【検証:】過去ログ集special

【検証:近未来交通地図】 special201-2
「さいたま市」の交通網 ≪新バスシステムの提案≫

 本投稿は、【検証:近未来交通地図】付属掲示板に御投稿頂いた、さいたま市民@西浦和様による「大作論文」(2001.2/28〜2001.5/3)を読みやすく纏めさせて頂いたものです(なお一部文面を編集しております)。

下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。

(前ページ) その
その
その

その



公共施設を結ぶ
周辺と中心を結ぶ
現状路線を見る

道路の通過交通
 
その

その
その
その
その
その
その
その
その






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バス路線をどうする?

道路交通の課題
人はどこから来てどこへ行くのか
放射と環状、格子と楕円
軌道系交通の現状
市内軌道系交通の役割
大宮〜浦和美園間の現実
大宮〜浦和美園をどうする?交通システムと都市計画
大宮〜浦和美園・交通システムのレベル的考察


▽前ページより

その5・バス路線をどうする? 投稿日時: 2001年3月10日 22時43分
└剣が峰に立たされる国際興業
 └Re:剣が峰に立たされる国際興業
  └Re:剣が峰に立たされる国際興業

 こんばんわ。今夜はデータから。
 こういうページを作っている人もいるのですね。このデータを見ると現実が分かると思いますが。どうぞご参考に。

埼玉県内各駅からのバス時刻表 http://www.bekkoame.ne.jp/~m.kodama/zikoku/

 それでは、市内のバス既存路線のうち、本線格になる路線と区間を検討して、具体的な提案をしてみましょう。
 前に指摘しました、副次中心と大宮・浦和を結ぶ路線のうち、一定の輸送力があり、輸送需要が予想されるものをあげ、みなさまのご吟味をいただければと思います。

 以上の路線は、鉄道路線のない地域を補う路線になるでしょう。
 これらの路線を骨組みにして、需要のある施設などへ直通する路線を組み合わせていけばいいでしょう。私の新バスシステムについての構想は、過去ログにありますのでそちらを参照ください。

【都市新バスシステム】具体的検証…大宮市東部編 log211.html#3
【新バスシステム】浦和市でのバスロケシステム log211.html#3
 

 3月28日でしたか、埼玉高速鉄道線が開通しますから、これらの路線がどのようになるのか良く見ていきたいと思います。

 今宵はこの辺で。乱筆ご容赦。

剣が峰に立たされる国際興業
 投稿者--- 551planning (ホームページ) 投稿日時: 2001年3月12日 00時14分

 こんばんは。大作ですね、じきに一つのページに纏めさせて頂きたいと思います。

 国際興業が導入した新バスロケシステムですが、GPS&DoPa通信(byNTTドコモ)という形態は東京空港交通が運行管理システムでも導入している(他、岐阜・岡山で試験中)ので、さほど大掛かりな仕組みでなくて利便性を向上させることのできるシステムとして今後普及が期待できそうですね。病院待合室にも置かれている由、今後機会があれば取材したいと思います。

3月28日でしたか、埼玉高速鉄道線が開通しますから、これらの路線がどのようになるのか良く見ていきたいと思います。

 国際興業では1/24付で再編計画を関東運輸局に申請しており、京浜東北線〜埼玉高速鉄同線を結ぶフィーダー輸送を中心に利便性を向上させるべく新設31系統・廃止34系統/増便4系統・減便17系統で2,900キロ/日と、現状の12%減のスリム化を図る予定(月刊近代交通2月号記事より)。
 同社では埼玉高速鉄道開業での影響を輸送人員75,000人から約27,000人、36%の減少、年間17億円もの減収と見ており、まさしく主要事業基盤での転換点に立たされる状況にあって、今後の戦略が大いに気掛かりなところです。

Re:剣が峰に立たされる国際興業
 投稿者--- さいたま市民@西浦和氏 投稿日時: 2001年3月12日 01時38分

管理人様、どうも。お世話になります。

 国際興業が導入した新バスロケシステムですが、病院待合室にも置かれている由、今後機会があれば取材したいと思います。

レポート楽しみにしています。浦和は遠いでしょうけれど、どうぞお運びください。

 国際興業では1/24付で再編計画を関東運輸局に申請しており、京浜東北線〜埼玉高速鉄同線を結ぶフィーダー輸送を中心に利便性を向上させるべく新設31系統・廃止34系統/増便4系統・減便17系統で2,900キロ/日と、現状の12%減のスリム化を図る予定(月刊近代交通2月号記事より)。

 私の家の近くでも新路線が出来るようです。それも、コミュニティーバスのスタイルの路線だとか。

 同社では埼玉高速鉄道開業での影響を輸送人員75,000人から約27,000人、36%の減少、年間17億円もの減収と見ており、まさしく主要事業基盤での転換点に立たされる状況にあって、今後の戦略が大いに気掛かりなところです。

 さいたま市内でも、営業所の移転や、跡地の売却など荒療治ですね。東武バスも荒療治しているようですから、埼玉のバスは厳しいんでしょうか。

 それから、この後は、新交通のことなどにも展開するつもりなので、どうぞおつき合いください。いろいろお世話になります。

Re:剣が峰に立たされる国際興業
 投稿者--- さいたま市民@西浦和氏 投稿日時: 2001年4月17日 01時24分

 今夜は、以下の記事の後日談です。

 地下鉄開業後、川口から鳩ヶ谷、東川口の地域でバス路線が改変されましたが、これがどうもミスマッチをきたしているようなのです。川口市内のバス路線の削減地域では、署名運動も始まり、国際興業バス社は毎日のようにダイヤ改訂を行い、臨時路線や臨時バスを出す始末。この地域から京浜東北線へ向かう人がすべて東京方向へ向かうわけではないということが奇しくも証明されているようです。

 私は参加していませんが、みなさまどうぞ御参照の程。

さいたま路線バス情報掲示板 http://iclub.to/bbs/saizi.html

私の家の近くでも新路線が出来るようです。それも、コミュニティーバスのスタイルの路線だとか。

 ほんとにかわいいバスが狭い道路を縫って運行されています。埼京線、武蔵野線両方から不便な地域なので、マンションや戸建て住宅の人たちが利用しているようです。

 最近の話題をこちらへ披露させていただきました。

 
その6・道路交通の課題 投稿日時: 2001年3月12日 01時18分

 こんばんわ。今宵もおつき合いのほど。
 前の投稿で、市内中心部の交通に問題があるとのご指摘をいただき、今回は、思いつくままに市内の渋滞地点を指摘してみましょう。

 通過交通については、これまで申し上げたように過剰ともいえる社会資本が完成しつつあります。しかし、中心部についての整備は、これからです。そのギャップが現在の市内道路交通の錯綜を生み出しているのでしょう。

