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【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.301)

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

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新規企画スタート!(2000/10/21 19:21)

 どうも、551@御来場頂きまして誠に有難うございます。

 当掲示板は【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>として新装開店致しました。
 昨今のコミュニティバスの隆盛・LRTシステムが注目されている現状…21世紀の都市圏中量輸送システムの方向性が見え始めています。
 しかし、投資財源・独立採算性や運賃徴収システムなどにおいて、「日本的」という言葉にまだまだ受け入れられていない事も数少なくありません。
 様々な視点を積み上げて、明日の中量輸送システムの方向性の更なる明確化・プロジェクトの支援の一助となれるような場として盛り上げれて行ければ、と考えております。

 皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

〔新システム〕JR九州開発の次世代移動システムに期待
 投稿者---551planning(2000/10/21 22:08)
─Re:JR九州開発の次世代移動システムに期待

 少々古いニュースだが、注目すべき次世代移動システムが発表されている。

専用軌道不用の次世代交通
 リニアモーター利用 コスト3〜5割低減 JR九州、2005年実用化

 JR九州は日本オーチス・エレベータ、九州大学と共同で、リニアモーターを使った低コストの次世代交通システムを実用化すると発表した。専用軌道が不用で、アルミ板を埋めこんだ道路で走行できる。2005年から移転が始まる九州大学の新キャンパスで営業走行を目指す。
 次世代交通システムは、アルミ板を地中に埋めこんだ一般道を、独自開発の装置で走行方向を制御しながら内蔵電池で走行する仕組み。専用軌道を敷設する高架橋などは不要なため、設備投資や運行費など総コストを現行の新交通システムより3〜5割低く押さえる事ができるという。
 走行ガイドを敷設した専用道で時速50キロ、アルミ板を埋設した一般道で10キロの見通し。車両は35人乗りと75人乗りの2種類の開発を検討している。軌道上を走る列車と同様隊列走行もでき、中心市街地と郊外住宅地などを結ぶ役割を期待する。

10/07日経朝刊記事より 要旨

 同内容は13日付交通新聞1面でも詳報されている。
 車両は空気浮上方式で、バッテリー・操舵装置を装備、地中に埋設したアルミ板を操舵アンテナで読み取りながら進む。35名乗りが全長6m・幅2.4m・高さ2.8m(交通新聞では70人乗りが全長9.2m)と小型バスクラス。浮上することで急カーブ・急勾配もこなし、騒音・振動も少なく、排ガスも出ないと至れり尽せり。給電線や大規模車両基地なども不用と、新交通システムの難点を一挙に解決するかのようである。
 JR九州筑肥線今宿―周船寺間にできる新駅と九大新キャンパス約4キロを結ぶ専用線を設置、キャンパス内走行も検討中、実用化後はニュータウン内や住宅地と市街地を結ぶ移動手段として導入できると期待しているという。

Re:JR九州開発の次世代移動システムに期待
 投稿者---打越健太郎氏(2000/10/22 02:18)

 打越健太郎です。このシステムについては、21日発売の「鉄道ファン」にも掲載されておりますので、そちらで拝見致しました。僕も「一般道も走れる新交通システム」と聞き、最初は「おお!」と思ったのですが、一般道では10km/h(自転車より遅い…)しか出せないというのですから、もしもこれを本格的に都市交通として活用しようとすれば、やはり専用軌道が求められる所です。このシステムを全否定は致しませんが、やはり空港内の交通手段などに向いたものではないでしょうか

〔LRT〕東京・下町 南北交通再編へのステップ!?  投稿者---551planning(2000/10/22 00:21)

 10/17付朝日新聞朝刊地方面・東京川の手(東部)版のメイン記事として下記内容が記載されていた。

小名木川貨物駅跡地 再開発動き出す
 「越中島貨物線」利用法は不透明 江東区 路面電車で客線化 JR 採算性などに難色

 広さ約10ヘクタール。東京ドーム2つ分がすっぽり入る小名木川貨物駅の跡地再開発計画が動き出した。北側に映画館やスポーツ施設などの娯楽施設を兼ね備えた大型の商業施設を出店、南側には約600戸の大規模マンションを建設する計画。しかし江東区を南北に走る「越中島貨物線」の利用法については不透明なままだ。
 小名木川貨物駅はJR亀戸駅から1.5キロ南にあり、1929年に開業した。木材や石炭、軍需物資などを運ぶ全国有数の貨物駅として栄えたが、モータリーゼーションの中近年の取扱量は激減、JR貨物は昨年11月に駅再開発や跡地売却を決定、一般公募(コンペ)の方針を発表。貨物駅は今年12月末までに廃止されるものの、線路はJR東日本が所有し、そのまま残る事となった。
(551注:小名木川貨物駅の先、越中島貨物駅にJR-Eのレール管理センターがあり、輸送に使用中)

