【検証:】空港論過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<ニッポンの空(港)論>
(過去ログNo.420)
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見えてこない目的意識
 投稿者---和寒氏(2002/02/26 11:51:09) 
 http://www.geocities.jp/history_of_rail/
見えてこない目的意識
└Re:見えてこない目的意識
 └何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?
  └Re:何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?
   └Re:何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?

 先日報道のあった羽田空港の拡張計画、私には大きな疑問があります。というか、現下の羽田・成田の問題点が適切に認識されていないとの疑問も持っています。以下、簡潔に。

【羽田の容量は逼迫しているか?】
 この点に関して厳密にいえば、羽田の容量は現状でも充分な余裕があります。朝晩の特定時間帯には苦しいことは確かですが、全般には充分なんです。
 少なくとも当面は、特定時間帯の集中を分散させることで、対応は可能です。機材の地方空港滞泊を簡便に出来るようにすれば、朝の集中時間帯を前2時間ほど伸ばせるので、特定時間帯の逼迫緩和につながるでしょう。

【羽田に国際便を集める必要はあるか?】
 確かに、成田は便利な立地ではないです。でも、だからといって、羽田に国際便を集める必要はあるのか?
 もし羽田では、近場の国際便(例えば中韓方面)のみを扱うというのであれば、国益を損なうこと甚だしい施策となります。先の記事に記したとおり、成田のハブ機能を減殺させ、しかも他国のハブ空港を利する形になるからです。
 国益と利用者益が両立しない点、苦しいところではありますが、陸路による連絡機能を強化すれば済む話でもあるのです。

 少なくとも報道を読む限りでは、羽田空港拡張計画は、現状のなにを問題視していて、どのように改善しようというのか、よく見えませんでした。

Re:見えてこない目的意識
 投稿者---とも氏(2002/02/27 19:50:51) http://town-m.vop.jp/

ともです。

羽田の容量は逼迫しているか?

 非常に逼迫しているとはいいませんが、逼迫に着実に近づいているのもまた事実です。
 では逼迫する要因とはなにか、単純です。ターミナルが逼迫しているのです。
 よって、東ターミナルが完成し、和寒さんのかかれるように地方滞泊さえ増加できれば混雑は緩和するでしょう。
 とはいえ、それでも需要が増加していることも事実としてありますし、今後高頻度で中・小型機による運行が増加することになればますます逼迫します。

羽田に国際便を集める必要はあるか?

 前にも書いていますが、成田と羽田の関係は相互補完であって、シャトル的な利用形態をされる、NYでいえばLGAのような存在、成田はハブ拠点としての国際線路線中心の形態にするのが簡単です。
 確かにアジア各国への乗り継ぎ需要分散による韓国なり香港なりのハブ化に拍車をかけるのはありえますが、直行便が成田から出ているのであれば、成田を選択する層が多いでしょうし、羽田の乗り入れさえ制約をかけた形で行う(アメリカはLGAとJFKでそれをやっているし、LAXもターミナルをそのように運用している)ことで十分対策可能でしょう。羽田発着は東京−ソウル、香港、ホノルルといった路線に限定することがポイントかもしれません。
 さらにはハブネットワークとしての成田からの現行便数は確保する(小型化してもよいが)ことはできるでしょうから、それによるハブ機能低下も対策はあります。例えば、今はB777かB747でJLグループ3、NH1、CX4、UA1、NW1運行の香港線は供給席数が3,800程度です。これを便数をそのままにしてB757やA321クラスにすれば供給席数は減少しますが暫定滑走路使用に変更が可能ですし、利便性は確保されます。羽田にやはり中型機材で運行できれば供給席数は若干増、便数は増加と言うことにもなり、トータルの利便性向上も考えられます。

 結果的に東アジア域内へのシャトル運行という名目もありますし、成田新高速が完成して東京と成田が30分台で結ばれれば成田の不便さは軽減されます。

どうなる成田空港? <羽田との棲み分けを考える> (00/12/13) ../ctc/log115.html

 少なくとも報道を読む限りでは、羽田空港拡張計画は、現状のなにを問題視していて、どのように改善しようというのか、よく見えませんでした。

 私も常々感じています。石原知事の発言を聞いてもなにも国際化を絶対視しているのではなく、成田との補完関係においてアジア・リゾート路線の移行といったことを発言してますし、あくまで成田あっての羽田国際化ですよね。
だからこそ成田新高速に出資もするし、都としても全面的に協力するのでしょう。

 それを報道が「成田はダメだ」という御得意の批判モードで言っているだけではないかという気がしています。なんでちゃんと評価できないのか。不思議です。

 それでは

何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?
 投稿者---かまにし氏(2002/02/28 00:24:25) http://www.sfc.keio.ac.jp/~t99971dy/kcbl

 かまにしです。

 少々、みなさんのされている議論とは立場が異なるのですが、僕も地元で「羽田国際化」という言葉だけがスローガン化して一人歩きしている光景をよく目にします。

 羽田空港を抱える東京4区(大森・蒲田を含む大田区南東部)の候補者や都議・区議もほとんどの政治家が「羽田国際化」を口にしますが、羽田国際化をどのように地元の活性化にいかしていくかといった議論が出てこないのか、いつも思います。

 ここにいる皆さんなら少なくともこのまま羽田が国際化しても、それによって大田区が受ける恩恵があまりないことは分かってもらえると思います。羽田を国際化させるにしても、連続立体交差事業とか蒲田の結節点強化、馬込−大森−平和島の連携などとセットで考えていかなければ片手落ちもいいところです。でも、そういうことを具体的に街頭で唱える政治家は見たことがありません。

 逆に言うと、多くの人にとって「羽田国際化」がいかに意味のないお題目でしかないかを象徴しているように思えます。もちろんそこにマスコミの影響もあるのでしょうが。。。

 ちょっと、言い方がきつくてごめんなさい。

Re:何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?
 投稿者---Tom氏(2002/03/01 21:04:39)

 Tomです。こんばんは。

 私も大田区民として地元の活性化に結び付けたい気持ちはわからなくはないですが、羽田の国際化で地元への利益誘導を云々すると議論が矮小化される懸念があります。

 本来羽田の国際化というのは市街化区域に隣接した内陸立地の為24時間運用が不可能な成田空港を補完するために行う、これが第一の目的だと思います。東南アジア・オセアニアのように夜行便が先方空港にいい時間につかないことへの対策という観点があります。また、観光業の方からすればリゾート地への需要喚起にもなりますね。何せ今の成田と違って仕事を終えてからでも出発できます。

