【検証:】常設板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】
(過去ログNo.050)
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四国東部早回りから  投稿者---エル・アルコン氏(2002/01/03 23:35:42)
 
 http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 あけましておめでとうございます。
 暮れの3連休に、ふと思い立って四国に行ってきました。なぜかその前にいた名古屋から夜行高速バスで徳島に入り、牟岐線、阿佐海岸鉄道で甲浦に入り、室戸岬を回るロングランのバスで高知、そして土讃線で坂出から岡山へ抜けるルートです。

○プロローグ・「オリーブ松山」
 名古屋を出て徳島、阿波池田経由で松山に至る夜行バス「オリーブ松山号」は2台口で満員の盛況。車内は8割方が若い女性で、夜行高速バスは鉄道にはない夜行需要の層を開拓している様子がよく分かります。鉄道においてもそうですが、夜行がいわゆる「鉄」の乗りつぶしというので賑わったのは昔語りといって良く、若者、特に女性の観光、それもイベントなど都市観光の需要がメインで、それにこれは鉄道でも多いですが地方起点の年配者の利用が次いでおり、そうした実態に照らし合わせると今の夜行列車の運行形態や設備・料金の実態との乖離は甚だしく、抜本的に見直せばまだやっていけるという感はあるのですが。(まあ多客期以外はバスで事足りるレベルですが)

 余談ですが、「オリーブ松山」をみどりの窓口で予約する際、乗降駅指定にはご注意のほど。マルスで「名古屋駅」「名古屋駅(オリ)」とかもっともらしいキーが出てきますが、これを選ぶとエラーになります。正解は「名古屋駅(東名)」で、10分以上悪戦苦闘した摂津本山駅員もこれには呆然。(オリ)ではなく(東名)とはキー設定のエラーとしか考えられませんが、ひどいものです。

○牟岐線、阿佐海岸鉄道
 徳島での降車は然程多くなく、そのほとんどが迎えの車に消え、駅に入り始発列車を待つ人はほとんどいませんでした。牟岐線の始発はキハ47の2連。車内は数人というお寒い状況ですが、暖房も入っておらず冷え込みも厳しいです。
 海沿いのように見えて実は海が見えるのはわずかという路線です。辿る小駅を見ると、発車時刻表のほかに、「通過列車にご注意」と特急の通過時刻が添えてあるのは細やかな気遣いですが、回送列車の通過時刻も添えてあり親切です。

 牟岐に着き乗り通したのは私だけ、乗り込んだのも2人と悲惨な状況で着いた海部で阿佐海岸鉄道に乗り換えです。地域の拠点としては牟岐のほうが大きく、牟岐で系統分断したほうがいいのに海部で乗り換えは不便です。やってきたASA201号車に乗ってびっくり、出入り台付近こそロングですが、そこから片側2基ずつの転クロ、中央部は「コ」の字型のソファーです。VTRモニターも甲浦方にありますが、基本的に海部までの2駅、行っても牟岐までのミニ鉄道にここまでの車両は必要でしょうか。宍喰や東洋の交通のためとは言え、これは交付金の無駄遣いに他ならず、それこそ牟岐線で使用しているキハ47を2両ほど名義を阿佐海岸鉄道にして運行・整備は全委託するくらいの合理化はしないとやっていけない(してもきびしそうだが)レベルのはずです。

○高知東部バス(前編)
 公団規格のトンネル道中ですが、だんだん海から遠ざかって甲浦終点です。高架下の待合室は立派ですがそれだけ...牟岐への徳島南部バスが待ってますが、お目当ての高知行き高知東部バスは20分ほどの待ち。何も無いので牟岐行きのバスで国道55号上の甲浦口に出ましたが、期待していたコンビニはなく空振りでした。
 甲浦岸壁始発の高知行き急行(急行区間は安芸−高知)は乗客1人。このあたりの東洋町は高知県ですが、室戸市との境に延々と続く人家を見ないエリアを考えると、なぜ徳島県に属さないのか不思議なエリアです。室戸市佐喜浜で7人乗車。岬手前の大師像前で下車多く、「歩き遍路」の足になっています。

 時刻表ではバスの拠点になっている「観光ホテル」ですが、う〜むといいたくなる造りに驚愕。岬での乗降も無く国道を外れて室戸市街に入り、室戸営業所で乗務員が交替して出発です。
 浮津二番町停留所では、荷物の便乗を知らせるのか待合所に「バス止マレ」の看板が出ており、ローカルムード満点。途中「西ノ宮」「西灘」なんてどっかで聞いた名前の停留所が続くのには苦笑です。
 岬を回ると民家もそれなりにあり、乗車もこまめに増えます。2002年7月1日開業の土佐くろしお鉄道の終点奈半利では乗客19人を数えました。線路が並行しますが、奈半利川にかかる橋梁ではまだ下部工の工事中で、赤信号が点灯しているのとあわせて、進捗がまだら模様です。ちなみに田野で見えた駅は交換設備有りですが、両方とも上下共用できる構造でした。

 乗客はどんどん増え、田野で24人、安田で29人となり、安芸市内に入ってとうとう立客も出る43人(座席定員40人)になりました。安芸の中心街(市役所、井の口通り)でどっと降り、安芸営業所に着いた時には21人と、安芸がこのエリアの拠点であることが判ります。バスへの依存度を見ると、高知との都市間輸送となる安芸までではなく奈半利までの開業も決して無謀ではないのかなとも思います。
 ここで2度目の乗務員交替と休憩です。バスにはトイレが無く、乗務員は室戸で交替できるので乗客にとってはきつい道中です。運賃が半端でない路線ゆえ、ここで停車中に営業所職員が車内で両替のサービスをするのは便利です。

○高知東部バス(後編)
 ここから急行運転です。車両は高知東部バス(高知県交通の分社)ですが、乗務員は土佐電鉄という変則運用(放送でも言っている)で、時刻表では2表に別れている両者も実は共通、というか一体運用なのです。
 ここからは土佐電鉄安芸線の廃線跡と並行。自転車道と土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線)になってますが、橋梁や手結山トンネルにその名残が有ります。
交通量も多く赤岡のボートピア付近から4車線。いったん高知空港に寄りますが、ここで甲浦岸壁からの女性が降車。3時間以上のバス旅では徳島空港のほうが近いのではと時刻表を見ると、それでもこのルートのほうが空港には近く、高速交通網と途絶したこうしたエリアが存在するのも現代日本の一面です。