 大宮では、16号バイパスの岩槻インター手前の外回りが渋滞することがあります。岩槻インター付近はどの方向からも自動車が集中します。市内中心部では、旧16号と17号の交差する桜木町交差点とJR線を挟んだ大栄橋交差点が渋滞ポイントです。旧16号はそのほか三橋5丁目、産業道路との交差点の堀の内や第2産業道路との交差点である大和田が渋滞ポイントです。東口駅前通では産業道路との交差点の東町、しばらくいって浦和岩槻線の交差点の東新井が混みます。西口駅前通では大宮バイパスとの交差点の三橋3丁目がポイントです。
 新都心付近では、17号と旧中山道を結ぶJR線をくぐるガードを挟んだ2つの交差点、上落合吉敷町は数少ないJR線の横断道路ですから交通が集中します。
 浦和では、県庁の周囲北浦和駅前、産業道路では原山領家、大宮バイパスでは町谷交差点がネックになっています。バイパスと17号を結ぶ武蔵浦和駅前を通る道も混みます。17号も武蔵浦和駅前付近は混みます。463号ではバイパスとの埼大通り交差点、羽根倉橋を渡って最初の下大久保がポイントですね。122号との交差点の大門も混雑します。

 自動車の動きとしては、浦和の公共施設へ向かう流れよりも、大宮の商業施設へ集中する流れが目立ちますね。大宮駅を中心とするいくつものデパートやファッションビル、ホールなどへ自動車で乗り付ける人が大宮以北から集まってくる形になるのではないかと推測できます。

 確かに、浦和大宮とも2車線道路が環状線から中心部へのアプローチの役割を担うのですが、重要交差点の多くは(大宮の方がまだですが)右折車線が確保されています。これは関東の他県より進んでいるような気がします。それに、やっぱり、外環道路の完成は大きかった。東西方向の通過交通がほとんどと言って言いすぎではなく外環道路へ移りました。近年は不景気もあって道路に余裕すら感じます。ちょっと言い過ぎか?。ですから、自動車より経済的な公共交通が確保されれば、さいたまから景気の回復さえ実現できそうな気がします(慎太郎に煽られた!?) 。

 埼玉県では、一般道の県内交通のスピードアップを目指して、主要幹線道路(4号、16号、17号、122号、254号、298号国道や主要県道)で信号機のタイミングを、走行車両のタイミングに調節しているそうです。ですから、40kmならその速度で走り続けると、信号に引っかからないようになっているそうです。その結果、17号線の場合、県南端の戸田橋から最北端まで十数分の時間短縮ができたそうです。また、最近は、あの、ナンバーを控える装置を利用して主要地点間の所要時間を表示していますね。戸田橋〜県庁前〜大宮桜木町〜上尾〜桶川〜鴻巣〜・・・というふうに主要地点間の通過時間がわかりますから隣の市へ行くぐらいならどのくらいかかるかがわかるので、これも便利です。

 さらに、主要駅近くには(地上げの名残か)コイン駐車場が増え、県北では1日数百円というものまで登場し、パークアンドライドが実現しています。さいたま市内でも大宮、与野などの駅そばに30分100円ぐらいで駐車できるスペースも登場しています。JR直営のコイン駐車場も市外ですが埼京線北戸田駅高架下にあり、ここは1時間100円です。都心へ行くときなどは、利用させていただいております。

 私個人的にはずいぶん、市内を車で走り回っているつもりなのですが、よっぽどのことがない限り、どうしょうもない渋滞というのに当たったことがありません。時間帯にもよりますね。

 1自家用車ユーザーの意見です。

 今宵はこのへんで。乱筆ご容赦。

その7・人はどこから来てどこへ行くのか 投稿日時: 2001年3月16日 01時14分

 こんばんわ。みなさん。哲学的な題名ですが、地理学的なお話です。
 さて、バス路線の吟味を続けているわけですが、今夜は人の動きについて考えてみましょう。

 市内で多くの人が集まり住み、目的を持って集まる場所をあげてみましょう。この人たちの移動のために、公共輸送機関が必要だからです。また、自家用車で移動する人たちに公共輸送機関を利用してもらうため、適正な路線が考えられなければなりません。

#人はどこから
 
駅と小中心地(副次中心)の行き来についてはこれまでの投稿でまとめてきました。ここでは、それ以外の人の集まる場所のご紹介です。
 他地域からの流入は駅や幹線道路からのものが中心ですが、市内公共交通を考えるときに、市内相互間の動きを基に考えて採算を決めなくてはならないでしょう。

 さいたま市内は全体に住宅地が広がっており、その密度は中心部においてほぼ均等と言っていいでしょう。見沼田圃や市境付近で、農業地域が確保されていますので、中心から離れますと密度は低くなります。自然が残っている地域といえます。
 住宅団地やマンションの集積はまとまった人の動きの起点となります。
 大宮では東大宮の「アーバンみらい」ニュータウンがあります。また、七里の東宮下団地大谷日生住宅東新井団地もバスの起点になるほどの団地です。西側では、指扇駅南の「プラザ」住宅、浦和市境近くの佐知川団地があります。新都心近くではマンション集積が見られます。
 浦和では、東浦和駅北側の区画整理地区があり、新しい住宅開発として公団による「イーストシティー」があります。西側では大宮バイパス沿いのマンション集積が見られ、古い団地としては南浦和駅そばの「南浦和団地」西浦和駅近くの「田島団地」があります。武蔵浦和駅近くではマンションの集積が進んでいます。駅前開発ビル自身もマンションを併設しています。

#人はどこへ
 
まず、これからの高齢化社会を考えると、巨大病院は、ある意味社会の中心となる場所になるでしょう。それでは市内の巨大病院をあげます。
 大宮では、医師会市民病院赤十字病院自治医大病院などの大病院があります。浦和では、市立病院社会保険病院共済病院などがあります。合併後、更に病院が増える可能性もあります。