 「軌道を敷設するための用地が概ね確保されており、建設費も安価」「新型の路面電車(LRT)の導入が最も望ましい」南北軌道系交通を持たない江東区では「第一候補」として越中島貨物線を活用した亀戸―新木場間で10年後に開業した場合、5万人/日の需要があると見込んでいる。
 しかし比較的単価の安い新型の路面電車を導入しても1キロあたりの建設費は40数億とも60数億円ともいわれ、線路取替えや電化工事など相当な投資を覚悟しなければならない。「区単独ではとてもできない。JRや国・都の協力が大前提となる」(江東区都市整備課)
 しかし豊洲―東陽町―錦糸町を結ぶ営団有楽町線延伸線計画もあり、「採算性が取れるかどうかまず問題」とJR東日本は慎重な姿勢を見せている。

10/17付朝日新聞朝刊(東京東部版)31面記事より 要旨

 「交通評論家」川島令三氏のコメントも記載されており、
 「総武線と京葉線を結ぶ南北の路線というのは確かに魅力的だが、既存の貨物線を客線にするのは大変な工事だ。だが、新たに鉄道を敷設するのに比べれば、用地買収に手間取る心配は少ない。広島や熊本のような路面電車方式がベストだと思うが、区単独で鉄道事業を進めるのは難しいだろう。都や国と協議を重ね、腰を据えて取り組まないといけない(全文)」と至って冷静。

 手前味噌ながら、当方も2年前にこの問題に取り組んでいまして。
 詳しくは下記リンクを御覧頂くとして、主旨をまとめると…

 小名木川・越中島貨物線は新小岩操車場から総武線に沿って亀戸駅付近まで進み一転明治通り沿いに南下、小名木川貨物駅から越中島貨物駅に至る単線非電化路線、かつてはその先に東京都貨物線が豊洲・晴海方面に延びていた。小名木川貨物駅までの運行はあるものの、以南の運行はほとんどないといっていい。さらに以南の交差主要道は踏切だらけ…。通常での旅客化は難しいのではないか。
 城東地区南北交通を担ってきたバス流動を見ると、中量輸送機関に適した旅客流動である。碁盤の目状になっている道路事情も効奏している。しかし個別に見ていくと、川に囲まれた地域だけに連絡する橋を持つ主要道に車が集中しがちで、やはり定時性が焦点というべきか。その意味では貨物線の資産を活かしたガイドウェイバスやLRT化などが即効性がありそうだ。

 そこで東武亀戸線を含めた城東地区交通網再編をシミュレーションしてみたい。柱は既存路線を生かしたLRT化である。
 始点は東武浅草。松屋改修で1階がバス・LRTのターミナルとなった。橋を渡り吾妻橋、押上へ。押上は都合6方面への総合交通結節点となっている。押上からは旧東武亀戸線。路盤はコンクリ平面化され路線バスとの共用である。トロリーポールを併せ持ったハイブリッドバスも運行されよう。亀戸からは旧小名木川貨物線へ。京葉線貨物併用でターミナルが臨海部に移動したことでLRTに。簡易電化と同時にやはり路盤改修でバスも通る。付近の渋滞を気にしないで走れるようになろう。LRTは西大島・境川・南砂住宅に停車、日曹橋交差点から東陽町へアプローチ線を設け、東陽町駅がスイッチバック形式の線形になる。再び戻って佐川急便前・貨物線を外れて潮見へ。さらに旧東京都貨物線跡地を利用して枝川・豊洲までが本ルート。豊洲には「ゆりかもめ」が延びており連絡も考慮されている。

 LRT化は地下鉄建設よりチープで、バスよりも大きな輸送量を持つ。ただ、城東地区でこれが適正かを問われると答えは難しいところ。西鉄北九州線のような専用バスルート化が効率的といえそうだが、臨海副都心の今後でどうなるか評価が分かれるところではないだろうか。つまるところ、安易な旅客化ではなく、総合的な中での位置付けを考えて欲しいものである。

【検証:】<京葉地区編>9) 新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化 ../ctc/log102.html#9

 周辺環境を補足すると、下町の住宅地帯を南北に貫いており、JR総武線の亀戸駅・都営新宿線の西大島駅が至近。小名木川駅東方には全国的に知られる商店街・砂町銀座があり、かつての都電の1拠点であった境川も遠くない。営団東西線の東陽町駅とは離れているものの、終点の越中島貨物駅は東西線車庫の横にあり、JR京葉線の潮見駅も遠くない(京葉線の越中島駅は全く別の所にある)。ちょうど京葉線がトンネルに潜るところで保線用にか京葉線ともレールは繋がっている。
 錦糸町―亀戸駅前―西大島―境川―東陽町と経由する都06系統新都市バスを軸に都バスが複数系統運行されていて、本数も各段に多いといえる。ただしそれぞれの鉄道駅が核となるほどの規模・集客力ではなく(その役割は狭義において錦糸町が担っているといえる)、沿線にも施設があるわけではない。自転車での移動も苦になる距離でない事からも通勤通学需要を主軸に見積もった数字であろう5万人/日の需要があろうとも、設備投資を思えばLRT化は容易い事とは云いきれない。
 よって、可能性としては専用バスルートをも加味したものであれば、という提案となった。ガイドウェイまで大袈裟にしなくてもいい気がするが、ハイブリッドバスなどの試みとすることで国単位までの「プロジェクト」と位置付ける事ができそうではないか。また、浅草をも結ぶ事で、長期的視野で延伸が噂される都営荒川線との軸も見えてくるというものではないだろうか…