 再び55号線に戻り一路高知へ。安芸でMAXとなった乗客は結局播磨屋橋到着で25人と増えませんでした。高知駅まで乗り通したのは3人と、純粋な域内移動の足のようです。
 岬を越えたのは空港までの女性のほかは播磨屋橋までの佐喜浜乗車の女性1人だけで、3時間40分、3970円のロングランも区間乗車の集大成のようです。

○土讃線
 帰路は阿波池田の一回乗り換えで坂出に行ける列車をチョイスしました。ワンマン表示が並ぶ中、ワンマンでないためオールロングのキハ32や54は来ないと高を括っていたらなんと32+54の2連のツーマン...(涙)
 しかも直前に同じホームに池田始発列車が着くため折り返しと思っていたら、到着位置をずらして、別仕立ての編成が前方に入線したのです。到着は急行型のキハ58+28だけに悔しいのなんのって。

 土佐一宮に新車両基地が完成間近。後免までは軌道強化が進み、3月と7月の改正で大きく変わろうとする寸前です。サラッと埋まった車内も土佐山田で降りてしまい、山に掛かります。スイッチバックの新改で下り特急待ちで6分、繁藤で上り特急待ちで9分、一つ置いた土佐北川で下り普通待ちで12分待ちと牛歩の歩み。上下の特急、普通が重なって長時間停車が続く様は紀勢東線の梅ヶ谷付近でも見られますが、奇しくも地形が海辺からの片峠と似ています。

 ガラガラの車内から大歩危峡を眺め、阿波池田で乗り換え。キハ65+58の4連ですがトイレはなし。牟岐線にはあったのに...急行型に寛ぎ、高知で買った駅弁にようやく箸を付けました。その「鰹のたたき弁当」は保冷材付きとはいえカツオのたたきがメインという言わば「御法度」だったナマモノの弁当。味は宜しかったですが、薬味のニンニク片が後で臭って難儀しました(笑)
 坂出で降りて「マリンライナー」で岡山へ。大元駅高架化・交換有効長延長による改正で4分早く着いて四国早回りのフィナーレとなりました。

●使えない?交通
 使えなさを感じたのは室戸岬周辺。甲浦駅の素寒貧さには呆れるばかりですが、これでもバスが全部立ち寄るだけマシというのでしょうね。乗ったバスもくたびれ果てており、放送と連動しない運賃表に黄ばんだヘッドカバー、染みが目立つシートには座るのを躊躇した乗客も...
 細かい注文といえばそれまでですが、「次は、室戸岬」という紋切り型のアナウンステープもひどく、せめて「室戸岬でございます」と言って欲しいものです。
 すれ違う土佐電鉄バスも時代物の観光タイプのバスで、褪色激しい様子は乗る気も失せます。時刻表の不親切な掲載順序も既述の通りで、実際には高知−安芸の区間運転と合わせて室戸に行く便は結構あるのですが、判らないようになっています。

●気持ちよく移動するために
 あと、観光路線と生活路線の兼用は仕方が無いのですが、この路線は途中競艇と競輪の場外売場を経由することからそれ系の利用が少なからず有るようです。
 「客筋」を差別する訳ではないですが、結果論としてそれ系の乗客のマナーは芳しくなく、実際安芸から赤岡のボートピアまで乗った乗客が乗務員の制止にもかかわらず喫煙しようとしたり(発車後懲りずに喫おうとしたので私が制止したら、降車時に「捨て台詞」を浴びた)スポーツ紙を散らかしたりと乱行三昧で、こうした経験が室戸の、そして高知県の観光の印象を悪くすることは明らかであり、それ系の乗客がバス会社にとって重要なお得意さんであるとしても、遠来の乗客への配慮も忘れずにして欲しいものです。

 また細かい話ですが、運賃も絶対的に高い上に、妙なところで細かいです。つまり、甲浦から播磨屋橋まで3930円、高知駅が3970円とここまできたら普通は遠距離逓減で一緒のところを差を付けたり、それこそ4000円ポッキリのほうが支払いも楽なのに一々両替機を通して970円を用意させられたりと有り難迷惑な30円です。

●普通冷遇施策
 次に土讃線です。特急がメインで、各種商品で気軽に特急が利用できるとはいえ、200kmも無い高松−高知間で普通列車で行こうとすると恐ろしく時間がかかるのは困りものです。その特急はというと、せいぜい4両(3両が多い)のため、中村系統を中心に混雑しており、気軽に利用と言う気分にもなれません。特急に誘導するのなら、せめて着席サービスくらいは完璧にして欲しいものです。
 時間もさることながら、車両が虐待そのもので、池田−高知直通がキハ54や32のワンマンや同型式2連では悲惨です。日中は高知に13時過ぎに着く245Dしかクロスシート車が来ないというのはいただけません。
 確かに利用が限りなく少ないのですが、使えないダイヤと車両がリピーターならぬ「もう二度と...」という客を再生産してきた可能性はないでしょうか。

●四国の特殊性を活かせないのか
 都市間輸送では特急と高速バスが覇を競っていますが、ローカル輸送の寒さが目に付いた一日でした。しかし四国の特殊性として、ローカルでの観光利用がそれなりに見込まれるということは忘れてはならないはずです。つまり、四国88箇所札所巡りの存在が大きく、今回も歩き遍路と呼ばれる歩きや電車、バスで一人(から数人)で巡るお遍路さんを多く見ました。
 特にかつての観光バスによる早回りから、自分を見つめ直す歩き遍路が静かなブームになっていることを考えると、「四国88箇所」という全国区の観光?名所を回る手段としての面を押し出すことによって、公共交通のてこ入れが可能ではないかと思うのです。実際、「百名山」ブームで中高年の登山行、それもローカル電車やバス利用が無視できない規模で見られることを考えると、「88箇所」の可能性もまた少なくないと思うのです。

●交通網から見捨てられた?
 甲浦から3時間以上かけて高知空港に出るのが「最速」ルートということを述べましたが、この東洋町から室戸市にかけてのエリアは非常に厳しいことになっています。
 とにかく幹線道路がR55のみ。山越えのルートで高知方面に短絡するR493はありますが、東洋町のHPでもアクセスとして認められていないレベルのようです。
 当然高速も高規格BPもなく(徳島−阿南間にBPはある)、高知まで112km、徳島まで92kmですからクルマでも高知が3時間弱、徳島は2時間強かかると見ていいです。
 バスは先述の通り高知まで3時間40分、徳島までの鉄道も2時間かかります。

