【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.049)
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優先席増設の前にやることはないのか?
 投稿者---Tom氏(2001/11/30 08:44:37)
優先席増設の前にやることはないのか?
└優先席=日本の恥ということのほうが重要では
 └Re:優先席=日本の恥ということのほうが重要では
 └優先席という発想
 └CSを総合的に考えないJR-Eは民間企業失格!
  └論より証拠というけれど…。
   └JR-Eをどこまでならかばえるか
    └Re:JR-Eをどこまでならかばえるか
    └Re:JR-Eをどこまでならかばえるか
     └Re:JR-Eをどこまでならかばえるか・・茶々で失礼

 JR-Eの優先席増設のニュースが朝のNHKニュースにて流されていました。
 それによると、本来優先席に座るべき人が優先席に座れない現象が発生しているため、1両あたり3席から6席へと増設するそうです。
 乗客のマナーの問題はありますが、事の本質はそんなところにあるのではなく、JR-Eの場合は6扉車の増加や中電区間の4扉オールロング化など座席を減らす政策をとっていることに真の原因があると思います。

 中電区間については通勤混雑も激しくなっており、ある程度の4扉車の投入はやむをえないとは思いますが、全てを4扉車にする必要などありません。京急のように運用の工夫をすれば、例えばクロスシート車をラッシュ時には逆方向で運用することで快速など比較的長距離を走る列車については多座席タイプの列車を走らせることは十分可能です。
 埼京線にしたって、混雑が激しいから6扉車を2両投入しますといわれても、利用者の感覚からするとサービス改悪としか映りません。本来は増発か、埼京線のように増発が困難な路線の場合は編成両数を増やすことによって賄うべきでしょう。りんかい線が10両対応とはいってもまだ建設中の区間も多いため、今からでも15両対応に改造するなどの手はあるはずです。
 また、JR-Eの場合は、高崎線などの日中において1両当り座席数が減っているにもかかわらず、平気で10両の快速を走らせていますが、あれだって快速だけでも15両化することによって立席客を大幅に削減することを検討すべきでしょう。

 そういう環境の下でああいうニュースを聞いても「はいそうですか、それはいいことです」とはとてもいえません。
 弱者に席を譲ることは当然としても、JRへ座席減に対する抗議の意味を込めて、快速アーバンが4扉車10連で、かつ熊谷から座れないときは新聞紙でもひいて床に坐ってやろうかと考える今日この頃です。

優先席=日本の恥ということのほうが重要では
 投稿者---とも氏(2001/11/30 23:12:36)

 ともです。

 乗客のマナーの問題はありますが、事の本質はそんなところにあるのではなく、JR-Eの場合は6扉車の増加や中電区間の4扉オールロング化など座席を減らす政策をとっていることに真の原因があると思います。

 そうでしょうか。これをJR-Eの座席を減らしていることが悪いというのなら、私鉄各社の遠距離ロング運用はどうなるとなります。西武の三峰口への2時間半ものロング運用や小田急の箱根湯本急行なんてとんでもないものになります。
 それが真の原因であれば昔はどうなのかということです。さらに言えば山手線や中央快速、京浜東北では問題にならないのかということです。

 なにが原因か。
 それは、乗客のマナーです。そもそも「優先席」が存在することが不思議な話なのです。障害者や高齢者、妊婦、けが人に席を譲る。当然のことです。それをできないことが問題なのです。
 確かに、こういった「交通弱者」側にたった人の中には優先席は当然という人もいますが、それは特別視しているからであって、譲ることが当然の世の中ならばそんな議論はおきません。
 少なくとも、車椅子スペースを除き外国で優先席を見たのはソウルだけです。
 まずはそこが問題なのでは?

 中電区間については通勤混雑も激しくなっており、ある程度の4扉車の投入はやむをえないとは思いますが、全てを4扉車にする必要などありません。京急のように運用の工夫をすれば、例えばクロスシート車をラッシュ時には逆方向で運用することで快速など比較的長距離を走る列車については多座席タイプの列車を走らせることは十分可能です。
 埼京線にしたって、混雑が激しいから6扉車を2両投入しますといわれても、利用者の感覚からするとサービス改悪としか映りません。本来は増発か、埼京線のように増発が困難な路線の場合は編成両数を増やすことによって賄うべきでしょう。りんかい線が10両対応とはいってもまだ建設中の区間も多いため、今からでも15両対応に改造するなどの手はあるはずです。

 乗客によって考え方が違いますから一概には言えませんが、今の首都圏の人の動きを考えれば不可能に近いです。昔はある程度ラッシュが集中していましたから、それなりのダイヤの工夫で解決できました。
 しかし、今の首都圏の場合、鉄道分担率の上昇(本当に上昇しています)とともに混雑の高い位置での平準化がされ、逆輸送投入などが不可能に近くなります。たしかに、運用を相当工夫すれば高崎線や宇都宮線の快速は3ドアセミクロスにできるでしょう。ただ、それには運用の制約が今以上に生じることをどこまで許容できるかということもあります。

 短距離利用者が増大している以上、JR-Eの判断は今の時点では間違いとまではいえません。例によく出てくる関西圏のように需要が一定方向に集中せずに、うまく輸送計画が練られる(もちろん大阪への集中が超過しているが)ところであればいくらでもできますが、首都圏では今の施策で乗り切るしかないでしょう。

 解決策は周辺都市への適切な分散しかないのかな・・・

Re:優先席=日本の恥ということのほうが重要では
 投稿者---brother-t氏(2001/12/01 00:34:15) http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 こんばんは、brother-tです。

 う〜ん、個人的には所要時間2時間を乗り通す需要がある程度望まれるようなケースの場合杓子定規に反対する気は無いですがロングシートは避けた方が良いと思います。そう言った意味では私鉄の長距離ロングはあまり良い事では無い事で西武に関しては飯能以遠でクロスシート車が走ったり、そのクロス車が無理をして池袋まで乗り入れてくるケースもあったりと気を使ってる様に感じます。そして中央快速や山手線では電車区間という事で少なくとも1時間以上乗る人はほとんどいないからこそ4扉ロングと取るのが自然でしょう。

 なにが原因か。それは、乗客のマナーです。そもそも「優先席」が存在することが不思議な話なのです。障害者や高齢者、妊婦、けが人に席を譲る。当然のことです。それをできないことが問題なのです。(中略)少なくとも、車椅子スペースを除き外国で優先席を見たのはソウルだけです。まずはそこが問題なのでは?