〔路面電車・LRT〕道路交通法の規定を実効化する私案  投稿者---打越健太郎氏(2000/10/21 04:53)

 打越健太郎です。今回はまず、以下に引用する法律の条文をご覧になって下さい(註・法令には著作権の保護は及ばず、引用は自由です)。

道路交通法・第31条 (停車中の路面電車がある場合の停止または徐行)

 車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり、又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。ただし、路面電車に乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき、又は当該路面電車に乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から1.5m以上の間隔を保つことができるときは、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。

 皆様はドライバーでしょうか。運転免許を取得する際には道路交通法も習うはずですが、この規定はあまり知られていません(鉄道ファンなら知っている方もある程度いらっしゃいますが)。本来、安全極まるはずの路面電車が「危険な乗り物」と糾弾され、また、併用軌道を含むLRT計画に「危険だ」などという批判が向けられる、という一見鋭い見方は、実は法律が無視されている現状を前提にしているに過ぎないのです。本来は路面電車が停車した場合、自動車は停車していなければならないし、また乗客としても歩道で電車が来るのを待っていれば良いはず(歩道に待合室を設けている阪堺電軌は、だから全く妥当な事をしているのです)だし、安全地帯というものもそれほど必要な存在ではないはずなのです。ところが、何故かこの条文は空文と化し、安全地帯が無ければとても怖くて電車など乗れたものではなく、また安全地帯があっても、歩道からそこに渡るのに一苦労、車の列が途切れた一瞬の隙をついて渡らねばならず、目の前を自動車が走ってヒヤリとしたり、酷い場合には撥ねられてしまったりする訳です。
 このような人命軽視・法令無視の罷り通る現状は何とも嘆かわしい限りで、警察などには運転免許更新の際に道路交通法31条の規定をドライバーにきちんと伝えて欲しい所ですが、警察がこの法律の規定を広めた所で、果たしてドライバーが法の規定通りに運転するか…まあ、しないでしょう。日本のドライバーのモラルは必ずしも劣悪ではなく、信号などは比較的守られますが、スピードや駐車禁止などに関しては、怖いほどルールを軽視しますよね。

 ではどうすれば良いのか。安全地帯を造っても、今度は安全地帯に行くためにやはり道路輪横切らねばなりません。これに関して、学ぶべき前例を発見致しました。「新しい都市交通システム 21世紀のよりよい交通環境をめざして」(都市交通研究会著・山海堂)の31〜32ページに出ている、ドイツ・ボッフムゼルゲンキルヒェンで行われている「シグナルアイランド」というものです。原文には、

 LRT停車中は停留所手前で自動車交通を停車させ、利用者が乗降するゾーンから自動車を排除するための信号機を特別に設けるシステム (中略) 利用者の安全を図っている。

 言葉で説明するのは難しいのですが、要するに電停には電車用の出発信号機、その手前にももう1つの信号機を設置しているシステムです。電車が停留所に止まる際には、手前の信号を「停止信号(赤)・電車進行可(黄色の矢印)」を出してクルマだけを止めてしまい、その少し先の停留所に電車を止める訳です(電車の停車中は、停留所の出発信号も赤になっています)。電車が停車してから、歩道で待っていたお客さんは、安全に車道を横切って電車に乗れるわけです。そして発車の際には、まず出発信号だけが青になり、電車が走り出します。そうして、電車から降りた人が全て歩道まで歩き終わった頃、先ほどからずっと赤信号だった手前のクルマ用信号機が青になり、自動車も走り始めるのです。歩行者を実際に感知し、全員が渡り終わってからクルマの信号が青になる、というシステムならばもっと安全ですね。

 この「シグナルアイランド」を是非、日本でも採用致しましょう。特に、道路が狭くて安全地帯が造れない岐阜や高岡(の一部)などでは、明日にでも採用したい所です。また、このシステムを使えば、今後LRTを整備する時、狭い道路を併用軌道にして停留所を設けることも可能になります。「併用軌道はクルマと同一平面なので危険」という反論は、全く意味をなさなくなりますね。この「シグナルアイランド」を導入するに当たって、ドライバーの反発云々を気にする必要は全くありません。何故なら、電車の脇を飛ばして走るなどというのは本来、違法なのであって、このシステムはむしろ既存の法律の効力を甦らせ、歩行者の安全を高めるためのアイデアですから。またそれは、前述の道路交通法を知らないが故に法を侵し、人を撥ねてしまうようなドライバーをも救うことになるのですしね…と以前にある場所で主張したら、一ドライバーが猛然と反論してきました。その人が言うのには、このシグナルアイランドを採用すれば自動車は快調に飛ばすことが出来なくなり、『多くのドライバーの怨嗟を買う』と言うので、僕は相手に道路交通法31条を示した所、「その法律のほうが自由を侵害して不当だ」と言ってきました…僕はこの道路交通法やシグナルアイランドに見られる人命尊重・歩行者優先の考え方を正しいと思います。皆様は如何ですか

