【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.048)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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澱む海流…大阪湾航路
 投稿者---551planning(2001/10/19 00:41:57)
澱む海流…大阪湾航路
└Re:澱む海流…大阪湾航路

 その名が示す通り、日本最古の大手民鉄である南海電鉄は、関西と四国徳島を電車とフェリー接続で結ぶ「南海四国ライン」を看板としていたのだが…16日、子会社である南海フェリーが、高速船「南海徳島シャトルライン」の来年1月末廃止を発表した。「本業」であるフェリー事業を残すが故の決断という。

南海フェリー http://www.nankai-ferry.co.jp/index.html

 青い孤島、四国の交通体系を変貌させたのは、現在その存在が焦点となっている本四架橋によってもたらされたものに他ならない。瀬戸大橋が島内鉄道網の近代化を進め、明石海峡大橋によって高速道路網の整備に拍車が掛かった。高松からでもバスで大阪・京都へ直行便がばんばん出る時代となったことに、変世の感慨を覚えずにはいられない…。
 今や陸路のメインルートの地位を確立したといっていい淡路島ルートは、島連絡航路を中心に大阪湾航路の多くに影響を与えた。最近も北淡町と明石を結ぶ「西淡路ライン」が廃止、USJ連絡などの活路を見出そうとした会社もあったが、さすがにこの御時世、うまくいってはいないようである。

 昔四国で今関空…話を南海に戻すと、関空連絡こそが生命線といっていいだろう。なにも鉄道アクセスだけというわけではない。リムジンバスや空港島内バスも手がけている。島内バスとは展望ホールへとポートターミナルへの路線。そう、関空は日本でも数の少ない「桟橋を持つ空港」なのである。

 関空を発着する航路は2ルート。神戸へのK-JETと淡路島(津名・洲本)へのパールラインである。
 パールラインはもともと別会社が撤退した後を引き継いで4月から運航を開始したものの、依然苦しい状況が続いているという。神戸と関空をダイレクトで結ぶK-JETも景気低迷による需要減の上にテロ事件による渡航出控えが直撃し減便に追い込まれている。
 当方、先日K-JETで神戸から関空に向かった。ジェットフォイルは独特の高音があるものの非常に快適!夜間航行のため、神戸の夜景を楽しんだとはいえ物足りない航海であったが、なんといっても乗客が5人では…。
(名誉のために申し添えると、神戸発最終1本前であったためと。なお、折り返し便は50名近い客が乗船)

K-JET http://www.kjet.co.jp/
パールライン 
http://www.kiac.co.jp/access/ferry/toky/toky.htm

 直接関わる話ではないが、東京〜南紀勝浦〜高知を結んでいた「さんふらわぁ」が消えたのも、四国の物流の変化を示しているものと考えられる。内航海運巡る状況に厳しさを物語っているといえよう。
 大阪湾を中心とした航路の再編は今後本格的になってくるものと思われる。明石海峡の激流は、より深く大きな澱みを産もうとしているのであろうか…。

Re:澱む海流…大阪湾航路
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/20 01:08:48) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 今は無き小松島線を絡めての四国連絡ルートだったのが嘘のようですね。

 さて神戸淡路鳴門道指向の強さですが、瀬戸大橋よりも安いこともあってか、本州から四国へのバス便が相当数こっちに移転しています。今日の夕刊フジ(大阪)に広告が出てましたが、大阪−高知の「よさこい号」が昼便1本増発とのことですが、これも神戸淡路鳴門道経由に変わったそうです。
 ちなみに大阪から淡路方面の場合、たいてい阪神高速経由ではなく新御堂筋〜中国道〜山陽道経由というルートを取りますが、高松ですら三木まで行ってから淡路に向かうのは驚きです。
 関空航路も、関空から徳島行きのリムジンが高速湾岸線〜神戸線〜第二神明〜神戸淡路鳴門道という四角形の三辺ルートで成立してますし、予断を許しません。

 フェリーですが、瀬戸内海経由で高松や東予エリアを結ぶ便は好調ですが、その他は苦しそうです。うちの近所に海辺のボードウォークがある「サンシャインワーフ」という商業施設があるのですが、岸壁にわざとか残してある搭乗口が示すように、かつては「東神戸港」として主に四国航路の発着場でした。
 R43、阪神高速から近く、阪神の青木駅からも徒歩10分程度と便利だったのですが、震災でこのあたり一帯は大打撃をうけたこともありフェリーは大阪南港や六甲アイランドに移転しました(一部は三宮新港) 。

 私はこの移動がどうも衰退の原因の一つではと疑っています。クルマでも少し引っ込んで行きづらい上に、非クルマだと完全に不便だからです。架橋と道路・鉄道の整備と、フェリーの利便性低下が重なったことは間違い無い事実ですから。

「自然独占性」についての考察〜RJ9月号 佐藤論文への疑問〜  投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/22 18:11:36)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 鉄道ジャーナル2001年9月号に掲載された佐藤信之氏の論文、「競争を制限してきた運輸政策」について、論文の根幹となるべき「自然独占性」の定義と用法が違うように感じます。
 すなわち本論文では参入規制の根拠を、鉄道等の大きな固定費用は輸送量を大きくすることで1人あたりの負担を下げられるため、競合を排することが旅客の利益になるという理由に求めており、その結果を「自然独占性」と定義しています。
 しかし、運輸行政での参入規制は自然独占の具現化が目的ではなく、自由競争によって自然独占に至ることが認められる場合、あらかじめ規制して独占を容認し、独占に至る過程での、競争に敗れた廃線設備のような回収不能な埋没費用という無駄の排除という事業者側の視点を持つ目的とされます。

