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CTC ≪特別企画≫成田新高速鉄道を考える
(過去ログNo.157)
下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。
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成田新高速はまったく違う概念の公共事業としてすすめたい
 投稿者---とも氏(2002/05/13 18:00:59)
 http://town-m.vop.jp/
─成田新高速で新しい公共事業の投資スキームの構築を
 └Re:成田新高速で新しい公共事業の投資スキームの構築を
  └成田新高速を含む公共事業実施の基本的考え方

 ともです。

暫定投資と新高速

 暫定投資自体はどうこういうつもりはありませんが、少なくとも着工後10年程度かかってしまう公共事業のスケジュールを考えれば、今の段階でなくてはパンク後という後手後手の対策になります。
 少なくとも、今のままでしのげるのは10年が限界でしょう。となると、新たなものとしての新高速はその時点における投資として無駄ではないと考えられます。
 これ以上経済情勢が悪化するであろうから投資は必要ではないというのも一案ではありますが、成田の場合明らかな増加傾向を見せている以上、投資は適切と考えられます。
 京成の暫定投資により、振り子式車両の導入などを行う場合、建築限界の見直し、架線・軌道、ホームの改修などが必要となり、その場合、おそらくざっと見積もっても100億単位の費用がかかります。それに車両製造費と、高速化(600m特認の解消)のための改修費用(1号線ATSではおそらく認可は120kmまでしか下りない)、関連する事業者である都交、京急、北総の改修費用も含めると、差はどれほどのものになるかというところです。

 税金の投入は受益分負担の範囲内で行うべき

 新高速をどう位置付けるかですが、私もむやみやたらな税金投入には賛成しかねます。しかし、目的がしっかりしていて、その財源を都市再生、空港、都市交通から捻出するのであれば、それは税金を適正に支出していると解釈します。
 クロスセクターベネフィット(交通が赤字でも交通整備により福祉など他分野の支出が削減され、行政収支が赤字でなければOKという行政支出の考え方)ではないですが、成田新高速による千葉県や東京都へのインパクトは大きく、費用対効果における社会的効果や、従業者増加による千葉ニュータウンの開発進展、成田市へのアクセス向上による成田付近への企業立地など他分野に渡り広く薄いとはいえ効果はあり、それによる税収増加は十分期待できるものですので、1,500億円という投資ならば十分やっていけると考えられます。

 現状では北総の救済スキームが必要

 新高速は北総救済になることは確かですが、それが目的ではありません。
 北総救済のスキームはご提案の上下分離を含め様々な方法が考えられます。私としては、上下分離を行い、インフラは新高速ともども空港公団、千葉県、沿線自治体、国、都などの第三セクターで管理し、運営を全面的に京成に委託する形が無難と考えます。
 もし、京成がそれを拒むのならば、入札方式でもいいです。
 今の北総はあまりに中途半端すぎます。なんとかするにはこれしかないかなと考えますが。

京成にとり空港アクセスの最大のアキレス腱は日暮里のロケーションの悪さ

 そのとおりです。ですからこそ逆に東京駅接着を考慮しても良いカナとも思います。
 東京側を改善するには東京駅接着か上野の改修ぐらいしか手がない今、可能性と効果からすれば東京駅でしょう。

***
 成田羽田の使い分け論は、様々なところで行われており、こちらの空港板にもありますが、おそらく成田・羽田は相互補完関係になり、競争する相手ではないと考えます。国内で千葉県と東京都が戦っている間に他のアジアの都市に負けるというくだらないことにならぬよう、成田・羽田をうまく連携させなくてはなりません。
 そう考えたとき、制約の少ない羽田へのチャーター、近距離路線の一部移転、成田の国内線増発というのは適切な手であり、ハブ機能を捨てずにかつ羽田の特徴と成田のワールドクラスのハブ機能を活かせます。