これでようやく県庁所在地に辿りつくわけで、東京や大阪となるとそこからの話です。しかも唯一大阪とダイレクトに結ぶ交通機関であった高知シーライン(フェリーむろと)は昨年末の12月9日をもって休航したため、いよいよ窮った感があります。

※もともと関西汽船系の室戸汽船が運行していたが、関汽自体が経営難であり廃止を表明。三セクの高知シーラインが引き継いだが力尽きた模様。大阪南港から甲浦を経て土佐清水まで就航していたが、土佐清水は南港−高知の大阪高知特急フェリーが延長する形で救済されたが甲浦は袖にされた。

***
 こうしたエリアにも当然「生活」というものは存在しますが、では今後こういうエリアにおいてはどういう「生活水準」を想定しているのでしょうか。
 その絵姿をきっちり描き、他エリアとの格差を如何に克服するのか。東洋町にそれを全て求めるのは無理です。交通面におけるこうした退出問題の深度化(=規制緩和による退出の平易化)、そして整備の見なおしを訴えるのであれば、それにともなう「見捨てられた」地域のあり方を国や高知県が示せない限り、ある種の棄民政策と言われても仕方が無い話です。

「正月パス」早廻り新幹線旅日記  投稿者---551planning(2002/01/03 23:43:03)

 どうも、551@こんばんは。
 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 本年も【検証:】を御愛顧賜りますよう、宜しく御願い申し上げます。

 さて、一年の計は元旦にあり、と申しますが、皆様は初日の出は拝まれましたでしょうか。首都圏は曇りがちでしたが、まあまあの日の出であったかと思います…当方はというと、あさま501号車中より拝みました。JR-E発売の「正月パス」を使いまして、早廻り新幹線旅をと駆け巡って参った次第でして、まずは思いつくままに所感を書き綴ろうと思います。

正月パス http://www.jreast.co.jp/ticket/f_03.html

 以前は「お年玉フリー切符」の名で自由席用と指定席用が発売され、一部列車では超混雑になったイワクつきのきっぷですが、今回は指定席用10,000円、グリーン車用13,000円とリーズナブルに(以前は指定席用で20,000円だったはず)。
 正月は大人しくしている性分の当方ですが、さすがにこれには飛びつきました。折角なのでG車用をチョイス、ただ漫然と乗るのも芸のない話、折角なので全新幹線走破・全車種乗車を主題に掲げました。

 間もなく年が替わる直前に家を出立。新幹線が終夜運転しているはずもなく、当然狙うは新幹線以上に贅沢な車両…これまで完全専用車両として運行されてきたN'EXがはじめてそれ以外の任に就いた「成田山初詣2号」を迎撃。折角なのでと当初はスカイライナーで成田入りをしようと思ったのですが、都合でこれは中止し、千葉から臨時快速で成田に入りました。その駅前でオネーちゃん達が缶ビール片手に語っていたり、オニーちゃん達がワイワイ騒いでいたりと異様な雰囲気…。
 2:30成田発の復路便は全車指定ながら7割以上の乗り。G車はというと完売、うち8割が「御同輩」と見ました…。車両は望み通りの完全2列バージョンでゆったりと過ごしましたが、何せ外が暗いもので楽しめるはずも無く、幕は「臨時」、車内の走行表示板等も表示無しと寂しい限りでした。
 4時前に池袋着、山手内回りで有楽町へ行き、東京ミレナリオを見物と思いきや、元日未明までの開催期間を過ぎていたのか終わっていたどころか人影が見事に無かったのに驚きました。夜も静かな丸の内はめったになかろうと思います。

 5時前の東京駅。地方からの東京年越し組みか自由席狙い客で新幹線改札前は大行列、周りのそこかしこにあきらめ組が座り込んでいました。5:20に改札が開き、列が捌けてからホームに上がると、入線列車が既に扉を開けていたのは上出来と。

●東京06:26→あさま501(E2)→08:04長野 乗車率100%

 大宮までにほぼ満席。おしぼりとウーロン茶のサービスを受け御満悦。大宮を出てしばし、曇天の上方から初日の出を拝みました。
 その前後から、隣人のオジサマに声掛けられ歓談。関西から来られたそうで、「(車内改札でも)正月パスばっかりじゃ。廻り見ても、(普段)グリーン乗っとる面じゃないわいな」と…確かに当方は無論、オジサマもそうでは?…という御風貌で。
 相当乗り慣れているようで、東海道昼特急で上京した由、退屈したが快適だったと禅問答的回答を頂きました。G車がなかなか取れなかったそうで、午後に大宮まで戻って一路北を目指すとのこと。旅の御無事をお祈りします。当方は篠ノ井手前で席を立ち、イベントに備えます。

●長野08:05→あさま504(E2)→08:54高崎 乗車率10%

 長野は雪景色ながら薄日の指す元旦。長野駅の雰囲気を楽しむでもなく1分接続、扉が開いてスタート、ダッシュで隣のホームへ駆け上り下りて次列車乗換え…よいこのみんなはまねしないように!あ、御同輩がお一人いらっしゃったことを御報告しておきます。
 前列車が相槌併せに終始していたので、ここでE2G車の乗り味をチェック。グレー地に黄色いアクセントのデザインの重厚感ある座席、可動式枕も心地良く、足回りも広々。
 雪景色の浅間山に別れを告げ、再び空っ風吹く関東平野に戻ります。

●高崎09:05→Maxたにがわ433(E4)→09:36越後湯沢 乗車率10%

 高崎で少々のインターバルで、「朝がゆ弁当」あたりで食糧補給をと思うもめぼしいものが無く、早々に諦めホームへ。ここ高崎や那須塩原などの折返し駅では下りホーム発着に上り始発便が当たり前の構成で、運行システムの優秀性の現われではあるものの、いちげんさん利用でのアナウンス上は慣れないものですね。
 やってきたのは2代目MaxE4。相変わらずの面構えはどうしようにもなれないものの、実は初乗。食わず嫌いとはまさしくこのことで、G車乗り比べでも最高点を付ける構成でした。シックな生地の座席、可動枕以上にお気に入りはレッグレスト。まさしく身体を預ける感じになりました。さすが乗り心地はE4(イーヨン)…失礼!

