻き返しが必要です。

***
 ここで対策として「シュプール号」型乗切制の列車の設定を提案します。

使用車両 :373系タイプの汎用型車両6連〜12連
運転区間 :東京−横浜−名古屋−京都−大阪のクローズドドア方式
運賃 :4000円(東名間3500円、名阪間2500円)
  :全車指定席

 運賃は大都市駅制度は適用しますが、乗り越し、乗車変更はしませんし、他の企画商品はもちろん普通乗車券との併用も出来ません。つまり高速バス同様その列車のための専用運賃になるのです。主たるターゲットが3大都市間の移動需要であり、従来の運賃+料金よりもわかりやすく、かつインパクトある設定とします。(料金券方式だと小額のため買占めの問題が発生しますし、個札料金以下の設定が困難なことがある)
 ちなみに運賃は個札(バス)と18の間の微妙な数字にしています。

運転形態 :夜行3往復(その他に季節1往復。定期1往復以外は中京圏での利用が出来ない東阪直結)
  :昼行4往復(朝夕に2本雁行)、様子を見て毎時1本化も視野。

夜行の場合、首都圏側の起終点を中央線八王子、大宮、千葉経由成田空港とし、関西圏側を神戸線姫路、天王寺経由関西空港、京都経由奈良として、周辺部需要に対応する。(周辺部−周辺部の利用は少ないであろうことから、各起終点の組み合わせはあまりこだわらない)

 要は鉄道の形態を取った高速バスということですが、「シュプール号」での先例もあり、鉄道にとっても必ずしも未体験ではないのです。
 そう、「シュプール」はスキーバスに対抗して始まりました。そのひそみに習うのです。

Re:東海道夜行・隙間に落ちたのは鉄道である
 投稿者---矢切氏(2002/02/05 13:29:37)

 東阪間夜行移動にのみ返信:

 少なくともここ四半世紀以上言われて来た東阪間の(価格競争力のある周遊券利用のできる)座席夜行設定の要求を無視して、寝台急行や周遊券で利用できない全車指定席急行の利用を促進してきた国鉄〜JRの姿勢はその象徴で

 周遊券でも1700円払えば銀河51・52号に座れたのではありますが、これを500円でも良しとしなかったのは多くの利用者を失う結果となっただろうし、繁忙期にしか座席銀河がなかったのもまずかったと思います。

 さて、いま鉄道が嫌われる理由のひとつとして、過去の負の教育効果も無視できないと重います。繁忙期に東京駅で3時間またされ345Mに乗り翌朝くたくたになった経験がある多くの人のなかには、夜行快速といえば疲れるものと刷り込まれており、ながらはリクライニングシート・指定席だなんてことを知ろうとすらせず選択肢として眼中にまったくないという人も少なくないでしょう。

●今後のあるべき姿
 以下の施策をつよく求めます。
  ・寝台銀河への女性専用車設置
 以下の施策をつよく推奨します。
  ・寝台銀河の個室化、開放寝台は値引きしてクシェットにし値引き(ゴロンとシート的)
 以下の施策を推奨します。
  ・銀河に座席指定席を連結する

P.S. 上りながらは東京到着が早すぎます。また、「完全」全車指定席でないことによる不安感もあるので、全区間指定席にしてほしいです。

自分の立脚点表示+いくつかのコメント
 投稿者---和寒氏(2002/02/05 16:51:39) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 だいぶ白熱してきたようで。
 まず明らかにしておきたい点は、私の議論している点は、昼間移動に限定している、ということです。夜行移動とはおのずと性格が異なるという前提のもと、昼間移動需要で「遅くてもいいから安く」という層は限られるはずだ、というのが私の認識です。
 そのうえでいえるのは、エル・アルコン様御指摘の夜行需要に関しては、留保条件なしで首肯できるということです。というか、これに対する反論は、需要に応えようとしない「いいわけ」でしかないでしょう。
 ウルトラ個人的には、関西圏・中京圏−(武蔵野線・成田線経由)−成田空港及び−(武蔵野線・京葉線経由)−舞浜・東京という夜行列車(拠点駅停車の快速扱い)が成立しないことを、たいへん疑問に思います。旧世代特急型車両が大量に置換されつつある今、初期投資ほぼゼロ(即ちリスクもゼロに近い−−利用客がつかなければ運転をやめ車両を廃車すればいい)で設定できる列車であるはずですが。
 観光統計を見れば一目瞭然ですが、東京の集客力は他道府県を圧したオーダーです。そのポテンシャルの根元がどこにあるかといえば、良くも悪くもTDRであるわけです。ビジネスにおいては東京駅一極集中は是、そして観光需要においてTDRを起終点とする輸送体系を構築しても、それは是といえるのではないでしょうか。
 ともあれ、エル・アルコン様の続論に期待しております。

 若干の個別コメントを。
 さいたま市民@西浦和様、初めまして。
 矢切様、頑張っておられる様子で、なによりです。

絶対数はもちろん少ないでしょう。50人いるかどうか??(さいたま市民@西浦和氏)

→母集団はもっと数が多く、0が3つは足りないと思います。ひょっとすると4つ足りないオーダーかもしれない。その中で、ある1日に利用するという方が50名前後という世界でしょうか。

 いわゆる旅行者ですね。今後増えるであろう外国人バックパッカーというタイプの旅行者もいます。宣伝のしようですね。(さいたま市民@西浦和氏)