 確かに気持ちは分かります。ある落語家(確か立川談志だったと思う)が「今の若い衆には見栄が無い、俺らの若い頃は路面電車では座らないのがかっこいい…」と言ってました。 尤もだと思います。とは言えこの言葉は逆説的にマナーではこの問題は解決しないと言ってると僕は思います。と言うのは路面電車だったら乗ってる時間はせいぜい2〜30分、距離だったら10km位と言った所でしょう、確かにその距離だったら僕でも立ってるかと思います。しかし距離50km、所要時間1時間以上位が乗客の主となる中電でそのマナーを当てはめるのには無理があると思います。確かに外国ではそうなのかもしれませんが、その前に50Km、1時間以上も痛勤電車に揺られるケースがあるかを考えてから考えた方が良いのではと思います。

 今の首都圏の人の動きを考えれば不可能に近いです。昔はある程度ラッシュが集中していましたから、それなりのダイヤの工夫で解決できました。しかし、今の首都圏の場合、鉄道分担率の上昇(本当に上昇しています)とともに混雑の高い位置での平準化がされ、逆輸送投入などが不可能に近くなります。たしかに、運用を相当工夫すれば高崎線や宇都宮線の快速は3ドアセミクロスにできるでしょう。ただ、それには運用の制約が今以上に生じることをどこまで許容できるかということもあります。

 一見もっともに見えますが、その前にJR自身がランダムなダイヤを組んで運用を複雑にしてるように見えます。それを改善した上でクロスシート車を投入し、4扉ロングシート車と2種類の車両で運用するくらいだったら今より返って単純になりそうな気がするのですがどうでしょうか?

 短距離利用者が増大している以上、JR-Eの判断は今の時点では間違いとまではいえません。例によく出てくる関西圏のように需要が一定方向に集中せずに、うまく輸送計画が練られる(もちろん大阪への集中が超過しているが)ところであればいくらでもできますが、首都圏では今の施策で乗り切るしかないでしょう。

 気持ちは分かりますが、湘南ライナーのため本数が少ない横須賀線や武蔵野線の「混雑率が高いのにその本数?」と言うのを見ると正直うなずけません。しかも国鉄倒産の背景等を考えると尚更です。

 解決策は周辺都市への適切な分散しかないのかな・・・

 う〜ん、これも武蔵野線・南武線・横浜線の状況を見ると返ってひどい事になりかねないような…、
 なんか反論ばかりになってしまいましたがこれにて失礼します。

優先席という発想
 投稿者---551planning(2001/12/01 02:09:16)

 議論の方向性として分けておかねばならないのは、とも様が云うとおり、ハード的「着席提供」というポイントと「優等席」というソフト面での存在価値です。着席提供に関しては以前も議論しており、今後も盛り上がりそうなネタであるので、ここでは優先席のほうのみの返信とします。

 手前味噌で恐縮ですが、約2年前に当方が指摘したとおり、昨年4月から阪急電鉄が導入した全座席優先席という考えを置いてほかに得策は無いように思います。それだけ、「席を必要としている方」に譲るという行為は至極当たり前ではないでしょうか。

シルバーシート(優先座席)の功罪 log002.html#4

 ただし、上記記事中でも指摘している通り、優先座席という発想は路線バスにおいてすっかり定着しているといってもいいかと思われます。東京圏を中心に進行方向左側前部数席は優先座席として確保されており、着席のし易さおよび座席スペースの有効活用でロングシート化されたのも珍しくなくなりましたが、それゆえに鉄道と違って「専用席」的な印象が強くなっており、立ってでも優先席には座らないという傾向も多く見られます。
 バスと鉄道で対応の違うものとしては、車椅子移動への対応でしょうか。着座席確保とスペースの兼ね合いから跳ね上げ式シートとして工夫されているバスと、ただ単に座席を切り欠いてしまう鉄道…しかし実際利用するとなると、ノンステ化が進んだとはいえ、ハード面・ソフト面(特に条項の対応が運転手中心になってしまいがち)ともにまだまだハードルの高いバスと、必ず複数の駅員・乗務員のサポートが得られやすい鉄道という、利用可能性に即した対応とも云えなくは無いですが、「着席提供」というサービスの観点からは鉄道側の対応は安楽的過ぎます。

 ハードとして区切る、あるいは分離するということばかりが先行している感が否めないと思います。バスにおいて優先座席は成功したといえると思いますが、では他の席ではどうでしょうか…。上記記事では京王の車内掲出マナーシールについて好感を持っていましたが、各社に拡大した今となってはマナー (特に携帯電話)に関する案内放送に次いでしつこさというか、ここまで云わなければ…という思いを抱かせられます。各社工夫を凝らす携帯電話にしてもしかりかもしれません。もっともこれはもはや事業者レベルでの域を越えているのですが…我々利用者の、というよりも、人としての問題であると考えます。そしてこれは「着席提供」論における鉄道会社側の怠慢的な行為とは話を異にするものだと考えます。

CSを総合的に考えないJR-Eは民間企業失格!
 投稿者---Tom氏(2001/12/04 21:34:53)

 Tomです。

 利用者の弱者へのいたわりの心の欠如という点に関しては同意いたします。
 この問題については2つの問題・・「優先席の存在がないと席を譲らなくなってしまった文化」と「座席数を削減するJR-Eの政策」の2点があるのは先刻承知しています。
 但し、前者の問題について、座席の少ない車両を投入しておきながら昼間も増結すらしないJR-Eに「弱者優先です。席をお譲りください」とはいわれたくないというのがいつわらざる心境です(アンタにいわれたくない、というやつです) 。