〔LRT〕東京都による導入検討調査  投稿者---551planning(2000/10/23 23:34)

 (社)日本地下鉄協会の会報「SUBWAY」9月号(奇数月刊・おそらく非売品…地下鉄博物館で読めるかなぁ?)を拝読する機会に恵まれました。この手の本にお目にかかる機会はあるのですが、本誌ははじめて。
 本文中に興味深いレポートが掲載されていたので要旨を御紹介致します。

・LRT導入に関する調査報告の概要(東京都都市計画局施設計画部交通企画課)

 これまで増大の一途をたどる交通需要に対応する施策中心の交通政策が、高齢少子化や地球環境・エネルギー保全、成熟社会への対応等、量から質への転換期にある。中でもヨーロッパにおけるLRT導入が注目を集める中、国内でも平成10年度に新線整備が補助対象になるなど導入への環境整備が整いつつある。都でも21世紀に相応しい都市交通の実現に向けてLRTに着目し、都内に導入する場合の諸課題やその対応策について検討を行なった。

 今後の東京の都市交通を考える際には、多心型都市構造への再編を進めつつ身近な生活圏における高度化された都市交通への検討が必要である。その基本的方向性は下記の通り。

・自動車交通の円滑化・適正化 …道路の効率的・効果的整備
…交通需要管理
・公共交通の充実  …環状方向における公共交通の整備
…ニーズの高度化への対応
…短距離移動に対する支援
・まちづくりと交通施設の連携 …都市における活力・魅力の創出
…身近な生活空間の整備
…バリアフリーのネットワーク整備

 この中で欧米諸国で新たな交通システムとして導入が進むLRTを対象に、システムの特性を整理すると下記の用に捉えられる。

・LRTの定義
 従来の路面電車の走行環境、車両等をグレードアップさせた、人や環境に優しく経済性に優れた公共交通システム(平成9年6月 都市計画中央審議会答申)
・従来の路面電車との差異
 道路交通の一部を担い、道路の混雑緩和と空間効率の向上を図る公共交通機関
 自由度の高い公共交通機関
 都市の魅力・活力を引き出す都市の一構成要素

 東京の都市交通整備に向けてLRTの果たす役割と都市交通における位置付けをまとめ、導入類型を具体化したものが下記の6パターン。

・中心市街地における短距離交通 (地下鉄網補完:銀座・日本橋・丸の内地域)
・交通不便地域改善 (フィーダー交通サービス提供:江東区東部地域)
・広域ネットワーク補完 (ネットワーク充実化:多摩東部地域 調布・保谷軸)
・自立都市内における基幹交通 (自動車交通からの転換・都市活性化:八王子市)
・開発地域内の域内交通 (自動車交通との役割分担:秋留台地域)
・既設路線の改良・延伸 (既存ネットワークの活用・強化:都電荒川線)

 すべてに共通する課題は、現状の道路交通政策のままでは自動車交通への影響が大きい点。鉄道・バス等既存交通機関との一体的検討も必要である。ゆえにLRT導入は総合的な都市交通政策そのものを再検討することが不可欠といえる。また、停留所の設置における徒歩アクセス・安全確保、自動車との接触危険性の低減化、優先信号設置などの具体的対応策の検討も必要となる。
 結果として纏められたのが下記の課題点。

・都市交通政策の中でのLRTの検討
・交通連携方策の検討
・法制度の緩和や補助制度拡充に向けた検討
・地域(区市町村)が主体となった取組み
・総合的な都市交通政策の実現に向けた都民の理解と協力の確保

 個人的には「モノ」自体ではなく、システムへの言及が少なかったかなという気もします。財源問題や運賃徴収など、日本の現状ではまだまだ受け入れられないであろう点への更なる議論抽出を期待したいところですが、まずもって具体的地域に当てはめる作業が目をひきました。

 一般にも分かりやすい分析はB4サイズ6ページに表を多用して纏められており、細部を御紹介できないかとも思います(御興味のおありの方はメールにて当方までどうぞ)

行政は交通政策に関して腰を据えよ
 投稿者---打越健太郎氏(2000/10/28 02:25)
─仙台・新潟・長野…
└Re:仙台・新潟・長野…
長野と宇都宮の見所
 └Re:確かに長野は
  └Re:確かに長野は
   └Re:確かに長野は
    └Re:確かに長野は
     └Re:確かに長野は
 └宇都宮も凄い
  └Re:宇都宮も凄い

