tw
top

トップページ企画一覧BBS(電子掲示板)新常設板ログ一覧>中量板過去ログ2010

(過去ログNo.)

安曇野-上田線に探る「新幹線乗合タクシー」の可能性

投稿者---551planning (2010/05/11(Tue) 14:28)

記事タイトル初見だけでは意外な気もしたのですが、地図を見ると納得。

JAL撤退問題で揺れた信州まつもと空港はFDA参入でひといきついたところですが、長野県からの空港アクセスとしては「長距離乗合タクシー」の存在が密かに知られています。【検証:】でも以前体感したことがありますが、パイオニアというべき中央タクシーが成田・羽田・中部へ、アルピコタクシーも中部への運行を現在も続けています。中央タクシーはディズニーアクセスを展開、アルピコタクシーは名古屋からの蓼科高原直行を運行するなど多角的なアプローチを感じますね。
その意味で、「新幹線乗合タクシー」という提案は、興味深い気がします。当方記憶のある限りで、空港乗合タクシーに積極的なあきたエアポートライナーのうち男鹿方面への便が秋田駅からの利用もできたかと、あと以前八戸駅~十和田湖間に運行されていたのですがこちらは廃止-といったように、どちらかというと観光地向けアクセスがわずかに…という状況。なお、東北新幹線新青森延伸で新青森発着の乗合タクシーも、という話もあるようですが、こちらは情報が入り次第別途、ということで。

安曇野-上田間乗合タクシーは、2005/10に穂高町・豊科町・明科町など3町2村が合併した安曇野市の新・公共交通システムとして2007/10にスタートした「あづみん」を手掛ける市タクシー運営協議会4社共同で取り組む試み。記事によれば、市内のメーカー社員が東京出張に上田駅を利用していることに着目、農業だけでなく工業も盛んな安曇野地域からのニーズはあると睨むとともに、当然ながら観光需要への期待を含めてのチャレンジの模様。
市内に8か所の停留所を設置、主に穂高エリアと豊科エリアに区分して合計5往復の運行。定時性が最も求められる上田行1便は長野道・上信越道経由とし、その他の便はR254を経由するもので、05/01にスタートし10日間で8人の利用と、まだまだ知名度向上が鍵の様子ながら、個人的にはなかなか惹かれます。

先述の通り、記事タイトルを見たときには、何故長野駅ではなく上田駅? 遠くないかい-と思ったのですが、地図と運行経路を見れば納得。長野道から更埴JCT・上信越道経由で長野駅・上田駅へのアプローチだと大差なく、平井寺トンネル経由R254だとほぼストレートゆえ距離感としては断然こちらでしょうし、そもそも対東京でいえば上田に越したことはない-その意味での乗合タクシー運賃2000円とは絶妙、といったところでしょうか?(長野新幹線運賃価格差は1480円)
このエリアといえば、当方以前1度、松本から鹿教湯経由で上田に路線バス乗り継ぎで抜けたことがありました。鹿教湯温泉に所用があったので結果としては良かったのですが、松電バスと千曲バスの接続があまりよろしくなかった記憶が-その後2006年に上田・松本両市長が両市間直通バス運行を要望、2007/04からは接続改善や乗継割引の実施などでの改善が図られていたのですが、その年の12月に表面化したアルピコグループ経営悪化による私的整理再建に伴い、その後松電バスが赤字路線からの撤退を表明、松本~鹿教湯間についても複数路線の整理統合が行われ5往復から順次削減、2009/12には平日2往復・土休日全面運休と縮減化されています。
#なお、土休日は信州観光バスによる松本~鹿教湯間事前予約制直行便が運行されているとのこと。
#同社サイトでは長野・松本-別所温泉間や、上田-戸倉上山田温泉間のツアーバスも運行しているとのことで、こちらも気になります。