 そもそも自然独占とは、鉄道など装置産業のように固定費用が莫大、一定である場合に、規模に関する生産が逓増する(規模の増大以上に生産が増大する)「規模の経済」と、共通費用の存在で説明される、複数種類の生産コストが単一種類の生産合計よりも小さくなる「範囲の経済」が存在する市場で発生します。
 その自然独占に至る過程では、規模の経済、範囲の経済によるコスト競争力は、競合相手の排除を目的とした価格切り下げの形を採り、その反射的効果として消費者が利益を享受できますが、ひとたび自然独占が成立するとその企業は価格決定権を握るため、高額な独占価格を消費者が課せられる問題があります。そのため参入規制による独占容認の際には、必ず価格規制を同時に行い独占価格を排除するとともに、擬似的な競争効果の実現を目論んでいます。
 つまり、自然独占は直接消費者の利益となるのではなく、消費者の利益は価格規制下における擬似的な競争状態(=非独占状態)に存在するのです。

 本論文においては、規制の効果が有効競争の実現という結論は概ね正しいですが、参入規制と車の両輪に位置するはずの価格規制とその必要性の説明を欠くばかりか、自然独占性の定義自身に疑義があるのは論文の根幹にかかわる問題であり残念と言わざるを得ません。
 なお、近年進められてきた運輸業界の規制緩和についての説明は、本論文の通り、バスや航空機においては中古市場の存在により固定費用が埋没費用にならないという説明に加え、異種競合交通機関の存在により、鉄道での独占が成立しても異種交通機関との競合が継続するので、厳密な意味での自然独占が成立せず、ゆえに独占価格の弊害が発生しないという経験則に拠るところ大です。

 ただし大都市圏の鉄道のように、直接競合路線の不存在や、交通渋滞などによる他の競合交通機関の事実上の不存在が認められる場合は、価格やサービスレベル(この両者は相対的な関係になる)において伝統的な形態での独占の弊害が認められることからも、自然独占をもって利用者の利益と短絡することは失当ではないでしょうか。

(参考:内閣府・国民生活政策ホームページ 「公共料金の窓」) http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koukyou/index.html

街道筋の恩恵は誰がために...  投稿者---エル・アルコン氏(2001/10/22 18:11:36)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 外環をはじめとした幹線道路の建設に対しては、通過交通の円滑化という広域的視点からの賛成論と、通過地域の環境悪化という地域的視点からの反対論が対立するのが常です。このとき反対派を説得しない限り建設はできないのですから、両論が対立している時間は目的となる道路は当然存在しないのですから、積極的に反対しなくても時間が経過することで、事態は反対派に有利に働きます。
 また、鉄道交通の場合は世田谷区の小田急の問題のように、進捗できない区間の全体に占める割合が小さくても、効果が著しく減殺されますが、鉄道に比べて迂回路が容易に設定できる道路交通でも、結局幹線流動のように大量かつ迅速に流さないといけない局面においては迂回による解決の効果は小さくなります。そのため、計画総延長に対する進捗率という考え方は必ずしも適切とは言えないのかもしれません。

 さて、藪から棒にこんな大上段に振りかぶったのは、かつて市川時代に切望した外環の問題とパラレルになる問題が身近にあるからです。
 神戸には阪急とJRに挟まれたエリアを東西に貫く「山手幹線」という4車線の幹線道路があります。これは尼崎から神戸の長田までを結ぶ道路で、浜手を行く阪神国道43号線と国道2号線に対して、山手の幹線となるべく計画された道路です。
 ところがこの山手幹線、神戸の中心街から快調に続いてきた道が、甲南山手駅の東側すぐの地点でいきなり途絶えます。それも半端な終わり方でなく、4車線の道路の正面に「行き止まり」の看板が出てぷっつりと終わるのです(厳密には左右に生活道路が入っているが、事実上通り抜けできない) 。

 この地点は神戸市と芦屋市の境界であり、まさに神戸市が自分の領内の整備だけをパーフェクトに終えた形になっています。神戸から尼崎までの進捗率を見ると、少し古いデータですが、震災発生時に西宮市が69%、尼崎市が89%の整備を完了しており、神戸市は100%です。一方、その中間の芦屋市は僅かに9%、実延長にすると芦屋駅北口再開発の北縁の200メートルだけなのです。(これは今でも変わらない)
 なんでこんなことがというと、ご存知の通り阪急〜JR〜阪神と言うヒエラルヒーのなか、阪急に近い山手ゆえにお屋敷が多く、かつ芦屋川の景観(JRがトンネルでくぐる天井川)の問題もあり、沿線4市の中でも際立って反対が多かったのです。

 山手幹線は外環のように完成したら交通の円滑化が、という話にとどまらない問題があります。言わずと知れた阪神大震災で、地盤の関係で山手は比較的被害が軽微でした。東灘の本山など全滅状態に近いエリアにおいても、然程離れていない山手幹線は無事でした。ならば阪神高速の倒壊(奇しくも浜手に出た深江で倒壊した)に際して、R2とともに幹線交通を担えたはずの道路ですが、神戸市域だけ完璧に整備されても宝の持ち腐れで、東方面との行き来がことのほかに難渋した主因でした(復旧物資は阪神高速北神戸線〜新神戸トンネルで市内に入ってきた) 。
 これに懲りて山手幹線の整備に動き出したはずですが、震災から6年が経っても前のままで、現在事業中の区間が270メートルとあっては何をかいわんやです。

 確かに住んでいる人の環境への影響は無視できません。とはいえ、その僅か数キロ(芦屋市内総延長は2.4キロ)のミクロの事情で、他のエリアの数多くの住民の利便性(および災害時のフェイルセーフ)が損なわれ得るのはいかがなものでしょうか。住環境が良いとはいえ、そこは谷中の一軒家ではなく、街道筋であることを自覚して欲しいものです。その住環境も、街道筋だからこそ整ったと言う側面もありますし。
 現下、この手の問題を見ますと、利便性に長けて居住性に優れた街道沿いに問題が多発しているようにも見えます。市川然り、芦屋然り、そして世田谷もです。
 そうした現状を見ると、少しやりきれなくなるのも事実です。