 次に、いまをときめく郊外型ショッピングセンターを上げましょう。伊勢崎のようなパワーセンターはないのですが、これは大宮に立地しています。日進駅近くにある映画館がいくつか入ったSATYショッピングセンター、大宮西警察署近くのJUSCOショッピングセンターなどがあります。それからホームセンターが集積している地点として、三橋付近の17号バイパス沿いや第2産業道路の大和田交差点付近があります。浦和では大きな郊外型SCは無いのですが、北浦和SATY原山長崎屋などは住宅街にありながら、比較的初期の郊外型SCかもしれません。17号バイパス沿いや463号バイパス埼大通り沿いにはロードサイド型店舗の盛衰が見られます。大きな駐車場をもったSCは、市外の北戸田安行ダイヤモンドシティー(どれもJUSCOのSCです)のように川口戸田地区との境界に立地しています。ホームセンターの集積は、463号バイパスと第2産業道路の交点である「中尾陸橋」交差点などに見られます。

 次は、話題にもなっているスポーツ施設です。さいたま市内には2つのプロスポーツチームがあり、人気を2分?していますが、この観客数はバカになりません。また、公営ギャンブル場も2つあり、人々の流れがあります。さらに荒川河川敷には様々な業界の福利厚生施設としてスポーツグランドが並んでいます。
 2つのプロスポーツの競技場は、大宮公園サッカー場浦和市営駒場運動公園で、これはどちらも県道川口上尾線産業道路に面しています。観客動員はもちろん、駒場サッカー場の方が桁違いに多いわけですが、浦和駅、東浦和駅との間で有料バス輸送(臨時バス路線)が行われています。今後詳しく取り上げますが、新しい県営サッカー場が122号線に面して建設されました。
 公営ギャンブル場は、大宮公園競輪場浦和競馬場です。浦和競馬場と南浦和駅は無料バスによるピストン輸送が行われています。競馬場の前は広場になっていて、ちょっとしたバスターミナルになります。荒川河川敷と見沼田圃そばの公営の運動場には、休日ごとに多くの人々が集います。また、河川敷の秋ヶ瀬公園と見沼田圃北端の第2大宮公園は今後将来に渡って自然公園として維持される場所となります。氷川神社の森や大宮公園は大宮の中心としてもちろん大切にされるでしょう。

 そして、バス運行の考え方ですが、均等な密度の住宅地域を縫って駅や病院など人の集まる場所へ向かう路線は、起点から終点に向かって乗客が増えて行くでしょう。人の集まる地点を結ぶ路線では、乗客の数の変化は起点から乗った人がだんだん降りてゆき、途中から乗って、終点へ向かう人が増えていく結果、どこでも常に一定の人がバスに乗っているという状態になるのが理想ですね。起点で乗る人が全員終点まで乗るというなら急行バスにすればいいのです。

 当たり前のことですが。

 今宵はこのへんで。乱筆ご容赦。

その8・放射と環状、格子と楕円 投稿日時: 2001年3月17日 01時55分

 こんばんわ。みなさん。

 今夜は交通路の配置について考えてみましょう。
 ほぼ正方形のさいたま市ですが、これまでご紹介したバス路線と、みなさまもよくご存じの鉄道路線の配置は、大宮で放射状、浦和で格子状となっているということをご理解いただけましたでしょうか。道路の配置も同様です。人口の分布が均等である地域では、中心地や交通路も人口密度に応じた均等な間隔で分布するものです。都市計画もそのようにされます。

 幹線道路は、前述しましたように、大宮の北半分を環状に通過する17号16号バイパスを外縁として、その内側が市街化されているといっていいでしょう。ただ、その半円の見沼田圃から東の更に半分(円の4分の1ですね)は区画整理中の東大宮駅付近がありますし、東武野田線の大和田駅付近はまだ畑や林が残っている地域でもあります。しかし、この林や畑が住宅化するのは時間の問題で、これからの住宅の付加価値を上げる意味でも緑地を残す必要があります。
 この半円に対して大宮駅付近から放射状に道路、鉄道路線が延びています。大宮駅からのそれぞれの路線の次駅(高崎線宮原・埼京線日進・東北線土呂・東武野田線の七里までの各駅・埼玉新都市交通線の各駅)はそれぞれ連絡はなく、放射線の各駅同士の交通は、一旦大宮駅へ出なければならないというわけです。バス路線では何系統かが「循環」路線を名乗っていますが、大宮駅から鉄道のない地域への循環バスとなっています。
 大宮駅から離れた地域で、独立した南北方向のバス路線は、指扇駅から上尾の平方へ向かう路線のみといってもいいでしょう。最近、さいたま東営業所からの国際バスの路線が東大宮駅や東川口駅へ設定されましたが、これは入出庫路線といえます。
 与野浦和市域では交通路は格子状になっているわけです。京浜東北線、埼京線の各駅から東方向、西方向への路線が畳みかけられています。それらの路線は、鉄道路線に直角に延びる路線と放射状に延びる路線が周辺部各地域で交差や収束しており、周辺部の各地で複数の駅へ向かう路線が重なって設定されています。また、浦和駅〜北浦和駅間の路線や浦和駅〜南浦和駅間の路線で、それぞれの駅の東口同士、西口同士を結ぶ路線は市街地内のいくつかの3次中心地を楕円形に結ぶ形になります。ただ、現状は、さいたま市の外環状線になる16・17・122・298号線を越えたところへ放射バス路線の多くが目的地を持っています。

 都市計画では、小中心地を周辺部に育成、再構成して、これらを中心と結ぶ公共交通路を確保することになります。道路整備が先行し、それが目標であるのならば、この道路網を活用した公共交通網を完成するのが先決であり、理想となるでしょう。しかし、新市の都市計画ではさらに屋上屋を重ねるような、LRT計画を打ち上げる政治家もいるようです。交通流を正確に把握し、新路線の建設による乱開発を防ぐためには、良質な住宅地を確保しつつ、LRTの運営が成り立つような都市計画が必要となるでしょう。

