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就航を祝って…

波煙に虹は見えるか…ジェットフォイルで行く東京湾内航路乗船記

大粒の雨が降り止まない日曜早朝のJR浜松町駅。空路利用客を背に人影の少ない北口へ向かうと、改札口前に掲出されているのは竹芝桟橋からの「本日の出航船ご案内」。大島をはじめ伊豆七島への船便や東京港クルーズ船が書かれている中に「千葉・横浜」の文字が!…ついに「東京湾トライアングル航路」の実現か?

首都圏の八都県市(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県、横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市)は首都圏の広域観光振興を目指し4年前から各種調査研究を実施。昨年11月に「Discover首都圏'07-21世紀の船出プロジェクト-」として企画合意し、今年8月以降、5つのプロジェクトを展開しています。
タイトルに「船出」とあるように、東京湾を活用した観光ルート開拓としての運航実験がメインプロジェクトとなっており、民間の旅客船運航会社5社からプロポーザル方式で選定した8つの運航実験を9月~11月に実施。そのひとつが「東京湾の大都市を結ぶ高速船運航」として、東海汽船がジェットフォイルを東京-千葉-横浜間に運航することとなったのです。
 

…正直、当方このプロジェクト自体まったく耳にしておらず、運航当日の3日前に交通新聞メールで知った次第。09/30の1日きりとあらば乗るしかないでしょと思いつつ、当日起きてみれば冷たい雨。どうしようか迷った末、東海汽船の運航状況テープ案内にTEL。朝の大島行きは直行便が欠航、久里浜および4島経由便も利島は欠航、新島・式根島・神津島は条件付運航となるなど、やはり影響が出ている様子…しかし「臨時便の千葉・横浜行は予定通り運航します」ということで、意を決したのでした。


セブンアイランド

浜松町駅から歩いて竹芝客船ターミナルへ。当方がここから大島に旅立ったのは子供の頃の1度きり、その後、隣のホテルなどを利用するので何度か立ち寄ったことはあるものの、とんと縁のない場所ゆえ新鮮です。早朝とあって人影はまばら、受付窓口の横にテーブルが出されており、そこが今回の運航実験便の受付でした。早速乗船券を購入、今回のために印刷された本格的な券です。十数人の氏名等が打ち出された紙の下部に聞かれた氏名だけ書き込まれ、乗船名簿の記入はなし…万が一何かあったら?という思いがちらとよぎります。書類を受け取って手続完了。
待合スペースをひとまわりしているうちに、08:00発の大島行の改札。ざっと50人ほどが乗り込んで行ったでしょうか。すると待合所に掃除機のスイッチを入れたかのようなモーター音?が響きました。これがジェットフォイルのガスタービンエンジンの駆動音-力強さを感じます。大島行の出航案内が繰り返された後、駆動音が遠ざかり、待合スペースに残るは20人に満たない数に…うち気の早い5人ほどが改札前に並んでいます。それとは別に運航実験の模様を撮るのかTBSのTVクルーが待機。関係者と思しき背広の方々も行き交います。当方は受付時に渡されたアンケート用紙をチェック。

■東京(竹芝桟橋)→千葉(中央港)

と、お呼びがかかりいよいよ乗船です。10人ほどとなった列に加わり桟橋へ、横をカッパ姿のTBSクルーが走ってゆきます。船は3隻あるジェットフォイルのうち「虹」。タラップから2F席に乗り込み、左舷窓際席を確保。その後船内を簡単に巡りましたが、2Fの窓際席がさらっと埋まる程度の乗り…天候含め予想通りではあったものの、ちと寂しい初便となりました。桟橋側は見られなかったのですが、花束贈呈も行われた様子、クルーが乗り込み、5分遅れで出航となりました…ちなみにTBSクルーは外でお見送り。その結果は下記リンクとなっていますが、「家族連れや船のファンらおよそ300人が乗り込みました」というのは予約ベースでしょうかね?