 かまにしさんが問題になさっている「スローガンの一人歩き」は、何か地元にいいことがあるかもしれないからとりあえず叫んでおこう、という利益誘導の匂いを感じ取っているからこそ「一人歩き」というイメージを持たれているのではないでしょうか。

 目的がはっきりと捉えられていれば、羽田国際化は十分意味のあることだと思います。

Re:何のための羽田国際化なのか分かっている人はどのくらいいる?
 投稿者---かまにし氏(2002/02/28 00:24:25) http://www.sfc.keio.ac.jp/~t99971dy/kcbl

 Tomさん、こんばんは。
 確かに少々、議論がローカルな話だけに偏っていました。

 これまで羽田空港と成田空港がそれぞれ拡張を繰り返しながら首都圏3,000万人の需要を裁いてきて、それも羽田・成田がそれぞれ国内線・国際線に特化していたおかげで使い勝手もあまり良くなかった上、国際線の成田空港の運用も限界に来ている。もともとそういう流れの中で、羽田国際化が議論として出てきたのですよね。

 そしてこの掲示板の議論では、羽田を国際化させてもあくまでも羽田は国内線、成田は国際線を中心にやっていくけれども、それぞれに国際線・国内線も乗り入れることで、ハブ&スポークで地方空港からの使い勝手もよくしていこう、同時に鉄道や道路などの陸路の交通によって両空港間の輸送を補完していこう、という流れだったと思います。そのことで首都圏・国の全体の便益も向上し、国際都市・東京の魅力を高めることにもつながっていきますよね。

 実は僕も書き込み始めたのはつい最近ですが、結構昔からこの掲示板のファンです(笑)。上記の議論については、まったくもってその通りで、僕なんかが入っていく余地はなくいつも感心させられています。

 かまにしさんが問題になさっている「スローガンの一人歩き」は、何か地元にいいことがあるかもしれないからとりあえず叫んでおこう、という利益誘導の匂いを感じ取っているからこそ「一人歩き」というイメージを持たれているのではないでしょうか。

 僕が言いたいのはまさにこの点で、「何か地元にいいことがあるかもしれないから」ではなくて、少なくとも政治家もそれをどうしたらを具体的な形にできるか、少ない予算で現在ある問題をどう解決できるかを、提案していくことを考えるべきではと思うわけです。そして、これはさまざまなプロジェクト全てにつながる話だと思います。

 ですが現実的には多くの方が、Tomさんのおっしゃっているような考えで、とりあえず予算が降って湧いてくるのを待っているだけなんでしょう。もちろん一人一人をよく見てみないと判断できませんが。。。

 そして羽田のことについては、国会議員や都議ならまだしも、少なくとも区議が「羽田を大田区にどう活かしていくか」という視点なしにただ叫んでいるのはどうかと思ったわけです。

スイスイキャンペーンとエアポートきっぷ
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/04/15 13:23:33)
  http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
スイスイキャンペーンとエアポートきっぷ
└Re:スイスイキャンペーンとエアポートきっぷ
 └「エアポートきっぷ」の虚実
浜松町と品川の「障壁」
 └モノレールSUICAに関して(横レス気味)
  └トホ奔凄走
 └浜松町の「障壁」、改善す?
  └Re:浜松町の「障壁」、改善す?
   └Re:浜松町の「障壁」、改善す?

 4月21日から東京モノレールがSUICAを導入します。もちろんもともとSUICA参入を表明してパスネット導入を見送っており、しかもJREの子会社ですから自然な流れです。
 JREの中吊りにはJREのグリーンに対してオレンジのSUICAが出ており、今後何色の色違いが出るのでしょうか。

 さて、導入を記念して東京モノレールでは、スイスイキャンペーンと銘打って、6月20日までの限定ながら、浜松町−新整備場・羽田空港間の運賃をSUICA利用に限り通常470円を410円に60円割り引くそうです。JRE車内の中吊りも「本命」はこのキャンペーンで、羽田へはモノレールというのをコスト面からもアピールしています。

***
 対する京急ですが、このキャンペーンをどう見ているのでしょう。
 実は羽田空港駅開業以来、都交各駅と羽田空港(および成田空港)両駅とのあいだの運賃を60円割り引いた「エアポートきっぷ」が発売されています(両空港間では90円割引) 。
 ところがこれは企画乗車券の扱いで、券売機での購入が必須となっています。つまり、パスネットで割引該当区間を乗車しても割引適用にならないのです。

 浜松町という乗り換え障壁における切符購入のバリアをなくすSUICA導入に際し、SUICA利用(=JREと東モノ利用の利便性訴求)を促進する施策となる今回のキャンペーンに対し、会社間障壁を無くす切り札のはずのパスネットでの利用だと損をするという逆コースの施策が今日に至るまで改善されていません(当初は2001年3月までには改善予定という話があった。ホテルサンルート浅草のHP参照)。

ホテルサンルート浅草 http://www.sunroute-asakusa.co.jp/airport.htm

 今回のJREと東モノのキャンペーンは、残念ながらドア広告の比ではないインパクトを利用者に与えるでしょう。これで「京急も乗ってみたけど、やっぱりモノレールね」という揺り戻しがどれだけ出るか。それを食いとめるために、経済性と利便性がそっぽを向き合っている現状は早急に改めるべきでしょう。幸か不幸か、「パスネットでも割引開始」というアピールをカウンターでぶつけられますから。

Re:スイスイキャンペーンとエアポートきっぷ
 投稿者---ジョー万太郎氏(2002/04/17 01:57:16)

 会社間障壁を無くす切り札のはずのパスネットでの利用だと損をするという逆コースの施策が今日に至るまで改善されていません。

 エアポートきっぷが、このようになっているのも都営線〜京急線のみの区間限定商品であり、都営浅草線の乗り入れ先の京成や北総までは割引になりません。
 その為、青砥〜羽田空港で乗車する際は、押上で途中下車して切符を買いなおせば得をするのです(参考までに青砥〜羽田間は通しだと880円だが、押上で一旦降車すると820円となる。青砥〜押上が180円、押上〜羽田空港が640円。ただしパスネで押上〜羽田を通すと700円になる) 。
 JRが旧国鉄の地盤を受け継ぎ、遠くまで迅速なサービスができるのに、パスネット加盟20社間では互いの性格も違いがあるので、共通カード化の弊害がこの問題に出ていると思われます。