 打越健太郎です。毎度のことですが、僕はLRTに大変関心があり、またこれに期待する所、大ですので、各地の路面電車のLRT化、また路面電車の無い街にLRTを新規導入することに関して、大変興味があります。それで、最近LRTが話題になっている金沢の方などとメールのやり取りを行っております。
 この方はAGT導入派なのですが、LRT導入案に人気があることを指摘した上で、「こうなるのなら何故、金沢の市街電車を廃止したのか。まったく勿体無い」と仰っていました。まあ、金沢の場合、路面電車の廃止から相当に時間がたっていますから、止むを得ないと言えば言えるのですが、この方に新潟市でもLRT導入案が囁かれていることをお教えした所、「だったら何故、新潟交通線を残しておかなかったのだ?」という鋭い疑問を受けました。実は僕は新潟に出かけ、廃止寸前の新潟交通線に乗って参りました。経営状況なども存じておりましたので、「鉄道ファンとしては残念だが、この路線はまったくの死に体。廃止は妥当」と思いました。新潟市や沿線自治体は、新潟県に赤字の補填を求めたのですが、県はこれを拒絶し、それで廃止になったと聞いております。県も僕と同じように考えたのでしょう。
 しかし、LRT案があったのなら、話は全く別、どうしてその時、「近い将来にLRTにするつもりだ」と県に訴えなかったのでしょう(訴えたとは聞いておりません)。これは沿線の市町村に、確固たる交通政策が無かったということなのでしょう。市町村の怠慢ではないでしょうか。また逆に、最近になって急に囁かれ出したのなら、「新潟はもはや電鉄線を失った。LRTには向かない」と言わないのも不思議な話です。
 市町村や都道府県には、確固たる交通政策の確立が求められる所です。道路整備にせよ、LRT導入にせよ、税金を使うのだから、なるべく無駄なくして欲しいものです。

仙台・新潟・長野…
 投稿者---KAZ氏(2000/10/28 04:17)

 ども。

 昔からこのテの無駄は多いですね。仙台でも地下鉄線の北仙台以北は旧仙台鉄道のルートですし、構想にある長町〜鈎取方面も旧秋保電鉄のルートですからね。姫路でもモノレール造ったのはいいけど中途半端な山中で止めてしまった(人は住んでいない都市公園内に駅があった)ので結局7年(!)程で休止(その後廃止)してしまっています。
 軌道系については既存路線については安易に廃止せず、出来る限りの存続努力が必要でしょうね。仙台・秋保電鉄は路面電車然とした低規格の路線でしたが、廃止前には仙台近郊という立地を活かした高規格の本格的鉄道路線に改造する積極案もあったようですが、会社のバス強化の方針と仙台市電の動向などから結局全線廃止になってしまいました。強化のうえ残っていればしっかりと機能していたでしょうに・・・

 新潟ですが、あそこはつくづく運の悪い路線ですね。
 以前も新潟地震で市内が破壊された際に、信濃川沿いに土手横を半地下方式で新潟駅方面への延長案が復興に合わせて提案されたようなのですが、このときも結局は実現せず、しかも県庁前までの併用軌道区間が地元の要請(!)が大きな理由となって廃止され、これが一番の原因になって全線廃止へ向かったようです。
 新潟鉄道も設備の老朽化が激しく、その更新時期の限界と新規の軌道導入のタイミングが合わず、設備の安全を守るための投資に耐えられないことから廃止されたものと思います。これは多くの地方鉄道の廃止パターンですね。経営維持のための投資抑制は施設の老朽化を進め、それが限界にきた時に更新費用が莫大になるという結果を招き、その負担に耐えられない会社は廃止を決断せざるを得ない状況に追い込まれるというものですね。

 長野市では戦後の都市計画の中で、居住地域は長野電鉄沿線や国鉄沿線など鉄道沿線に、工場や事業所は幹線道路や将来の高速道路インターが予想される地区に、と誘導するような計画をしっかりと立て、自動車に安易に頼らない計画を立てています。
 それが理由かどうかは分かりませんが、人口35万人クラスの地方都市としては異例の通勤手段としての鉄道利用が12%も残る状態になっています。長野電鉄も昭和50年代に地下化という画期的な連続立体化事業を行い、都心地区でも「交通セル方式」(エリアを田の字状に分け、それぞれを独立したセルとし、そのセルへの自動車流入は周囲の口の字部分からに限り、十字部分の道路の自動車交通を制限して歩行者・居住者の環境を守りながら自動車での都心アクセスを保証するもの)という先進的なものを構想し、それに向けて長期的な整備を行っているなど、見るべきものが多くあります。

 他の各都市も、こういった長期的・総合的な構想に基づいた計画を持って欲しいものですね。

Re:仙台・新潟・長野…
 投稿者---打越健太郎氏(2000/10/30 01:04)

 打越健太郎です。新潟交通がとことん運に恵まれていなかったというのは、KAZ様ご指摘の通りだと思います。まあ、白山前(旧・県庁前)〜東関屋間の併用軌道が市民に嫌われたのは当然といえば当然で、あの区間には停留所が無かったのですから。延々2.6キロもの間、利用も出来ない電車がゴロゴロと走るというのは、邪魔でうるさいだけ。僕のような自家用車に厳しく、公共交通に甘い人間でも、やはりあれでは廃止して貰いたくなるでしょう。何故、あんな中途半端な形になってしまったのか、廃止寸前の白根駅で教えて下さった地元の古老によると、