●越後湯沢09:43→Maxあさひ309(E1)→10:34新潟 乗車率100%

 ガーラに向かうE4と分かれ、今度は上越新幹線のスター・初代MaxE1。オール2F車という圧倒的な存在感はまだまだ色褪せずという感じです。ただ、車内の造作は逆にE4の改良を改めて感じさせるものとなっており、階段部の身障者用リフト(E4ではエレベーターに)、フットレストも簡易というよりも貧相なつくりで、ややくたびれ感のある座席の乗り心地でした。
 そうこうしているうちに列車は新潟の穀倉地帯をひた走っておりました。雪が心配されたものの、このときは何とか天気も持ってくれまして、建物が目立つ関東平野とはまた味の違う越後平野の広々さを改めて思い知りました。

●新潟10:35→あさひ312(200改)→12:13大宮 乗車率20%

 今日2回目の「1分間チャレンジ」。長野と違っていわゆる前時代の新幹線型構造駅舎のため、階段の上り下りが結構増えるものと予想していましたが、さすがG車そばということもあってエスカレーターが間近、ここもことなきを得ました。これがアウトだったらあとの行程がぐだぐだになっただけに、長野&新潟の成功は大きかったぁ。
 で、ここで200系。ただ改良車なので、緑地ながらE2タイプの座席になっていて寛げました。列車も長岡・越後湯沢のみ停車の最速タイプ、当時新幹線最高速度だった関越トンネル下り勾配時275km/hを満喫しました。色は変われど200系いまだここにあり、ですね。
 ところで、G車サービスの飲み物、ウーロン茶の他に緑茶とコーヒーが選べるんですね。長野新幹線の2列車はウーロン茶だけだった…(途中乗車のせいかMax兄弟では提供なし)。

●大宮12:30→こまち13(E3)→16:29(16:17)秋田 乗車率100%

 6時間で上信越筋をクリア、今度は新在直通区間が手強い東北筋へ。
 ひそかにE2-1000を期待したやまびこでしたが0番代で、当初確保通りこまちに乗車、一気に秋田まで乗り通します。E3も初乗、しかもG車はさらに小ぢんまりとしたスペースで満席とあれば、閉塞感すら感じるものでした。座席も在来線規格で肘掛等が小ぶりになっており、E4やN'EXが比較材料になってしまった以上、評価はどうしても低くなります。
 仙台を出てしばらくして辺りの景色が吹雪に一変、それでも脚力が鈍らないのはさすが新幹線の安心感を実感させますが、盛岡でやまびこと分かれ、一人旅で速度が急に落ちるのは新在直通の持つ味ともいえましょう…しかし小岩井での最初の列車交換で対向列車が10分近い遅れ、G車そばの車掌室の動きが急に慌しくなってきました。
 結局秋田には12分の遅れ、いなほまでのインターバルが吹き飛びました。

●秋田16:34(16:27)→いなほ16→18:11(18:04)余目18:12(18:09)→160D→18:55新庄

 いなほに駆け込み乗車となり、自由席を確保して一息。乗換組も多かったようです。6連中2連が自由席車、1両半室G車の構成ながら、自由席車1両が高床構造への更新車で、指定席車2両がモケット張替えのみの改善車とちぐはぐ。
 切符購入時にG車確保できなかったので最初から自由席乗車予定でしたが、「指定席は満席」といいつつも、酒田までに大混雑にはならず、G車も半分は空席だったようで。ただ、自由席でもボックスを作ってのんびりできるくらいでしたので、こうなるとどちらが良いかは判断の難しいところでしょう。
 余目での陸羽西線接続も確保、新庄着も定時に戻りました。

●新庄19:17→つばさ144(E3)→22:56(22:54)東京 乗車率80%

 新庄で駅弁購入をと思いつつ果たせず、こちらはいまだJCにてコンビニ弁当となったのは御愛嬌…。山形新幹線の東京行最終は併結なしのため、予想はしていたものの400系ではなくE3、これで全車種乗車は叶いませんでした。秋田新幹線と同じ椅子のため感想も同じ…400系は3列なので、また違った乗り味になったのかもと恨み節を言っても始まりません。こうと考えていれば初便を東京−大宮で乗っておけば良かった、って、こちらも全区間単独運行ということは…。
 福島では当然ながら下りホーム到着。ふと上りホームにはやまびこ・こまちが5分ほどの遅れで到着。おかげでこちらも3分程度の遅れになってしまうという、こまちの遅れがあちこちに波及するさまを改めて実感しました。

 何はともあれ、無事に東京駅帰着、丸々1日の正月パス体験でございました。
 まあ参考記録にもならないでしょうが、G車の乗車傾向などを見ておりますと、家族連れが多かったですね。パス利用組もいたでしょうが、新潟−長岡間利用の個札組という豪気な例も…。静かな車内での幼児対策には親御さんは苦労されていることでしょう。こまちでは大宮から大曲までほとんど動かず、という濃い占有率でした。盛岡でのやまびこからの移動もかなり多く、G車のエントランスが最短乗車口ということもあって一時大混雑、この年末年始は過去最大という秋田新幹線の波動対策の難しいところでしょうか。
 車両面では200系の16両2F組み込みタイプや12両ビュッフェ連結初期タイプなどにも乗ってみたかったですね。八戸開業を目前とし、これらの200系の動向が気になるところですが、更新車も幅を利かせるようになってきており、あの面構え自体は当面安泰かもしれません…もしや首都圏では100系タイプの前面が早く無くなるのかも?
 いろいろと考えてゆくと北への新幹線、まだまだネタは尽きないかもしれませんね。

「アルプス」挽歌  投稿者---エル・アルコン氏(2002/01/10 14:24:23)
 
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 年明けの4日夜、大糸線・北陸線経由で神戸に帰ろうと急行「アルプス」に乗りました。
 すると雪もばっちりの金曜夜、しかも臨時も出ないというのにガラガラという惨状に、どうして?と思いました。その日は信濃森上−白馬大池間で倒木があり大糸線ダイヤがズタズタで、白馬から南小谷までタクシー代行となり、そこで同乗した地元の方に「アルプス」の様子を引いてスキー需要が減ったのかを尋ねたところ、長野五輪を境にそれまでのスキーバブルが思いきりはじけたようで、かなりキツイと言ってました。
 実際、タクシーが行くR148も空いており、八方やコルチナ、栂池も火が消えたようで、かつては臨時にシュプールまで繰り出した大糸線や、松本から渋滞のR147、R148がウソのようでした。