 モノレールは、京急開通の打撃をもろに受けており、盛んに宣伝をしています。先の買収は、JRの顧客を取り込まねば、生きていけないという側面もあると思われます。そのため、JRの東京近郊の路線図にモノレールが追加され、タッチパネルでも浜松町経由のモノレールが買えるようになったのも、モノレールの苦しさを物語っていると思います。またJRからしてもスイカの宣伝をし、羽田空港への顧客を狙うという点もあると思います。

 ちなみに青砥〜羽田空港の場合は、直通に乗ると運賃で大損をするのです。

  1. 日暮里周り
    日暮里のJR、京成の連絡口で20日からスイカが使用できます。
    青砥〜日暮里を普通乗車券購入で、日暮里からスイカを使い、浜松町周りで羽田まで行くとこの場合は、なんと750円!と直通よりも130円安くなるとは・・・
  2. 大門乗り換え
    青砥〜大門で京成線、浅草線に乗り、浜松町からモノレールスイカを使うと、合計が800円(青砥〜大門390円、浜松町〜羽田410円)と80円も安いとは・・・

 最後のほうは、変な例で申し訳ありませんでしたが、スイカの割引の脅威の一例を書きました。

「エアポートきっぷ」の虚実
 投稿者---551planning(2002/04/24 22:23:36)

 中途半端な割引のおかげであちこちでねじれ現象が起きています。都内利用だと営団のほうが多いかもしれませんが、営団発だとパスネットでそのまま行った方が安くなります。大江戸線開業時に営団−都営連絡割引が70円となったためです。  
 京急も営団利用を重視しており、現在東西線車内にステッカーを掲出して宣伝に努めているところですが、乗換駅である日本橋は当然ながらラッチが別で、東西線ホームから浅草線乗り場へ向かうと、件の「パスネットでは割引が…」の掲示がなされており、ああそうかと切符を買うことになり、結果利用者は10円損をし、帰りも空港では切符を買おうとするでしょう。あるいはめんどくさいとモノレールなり高速バスに逃げるでしょうか…こと東西線では葛西・西船橋にバスがありますし。

 ウロで恐縮ですが、複数事業者間での二重割引適用ができないために「エアポートきっぷ」は企画券として切符売りになっていると聞いたことがあります。確かにパスネットではラッチ内4社局利用限定とされており、さらに割引が絡めば精算も複雑になることから処理的にも難しいのかもしれませんが、つい何とかならないものか、と思ってしまいます。
 「エアポートきっぷ」が会社ごと30円の割引になっていることから、では東モノのように京急が全額を負担すればコトは簡単になりそう…ただでさえ品川−羽田空港400円、天空橋分断にすれば380円と自社だけでねじれ現象を起こしているのですから、パスネット限定でここはひとつ「還元サービス」を打ってみるのもインパクトありでは…?

浜松町と品川の「障壁」
 投稿者---551planning(2002/04/24 00:19:49)

 御紹介の通り4/21、JR-EのICカードシステム=Suicaが東京モノレールでも利用可能となり、両者それぞれ記念カードを発売しました。昨秋Suica導入時に発売された記念カード以来、数量限定とあって各所で混乱が見られたようです…かく云う当方も、はや「夫婦ペンギン」と揶揄されている東モノ発行カードを入手すべく、早朝に浜松町へと向かったのでした…。

 件の割引を体感すべく東京駅から乗車しましたが、丁度京浜東北線が大宮駅南跨線橋掛替工事で始発から1時間ほど南浦和以北が運休しており、各所のLED情報板でしきりに流されていました。とはいえその時間では現地に着く頃には復旧しており、現に北行では大宮行きが走っていたことから、過剰とまでは云わないにせよ、案内の難しさを感じるところ…裏を返すとLEDでは今日から羽田空港までSuicaで行けるということは流されていませんでしたが、要所要所にポスターが掲出されていてそれと無しに目に入ります。
 東京駅から3つ目、浜松町で下車。他駅と比べると若干狭いホームで、ESありとはいえ橋上駅舎まで結構高さがあります。コンコースも隣の田町と比べると狭く、見掛け以上に「古さ」を感じさせる駅です。改札を抜けると目の前のみどりの窓口には-E版記念カードを求める人ではや行列。当方はそちらには興味なく、空港へ向かう流れに乗ってモノレール乗り場へ向かうと、世界貿易センタービルに組み込まれた駅舎は乗降車流動は巧みに分断されているものの、JR駅からは階段を降りてすぐESに動線が集約されるという構造は変わっておらず、混雑時でなくてもスムーズとは云いがたかろうと。

 さて、モノレールコンコースに上がると、程良い位置にテーブルが出ていて係員がおり、記念カードを売っているものと近付くと、置いてあるのは紹介パンフと台紙だけ…「記念カードお求めのお客さまはこちらにお並び下さい」の声に従って航空チェックイン機の前にずらっと列ができました。よく見ると別に券売機の間でも列ができており、これがカード発行用機に並ぶカード購入者。機械でカードを買って先の係員のところへ行って台紙を受け取る、という流れのようです。切符を買う一般客も何事かと注目しており、「宣伝効果」もあり?
 この列がなかなか短くなりません。多くの人が複数枚購入しており、ごっそり台紙を受け取る人も。一方こちらの列では「大勢の人にお買い求め頂きますよう、お一人様2枚までとさせて頂きます」との案内が。図らずも「要領悪いぞ」という怒声が列から飛びました。
 ようやくに販売機の列が途切れ、こちらの列が移動、先程ついていなかった東モノ職員が券売機前に張り付き、2枚の購入規制をチェックしたおかげで列は程なく進み、当方も無事1枚購入。昨年のデビュー時の-E発行バージョンからペンギンが1羽増え、オレンジの正規モノレールカードを手にしています。今後も色とりどりのカードを手にしたペンギンが増殖してゆくのかどうか…?
 並んでいる途中、係員の方とお話ができました。処理の都合上機械売りとしたそうで、とりあえず1500枚用意しているが、前倒しで本社持ちの追加分を頼んでいるところとか。結構並んでいてふと思った、浜松町での乗り換えの際、営団の乗換時(30分以内)のような割引適用時間制限はなしとのこと。もっとも浜松町でぶらつく用事も見つけにくいですが…。