【検証:近未来交通地図】ニッポンの空(港)論BBS http://www2.realint.com/cgi-bin/tbbs.cgi?traffic003

 空港アクセスの需要が増えたら(増えそうなのが確実になったら)成田新高速鉄道建設を開始する様にすべき

 需要が増えたらでは遅いのは、羽田のターミナルを見れば明らかで、方向性として増加が見た時点でスタートしなくては対応できなくなります。
 日本のように用地買収に時間がかかる制度の場合、どうしたって建設期間は長くなります。おそらく、新高速も実工期なら2〜3年でしょう。しかし、環境アセスメントも必要ですし、都市計画手続きも必要です。これだけで3年は要します。
 それであれば、今のスケジュールは決して早くは無く、遅いくらいともいえます。

 私も長文で失礼しました。
 ではでは

成田新高速で新しい公共事業の投資スキームの構築を
 投稿者---TAKA氏(2002/05/13 23:04:54)

 すいません高橋です。又御返答させて頂きます。
(書き込みの度に返答してしまいすいませんね・・・)

☆インフラの先行投資は必要という考え方自体には反対しません。
 しかし成田新高速鉄道の建設に関しては、やはり需要の増大の裏付けとなる成田空港B滑走路の暫定解消が前提でしょう。
 基本的に先行投資と需要と採算性のバランスを計る事は困難ですがそれを忘れない必要があります。

☆それと私の考えではスカイライナーの高速化はNEXの高速化とワンセットです。
 そうする事で投資金額が低く投資効果が少なくても、東京圏のより多くの所に高速化効果が及ぼされる事を期待しています。
 成田新高速鉄道よりは、受益地域は広いと思います。

☆道路の様に特定目的税から支出するのなら別ですが、私はクロスセクターベネフィットの考え方には疑問です。交通の高速化でグロスで支出削減されるとは思いませんし、今のスキームでは補助金を受益者の納税の増加ではペイできないでしょうから・・・
 やはり開発利益金取込の方策を考える様な税や受益者負担制度を考えた上の方法が望ましいと考えます。

☆確かに北総救済と成田新高速鉄道の相関関係は結果論です。
 しかし第二種免許を入札にするのは、補助をなくせる様な使用料を考えたら採算性が困難でしょうし、京成グループがアクセスのかなりの部分を占めている現状では参入障壁が高すぎるでしょう。
 

☆東京駅接着線は成田新高速鉄道以上に採算が悪いでしょうし、もっと受益者負担を得られにくいです。
 それに既に東京駅にはNEXが乗り入れしている以上二重投資です。
 それなら浅草線の有効活用で十分です。
 それに対応してNEXの高速化も考えました。

☆成田・羽田の使い分け論は成田空港の能力拡張が困難な現状での苦肉の策です。正攻法は成田の拡張でしょう。
 只国益を考えてアジアの周辺地域に大空港が競って開港している現況ではやらなければ最悪の結果になる、それを避ける為に行う対処療法であると考えます。

☆しかし先行投資が必要で、インフラの能力オーバーが分かった段階での投資では遅いとの意見ですが、大規模な需要増は現況では成田空港能力拡張が出来ないと有り得ないでしょう。何せ発着便数に制約が出るのですから・・・
 私は成田新高速鉄道はその需要増がある程度見える、B滑走路暫定解消、それ以上の3000m化に目処が付くまでは(そうすれば大型機もかなり増便できる)取りあえず検討しつつ保留するのが一番宜しいかと思います。

※私はこの成田新高速鉄道の建設こそ、今までの箱物重視のケインズ的公共事業からの脱却の第一歩にする良い例だと思います。
 このままずるずる採算性を度外視して箱物インフラばかり作っていたら日本は破産します。ですから新しいスキームを構築してその試金石に成田新高速鉄道の建設をすべきと思いますが・・・

Re:成田新高速で新しい公共事業の投資スキームの構築を
 投稿者---とも氏(2002/05/14 12:48:48) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 いつも丁寧なレスありがとうございます。レス無しほど悲しいものはないですから、お互いに??書きあいましょうか(笑)

 インフラの先行投資は必要という考え方自体には反対しません。
 しかし成田新高速鉄道の建設に関しては、やはり需要の増大の裏付けとなる成田空港B滑走路の暫定解消が前提でしょう。

