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(CTCの報告 No.103)

「空港シャトルバス」…それは未来へとつながるか

2001/04/01、成田空港アクセスバスに新たなルートが加わった。
千葉交通運行担当の空港~横芝海のこどもの国前間、その名も「空港シャトルバス」。成田から東へ、九十九里海岸まで向かうバスだ。
運行主体は「芝山鉄道延伸連絡協議会」。芝山町・横芝町・松尾町・蓮沼村4市町村と成田空港を経由して成田・東京方面を結ぶ役割が期待されているが、その根底には「芝山鉄道早期開業」の意味が込められているのだが…その実情をお送りする。


12:00 新東京国際空港第2旅客ターミナルビル

…とあえて正式名称で書いてみたが、成田空港である。1978年の開業から四半世紀近く、様々な「事情」を抱えつつ、まさに東京…いや日本の空の玄関口として君臨する存在である。しかし昨今の「羽田国際化」への潮流を、「ナリタ」はどのように見つめているのであろうか…。
京成電車で第2ビル入りしたが、一般特急電車は席が程好く埋まる乗り、第2ビルでざっと200名以上が降りただろうか。お昼時とあってか到着ロビーはちょっとした一息という感じで穏やかに感じられる。
羽田空港と違って到着ロビー前の道路はバスレーン分などが余分に取られており、リムジンバスも余裕で発着できる。乗用車の違法駐車・乗降に悩まされる羽田には、東ターミナル建設時に是非とも見習ってもらいたいところであるが、成田の場合周辺駐車場の充実による乗用車のダイレクト乗り入れが少ないことも大きな理由だろうか。
バスのりばは15レーンほどと大きく見えるものの2箇所ある到着ゲート前を東空交リムジンバスが押さえており、都合2箇所で乗車を受けつける。京成や千葉観光などのアクセスバスは到着ゲート間の部分に集められており、リムジンバスよりも余計に歩かされる上、リムジンバスの様に地上スタッフがいないなど「待遇」が違う…。

matsuo

それはさておき、目当ての「空港シャトルバス」は千葉交通持ち、今や数少ないJR成田駅行バスも発車する13番のりばから発車する。通常とは別に簡易なポールが置かれ、「横芝海のこどもの国前」という行先に空港の雰囲気と違和感が…。成田空港から周辺へのバス路線も少なからずあるが、これまでは空港第1ビルのみ発着だったので余計にそう感じさせるのかもしれない。
発車10分ほど前に高速タイプのバスが入線してきた。協議会ではシャトルバス運行に専用車を2台用意、それぞれ側面に各自治体のイメージデザインが施されている。到着したクルマには松尾町の「松」と蓮沼村の「ひまわり」が。ちなみに横芝町は魚、芝山町は埴輪が描かれている。

いつのまにか乗車する人々が集まってきて当方含め6名で発車。老夫婦とおばあさんと家族連れ。第1ターミナルでも家族連れ5名が乗車。航空博物館でも行くのかな…それにしても意外に乗っていると感じてしまった。もっとも運転手がつけていた乗車確認簿にはそれまでの数便では1~3名程度…。
 空港の構内道路を通って京成東成田駅へ…と、信号待ち時に高い塀に行く手を遮られる。東成田駅自体での乗降時には成田空港入場時のセキュリティチェックがなされないが、要はそれを隔てる「塀」なのである。こちらは空港発なので(=乗客がすでに検問を受けているため)信号が変わって「塀」をスルーパス。デジカメ片手の当方を訝しそうに伺う警備員…東成田駅は乗降なし。