 6時半で既に5分間隔となっているモノレール、ロング主体の2000系車内は程よく埋まる乗りで発車、途中駅乗降はほとんどないまま20分ちょいで羽田空港へ。JAL側改札前では早くもオープニングセレモニーのリハーサルが。あれ、御自慢の「模型広場」の前じゃないんですね…所在無げにしていた警備要員と思しき職員に声を掛けると本番は10時とのこと…御苦労様です。
 一旦改札を出て券売機で印字を試みようとすると、こちらでも記念カード発売中。「1人2枚まで」の張り紙を横目に、男性がせっせせっせと際限なく購入してゆく…揉めても詰まらないので何も云わずに印字を諦めその場を離れましたが、他に購入客もおらず結果的に羽田空港は穴場だったようです。通りかかった窓口では「昭和島売り切れ…1人で全部買ってったって?」という職員の声が思わず漏れ聞こえ…。

 京急駅に廻ると、相変わらずの「パスネットではエアポートきっぷ割引がありません」の注記が。デザインの変わった駅名運賃板も遠目には見づらくなり、肝心の品川なり横浜での他路線連絡運賃もいまいちと感じるのは当方だけ?
 京急で品川へと出ます。品川駅自体はJR→京急の場合、段差は若干ありますが切符の手当てさえあれば連絡口正面が既にホーム、終日10分間隔と本数もあり、女声での自動放送が繰り返されています(聞き慣れるとやかましいほどですが…)。しかし京急管理の連絡口は2枚投入対応機なので磁気イオカードは受け付けるもののSuicaは非対応、窓口や券売機で切符を購入しなければなりません。同じ連絡口でもJR管理の横浜駅はSuica対応とちぐはぐ…些細なことが思わぬ障壁になっていることを事業者はどのように思っているのでしょうか。
 それよりも「パスネット連合」に脅威に思ったのは、やはりあちこちのJR駅でSuicaのモノレール使用開始、というよりも「羽田空港」へ行けるんだというポスターや横断幕が見受けられる点。品川もご多分に漏れず、京急連絡口の前にも横断幕が…このポテンシャルはじわじわと効いてきそうな気がします。

 ところで東京駅で印字した際、割引額60円は羽田空港を出た際に引かれていました。ひっくり返して羽田から浜松町経由でJR線に乗った際にはJR線の運賃が引かれるのか…仮にモノレールとするとJRに乗り換えなくても2ヶ月間は安くなることになりますが…果たして真相は?

モノレールSUICAに関して(横レス気味)
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/04/24 11:38:53) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 東モノのSUICA割引ですが、JR線との連絡利用に限定されていないようです。
 単純に両社発行のSUICAで浜松町−新整備場・羽田空港間を利用した場合、470円を410円に60円割引という話なので、羽田空港、新整備場、浜松町での出場時に調整後の運賃が引き落とされるはずです。

http://www.tokyo-monorail.co.jp/whatsnew/campaign/suica.pdf

 なお、SF機能部分については両社のサービス適用区間全域で利用できますが、定期券機能については、両者間の連絡運輸区間に限定しての発行となりますので、SUICAサービス区間であっても発売できないケースがあります(上記説明では、大月−高尾−浜松町−羽田空港の区間が例示されており、大月−高尾間は連絡定期券発行が出来ないとされている) 。

 ちなみに、上記の説明ではJREのSUICA定期とモノレールSUICA定期の2枚を持つことは出来ないとありますが、上記のケースで大月−浜松町のJRE-SUICA、浜松町−羽田空港のモノレールSUICAを併用することも出来ないということでしょうか。それともJREのみどりの窓口に誘導しているあたり、特例で1枚発行しているのでしょうか、気になります(2枚持つとJRに乗ろうとしてJRE-SUICAを出す前にモノレールSUICAのチャージが引かれたりするトラブルが有り得そうだし...)。

***
 記念カードを巡る狂奏曲ですが、基本的には個人のマナーとは言えいただけませんね。
 もっとも、使い捨てで無く再利用型のカードゆえ、理論上はユーザー数以上の発行が無いだけに、ここで希少感を煽ってすこしでもデポジット分が丸儲けになる退蔵の上積みを図る気持ちは分かりますが。

 まあ同じ退蔵狙いでも、数を一気に捌くのなら今のやり方でしょうが、いわゆる「マニア」以外に広く普及を図るのなら、枚数限定にせず、息長く販売機で売るという手もあります。
 個人的にはここまでモラルの低下が著しいのなら、全く同じデザインのものを基本カードとして増刷・販売しても構わないと思います。そのデザインカードを所蔵したい、という意思であれば、何枚出ても自分が持っていれば構わないのであり、それで困るのは、そのデザインカードの所蔵ではなく「価値」(ありていに言えば市場での転売価値)を求めている人だけですし、そういった手合いへいくら配慮しても、システムとしてのカードの普及には全く寄与しませんから。

トホ奔凄走
 投稿者---551planning(2002/04/24 22:18:58)

 そうでした。東モノの単独割引だったんですね。めんどくさい処理も必要ないわけで、浜松町での「時間制限」が発生するわけもなく…。

 「狂騒曲」ですが、東モノ側の段取りも悪さも目立ちました。昭和島で100枚を一人に売っている(2ch他情報)となると事前に処理済カードでなければえらい時間が掛かるでしょうから、浜松町でも手売りにできたはずです。ただでさえ手狭なコンコースで航空チェックイン機の前に横にずらっと列を伸ばしていましたから、一般旅客にはインパクトはあっても邪魔は邪魔だったはず。

 #それにしても浜松町でモノレールの切符を買う人がかなり多かった…Suica対応でどう変わるか?おそらく現状では羽田売り分を考えて東モノ→JR-Eで連絡運賃精算しているだろうから、Suica持分比から逆転も?でもそうなると預り金勘定が目減りするだろうし…。

浜松町の「障壁」、改善す?
 投稿者---551planning(2002/05/14 23:57:17)

 他駅と比べると若干狭いホームで、ESありとはいえ橋上駅舎まで結構高さがあります。コンコースも隣の田町と比べると狭く、見掛け以上に「古さ」を感じさせる駅です。
 空港へ向かう流れに乗ってモノレール乗り場へ向かうと、世界貿易センタービルに組み込まれた駅舎は乗降車流動は巧みに分断されているものの、JR駅からは階段を降りてすぐESに動線が集約されるという構造は変わっておらず、混雑時でなくてもスムーズとは云いがたかろうと。

…とは当方だけでなく誰もが思っていたことでしょうが、ここに来て、継接ぎだらけの蒲田暫定改良で苦心する京急を横目に、海側への将来移転構想を飛び越えての浜松町大改良をぶち上げたJR-E、さすがお金のある会社は違いますねぇ(しかも蒲田改良度合いからそろそろ京急のほうにも動きがあって然るべきとも思われ、そうなると格好の先制パンチ?)。