 JR-Eのプレスリリースでは「まず山手線から実施」となっていますが、NHKによると主要線区に拡大するそうな。
 もし、それを実行するならば、東京を起点に1時間以上運行する高崎線のアーバンや宇都宮線のラビットについては供給座席数の増加を図ってほしい。4扉主体ならば昼間でも15両で運転していただきたいと思います。
 私のように新幹線定期があるため常に新幹線を使える者はともかく、そうでない人は熊谷付近から東京へ行くのにアーバンを使いますが、既に熊谷から坐れないことが多いです。
 1時間も立ち席を強要する会社にCSなどあるのか? また、そういう会社がマナーを云々する資格があるのか? そこが問題です。
 もし、アーバンなどでロング10両を主体とするならば、「座席は弱者の方にお譲りください。但し、長距離乗車の方は新聞紙などを敷き床に坐っていただいても結構でございます」ということになるのでは?
 ただ、高崎・宇都宮以南の新幹線特急料金をカンテイカイ(定期券用新幹線特急回数券)の1枚あたりに相当する950円にまで引き下げ、「たにがわ」に誘致させられれば多少は話が違ってくるでしょう(更にその場合、東京−熊谷・小山の新幹線特急料金はB特急50キロ以内と同額の500円から750円程度が望ましい。ならばアーバン/ラビットが10両ロングでも文句は言うまい) 。

 要するに、JR-Eは経済合理性の追求が主になっていて乗客サービスがなおざりになっていること、及び個々の政策に整合性がないことが問題だと思います。
 JR-Eも個々の職員は一生懸命にやっている人が多いと感じられるんですけどね・・・。

論より証拠というけれど…。
 投稿者---551planning(2001/12/04 23:58:44)

 どうも、551@まずはごめんなさい。
 折角の議論スペースながら、レンタル元の都合とはいえ、丸2日半に渡って接続不能状態となりましたこと、御覧の皆様にお詫び申し上げます。
 これに懲りてもう見ない、書き込まない…などと云わないで下さいね!

 さてさて、Tom様の仰ること、確かに尤もです。
 対極と云えるかはさておき、着席サービス向上を掲げて積極的に増結をしているのが京急ですね。土休日日中の品川−金沢文庫間快特を12連化するだけでなく、増結車を以遠本線普通車・逗子線直通運用とするなど策も進化しています。関東私鉄の中でも早くから乗客減に悩まされてきた同社だけに、この効果が如実に出ているとはいえないにせよ、羽田空港効果を軸に、他社に先駆けて回復傾向にあるという「事実」を軽んじることはできないでしょう。

 JR-Eの施策は多くの厳しい目を向けられるのは、それだけの期待を背負っていることと、その期待を知ってか知らずか見事に裏切ってきた過去の積み重ねだからでしょう。かといって-Eの歩んできた道が完全に間違ってきたかといえばそうも言い切れなかろうと。
 重い債務負担を抱えるという「特殊」株式会社形態にあって、新車導入に積極的に取り組んでいる(何気に「ドル箱」以外の地域での体質改善が進んでいる)ことや、トータルシステムの再構築を進めることでの総体的な諸機能向上とコスト減と追求する姿は、さすが世界最大の鉄道会社たるものであると評価でき得るものであると考えます。その最たるものは、消費税転嫁以外に運賃を(あくまで運賃を)15年も変えてこなかったということではないでしょうか(-Cや-Wもそうではないか、という話は別の機会に)。

 その流れにおいて、増結をするのとしないとではコストがどのように違うのか、すれば確実に旅客が取り込めるのか、という判断において-Eが採ったのは「しない」ということだったのでしょう。確かにそれを明確に説明することが-Eへの信頼につながるものだとは思います。しかしながら現実として、-Eの利用率が年々低下しつつある、という話を聞くに至っていません。
 違うアプローチで-Eを「弁護」するとすれば、東北・高崎線方面は新車置換中であり、運用上のあやもあるでしょう。あるいはダイヤの制約は京急とは比べ物にならないはずです…もっとも、京急は従前連結不能とされてきた2000形を改造して対処しましたし、E217で統一されている総武快速−横須賀線がいまだに日中11連の場合がありますからねぇ…。

 1時間も立ち席を強要する会社にCSなどあるのか? また、そういう会社がマナーを云々する資格があるのか? そこが問題です。(略)
 要するに、JR-Eは経済合理性の追求が主になっていて乗客サービスがなおざりになっていること、及び個々の政策に整合性がないことが問題だと思います。

 公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
 そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。「民間企業」として求められていることは何か、という問いへの答えが湘南新宿ラインでありSuicaであり、あるいは「料金」徴収列車の強化というカタチで現れてきています。意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。
 -Wの「アーバンネットワーク」との比較がよくなされますが、現実論として-Eが受け持っている輸送力は-Wが開拓してきたそれとは比にならないものであり、別の見方からすれば、これまでは機が熟していなかったともいえましょう。
 -Eが「本気」を出してきたら、並行私鉄はどうなってしまうでしょうか…今時点で-Eがパワーバランスを採っている、というつもりはありませんが、よく云われる「殿様商売」もこれからは徐々に通用しなくなってゆくでしょう。「湘南新宿ライン」が試金石と見られますが、その中で-Eがどのような策を繰り出してくるか…評価はそれからでも遅くはない、むしろそこから利用者の厳しい評価に晒されるのではないだろうか、と当方はうすうす感じております。

JR-Eをどこまでならかばえるか
 投稿者---とも氏(2001/12/05 23:15:52) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 JR-Eの施策は多くの厳しい目を向けられるのは、それだけの期待を背負っていることと、その期待を知ってか知らずか見事に裏切ってきた過去の積み重ねだからでしょう。かといって-Eの歩んできた道が完全に間違ってきたかといえばそうも言い切れなかろうと。
 重い債務負担を抱えるという「特殊」株式会社形態にあって、新車導入に積極的に取り組んでいる(何気に「ドル箱」以外の地域での体質改善が進んでいる)ことや、トータルシステムの再構築を進めることでの総体的な諸機能向上とコスト減と追求する姿は、さすが世界最大の鉄道会社たるものであると評価でき得るものであると考えます。その最たるものは、消費税転嫁以外に運賃を(あくまで運賃を)15年も変えてこなかったということではないでしょうか(-Cや-Wもそうではないか、という話は別の機会に)。