→このへんは見落としてました。この数もそれなりのオーダーになるはずです。
 また、移動時間と宿泊費を相殺できる夜行需要層については、エル・アルコン様御指摘のとおりです。

 すべての駅からすべての駅への普通運賃のみで供給されるユニバーサルサービスを充実するのは当然かもしれません。(さいたま市民@西浦和氏)
 特急料金はとってもいいですよね?・・・・・・中長距離特急料金をその分値上げするのが妥当と考えています。(矢切氏)

→この点は、たいへん重要な問題提起だと、認識しています。別スレッドに移すのが妥当かとも思いますが・・・・・・
 自分の認識としては、運賃一本化は是、一定距離以上の区間での特急料金加算も是。であるならば、ブロック内運賃とブロック間運賃の2本立てにし、一定距離以上の区間ではたとえ普通列車を使っても特急利用相当の運賃を頂き、中長距離需要を特急列車に誘導、質の異なる流動の分離を図るのが妥当と考えます。
 ただし、運賃体系が複雑になるのは必至で、かなり綿密な体系構築が必要となるでしょう。

 ここでも基礎票の大きさが大きくものを言っています。・・・・・・鉄道側が「これくらいならバスに任せた」といってられる数なのかという問題があります。(エル・アルコン氏)

→首都圏−関西圏・中京圏は、鉄道だけでそれぞれ1日約10万人もの利用者がいます。1,500人のバス需要は、鉄道の1.5%に過ぎないわけで、顧みるに値するかといえば、やはりネガティブでしょう。

→新幹線単体でダンピング可能であることは御存知のとおりで、これが実現すれば、完全にひとり勝ちでしょう。しかし、分割民営化の主旨からして、それが社会的に是かといえば、私は違うと思います。
 「のぞみ」料金への一本化には疑問符がつくとしても、新幹線の本旨は、高額の運賃料金を許容できる層をとりこみ、高収益を確保する点にあると、私は認識しています。

 高速バスの分担を奪取することを考えれば、多客期には毎時1本レベルの設定であっても十分な利用者を確保できると考えます。

→この点については、矢切様御指摘の理由により、ネガティブだと思います。
 ただし、(18きっぷがそうであるように、新規「移動」需要を掘り起こしている以上、その上積み分への対応を)という点については是と考えます。あくまで域内流動の充実を主と置くべきとは思いますが、その結果がもたらすことは同じかと。

 だいぶ長くなりましたね。
 この調子で収束するんだろうか・・・・・・

Re:総括・鉄路を行く高速バスの勧め
 投稿者---和寒氏(2002/02/05 17:09:44) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 書いている間に2本も投稿があるとは・・・・・・
 エル・アルコン様の意見の基本は是とします。
 先の投稿と重なる部分もありますが、一部に要望を。

使用車両:373系タイプの汎用型車両6連〜12連

→183・485で始めるのが安全かと。一定数の利用客の存在を確認してから、新車を投入する方が、運営者にとっては安全側です。腰が引けている感は否めないとしても、初期投資を回収できないリスクを冒すわけにはいかないかと。ただし、185以下のサービス水準では当然不可。

夜行の場合、首都圏側の起終点を中央線八王子、大宮、千葉経由成田空港とし、

→武蔵野線・京葉線経由舞浜・東京便もほしいところです(承前)。

大前提・それは東海道だから...
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/05 18:50:46) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●大前提
 そう、これらの論が成立するのはひとえに「東海道」であるという特殊要因であり、他の区間で真似をしても(バスであれ鉄道であれ)コケるのが関の山なんです。

●比率と絶対値
 鉄道のような装置産業の場合、投下資本に対するリターンを得るにはある程度のスケールが求められます。ですから、よしんば絶対的なシェアを握っていたとしても、収入が費用を賄えない規模であれば事業として成立しませんし、シェアが小さくても固定費を賄えるスケールが確保できるのであれば、収益源となり得ます。
 東海道在来線におけるケースを考えた際、1.5%というシェア見合いの数字がどちらなのか、この判断になるのでしょう。

●価格設定
 この考え方に首肯するわけでは必ずしもないんですが、現在の価格決定メカニズムは、このくらいの値段なら買ってくれる、利用するという値ごろ感に従っている部分が大きいです。
 需要を掘り起こすのならば、東京−大阪間で幾らだったら利用してくれるのか、と言うアプローチでの価格決定をすべきであり、どうすればそこまでコストを落とせるのか、と汗を流すことが必要です。
 航空各社の激安運賃もその類であり、固定費負担をいかにして軽減するかという命題も一緒です。繰り返しになりますが、人件費と機材費が約30人ごとに増えるという固定費にあるまじきカーブを描くコスト構造のバスに比べれば、鉄道の方が柔軟な対応が実は可能な気がします。

●遠近分離による域内移動充実の例
 鮮やかな例としてはJRWの新快速でしょう。
 米原−京都−大阪−神戸−姫路という100kmクラスの都市間輸送を担ってますが、新幹線に対する競争力すら持っています。本来なら新幹線通勤などへの対応の列車設定が必要になる姫路や米原での対応を事実上不要にしており、新幹線を本来の遠距離輸送に傾注できるようにしています。
(大阪−姫路の場合、新快速が標準59分、新幹線は新大阪発着というハンデはありますが、最も遅い「こだま」が50分!です)