将来横風用滑走路となる(かどうか…)部分を潜る空港構内道路を通って整備場地区へ。所々に監視用の塔屋が見えるかと思えば、馬が草を食む牧場もあり、「ナリタ」の現実を垣間見る。と、横に地下から立ち上がってくる高架橋が…現在確認できる芝山鉄道の予定線工事区間である。
今回のシャトルバス運行に関するパンフレットで、「芝山鉄道が九十九里海岸へ延伸されるまで運行を予定しております」と書かれている。現時点で芝山鉄道は整備場地区までの延伸および芝山町千代田方面への計画がなされているが、九十九里までとは…。かの川島令三氏も「八日市場から野手浜あたりに達し、デラックススロマンスカーを走らせて…」(山海堂刊 新鮮鉄道計画徹底ガイド東日本編(2001.1)p82より)とのたまっておられるものの、果たしてどうなるか。

航空博物館入口での降車なし。バスは淡々と県道62号バイパス「芝山はにわ線」を走る。その名の通り沿道の所々に埴輪が置かれており、目を楽しませてくれる。周辺に古墳群があり、出土も多い事からなのだが、「はにわ博物館」もあり、「ハニワ台団地」も…。芝山市街の「文化センター前」も降車無しで、停留所そばの無料駐車場にもクルマはなし。

なだらかに続く丘陵を快調に走り、千葉東金道路の終点である松尾横芝ICを横目にひたすら海へ…。猿尾トンネルを抜ければ九十九里平野が眼前に広がった。真っ直ぐながらここから県道58号に。特にこのあたりは現在バス路線がないため、今後の利用動向もポイントとなろうが、松尾五反田・松尾広根でも降車なし。皆「こどもの国」行きか…と思った蓮沼郵便局前で、ようやく?おばあさんと家族連れが下車した。そうそう、停留所前の交差点には「蓮沼村ハ」。は?…地図を見て欲しい。なるほどの地名であった。
県道の突き当たりが九十九里海岸に伸びる県立蓮沼海浜公園。ここから海沿いにしばし進む…といっても海は全く見えない。結局6名が終点のこどもの国まで乗り通したが、乗り場には無料駐車場があり各人足早に走り去ってしまい、バスもすぐに回送されていった…当方1人が「こどもの国」に残されたのだった…。

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横芝海のこどもの国 13:22

乗ってみようと思われた非沿線の方に注告。横芝海のこどもの国は簡単に言えばプール。夏季のみの営業なのか(それとも終了?…半ば廃墟の様でして…失礼!)施錠されひっそりとしておりました。バスの運転手に総武線方面の路線バスを教えてもらったものの、「ひとつ内側の道に(横芝駅)循環が走ってるけど、本数少ないよ」との注告通り、「こどもの国」から徒歩5分ほどの南川岸停留所にやってくるのは通学帯中心に1日8本…。幸いコンビニや比較的大きい食堂があったので、小1時間を無駄に過ごす事はありませんでしたが…。こどもの国から海岸へは徒歩10分弱、防砂林の松林を抜ければ、眼前には太平洋!春というよりも初夏の柔らかな陽射しを浴びて多くの方が波乗りに出ておられました。

14:35発のバスで来た道を戻る事に。車両交換か別のバスがやってきたので、4種の「自治体デザイン」を見ることができましたが、当方は蓮沼村のものが良かったと。皆様は如何でしょうか。
乗車ないまま松尾五反田でバスを捨て、停留所からすぐの線路越えの陸橋の下を進んで、線路伝いに5分ほど歩けばJR総武本線松尾駅。タクシーが何台も止まっているものの運転手は手持ち無沙汰そうに待機小屋のテレビにかじりついておられました…手には新聞が。なおこの松尾駅から芝山・東成田駅行きの乗合タクシーが日に5本運行されており、東成田まで¥780也。利用状況が気になるが、今後の動向や如何に…。

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芝山鉄道の千葉県北東部交通核への可能性

投稿者---551planning(2001/05/02 01:04)

千葉県北東部(山武・海匝地域)は鉄道に恵まれず、要の公共交通であるバス交通も、対東京方面高速バスに会社としての活路を見いだしつつあるとはいえ、地元一般路線の旗色は芳しいとはいえなかろう。その中での今回の山武地域成田空港シャトルバスはさまざまな可能性を予感させるものと言えば大袈裟になってしまうのだろうか?