 少なくとも、私がJR-Eを弁護したくなるのはこの姿勢です。
 JR-Wの姿勢と比較されますが、少なくとも競争の無い区間にも新車を導入し、地方都市でも新車投入を進める姿勢はやはり評価しなくてはならないでしょう(JR-Wの地方線区と比較してみてください) 。

 違うアプローチで-Eを「弁護」するとすれば、東北・高崎線方面は新車置換中であり、運用上のあやもあるでしょう。あるいはダイヤの制約は京急とは比べ物にならないはずです…もっとも、京急は従前連結不能とされてきた2000形を改造して対処しましたし、E217で統一されている総武快速−横須賀線がいまだに日中11連の場合がありますからねぇ…。

 難しいのはJR-Eの場合、首都圏の車両基地が郊外展開してしまっており、段落ちがやりにくいという問題があること、逆需要が小さく結局は空気を運ぶことになりコスト高になるということがあります。

> 要するに、JR-Eは経済合理性の追求が主になっていて乗客サービスがなおざりになっていること、及び個々の政策に整合性がないことが問題だと思います。

 公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
 そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。「民間企業」として求められていることは何か、という問いへの答えが湘南新宿ラインでありSuicaであり、あるいは「料金」徴収列車の強化というカタチで現れてきています。意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。

 これは確かにJR-Eには旗色が悪いですが・・・
 ただ、武蔵野線や横須賀線の話もありますが、仮に増発したとしてどうでしょうか。これ以上乗客が増えるでしょうか。結局、コストが上がるだけでは?としか思えません。
 マナーに関してはもし言わなかったらどうでしょう。それはそれで批判されるでしょう。
 結局のところ、JR-Eの評価を乗客がどう考えるかです。

 -Wの「アーバンネットワーク」との比較がよくなされますが、現実論として-Eが受け持っている輸送力は-Wが開拓してきたそれとは比にならないものであり、別の見方からすれば、これまでは機が熟していなかったともいえましょう。

 分担率で言えば、首都圏ではこれ以上鉄道分担率が上がることは考えにくいです。ということは-Eの姿勢はある意味で一つの考えともいえます。
 地方を切って都市部で儲ける-W型か、地方にも都市部にも新車を導入する-E方式かということかなと思います。

 -Eが「本気」を出してきたら、並行私鉄はどうなってしまうでしょうか…今時点で-Eがパワーバランスを採っている、というつもりはありませんが、よく云われる「殿様商売」もこれからは徐々に通用しなくなってゆくでしょう。「湘南新宿ライン」が試金石と見られますが、その中で-Eがどのような策を繰り出してくるか…評価はそれからでも遅くはない、むしろそこから利用者の厳しい評価に晒されるのではないだろうか、と当方はうすうす感じております。

 結局は民間企業のJRにどこまで公共性をたてに文句が言えるかなのです。
 今、日本は規制緩和の方向に向かっています。早速その弊害が出たといえます。
 すなわち、儲けるためならそこまでせざるを得ないのです(実際、交通機関分野を積極的に規制緩和したイギリスは同じようなことが起きている)。
 海外のような上下分離がなぜできなかったのか、公的セクターはどこまで関与すべきだったのか。そういった議論なく、「民営化&規制緩和がよい」としてきたことにそもそもの原因があったとしか思えないのですが・・・

 ではでは

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/06 01:16:58) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 前の携帯電話にしても、今回の優先席にしてもそうですが、個々の方針については至極もっともであり、しかも他に先駆ける先進性すらあるというのに、なぜ批判されるのでしょう。
 結局、マナーはマナー、サービスはサービスといっても、ユーザー側から見ると使い勝手という面ではボーダーレスになるのであり、その本来は歓迎すべきマナー論がなぜかサービスの手薄な面を直撃してしまう不幸な?巡り合わせが原因でしょう。

 例えば携帯電話は、車内で急な連絡や到着時間の連絡をしたくなるような事故多発やランダムダイヤと相性が悪いですし、今回の優先席は着席サービスの低下傾向に拍車を掛けかねません。少し遡れば、車内の飲食ガラなどの問題解決をロングシート化に求めることで、居住性や着席定員が劣化しました。
 厳しく言えば、これは巡り合わせなんかではなく、本来マナーはサービスにしわ寄せする形で解決すべきでなく、また単独で解決できるはずの問題なのを、サービスの分野で処理しようとしただけともいえますが。

***
 価格の問題については、据え置きを何処まで額面通り評価するかです。
 評論家は値上げ回避を高く評価しますが、ユーザーが「JRは値上げもせずに頑張っているから良い」と評価しているわけではないと感じるのは私だけでしょうか。

 取れるところから取るといった感のある均一回数券の廃止やライナー券の値上げ、今回の企画乗車券の見直しという実質値上げは批判が多いですが、サービス水準の維持や経営の安定化といった側面を持つ一定額の値上げまでユーザーは否定するでしょうか。
 価格破壊、安売りオンリーの路線を続けて最終的な覇者となったケースはなく、逆に無理な安値攻勢で「安かろう悪かろう」のイメージを植え付けてしまい悪循環に陥るケースが流通などで見られることはご高承の通りです。

 座りたければ500円、早く着きたければ500円と迫られるのと、20円値上げするから無料の着席サービスや快速サービスを拡充、というので、どっちがユーザーの支持が得られるか、ということです。

***
 結局、民営化や規制緩和というような器の問題を云々するのではなく、どうのような輸送・運輸・移動サービスを提供するのか、という質の問題こそが今後求めないといけないはずです。
 公共サービス部門においては、公的セクターが、かくあるべき「質」を条件にして、輸送などのサービスを請け負う業者に運営させるというようなPFIスタイルの事業に、今後は転換していく必要性を感じます。

 独占の弊害を排除するための「料金規制」「参入・退出規制」を緩和したとたん、独占の弊害が現れるようでは、その規制緩和といったスキーム自体に何かしらの問題があるということを認識すべきでしょうね。