 さて困ったチャンの例としては結局JREを出さざるを得ません。
 伊豆や駿東への行楽需要、18シーズンは東海道乗り通し需要も多い「アクティ」が、結局横浜−湘南地区といった快速でなくても実は困らないような利用も受けているため、混雑が激しく、昨年12月の改正で215系の運用を全面廃止しました。で、さっそくオールロングの15連が幅を利かせています。域内移動を優先させたというのでしょうが、遠距離は近距離の延長に過ぎないという思考です。

余剰人員活用での体力勝負のバスを相手に鉄道が利益をあげられるか?
 投稿者---樫通氏(2002/02/05 16:10:13)

 通常(閑散期)ベースで新幹線1本を超える輸送力を分担している(「ながら」なら現状に加えてあと3列車の運行が成立する)規模というのは、本来バスが担うべき分野を大きく超越しています。運行コスト(東海道の場合既存夜行や貨物の運行もあり、純粋に車両と乗務員のコストに従う)の面でも、30人単位で機材と人件費がかかり(固定費負担が1/30より下がらない)、スケールメリットを追求できないバスより優れているはずの鉄道の方が収益性の高い運行が可能ではないでしょうか。

★原価計算をすると鉄道の方が収益性が高いという数字が出ないとは限らないでしょうが、「この値段だからありうる需要の大きさ」という市場は、よほど背に腹が変えられない限りリスクの方が大きいと考えます。今後の東阪間格安移動市場は、バスの中から消耗戦の最後に限定された勝者が生き残るのでは?

★鉄道の拠点間大量輸送への特性は、片手で数えられる程度の本数ではさほど大きなメリットが出ないのでは? 夜中も30分間隔で鉄道を運行するほどの需要の大きさがあるのならば鉄道の無策が非難に値すると思いますが、わざわざそのための運行要員を確保しないといけない特段の事情でもない限り無策の上で他のターゲットに注力する事は良い事だと思います。

★ただし、他のターゲットへの注力の仕方が褒められるかと言うと、これは別問題だと思いますが。

ビジネスに使えない「銀河」をどうするか
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/05 19:30:39)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
ビジネスに使えない「銀河」をどうするか
└Re:ビジネスに使えない「銀河」の再生
 └「銀河」の栄光と凋落
  └夜行列車全般にいえることですが
   └Re:夜行列車全般にいえることですが
夜行列車活性化には寝台の完全個室化を
 └285系(サンライズ型)の評価を考える
  └Re:285系(サンライズ型)の評価を考える
   └東海道夜行輸送雑感&285系評価
    └Re:東海道夜行輸送雑感&285系評価
Re:ビジネスに使えない「銀河」をどうするか

 先日旅行帰りに夜の東海道線を急いでいると、急行「銀河」とすれ違いました。ところが編成は電源車を入れてもわずか7連で、ロネ1ハネ5という寂しい陣容でした。
 首都圏と関西圏と言う2大都市圏を結ぶ寝台列車として、戦後すぐから君臨した列車として有名ですが、ここまで寂しい編成を見ると、何か見てはいけなかったものを見た思いです。

***
 新幹線のスピードアップにより、21時過ぎまでに出ればその日の内に着き、その日の朝出ても8時半過ぎには着くので、22〜23時に出て、6〜7時に着くダイヤに魅力がなくなったことも大きいですが、腐っても東阪間、1本分くらいの需要はないのでしょうか。
 「のぞみ」は確かに速いですが、住まいによっては夜遅く帰って払暁に出て東京駅に、という行程を強いられたり、前泊でも最終新幹線での移動で0時過ぎに宿に入ることを考えたら、寝台車でいった方が楽というケースも多いのではないでしょうか。

 しかし、実際に自分が「銀河」を使うかというと、まず指向しません。旅費規定の制約もありますが、なによりも「銀河」を使った場合に考えられる弊害が大きいのです。
 まず開放式寝台車。これは今の時代では論外でしょう。着替えもままなりませんし、脱いだスーツをきれいに仕舞うところから悩みます。
 寝起きの頭や顔を整えるのも難儀ですし、せめて寝る前か起きぬけにはシャワーくらい浴びたいものです。急ぎの仕事ですからそれなりに重要な仕事ですが、持参した書類の管理にも悩みます。
 これでは朝から仕事というのに乗るわけにはいきません。

***
 さて、東海道夜行を見ますと、寝台特急「あさかぜ」と「サンライズ瀬戸・出雲」が大阪(「サンライズ」は三ノ宮も)からの利用ができるようになっています。
 「銀河」の名古屋もそうでしょうが、「東京本社」での会議等への対応ダイヤといえそうです。下りはそれに対応していないのは、やはり東京一極集中の証左で、名古屋や大阪だったら東京からの出張者に配慮して新幹線に時間を合わせるのでしょう。

 実は上り「サンライズ」や「あさかぜ」のロネに、重役クラスの利用がそれなりにあるという話を聞いたことがあります。関西で夜の会合に出て、翌朝は東京本社と言うようなスケジュールの場合、会合を中座して最終「のぞみ」に乗るのではなく、0時過ぎの寝台特急のロネに乗るのです。(B個室の場合もある)まあ両列車ともそうした利用に耐えられる設備であるからでしょうが、このあたりに東海道筋の特殊性と寝台列車の活路が見えてきます。