 さあ、いよいよ「軌道系」交通機関の吟味に移りましょう。

 今宵はこのへんで。乱筆ご容赦。

その9・軌道系交通の現状 投稿日時: 2001年3月19日 02時16分

 管理人様。みなさま。こんばんわ。このシリーズも9回目です。いよいよ軌道系に話題を移します。

 さいたま市内には、JR東北・上越新幹線、東北本線、同高崎線、同川越線(路線名は埼京線)、同武蔵野線、東武野田線、埼玉新都市交通、それにこの28日開業する埼玉高速鉄道線が通っています。
 JR各線の駅は、1km〜2kmぐらいの間隔で立地し、市内で唯一新幹線が停車する大宮駅を中心に放射状に配置されています。南の浦和市内で東西に走る武蔵野線が東北線、東北線別線(埼京線)、埼玉高速線と直角に交差します。交差地点はどれも連絡駅になっています。武蔵野線の西浦和、武蔵浦和両駅と大宮駅(東北線との合流点は与野駅付近)が貨物専用線(臨時旅客電車も走る)で結ばれ、武蔵野線の東西両方向から大宮へ向かうことが出来ます。新幹線は埼京線と平行し、大宮以北では埼玉新都市交通線と平行しています(というより新幹線に平行して2つの路線が建設されたのは皆さんもよくご存じ)。
 JR線の運転系統は、東京上野駅(一部池袋新宿)からの東北線高崎線への電車が浦和・さいたま新都心・大宮に止まり、東北線は土呂、東大宮、高崎線は宮原までがさいたま市の市域です。新宿池袋からの電車は貨物線を通るので浦和、さいたま新都心駅に止まりませんね。東北線の大宮以南は京浜東北線が、与野、北浦和、浦和、南浦和の各駅に止まり、東北線別線部分の埼京線は、北与野、与野本町、南与野、中浦和、武蔵浦和までが市内で、川越線部分の埼京線には日進、指扇の各駅があります。武蔵野線は西浦和、武蔵浦和、南浦和、東浦和までが市内です。
 東武野田線は大宮駅から東に向かい、北大宮、大宮公園、大和田、七里の各駅が市内に入ります。
 埼玉新都市交通(愛称「ニューシャトル」)は、大宮駅から新幹線の構造物を兼用して建設され、新交通システム(結構保守的なシステムでまとめられているそうですが)としては、早い時期の路線です。市内には大成、加茂宮、東宮原、今羽、吉野原の各駅があります。
 このたび開業する埼玉高速線は、営団南北線の延長区間を、埼玉県など沿線地方自治体や交通企業などが出資した第3セクター企業により建設されました。市内には浦和美園駅があります。

 これら各駅にはそれぞれ、バス路線が接続し、鉄道路線を補っています。バスについては今までさんざん書いてきたのでいいですね。

 市内の鉄道交通の大まかな人の流れのイメージとしては、東京との関係、県北北関東との関係、東西隣接地域との関係、全国との関係が考えられます。国際的な人の流れについてはまた別項目にしましょう。

 東京との関係は、京浜東北線での市内との動きがあります。都心から浦和まで約40分、大宮までは50分かかります。都心から乗り通す人は北浦和ぐらいまでですかね。都内との通勤客で大宮、または大宮以遠の人は、赤羽、上野から東北高崎線です。上野池袋から大宮まで約25分、この路線で都心へは上野池袋で乗り換えて地下鉄または山手線利用が多いようです。埼京線は大宮と池袋新宿渋谷の都内の副都心を貫く路線となりました。今後は大崎、天王洲、臨海といった新しい副都心へ延長されるそうですね。もともと少なくなかった赤羽で乗り換えていた人たちが直通となり、人々の行き来が増えたのも納得できます。これを補う貨物線経由の東北高崎線も増発されるでしょう。
 浦和は、県庁所在地で公務員をはじめとする人々が、県内各地へ行き来します。大宮は企業の事務所等が集積し、ここも県内各地、北関東地域との行き来があります。急ぐ人は新幹線や新特急も利用します。
 大宮から東西方向へは、岩槻・春日部など東へ東武線、川越など西へ川越線を利用します。浦和から県内の各地へ行き来するときに東西方向は大宮乗り換えの各路線が春日部・川越といった東西各地域の拠点都市を結んでいるわけです。北の拠点都市の熊谷へは高崎線ですね。
 千葉方向や立川八王子方向へは武蔵野線を利用します。他の掲示板では貨物線を利用して直通したらいいのではという議論がありますね。臨時電車はありますが。最近の話題としては、池袋新宿行きの東北高崎線を新宿から横浜方向へ直通させる計画がJRにあるということです。首都機能の関東各地への展開には欠かせない計画でしょう。30km圏の新都心であるさいたま新都心、千葉幕張、横浜みなとみらいを連携させるためには直通電車が必須となるでしょう。
 新幹線の分岐点である大宮市は、東北、上越、長野からの新幹線が集まる地点で、これを生かして北関東どころか、北日本全域の中心地をも目指しているわけですが、現実には東京の「出城」みたいなものですかね。ただ、グレーター東京として考えれば、東海道新幹線の一部を大宮まで延長してもいいのでは(ホーム余ってるし)。逆に東北新幹線などを横浜(これは無理か?品川でもいいかな)まで延長しても・・・・。

 ちょっと話がそれました。今宵もこのへんで。
 乱筆ご容赦。おやすみなさい。

その10・市内軌道系交通の役割 投稿日時: 2001年3月25日 22時47分
└その10・市内軌道系交通の役割(補足)

 みなさん、こんばんわ。TVではMr.Ideiが訳分からないことを言っています。

 今日は市内の軌道系交通がどのような役割をしているかについてまとめてみましょう。
 市内の軌道系交通の配置については、前回書きましたが、人々はどの様に動いているのでしょうか。