さて当方、ジェットフォイルはかつてのK-JET(関空-神戸ポートアイランド)に乗船経験がありますが夜間だったこともあり、今回は先ず景色を楽しみにしていました…が、窓には雨粒がびっしりとつき、視野はあるものの写真撮影に難儀。あと乗船時には結構左右に揺れましたね。水中翼が仕舞われている艇走状態では不安定とされていましたが、神戸のときやこのあとの千葉・横浜下船時にはさほど感じなかったので、波の状態でだいぶ変わるということなのでしょう。
出航後、レインボーブリッジを潜るまではゆっくり、その後準備作業の後翼走状態となり、次第に速度を上げてゆきます。最終処分場を眺めていると、右舷には羽田空港のパノラマが。その後は東進、乗り心地も安定するも、舫っている貨物船を時折掠めつつも、視界は拓けず…景色は楽しめなかったものの、時折入る自動アナウンスに耳を傾けていると、羽田、浦安、三番瀬などがちょうどいい文量で紹介され、最後には千葉港の紹介も。わざわざ今回のために録られたもののようです。

セブンアイランドセブンアイランド

そこでも紹介されたポートタワーの菱形柱が見えてくるといよいよ千葉港、速いものです。客室内の速度表示が最高の80.2km/hを示した後に減速、作業の後再び艇走となり、ゆっくりと中央港岸壁に到着。車数台とぽつんと置かれた東海汽船のタラップがお出迎え、雨の中待ち侘びた感じの数人の作業員が接岸作業を行いますが、さすがに慣れないためか時間を食いました。結局定刻到着となった千葉で下船は3人、「連絡バスで千葉みなと駅までお送りします」とのことでしたが、バスは見当たらず、雨の中倉庫の軒下で雨宿りにならない感じの待機を強いられます。

■千葉(中央港)→横浜(ぷかり桟橋)

当方含め大多数…といっても十数人はこのまま横浜まで乗り続けることとなり、船内で改札。こちらもしばし待機となるようなのでお願いをしていったん降りて撮影を…と、やおら千葉中央バスの路線車が登場。見れば車内には乗客満載!急いで先に乗船して待ち受けると、あれよあれよの間にバスを降りた乗客が続々と乗り込み、船内も7割以上の乗りとなりました。ツアコンもいらっしゃったので、パッケージツアーが組まれていたようです。
その後船内でポートクイーン千葉2人の花束贈呈があり、クイーンの見送りを受け定刻から数分遅れで出航。ずいぶんにぎやかとなった船内からも手が振られます。当方今度は1F左舷窓側席に移り、海面に近い位置から翼走への移行動作を見極めようとしましたが、気づいた時には浮いた感じに。前席のオジサンも注目していた様子ながら、「いつ変わったかなぁ」というほど、船体にショックがあるわけでも、高さが大きく変わるわけでもないままとは少々拍子抜け…ただし、船体の安定感は格段に違います。
そのオジサン、「多分アクアラインの下潜るゾ」と云っていましたが、当方もそれを期待! 市原沖の京葉シーバースを左奥に見ればアクアラインももうすぐ…と、自動アナウンスに促され右舷を見れば、川崎人工島・風の塔がかなりの迫力で過ぎ去ってゆきました…あらあら、今回もきっちり最短ルートでしたか。海ほたるも波煙の遠くに霞んで見えるかどうかに終わり、最大の見せ場を失った?左舷は時折通り過ぎる大型貨物船くらいしか楽しみがなく、気づけば横浜ベイブリッジが見えてきました。1時間20分はあっという間です。

セブンアイランドセブンアイランド

マリンシャトルやシーバスが行き交う横浜港の外景を楽しみ、ぷかり桟橋に10分早着。さぁ下船をと、乗船口前でまず横浜観光親善大使からの花束贈呈が行われ、船内からもフラッシュが多く焚かれました。ようやく下船となりましたが、雨風強く、大半の下船客は待合所に避難する形に。中ではこれから乗船する100名近くが待機中で、かなりごった返すことと相成りました…その後乗船客が誘導され、東京に向け定刻に出航してゆきました。


TBS報道でも「利用者アンケートなどから実用化を…」されていましたが、アンケートの主要質問はこんな感じでした。

・今回の運航実験の参加目的(複数回答可)
  観光   移動手段として  クルーズを体験してみたかった   通常運航していないクルーズだから
  ツアーの他の行程に興味があった   その他

・今後、ジェットフォイルによる今回の航路での新規航路開設を期待するか
  期待する  /  期待しない  /  どちらとも言えない (それぞれ理由があれば明記)

・今回の航路以外で、ジェットフォイルによる新規航路が期待される区間があれば
  具体的地名(川崎、横須賀、木更津、舞浜…)で

・ジェットフォイルによるクルーズはどのような利用に適しているか
  通勤(ビジネス)  /  出張等(ビジネス)  /  観光

・乗船料金について
  安い  /  適当  /  高い
 高い場合いくらくらいが適当か
  東京~千葉 陸上交通費620円  千葉~横浜 同1050円  横浜~東京 同450円