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか
 投稿者---Tom氏(2001/12/08 08:43:40)

 Tomです。亀レスで恐縮です。

 JR-Wの姿勢と比較されますが、少なくとも競争の無い区間にも新車を導入し、地方都市でも新車投入を進める姿勢はやはり評価しなくてはならないでしょう(JR-Wの地方線区と比較してみてください) 。

 上記のような姿勢は確かに評価されることだと思います。でも、それが何故批判されるのか? それはJR-E自身が「新車を導入し、混雑率を低下させました」などと表現しておきながら、実際は「立席定員」を増やしたための混雑緩和などというまやかしの手段を使うからです。
 私は少なくとも交通機関は着席サービスを提供するのが基本だと思っております。例外は朝夕ラッシュ時及び山手線内移動などのごく近距離に限られるべきでしょう。
 山手線については短距離利用者が多いこと、繁華街が密集していることなどから次期新車導入時に6扉車比率をアップさせるのはやむを得ないと考えます。
 しかし、埼京線の6扉2両化や高崎・宇都宮線のE231系導入に伴う座席減は容認できないと思います。ラッシュ対策から1両あたりの座席定員減はやむをえないでしょうが、単位時間当たりの総座席供給量を減らすことが問題なのです。
 115系から切替る際、アーバン/ラビットだけでも快速専用車にはできなかったのか、もしそれが無理なら快速は終日15両編成で走らせられないのか、ここを問うているわけです。
 混雑するアーバン/ラビットをE231系化した上に10両編成で放置していることには怒りを禁じえません。

 難しいのはJR-Eの場合、首都圏の車両基地が郊外展開してしまっており、段落ちがやりにくいという問題があること、逆需要が小さく結局は空気を運ぶことになりコスト高になるということがあります。

 東北・高崎は系列事態は211系及びE231系の2系列に集約されつつあり、これに快速専用車を入れたとして3系列です。そんなに大きな制約はないのではないかと考えます。むしろ他社車両が大量に乗り入れかつ専用車(快特用2100形及び普通専用800形)もある京急の方がよほど制約が大きいと思いますがいかがでしょうか。

 公共交通が「独立採算制」というタテマエを追及する立場である以上は、企業存続要件としての経済合理性追求は、残念ながら許されるのではないかと考えます。
 そんな-Eも晴れて「民間企業」となりました。(中略)意地悪く見れば「席に着きたきゃカネを出せ、そうもいかない人にはマナー論で」という姿勢なわけです。その観点から考えれば個々の政策は明快なまでに意思統一されていると云わざるを得ません。

 本来、「民間企業」とは顧客から選ばれなければ市場から退場を宣告されるものですが、JRは独占企業ですから。
 独占状態を排することは事業特性上難しいので、顧客サービス向上について何らかのチェックが必要になると思います。

 マナーに関しての啓発活動というより、私は上記したように自ら座席供給総数を減らしながら優先席だけは増設しようというJR-Eの姿勢がおかしいと感じる次第です。これが山手線だけに留まるならば上述の理由により文句はいいませんが、中電まで同様の措置をとることには強く反対します。
 中電については優先席増設と混雑列車の15両化を1パッケージとして考えるべきでしょう。
 また、高崎線の場合、快速を15両化すると籠原での増解結が発生しますが、これを同処理するか課題の1つです。15両が止まれない岡部・神保原・倉賀野のホームを延伸するか、または5両締切りにするか、増解結するのか、どれがいいか? 私は、用地の問題は少なそうなのでホーム延伸してもらうのが一番いいと思いますが、ここは意見が分かれるところと思います。

 JR-Eが「本気」・・。出してほしいですね。顧客サービス向上の方向に。
 ただ、並行私鉄は京急や京王など、ごくわずかだと思いますのであまり大きな影響はないのではないかと思います。仮に東海道がスピードアップした場合、線形の問題から京急は2100でも速度面では太刀打ちできないでしょうが、京急は羽田連絡や着席サービスという別の面の魅力がありますし、その点が理解されればさほど利用者が減少することはないでしょう。
 むしろ、大幅にサービスを向上させてくれるのならば、私は5%程度の値上げは受け入れます。

Re:JR-Eをどこまでならかばえるか・・茶々で失礼
 投稿者---樫通氏(2001/12/08 17:16:55)

 個人的にはガーラ湯沢の債務をどうこうするという記事を目にするたびに、全くかばう余地なしと考えてます。本業が苦しいのでコストダウンと言うのは同乗するのですが、鉄道が今後役割を主張すべき都市間輸送(首都圏以外)などで利用客から見放されるような施策をするようなコストダウンをしている背景に副業の誤算があるというのがどうにも不愉快です。さらには飛行機で済むようなエリアにわざわざ新幹線と言うのも個人的には不愉快です。鉄道ならではの存在価値を充分高めたうえで、余力で領域を広げるのならともかく、クリームスキミングで他のエリアにちょっかいを出す一方で本分を忘れたようなていたらくというのがどうにもいらいらとします。

 ・・・といっても湘南新宿ラインは見守っていきたいなぁと思いますが。

JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/01 00:37:59)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ
└Re:JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ
 └Re:JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ

 11月30日付朝日(大阪)夕刊1面によると、JRWは来春、和歌山線、桜井線の全線と富山県内の高山線の一部など約15線区のローカル線で大幅な合理化に乗り出す方向で地元自治体と詰めの協議をしているそうです。

 内容は、

  1. 列車本数を10〜20%減らす。
  2. これまで1〜2両だったワンマン運転を4両編成まで拡大。
  3. 無人駅を増やす。
  4. 線路を傷つけないようにするため最高速度を下げる。
  5. 利用客の少ない土日の昼間の運転を完全に止める。

そうで、これにより経費が約3割減るそうです。

 99年10月に因美線東津山−智頭間で施行したのを皮切りにこの10月までに北陸、中国地方の山間部を中心に15路線まで拡大。今回の15路線と合わせて対象は1500km。JRWの営業区間の約3割に及びます。
 ここ8年でローカル線の利用は11%減少し、JRWの発行済み株式の11%を握る外国人株主から赤字ローカル線切り捨ての意見が強いことや、12月1日の改正JR法により純粋な民間会社になり採算重視の姿勢を強める含みで、一気に合理化を進めることにしたそうです。