注目記事紹介 http://moomoo.gaiax.com/www/moomoo/t/a/trafficmap/diary.html

 まだ「はやて」がトップの-Eプレスリリースですが、数時間内にこの記事のリリースも出るはずです(何故か紙ベースのものはちょこっと見た当方)。
 「通路はJR側からモノレールに乗る側の一方通行にする予定」と紹介記事にありますが、JRホームが2F、JRコンコースが3F、モノレールコンコースが4F(JRコンコースでいえば3.5F部分に相当か)、モノレールホームが5F部分と高々架になっているところ、一方通行ということであればモノレールホーム2面1線の現状乗車ホームである海側にダイレクトに改札および通路を設けるものと推察できます。ただ現JRコンコースよりも上になるということで、1年ちょいでできるものかは微妙…まあ先述の通り、2線対応化含めた旧貨物線(旧カートレインホーム)上部への移設構想がありますから、仮設ないし将来構想対応前提の工事となるのでしょう。

 通路開設に先駆け、7/14から日中通過の京浜東北快速も停車するようになり、利便性向上を訴えています。翻って見ればかの「エアポート快速特急」(今も都交通局通称)も大江戸線開業時に大門停車化されており、曲りなりにも4路線のターミナルですし、東京の次は浜松町という、新幹線客に対するインパクトもあるでしょうから、それはそれで当然の施策とはいえ、導入当初物議を醸した御徒町も大江戸線開業によって実質4路線のターミナルとなっていますから…(尤もあちらは並行3線競合と毛色が全く異なりますが)。エア快然り京浜東北快速然り、流転の結果なれど如何なものかとも…もしや快速扱いは「東北縦貫線」にシフトするという壮大なプロローグ、とは飛躍しすぎかな?

 大塚-E社長は新橋延長にも言及しており、-Eの対羽田施策は今後も目が離せません。

Re:浜松町の「障壁」、改善す?
 投稿者---Tom氏(2002/05/15 22:01:11)

 浜松町は京浜東北線快速が唯一快速らしく高速で通過できる駅であるのに、ここに停車するとなると、快速区間の運転時分が1分以上違ってきてしまうように思います。
 むしろモノレールは新橋が東京駅まで乗り入れし、新幹線や将来東京直通線を介して乗入れる常磐線特急や高崎・宇都宮線などとダイレクトに接続をはかるほうが正論だと思います。

Re:浜松町の「障壁」、改善す?
 投稿者---かまにし氏(2002/05/16 00:23:10)

 私も、浜松町に京浜東北線快速を停車させるメリットについては、甚だ疑問を感じます。城南地区からは快速が停車するしない以前の問題として、品川乗換えやダイレクトに京急の方が速いです。

 あるとすれば埼玉・城北地区からのアクセスでしょうか?京浜東北線が快速だと、「東京とかで山手線に乗り換えるのが面倒だからそのまま品川から京急だ」という人が少なからずいて、その動きを牽制したいのでしょうか?とはいっても、この動きは推測ですがおそらくわずかと予想され、基本的にはあまり納得できません。

 むしろモノレールは新橋が東京駅まで乗り入れし、新幹線や将来東京直通線を介して乗入れる常磐線特急や高崎・宇都宮線などとダイレクトに接続をはかるほうが正論だと思います。

 極めて同感です。ちょっと余談ですが、半年ぐらい前、御殿場駅を利用したときに、羽田空港に行こうという中年女性の一行が駅員に行き方を質問していたのですが、駅員は当然のように品川乗換えの浜松町経由を教えていました。

 もし新橋延伸は金がかかるというのであれば、意外に東海道線の浜松町停車の方がいいのではないかと思ったりもしてしまいます。そういえば、東海道線って「羽田with京急」が少ない気がするし…。

那覇に見る地域内ハブ空港成立の可能性
 投稿者---とも氏(2002/05/09 19:31:16)
 
 http://town-m.vop.jp/
那覇に見る地域内ハブ空港成立の可能性
└Re:那覇に見る地域内ハブ空港成立の可能性
 └論点抽出
 └羽田の発着枠の有効化のためにもハブ化が適切ではないか
  └ハブ化には様々な利点がある
   └ハブ化には様々な利点もあるが…
    └Re:ハブ化には様々な利点もあるが・・・
     └域内ハブを難しくしているのは運賃制度では?
      └域内ハブを難しくしているのは運賃制度と地方空港の方針
制限エリア内店舗充実すべきかは悩ましい

 ともです。
 GWにマイレージの特典無料航空券を使って沖縄に行ってまいりました。

****
 その際、当然のごとく那覇空港を利用したが、沖縄の玄関口として、全国各地からの国内線、そして香港、上海、ソウル、台北など各地からの国際線が集まる国内有数の主要空港。
 しかし、この那覇空港には日本の他の地域ではあまり見られない特徴がある。それが「地域内ハブ空港機能」である。

 国内各地域の拠点空港としては、北海道・新千歳、東北・仙台、関東・羽田、中部・名古屋、近畿・伊丹、関空、中国・広島、四国・松山、高松、九州・福岡などがあるが、このうち、国内の全国移動のハブ拠点となっている羽田、関空、伊丹を除くと、各地域内でのハブアンドスポークネットワークは形成されておらず、ローカルtoローカルネットワークの拡大版としての機能が基本となっている。
 当然、中国、四国、東北などでは域内は陸路移動が一般的であって、航空・陸路のマルチモーダルハブになるべき空港も多いが、なににせよ羽田や大阪及び地方都市間の直行ネットワーク、いわゆる「ローカルtoローカル」が基本の空港が一般的である。
 また、一見ハブアンドスポークネットワークを構成していそうな福岡や千歳も、乗り継ぎ客は特定のルート以外は少なく、乗り継ぎ空港といった機能はおざなりともいえる状況である。
 そんな中、この那覇空港は離島路線中心という特異性はあるものの、各離島便のJTA、ANK便とJAL、ANA,JAS便など本土路線の乗り継ぎ客が多く、またその施設・運用も非常に特徴的であり、まさに地域内ハブ空港機能、乗り継ぎ機能に優れている。

1 到着客と出発客の非分離
 日本の空港の場合、羽田や関空などを除き、出発階と到着階が分離され、場合によっては一度チェックインカウンターまで戻らされる空港もあり、乗り継ぎには便利とはいえない。
 しかし、那覇空港は羽田などと同様に出発階と到着階が分離されていないため、乗り継ぎ客は降機後そのまま自分の搭乗する便の前に行けばよいということになる。
 さらに、乗り継ぎの主たる客層である同一グループ乗り継ぎ(JAL←→JTA,RAC)、(ANA←→ANK)においては同じサテライトでの乗り継ぎとなり、非常に容易に乗り換えが可能である。