・今回利用した船着き場(桟橋や乗船ターミナル)の雰囲気は
  とてもよい  /  よい  /  まぁまぁ  /  悪い  /  とても悪い

・船着き場やその周辺にあったらよいと思う施設は
  雨・風を防ぐ屋根や壁  ベンチ  段差のないスロープ  地域情報案内・ガイド  駐車場・駐輪場
  緑地・公園  鉄道・バス等の他の交通機関  情報機器  商業施設・飲食店  その他

・最寄り駅からのアクセス時間はどのくらいが限度か
  徒歩5分以内  /  10分以内  /  15分以内  /  15分以上でもOK

・船着き場内またはその周辺に何があれば、船に乗らないときでも船着場を訪れたいと思うか(自由回答)

 

それぞれの設問に今後のヒントがあるとは思いますが、その前にやはり今回最大のネックは高い!ということ。東京~横浜2130円、東京~千葉2240円、千葉~横浜2580円と、往復で5000円近く掛かるのはなんとも…定期便の東京~久里浜が4250円、試験運航から季節運航に定着しつつある東京~館山が4600円ということで、基本運賃で計算されていることは判るにせよ、試験運航ということでもう少し勉強してもらっても良かったのかなぁと。ちなみに去る09/18にはさるびあ丸にて同航路を1周するエンターテイメントクルージングが運航され、「どこから乗ってもワンドリンク付2000円」となっていたわけで(なお、定期船では東京~横浜1460円)。

あとはやはりジェットフォイルが湾内航路に適しているかということ。燃料の問題もあるでしょうし、キャパ的にも離島航路や国外航路など、現状の活用法があっており、仮に東京湾内で…というのなら、関西空港や中部空港アクセスのような双胴型高速船のほうがまだ、となろうかと。なお昨年4月のトッピー事故、さらに今年5月のセブンアイランド愛事故を受け、シートベルトの着用をしつこく確認しているほか、1F前面の窓ガラスが鉄板で塞がれるなど、万全の安全対策を売り物にしてきたジェットフォイルの1つの限界点をも見たような気がしたのでした。

セブンアイランドセブンアイランドセブンアイランド

ともあれ、今回の運航実験が「東京湾トライアングル航路」可否に向けた大きなターニングポイントになろうことは明らかであり、今後を注目したいと思います。

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「東京湾トライアングル航路」の可能性

投稿者---551planning(2005/11/19 19:30:22)

横浜と羽田・浦安を結ぶ「東京湾トライアングル航路」構想というものがあるそうで。当方は11/15付日経朝刊記事(Web未掲載)で初見だったのですが、2008年には就航させたいとの由、かなり本格的なようです。

計画を見ると、寄港地として横浜はMM21地区の新港埠頭客船ターミナルを活用、羽田は国際線ターミナル予定地脇(旧羽田東急ホテル付近)、浦安は浦安マリーナ拡張に合わせた鉄鋼団地再開発での新設を予定。まずは横浜-浦安航路を2008年4月以降のなるべく早い時期に開設、羽田寄航は再拡張完成後の2009年度以降実施を目標としているとか。高速客船2隻で横浜-浦安間を60分で結び、1日8往復、年間134万人の乗船客を見込む由。総事業費は約25億円必要との試算もあります。

実はこれに似た航路が以前あったことを御承知の方もいらっしゃるのでは?…横浜(MM21ぷかり桟橋・大桟橋)と船橋(ららぽーと桟橋)・東京(日の出桟橋)・八景島シーパラダイスを結んでいたコーストウェイズです。横浜-船橋航路は1989年夏のららぽーと桟橋完成から運行され、乗船時間100分、1日1往復で、建設途上だった東京湾アクアラインクルーズも盛り込まれる観光色の強い内容。東京-横浜-八景島航路や東京発着の海ほたるクルーズなど最大4隻を擁し東京湾を彩っていたものの、横浜-船橋航路については2000年11/26で廃止、会社自体も2000年度で清算されている様子です。船も転売されていますが、その後もあまり芳しい航海は送れていないようで…。