***
 さすがにここまですると、駄物とはいえ輸送自体は維持しているJREのほうがはるかにマシといえますね。11%の減少に歯止めを掛けるというより、明らかに残り89%を切り捨ててしまおうという動きです。

 ただ、都市部で上質なサービスの代わりに地方は切り捨てるJRWと、全域で均質な低レベルなサービスの代わりに輸送自体は維持するJREという両極端しかないというのも、困った話です。
 「未完の国鉄改革」最終章でJRCの葛西社長が感じた悩みを、今回JRWはあっさり振り切った感がありますが、なんともやりきれなさが残る報道です。

 航空業界の「現実」に続き、鉄道業界のこのトレンドを前にして、規制緩和や自由化というものを本当に問い直さないといけないという危機感すら感じられてきたというのが偽らざる感想です。

Re:JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ
 投稿者---えー氏(2001/12/01 20:09:37)

 あまり深刻に悩む必要はないと思いますよ(地元自治体には地元住民の足の有り方をもっと真剣に考えてもらう良い機会とは思いますが)。

 このような動きが出てくるまで、JR発足から15年度近くも要したということ事態驚異的です。国鉄改革当時、さかんに「ローカル線切り捨て」の危惧が語られましたが、よくここまで持ちこたえたと思いませんか。
 それどころか、JR発足後に飛躍的改善が図られたローカル線区も全国に少なからずあることをわれわれ鉄道ファンは知っています。

 人口流出、道路網の充実、自動車保有台数の増加、少子化による通学生の減少・・・・・・・
 この20年余り、JRの過疎線区の経営環境はおしなべて何一つ良いところのない状態だったと思います。JR発足当初、民営化により新幹線といわゆる幹線以外は早晩消え去る運命(四国は全滅)であると語る論者もいました。

 JRの他社(特に三島)も含め、これまで大健闘に拍手喝采を送りたいと思います。

 われわれ鉄道ファンは、JR発足後に全国各地でどれだけの多くの新しい消費者本位の試みが花開き、それらが「斜陽」がささやかれる鉄道の(復権とはいえないまでも)再活性化につながっていったのかをよく知っています。
 ここでそれら一つ一つ列挙するといった野暮なことはしません。

 物事の「光」の側面にばかり注目して、「影」の側面に目を背けるのは困りものですが、だからといってごく一部の「影」の存在をもって大いなる「光」の部分を否定するのは愚の骨頂かとも思います。

Re:JR西日本、ローカル線輸送を大幅削減へ
 投稿者---とも氏(2001/12/05 23:30:16)

 ともです。

 いっそローカル線をJR西日本は完全分社にしてしまってはどうかと思いますね。
 地元の自治体や住民に甘えがあるのは事実でしょう。普段乗りもしないで鉄道が必要などとのたまう自治体関係者にはいいお灸でしょうね。
 そういう意味でもバスでやられているような3セクを含む分社化はよいと思います。

 JR東日本のようにローカル線を東京で儲けた金で維持するか、JR西日本のようにアーバンネットワークの消耗戦の影でこっそり消すか。
 公共交通としてはどちらも不幸としか思えませんが・・・

エンロンとコトデン  投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/10 16:10:46)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 12月2日に米国エネルギー取引最大手のエンロンが連邦破産法11条を申請して事実上倒産しました。該社はエネルギーを初めとするあらゆる無形取引の商品化で有名であり、電力市場の有力なプレイヤーです。日本でも合弁による火力発電による電源開発を計画しており、電力自由化の旗手ともてはやされてきた同社も、簿外取引による巨額損失と粉飾決算の発覚による信用不安により、呆気なく退場しました。
 本件で問題になったのは電源確保を自前の電源に拠らずに、市場に「商品」として流通しているもので賄おうとしていたユーザーであり、仲介者の突然の退場とマーケットクラッシュにより本来購入するはずだった売り手が消滅したことで、電源確保に暗雲が生じせしめたことでしょう。

 一方、12月7日には四国高松のコトデンこと高松琴平電鉄が民事再生法を申請し事実上倒産しました。こちらは鉄道自体の経営不安ではなく、近年も中古とはいえ新車投入など明るい話題がありましたが、自社ターミナルの瓦町に建設した百貨店「コトデンそごう」への債務保証が、そごう破綻に伴う閉店で実行を迫られ、行き詰まったものです。
 現時点では鉄道自体は動いていますが、民事再生手続が不調に終わった場合、最悪は破産法適用による会社清算になってしまうことも可能性としては有り得るので予断を許しません。

***
 これら2例を以って公共・公益事業におけるリスクを指摘すると、それは本業以外のところで発生した特異な原因であり、特殊なケースという批判があるでしょう。
 しかし、この2例こそが、その事例が特殊だけに、却って公共・公益事業におけるリスクとして認識すべきなのです。つまり、もともと本業の経営が厳しければ、梃入れするなり撤退するなりの対策が可能ですが、本業以外の事業や、果ては簿外取引という無関係な部分における致命的な損失により、事業自体が突然死、いや、頓死するリスクを負っています。

 よほど厳格に企業の兼業や決算に口を挟まない限り、この手のリスクは存続します。よしんば口を挟み得たとしても、民間企業としてそこまで監督官庁の管理下にあるのでは、「民営化」とは言い難いものがあります。
 公共・公益事業に求められるものは、事業の安定性、永続性であり、現時点という一時点で可能である事業も、それが期日なり求められる期限まで継続できるかどうかを考えないといけないのです。

戯言  投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/10 20:12:13)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●資質と不行跡
 道路公団解体など「構造改革」への支持が高い理由として、官僚への強い不信感というものがあります。その不信感の根源は、官僚が無能ということよりも、涜職や不行跡といった立ち居振舞いといった分かりやすいものです。ここで問題なのは、明らかに犯罪もしくは倫理を欠いたものであることは事実ですが、その結果として必ずしも行政が枉げられたわけではないのです。
 つまり、あくまで行政の担い手の資質の問題であり、行政システムの問題ではないともいえるのであり、そうした支持の声は問題の解決を全く違う手段に求めているわけです。