…とまあ、こんな理由だったのだそうです。取り敢えず、ここで一旦切ります

長野と宇都宮の見所
 投稿者---とも氏(2000/10/30 00:17)

 ともです。

 路面電車の廃止に対する行政の判断は、新潟市にしても金沢市にしても、おそらく「当時の最新の知見をもって最善の判断を行った」ということになるのでしょう。
 当時の日本の国内状況からして、そのような判断になったことは仕方が無い部分があると思います。
 確かに、今にして思えば無駄なことなわけですが、かといって、一民間事業者(もちろん公営もありますが)に対し、廃止当時の状況において援助をするということが県民(市民)サイドからみてどうかということがあるでしょう。
 これを行政にどうこう言っても仕方が無いので、前向きに考えましょう。

 行政の交通政策に一貫性が無い都市が多いのは事実だと僕も思います。今LRTが欲しいと言っている自治体にもそのようなところはあるでしょうから、本当にその都市に適した交通機関とはなにかを、市民やそれをサポートする専門家が考え、行政に対し提言し、さらに行政をバックアップすることが重要でしょう(バブルの頃、東京郊外の某市で採算にあわないような地下鉄構想がありましたね。そんなことがないようにしないと)。

 KAZさまの言われている長野は都市計画としては一貫性があると考えられますね。しかし、長野の欠点は鉄道沿線に居住系を配置し、都心への交通機能に重心を置くがあまり、急激なスプロール化への対応が遅れてしまったために環状道路などの郊外部での道路整備が遅れ、慢性的な交通混雑とバス利便性の低下が見られるという点ですね。
 とはいえ、トラフィックセルや長野電鉄の市街の地下化などは地方都市では先進的で評価できますね(僕も数年ほど長野市民でしたが、長野電鉄の便利さには驚きました)。さらに、オリンピック以後は道路整備もすすみ、僕としてはLRT導入の可能性が非常に高いと思っています(TDMに対する理解もオリンピック時に実践しているので他の都市よりも高いと思います)。

 僕が交通政策で一貫性があると考えるのは宇都宮です。
 市街化する区域を限定し、その区域をとりかこむ環状道路を整備するとともに、鉄道沿線には住居系と業務系を適切に配置して、通勤輸送が宇都宮都心に集中しないような工夫をするとともに、バスを活用した交通計画を実現しています。
 また、その時の社会情勢を見極め、交通政策の微修正を行っていると言うところはもっと評価されても良いと考えるのですがいかがでしょうか。

確かに長野は
 投稿者---KAZ氏(2000/10/30 01:07)

 ども。

 確かに長野は日本でも数少ない本格的TDMの経験都市なんですよね。
 あの時も結構市民は協力的なようでしたし、普段からやっている「さわやか日替わり通勤運動」も面白いものですね。
 「さわやか日替わり〜」は、通常なら特定の日を決めて実施しているノーマイカーデーを、日を限定せず各事業所単位で時差通勤やバス・電車通勤日を都合に合わせて決めて実施するというもので、これなら各社の事業の支障にならない範囲で実施できますから違和感も少なく効果的な自動車削減効果が現れるという特徴があるとされています。
 また、本当にみんながマイカーを止めて一斉に公共交通を利用したとすれば、今度は公共交通側がパンクしてしまい、輸送力に弾力のある鉄道系が多いとは言えない長野にとってはバスの増車など負担が大きく非現実的なことを考慮したもので、とても現実的な内容になっています。
 この運動が始まった時には通勤時のバスが増発されるダイヤ改正もあり、きちんと受け皿を用意した「かけ声だけでない」本格的な運動でした。

長野

 TDMやマイカー削減運動を行う上では参考になる都市ですね。

Re:確かに長野は
 投稿者---打越健太郎氏(2000/10/30 01:20)

 続きです。長野に関しては、僕は大学時代、スキーをやりによく参りました。で、長野電鉄に関しては、これは本当に驚きました。市内の観光案内図に「地下鉄」とあったのですが、「?」と思って長野電鉄・長野駅に降り立って、「本当に地下鉄だ…!」と、思わず声をあげてしまったほどです。日比谷線の中古車両を使っている現在は(当時は東急の「青ガエル」でした)、ますます地下鉄っぽく見えているでしょう。実際、通勤と思しき利用者も多く、地方鉄道の1つの理想的な姿を見る思いが致しました。
 これまたKAZ様に教えて頂いたのですが、長野では住宅や公共施設などを建設する際、鉄道沿線に造る、ということを昔から実行していたということです。一見、「当然じゃないか」と思うことですが、これさえ出来ていなかった自治体が、鉄道・道路や上下水道などの整備を怠っておかしな開発をした例は、実は枚挙に暇が無いとか。それで本来不必要だったインフラ整備に巨額の投資をしているというのだから、全くお話になりませんね。
 ところで、先ほど「長野では」と書きましたが、これらの見識を持って開発に取り組んだのは、長野県か、長野市か? もしも前者であるならば、先日の知事選でも話題になった「長野県の官僚独裁」、彼らは独裁的ではあっても立派な見識を持っていた、ということになるでしょうか。また、長野市内で長野電鉄線は地下になっていますが、あれは「連続立体交差事業」、つまり建設省の予算で行われた事業ですよね? この事業は『既存の』鉄道整備にしか使えないと思いましたが、ふんだんな予算をつぎ込めば、地方都市でもあれだけ立派な鉄道を整備できるのですから、個人的には是非、建設省の予算なども使って新規の鉄軌道建設を実行したいと願ってしまいますね。路面電車の整備にも建設省の予算が使えるようになりましたが、あれは「道路上」でなければいけないとか。これでは路面電車は造れても、LRTを整備するには難がありすぎますから、このあたりの整備も急務と言えるでしょうか。

