tw
top
  • Log-list on this page
  • 「このバスは急いでいません」~日本平自動車のアタック
  • 藤枝線乗車

トップページ企画一覧特別リポート一覧>551planningリポート20

日本平自動車

「このバスは急いでいません」~日本平自動車のアタック

2015年も暮れようかという12/22(火)、静岡市で新規乗合路線バスが運行を開始しました-日本平自動車が運行する、東静岡駅南口と桜ヶ丘団地・日本平動物園、駿河台・洋光台方面とを結ぶ日中2路線と、静岡駅北口から藤枝駅南口へ向かう金曜深夜1本のみの計3路線です。
本件は2015/01/12付東京交通新聞の報道が初出だったかと。個人的には静岡-藤枝間で深夜バス運行という点で注目していたのですが、暫く続報はありませんでした。10月になって各地に置かれたバス停ポール画像がパラパラと上がってくるものの、「運行準備中」との文字も入っていてなお不透明な状況でした。

その後、ポールにも12/22運行開始との文字が入っていたようですが、当方が確認したのは前日、12/21付の静岡新聞記事で…ちょうど自身公休じゃないか-と思い立ったが運の尽き、もとい、思い立ったが前日というわけで手配に動いた次第。公休とはいえ貧乏暇無なのは変わらず、折角ならと12/01に延伸となったしみずライナー1号JRBK便で三保まで行って、以前から気になっていた三菱地所ブランド1号店なMARK IS 静岡も見に行こう♪、そういえば12/17に搬入されたばかりの静鉄A3000形が見られればラッキーだな…諸々、変わらずの駆け足テンコ盛り行程に。なにより往復トク得割が確保できたのは大きかったなと。

日本平自動車は1996/03創業の貸切バス事業者で、2014年末時点で21台保有。スクールバスや静岡競輪場送迎バスなどを担当し、日経記事によれば業績堅調、16年3月期売上高は前期比25%増の2億円見込との由。2010年にはロンドンバスを直輸入したり、「日本ライダー」なるマスコットキャラクターを持っていたりとなかなかユニークな一面も。
個人的に記憶していたのは、静岡航空サービスが2005/12~2006/05に催行していた「日本平エクスプレス」…静岡県内と東京駅・羽田空港・成田空港等を結ぶ意欲的なツアーバスだったものの圧倒的な知名度不足で惨敗…とは、当事者ブログにて知ったのでした。


日本平自動車

というわけで東静岡駅南口には14時前の到着。開業日の最終3便目を狙ったわけだが、比較的ゆったりとしたロータリーにはしずてつジャストラインのものに加え、JR東海バス&京王の渋谷新宿ライナーに関西方面夜行便のウィラー、そして新参の日本平自動車は、近くの駿府天然温泉天神の湯シャトルバスのものを挟むように2路線で1本ずつ立てるなどと、多彩なポールが集まっていた。
ちょうど側面にピンクのNマークが鮮やかな日本平自動車のトップドア車が通りかかったが、こちらは静岡星光学院の通学バス。こういった形で駅頭での存在もそう珍しくはなさそう。

で、出発まで暫くあるなと他のポールを見廻っているうちに、ちょうどしずてつ日本平線英和学院大学行があるなと…終点の1つ手前が動物園入口なので、コレで移動することに。この時間から講義に出るのか、というくらい、座席が埋まらんばかりの乗り具合にて発車。r407から池田交差点を折れてr74を1ブロック南下するところまでは日本平自動車東豊田線の経路と同じだが、早速長沼大橋南(しずてつ)と東豊田(日本平)でポールの位置にズレが。しずてつ便は東豊田小西交差点を折れて旧道メインな感じ。うち日本平線は日本平パークウェイへと向かってゆく、その入り口に日本平動物園がある。現状しずてつは日祝日のみ正面まで7往復が乗り入れるものの、月~土は400m弱離れた動物園入口が最寄りバス停に(他系統もあり本数は多い)。日本平動物園もサイトに新路線開業を載せているが、東静岡駅からはしずてつ190円、日本平250円で所要時間もしずてつ優位。そもそも日本平便往復利用では1便と3便の組み合わせでないと忙しなくなってしまいそうだが…。