 暫定解消は必要ですが、今のアジア線を考えれば、2500mクラスでも処理が可能です。現実に、香港線やソウル線、台北線、アジアローカルでは中型機材高頻度運行が主流になりつつあります。日本の場合、国際線というとB747やB777クラスの大型機材運行というイメージですが、諸外国ではA320やB737などの中型機運行が一般的で、そう考えれば当面は暫定で、10年以内になんとか本格整備が可能なら成田の機能は維持できます。

 私の考えではスカイライナーの高速化はNEXの高速化とワンセットです。
 そうする事で投資金額が低く投資効果が少なくても、東京圏のより多くの所に高速化効果が及ぼされる事を期待しています。

 NEXの高速化は確かに受益地域は広いですが、その受益規模はそれほど期待できません。確かにNEXが10分程度短縮されるのならば良いですが、現状で成田線内及び総武快速線内で130km/h運転を行っている現状を勘案すると、5分程度でしょう。
 さらなる速度向上策としては成田線の全面高架化による特認解除程度になりますが、その事業費や既存路線の高架化という事業内容からすれば新高速整備のほうが比較優位ともいえます。

 私はクロスセクターベネフィットの考え方には疑問です。
 やはり開発利益金取込の方策を考える様な税や受益者負担制度を考えた上の方法が望ましいと考えます。

 開発利益取り込みを税に還元させる方法は難しいところですが、少なくとも法人税なり住民税なりで戻ってきますし、鉄道自体が受益者負担による整備なのですから、それほど難しく考えないほうが良いでしょう。
 それよりも新高速整備による空港関連従業者の通勤圏拡大、居住促進などの効果のほうが大きいと思われます。
 クロスセクターベネフィットは特定目的税とは切り離したほうがスッキリすると思います。

 第二種免許を入札にするのは、補助をなくせる様な使用料を考えたら採算性が困難でしょうし、京成グループがアクセスのかなりの部分を占めている現状では参入障壁が高すぎるでしょう。

 それこそ規制緩和なんですから、京成がやりたくなければ他社がやればよい話しです。ただ、現実には京成が入るのは疑いのないところで、もし、京成が入らないのなら、それが大きな課題です。

 東京駅接着線は成田新高速鉄道以上に採算が悪いでしょうし、もっと受益者負担を得られにくいです。
 それに既に東京駅にはNEXが乗り入れしている以上二重投資です。

 上野のターミナル性の弱さ=新高速の弱さなら、その対処療法としての東京駅接着はありだと思います。
 もちろん、NEXとダブルという話しは残りますが、仮に新高速が40分台で東京駅〜空港を結べるのなら、NEXとの性格分けは可能で、千葉、横浜、新宿アクセスのNEXと、都心アクセスの新高速というわけは可能です。

 成田・羽田の使い分け論は成田空港の能力拡張が困難な現状での苦肉の策です。正攻法は成田の拡張でしょう。

 成田の拡張が正攻法ではありますが、2つの空港が現に存在し、成田がハブとして機能している以上、羽田との棲み分け論議は避けて通れません。JALもHP内で比較をしていますが、アジア域内国際線及び国内線の羽田、ハブ・スポークの成田という使い分けは一般的な考え方であり、成田をいたずらに拡張して国際線集約を無理に図るよりも、成田は現計画+α程度にとどめ、羽田との棲み分けをきっちりやるほうが、有効活用が可能と考えます。
 そうなったときに、新高速は必然的に機能がはっきり見えてきますし、羽田アクセスのモノレールも機能が明確になります。

 大規模な需要増は現況では成田空港能力拡張が出来ないと有り得ないでしょう。何せ発着便数に制約が出るのですから・・・

 今の段階で発着枠をフル活用はしていません。
 また、機材大型化の余地は残っており、空港整備とのスピード差(空港整備はすでに計画立案済みであり、環境アセスメントなどの一連の手続きは不要であるため実工期のみ。鉄道は一連の都市計画手続きを要するため、その時点で数年の差がつく)を考慮すれば、今のスケジュールがいいところでしょう。