渋滞対策は地道な努力が第一  投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/02 23:02:05)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 10月31日の産経(大阪本社)の一面に、大阪府警が新御堂筋(キタから新大阪駅、服部緑地経由で千里NTを結ぶ準高速道路)の慢性的な渋滞対策として、南行きの豊崎と梅田の両ランプにおいて、出口先とその先の信号を調整する対策が劇的に奏効したという記事がありました。
 なんでも、1日7時間近い渋滞だった両ランプですが、梅田が1時間減少、そして手前の豊崎はなんと6時間減少と、これは劇的です。
府警によると、もう総量規制しかないと思っていたが、ここまで奏効するとは、とのことでしたが、結局一律の規制よりも、このように問題箇所を緻密につぶすほうが効果が高いという好例になりました。

 実際、渋滞が緩和された、と実感できる箇所は、規制より何らかの前向きな対策(改善)が為されたところがほとんどですから。

名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
 投稿者---青野邑咲氏(2001/11/01 00:26:34)
名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
└Re:名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
 └Re:名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
  └キハ8500が会津鉄道に売却へ…ホッとしましたね
└残念、当分の間、乗り入れは行わないようです。
└Re:名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ

 こちらの投稿は初めてになります。
 名鉄にて、北アルプスで使用していた、気動車キハ8500が会津鉄道に売却が決まったようです。キハ8500は、製造後10年しか使われず、諸事情で北アルプスが廃止になり、処遇がどうなるか話題になっていましたが、ようやく会津鉄道にて第2の人生が始まることになり、嬉しく思います。
 さて、一番気になるところは、やはり東武鉄道浅草乗り入れを行うかというところでしょう。もし、東武線を走るとなると給油はどうするのか、単独走行になるのか、あるいは快速、スペーシアが牽引、あるいは無理して協調運転できるように改造するのか、という問題があります。それに、気動車を動かすには、内燃車動力操縦免許を所持している運転士がいるのかということもあります。かつての東武熊谷線時代の運転士がいる可能性も考えられますが、もう高齢で無理でしょうしやはり新たに免許を所持させるのでしょうか。それとも、東武に乗り入れではなく、群山新幹線連絡用列車に使用して、東武には乗り入れは行わないということになるのでしょうか。
 何はともあれ、会津鉄道に来るキハ8500をどう育てるのか、どう活用するのか、大変楽しみです。
 では、これで。

Re:名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2001/11/01 02:25:42)

 青野さん、CTCではどうも。ということで「お初」とは思えませんネェ。いづれにせよ【検証:】もどうぞよしなに。

 情報有難うございます。ただしニュースソースの明示は必ずお願い致します。
 なお今回は名鉄のサイトに出てますね。

http://www.meitetsu.co.jp/meitetsu/shin/131031-j.html

 これは、福島県会津地方に路線を持つ会津鉄道(株)が、現有車両の更新を機に、会津地方と首都圏との所要時間短縮を図るとともに、観光列車としての快適性を兼ね備えた車両の導入を検討していたことから、同社の依頼を受け決定したものです。(上記サイトより一部引用)

 ご指摘の通り、対首都圏のアプローチとしては2通りになりますが、単純に考えて東武直通はどうかなと。協調運転も面白いですが、相手がいないかな…まさかスペーシア?
 ただ、来年3月まで整備がかかるというのも、なんとなく不思議な話ではあります。
 素直に考えればJRで郡山になるんでしょうね。乗る乗らないで判断しても「ビバあいづ」の間合いもしくは付随する性格の列車としての運行であれば車両の使用料収入などが期待できますし、ペイするのはこちらでしょう。

 いづれにせよ自社線内に閉じ込めておくのもどうかなと思っていたので、なによりというところですね。塗装も変わってしまうのか…蛇足ですがJTBキャンブックス(鉄道未成線・私鉄版)でも鉄コラ写真が載ってますよね…。

Re:名鉄で使われた、キハ8500が会津鉄道に売却へ
 投稿者---青野邑咲氏(2001/11/02 00:28:36)

 やはり、郡山までの直通運転の可能性が高いのでしょうか。ただ、JR東日本は他の鉄道と直通運転をやりたくない雰囲気があるので、このあたりが少々心配です。それにもとは名古屋鉄道のお古ということもあり、抵抗もあるでしょう。
 自分としては、東武鉄道との直通運転を期待しています。浅草から会津若松までおそらく4時間程度かかることが考えられ、利用するには少し抵抗がありますが、会津鉄道活性化するためにも実現して欲しいです。当分の間は、下今市にて、スペーシア接続の快速と言う感じになるような気がしますが、東武線を走るキハ8500を見てみたいです。

キハ8500が会津鉄道に売却へ…ホッとしましたね
 投稿者---打越健太郎氏(2001/11/02 22:38:23)

 打越健太郎です。今日は休暇。滅茶苦茶に忙しいので休暇どころではないのですが,運転免許証をポケットに入れたままでズボンを洗ってしまい,哀れ免許証は跡形も無く溶けてしまいました(素材は何だったんだ?)。で,再発行の為に茨城町(水戸市の隣町)の運転免許センターに再発行を受けに行って,先ほど帰ってきた所です。警察官も県の職員ですし,僕の勤務する県庁舎の隣が県警本部庁舎なのだから,ここで融通を利かせてくれれば良いのですが,そうは行かないようです。最初は月曜に行く予定だったのですが,月曜は大変な作業があるらしく,上司が時季変更権(「時期」ではない)を行使したので,今日行ってまいりました。結果としてはどちらでも3連休ですし,何ら問題はありません。