  • Photo:日本平自動車
  • 動物園
    日本平自動車
    日本平自動車
    日本平自動車
    日本平自動車

動物園入口から正門までは緩やかな上り、たしかになんとも微妙な距離感だったり…着いてみて更に驚かされたのが、バスポールがなんとベニイロフラミンゴ!“平均寿命は40年で、鳥類のうち最も長く生きるものの一つである”なる解説文も添えられていたが、てっきり園側が用意したかとおもいきや、日本平自動車自身で据えた由。かつては動物園の入口正面で展示されていた(2007年からのリニューアルの際に奥へ移動)シンボル的存在でもあったとか…。

それにしてもこの時間でもクルマでやってくる家族連れやカップルがコンスタントに現れるのは…こちとら独りで何してんたろ、というタイミングで空色の中型バスが現れてくれた。さすがに到着便から降りる人はいなかったが、当方到着前から待ち侘びていたカップルと地元住民らしき男性が乗車。退園客や何処からともなく現れた地元住民の女性が写真を撮ったり「動物園バスだ!」という声が上がったりと、注目度はかなりのもの。
ダイヤ通りではインターバルがなく出発となるが、後部扉が開いている際に流れる「このバスは急いでいません。ゆっくりとお乗りください」との音声はなんとも新鮮。結局2分ほど遅れて出発、早速あらぬ方向というか、しずてつ便でやってきたのとは全く別方向へと坂を登ってトンネルを抜けると桜ヶ丘団地に。丘上の閑静な戸建て住宅街だが、動物園入口バス停からは最短でも徒歩20分弱はあろうか。不動産紹介サイトでも『自動車がないと少し不便ですが、静かな環境のなかノンビリ過ごせます』とされているなと…住民が一様にバスを微笑ましく見つめてくるのが印象深い。
団地エリアから坂を下ると法伝寺バス停、車内放送には木魚の音? その先の静岡銀行池田支店ではいかにも、というより昨今では古めかしいレジスター音が鳴るなど一捻り加えられている。途中で数人が乗車したが、2か所では時間調整も…なるほど、ダイヤそのものが比較的ゆったりめに取られている様子。車内でも「このバスは急いでいません。ゆっくりとお降りください」と繰り返し流されるだけはある。

さて、東静岡駅南口を挟んで2路線が連続運行されるが、乗り通しはできず一旦精算。次が開業日の最終便となる大谷線、7人ほどが乗り込んで出発。r407を逆方向に進んで、清水銀行東静岡支店でもレジスター音、そして極めつけは静岡競輪場…鐘の音が鳴り響くと、「一発勝負の方は、ここでお降り下さい。幸運をお祈りしています」ときたもんだ! ところで爺様2人が降りていったが、なるほど無料バスはもうない時間帯だったとはいえラスト2走勝負?150円なら意外な需要が拾えるかも?

ここからはしばし独自ルートも、田園風景が続きバス停も1つだけ(ちなみにしずてつとは場所違いで片山バス停を名乗る)。東名高速を潜り、水路超えに右へ左へと進んでしばらくするとしずてつ路線が通るr74を少しだけ通ってから、いよいよ駿河台・洋光台両団地エリアへ。やはりこちらを向く住民の視線がどことなく温かいような…降りる人も今日誕生したことを無論知っていて、運転手氏に声掛けして降りてゆく。それにしてもエリア内でも急坂あり狭隘路あり、運転手氏はなかなか気を使いそうだが、突然海が目の前に見えた時には当方も少しだけテンションが上ったり。
日本平自動車 坂を下ってr74に戻ると最終コース、静岡を中心に愛知・神奈川にも展開するタカラエムシーグループの地場スーパー「フードマーケットマム」の構内に直付けしてから、終点の日本平自動車へと到着した。観光タイプのクルマが居並ぶ中、空色のバスは可愛らしくも見える。