 私はこの成田新高速鉄道の建設こそ、今までの箱物重視のケインズ的公共事業からの脱却の第一歩にする良い例だと思います。
 このままずるずる採算性を度外視して箱物インフラばかり作っていたら日本は破産します。

 何をもってハコモノ重視のケインズ的公共事業というかどうかですが、効果があり、受益者がいて、その費用対効果がきっちりしているものは無駄ではなく、いたずらに無駄無駄と公共事業を性悪説で切って捨てることはできません。
 もし、費用対効果なら逆に地方部の費用がかからない場所のほうが高い場合もあり、都市内はコストからして差が小さくなることがあり、一概にそれをもってどうこうとはいえません。
 まず、基本的な考えとして、「必要なものは整備する」というスタンスが必要なのであって、その必要性の議論においては経済性だけではなく、環境面、社会的効果、公共性、政策的判断などのファクターを考えるべきであって、経済性に難あり=無駄ではないことは当然と思われます。
 成田新高速の場合は、まさに成田の機能向上という政策的判断が第一であって、そこに社会的効果、経済性などを肉付けしたものと考えられます。
 「公共事業=採算性確保」では「公共」事業ではなくなります。シビルミニマムとしての公共性と社会的・政策的判断から見た効果があり、さらにその費用対効果が一定の基準を上回れば、それは必要な事業です。
 採算性だけを注視した昨今の公共事業論議を否定はしませんが、単純な採算性ではなく、様々な効果を含めた採算性にすべきと考えますがどうでしょうか。

 長文で失礼しました。ではでは

成田新高速を含む公共事業実施の基本的考え方
 投稿者---TAKA氏(2002/05/15 00:52:33)

 TAKAで〜す。
 こちらこそいつも丁寧なレスありがとうございます!
 熱心に長文レスを書いて言い合いしましょう!
 すいませんが字数の関係で私の意見だけ書きました。
 この前の議論も皆さん合わせてみてくださいね。

◎韓国線や中国のローカル都市を結ぶ線なら中型機でも可能でしょう。
 只当初計画より500m延長を言ったのは、運用上の余裕を確保する為です。
 それに今でも香港・東南アジア・中国の高需要路線には中距離でも747や777-200や777-300クラスの大型機で運行の路線も沢山あります。
 今後の新規路線は高需要が望めない為中型機で十分でしょうが、逆に上記や米州・欧州の高需要路線に大型機と増便での輸送力増強が必要でしょう。ですから困難承知で3000mを条件に掲げました。
 完成の理想は10年後ですが(出来れば2500mまでは5年後)多分15年はかかるでしょう。(2500mまでも10年近くかかるでしょう)
 そう考えると成田新高速鉄道は、今はコンセンサスの形成の為の議論と準備にあて、有る程度方向性が見えそうになった段階での建設ではダメでしょうか?私は今は都市計画決定と環境アセスメントの為の調査と出来ればそれらを認可を取るまでに止めておくべきです。(そうすれば着工はかなりしやすくなる?)

◎一人単位での受益は大きくありません。確かに短縮できて3〜5分でしょう。
 しかし受益地域と人数が多ければ、結果的には掛け算で受益規模はかなり増えるでしょう。
 成田線の全面高架化までは考えていません。其処までやったらはっきり言って仰有るとおり成田新高速鉄道の建設の方が得策です。
 まあ曲線通過速度の向上(振り子or車体傾斜制御)・エアポート快速の増発・新技術(レールブレーキ等)による600m条件内での最高速度向上位でしょう。それでも5分は短縮できるでしょうし利便性は上がるでしょう。

◎鉄道の受益者負担は主に運賃による物です。基本の運賃に加算運賃を加えて新線の受益者負担を求めていますが、京急だって自己投資の空港線では130円?(ちょっと記憶が曖昧です・・)の距離に対し高額の加算運賃を取っています。
 距離が伸びた成田新高速鉄道を自己資金で建設し運賃で回収するとしたら幾らの加算運賃が掛かるのでしょうか?
 例えば1500億円のこの鉄道への投資を30年で返済すると年間50億円です。(金利を考えずに)そうすると1日約1360万円の加算運賃が必要です。1日2万人の利用客として加算運賃だけで1人当たり680円です。これに北総の高運賃が加わりますから競争力を失う原因になりかねません。
 ですから運賃により受益者負担には限界があり、開発者利益への特別税や加算運賃・金利等への限定的補助・受益者団体への協賛金の強化等色々な組み合わせで、あえて難しく考えた方が良いでしょう。