 「さいたま市」に住む人々の多くは、その通学、勤務地を東京都内に持っています。いわゆる「埼玉都民」というものです。その人たちは、毎朝、荒川の鉄橋を渡って都内へ通って行くわけです。
 国鉄〜JRはこの人たちをいかにして運ぶかというテーマをこの数十年追求してきたとも言えます。1960年代中盤・昭和40年代初頭に、戦前からの複複線区間であった赤羽〜大宮間を3複線に増設したわけです。この時、各駅停車電車「京浜東北線」には南浦和の車庫ができ(正確にはその数年前)、川口市・蕨市の都市化が進展したわけです。それ以前の浦和市は、東京とは、川口、蕨市付近の広大な水田地帯で隔離された、独立した県庁所在地、衛星都市として、落ち着いた雰囲気を持ち、都内へ通勤する人々も、社会的文化的にも高い階層の人たちが多かったようです。全国でも数少ない旧制高等学校のあった戦前、「北の鎌倉」と言われた名残です。大宮は国鉄大宮工場を中心とした内陸工業都市として、鉄道道路の関東の辻としての役割を果たしていたのです。
 経済の拡大や東京からの人口の流出で、埼玉県内の東京に隣接する地域は住宅地が増加し、南から拡大してきた、農地の住宅地への転換がいよいよ浦和市の市域へ進入しますと、住宅地帯が東京から大宮の先まで連続することになります。「京浜東北線」電車の輸送力はほぼ飽和状態となり、毎朝、輸送力の限界を試す状態となりました。
 県内同士でも浦和大宮への通勤通学輸送が拡大し、大宮以北や蕨以南から大宮浦和へ集中する輸送も発生拡大してきました。単線であった東武野田線の複線化も進み、武蔵野線・埼京線の開業で、浦和大宮への集中が益々大きくなりました。東北上越新幹線の開業や貨物輸送の自動車への移転で東北線高崎線の輸送力のうち、近距離輸送に配分できる割合が上がり、大宮以北からの旅客輸送がきめ細かくできるようになったわけです。
 90年代に入って、土地の高度利用が言われるようになり、各駅近くに高層マンションの建設が始まりました。また、工業地では移転した工場の跡に、やはりマンションが建設される傾向が生まれています。マンションに住む人たちは、駅からの近さで選ぶわけですから、鉄道路線を生活に役立てている人たちであるということは間違いありません。
 一方、自家用車やディスカウントストアーの普及も同時に進み、勤務は電車で東京へ、買い物やレジャーは自動車でというライフスタイルもこの地域では一般的になっていますから、自動車交通路の整備も必要になっています。
 現在、大宮は大きなデパートやファッションビルが林立していますが、集まってくるのは、通学定期を持った高校生大学生が中心です。埼京線の開通は、この子どもたちを池袋新宿渋谷へ流出させることになったわけですが、バブル崩壊後、子供たちの動きは大宮止まりになる傾向も見られます。
 新幹線とセットで建設された「埼玉新都市交通」線は、騒音公害や伊奈町の町域分割への見返りで構想されたものですが、現実には沿線の開発をはじめ、大宮の北方に位置する「吉野原工業団地」への通勤輸送、上尾市に入りますが「公団原市団地(大宮や上尾・東大宮から長いバス路線で結ばれていた)」からの輸送、更に北の伊奈町の開発(県立総合高校・県民活動センターと区画整理による学住隣接住宅地域)のために建設されたものなのです。大宮駅から、はじめの駅である大成駅へは駅間が長く(1.5km)、その先の各駅の駅間は数百m間隔となる配置になっています。これは沿線の住宅地域や工業地域と大宮駅の間を直接結ぶという発想が強いわけです。
 開業する「埼玉高速鉄道」線は、浦和大宮岩槻市境に建設されているサッカースタジアムへの東京都内からの輸送を担うものです。鳩ヶ谷市にとっては悲願の鉄道となります。浦和美園駅は広大な綾瀬川の遊水地帯に建設されています。スタジアムまで約1.5km程あるそうです。大きく見えるのですが。
 この「浦和美園」駅からさいたま新都心駅・大宮駅への新交通路線が整備計画に上げられましたが、これがどのように都市計画とかかわるのかというのが、この一連の投稿での吟味の目的です。

 以上のような交通の環境をどのように再構築するか、次から詳しい提案をしていくことにしましょう。

 TV討論のMr.Ideiの言うこともようやくわかってきました。
 長文で乱筆ひらにご容赦。みなさん、いろいろ教えてください。

その10・市内軌道系交通の役割(補足) 投稿日時: 2001年4月1日 01時33分

 みなさん。こんばんわ。現在路面凍結の恐れのため、高速埼玉5号線は通行止めです。

 3月28日、埼玉高速鉄道線が開業しましたね。
 この電車の役割は、国道122号線沿線の開発と、鉄道に恵まれない鳩ヶ谷市を都内と「直結」するものですね。武蔵野線で最も混雑する東浦和〜南浦和の緩和も見込まれるでしょう。
 さいたま市内にある、「浦和美園」駅は前述したように、綾瀬川の遊水地域にありますので、現在、全く住居等はありません。ただ、周囲の農地は道路建設だけが進み、乱開発が進むのは時間の問題ですね。
 悪口ついでに書きますと、この地下鉄路線の沿線は、国道122号線沿線の移転した工場跡地を高層マンションと化し、もともと密集していた建て売り住宅群を、更に細分化して、景観の悪化を進めることになるでしょう。1960年代の「グリーンベルト」構想の名残であり、都心から最も近い樹木の密集地帯で植木の里である「安行」をこれも植木でなく、マンションの林立する地域にするということになるでしょう。植木よりマンションの方が儲かるでしょうから。浦和美園駅の周囲には、「台湾街」の計画があったそうですが、つぶれてしまったようで、サッカースタジアムが田園地帯にぽっかりと浮かんでいますね。
 先日、美園駅から大宮行きのバスに乗りましたが、結構遅い時間であったにもかかわらず、途中停留所から人が乗ってきますね。所要時間も約30分ぐらいで、この路線はやはり幹線として整備するべき路線なのでしょう。ただ、LRT・新交通としてはどうか?この後考えてみましょう。

 ここでは、悪口になってしまいました。

 それでは、[その11・大宮〜浦和美園間の現実]にまいりましょう。
 あらためて、地図をご用意下さい。

 
その11・大宮〜浦和美園間の現実 投稿日時: 2001年4月1日 02時55分
└Re: その11・大宮〜浦和美園間の現実
 └返信ありがとうございます。

 こんばんわ。いよいよ佳境に入ってきました。
 この回からは話題の大宮〜新都心〜サッカースタジアム〜浦和美園間の新交通についての吟味です。

 ここまでに長々と、市内の交通について語ってきたのは、市内全体の交通路の中でのこの路線の役割や立場を明らかにするつもりだったのです。バス路線、道路交通、鉄道路線と書き進めてきた上で、首都圏の整備計画に組み込まれたこの路線の意味を吟味してみたいと思っているのです。緩やかな南斜面の良好な住宅地や病院等保養地を守り、30km圏のまとまった緑地帯である「見沼田圃」を守るために、望ましい交通機関を提案できればと思っているのです。