 さてそうした状況下で、「アルプス」にはもっと厳しい逆風が吹いていました。
 昨夏に運行を開始した新宿−松川・大町・白馬の高速バスですが、12月22日から冬ダイヤに入り、それまでの4往復が6往復に増強されました。
 注目すべきは下りの増発分で、2便とも21時半、22時半発の夜行便なのです。明らかにスキーヤー目当ての設定であり、五竜を通り終点が白馬八方とあるのもそのものズバリです。
 ダイヤ的には「アルプス」の方が時間帯が良いのですが(バスは到着が早すぎる)、運賃がもうどうしようもなく、大町が4100円(往復7400円)、八方が4700円(往復8100円)では「アルプス」に勝ち目はありません。「アルプス」は大町が5670円、白馬が6510円なのです。しかも183系グレードアップ車とはいえ座席夜行ですから、設備での優位性も相当落ちるのです。

 「アルプス」というと、八ヶ岳、北アルプス方面の山行きやスキーがメインの列車です。しかし、上高地や乗鞍方面は高山行き夜行(季節運行)の登場や会員制バスが侵食しており、今回大糸線沿線まで侵食されたことで、いよいよ窮った感もあります。
 先日の12月1日改正で上り「アルプス」が季節化されましたが、今後下り「アルプス」もその道を辿る公算が強まったのではないでしょうか。
 先日も乗客の大半が甲府までの最終代わりの利用でしたし、諏訪・松本も最終「あずさ」に乗り遅れたような利用がほとんどでした。いわんや「ちくま」乗り継ぎで長野方面という客も少なく(「ちくま」から乗り継いできたのも僅かだったが)、極端な話、最終の中央特快大月行きの甲府延長(但し通過運転)があれば十分ともいえます。

 「アルプス」の愛称には今の30代後半以上の世代には特別な思いがあると思いますが、今や往年の輝きも残照すらないところまできてしまったようです。時代の変化とはいえちょっと悲しい話です。

***
 個人的には、青春18へのつなぎ乗車だったのですから、そうと知ってりゃ高速バスにしていたのに、という悔しさもあります...

神鉄特快速から見た北摂三田通勤事情  投稿者---エル・アルコン氏(2002/01/27 23:52:15)
 
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 1月11日、実家へ帰るのに有給をとって「昼特急」を利用したんですが、せっかく平日に休むのに何もしないのも何なので、前運用として関西の「通好み」な通勤電車を試乗しました。異動後初の通勤電車シリーズです。

***
 まず最初は神戸電鉄の特快速。このなんとも言えない半端な響きのする優等列車ですが、平日2本、土休1本の運転で、しかも三田から新開地の運行で、三田発が6時52分と7時9分(土休は6時53分)という非常に乗りづらい運行です。結局先発便の三田6時52分発にターゲットをあわせましたが、三田への足付けが非常に苦しく、摂津本山を5時18分の神戸線始発となってしまいました。(このあとは三田6時50分着ときわどい)
 201系の神戸線始発電車は座席の半分くらいの入り。立花でまとまって乗ってきたのを確認して尼崎で乗り換えです。神戸線下りの「神戸方面加古川」行きの207系と同時発車の新三田行きは207系。宝塚線の通勤用送り込みとあって当然ガラガラです。寝入ってしまいはっとして目覚めたら道場で、かなり危なかったです。

 6時15分に三田着。まだ明ける気配も無い冬の朝は寒く、駅前を見るに休むところも無さそうで、上りホーム階段裏に待合室があったので移動しました。跨線橋を行くと、「急行」の放送が聞こえ、寝ぼけたのかな、と思ってるとディーゼルカーの轟音が響いてきました。忘れていた「だいせん」の登場で、エーデル車2連。自由席に5人ほど乗り込みました。車内は空気輸送かと見えましたが、実は向かい合わせにしたり、2人分を占領して横になっている人が見えなかっただけで、自由席は15人くらいの乗車。指定席は展望室も含めて空気輸送でした。

 まだ暗いといえども通勤客は続々現れており、普通電車はまだ空席が結構見えますが、快速はここで立客も出てます。時刻表を見て気付いたんですが、普通電車のうち、尼崎から内側線走行で塚本停車となるものと、外側線走行で塚本通過になるものがあります。まあ塚本に用がある人は些少でしょうが、紛らわしいです。
 神鉄の駅から放送が聞こえてきて見ると6時37分の急行新開地行きの発車。車内に人影無しで、いくらなんでもという光景です。
 逆に神鉄の電車が着いたのか、大量の乗り換え客がやってきており、6時40分の快速木津行きには各扉5人程度が並んでいます。その木津行きは到着時点で座席がほぼ埋まっており、車両によっては座れたようですが、北新地まで46分という三田で7時前から着席通勤が難しいという現実は、比較的楽といわれる関西圏での厳しい現実がうかがえます。木津行きに乗らずに次の48分発の快速大阪行きを待つ人も少なからずいますし。

 そろそろ神鉄駅に移動します。42分着のウッディタウンからの電車から大勢乗り換えてきましたが(目視で70人くらい)、人波が去った三田駅はひっそり。52分の特快速は新開地からの45分着の折り返しですが、降車がざっと見で80人くらいに対し、結局乗車は35人。宝塚線と違い学生層が目立つ客層で、三田行きの様子からして新開地行きが「逆ラッシュ」です。車内にLED表示を付けた5000系4連がわびしいです。発車間際に見た48分発の快速大阪行きは117系の6連。1両少ないですが車両あたりの座席が多いせいか結構三田からの乗客も座ってましたが、それでも立つ人も多く、こちらの車内が別世界です。

 この特快速、英訳は「Special Rapid Express」です。神鉄では快速が「Rapid Express」を名乗り、「Rapid Service」ではないのです。言ってみれば「快速急行」で、だから急行の上位種別になっているのでしょう。
 ここで歴史を紐解けば、そもそも準急と急行だけだった神鉄に昭和63年に「特急」が登場しました。この時の停車駅は三田、横山、道場南口、岡場、有馬口、谷上、山の街、北鈴蘭台、鈴蘭台、湊川、新開地で、運転もデータイムでした。その後平成3年に快速が通勤時間帯に有馬線と粟生線に登場(粟生線はのちに休止)、平成7年に特快速が登場しています。
 快速は谷上まで特急(と急行も)と同じで、その先有馬口以遠各駅、特快速は有馬口を通過して岡場以遠各駅となっており、有馬口の扱いはありますが、特急の下位種別という位置づけゆえ、苦しいネーミングになっています。しかも平成10年に特急が運行休止になったため、見た目はなぜ特急ではなく快速に特快速という不自然な状況になったのです。