 さて,キハ8500,会津鉄道に売却が決まって本当に良かったですね。先代「北アルプス」のキハ8200は引退後,それほど傷んでいなかったのに買い手が現れず,哀れスクラップになってしまいましたからねえ。まあ,僕としては茨城県内の鉄道で使っても良いかな…と思って居りました。鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線(水戸〜鹿島神宮間の優等列車「マリンライナーはまなす」を毎日運転で復活させ,かつキハ8500を投入して増発。また水戸〜成田空港間の直通特急案の提案例あり)や,関東鉄道〜真岡鐡道直通(取手〜茂木間の通勤ライナー的列車)等,それなりに利用が見こめそうだと思っていたわけです。まあ,採算性はどうかと言えば今1つパッと致しませんから,会津鉄道がキハ8500を有効活用してくれるというのはビジネスとして面白く,鉄道好きとして嬉しい思いで一杯です。

 やはり、郡山までの直通運転の可能性が高いのでしょうか。ただ、JR東日本は他の鉄道と直通運転をやりたくない雰囲気があるので、このあたりが少々心配です。それにもとは名古屋鉄道のお古ということもあり、抵抗もあるでしょう。

 確かに一般論として,JR東日本は私鉄等との直通を嫌がりますね。それが社風なのでしょう。但しJR-Eが私鉄車両の直通を嫌がる理由はそればかりとは言えません。規格等に関する細かな擦り合わせを私鉄との間に行ったり,万一の事故の際の責任の分担・応急修理の方法を取り決める,など,意外と面倒な手続・調整が多いのも理由の1つです。そう言った細かな調整をしないで直通するとどうなるか…信楽高原鐡道の悲惨な事故の二の舞になりかねません。
 でも今回の場合,キハ8500はそもそもJRとの直通に使われ,かつJR-Cのキハ85系と協調運転も出来るわけで,JRの規格に完全に合致した車両です。当然,上記の調整等は殆ど不要ですから,JR-Eも直通を認めるかもしれません。仮にJR-Eがキハ8500の直通を認めない場合,それは安全上等の正当な理由ではなく,単に「気分が乗らないから」に過ぎないことが明白なわけで,国土交通省や福島(・栃木)県,また総務省(註:行政監察は特殊法人にも及ぶ)は,JR-Eの全役員がノイローゼになるまで締め上げてでも(苦笑)…「民間企業化を中断する」と脅してでも(爆)…直通を認めさせるべきでしょう。公共交通の経営主体は(たとい民間企業であっても)社会的責務を負っており,技術的に可能で公共の利益にもなり,かつ企業の体力からは充分に可能な事業を「やりたくない」などと我侭を言うことは許されないでしょう。

 自分としては、東武鉄道との直通運転を期待しています。浅草から会津若松までおそらく4時間程度かかることが考えられ、利用するには少し抵抗がありますが、会津鉄道活性化するためにも実現して欲しいです。

 そうですねえ。ちょっと遅いですね。ただ,東武伊勢崎線の浅草〜下今市間は130km/h運転と線路強化(常磐線の上野〜日立間と同程度で充分)で20分もの短縮が可能とされています。また東武鬼怒川線も,発祥が軽便鉄道で線形は極端に悪いですから,逆に改良の余地は大きいですね。北海道(室蘭本線や石勝線)や山陰(山陰本線),また山形県(山形新幹線…改軌と同時に実施)のように第3セクターを立ち上げての高速化(路盤強化・カーブ解消・1線スルー化等)を図れば,かなりのスピードアップを図ることも可能です。列車の輻輳する浅草〜北越谷間は複々線ですし,浅草までの所要時間は大幅に短縮できると思いますよ。もっともそこまで徹底してやるならば,浅草直通用の車両が全5両ではお話になりませんね。その場合にはJR北海道からキハ183系を購入してきましょう。JR北海道ではキハ281・283・261系の導入で高速化を行ったため,まだまだ使えるキハ183系を持て余し気味ですから。

 当分の間は、下今市にて、スペーシア接続の快速と言う感じになるような気がしますが、

 どうでしょう? 快速にしてしまうと東武6050系(ボックスシート)とアコモのバランスが取れません。キハ8500はリクライニングシート車で,急行「南会津」の350系(回転クロスシート)よりも豪華ですから,急行になるような気がします。 

 東武線を走るキハ8500を見てみたいです。

 こちらは全く同感です。キハ8500のシートなどは「スペーシア」と比べても引けを取らないのですから,「スペーシア」グループの一員として東武特急にも問題無く使えます。350系と併用して急行「南会津」を増発するか,いっそ350系は急行,キハ8500は特急というのも一案ですね。

残念、当分の間、乗り入れは行わないようです。
 投稿者---青野邑咲氏(2001/11/03 00:48:48)

 リンクのニュースによりますと、東武鉄道、JR東日本には乗り入れは行わないようです。
 近い将来、東武伊勢崎線が営団半蔵門線乗り入れ時に、大きくダイヤが変わることになるので、その時に東武線乗り入れを期待したいと思います。しかし、要望が大きければ浅草に乗り入れる時期が早まる可能性もあると思います。
 では、これで。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011102-00000006-mai-l07

Re:残念、当分の間、乗り入れは行わないようです。
 投稿者---氏(2001/11/08 22:46:18)

 お元気ですか?Pでございます。皆様、大変ご無沙汰いたしております。

 青野さん、お久しぶりですね。川島…論の方ではお世話になりました。
 8500系、本当ですね。愛知県出身の名鉄育ちの私にとっても嬉しいことです。ちなみに私が聞いていたのはJR-Wへの譲渡と言うことでしたが…違いましたね。私的には三陸鉄道なんか良いのではと考えていました。