***
 そうです、「銀河」に「ロイヤル」クラスの寝台を連結するのです。絶対に存在するはずの需要に応える設備がなかったのが今までの東海道夜行です。「のぞみ」のグリーンで行って宿を取るだけのコスト負担に耐え得る層がターゲットです。まあ会社の経費支出も渋くなってますが、それでも東海道ならそれなりの需要はあるでしょう。「銀河」は名古屋にも停車するので、京阪神&中京圏の需要を押さえられます。

 紳士録や役員四季報などを見ると判るのですが、昨今の役員クラスはけっこう都心から離れて住んでいます。ですから早朝発や深夜着の移動がかなりキツイのではないでしょうか。そうした背景も踏まえれば、21世紀版「動くホテル」の登場もあながち無理ではないのでは。

 あとは一般車両の個室化が望ましいです。それとシャワー室の設置ですね。

ビジネスに使えない「銀河」の再生
 投稿者---とも氏(2002/02/05 20:02:20)

 ともです。

 まずは言い訳。
 先のレスで東海道夜行に対し、かなり否定的な意見を書いているようにとられたかもしれませんが、基本的には在来線昼行は否というスタンスです。
 夜行は逆に活性化の策ありと考えます(潜在需要は限られているが少なくともテコ入れである程度までは増えるということです)。

 首都圏と関西圏と言う2大都市圏を結ぶ寝台列車として、戦後すぐから君臨した列車として有名ですが、ここまで寂しい編成を見ると、何か見てはいけなかったものを見た思いです。

 そうですね。昔は臨時銀河もあったのに・・・

 エル・アルコンさんのご提案、まったくもって同意します。
 どうも東海道夜行というと「ながら」に話しが行きがちですが、「ながら」を選択肢にする人は本当に限られます。ただ、東名阪だからこそ列車としての需要が成立するのでしょう。
 東名阪夜行筋は安かろう悪かろうの移動手段といってはなんですが、少なくともビジネスや出張、カップルでの旅行には使いにくい移動手段が多く、若干いびつな供給体系になっています。
 確かに、銀河を使う層は今は限られますが、それこそ285の投入という技はありだと思いますね。
 さらに銀河オリジナルとして3列座席でも連結できれば、相当な需要掘り起こしができます。

 ただ、問題は夜行列車のイメージです。
 未だにカシオペアやトワイライトエクスプレスを除いて悪いイメージがあり、サンライズなど知名度は低いですね。
 さらには東京駅の発着時間も問題です。使いやすい時間とはいえませんし、なんともあの暗いホームからというのは気が乗りません。
 それはなんとでも出来るのかもしれませんが

 東京・大阪間の夜行需要は確実にあり、バスが盛況なのもそのためです。
 もちろんバスにはTDRやUSJ直行、郊外からのダイレクトサービスという相当なアドバンテージがあり、簡単に鉄道に客をひきつけることは難しいでしょう。
 ただ、それこそ鉄道のメリットを活かした隙間的な需要を引き出すことさえ出来れば可能性はあると思います。
その隙間的客層をつかめるかどうかでしょうね。

 「ながら」=低価格バス<高速バス<銀河という体系の隙間をカバーできるかですね。
 まとまりません。ではでは

「銀河」の栄光と凋落
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/05 21:13:40) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 いえいえ、こちらこそ熱くなりすぎまして...(汗)

 確かに東海道夜行の「安かろう悪かろう」のイメージは払拭できませんね。それと東京駅、大阪駅ともに列車を待つという点では寂しすぎます。

 さて、東海道夜行の設備ですが、不思議なことにかなり早い時期に簡素化されています。新幹線開業前の1等寝台には政財官のお偉方や芸能人など著名人御用達だったという話を聞きますが、それがみんながみんなシフトしたのでしょうか。
 急行「銀河」は昭和61年に今の24系のロネ+2段ハネになる前は昭和60年に14系、昭和51年に急行初の20系という歩みを辿っていますが、基本的には開放式A寝台+B寝台でした(20系化まではスハ44系(回転クロス)の座席指定車を連結していた)。
 その姿になったのは昭和45年に2人用A個室を備えたマロネ40の連結が中止されたときですが、「並み」の寝台急行になる時期が早過ぎた気がします。
 もちろん、24系化から16年間さしたる進歩もしなかったことこそ衰退の最大の原因ですが。

 新幹線開業前の設備を見ると、オシ16(ビュッフェ、サロンカー)やオシ17(食堂車)の連結があり、複数の列車で当時の1等A寝台(3等級時代の1等寝台の1〜4人個室。後に2等A寝台になり、2等級化で再度1等A寝台に)が連結されてました。昭和35年までは急行「彗星」に特別室つき全車1等A寝台のマロネ49(旧マイネ38)も連結されるなど、20系寝台特急よりは劣る「急行」ではありますが、中身で勝負という時代でした。

 こうしてみると、現行編成は相当格が落ちますね...