 俗に「小人閑居して不善を為す」といいますが、これが現代の感覚で受け容れられるかは別として、かつては待合から通って立派な業績をあげるような官僚もおり、まず結果ありきではと思うのです。逆に非の打ち所は無くても事勿れで役立たずというのはそれこそ多いですが、そうした層はこうした手法では絶対に改善できません。

 さてこの手の資質の問題は民営化で解決できるのでしょうか。
 同じ行動でも官僚やみなし公務員なら罪に問われるが、民間の場合はお咎めなしというケースはざらです。卑俗な例でいえば、以前話題になった「ノーパンしゃぶしゃぶ」ですが、これへの世間の「正義の怒り」は凄まじかったです。しかし、このお店は別に官僚専用というわけではありません。民間企業の方やその他の方もそれなりに通っていたわけで、「ノーパンしゃぶしゃぶ」という倫理観をくすぐるアイテムに惑わされていますが、民間なら問題の無い行為であり、官僚の不行跡がけしからんから民営化だ、と息巻いても、不行跡は無くならないばかりか罪にすら問い得ないようになるのがオチです。

●対価と収支
 あらゆる行政サービスに対価を求め、またその行政サービスの収支を償うようにするということは、健全な行財政と思いかねません。しかし、本来行政サービスというものは直接的に受益者負担とすべきものではないはずです。収入等による受益格差が基本的に発生しないように、表面上は無償として、負担能力に応じて税金の形で間接的に負担するのが本線であり、それが許されるところが民間企業との違いです。

 もし直接的な受益者負担を原則とし、営利事業のように収支を厳しく見るのであれば、行政部門も他の民間企業と何ら変わることが無いでしょう。企業活動を絶対にして規制の存在を排除していけば、究極的には夜警国家のレベルを超越して、国家とは行政サービスを含む事業を営む経営者とその従業員の連合体の結合になってしまいます。(国防ですら「傭兵」がその究極ですが、サービス部門とすることができる)

 そこまで行くと、国民国家という概念が確立された近代以前の状態に個々人の関係が戻るような気がしますが、果たしてそれで良いのか。最近こんなことすら考えるようになってしまいました。

2001年交通界重大ニュースを斬る
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2001/12/15 23:29:22)
2001年交通界重大ニュースを斬る
└Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
└Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
 └派生レス 私鉄車両が国鉄(JR)に乗入れた例は?
  └Re:派生レス 私鉄車両が国鉄(JR)に乗入れた例は?
   └伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
    └Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
    └Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
     └Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?

 どうも、551@【検証:】サイトへの御来場、誠にありがとうございます。

 さて、21世紀最初の年もはや半月を残すまでとなりました。【検証:】では今年も皆様とさまざまな議論を繰り広げてきたわけですが、交通界を取り巻く状況も大きく変化した1年であったということができると思います。そんな交通界の重大ニュースを取り上げつつ、来年以降を占ってみようというのがこのスレッド。毎年末の恒例企画としたいと思いますので、皆様の忌憚なき御意見を賜れれば幸いです。

 まずは、当方が独断と偏見でチョイスした重大ニュースをざっと御紹介。改めてこの中から纏めてゆきたいと思います。
 もちろん皆様の中でこれも重要だ、というのがあればどんどん追加してください!最終的に2001年交通界3大ニュースを決定したいと思います。

Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
 投稿者---brother-t氏(2001/12/16 02:21:18) http://members.jcom.home.ne.jp/brother/index.htm

 個人的にいくつか3セクネタを

参照:月刊千葉NT http://www.chiba-nt.com/monty3-0.htm#kiji-1

参照 http://www2.realint.com/cgi-bin/tarticles.cgi?traffic001+81

Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
 投稿者---とも氏(2001/12/16 21:26:54)

 ともです。
 さてさて、交通界重大ニュースですか。
 追加ということでマイナーネタをいくつか

 こんなのはどうでしょう。航空ネタと道路ネタだけですが・・・どれもマイナーとはいえ重要な話題ばかりですし。
 ではでは

Re:2001年交通界重大ニュースを斬る
 投稿者---青野邑咲氏(2001/12/16 23:27:35)

 名鉄のキハ8500関連はどうでしょうか。
 めずらしい、気動車による私鉄からのJRへの乗り入れ中止と、名鉄から会津鉄道への売却。
 もしかすると会津鉄道から東武鉄道への気動車入線が実現するかと言う感じでどうでしょうか。

派生レス 私鉄車両が国鉄(JR)に乗入れた例は?
 投稿者---551planning(2001/12/17 01:04:39)

 めずらしい、気動車による私鉄からのJRへの乗り入れ中止と、名鉄から会津鉄道への売却。

 そうでしたね。新造から10年くらいということで「第2の人生」に注目が集まりましたが、会津鉄道というのは正直、盲点ではありました。どうせ使うなら…というお気持ちは分かりますが、どういうスジ組みますか?観光列車として組むにも1往復だと難しいものがありましょう。であれば線内列車がとりあえず妥当でしょうね。
 「第2の人生」といえば、JR-Eのジョイフルトレイン・PEAも引退しましたね。何でも富士急が買ったとか。当方は乗車こそないものの、国鉄→JRの日に、日テレが貸切で山手(貨物)線を運行した記憶が残っています…今や湘南新宿ラインですからねぇ。

 話を戻して、私鉄車両が国鉄(JR)に乗り入れる例はどれくらいあるもんでしょうか。そういえば富士急もキハ58を自社新造して国鉄に乗り入れてましたか。いまは有田鉄道でほぼ動態保存ですね。気動車乗り入れでは九州の島原鉄道、南海も「きのくに」でキハ55もどきを、小田急が「あさぎり」の先代で御殿場に自社新造の気動車で乗り入れしてましたね。現在の20000系に至る3代に渡って乗り入れを続けているのも記録では?
 電車では都市圏の相直や転換3セクの例はさておき、伊豆急の「リゾート21」が出色ですか。実は在来車も熱海まで入ってましたが、これは元JR車である113系列に置き換えというのも因縁を感じるものです。何せ伊豆急開業時にはオールステンレスカーの祖・東急7000系が出稼ぎしてたんですからね。変り種としては名鉄が豊橋付近で飯田線と線路を共用していることですかね。

 ざっと思いつくままに挙げてみましたが、まだまだありましょうか?