 さて、この路線についての構想は、現在の大宮市の都市計画には入っておりません。しかし、運輸政策審議会答申18号に「今後整備について検討すべき」路線として報告されておりますので、今後、各方面で検討されることになるのでしょう。
 現在は大宮〜新都心〜サッカースタジアムという区間だけが決定されています。この掲示板では自由に議論してもいいのでしょう?それでは、言いたいことをここでも展開します。

 この路線について、コメントしているのは、有名なK島氏ですね。彼の主張では、大宮駅〜新都心駅〜高速埼玉新都心東西線沿い〜高速終点〜第2産業道路〜中尾陸橋〜463号バイパス〜浦和インター〜サッカースタジアムというものだったと思いますが(立ち読みのうろ覚えなので間違ってたら訂正を)、現在の幹線道路を活用するとすれば、この路線になるでしょうね。サッカー大会の時のバス輸送はこのルートで行われるのでしょう。何もこの道路にLRTをわざわざ作ることはないですね。ある程度完成した4車線道路ですから、拡張は難しいのではないでしょうか。高架線での鉄道建設なら、これからの歳入減時代に負債が拡大するし、維持費もかかるのでしょうね。遠い昔(私が高校生だった20年前)、463号バイパスには新交通システムの構想があったようです。浦和市内を結ぶものですが。

 さて、手元の「第24回浦和市統計書」「平成11年版大宮市統計書」をひもといてみましょう。現在のバスの大宮〜浦和美園線沿線の人口をあげてみましょう。(551注:青色表示はK島氏提案路線通過地域)

大宮市 仲町  
    
大門町


東町

堀の内町
天沼町
上山口新田
南中野
東新井
御蔵
笹丸
染谷

片柳
染谷


下町 
    

吉敷町



北袋町
1丁目
2丁目
1丁目
2丁目
3丁目
1丁目
2丁目
1丁目
1丁目








2丁目
3丁目

1丁目
2丁目
3丁目
1丁目
2丁目
3丁目
4丁目
1丁目
2丁目
120人
96人
119人
126人
549人
1193人
1394人
5086人
4970人
948人
5577人
4817人
6241人
347人
673人
612人
2082人
187人
702人

240人
252人
267人
361人
658人
1142人
959人
2697人
2820人
浦和市 上野田
寺山
代山
南部領辻
中野田
下野田
玄蕃新田 
北原
大門

大原




三崎
山崎
木崎
大東
道祖土

三室
中尾
芝原


大間木
大崎










3丁目
4丁目
5丁目
6丁目
7丁目

1丁目
5丁目
3丁目
2丁目
3丁目


1丁目
2丁目
3丁目


844人
353人
610人
696人
480人
242人
203人
 100人
4732人

22人
10人
4人
288人
552人
19人
980人
2006人
1471人
808人
507人
17062人
13609人
650人
462人
1324人
11404人
1058人

 以上の人口分布に引かれているバス路線なのです。浦和市内で一つの大字で1万人いるところがありますが、これは道路沿線だけでない全体の人口ですので、参考程度にしてください。

 このような人口に対して、どのくらいの公共交通利用者があるのか(厳密に言えば全員がそうなのでしょうが頻度がありますね)詳しい方、計算の仕方や考え方を教えて下さい。

 もちろん、住民だけのために交通機関ができるわけではないでしょうし、サッカースタジアム輸送が当面の主目的となるのでしょうから、人口数を並べても意味ないと言われればそれだけなのですけれど・・・。
(つづく)

 夜更かしをし過ぎました。明るくなってきそうなので今宵はこのへんで。

Re:その11・大宮〜浦和美園間の現実
 投稿者--- 氏 投稿日時: 2001年4月4日 01時08分

 お元気ですか?Pでございます。大作のスレッド、ご苦労様です。私も見習いたいものですが、このcom.は仕事場のものなので…。

 Pの考察では、定期客となり得るのは沿線全人口の2割程度…何が根拠といって、電車通学時代の名鉄の駅で観察していて感じたことです。だから、当てにはなりませんね。あしからず。また、この調査対象区域内の自動車保有台数、パーソントリップ、また、さらにあと上下3km程、広げてみても良いかもしれません。人口もあるようですし、この路線の裾野は案外大きいものかと感じます(というよりも、これはプロのコンサルタントさんの仕事ですね) 。

 機種としては何を導入するのでしょう?LRT、AGT、DMBが考えられますね。私はご当地とは縁も所縁もない身ですので、さいたま先生(私:Pも、とも様に倣ってこう呼称させていただきます)的にはいかがお考えでしょうか?LRT・ミニ地下鉄化を念頭に置いて、部分的にガイドウェーを設けたプレメトロタイプのデュアルモードバスシステムが好適なようにPは感じます。

 So Long.

返信ありがとうございます
 投稿者--- さいたま市民@西浦和氏 投稿日時: 2001年4月15日 22時03分

 こんばんわ。お仕事中でも読んでもらえているのですね。ありがとうございます。
 いやあ、ちょっと思うところがありまして・・・。皆さんのご意見を頂きたく・・・。お知恵を拝借させていただいております。もちろん著作権には触れないよう、ですが。大変参考になります。

 Pの考察では、定期客となり得るのは沿線全人口の2割程度…何が根拠といって、電車通学時代の名鉄の駅で観察していて感じたことです。だから、当てにはなりませんね。あしからず。また、この調査対象区域内の自動車保有台数、パーソントリップ、また、さらにあと上下3km程、広げてみても良いかもしれません。人口もあるようですし、この路線の裾野は案外大きいものかと感じます。(というよりも、これはプロのコンサルタントさんの仕事ですね)

 まあ、プロにはかなわないでしょうが、プロと素人ではこのような調査、研究の成果は案外逆の結果が出たりすることもあるのでしょうから。それはそれで楽しみですね。
 でも、3kmはちょっと広すぎるかもしれません。北側は東武野田線と県道大宮春日部線のバスともかち合いますし、南側には国道463号旧道(越谷県道)のバスにかち合うことになるのです。ただ、南側では「大宮直通」によって掘り出される需要があるかもしれません。

 機種としては何を導入するのでしょう?LRT、AGT、DMBが考えられますね。私はご当地とは縁も所縁もない身ですので、さいたま先生(私:Pも、とも様に倣ってこう呼称させていただきます)的にはいかがお考えでしょうか?LRT・ミニ地下鉄化を念頭に置いて、部分的にガイドウェーを設けたプレメトロタイプのデュアルモードバスシステムが好適なようにPは感じます。