Re:確かに長野は
 投稿者---KAZ氏(2000/10/30 01:21)

 ども。

 新潟交通は、確かに会社の方針に問題があった点もあるようですね。
 しかし末期にはかなり努力をしていたようで、新駅を設置したり最後まで30分ヘッドは守ったりと、頑張りだしたところだったので残念ですね。この積極さをもう10年でも早く出していてくれたらもしかしたら存続できたのかも知れませんね。

 新潟県自身がどうも鉄道に対して懐疑的だったのかも知れませんね。というか、交通事業自体に積極的ではないような感じもあります。
 越後交通にしてもそんなに酷いルートではなかったはずなのに、さっぱりと(部分)廃止してしまいましたからね・・・

 長野ですが、連続立体化事業を地下にしたのは「長野市」です。
 まあこれには先述の「交通セル方式」に必要な都心環状道路の建設が絡んでいて、長野電鉄の軌道敷を道路用地にしたいという思惑があって、高架化では下部道路の幅員が大きくできず、柱が邪魔で交差点処理にも困るという事情がありました。電鉄と県は高架化を強く主張(地下は換気や駅の照明など経費がかかる)しましたが、長野市が高架化との差額を補償するという条件で無理矢理地下案を呑ませました。
 その他にも紹介した事例は、全て「長野市」の施策です。長野県は全県域での事業で手一杯といった感じなのか、各都市の事業に対してはあまり関与しないようです。

 長野電鉄ですが、今でも通勤時は通勤客で混みますし、昼間は買い物のおばちゃん(と言うか小綺麗な奥様といった感じの人が多い)も多く利用し、2・3両編成約15分毎でありながら市街地へ入る辺りでは立ち客も出る程の利用があります。まあ、沿線に須坂市や中野市といった人口集積地を抱えていますから、市内輸送だけでなく都市間輸送も含めた利用ですが、それでも利用者の多くは長野市内の流動ですね。郊外拠点になりつつある吉田地区やSBC通りも長電の駅勢圏ですし、長電沿線はそれなりにステイタスを持つ住宅地になっています。地方私鉄としては数少ない「都心乗り入れ」路線であることを長野市がうまく利用した格好でしょうか。長電自身も貨物用地を使って駅構内に大規模ショッピングセンター(村山・須坂)を造ったり、都心内の駅(権堂)に大型スーパーを造ったりして利用者確保に努めていますね。長野駅でも百貨店と地下で直接繋ぐなど、単に電車を走らせるだけでない、都市部では当然のように行ってきたことを長野に持ち込んで実践しています。この辺が功を奏したのか、田舎電車というイメージではないようです。

 長野市内の公共施設ですが、これだけは電車沿線に集まってはいません。長電の沿線は市の方針通り市街化しつつある中で大規模な敷地が確保できなかったのか、駅からは微妙に離れた位置にあることが多いですね。運動公園は長電朝陽(あさひ)駅から徒歩20分程になりますし、南長野運動公園も篠ノ井地区ではありますがJR篠ノ井駅からは歩けるような距離ではないですね(尤も篠ノ井は旧篠ノ井市なので圏外かな)。赤十字病院も長野駅からは距離がありますし(構想中の軌道系ルート上ですが)、オリンピック用の諸施設も駅からは遠いですね。

 これだけはどうしようもなかったのでしょうか。

Re:確かに長野は
 投稿者---とも氏(2000/10/30 23:15)

 ともです。
 長野の話で盛り上がっていますね。元長野市民としてはうれしい??ところです。

 長野電鉄の地下化は連続立体交差事業の中でも成功した例ですよね。
 補助金を出す国(建設省)や県(事業者)は「会計法」と「会計検査院」というものがあるため、本当にその地下化にメリットがなければ地下化を認めるわけにはいきません。しかし、市町村がどうしても地下にしたい場合には差額を払ってでもするという長野市の姿勢は、国や県の押し付けではなく、自らどのようなものが長野市にとってベストかを考えたものとして、他の自治体にも見習ってほしいものですね。LRTにしても道路上しか国土交通省の直轄事業でできないからといってあきらめるのではなく、自治体も努力していく姿勢がやはり必要ですね。
 (事業の話しを別項目でたててみたいのですがどうでしょうか?)
 ちなみに、長野電鉄の上の長野大通りは6車線あって、外側2車線はバス専用、しかも歩道と自転車道が完全分離されているという先進的な構造なんですね。一見の価値があるかもしれません。