Re:派生レス 私鉄車両が国鉄(JR)に乗入れた例は?
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/17 09:06:38) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 内燃動車に限れば三セクですが今でもそれなりにありますね。

●ちほく高原鉄道
●のと鉄道
●北近畿タンゴ鉄道
●智頭急行
●若桜鉄道
●井原鉄道
●鹿島臨海鉄道(なぜかは分かりますよね^^;;)
 一般車両
 のと恋路号
 タンゴエクスプローラー タンゴディスカバリー
 スーパーはくと 一般車両
 一般車両
 一般車両
 一般車両

***
 特に因美線の智頭以北は乗り入れ車両で賄っているきらいがあります。

伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
 投稿者---551planning(2001/12/18 00:50:38)

 3セクはあえて外したんですが…挙げたらもっとありますよね。
 ただし現在もあるかはウロです。何方かフォローをば。

○三陸鉄道
○阿武隈急行
○北越急行
○しなの鉄道
○のと鉄道
○伊勢鉄道
○錦川鉄道
○土佐くろしお鉄道
○松浦鉄道
○くまがわ鉄道
 一般車両
 一般車両
 はくたか 一般車両
 一般車両(反則?)
 のと恋路号 一般車両(も、ですね)
 一般車両
 一般車両
 特急車両
 一般車両
 一般車両
(乗り入れのJR車は急行になるんでしたっけ?)

 ところで、伊勢鉄道と智頭急行、それにホクホク…もとい、ほくほく線は幹線バイパスルートとして経営基盤が成り立っているわけですが、自社(特急)車両を持たない伊勢鉄道と、自社車両のみが特急運用に就く智頭急行の場合、どちらが「おトク」なんでしょうか。
 伊勢鉄道の場合は複線化工事というインフラ投資が伴っている分重荷である、ということも分かりますが、ここでポイントとなるのがそれぞれの車両使用料。智頭急行の場合にはJR線走行区間が長いことからも、JRからの使用料収入が結構大きいような気がします。ほくほく線や土佐くろしお鉄道の場合には他社車両がメインのため、精算(相殺)を考えての自社車両保有なのかもしれませんね。

Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
 投稿者---とも氏(2001/12/18 01:18:58)

 ともです。
 阿佐海岸鉄道(一般車)、会津鉄道(一般車)なんかもあったような・・・

 他にも前述の有田鉄道は昔は一駅だけ紀勢本線に直通していましたよね。
 王道はやはり客車時代からの南海や小田急、そして伊豆急といったところですね。
 そう考えるといまや大手〜JR観光区間というのは小田急だけになりましたね。

 ところで、伊勢鉄道と智頭急行、それにホクホク…もとい、ほくほく線は幹線バイパスルートとして経営基盤が成り立っているわけですが、自社(特急)車両を持たない伊勢鉄道と、自社車両のみが特急運用に就く智頭急行の場合、どちらが「おトク」なんでしょうか。

 北越なんかは成功例でしょうね。しかもJR西の車両と微妙に変えて違いを出しつつ存在感をアピールするなんぞなかなかですよね。

 しなの鉄道なんかももう少し工夫すればと思うのですが・・・(それこそ軽井沢・長野といえばあの某大手私鉄があるじゃないですか)。
 軽井沢〜小諸〜上田〜屋代〜長電経由志賀高原ぐらいのことを考えてもよさそうなものですけどね。志賀高原〜草津〜軽井沢というバス周遊とセットにすればものすごい観光ルートが出来上がるんですが・・・やらないよな・・・(苦笑)

 いつかスイスの氷河急行のような観光列車(お、あれも私鉄・国鉄相互直通列車ですね)が日本を走ることを夢に見つつ。お休みなさいませ。ではでは。

Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/12/18 01:17:13) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 突っ込んだつもりがザル...(苦笑)

 三陸鉄道、伊勢鉄道、のと鉄道(一般車)、土佐くろしお鉄道がありました。
 松浦鉄道はかつての早岐乗りいれは消えたようです。またくま川鉄道もJR車が線内に入ってそのまま急行になって熊本へ、ではなかったでしょうか。

***
 ところで、三セクを除くと内燃動車の私鉄って少なくなりましたね。
 窮余の一策のくりはら田園鉄道はともかく、津軽鉄道、茨城交通、関東鉄道、小湊鉄道、有田鉄道、紀州鉄道、水島臨海、島原鉄道。それだけですから。
 あと名鉄三河(海)線に残りますが、どうも風前の灯火。近江鉄道と言い、レールバスで電気系の経費削減といっていて、あまりものにならなかったようです。

Re:伊勢鉄道と智頭急行…どっちがおトク?
 投稿者---とも氏(2001/12/18 01:27:43)

 ともです。

 松浦は早岐はやめたんですか?ハウステンボス行きってJR車でしたっけ。
 臨時も含めれば忘れてました。真岡鉄道もですね。SL客車が小山まで乗り入れてます。もちろん臨時ですが。

 ところで、三セクを除くと内燃動車の私鉄って少なくなりましたね。

 あと、鹿島鉄道(鹿島臨海ではないですよ。)、反則ですが大井川鉄道(井川線のDL)なんていうのもあります。
 さらに反則なら名古屋GWB(爆)

 鹿島鉄道なんて百里のアクセス鉄道にでも化けてくれればいいんですがね。

 あと名鉄三河(海)線に残りますが、どうも風前の灯火。近江鉄道と言い、レールバスで電気系の経費削減といっていて、あまりものにならなかったようです。

 そうですね。よく考えたら大して変わらないですよね。
 経費削減ならワンマン化の分ぐらいなのかもしれません。

 なんか連続レスになってしまいました。ではでは

2004.11.02 Update


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