2 乗り継ぎに便利なスケジュールと適切な接続時間
 例えば、JTA&JALの場合、メインの路線となる東京・大阪・名古屋・福岡といった本土の路線と、石垣・宮古への路線はほぼ1時間以内での乗り継ぎとなり、ロスを感じさせない。その逆も、またしかりで、非常に使いやすい。
 また、乗り継ぎ自体が一般化しているため空港職員の対応も極めてスムーズであり、ストレスを感じない。
 ANK&ANAでも同様であり、見通しの良いロビー構造とあいまって非常に使いやすい。

3 とはいえ課題もある
 「沖縄のハブ空港」としての機能は十分に果たしているが、サービス施設では日本の他の空港同様課題が散見される。
 乗り継ぎ客もこの空港では自由に出入り可能であるため、仮にフライト間の時間が中途半端にあったとしても、時間をつぶすことは可能であるが、店の多くがお土産物屋であり、那覇経由の客にとっては今ひとつ不満が残る店舗展開である。例えば、東京から2時間半乗ってきて石垣まで乗り継ぐ前に、那覇で日焼け止めでも・・・と思っても置いていない。たしかにコンビニはあるが制限エリア外であり、滞在の短い時間の乗り継ぎ客には使いにくい。
 確かに、接続が非常に良いダイヤ構成をしているため、空港内滞在は限られるが、それでも1時間弱という時間があり、その間のことを考えると、逆にそういった物販店は空港収益向上にもつながり、導入を検討してもらいたいものである。
 例えば、同じビーチ系リゾートの玄関であるハワイホノルルやオーストラリアのブリスベンではシュノーケリングセットにサーフボードまで購入出来るのだ。
そういった配慮がほしいところである。
 また、沖縄線といえども機内食サービスのない日本の国内線事情であれば、那覇到着後に軽く食事でもと考えるのは不思議ではないが、制限エリア内にはスタンド形式のそばコーナーがあるぐらいで、物足りなさを感じる。
 出発ロビーや到着ロビーは評価できるが、制限エリア内にももう少し気を配ってほしいと感じるのは私だけだろうか・・・

4 他の空港の模範となれるか
 地域内ハブが期待されている国内空港といえばなんと言っても千歳である。
 千歳の場合、空路だけではなく、陸路も含めたマルチモーダルハブ機能への発展も期待さる。また羽田−千歳間は4社がひしめく競合路線であるため、安価な運賃とフリークエンシーサービスが実現しており、対照的に衰退しつつある東京−道内各地路線に変わって千歳のハブ機能化は大きなポイントとなる。
 しかし、沖縄の場合にはJTAという沖縄拠点の航空会社の存在がハブ機能の拡充を支えているともいえるが、北海道の場合には拠点とする航空会社が弱く、今ひとつの感がある。
 とはいえ、沖縄においても離島〜東京・大阪間の路線は設定されているが、那覇がハブ機能は有しているように、路線の設定や国、道の考え方がカギであるといえる。

Re:那覇に見る地域内ハブ空港成立の可能性
 投稿者---きりん氏(2002/05/11 21:14:26)

 ローカルとローカルを結ぶ便で国内にハブというものはいらない。
 国土交通省の白書でも指摘しているように今は路線数が年々減少を続けています。その代わり1路線あたりの便数は増えています。
 昔は札幌や広島などという地方の拠点都市にもありました。しかし成田や羽田の拡大(成田は98年にも発着枠の大幅に増やした)の結果地方と地方を結ぶ便が減少した。

 しかし今航空界で注目されているのは便の小型化でありその御地を受けているのは名古屋である。
 名古屋は中日本エアーラインのおかげでほぼ日本全国を網羅できるようになった。
 乗客の利便性も考えて需要の少ないところにもどんどんリージョナルなどを飛ばすべきである。
 国内ハブというのは過去の遺物である。

論点抽出
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2002/05/11 23:35:30)

 リージョナルラインと地域ハブは概念が違いますね。御指摘の都市間国内ハブ拠点はまさしく羽田。しかしながらすべての空港と羽田が結ばれるべきかといえばそうではなく、例えば北海道は1日2往復程度の羽田線に固執するなら千歳との間を結べば実質的な流動増に繋がるのでは?という発想は既にこのBBSでも何度も出てきている論点です。
 NALやJ-Airの動向は当方も注視していますが、どうも運行効率重視で「ネットワーク網」とは言い切れない飛ばし方をしているのではないか、という疑問も持っています。

【北海道】道内航空会社再編の可能性は? log408.html#2

羽田の発着枠の有効化のためにもハブ化が適切ではないか
 投稿者---とも氏(2002/05/12 00:03:02) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 ローカルとローカルを結ぶ便で国内にハブというものはいらない。
 国内ハブというのは過去の遺物である。

 逆です。
 国内ハブという考え方は昔のローカルtoローカルネットワークでさす地方間路線の意味ではなく、基幹幹線路線と地方路線間を結ぶハブ拠点空港のことで、ただでさえ満杯の羽田にB737クラスで日に1便乗り入れるくらいなら、拠点空港(北海道なら千歳、沖縄なら那覇)の乗り継ぎ機能を高め、羽田〜拠点間を大型機材で運行し、拠点空港から同一地域内のローカル空港間は小型高頻度運行を目指すことです。
 現実に、沖縄はこれが成立しています。
 すなわち、無駄に100席クラスの小型機材で羽田や大阪との直行ネットを張るよりも、国内幹線との乗り継ぎによってネットワークの拡充を図るという考え方です。

 例えば、羽田から宮古や石垣の需要を直行便で全てまかなうとしましょう。B737クラスで直行便を設定するとして、最低でも3便程度は必要でしょう。しかし、那覇をハブにすれば東京−那覇間は那覇、宮古、石垣といった離島路線も含めるため高需要になり、B747や777クラスで運航できます。それに接続して離島路線を小型機で就航させれば明らかに便数は増加になり、結果的に利便性は向上します。さらには那覇の拠点性も高まるのです。
 そういった高需要部分を大型機材によって集約させ、フィーダーを小型機でカバーする運航手法のことです。
 これは過去の遺物である地方間路線や経由便の発想とはまったく異なります。