ところで、【検証:】<空港論>掲示板にて空港を核とした、対空路に限らない対道路・鉄道交通結節点化論があった。千葉でいえばアクアラインの羽田空港がまさしく具体例にあたるわけであるが、ここでは成田空港の存在を踏まえつつ、芝山鉄道の対北東部地域交通結節点としての可能性と考えてみたい。

今回のシャトルバス沿線は鉄道を持たない(芝山町・蓮沼村)か、持っていても対東京における利便性の低い(横芝町・松尾町)地域である。ただし主要道路交通は整備されつつあり、周辺の八日市場や成東からは高速バスが東京・千葉へ出ているなかで、対都心部への公共交通機関の脆弱性が顕在化しつつあったともいうべきか。
パンフレットでも「対成田・東京への(アクセス)…」と唄われており、「成田空港」という対都心部直通拠点を経ることで、効率的な時間短縮を実現したといっても良い。沿線3停留所にはP&R用駐車場も設けられており、海のこどもの国では複数台が利用していたことからも、沿線人口からだけでは分からない「定着への可能性」はあながち否定できないのではないか。
先述の通り主要道路交通は整備されており、東関道と千葉東金道路が対都心部アクセスの要となっている。しかし御存知の通り双方が離合する千葉地区での慢性的な渋滞の影響を避けることができない。対東京方面の高速バスを中心とした交通軸の弱点でもあろう。
北総地域交通結節点としての成田市はどうか。JR・京成両駅は近接するものの連絡が考慮されたものとなっていない。バス交通は地元で京成グループの千葉交通と、細々とではあるがJRバス関東が路線を持っているものの、駅周辺のバス乗り場は分散し利便性高いとはいえないのが実情であろう。土屋地区にできたイオングループの大型SCが集客核となっているが、直行バス路線ができたとはいえクルマ客がメインターゲットゆえ、周辺道路の渋滞も指摘されている。三里塚・芝山・多古方面への道路が成田空港を挟む形となっているがゆえ充分に整備されているといいきれないこともバス離れの要因のひとつといえようか。

ここで成田空港構内にフリーの駐車場を設置すべし、とできればカンタンなのだが、現実的にはまず不可能であろうから、芝山鉄道の当面の終点となる整備場前もしくは千代田を交通ターミナルとして整備してみるのは如何であろうか。対成田・東京方面へのアクセスは京成線に限定される、成田空港でなく東成田となるなど利便性の低下は否めないが、現実に東成田駅に駐輪されているバイクの数をみれば潜在流動の可能性を感じずにはいられないものがあるだけに、一蹴するにはちと惜しい案ではないかなと。
本来ならばパワーセンター誘致による地域活性化とセットで…と売り込みたいところだが、土屋イオンとモロにかぶってしまうので難しいところか。もっともイオン商圏にも多数のSCがあることを考えれば「勝負」するのも悪くなかろう。
周辺各方面バス路線の整備も必須だ。京成とのセットで対都心方面での価格面戦略も必要となろうか。高速バス八日市場線が2,000円弱である事を考えれば1,500円を切る価格帯と利便性が勝負になる。京成成田でスカイライナーとのリンクも考えたい…。

とまあ考えてきたわけだが、ここで思うのはやはり土屋地区の交通ターミナル化が理想と云えそうな点か。成田・千葉・北総各方面へのアプローチの場所としてはぴったりである。しかし弱含みの鉄道アクセスが主となることを考えれば、ここは芝山鉄道の可能性に賭けてみたい。盲腸線の終点を粗末に扱えば先は見えている。かといって総武本線方面への延伸は現状においては御伽話と云わざるを得ない。埴輪の街、航空博物館といった「潜在的観光地域」である芝山地区の活性化は面的な広がりなくしては成り立たないといえよう。もう「線を引いてドウコウ…」という時代は終わったのだから。