 次の投稿で触れますが、ある程度まとまった交通路が新設される場合、この路線を中心とした都市計画が必要になるでしょう。その目標とする地域の景観によってこの新交通路の機種が選定されるべきではないかと考えるわけです。
打越さんの研究会では、LRTを推進しているのですが、「軌道系」で推進すると輸送力過剰の可能性がでてきます。輸送力過剰となると、都市計画の規制が緩和される危険がでてきますので、良質な住宅地として地域を保全することが不可能になってきます。ですから私が最初に打ち上げたのは「バス」なのです。続きは[その12]でお話ししましょう。

 いろいろ教えて下さい。乱筆ご容赦。

 
その12・大宮〜浦和美園をどうする?交通システムと都市計画 投稿日時: 2001年4月28日 01時43分

 運輸政策審議会答申にも取り上げられた、大宮〜浦和美園間の「新交通システム」についての吟味を進めましょう。
さあ、この区間を公共交通路の本線とするときに、どのような交通機関がいいか?沿線の都市計画はどうするのか?という話題をすることにしましょう。
 前の投稿では、沿線の人口分布をまとめてみましたが、P様のご返事では、「人口の2割」が公共交通機関を利用する通勤通学者となるであろうというご指摘を頂きました。
 また、軽鉄道システム、新交通システム、ガイドウエイバスの建設はどうか?という提案も頂きました。

 この沿線の環境を保全し、かつ良質な住宅地を開発するという都市計画上の目標を達成するために、適正な交通量を導きだすことができればこの一連の投稿の目標は達成されます。
 都市計画の細かい法律上の決まりはここでは細かく触れませんが(お読みの皆様に詳しい方もあるでしょう)、この沿線をどの様な景観に完成させるかを考えながら論を進めていきたいと思います。

 この路線の沿線の地域は、首都圏でもまとまった緑地と農地の存在する地域です。関東平野の本来の景観が保全されている地域でもあります。その中心となる「見沼田圃」は江戸時代中期までは、沼・ため池として、それ以後は新田として、そして、この数十年間は、川口、足立の内水災害を防ぐための遊水池の役割をも持った農業地帯として、水稲、植木などを生産し続けてきた貴重な農地でもあります。
 見沼田圃は元、沼であった地域ですから地盤は軟弱で、農地以外の利用には無理があり、川口足立地域のための遊水機能を保全するとすれば、周囲の斜面林を含めて今後も都市計画上の「公園」や「農業地域」(すなわち市街化調整地域)に指定し、宅地化は否定すべきであると主張します。大宮〜浦和美園線のバス路線は見沼田圃北側の県道を走っているのが現状ですから、この路線の沿線の都市計画は、見沼に向かっての南斜面を緑豊かな、区画の大きい住宅地や、老人保健施設などを集めた地域とするのがいいでしょう。ちょうど世田谷区の成城から二子、上野毛等々力、田園調布付近のような多摩川べりの緑に覆われた段丘崖(崖にマンションなどがないような)のような景観を期待します。
 この県道の北側は、大宮市営霊園があり、植木生産業者が集積していますので、緑地拡大の意味も含め、メモリアルパーク地区としてこれ以上の乱開発には歯止めをかけるべきでしょう。霊園と住宅地区の間は小規模でもグリーンベルト(植木畑や雑木林の保護でいいです)を整備し、メリハリのある都市計画をするべきでしょう。

 この地域への交通路は、現存の路線バスの高機能化(前述)で対応すれば人口密度とのミスマッチがないでしょう。

 次に、新都心駅から第2産業道路を通って463号バイパス〜浦和インター浦和美園駅・スタジアムの沿線ですが、このコースは産業道路川口上尾線から第2産業道路までの間で見沼田圃を横断します。第2大宮公園以南この道路までは、大宮駅に近いこともあって、見沼田圃の範囲にも関わらず、開発が進んでしまいました。大宮開成高校付近や大原1丁目2丁目などは住宅も見られ、遊水機能とのバッティングが見られます。この現状は肯定せざるを得ませんが、数十年単位で考えたときには、住民の移転をも考慮するべきではないかとも思えます。そして、新都心そばの広大な緑地帯として、西の荒川河川敷の秋ヶ瀬公園のような遊水機能と公園機能の都市計画とするべきでしょう。「セントラルパーク」と称している議員さんもいますね。
 第2産業道路の見沼以南から463号バイパスの沿線は、旧浦和市内となります。この沿線はすでに区画整理が進んでいますから、この区画での住宅地化が進みます。方形の土地区画がおおいので、あまり味があるとは言えません。4車線道路の沿線は防音の意味も含め、中層集合住宅(5階建て程度の)を並べるような都市計画でもいいかもしれません。463号バイパスが見沼を渡る有料区間をすぎると、美園地区へ入りますが、この地域は大宮市域同様、植木生産地域やメモリアルパーク地区として、環境を将来へ貯金しておくべきでしょう。もちろんスタジアム〜美園駅周辺もスポーツ施設にふさわしい、記念公園化などの都市計画が必要ですね。またこの地域は岩槻市の最南端地域でもあり、台地地形の縁となるので、南側斜面の良好な住宅地域も維持するべきであると考えます。また、122号バイパス沿線は、さいたま市環状道路沿線としての流通企業の施設や大規模商業施設、倉庫群など幹線交通路沿線にふさわしい施設を建設できるような都市計画にすればいいと思います。

 この地域と新都心を結ぶ交通路は、新都心〜スタジアムが全区間4車線道路で結ばれますから、専用または優先車線や高機能バス停をなるべく確保した新バスシステムによるバス路線が適当であると考えます。車両も連接車を多用し輸送力を確保するよう努力すべきでしょう。さいたま市は環状道路が完備されていますし、この新都心以西が未完成の4車線道路には通過交通がさほど集中しないと考えられます。バスも定時運転ができるでしょう。
 スタジアムの収容人員は6万3千人。そのうち5分の3程度が地下鉄で都内へ向かうと試算されているはずです(もっとだったかな?)。また、県内各地へ向かう人たちは東川口からの武蔵野線で東西へ分散しますから、大宮浦和方向は多く見ても総数の十数%程度ともいわれています。2万人の半数以上をあの狭い道にもかかわらず、バスのピストン輸送でさばく、駒場サッカー場の輸送の実績からしても、スタジアムとさいたま市内はバス輸送で事足りるというわけです。気抜けするような簡単な結論ですいません。