 三田本町では乗車無し。ホームに横山からの折り返し乗車をしないように訴える貼り紙がありましたが、公園都市線と三田線が横山でなく三田本町で交換する以上、ここで乗り換えたくなるのが人情で、苦しい掲示です。
交換の公園都市線は立客も多く、明らかに三田を向いた流動を見ると、横山で公園都市線が三田に直通するのは理に適ってることが分かります。
 その横山では各車15人から20人の乗客です。ようやく電車らしい入りになり面目を施しましたが、これならいっそ特快速だけでもウッディタウン直通にすれば、とも思います。

 いちおう空席があったものの、道場南口で座席が埋まりました。対向列車は満員で、三田経由大阪と流動が拮抗しています。こちらの車内を見ると、突端駅である三田行きのようにあからさまに先頭車が混んでいません。実は新開地も突端駅ですが、偏りが見られないと言うことは現時点の乗客は新開地まで行かないということでしょう。
 まとまって乗ったのは田尾寺で、各車30人見当。下りを待つ人も多かったですが、発車後すれ違った下りはガラガラで、西宮市山口地区を控えた田尾寺が流動の分水界のようです。

 谷上までの最後の停車駅になる岡場(藤原台)では田尾寺以上の乗車。ただ学生中心に10人/車くらいの降車もあり、反対側に停車中の始発普通新開地行きに乗り換えも若干。普通も座席がほぼいっぱいで、始発への狙い乗車でしょう。
 ここから北神急行乗り換えの谷上まで通過です。有馬口では有馬温泉からの準急新開地行きと同時進入。岡場の接続とあわせて、追い越しこそ無いですが上手く捌いています。谷上までの途中駅では大池での待ち人が目立つ程度ですが、時間を合わせてくる人が多いでしょうから、このあと準急が来るまでに増えるとみます。

 改良で北神急行とノーラッチの対面接続になった谷上に7時18分着。ホームで特快速を待つ人は少なく、逆に接続次第発車の18分発の西神中央行きは先行の岡場発新開地行きも受けており到着前から立客がいます。そして谷上の段落ちは壮絶でした。各車60人は優に降り、各車座席定員+10人程度にまで落ちたのです。ビジネスマン系はほとんど降車したようで、残ったのは高校生が大半。三宮着が北神経由で7時28分、新開地経由で7時55分では、自腹を切る学生などを除けばわざわざ新開地を回る人はいないでしょう。(しかも地下鉄は湊川公園/神鉄湊川に特快速より8分早く着きますし、三田6時48分の快速大阪行きに乗り、尼崎で新快速に乗り換えると三ノ宮7時37分着)
 さすがに鈴蘭台方面から谷上経由というのは少ないようですが、ここで「三田からの特快速」は事実上終点になった感じです。

 ここから停車駅が増えます。新神戸トンネル経由の市営急行バスが頻発する箕谷はさすがに更なる逸走懸念か、勝負にならないと悟ったのか通過しますが、山の街、北鈴蘭台、鈴蘭台と連続停車です。しかし停車するだけあって乗車は多く、特に北鈴蘭台は各車50人程度の乗車です。北区役所のある鈴蘭台でも日中のように降車が目立たず、乗車が勝り、谷上到着前のような入りになりました。三田発谷上行きと谷上発新開地行きの複合のような利用実態で、地下鉄乗り換えの湊川でも10人/車程度の降車であり、ほとんどが新開地から神戸高速東西線乗り換え及び下車のようです。
 しかし設備が貧相で、コンコースからホームへの階段が狭いため、1分後の直通特急に乗り継げず、次は6分後の急行。阪急も8分後で、三宮や神戸市内(特に阪神普通への接続)が悪すぎます。こうした点も新開地ルートの弱さ、いや、神鉄沿線指向への障害になるのではないでしょうか。

待たずに座れる?阪神区間特急
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/01/28 00:04:12)
 
http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs
待たずに座れる?阪神区間特急
└阪神の多種別14分サイクルダイヤの是非
└Re:待たずに座れる?阪神区間特急
 └阪神14分ヘッドの「穴」
  └阪神14分ヘッドの「穴」
   └阪神14分ヘッドの「穴」

 神鉄特快速の試乗を終え、タッチの差で梅田に向かって去る直通特急の後ろ姿を見送って新開地のホームで次の急行を待ちました。ホームで整理に当たる駅員に、ちょっとおかしい人なんでしょうが、「阪急は8両、10両とつないでるのに、阪神は6両、だから駄目なんだ」と食って掛かるオッサンがおり、妙に的確なのには苦笑するしかありません。実際、取り合わない駅員も苦笑が見え隠れ...

 山陽東須磨からの急行が到着しましたが、空席と立客が混在しています。高速神戸、元町と入れ替わりが多く、市内の近距離移動に徹しているようです。阪神の場合、三宮から始発の区間特急があり、急行は青木で区間特急と直通特急の通過待ちがあるため、三宮以西では例え着席目的であっても指向する理由に乏しいのです。
 三宮で降りましたが、見ているとほとんど入れ替わるようです。あとは岩屋、大石、御影、青木への市内移動でしょうね。緩急接続の青木でもう一回入れ替わりがありますし。

 さて「通好み」の第2弾は阪神の区間特急です。そもそも芦屋浜のシーサイドタウンの入居開始にあわせて、芦屋始発(途中甲子園のみ停車)で設定されたため「区間」特急となりましたが、後に魚崎停車で三宮に延長され、特急(当時は三宮を出ると御影、芦屋、西宮停車)とパターンが違うだけになっています。昨春の改正で、直通特急の魚崎停車に伴い、魚崎通過、青木停車に停車駅を振り替えたのも異色です。

 三宮始発の区間特急は行きどまりの3番線始発です。そのため上り本線からは元町方に1つしかない階段を使うしかなく不便です。急行からだと青木まで行って乗り換えれば対面接続ですが、そうなると始発狙いが出来ないので、あちらを立てればこちらが立ちません。
 7時57分着(59分発)の急行から8時4分発の区間特急への乗り継ぎですが、3番線に回ると座席は充分に空いていました。座席が埋まったのは8時2分頃で、朝も待たずに座れるといって良い状態です。発車時の車内は20人から25人くらいが立つといった状態で、うらやましいばかりの状況です。