 名古屋は小型機で成功しているのはその程度の需要しかないからです。
 中日本が小型機材で各地に路線展開し、成功していますが、それもあのクラスの機材で十分なローカル線であるからで、同じコトを羽田でやってもできません。
 さらにいえば、名古屋の中日本はまさに域内ハブ的運航形態です。本来まずは成立しないローカルtoローカルではなく、名古屋をハブにした路線網で結んでいます。まさに同じコトを那覇はトランスオーシャンが行い、北海道は行われていないのです。奄美などを受ける鹿児島、東北内をうける仙台などが育てば同じことが可能なのです。

 国土交通省の示す小型機による1路線あたりの便数増加も、乗り継ぎ前提のネットワークになっていることを示しており、これが羽田でしかできない現状が問題なのです。
 例えば需要は少ないであろう広島から稚内などが直行便で1便就航させるよりも、それなりに需要のある広島〜札幌・札幌〜稚内という札幌を軸=ハブにする運航にしたほうが効率的です。
 同じく羽田からでもそれはいえます。

 日本の場合、直行便至上主義的な直行便思想が強すぎです。確かに乗り継ぎは不便ですが、それは乗り継ぎ機能の不便さが原因であって、1便の直行よりも複数の乗り継ぎ利便性の高いスケジュールのほうが効率的なのは明白です。

 これが日本における内外ハブ不成立の遠因ともいえますし、無駄に国際空港が増加していたり、地方空港が豪華になってしまう原因ともいえます。
(域内拠点線だけなら1500mクラス、ジェットでもBAe146やCRJ、もしくはプロペラで十分になり、ボーディングブリッジなども不要になります。)

 アメリカやヨーロッパの事例を見るまでもなく、こういった考え方は実践されていますし、時代錯誤ではなく、あえていえばニッチ狙いともいえるサウスウエストの成功も、このような施策と表裏一体のものであることも事実です。
 羽田に無駄に用意されているともいえる「新規空港発着枠」こそ慢性的混雑の幹線増便の妨げともいえます。

 那覇のような拠点型ハブの形成なくして地方空港や羽田の問題は解決しないと思うのですが私の考えは古いでしょうか。

ハブ化には様々な利点がある
 投稿者---CHIP
(2002/05/12 00:22:03) http://plaza23.mbn.or.jp/~norimono_land/

 確かに沖縄は南西諸島方面へのハブ空港として成立しています。その為、大型機での輸送が可能になるわけですし、さらに需要が高まれば新興航空会社の就航で価格的にも良く場合もあり得ます(現に東京−新千歳・福岡・鹿児島で成立済。また、沖縄にはレキオス航空の参入が予定されている)。
 つまり、ある程度集約し、幹線・準幹線の便数を増加させ、その分ローカルtoローカル路線を縮小させる方がいいのです。また、航空機のビジネス利用も近年増加していますし、東京−大阪線の様なシャトルといった形態もあります。シャトルが象徴していますように、大型機で1便を飛ばすより小型機や中型機で2便飛ばした方が利便性が高まります。現在、各路線でこういった傾向が見られます。それと共に便が朝・夕に集中するという傾向も見られます(日中の機材は割と小型化されている) 。
 現状として、求められている運行形態は地方に拠点としてハブ空港が存在し東京とそのハブ空港が便数多く結ばれ、さらに小都市(ローカル空港等)はその地域の拠点ハブ空港と結ぶという形態なのです。

ハブ化には様々な利点もあるが…
 投稿者---かまにし
(2002/05/12 11:52:24)

 大都市(この場合、羽田)からの少数の直行便がいいのか、地域拠点都市(この場合、那覇・新千歳・福岡など)からのシャトル便がいいのかという議論になると思うのですが、これについては一長一短ではないかと言えるのではないでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを以下のようにまとめてみました。

<大都市からの少数の直行便のメリット>

 例えば東京在住者が特割・超割などを使って、計画的に旅行する(=特定の便にねらって乗る)なら、このケースの方がお得なわけです。

<地域拠点都市からのシャトル便のメリット>

 例えば、一刻も早く目的地にアクセスしたいビジネスユースや、東京・大阪以外の地方都市からの旅行であれば、このケースの方がお得なのかもしれません。

 個別の事例で考えていくと、確かに沖縄の場合、那覇とその周辺の離島は羽田からの距離がかなり遠く、また需要の大きさ・陸路での補完が不可能なことから言っても、直行便を運行するよりは那覇とのシャトル便を頻発させる方が、さまざまな面でメリットがあると思います。

 福岡の場合は、空路によるシャトル便ではなくハブ化が陸路との連携で起きていて、北九州や佐賀へは直行便を乗り継ぐよりも市内中心部へ、最短のアクセス時間で到着してしまう…。

 しかし北海道の場合は、どちらでもない非常に中途半端な状況ではないかと思われます。というのは、函館・旭川・釧路は羽田との直行便をある程度飛ばすだけの需要は今のところ存在しており、特割も設定されているので新千歳経由の方が有利とは言えないこと。沖縄にくらべて羽田への距離は近く、直行便の設定が著しい不効率とは言えないと思いました。また陸路も、旭川へはSWAとの連携で直行便よりも安いケースも出てきていますが、他の地域へはまだまだ直行便が有利のではないかと思われます。

 ただ今回書いていて思ったのは、羽田への直行便にこだわることは、結果的に誰が一番得をするのかというと首都圏在住者なんだなと感じました。そして羽田への直行便にこだわることで、ひょっとすると名古屋や福岡、仙台などからの観光需要を損ねてしまっている可能性があると考えました。この点について、皆さまはどのようなご意見をお持ちでしょうか?

Re:ハブ化には様々な利点もあるが…
 
投稿者---きりん氏(2002/05/12 17:20:31)

 千歳の域内ハブというのは無理な状況だと思います。
 千歳空港のハブ空港化を唱えている人も中にはいますが、それよりも前には足腰を固める事が大事だということ(中国や四国、九州などの便の廃止や運休に追い込まれているなど)でしょう。
 札幌には北海道域内を結ぶ丘珠と千歳という2つの空港があります。そのおかげで千歳空港の乗り継ぎというものも不便ですし、中には丘珠に北海道域内を1本化しろという意見もあります。

 千歳空港と言うのは結構北海道内で乗りつぎには不便な空港であり、中には東京で乗りついだほうがいいものもあります。
 例えば函館便、これは東京のほうが便数が絶対的に多く千歳で乗り継ぐには1日に2便でしかもプロペラ機です(個人的には地球温暖化の問題でなくしたほうがいいと思います )。根室中標津にしても稚内にしても東京と乗り継ぎというものには大差がなく。女満別にしても千歳乗り継ぎのほうがいくぶん便利かという程度といっても地方都市(札幌、広島、福岡、仙台)などを除いた西日本の都市からは東京乗り継ぎのほうが絶対的に便利だといえます。紋別は丘珠にしかなく千歳乗り継ぎというものは不可能ですし、旭川や帯広などというもには列車を使わなければ乗り継がなっければいけないというように不便になっています。
 千歳と東京乗り継ぎというものには相対的に大差はなくこれからも進む鉄道の高速化などという問題を考え合わせれば千歳空港のハブ化というのは難しく千歳から北海道各地に列車でいけるような利便性の追及を図るべきだと思われます。

域内ハブを難しくしているのは運賃制度では?
 