 名鉄はかつてキハ8200時代、同車を富山どころか富山地方鉄道へ直通させていただけでなく、同線の線内特急の任務も請け負わせていた事があることをどれだけの方がご記憶でしょうか…?当然高山で給油はしていたことでしょうけれど…。ベストはやはり東武直通ですが、私は野田線経由大宮発着なんてのもアリかなと愚考しましたが…(ところで、東武鉄道に関する事は全く疎いので、どなたかお教え頂きたいのですが、春日部を軸にした伊勢崎線、野田線相互の直通列車って、存在するのでしょうか?) 。

 おそらく当面は会津鉄道線内での優等列車として使われ、下今市までの乗り入れは遠くないうちに実現するのではないでしょうか?(会津田島には少しだけ縁がありますので、本当に嬉しいです。)

 名鉄の車両の去就でもう一題。現在名鉄は廃線ラッシュですが、まもなく名鉄からは非電化路線がなくなります。こうなると今度は現在使用中のワンマンディーゼルカーが余剰となります。これらもやはり経年的にはまだ捨てられない状態の物も少なくないので、何処へ向かうのか?気になります。

 So Long.

好調、「のぞみ」の新神戸全面停車
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/08 19:45:18)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
好調、「のぞみ」の新神戸全面停車
└「実質値上げ」への道…
 └Re:「実質値上げ」への道…

 8日の神戸新聞が伝えたJRWによる新神戸駅の10月中の利用状況のまとめによると、同駅での乗車・特急券の発売収入は前年同月と比べ4%増加、9月まで前年を下回っていた収入が一気に上向きに転じており、「のぞみ効果」がはっきり出たようです。
今年上半期の同駅の発売収入は、前年の98%にとどまっており、改正後の10月中の発券件数こそほぼ前年並みだったが、のぞみ特急券の購入者が約4倍に増加したことによる単価増が原因のようです。

 他駅発行の新神戸発着きっぷのデータが集計できていないため同駅の利用者総数の増減はまだ不明ですが、この数字にJRWも新神戸駅利用の促進に力を入れています。
 また同駅は7日から出札窓口を従来の4から5に増設しました。同駅で「のぞみ変更券」を購入する乗客が急増したことに対応するためで、窓口の混雑緩和を図るとのことです。

「実質値上げ」への道…
 投稿者---551planning(2001/11/10 07:51:20) 

 神戸新聞記事はこちらでどうぞ…同社サイトでの記事は何気に交通ネタが出てきます。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/011108ke28890.html

 10/17付交通新聞記事では、JR東海が纏めた半月間の輸送概況で、のぞみ利用者が対前年37%増、ひかりが9%減、こだまが1%増で、30分間隔化を念頭に入れても、新横浜・新神戸停車による利便性向上とあいまって、利用者の「のぞみシフト」が顕著になっているとしています。
 同記事には葛西JR-C社長のコメントも載っており、「『ひかり』から『のぞみ』への転移が順調に進んでいる。(『のぞみ』を)まだまだ増やしてゆかなければならない」との由。品川開業後の7-2-3ダイヤを見越しての施策は今後も順次行われてゆくのでしょうか。

 それにしても、のぞみの存在意義が変わりつつあるとはいえ、現状においてはひかり(ひだま)のように停車駅バリエーションを加えてゆくことがこれ以上できにくいことを考えると、当面はこのままで需要動向を見据えてゆくことになろうかと思います。とはいえ、冬臨でもJR-C区間で増発されるのは圧倒的にのぞみとなっている状況、ゆくゆくの自由席設定を含めた価格体系見直しが表明されているとはいえ、実質的にはのぞみ料金分の「値上げ」と感じられても仕方なかろうかと…のぞみ自体の速達サービスは一度使うとヤメラレナイものでもあり、現状では不満は出ないでしょうが、特に新大阪段落ちでのJR-W区間との輸送力・パターンの崩れによる弊害(これはエル・アルコン様に詳述して頂ければ幸いです)が見られるようになっており、今後利用者側に「負担増」を印象付けないような何らかの救済策(回数券等での要件緩和など)も考慮しなくてはならなくなるかもしれません。
 葛西社長の著「未完の国鉄改革」(東洋経済新報社)や、新幹線と航空の競合過程が纏められた好書「激突!東海道戦」(杉浦一機著・草思社)などを読めば出てきますが、JR-Cは新幹線保有機構買取の際に-E(東北・上越)や-w(山陽)分を一部負担させられる格好となっており、それが航空との価格競争力を阻害する要因とされています。-Cは旧国鉄債務負担分の早期軽減化を目指しており(とりあえずの目処は売上の3倍である3兆円、現状から1兆円以上の削減)、この先に価格面での勝負を!という話もあるのでは?(「激突!東海道戦」P186)とされていますが…。

Re:「実質値上げ」への道…
 投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/11 02:51:35) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 この部分、評価が難しいのですが、新神戸駅の収入増については、今まで使いたくても使えなかった「のぞみ」利用へのシフトというまさに新規停車の効果であり、一方で明らかに見られる「ひかり」の指定券入手難については、「ひかり」削減による負の効果といえます。
 交通新聞の記事の数字もこのことを示しているようで、毎時1本乃至2本増加した「のぞみ」の利用が37%「しか」増えていない(座席提供数は33〜50%増えている)ことと、毎時4本が3本に削減された「ひかり」(時間帯によって異なるが、少なくとも毎時1本は削られた)の利用が9%「しか」減っていない(同じく20〜25%減っている)データは、「ひかり」の相対的な混雑激化を数字の上からも裏付けた格好です。