 青木では各扉10人くらいの乗車。待避の急行には空席もありますが、梅田着は実に12分も後です。いつもの感じから言うと、青木だと階段のある先頭車でそれなりに降りるので、入れ替わりで数人座れます。
 さて区間特急発祥の地となった芦屋ですが、青木を上回る各扉15人強の乗車。ただ降車が多く各扉10人くらい降りてしまううえに、着席者も相当降りますから、ここで座れる確率は高いです。ネットの混雑度は吊り革が埋まる程度で、関東人の私から見たら非常に拍子抜けなんですが。

 ホームで大勢待つ西宮を通過。これは区間特急でしか味わえないものです。最後の停車駅は甲子園。なんと左右両側の扉が開き、両方から乗降できます。本設の右側から各扉15人、左は5人くらいの乗車で、降車は各扉10人程度。芦屋と違い立客が中心の降車です。途中3駅の乗降を見ると、阪神間を通す客は少なめで、事実上着席可能という絶対的なアドバンテージにもかかわらず指向が低いのは意外でした。
 甲子園発車後でも神鉄特快速のピーク程度の混雑で、新聞が読めるレベルです。まあ通勤電車の快適度が高いというのは良いことですが、経営的にはちょっと心配です。

 尼崎で始発普通を追い抜きましたが空席多数。千船で追い抜いた準急は吊り革が埋まるには至りませんが立客がおり、神戸市内でのガラガラ状態とは雲泥の差。野田で追い抜いた高速神戸からの普通も混んでました。
 特に抑止も遅れも無く8時36分に梅田到着。32分の所要は直特の34分よりは速く、阪急の特急、通特と同タイムですが、JRの新快速19分、快速29分(この時間帯は外側線走行で芦屋で新快速待避)、普通36分を考えると、勝負以前の状況のような気もします。
 すぐに野田で抜いた普通がきましたが、うってかわった混み具合に、西梅田再開発の福島需要が意外とあるようです。ついで現れた直特は区特よりは格段に混んでおり、これを見ると直特の終日クロス化は朝上りに限ってはキビシそうです。もっとも、絶対的な混み具合で言えば、それでも「そんなに…」というレベルです。

 試乗して感じたのは、敢えて14分サイクルと各種別の乗車チャンスを減らしてまで千鳥停車による混雑の平準化を図るレベルでは到底無く、阪急のように特急系と普通を15分に2パターン入れて(1パターンは阪急の場合特急もしくは通勤特急、通勤急行+西宮北口始発普通と宝塚始発準急+普通)、各種別とも乗車チャンスを増やすべきだということです。
 必然性の薄い14分ヘッドが何を招いているか。いかに駅が多くて近くに駅があっても、14分待つくらいならJRの駅に行ける、という逸走なのです。
 しかもJRが甲南山手に次いで夙川にも新駅を作り、駅勢の目を細かくしてきたので、このままでは総崩れになりかねません。

阪神の多種別14分サイクルダイヤの是非
 投稿者---矢切氏(2002/02/02 10:28:05)

 昼間ならこのようなダイヤはまずいと思うのですが、朝は時刻表を知った上での行動となることと混雑時間帯であることから、乗車時間短縮を多くの駅で実現する千鳥式的多種別長サイクルダイヤにも合理性があると思います。

 但し14分に1回というのは我慢の限度かそれをやや超えそうな間隔であり(10分なら文句無し・12分くらいならまだまし)、仮に「利用の多い駅間において」14分に2パタンでなく実質1パタンしか使えないケースがあるならそれはまずいかなと思います。 但し速達は14分に1パターンでも、それ以外に先発後着だが座れてしかも差ほど遅くないパターンが別にあるならそれはそれで良いサービスなのだと思います。

# ちゃんとダイヤを見てません、ごめんなさい。

Re:待たずに座れる?阪神区間特急
 投稿者---KAZ氏(2002/02/12 10:27:18) http://www5b.biglobe.ne.jp/~ktnh/pri/

 どうもです。

 遅レスですが、阪神のダイヤ組成で無視できない存在が「ジェットカー」です。今の14分パターンは昔から続くものですが、確かに以前のような大混雑(10年くらい前までは朝夕の新快速がなかったため私鉄利用が常識だった)という状態にはなく無駄に思えますが、このパターンを変える場合に問題になってくるのがジェットカーの車両数です。阪神の場合は普通列車については高加減速の特別車で運用されており、スジが固定されます。またその車両性能に合わせたスジになっているため急行系の汎用車での運用ができません。ということで阪急タイプの漸減型ダイヤは組めず、また高価かつ電力消費の大きい車両のため安易な増備もできずダイヤ組成上のネックにもなっている存在です。しかし優等系の速達性を維持するためにも高加減速性能は温存したいところで、阪神のダイヤを考える上で非常に難しいバランスを求められることになります。
 朝の14分パターンは、昼と同じ10分パターンにすると優等系の本数が犠牲になり、12分パターンでも大阪口で優等系が不足する、10分以下のパターンではジェットカーが不足する上に電力消費量の問題も出るので実現不可、という状態から生まれたもののようです。あと今では直通運転を実施している山陽電鉄線内での線路容量の問題もあって朝の直通特急は13.5分毎が限界となり、神戸高速線内でスジが重なる阪急神戸線も朝は14分〜15分間隔なので、各社のパターンが合う14分パターンの変更は難しいと思われます。
 朝の優等系の運転本数ですが、阪神の場合は阪神間から神戸へ向かう流動や、西神戸・明石方面から東神戸の工業地帯への流れなどがあり、結構複雑な流れになっています。阪急やJRのように大阪・三宮の両極への集中的な流動ではないので、まとまった混雑にならない傾向もあります。また工業地帯でのラッシュタイムと大阪・神戸の事務系通勤者とのラッシュタイムに時間差があったりしますし、かなり複雑な流動がありますから一概に見られない面もあります。

 と、雑感を並べてみました。乱筆ご容赦。

阪神14分ヘッドの「穴」
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/13 01:36:17) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 青木が最寄りのエル・アルコンです