路線のパンプレットでもないかと簡素な事務所の前にいた男性に声掛けすると、『ウチ、(運行が)持ち出しなもんで1部100円になるんですけど…』と申し訳なさそうに云われてしまった。いやいや喜んで買いますよと返すと『3路線のうちどれですか?』と…をっ、実はこの時点まで藤枝深夜便の運行開始日が判然としていなかったのだが、12/25(金)からの運行とここで知ることに。ちなみに男性はどうやら社長氏だった様子、給油だろうか初日の仕事を終えた路線車に同乗して何処かへと走り去っていったのだった。
さて事務所にて路線別となった小冊子を購入。路線図と時刻表、運賃三角表がコンパクトにまとめられていて、“日本ライダー”もしっかりと。なお深夜便ともども回数券もこちらの事務所での販売な由。

***
…それから3日後の夜、静岡駅北口。我ながら呆れるばかりだが、トク得割に加え直前というに安宿まで確保できてしまったことから来てしまったのだった。もともとしずてつが2002年から年末を中心に期間限定で深夜急行バスを運行しており、ちょうどそれの実見も兼ねることに…と、そちらは別掲にて。

日本平自動車

しずてつの計5便は駅前北口ロータリーなどから出発するが、日本平自動車はというと、タクシーロータリーを挟んで西方の静岡中央郵便局脇からの出発。JRガード下に飲食店などが集まってはいるが、駅改札からはなんとも微妙な距離感。ちょうどバス停脇の灯りが絶妙な感じにはなっているものの、いちげんさんにはなかなか厳しい場所…無論日本平自動車側にとってもそうだとは思うが、であるならば過日事務所で購入した小冊子にも場所が示されていないのは…とも。
発車10分前に現れたバスはトイレ無しながら観光タイプ、2人運行は初日というのもあるのか。前面の団体表示枠に藤枝線とあり、側面の藤枝駅南口行表示はステッカーながら、車体の乗合表示もしかと入れられていた。運賃箱は簡易タイプながら、焼津・藤枝とも1200円なのでそう面倒ではないものと。
式典等もなく、当方もしずてつ便チェックがあったので出発を見送ることは出来なかったが、遠目に見て発車早々に車内灯が消されたので、初日はそういうことなのかなと。

改めて藤枝深夜便は金曜夜00:00発1便のみの運行、しかも2015/04にしずてつ中部国道線「深夜急行藤枝号」に先を越されている。そちらがR1経由に対し海側のR150経由、かつ途中降車場所を焼津市中里のみに絞った点で棲み分けが一応できるだろうか…藤枝への到着時刻は日本平自動車の00:45着(駅南口)に対ししずてつは01:05着(駅北口)。JR-C東海道本線終電はというと静岡23:41発菊川行(藤枝23:59着)となっている。
実は日経記事には『終電を逃した通勤客など25人程度の利用を見込むが、(1便につき乗客20人を見込むも黒字化まで相当期間要すると覚悟の)日中2路線の赤字を埋めるには至らない』ともされているが…個人的には、金夜1本のみならば、JR-Cが最近力を入れている、ホームライナー静岡21号(00:39着)接続もどうかな、なんて。ちょっと繰り下げ過ぎるきらいもあるかもしれないが。

***
日中2路線に話を戻して、右図では赤線がしずてつ関連路線(一部)を示しているが、これでも少し判り難いものの、右上の桜ヶ丘団地や、右下の駿河台・洋光台団地と既存バス路線との距離感はお判りいただけようかと。更に高低差が加わる分、住民の要望は切実だったものと。4年前から新規参入の可能性を模索、路線申請から丸1年を経ての開業は関係者の喜びもひとしおと、SBS動画ニュースからも多分に感じられよう。
日経は『高齢化で変わりゆく乗客ニーズを巡り競争が生まれようとしている』『少子高齢化社会が産んだ「新市場」と言えるのかも』と好評価な一方で、静岡新聞では『利用者が少なく収支が合わない地域での運行は難しく「観光バスなどからの参入はほとんど聞いたことがない」』との静岡市関係者と、『「会社と住民の熱意から生まれた路線バス。これから地域で応援していきたい」と運行開始を心待ちにしている』住民代表の声を紹介。地域貢献を-との社長の思いをともに伝えているが、反面御手並拝見感も伺えるような気もしたのだった。