 新大阪「ひかり」の「のぞみ」格上げにより、日中の「ひかり」は総て山陽直通(2時間に1本は新大阪以西レールスター乗り換え)になりましたが、数が減ったことで役割分担云々を言っておれない状況になっています。
 相当数が東京・新横浜−名古屋間や名阪間の利用のため、あおりを食らって新神戸−東京利用者が指定が取れないという弊害にしても、ここまで減ると山陽直通客を優遇したスジの設定は叶わぬ夢です。おまけにレールスター乗り継ぎのスジは、新大阪で2分連絡とかなりタイトで厳しいです。(回数券は2個列車の指定が取れないが、東海道で指定を取る前提だと、レールスターの自由席まではいかに対面接続でもホームを2分で移動するのはきつい)
 あと回数券だと「のぞみ」負担がかなり重いです。(東京から新大阪で2350円、新神戸で2650円)「のぞみ」前提のダイヤにするのであれば、回数券利用者にとっては割引率の差が値上げ幅になり、個札よりも厳しい結果になっています。
 現行の負担だと航空機のほうが安いともいえますし、これ以上「ひかり」の使い勝手が悪くなり、かつ回数券での「のぞみ」利用条件が緩和されなかった場合、企業の旅費規定が変わりかねない懸念も有ります。(既に東阪間では結構シフトしている。このことは名古屋での入れ替わりが目立つことでも体感できます)そうなったら、千円を惜しんで、万円を失う「元も子もない」事態です...

待った挙句の阪神電車では...  投稿者---エル・アルコン氏(2001/11/09 20:15:53)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 在阪私鉄というと都市間輸送の醍醐味というイメージがありますが、JRW新快速の拡充により最近では見る影も無いです。実際、線形の良い複々線を130kmで駆け抜ける新快速に勝つ、いや、せめて伍すことを考えると、各社とも130km以上のスピードで走る必要がありますが、我が国の鉄道事情を考えると、最早挽回は絶対に不可能といっていいでしょう。ダイヤ面での工夫といっても、現在毎時4本の体制ですが、複々線の強みで更なる増発余力を残しており、ほとんど複線の各社のほうが絶対的に密なフリークェンシーを提供できることは有り得ません。

 それでもターミナルが分散している京阪間はまだマシですが、梅田に三宮と完全に被っている阪神間は深刻です。看板の都市間輸送で熾烈な争いをしている最中、阪急や阪神にとっては都市間輸送に総力をあげてきたのですが、JRWにとっては複々線を活かして都市間と対都市近郊の2正面作戦をしてきたのです。その結果、都市間輸送で攻防を繰り返している間に、沿線から対大阪、対神戸の輸送人員は半端ではない減少となっています。特に対神戸では阪急、阪神とも2桁ポイントの減少を余儀なくされており、都市間輸送のステージが223系による130km運転で勝負あった時、ふと気づくと足下が総崩れになっていたのです。

***
 さて、JRW、阪急、阪神の3線中一番深刻なのは阪神でしょう。山陽との直通特急運転と話題は提供していますが、もともと優等6連、普通4連と輸送力に格段の差があるところですが、実際の乗車率もかなり厳しいようです。西大阪線難波延伸によるミナミ直通という差別化も、長掘や心斎橋など賑わいはありますが、ここに来てキタの梅田再開発が姿を見せ始めると、キタ偏重の空気が出ています。その梅田再開発の一つの焦点がほかならぬ阪神による西梅田再開発ですから、他社との消耗戦を強いられる梅田への集客を大事にせざるを得ないジレンマを抱えることになっています。

 阪神の問題点を挙げてみると、使えないダイヤにつきます。千鳥式運転は各駅からターミナルまでの所要を平準化し、混雑もまた平準化できるメリットが確かにありますが、反面、多数のパターンの存在はダイヤパターンが一巡するサイクルの長さを意味します。例えば神戸市内で見てみると、朝ラッシュ時、並行他社が15分サイクルで、阪神は14分サイクルです。こう見るとほぼ同じですが、中身を見ると、JRが新快速2、快速2、普通4で阪急が特急1、通勤特急1、通勤急行1、普通1です。で、阪神はというと、直通特急1、区間特急1、急行1、準急1、普通1です。(下りは区特が無い4本体制)
 JRWは15分に2サイクル、阪急も通特は特急停車駅+塚口、通急は塚口まで各駅ですから、事実上15分に特急+普通の2サイクルで、両線とも7〜8分に1本の利用パターンがあります。

 ところが阪神は14分で上記5種(下りは4種)が一巡します。基軸となる直特と区特は三宮−梅田間で同じ駅に停まるのは芦屋だけであり、しかも雁行ですから三宮や芦屋においても事実上乗車チャンスは14分に1回です。急行が直特と区特を青木で退避した後追いかけ、梅田に先着しますが、少なくとも神戸・芦屋市内においては直特・区特の後追いですから乗車チャンスの拡大には必ずしも寄与しません(石屋川始発の準急は途中退避なので乗車チャンスにカウントできない 。下りも急行と直特が雁行し、東須磨行きの準急は御影で、高速神戸行きの普通は大石で退避なので、三宮先着パターンは直特か急行利用だけになるため、事実上14分ヘッド) 。

 貴重な朝の時間帯に、逃したら次は事実上14分後という競合他社の半分の乗車チャンスというダイヤでは使えません。直特・区特の停車駅を揃えるか、阪急の通特のように千鳥ではなく追加型にして、7分に特急系と普通を1本ずつ、それに14分ヘッドで急行というようなパターンに改めない限り、逸走は続くでしょう。少々歩いてでもJRWや阪急に行ったほうが実質のロスタイムが少ないからです。
 ちなみに私の住む青木では、3月改正で急行が停車するようになり、停車列車が倍増しましたが、乗車チャンスという面では実は変化が無いという実質的には変わっていない状態です。すなわち普通と直特の乗り継ぎが急行1本になっただけであり(普通は大石で急行退避)、乗り換え無しとか所要時間短縮という効果はあるものの、本数の面では改善が無かったのです。