夜行列車全般にいえることですが
 投稿者---とも氏(2002/02/05 22:57:17)

 ともです。
 なんだか私が油を注いだような気がするだけに・・・(爆)

 確かに東海道夜行の「安かろう悪かろう」のイメージは払拭できませんね。それと東京駅、大阪駅ともに列車を待つという点では寂しすぎます。

 そうなんですよね・・・
 旅情があるといえばそれはそうでしょうが、薄汚い(失礼!)といえばそれまでです。
 一般の旅行者からすれば快適な待合環境ではありません。
 

 夜行列車を特別な、言い換えれば一部客層の乗り物にした、しかも演歌チックな独特な暗い雰囲気をかもし出させた最大の原因はやはり国鉄なりJRであることは否定できません。
 ただ、北斗星以降、カシオペア、トワイライトエクスプレス、サンライズ・・・と最近、一般の旅行者にアピール度の高いハイグレードな列車が増加しており、しかもサンライズのように割安感から人気というものも出てきています。
 こういった鉄道事業者の努力が旅行スタイルに新たな展開をもたらす=需要を創出する、シフトをすることもありますね。

 夜行列車全般の活性化にはそういった努力が必要なんでしょう。
 安かろう悪かろうでは無く、それなりに安くてそれなりに快適なものを求める、コストパフォーマンスのよいものにする努力が求められれているのだと思います。

 風前の灯火どころか遺産化??していた急行東海や北海道の急行群が特急化してそれなりに活性化したように、なにも低価格サービスで客を集めるだけではなく、サービス水準と料金がユーザーの求める範囲に対し適正ならば客はつくのでしょう。

 まとまらないな・・・(笑)
 では

Re:夜行列車全般にいえることですが
 投稿者---Tom氏(2002/02/05 23:35:29)

 Tomです、こんばんは。
 急行銀河についてはよく議論にあがりますね。
 この列車は今はハネ5,ロネ1と簡素化されていますが、簡素化されても「ロネ」が連結されているところにこの列車の本質があるのだと思います。
 エル・アルコンさんの投稿に「サンライズ」「あさかぜ」のロネ利用者の件が乗っていましたが、銀河も「ハネ」下段が開いていても「ロネ」上段を取る客がいると聞きました。(確か以前ジャーナルに出ていたと思います)
 要するに、東京−大阪という大都市間の流動ゆえ、たった2時間30分で移動できるはずの「のぞみ」でも不便な、でもおカネはある特殊な客層が存在するわけです。そういう方々は、夜の顧客幹部接待にかり出されたり、講演会などで忙しいエグゼクティブ層が中心でしょう。
 もちろん、一般サラリーマン層の利用もそこそこあると思われます。
 であれば、この列車はサンライズの編成を基本とし、「のびのびシート」をソロに変更し、かつロネを2両にしたものがよろしいのでは?
 ロネの一両は現サンライズのシングル程度、もう一両はロイヤルクラスの設備を設ける。
 国際線航空機のファーストクラスがあの程度の設備でエコノミーの何倍もの料金を取っても利用者があることを考えれば、そこそこの利用者はあると思われます。少なくとも九州特急より可能性はあるでしょう。
 ここはJR-Wに頑張ってもらいたいところです。
 尚、銀河に座席車を設ける位ならば、快速列車を別立てで運行するほうが良いと思います(ワンルームから4LDKまで混在するマンションのようにコンセプトが不明瞭になります)。

夜行列車活性化には寝台の完全個室化を
 投稿者---Tom氏(2002/02/07 21:23:12)

 銀河の項で個室化に触れましたが、日本国内でも徐々に治安も悪くなっており、また昔より豊かになっている現状では寝台については原則個室とすることを考える必要があるかと思います。
 一方、今の開放型B寝台については全てを「ゴロンとシート」的なものとし、寝台券を2,000円程度に設定し枕と毛布のみを備える形にすればいいかと思います(簡易寝台的なものとして) 。
 九州特急のように到着が昼になるようではビジネス利用は期待できませんが、東京対山陰・東京対東北・大阪対九州などは個室が前提の寝台特急であれば利用しようとする人も多いと思います。
 鉄道ではないですが、フェリーでも個室化の要望が多いようで、今春新日本海フェリーの新潟−小樽航路に就航する「らいらっく」(現在舞鶴航路に就航中のフェリーらいらっくとは別モノです)は特等・一等個室を大幅に増やしています。
 現に、昨夏予約しようとしたら、特等・1等共個室が満席で(発売日に朝から電話し続けてやっとつながったら満席)であったこともあります。
 ビジネス・レジャーの差こそあれ、日本人が泊まりがけで公共交通機関を使う場合、価格第一の層以外は個室を志向するとみてよいと思います。
 未だにそこそこの需要のありそうな「あけぼの」「北陸」「出雲」「銀河」「あかつき・なは」あたりは完全個室寝台列車として出直した方が良いのではないかと考えます。
 勿論、北斗星についてもそこそこ人気のある内に同様の体質改善が必要と思います。

285系(サンライズ型)の評価を考える
 投稿者---551planning(2002/02/10 23:31:40)

 サンライズ瀬戸・出雲に導入されている285系。乗車経験こそないものの(車内造作は東京駅で見学)、予備1編成という5本でよくやっているな、という印象を受けます。多客期の「サンライズゆめ」も定着した感を覚えています。
 車両的にはよくできていると思いますが、登場して早3年半が過ぎており、-Wはなぜ導入を進めないのでしょうか…銀河は最適な部類だろうし、交直流化も大事になるものとは思えないのですが。銀河は特急化に抵抗があるのか、交直流化では-Eや-Qの意向も聞く必要があるから、と思っているのか、それとも、双方の列車で個室化や座席車連結といった施策を導入済みであるから、というアタマがあるからか、もしや寝台特急「安楽死」までのカウントダウンが鳴り響いているとでも…。