Re:芝山鉄道の千葉県北東部交通核への可能性

投稿者---矢切氏(2001/05/02 11:39)
http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

成田空港周辺ではスカイライナーでないと都心まで1時間を越えますから、P&Rはできればライナー停車駅で行いたいと思いながら、成田空港に半日駐車すると3000円もかかる(1日でもほぼ同額)なら都心まで車で行ってしまおうという気になりますね。

京成バスの東京銚子線が多数の途中停車駅を持つ3ルートで頻繁に運行しており、これも強力なライバルです。

東成田にせよ土屋にせよ、使ってもらえるためには

  • 駐車場が無料、あるいはきれいな駐車場で料金が1日500円以下
  • 出発地から駐車場への道路が便利
  • 都心への直通列車が適切な本数と所要時間で使える

これらを全て満たさなければならないでしょう。3番目は鉄道会社の努力次第であり、利用が見込めれば30分に1本の一般列車設定くらいはできると思います。問題は2番目で、土屋も空港もあまり遠くからアクセスするには道路的に良くない場所のように思えます。

総武線沿線ならそちらを使うのが自然ですから、実はP&Rで京成電車を使ってくれそうな人口は少ないようにも思えます。その少ないパイを自社の高速バスと奪い合うことになります。難しいですね。

Re:芝山鉄道の千葉県北東部交通核への可能性

投稿者---brother-t氏(2001/05/02 14:31)
http://blog.livedoor.jp/brothert/

個人的にはこれが成り立つ条件として

  • 北総線と芝山鉄道の連携
  • 成田駅の総合駅化
  • 芝山鉄道の本数は1時間に2本以上
  • 1時間に1本以上走る幹線バスルートの確保
  • バスや車でのアクセスの利便性の確保
  • 安い駐車場の確保
  • 終着地の拠点化(商業施設等の誘致あるいは航空博物館近くを終着地にしても良い)

と言った所でしょうか、北総との連携はありていに言えば何度も書いてますが新高速を成田駅経由にすると言うことで、北総ルートの活用で都心への所要時間短縮を目指す物で、大まかに考えて1時間以内、最高速度130km/hのエア快があれば上野まで50分程度になるかもしれません。逆にこれが無ければ芝山鉄道を作る意味は半減と言っても良いでしょう。そして成田駅の総合駅化はJRの我孫子・佐原・千葉方面へのアクセスを考えてのことで、直接これらの地域に行く乗客の他に学生の利用もターゲットとなるでしょう。その上で鉄道・バスの本数の確保と安い駐車場の確保は共に交通拠点化を目指す上で必須と言えるでしょう。そしてそれだけでなく周辺の昼夜間人口の確保も同時併行で行っておけば結構良い線まで行けるような気がします。

やはり北総地区の交通を考える上での最大のネックは成田と言う拠点が弱いゆえの公共交通体系の脆弱さでしょうか、鉄道で言えば成田線単線区間で1時間に1~2本、バスに至っては1時間に1本あれば御の字と言うのではやはり不便でバスに至っては拠点がわかれて使いづらいと言う難点まであるという、これは確かに空港があって成田山と言う集客施設があるとはいえ所詮は人口9万人の都市に過ぎない成田の集客力の限界で、ここの掲示板の趣旨とは大幅にずれますが、もはや市町村合併で成田の拠点性を高める為の条件を作り、その上で成田駅の総合駅化等で拠点性を高める以外に無い様な気がします。その上で土屋を大栄町や成田線沿線方面、芝山鉄道終点を山武郡、多古町方面への交通集積地として整備して行く必要があると思うのですが如何でしょうか。やはり今の成田地区に必要なのは新しい路線と言うよりも現状ある路線をいかに活用していくかだと思いますので。


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