***
 余談ですが、夜間のダイヤも神戸側から見ると困りものです。12分パターンと長くなっているのに上りの急行と直特が雁行している(しかも下りは朝夕とも直特から逃げきるのに上りは朝は青木、夜は甲子園退避)ので、実質の乗車チャンスが少なくなっています。しかもダブル退避となる普通はいい面の皮です。おまけに遅い時間帯ではイベント時に臨時急行になるスジで回送車が抜いていったり、深夜にはとうとう営業中の普通を待たせて青帯車の回送が追いぬくことすらあり、普通車利用者にとっては辛いです。

 速さではどうせ勝てないのだから少々速く走らなくても、待たずに乗れることのほうが大事でしょう。

「タッチ&ゴー」、はじまる。
〜Suicaは「あたらしいまいにち」を拓くか〜
 投稿者---551planning(2001/11/18 19:11:20)

 2001年11月18日、JR東日本は首都圏エリアにて非接触式カードICストアードフェアシステム=Suicaの運用を開始した。非接触式ICカードは香港のオクトパスや、国内でも山梨交通や広島スカイレールなどですでに実用例があるものの、これだけ後半かつ大規模なシステムは世界でも初めての試みといえよう。

 運用開始当日、ちょっと早起きして「Suica体験」してみることとした。御存知の方も多いだろうが、Suicaはこれまでの機器投入式磁気カードSFシステムの移行型であるSuicaイオカードと、さらに定期券を組み合わせたSuica定期券(およびSuicaグリーン定期券)の2種からなっている。早朝の東京駅みどりの窓口でSuicaイオカードを購入。自動券売機でも発売されているが、運用開始記念の限定デザインカードをチョイスした。「先代」も運用開始時はシステム自体の浸透を図るために注記書きがなされた基本デザインのみだったが、その後多くの(記念)デザインカードが発売されたことを考えれば、Suicaもいずれそうなるか…ただしICカード化に伴い、回収時に返却されるデポジット料500円が取られるので、おいそれとはいかないかも。
 記念カードはシンプルな通常カードと違って、クリーム地に新型自動改札機とイメージキャラクターのペンギンが描かれたもの。“2001 DEBUT”と入っている。御丁寧に台紙つき、「当カードが折損等の理由により使用できない場合はまたは当社の都合によりカードの機能向上を行う場合には、当カードを通常デザインのものに交換させていただきますので予めご了承ください。」との注記もあった。ここでもユーモラスなペンギンが描かれているが、どこかで見たような気も…JR-Q「つばめ」に似ていると思うが、皆様は如何?

 Suicaイオカードの場合発売額は2,000円1種のみ、デポジット料を除く1,500円が運賃精算可能だが、券売機等でカード残額上限20,000円まで「チャージ」が可能。裏面も注意書きで「先代」のように履歴書き込みがなくなったものの、これまた券売機等で「履歴表示/印字」ができる。印字はその部分までの記録は実行時1回のみ、26週を超えるとできないなどの制約がつくので、企業利用者は注意が必要になるかもしれない。
 概要はさておき、早速使ってみた。カードを定期入れに入れたままにし、最近目立っていた投入口の上にある Suicaをふれてください という反応部にぽんと置く感じ、すぐさまピッと反応があり扉が開いた。券の定期入れなどからの出し入れはもちろん、機械への投入と受取がない分スムーズに、というよりも「自然な感じ」がした。JR-Eではこの自改機通過時を最大のポイントとし、「タッチ&ゴー」と喧伝している。当初目指した「かざす」ことから、機械に「触れる」ことでチェックの確実性を強めるための処置だが、横文字ばかりのシステム紹介ながら耳に残るもので、コピーとしてうまくできているなと思う。実は通信反応範囲は機械周辺10cm範囲としているので「かざす」ことでも通過できなくはなかったが、やはりぽんと触れたほうが使う側としても安心できるかなと思った。

 Suicaを使うということで、さいたま新都心駅へ行ってみた。CMのロケ地となったこの駅、開業後降りるのは実は初めて。だだっ広いコンコースと高い高い弧を描いた天井が非常に印象的であった。ひょっとして…とわずかばかりの期待(?)をした「ペンギンおじさん」は、やっぱり居なかった…。
 SuicaのCMは、当初埼京線大宮−新宿間でのモニターテスト時に、無名エキストラの通学生?とキヨスク(現ニューデイズ)の若い売り子さんの淡い恋心を描いたような漠然としたものがあったが、運用開始時には先のNHKの朝の連ドラ「ちゅらさん」のヒロイン役だった国仲涼子とフォークシンガー(なの?)なぎら健壱のコミカルな掛け合いが見られた。Suicaのイメージキャラクターのペンギンはかわいらしいのだが、なぎら氏がぬいぐるみをかぶって「タッチ&ゴー」を説明するというCM、「キャラ」のギャップに???と思った人も多いのでは?

日刊TVコラム 日記猿人(11/13付) http://www.iijnet.or.jp/bowwow/1575.html

 モニター路線となった埼京線で新宿まで戻る。南口コンコースでは9時からオープニングイベントが開催された。JR-Eの大塚社長はじめ、キャンペーンガールの国仲さん、来賓には国交省鉄道局長、民鉄協理事長、システム開発に携わったソニーの出井CEOや鉄道システム、JR東日本情報システムのお偉いさんが参列し、華々しくテープカットと「渡り初め」が行われた。プレスが多く集まっていたことに加え、ちょうど混み始めたコンコースで行われたので利用客がどんどんと集まって大いに注目を集めていたが、構内だからかその場での発売等はなし。記念品等を期待した当方だったが…。
 ヨドバシカメラに寄った後、一番近い改札口である京王連絡口を使う。ここは京王モールとJR口・京王口、JR-京王連絡口という構成で、JR口はSuica使用可、京王口はパスネット使用可ながら連絡口は双方とも使えない。よって隣り合う2つの改札を通ることになるのだが…式辞で大塚社長や国交省・民鉄協とも、将来の私鉄とのシステム互換の方向性を強調、現実に東京モノレールが参加決定しているほか、東急も世田谷線から導入を始めると発表した。私鉄側ではパスネット効果をかなり認識しており、SFカード連携化先進地の関西でもJR-Wと阪急がそれぞれICカード導入を決めており、この流れは一段と加速してゆくことになるだろうか。その意味では「パスネット」が勇み足でなかったか、という気が強くしてくるのだが…。