 瀬戸・出雲では評価が出せないほど、日頃の夜行需要そのものの落ち込みというものは確実にあるのかもしれません。Tom様が挙げている改善期待度の高い列車のうち、「なは」は九州新幹線の進展次第で、というのが実情でしょうし、「あかつき・彗星」にしても小倉・博多での九州特急接続とするのが生き残る道とも思います。「あけぼの」「北陸」も夜行バスとの勝負、地域的に個室ニーズの高さが読みきれない(時間が中途半端な北陸、ゴロンとシートが受けるあけぼの)ということから有効打が打てない状況にあると思われます。
 「銀河」の場合には中間需要を考慮しない運行も十分可能で、そうなると価格設定の面でも弾力的な対応が取れそうですが、他の寝台特急では少量でありながらも中間需要が無視し得ないということもあって、細々と残っているというのが残念ながらの実情ではないでしょうか。早晩何らかの手立ては必要になるわけですが、それまでのカウントダウンに耳を塞いでいると解釈してしまいます。

 それがゆえ、電車化は魅力ながらなかなか手が出ないというところに帰結されるかな、と思うのですが、大先輩である583系が「国鉄的要請」によって無残な末路を辿ったことを思えば、昼行転用すらままならない285系は、むしろ非常に中途半端な車両になってしまった、といえるのかもしれません。

Re:285系(サンライズ型)の評価を考える
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/11 01:47:59) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 「銀河」もそうですが、何を置いても導入に何の障壁も無いはず、いや、同区間で臨時「サンライズゆめ」を定番化させている「あさかぜ」の置換えをしないことが最大の謎です。

 常々思っていることですが、下り「サンライズ出雲」がまだ山陽線内で朝を迎えてしまうのは出雲路の時刻を考えると無駄で、終点間近な「サンライズ瀬戸」との併結の無理が出ています。
 これを「あさかぜ」併結に置き換え、東京発を繰り上げればかなり時間帯が良くなりそうです。「瀬戸」の片割れが問題ですが、これも「あさかぜ」にするのです。つまり、下関編成と広島編成を分離してそれぞれ別列車と併結。時間差をつけることで広島県西部〜山口県と、岡山県〜広島県東部の時間帯を良くするのです。

 実は「あさかぜ」は上りのほうが乗りがいいと聞いたことがあります。大阪での利用もありますが、山口〜岡山にかけての時間が良く、夕夜間に乗車して朝東京というベストの時間を組んでいるからです。
 下りはどうかというと、広島までは若干早いですし、山口県は遅いです。同じ有効時間帯でも、夕方と朝では、朝遅いほうが時間の無駄という感覚であり、やや早い夕刻発となる上りのほうが抵抗感が無いのでしょう。

 上りは「あさかぜ」単独で良く、広島で増結にすればいいです。広島「あさかぜ」は呉線経由というオプションも考えられます(広島・西条は下関編成に任せるという前提) 。

 特別装備をしないという前提なら、「銀河」の共通化もあわせてこれらの列車の運用を共通化でき、合理化効果もあるのですが。

 もっとも、個室前提によるコストアップと定員減による減収を、乗車率アップで補いきれなかったという話も耳にするので、収益性の問題もあるのかもしれません。サンライズの増備には。

東海道夜行輸送雑感&285系評価
 投稿者---KAZ氏(2002/02/11 23:15:02) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/top.html

 近頃所用で夜行をよく利用した感想を交えて東海道夜行輸送について雑感を・・・。
 正月に「ドリームつばめ」のG車と「なは」の解放B寝台を利用し、先日「サンライズ出雲・瀬戸」ののびのび座席を使いました。以前には「北陸」のA個室・B個室を利用していますので(ついでに20系の解放Bも経験済み)夜行列車の大抵の設備を見てきました。で、車両的にはやはり解放寝台が一番の曲者ですね。カーテンしか仕切るものがないということより、荷物の収納スペースがないことが一番困りました。スーツ用のハンガーがあるのでスーツは大丈夫なのですが、鞄を置けばベッドの長さが足りなくなって寝にくいし、読書灯やテーブルがないので簡単な書類整理もできないなど、本当に「寝るだけ」しかできない設備は困りものです。それに対してサンライズののびのび座席は床材こそ固いものの毛布があり、これで枕と浴衣があれば解放B寝台と変わりない設備で、しかも解放Bにはない読書灯とミニテーブルがあり、しかもすべての区画に窓があるので寝られない時間は読書をしたり車窓を眺められたりして快適に過ごせました。これで座席指定料金しか取らないのは破格のサービスですね。

 で、話は変わって285系の増備がない理由ですが、噂に聞いたところ「瀬戸」「出雲」の乗車率や収益性を見た結果に問題があるとのこと。導入当初のお祭り騒ぎで以前からの常連がチケットを取れなくなったことから他の交通モードへ逃げてしまい、フィーバーが過ぎてからも帰ってこないようです。両者ともビジネス需要で安定した需要があり、その需要に合わせて新しい設備を「提案」し、輸送量&収益構造もそれに合わせて試算していたのに一時のフィーバーが安定需要を乱し、結局は旅客逸走のきっかけを作ることになってしまった、と判断されているようです。
 285系の設備はビジネス需要に特化していると思いますので、本来なら瀬戸・出雲・あさかぜ、そして銀河には最適だと思いますが、下手に導入するとまたフィーバーになって常連を逃さないかと危惧しているようですね。導入に当たってはその辺りへの配慮がいるようです。