 長野の公共施設の考察はなかなか気がつかなかったですね。
 ただ、県庁や市役所、ビックハットなどは駅から1km圏にありますから、コンパクトな市街地を形成しているとも言えます。南長野運動公園にしても運動公園にしても日常で行くところではないですから多少アクセスが不便なのは仕方が無いということでしょうか。
 とはいえ、オリンピックの時には歩かされましたが(運動公園のアイスホッケー会場までJR北長野駅から歩きました。でも15分ほどでしたよ)。

 ところで、こうやって見てみるとやはり事業者のやる気は重要だなと痛感しますね。
 KAZ様も書かれていますが長野電鉄の便利さは地方都市としては異例です。
 人口的にもそれほど大きくない都市圏規模であるにもかかわらず複線で1時間に4本の普通と1本の特急という高頻度運転を行い、かつ朝ラッシュには5〜10分間隔で電車がやってくる(しかも結構混みます。朝8:30頃長野着の電車は150%は超えているでしょう)というのはなかなか無いんじゃないですか?
 (とはいえ、ダイヤの改善をもっとしてほしいところですが)
 しかも、長野電鉄のおかげ?かJRもそこそこの運行本数があり、便利度は高いですね。長野〜篠ノ井は15分〜20分間隔で、日中でも6連が走っています。
 北側もだいたい30分間隔で運転され、そこそこの便利さはあります。
 ついでに言えば、長野〜松本間ではJR東日本が高速バスと本気で勝負し、下手すると有利になっているという数少ない地域でもありますし。
 やはり、鉄道事業者が本気になって頑張り、それを行政が支援すれば、上手く行くというお手本かも知れませんね。

Re:確かに長野は
 投稿者---KAZ氏(2000/10/31 02:05)

 どうもです。

 長野市周辺(に限らず信州全体として)は谷間に拡がる細長い盆地に人が集まって暮らしてきたという、鉄道にとっては絶好の条件ですから他の都市より元々有利なんですがね。長電にしても須坂・中野と長野の都市間流動が骨格にあるが故の積極的経営とも取れますし、信越線も東信(長野県内は長野を中心とする北信・上田を中心とする東信・松本を中心とする中信・飯田線沿線の南信と分けられます)との、篠ノ井線は中信・南信との都市間流動が積極的な経営を助けていますね。適度な距離を置いて、また山岳地の盆地という隔絶された環境下で独立した都市が連なる形態は鉄道にとっては最高の状態ですね。
 ちょっと話がそれますが、10月1日の長電ダイヤ改正で、18時台の普通列車が削減されたのには驚きましたね。この時間帯に30分以上電車が来ないなんて、いいんでしょうかね。深夜ダイヤはどんどん充実していくのと対照的ですね。今、大都市圏以外で23時台まで私鉄の電車があるのは長野と静岡・浜松くらいじゃないですかね。

 長野は、実は卒論で簡単に取り上げた街でして、市の交通計画担当と話をしたりしましたので、少し前の話なら色々とネタはありますね。日替わり通勤運動やオリンピック時のTDMなど、研究に値するネタもありますし、ここの本ネタであります中量交通も長野駅〜松代間で導入が計画されていますし、やってみますか?

宇都宮も凄い
 投稿者---エル・アルコン氏(2000/10/31 00:08) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 宇都宮はなにげに交通政策で目を見張るものがあります。
 市東部の清原地区でのパークアンドライドの試みもそうですし、ではモータリゼーションを無視した公共交通一辺倒かというと、「宮環」こと宇都宮環状線という4車線の環状道路を完成させています。
 ちなみにこの「宮環」ですが、災害時に市中心部への流入をシャットアウトする信号制御機能を持っています。
 そのため、放射路線と「宮環」の交差点の信号は、通常では必要としない「全方向分の矢印信号」を持って備えています。

 本来、都市単位での交通調整がその都市とは関係ない通過流動を巻き込まないように、環状道路などバイパスを用意すべきなのですが、それが充分な都市は、それこそ宇都宮くらいでしょう。
 東京都のロードプライシングも、外環道の大泉以南や圏央道など、通過流動対策をとってからの話です。
 石原知事の言い分も確かに正論ですが、千葉と神奈川、山梨といった流動への配慮を欠くあたり、東京中心でものを考えている懸念があります。

Re:宇都宮も凄い
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2000/10/31 00:18)

 当社運営賛助会員の方で宇都宮の交通を考えたサイトがあります。
 御存知の方もいらっしゃるでしょうが、分析力はさすがです。

U-tra宇都宮交通情報センター http://www.fujipon.jpn.org/u-nic/u-tra/

2005.05.15Update

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