同会サイトでも多少触れられていることから、その辺りの分析はなされているものと。もちろん、なんといってものTDR直結に、羽田では国際線ターミナル至近にすることでインバウンド需要も見込んでいる様子。ただそれにしても桟橋・ターミナル整備が厄介そうです。
 機会があればまとめてみたいと思っていますが、広島や新潟、福岡などで河川輸送への取り組みが盛んになりつつもあり、都心域航路の可能性について当方も昔に羽田ベースでの可能性を模索したこともあることから注目したいところですが、なにぶん需要予測が難しそう。クルージングなど観光色や貸切需要を当て込みつつ、災害支援をアピールして意義を強調しているのはその表れとも取れてしまいます。まずは大口スポンサー頼みでしょうが…。

Re:「東京湾トライアングル航路」の可能性

投稿者---荻窪塚氏(2005/12/12 09:46:00)
http://www.geocities.jp/kkbb557/top.htm

瀬戸内海に比べ東京湾で定期旅客航路を定着させるのは並大抵のことではありません。
船橋-横浜航路の会社もバブル期に木更津-横浜間の通勤にも使える航路の開設を模索していたようですが結局実現されませんでした。

昭和40年代に富津-横須賀、五井-川崎、木更津-横浜の航路が消え唯一残っていた東京湾フェリーも、サイトによると船舶修理との大義名分ですが、アクアラインが開通10年目で6000円に値上げされるのが本来の事業計画だったのがETCでの2400円の通行料金常態化、更には原油高により、どうも45-60分間隔での通年2隻運行も視野に入れているような感じを受けます。

東海汽船の竹芝-館山75分の大島航路の定期化を訴えている館山市の要望もあるのですが、これは実現されると鉄道やバスより40分以上早いのでかなり実用的になるかと思いますが、東京湾内での旅客航路の開設及び発展はなかなか難しい部分があるかと思います。

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今年も出航!東京湾ジェットフォイルトライアングル

投稿者---551planning(2008/09/24 09:57:44)

そういえばもう1年になるんですか…東海汽船「セブンアイランド」による東京-千葉-横浜間運航企画が今年も行われるそうで。

当方が知ったのは関東運輸局のリリース(をベースにしたNHKニュース)からだったのですが、東海汽船サイトでは結構早くから出ていたようで。
で、東海汽船では昨年度さるびあ丸とジェットフォイルの運航をしていたのですが、今年も両者実施。しかしさるびあ丸運航は09/16に実施済みでした…ちなみに昨年はワンドリンクつき2000円だったのが、今年は500円船内フード券つき2500円と値上げ。しかし!ジェットフォイルはやっぱりなというべき全航路2000円均一に値下げが図られています(昨年は東京~横浜2130円、東京~千葉2240円、千葉~横浜2580円)。

その上、運航が実質5日間に拡大されています。
まず、平日ながら10/06(月)・/07(火)で一般旅客運航が行われ、10/14(火)~/16(木)には読売旅行主催によるツアー運航も。ツアーは「高速ジェット船で訪れる京葉工業地帯工場見学」として昨今静かなブームとなっている産業観光が絡められており、サッポロビール千葉工場&JFE製鉄工場がセットまたは単発でも対応可能な複数コースが組まれています。
一般旅客運航は昨年の東京-千葉0.5往復、千葉-横浜1.5往復、横浜-東京1.5往復から、千葉-横浜2.5往復&横浜-東京0.5往復に変更。ツアー運航は東京-千葉1往復ですが、東京からは船橋市にあるサッポロビール千葉工場に直付けの上、見学後千葉中央港まで移動する変則航路になっているのにも注目でしょうか。

***
Discover首都圏-21世紀の船出プロジェクト-サイトでは、昨年度の実施結果報告が出ていました。
東京湾旅客船運航実験は、東京湾では初めてとなる航路を中心に5社8航路で実施され、合計1745人が参加。うちさるびあ丸クルーズは目標1100人のところ941人が参加したものの、ジェットフォイル乗船は235人。旅客定員が260人であることを考えると、率直に言って惨憺たる結果といえようかとも…TBSニュースでは「300人が乗船」とも言っていたのですがねぇ。当方が乗船した千葉→横浜航路ではそこそこの乗りだったとも感じられたのですが78人、逆に言えばあれがMaxだったことに。横浜ぷかりさん橋では大勢の出迎えを受けた印象があったのですが、実際の乗船者数は少なかった様子。
まぁ、確かに昨年は悪天候でしたし知名度もほとんどなかったところ、今年は早くも10/06千葉→横浜の1便が満席になっているとのこと、期待されますね。


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