 銀河の活性化ですが、やはり285系を導入して、発着時間の調整という形になるのかなと思います。東京・大阪を共に23:30頃に発車して、目的地に翌7:30頃に着く形なら、夜を有効に使えますし朝の勤務にも余裕を持って対処できますからね。車両設備は銀河用なら2人用個室を少し減らして1人用を増やすとか、B個室をA寝台扱いの廉価個室(解放と同料金)なんかを用意すれば人気が出そうですね。

 と雑感を並べてみました。乱筆ご容赦。

Re:東海道夜行輸送雑感&285系評価
 投稿者---とも氏(2002/02/12 00:42:35) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 285系に関しては、KAZ様が触れられているように一時のフィーバー的人気によって逸走を招いてしまったようで、それ以後、特に瀬戸や出雲利用エリアでは指定が取れにくい列車というイメージが定着しているようです。
 ただ、実際には一部特定日への集中もあるようで、編成減車が困難な電車であるがためのマイナスともいえる事象も生じています。
 しかし、新規需要の創出、夜行列車のイメージアップに貢献しており、一つの方向性を示しているといえるでしょう。

 さて、銀河ですが、置き換えには今のJRグループの保有車両ではサンライズ型が最も適当な車両であり、今の東阪間夜行需要を獲得するにはこの程度の車両スペックは必要でしょう。
 電車化を妨げる要因は特に無いですし、スジの入れ方次第ではあるものの性能的には朝7時台東京着のダイヤにも入れられます。「銀河スペシャル」とさえしなければ車両導入への障害はさらに減ります。
 特急化も視野に入れれるといえますし、大阪側や東京側の多客期延伸(神戸、USJ、大宮、舞浜方面への延長など)も容易になります。
 採算性の向上につながるかということはありますが、今のままの銀河よりは上がるでしょう。瀬戸や出雲と違い、供給数が減るということにはなりませんし。

 最大の課題はもしかしたら「旅情」「歴史」「伝統」といったものに対する非利用者の反応でしょうか・・・。
 東海道の伝統ある客車急行の全廃なんて社会面には良いネタですね。(笑)

 ではでは

Re:ビジネスに使えない「銀河」をどうするか
 投稿者---身延線氏(2002/05/17 23:08:08)

 そうです、「銀河」に「ロイヤル」クラスの寝台を連結するのです。
 あとは一般車両の個室化が望ましいです。それとシャワー室の設置ですね。

 どーも、身延線沿線に住んでいる者です。私も、あなたの考えに賛成です。
 しかし、私からの提案として一つ付け足したいことがあります。それは、自由席若しくは指定席の座席車の連結です。かつて、銀河には「よん・さん・とお」の時に指定席車と自由席車が登場し、43年に自由席が61年に指定席が消滅するまで連結されていました(違っていたらすいません)。それを復活させるのです。全車指定席として1〜2両ほど連結すればそれなりに利用者はいるでしょう。事実、並行する東京〜大垣間のムーンライトながらの最混雑期には臨時列車も走ると言う盛況ぶりを見ればそう感じます。
 ながらが混むのは、18切符が使えるからだとも言われそうですが普段からも利用率は高いと聞いております。しかし、ながらには欠点があります。大垣止まりということです。実際ながらで京都へ行くと2回の乗り継ぎで到着するのは8:41です。しかし、銀河は東京から最も早く到着します。京都に着くのは6:43です。この2時間の差はとても大きいでしょう。
 だから、銀河には個室車と共に座席車を連結させて、活性化を図るべきでしょう。

東海道区間以外の実例で考える鉄道/バスの夜行需給力  投稿者---551planning(2002/02/11 23:07:05)

 先の東阪間需給議論について、バスに乗り遅れた…もとい、議論に乗り遅れたので、別の視点から考えてみたいと思う。なお、ここでは夜行需給力についてのみとするが、余談ながら東阪間における昼行需給力における在来線活用案については、直通需要を満たす供給力の平時からの提供(直通/接続運行、企画商品展開)は不要と考える。実際問題東京〜豊橋間で移動時間的に非常に不便かといえばそうでもなく、新幹線/「あさぎり」・「東海」のある東京〜沼津・静岡間での(料金不要)速達列車頻発整備という施策が喫緊かと問われれば疑問ではないだろうか。企画商品は期間限定販売であるにせよ18きっぷで十分と考える(むしろ18きっぷ自体の存亡が時折話題となることに注意しなければならないが、この議論はまた折を見て)。思いつきは「面白い」でも、実際の収益を考えると…というのが現在の鉄道会社に求められている経営なのである。