 JR-EではさらにVIEWカードとの統合、モバイルとの連携を明言しており、前途は有望というわけである。しかし導入前から早くも定期券での必要情報入力に際しての問題が指摘されており、半年に渡るモニター試験済みとはいえ、広範囲な実運用上のトラブルも出てくるかもしれない。特に現金が絡む引き落とし時やチャージ時に利用者で金額を記録情報として簡単に確かめられないなど分り辛さがあるのも事実で、機器面での耐久性・情報処理能力等も未知数といえる。今のJR-Eとしては「実戦」を通して固めてゆきたい、というところも実際あるだろう。その蓄積が利用者の利になることを是非とも希望しつつ、「あたらしいまいにち」を歩んでゆきたいと思ったのだった。

Suica紹介ページ http://www.JReast.co.jp/suica/index.html

多勢に無勢…?  投稿者---551planning(2001/11/25 23:12:01)
 中央線

 大阪から東京に取材に行くと、いつも不思議に思っていたことがある。
 JR中央線の快速線と緩行線のホームが、別々に分かれていることだ。乗り換えようとすると、いちいち階段を上り下りしなければいけない。
 両線が並行して走っている三鷹と中野の間では、快速電車が平日、普通電車と同じ各駅に停車するのも、時間短縮や混雑緩和の点から考えてもあまり合理的じゃないように思えたのだ。
 関西ではJR東海道・山陽線のうち、草津(滋賀県)−大阪−兵庫(神戸市)間は、同じ方向に向かう快速系の電車と普通電車の多くが同じホームに入る。遠距離通勤者は停車駅が少なくなるのでありがたいし、途中駅に行くときも乗り換えもスムーズだ。
 東京でも、なぜ同じことができないのだろうか。JR東日本に聞いてみると、87年の民営化直後、関西と同じような方式にすることを真剣に検討したのだそうだ。
 ところが、東中野駅近くで、住民が大切に育てた約50本もの桜並木を工事のために切り倒さなければならない。旧国鉄が三鷹−中野間の快速線建設の際、地元に「各駅に快速電車を止める」と約束していたこともあって、同社は地元の理解を得ることは困難と判断したのだという。
 鉄道や道路をめぐっては、通過するだけの利用者は、沿線住民の心情や生活への影響についての想像力に欠けるきらいがある。利便性にばかり気を取られていたことを反省した。<悠>

11/17付朝日夕刊2面 窓 論説委員から を全文転載

 東中野駅付近の桜並木はそれと知られた存在だけに、たしかに頷ける。中野−三鷹間の話も有名だ。「多勢に無勢」が通用しないのは公共工事の常とも云える、しかし…。

 旧国鉄が威信を賭けて進めた首都圏5方面作戦=主要幹線複々線化は、いずれも路線別線増となり、コラムでも比較される方向別複々線とはならなかった。そうした最たる理由が、当時の超過密ラッシュを前提として、利便性の高い快速線への旅客集中を避けるためというのを御存じの方も多かろう。よってコラムの指摘通り、今だに乗換の便の悪さや合理的な運行形態が取れないでいる。
 JR-Eは真剣に検討したものの、断念したように纏められている。しかし本当に無理なのだろうか。中野駅構内の配線変更は中野電車区出入庫や営団東西線の折り返しなど困難さは分かるが、中野−高円寺間で快速線と緩行線を1線ずつ入れ替えれば高円寺−三鷹間は方向別複々線になる。三鷹電車区出入庫もあるので容易くは行かないが、三鷹−立川複々線か計画を睨んでの対応となろうか。中野の配線が考慮されたとすれば中野電車区の用地を活かした高架渡りで対処は無理でないと考える。いずれにしても東中野駅方面まで影響するかどうか。
 いずれにせよ、中野−三鷹間が方向別化されれば、快速線への需要偏りが緩和される他、快速線運用の幅が広がるものと思われる。「地元との取り決め」にしても、30年以上経つ現在では積極的に見直されるべきだろうし、現実に特別快速は通過していること、利便性低下への危惧に対してはJR化後に実現した京浜東北線都心部快速化も参考例になろう。
 そんな中、JR-Eはこの12月ダイヤ改正で「湘南新宿ライン」とともに「中央ライナー」を売り込んでいる。これまでのホームライナーの半定期化という施策は、「上澄みあらば」の論理といえよう。無論、「地元の理解」は得ていまい…。

 このコラムが小田急線高架化訴訟や外環道建設の動きを踏まえて書かれている事は想像に難くない。沿線住民と利用者の利便性を天秤に掛けて判断すべし、とは確かに云いきれないとはいえ、心情ばかりに気を取られていても端から見ればエゴになりはしないか。無論、工事そのものが沿線住民に十分な理解を得ないままに進められようとした両計画への疑問点は、小田急訴訟の判決が示す通りといえよう。ただし、そもそも沿線住民に百害あって一理なしの計画といえるものなのだろうか。さまざまな事情を勘案した上で、利便性が優先される事業こそが進められているのが都市計画ではないだろうか。その意味で、このコラムは安易な視点に見えてしまったのだった。

2004.11.02 Update


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