●正味も14分ヘッドの雁行ダイヤ
 基幹の直通特急と区間特急が千鳥停車を構成するとはいえ2分雁行(区特−直特の順:梅田着は4分差に開く)です。一方で普通と準急も御影で普通(3分)準急(11分)普通で、どういうつもりか青木で通過追い越しまでします。結局芦屋で準急(2分)普通(12分)、西宮で普通(3分)準急(12分)、甲子園で準急(5分)普通(9分)準急と偏ったまま東進し、区間普通が入る尼崎でようやく区間普通(5分)普通(5分)準急(4分)区間普通と平準化します。
 で、急行だけは単独行ですが、三宮を直特の7分後、区特の5分前に出るとはいえ、青木で区特、直特のダブル待避(区特は急急接続、直特は通過追い越し)となり、芦屋では区特(2分)直特(3分)急行(9分)区特となります。
 西宮は直特(3分)急行(11分)直特(※急行の4分後の準急で甲子園で区特乗り換えという手もある)、ようやく甲子園で区特と急行が7分ヘッド、尼崎は直特(5分)急行(9分)直特とまともになりますが、甲子園以東だけ便利というのもなんです。
 下りはどうかというと、梅田で直特と急行が7分ヘッドを構成し、しかも急行は三宮に直特の3分前先着というのはいいのですが、これが西宮になると急行(4分)直特(10分)急行で、芦屋、御影はこれが三宮到着まで3分−11分になるのです。
準急は東須磨行きですが御影から各駅(しかも御影で急行、直特ダブル待避)で使えません。
 準急と普通も、梅田で普通(5分)準急(9分)普通ではじまり、西宮では準急(8分)普通(6分)準急となりますが、御影以遠でせっかく準急が普通になってフリークェンシーを確保するかと思ったら、御影〜新在家が準急(5分)普通(9分)準急で、大石で今度は普通がダブル待避をするため、大石〜春日野道(除く岩屋)は普通(3分)準急(11分)普通とこれも偏っています。

●中途半端な準急
 KAZさんに解説して頂きましたが、ジェットカー(青胴車)の絶対数が不足するため、普通を14分に伸ばす代わりに、急行車(赤胴車)による準急を設定しています。実際、準急が通過するのは6連の急行車が停まれない4連MAXの駅(淀川、大物、久寿川、上りの香櫨園、打出、住吉)のほかは、なぜか下りの芦屋と青木だけなのです。
 待避数も半端ではなく、上りでは普通が御影(急区直)、青木(準)、西宮(区直急)、尼崎センタープール前(区直)、千船(急)、野田(区)の11本待避で石屋川−梅田を77分(三宮から86分)。準急は石屋川始発で青木で普通を抜きますが、甲子園(区直)、センタープール(急)、千船(区)、野田(直)の5本待避で石屋川−梅田を56分です。
 ただ、西宮からだと普通40分に対し準急42分(!)、甲子園は普通35分に準急31分、尼崎は普通19分(区間普通は千船での直特待避だけで17分)に準急19分と、まさに普通と同格です。
 それなら西宮以西でも普通と等間隔を取るように走ればいいのに、青木で通過追い越しをするなど妙に張り切っており、コンセプトが曖昧に過ぎます。

***
 これらの「問題点」は阪神間の西部、つまり西宮以西にしわ寄せされており、神戸市内移動などの利用に影響しています。
実際、大口の事業所最寄りであっても到着列車から然程降りない駅とか、ラッシュ時なのに妙に閑散としている駅とか、関西のラッシュ風景でもかなり特異なのでは?というシーンが散見されます。

●ジェットカー不足
 一つの提案として、西大阪線からラッシュ時だけでも青胴車を召し上げるのです。
 ここは青胴車と、旧型になった赤胴車の4連で運転されており、運用や所要時刻が異ならないことから、赤胴車の性能で走れるはずです。
 9300系投入などで余剰となる赤胴車を廃車せず4連化して、西大阪線に回し、青胴車を本線普通に回します。
 もし現状区間普通の運転などで既に回しきっているのなら、4連化した赤胴車を「準急」として投入し、打出など4連対応だが利用の多い駅に停めて、青胴車と全体で平行ダイヤを組める程度まで西宮以西の通過駅を減らすのです。
 もちろん、赤胴車の増備を一時休んででも青胴車の増備をさらにすべきなんですが。

●ジェットカーでないと走れないのか
 最大の疑問です。例えば青木で準急に抜かれた普通は、準急が次の深江、そして芦屋に停車するため加速も何もあったものじゃない速度しか出せません。
 また、青木や御影、石屋川など出発信号機のある駅では、停車列車に対し黄色信号が現示され、停留所の場合は「S票」と呼ばれる点滅信号で速度査照を行っていますが、駅への進入速度が他社に比べて遅いようです。
 特に朝ラッシュの青木では、待避する急行が副本線に入り、停車する区特が本線に入りますが、どちらも場内黄色信号なので非常にゆっくりしています。
 もちろん運転事故防止のための施策ですが、現状の様子を見る限り見直すべきではと考えますし、これにより日中の時間短縮と、ラッシュ時には例えば赤胴車を普通に充当する余裕時間確保などを図る原資になるのではないでしょうか。

***
 もちろん出来ないのはきちんとした理由があるのでしょうが、まだまだポテンシャルがあるように見えるのも事実です。

上り準急、香櫨園に停車
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/02/19 14:47:20) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

 高架化されたのに仮設部分の整理が終わらず4連制限がかかっていた香櫨園の上りホーム延伸が完成し、3月4日から朝上り準急が停車することになりました。

http://www.hanshin.co.jp/press/20020218.html

 これにより、石屋川からの準急は尼崎まで、実に住吉、青木、打出、久寿川の4駅しか通過しないことになります。(その先も大物、淀川しか通過しない)このうち住吉は隣の御影との統合が囁かれており、打出も延伸は不可能ではなさそうです。久寿川も平面駅ですが、これは名神高速をくぐるためのもので、実際は事実上連続立体区間であり、踏切などの制約は無く、前後に延長することは無理ではなさそうです。
 青木はそもそも6連対応なので、通過する必然性(さらには普通を通過追い越しする必然性も)はありません。

 ここまでくれば、少なくとも打出の延伸をして、西宮以遠各駅という他社で見られる漸減型ダイヤへの転換が必須でしょう。西宮以西では普通と「新」準急(久寿川などの対応をして普通にしてしまう手も考えるべき)を極力等間隔にして、それぞれに特急系を絡めるダイヤが望まれます。
 西宮以西は現状の輸送量からすると、14分にその普通系と特急系の1-1ダイヤ2クルーの4本で十分で、御影と西宮で緩急接続というシンプルなパターンにすべきです。
 あとは西宮から急行系を1ないし2本(着席狙いの誘導、武庫川などと、千船などをターゲット)というところです(ex:特急系は御影、芦屋、西宮は両方停車、岩屋、魚崎、青木、甲子園、尼崎を選択停車にすれば利便性と速達性を大きく損なうことは無さそう)。

2004.11.02 Update


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