map
より大きな地図で 乗合タクシー上田線 を表示

話を戻して、記事では中央東線利用より対東京駅到着で30分ほど速くなる、としていますが、その意味でさらっとダイヤをみるとまだまだテスト運行的要素が。
始発1便は穂高駅を06:40に出発、東京駅にはあさま512号接続で10:12着-としていますが、穂高06:01発の普通列車で松本からスーパーあずさ4号に乗ると、新宿09:26着、東京駅にも乗換で09:43着と、出発時刻に40分の差こそあれど、都内の到着地ベースでは意外と大きな差にはならなさそう。価格は乗合タクシーで2000円+新幹線6490円(通常期、以下同じ)の8490円、スーパーあずさ利用だと7130円となり、これまた微妙な感じが。
実は、乗合タクシーは上田駅08:10到着予定としているところ、あさま10号が08:08発となっており、ひょっとすると-と思わせる時間差。というか、乗合タクシーの出発時刻を20分ほど早めてあさま10号乗継とすれば東京駅到着で09:36となる-となれば、どうでしょうか。
ちなみに穂高駅での東京発最終は19:41の新宿乗換スーパーあずさ33号利用で23:31着、乗合タクシー上田20:30発の5便利用だと、東京18:24発のあさま541号利用で穂高駅22:10着となっているのですが、これも東京19:04発のあさま543号がまさに上田20:30着、それこそ10分ずらすだけで東京滞在時間延長アピールができると思うのですが…定時性との睨みからして姑息な考えともいえないのかとも思いますが、さて。
業務移動を意識すると確かに昼間便主体とした組み立てでも良いのかなとは思いますが、個人的には始発最終こそが一番アピールしやすいのでは-という思いがあります。また、先に触れた鹿教湯への直行アプローチとしての利用も考慮してみると面白いのかな、とも思うのですが…。

***
空港乗合タクシーについては、以前にまとめた後で芳しい話を聞かなかったのですが、新しいチャレンジの今後を期待しつつ、新たにまとめてみようかなと思っております。

上に戻る▲

MiniRepo

柔軟性に期待! 乗合タクシー上田線乗車録

投稿者---551planning(2011/03/06(Sun) 14:00)

空港乗合タクシーならぬ「新幹線乗合タクシー」としてその可能性に注目した「上田線」(上田駅~安曇野市内)ですが、運行開始1ヶ月間で38人、3ヶ月間で159人が利用との情報くらい。1日5往復の設定で採算ラインは1便につき2.5人、当初目標値は1日13人だったそうですが、3ヶ月間で118便の運行実績に留まっており、予約自体がない日も少なくない様子-しかもその後特段情報がありません。

安曇野市タクシー運営協議会の一員でもある南安タクシーのサイトでは『【運行日】平成22年5月1日~平成23年3月31日』との記載もあり、“ひょっとして”…ということで“その前”に乗ってきました。

全行程は彷徨録を参照頂くとして、雪の会津に居た前日に電話予約。乗車便とフルネーム、連絡先を確認されました。本来であれば朝晩の便を見たいところでしたが乗車便は上田駅温泉口16:10発の4便、地元利用者が上京した帰り利用も念頭にしていましたが、いちおう念のために「もし直前キャンセルする場合は?」と聞いたところ『クルマを向かわせるので2時間前までに必ず』とのこと-この時点で貸切となる可能性が伺えます。

当日、しなの鉄道にて16時前に上田着。真っ直ぐ温泉口へ向かうと、黒のセダンタクシーが停まっていました。乗り込むと女性運転手から氏名の確認を受け「それでは出発します」-やっぱり貸切でした。

uedauedaueda
uedauedaueda

クルマは千曲川を渡りR143からr65へ…実は昨年9月にこのルートを“自走”しており、土地勘はあります。上田電鉄下之郷駅の先から日が傾きつつある塩田平を横目に徐々に高度を上げてゆくと、「この先有料道路」の標識が繰り返されて、まず全長1381mの平井寺トンネルを通過。トンネルを出ると右折し、R254を西進します。鹿教湯温泉街はパイパスの鹿教湯トンネルでスルー、奥鹿教湯からの千曲車と離合し更に高度を上げてゆくと三才山(みさやま)トンネル有料道路へ。1本のトンネルと鹿教湯大橋を渡りなおも登ってゆくと標高は1100m超、そして全長2511mの三才山トンネルで松本市入り。長いトンネルを越えると視界に西日が飛び込んできました。ここからは一気に下ってゆきます。
自走の際には洞交差点から松本市街へ進んだのですが、今回は全長2447mの松本トンネル方面へ…と、直前で脇道へ入り、こんどはR143を北上することに。降車を穂高駅としていたたのでショートカットですね。有料道路を通過しない利点もあります-これは蛇足ですが、三才山トンネル開通により東信方面からのクルマが増え、松本市街への流入も増えたことから塩尻・上高地方面通過車のバイパス的に整備されたトンネルですが、当初300円の通行料金が割高との印象を受け利用が敬遠されているそうで、日中100円・夜間無料化などの利用促進策が行われている上に、通行量が多い三才山トンネルとの料金プール化により同トンネルの無料化が2021年まで15年先送りになったという逸話もあったり。
r57からいったんR19を進んでr495で犀川(梓川)を越えると、r310を経てR147を北上。左手には北アルプスの雄大なパノラマが展開します。途中で新宿行京王車と離合しましたが、白馬線5506便が若干遅れていたようで。