実際、ダイヤは単純3往復、運行そのものには余裕がある一方、運用効率性からか基終点での間を詰めた設定となっていて、ちょっとした買い物や用務時で気軽に往復利用できるかは正直疑問も残ったり。用務帰りの坂登りをバスで-といった利用形態になりはしないかと…まずは現行ダイヤからのブラッシュアップ、更なる展開の有り無しに注目したい。

上に戻る▲

藤枝線乗車

投稿者---川崎京急バス氏 (2016/01/24(Sun) 23:15)

藤枝線深夜バスに乗車しました。

当日は新宿渋谷ライナーで静岡入り。東豊田線、大谷線に乗車した後一旦藤枝駅前の宿へ。
23時頃に宿を出てJRで静岡へ行き、事前チェックしておいた乗り場へ。
5分前にバスが到着、急ぎ撮影しているとどこからか同好と思われる方が現れやはり撮影開始。他にも乗客がと思いきや、すぐに去って行ってしまいました。
運賃支払いの際100円玉1枚が足りずに両替となったのですが、クラシカルな運賃箱故ドライバーさんの手を煩わせることになってしまいました。
結局貸し切りで出発。深夜で真っ暗なうえ土地勘もあまり無いのでどの辺を走っているのかイマイチはっきりせず「中里通過します」のアナウンスで大体この辺かなと。
順調な走りでしたが藤枝駅にはなぜか5分の延着。ダイヤがキツいのかな?バスはすぐに走り去って行きましたが大谷の車庫まで回送ですかね、ご苦労様です。
降車の際ドライバーさんに確認したところ当方が藤枝線の乗客第一号だそうで内心ガッツポーズしてしまいました!

週一回の運転で乗り場も離れているのでやはり知名度がといったところでしょうか。しずてつ便に乗っている人が「あっちにもっと早く藤枝まで帰れるのが有るよ」となれば良いのですが。

Re: 藤枝線乗車

投稿者---551planning (2016/01/28(Thu) 12:20)

川崎京急バス様、御無沙汰しております。そしてまぁ…人柱お疲れ様でした!
運行4回目にして初乗車…ということですよね?なかなかな。初日は2人乗車でしたがこの日はワンマンで?車内に降車ボタンはなかったですよね?

個人的にはいっそ時刻を下げたほうが…とも思いますが、なにはともあれまずは知名度と、できれば静岡エリアでの停留所増でしょうねぇ。

Re: 藤枝線乗車

投稿者---川崎京急バス氏 (2016/02/02(Tue) 19:31)

551様、レス遅くなりました。
ドライバーさんはワンマンでしたね。乗ってくるとは思っていなかったのか「ホントに乗るの?」みたいな顔されましたが。
降車ボタンは・・・ハッキリとは覚えてませんが無かったような。まあ専用車でしょうし、乗車時に確認されたので必要無いといえばそれまでですが。
バス停は中心街にも設置できればベターなんでしょうけど、しずてつとの兼ね合いとか有るんですかね?なんせ駅前があそこの位置ですから。

全くの余談ですが日本平動物園バス停に有るフラミンゴは円谷プロの手によるものだそうです。


最新情報は【検証:】Wiki-日本平自動車のアタックにて
ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

上に戻る▲

アクセス解析

Valid XHTML 1.0 Transitional

正当なCSSです!



copyright © 1998- Unlimited Liability Company 551planning All rights reserved.

テンプレートのpondt