投稿者---Tom氏(2002/05/12 21:28:16)

 域内ハブ化を難しくしている原因のひとつに運賃制度があります。
 道内便についてもかなり高いうえ、乗り継ぎでも単純併算なので、結果として直行便指向になっているわけです。
 例えば、東京−稚内線を廃止する代わりに、稚内−千歳−東京の乗り継ぎ運賃を現直行便と同一水準にする、及び東京−稚内線に利用されている767に代え、A320で千歳−稚内を3便増やせば東京−千歳のフリクェンシーとあいまって更に利便性が増します。
 千歳が道内で乗継不便なのは、運賃の問題で乗継利用者が減る、結果的に道内利用者が中心となり便数が少なくなる、という悪循環の裏返しでしょう。
 東京からの乗継だけでなく、昔のJRのように道内便に対し乗継割引を適用すればまだ利用者が増える余地はあると思います。

 ちなみに、地球温暖化を気にされるならばなくすのは航空機ではなく自家用車の方です。また、鉄道高速化としても新幹線を作れば巨額の建設費がかかりますし、石勝線程度の規格では昔に比べれば大改善としても、航空機と比較するとたかが知れています。
 但し、高速道路と同じく、鉄道も北海道のみのローカルルールを作り(欧州のように地平走行でも踏切は全廃し、ブレーキ規制をなくす)、在来線の最高速度を160-200kmにするという手も考えられなくはないですが。
#在来線高速化についてはここでの議論はなじまないので、やるならば別スレッドにしましょう

域内ハブを難しくしているのは運賃制度と地方空港の方針
 
投稿者---とも氏(2002/05/13 01:30:45) http://town-m.vop.jp/

 ともです

 域内ハブ化を難しくしている原因のひとつに運賃制度があります。
 道内便についてもかなり高いうえ、乗り継ぎでも単純併算なので、結果として直行便指向になっているわけです。

 まさに。
 国内線で乗り継ぎネットワークが形成できない根本ともいえます。
 短距離であってもプロペラコミューターの運航は十分に可能性があり、需要があるのならまだしもないのなら鉄道など陸路との連携を含めハブ化は検討に値すると思われます。

 ちなみに、地球温暖化を気にされるならばなくすのは航空機ではなく自家用車の方です。また、鉄道高速化としても新幹線を作れば巨額の建設費がかかりますし、石勝線程度の規格では昔に比べれば大改善としても、航空機と比較するとたかが知れています。

 自家用車にしても航空機にしても鉄道にしても二酸化炭素排出はあるものです。仮に日に数十人程度の輸送量なら自家用車がもっとも環境負荷が小さく、100〜300人規模なら航空機、それ以上なら鉄道が最も少ないでしょう。
 ですが、これがベストであるとして輸送モードを決定するのではなく、運賃政策や誘導手段によって様々な交通モードをミックスさせる施策、例えば、パークアンドライドなどを浸透させることがポイントですから、航空機ネットワークでも陸路や自動車との連携をやりやすくすることでモードのシフト、ミックス化が進展します。
 それこそ、千歳などは帯広や旭川への鉄道輸送の強化とともに、高速バスや自家用車による輸送強化のために道央道の空港内引き込みなども検討に値します。

 さらには、問題なのが地方空港の方針です。日本の場合、なぜかジェットが前提であり、ボーディングブリッジの設置、ターミナルビルの高層化が前提として語られますが、人口十万規模の都市にある空港でそこまでのスペックを求める国などどこにもありません。諸外国の例を見ても、国内ローカルにはプロペラ機やジェットでも小型のものが使われます。こういった簡素化した施設整備を目指すことも必要でしょう。これに障害なのが東京線や大阪線です。こういった路線さえなければこのような設備の必要はなく、段階整備も可能です。
 1県1空港も問題ですが、その前に空港スペックの過大さも問題です。

 まとまりませんが。それでは

制限エリア内店舗充実すべきかは悩ましい
 投稿者---樫通
(2002/05/12 00:27:44)

 GWにマイレージの特典無料航空券を使って沖縄に行ってまいりました。

★私の場合使おうとすると満席や設定無かったりとかで、ほとんどアップグレード手段と化しているので、羨ましいです。

★お書きになられた内容、ごもっともだと思いますし、特に千歳には期待(あと少々福岡も)しているのですが、制限エリア内の店舗充実については悩ましいなぁと感じます。

★ホノルルの場合、9・11以前の「X線をとおりさえすれば乗客に限らず誰でも制限エリアに入場可能」という規則を前提とした店舗配置だと考えます。9・11以前の記憶ですが、エリア外にはホテル・レンタカー案内ばかりで殆ど店舗が無かったかと思います。

★日本だと「余裕を持って空港へ送っていって、送ってくれた人とX線を通る前に食事」という利用客割合も比較的高いように思います(都市生活者が地方へ行く時にはレンタカー代の高さも一因なのか受け入れ側の地方の方が空港まで送迎し、逆の場合は地方の方が面食らうくらい空港が複雑だからなのかと思います)。この場合制限エリア外の店舗充実が必要です。米国で9・11以降にこのような日本的な送迎を国内線利用客に対してやろうとすると、LAXやSFOのようなそこそこ大空港であっても、制限エリア外にろくな店が無いため策に困ります。

★仰せのとおり土産物屋に偏った店舗構成と言うのも妙だとは思いますが、制限エリアの内外両方を充実させると共倒れのおそれもあり、悩ましいです。解決策としては荷物検査処理能力の拡充で内外の出入りの制約や心理的バリアを下げる事くらいかもしれませんが・・・

★千歳については先のさいたま先生のご提案のように、陸空一体化でハブ機能を充実させてみてはと言う考えを捨てきれません。

こんな展開はいかがでしょう?(JR-H資本傘下 論) log419.html#13

2004.11.14 Update


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