uedauedaueda
uedauedaueda

さて道中、運転手サンとしばしお話を…ここでは書けないネタも頂いたのですが、先ず単刀直入に「乗ってます?」と聞いてみると『ウーン…』との返し。御自身何度も担当をし、着実に増えてはいる印象をお持ちのようでしたが、安曇野発最終時刻がもう少し遅ければ-との声もあるようで。現行スタイルは03/31まで継続し、4月以降は『上がいろいろやってるようですけど』とのことですが、設定時刻変更や停留所の見直し等が行われる様子。とりあえず継続の方向性のようではあります。
『安曇野は今年観光客が増えますからね』-03/28からのNHK朝の連ドラ「おひさま」の舞台となるためで、ほらあそこにあるのがロケセットで…なんて紹介も。『今日のお泊りはどちらで?』と聞かれたので穂高駅から移動する旨を伝えるとともに、所定よりも到着時刻が早くなったので蕎麦でもとリクエスト、駅近くのオススメの店前で降ろしてもらいました。こうした柔軟性はさすがタクシーでしょう。

 

いやいや快適でした…とはいえ、当方のために2つの有料道路利用で往復1400円。もろもろ考えるとやはり赤字と思うと申し訳ない気も。基記事でも指摘し先述にもあったように、もう少しこなれた時刻設定をまず期待したいところ。メインでイメージするビジネス需要においては安曇野・東京での滞在時間がなによりポイントになるわけで、無理のないところで30~60分程度の拡大ができるのではないかなと。あとはフリー乗降対応も。この点は中央タクシーという先輩(異端?)を習ってみるのはどうでしょう。
個人的には、信州観光の際中信と東信がなかなか絡め難いところをうまくカバーしてくれる存在にもなり得るのかなとも思ったのですが…その意味で上田側でも鹿教湯温泉や別所温泉といったポイントを考慮した売り込みもできようかと。そうなると松本(駅)での乗降対応があれば名古屋・大阪とアピールエリアは広がるのかななんて思ったり-無論安曇野エリアの企画なんで難しいのは百も承知ですが、せっかくの取り組み故に大局的に捉えてもらいたいもの。

ま、なんといっても首都圏、特に使い手のある北関東エリアでの知名度向上が急務でしょう。大手旅行代理店やなんといってもJR-Eと組めればベストなんでしょうけれど…。

若干改善かな?

投稿者---551planning (2011/04/01(Fri) 13:19)

安曇野市サイトもようやく更新されましたが、2011年度の上田線運行予定が決定していました。

実乗時に女性運転手氏から聞いていたように、5往復こそ変わらないものの、停留所の見直しが行われるとともに朝イチの長野道経由便もなくなり、全便が同一ルート化されています。
設定時刻も朝便で変化が。一日市場駅・三郷駐車場非経由化により穂高・豊科の各始発便が統合され、穂高駅06:00発で上田駅07:25着に。あさま508号乗継で東京駅09:08着となりました。穂高発は07:15発便も設定され、地元からの利用選択肢が広がる形に。
いっぽう、上田発便の時刻変更はなし。最終便も20:30発のままで、送り込みとなる穂高発便が25分繰り下げの17:30発となったとはいえこれは経路変更分であり、ともにもうヒトコエと思ってしまいます。
早春といった感じ、いよいよ観光シーズンに加えて今年はアレも始まりますしね…皆様も是非使ってあげてください。


【検証:】Wiki-全国空港乗合タクシー抽出録もどうぞ
ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

上に戻る▲

テンプレートのpondt