 さて、東海道区間以外で夜行需給関係での鉄道vsバスという構図で思い浮かぶのが、首都圏〜新潟、富山・金沢、青森(弘前)、鳥取・出雲、関西圏〜福岡(北九州)、札幌〜函館というところか。当然他にもあるが、上記の路線では平時でもバスの複数台運行がままある路線として知られている。
 この中で、東京〜弘前線「ノクターン」(弘南バス/京急)は平時から既に3台運行(横浜発着、五所川原発着含め)、多客期では10台15台というのが大袈裟でない運行状態となっている。1台20名としても200〜300名が同区間を利用しているという相当な需要と思われる。女性専用車両、夜行バスで唯一複数価格提供(\3,870増の「スーパーシート」)を実施しているのも平時需要の多さを裏付ける特徴だ。東北道と「あけぼの」のルート取りのあやがこの結果を生んだともいえるが、「あけぼの」では運行全区間で高速バスの脅威に晒されており(青森、弘前、大館・能代、秋田、羽後本荘・仁賀保・象潟、酒田・鶴岡)、裏を返せばそれでもあけぼのに対する需要があるとも言えよう。むろん両者の関係性は微妙であり、特にバス業界規制緩和で収益性の高い夜行路線への新規参入や価格力訴求如何では動向に余談は許されないとしても誇張ではない。あけぼのでは現在寝台備品提供を廃す代わりに寝台料金相当分を値引く『ゴロンとシート』という新商品が注目を浴びているが、「走るホテル」といわれた時代は今昔、B寝料金がビジネスホテル代とほぼ同等(¥6,300)ではそもそも…。
 話を戻して、ノクターンの現状はもはや異常とも取れるのではないだろうか。多客期には当然、帰省時などの様に需要のムラがまま発生するわけで、無尽蔵に予備車があるわけでないことから、そういった場合には昼行で回送して夜にまた運行するという話も聞く。環境的にも経済的にも効率が良いとは云えなくなっているのである。
 ではどうすれば良いのか…高供給力に優れる鉄道での多客期臨時運行に工夫するのはどうだろうか。座席車中心の借上げ編成とし、中間需要を考慮しないクローズド運行で価格訴求力を持たせることはできないか。まさしくエル・アルコン様ご提案の「シュプール号」型運行形態ということになるが、このように東阪間以外でも成立するところはあると考える。

 さて、夜行バスの最大の特徴は拠点間直行型であること、裏返せば鉄道では中間需要の効率的吸収という方策が対抗策たるものと位置づけられそうだが、ではバスではそうした対応は難しいかというと、かつてJR四国で、瀬戸大橋開業後の夜行普通置き換えに「いよじ」「とさじ」が運行された例が該当しよう。四国の交通体系変貌の影に早々に消えたが、これのお手本は今年でちょうど40周年、今なお運行を続けている…東京〜山形・仙台を結ぶ東北急行バスの夜行便だ。
 浜松町BT・東京駅前八重洲通・上野駅・東武浅草駅から草加駅、新越谷駅、岩槻駅と停まって山形・仙台へ向かうわけだが、山形便は須賀川、郡山駅、福島駅、米沢…、仙台便は福島駅、白石、岩沼…と広範に客扱いをし、しかも東京〜草加、山形〜上山温泉、仙台〜岩沼という中途利用も可能になっているのである。実際のところ、予約は原則5日前までとされており、多客期に当方が予約しようとすると前々日で満席と告げられた経験もあるので増便対応などの柔軟性が余りないのか、飛び込みの中途利用は難しそうであるが、そうなると前々から云われている鉄道によるムーンライトえちごのような運行形態が成立する余地はありそうとも思えるのだが。バスの運賃より鉄道普通運賃のほうが安く、指定席料金+α(あるいはG車仕様とする)でも十分勝負になりそう。
 夜行快速のあるところ、バスとの勝負になっているところが多い。仙台の場合、対首都圏では東北急行バスのみ、昼行では新幹線で2時間弱というところからパイは小さいと思われがちだが、ムーンライトえちごとつないで(北関東圏対)成田空港方面直通など梃入れできるところは多いと考えられる。

東北急行バス http://www.tobu.co.jp/tohoku/index.html

 たまたま東北における2例を紹介する事になったが、新幹線八戸延伸で動向が変わる可能性はあり得る。ここで妄想をひとつ…スペインのタルゴ列車にならって、「フリーゲージ夜行列車」は如何?八戸から青森・弘前・函館方面の速達性は飛躍的に高まると思われるが、新幹線での夜行運行がどのように評価されるかが実現の分かれ目になろうか。そもそも「ミニ新幹線派」のJR-Eであるから…(というかその要望は沿線自治体のほうが強かったのだが)。
 論が拡散したが、翻って東阪間需要を見るときに、鉄道側で手掛けられる策はまだまだ沢山あるように思われる。個人的には中間需要を丹念に拾うやり方が合っている、ということはムーンライトながらの運行形態は適と考えるのだが、より進んだ東阪間直通夜行列車の設定もあってしかるべきと考える。ただし、結局3社にまたがっての運行となる以上、(ながら運行主体の)-Cなり(銀河運行主体の)-Wの考え如何、さらに-Eがそれを飲める度量があるか、というところに掛かっていると思われること、「青春ドリーム」のように思い切った価格訴求がなされる状況に対して鉄道側がどれだけ柔軟になれるかということについつい疑問符がついてしまう。
 バス業界規制緩和が今後夜行バス動向にどのような変革をもたらしてゆくかは未知数であるが、その中で鉄道が担うべき役割も見えてくるかもしれない。それが『寝台特急ルネッサンス』たる動向を生むかどうかは、残念ながら否定的ではあるのだが…結局、夜行需給力において寝台特急の高価格面が解消されない限り、鉄道が担える分野での隆盛は期待できないものと当方は考えている。

2004.11.02 Update


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