さらに、沿線の開発が進んだ場合どうするかは、次の投稿で。

その13・大宮〜浦和美園・交通システムのレベル的考察 投稿日時: 2001年5月3日 01時05分

 こんばんわ。みなさん。ようやく「さいたま市」もスタートしました。

 大宮〜さいたま新都心〜浦和美園間の交通システムについての話題提供を続けて参りましたが、前回、バスによる構築をとの主張をしました。今夜は最終回として、各システムを導入する場合、私ならどう考えるか、という提案をしてみましょう。

 段階としては、

  1. 現在のバス路線の改変
  2. 全く新しいバスシステムの構築
  3. 2にバス専用道路またはガイドウエイバス区間を組み込む
  4. 将来の新交通システム(LRT含む)化などを睨んだガイドウェイバス施設を建設
  5. 新交通システムの建設
  6. 独立した路線としてのLRTの建設
  7. 高架LRTの建設
  8. 地下鉄を建設

その他にも組み合わせでいかようにもできそうですが、いままで述べてきた沿線の特性や輸送の特性を考えれば、どのレベルを採ると、沿線がどの様になるかという想像がしやすいでしょう。以下、それぞれについて解説しましょう。

1・現在のバス路線の改変
 
最も消極的なやりかたで、現状の地域の開発レベルを肯定し、人口密度の上昇を期待しない形になりそうです。そのかわり、沿線の人々が自家用車での移動へシフトしてしまう可能性があります。スタジアム輸送には、少々輸送力が足りなくなるような気もします。ただ、沿線の開発は抑制され、現在の緑多き地域を保存できるでしょう。

2・全く新しいバスシステムの構築
 
1と同じような結果となりそうですが、連接車を導入して運転間隔を短くするなど、バスの輸送単位、輸送力を大きくすることで、現状よりは沿線の開発余力を上げ、バス利用へのシフトを進めることができます。第2産業道路や463号バイパス沿線を線として開発することはできるでしょう。LRT並の輸送に挑戦することも可能ですね。前回の主張は、このあたりを意識したものです。しかしバスのスピードが頭打ちになるという欠点が残り、始発に近い地域の開発が進んでしまう危険があります。

3・2にバス専用道路またはガイドウエイバス区間を組み込む
 
そこで、メルボルンのように、見沼田圃横断区間に専用道路を確保して無停車とし、旧浦和市域と新都心間のバスのスピードを上げれば、旧浦和市域の区画整理地域と新都心が直結され、この地域が新都心の後背地となり、開発のスピードが上がるでしょう。しかし、輸送単位はバスであるので、人口密度を上げることにはならないでしょう。建築協定などを整備すれば、高級住宅地化も夢ではないでしょう。

4・将来の新交通システム(LRT含む)化などを睨んだガイドウェイバス施設を建設
 
このバス専用道路を頑丈に造り、AGT・LRT化もできる構造物とし、当面バス専用道とすると、沿線をどのような地域用途区分にも変えられます。ただ、このレベルからは、建設費が巨大化する可能性があり、負債の拡大が心配されます。更に、半端な施設を建設するなら、「フル規格」化が要請されるでしょう。

5・新交通システムの建設
 
「フル規格」の新交通システムを建設するとなれば、巨大な資金が必要となります。個人的には「埼玉新都市交通・ニューシャトル」との相互乗り入れの上、市内各地への路線拡張が希望なのですが、新路線をどのようなスキームで建設するのか、おそらくみんな尻込みするのではないでしょうか。

6・独立した路線としてのLRTの建設
 
そこで、打越さんたちの主張する比較的お金のかからない、LRT導入となります。路線的には5と同じように市内各地への拡張を期待しますが、現状の第2産業道路〜463号バイパスの4車線道路上に導入はちょっときつい。また、新しい都市計画道路路線の設定となれば、「見沼田圃」をよける路線で建設すると遠回りになる可能性があり、東武野田線とも競合する危険がある。第2産業道路をたどるなら、道路の拡張は必至。ただ、463号には支柱建設を意識した中央分離帯が設定され、高架線の建設も可能。

7・高架LRTの建設
 
463号線の高架線の規模を軽鉄道、AGT対応にすれば、ロンドンのドックランドLRTのような輸送になるでしょう。しかしガイドウェイバスのような、きめこまかい路線設定はできませんね。バスはバス、LRTはLRTの路線となり、LRTの歩道からの乗降も夢となります。

8・高架線に地下鉄を建設
 
この463号線に高架線を建設するなら、むしろ地下鉄(すなわち一般鉄道)規格の構造物を建設し、信じられないでしょうが「埼玉高速鉄道(延長線)」として新都心乗り入れを模索してもいいのでは?となるはずです。もう、こうなると、LRTにする理由が無くなってしまい、沿線は高層マンション林立状態へ。「見沼田圃」がむかしありましたとさ、状態へ。

*参考文献 絵本「ちいさなおうち」

 私が考えているのは、この分類の3から4ぐらいまでのレベルが現実的な選択なのではないか、ということです。4になりますと、資金の手当を考えなければなりませんので、政治的な判断が必要となってくるでしょう。
 50年ぐらいの間にはこの順序の開発が進むかもしれませんが、東京30km圏がそのころにどうなっているのか、予想もつきません。少子化・地方分権化が進み、都心回帰が進んでいるとすれば、この地域の開発の後退もあるかもしれませんね。区画整理された住宅地も、区画整理された農地に戻ってたりして・・・。温暖化が進んで見沼田圃が沼か湖に戻ってたりして・・・!?。

 最後は茶化してしまいましたが、あながち間違ってないかもしれません。文明の盛衰の中で、私たちはどう振る舞えばいいのでしょう?
みなさまのご感想ご意見お聞かせ下さい。

 TVではCCTV−1が中国の「西部大開発」の現在の成果についてのニュースをやっています。

 一連の戯作これにて、御開きとさせていただきます。
 連日の大乱筆平に平にご容赦御願い奉りまする。お後がよろしいようで。

 大さいたま市に栄光あれ!
 おやすみなさい。

2004.11.02 Update


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