◎空港従業員の通勤圏拡大はそんなに望めないでしょう?
 それに居住促進は、現在の計画では中間駅がほとんど無い現状では望めないでしょう。逆に開発適地に中間駅を作り其処で居住促進や開発利益の取込を望む方が現実的では? そうすれば環境の良い地域に都心まで1時間で安い宅地を供給できますから・・・

 クロスセクターベネフィットは特定目的税とは切り離したほうがスッキリすると思います。

◎そうですかね?私は目的税は税収の範囲内でその目的にあった公共事業を行い、基礎的税(所得税・法人税・消費税)で国民全体のシビルミニマムを達成させ、同時に福祉等の所得の再配分を行う(しかも財政均衡の中で)。
 それにより目的税で受益者負担を明確化し、受益者負担の再配分で公共事業を行い、公共事業は目的税内で財政均衡を保ち、シビルミニマムと福祉に関しては基礎的税内で財政均衡を保つのが良いと思いますが?

◎東京駅接着線は繰り返しますが反対です。ホントそれなら成田新高速鉄道の方が全然効率的です。NEXが1時間(スピードアップすれば55分)で結んでいるところに約10分短縮(浅草線内高速運転不可を考えると10分も短縮できない?)に成田新高速鉄道以上の約1700億掛かるのですからこれこそ無駄です。
 同じ場所にアクセスを2つ作るのは非経済的です。これならNEX高速化に1000億ぐらい投資した方がまだ効果的です。受益者負担も加算運賃も殆ど期待できませんから投資資金の捻出だけで大騒ぎだと思いますが・・・

◎確かにまだ発着枠をフル活用していませんし、大型機小型機の運用を上手くやればもう少し効率的には運用できるでしょう。そうすれば増便・輸送力増は可能です。但し私はそれは持っても短期的であると考えます。
 ですから中・長期的には成田の拡張・基本計画完成がベストですが非常な困難伴いますし、その上に9割以上成田の24時間運用は不可能でしょうから、中長期的な関東の空港をどうするかの議論を、成田の機能拡張を基本に、羽田の再国際化・第三空港建設を含めてタブー無くすべきと思います。

◎私も採算性が全てではないと思います。確かに採算性だけで考えたら地方ではシビルミニマム以下のインフラしか存在せず、不平等を是正する税の再分配機能も損ねます。それに都市部の方がグロスの投資額が大きく、採算性に難があっても全体の費用対効果の高い例が多く存在すると思います。
 それに投資は仰有るとおり公共性・社会的効果・環境等も含め総合的に考えその中で何処に重点を置くかが問題で採算性が全てではないと思います。
 しかし政策的判断は恣意的発想が入り込み、又「必要な物を整備する」という発想では採算性・公共性等の判断要因が入らず、野の中にも「高速道路が必要」との事で、狐しか通らない高速道路を造りかねません(北の方の何処かである話ですね?)。
 ですから有る程度客観的根拠に基ずく判断基準を作りそれに当てはめ、財政状況を勘案しながら必要な事業を考え公共事業として実施すべきです。
 私も金銭的採算性は重視しますが、シビルミニマム部分に関しては金銭的採算性が全てではないと考えます。
 しかし既存のアクセスが既に有る程度整っている成田空港に現況のままで
 第三鉄道アクセスの成田新高速鉄道はシビルミニマムでしょうか?
 それは需要が増加してこそ初めて必要になる物で、既存の改良で賄えるととえたらシビルミニマム以上になり、金銭的採算性が重視されると考えます。
 それで成田新高速鉄道と成田の機能拡張はワンセットと考えるのです。
 成田の機能拡張が先か成田新高速鉄道の建設が先かは「卵が先か鶏が先か」の考えになると思います

此処で話題を変えて・・成田新高速鉄道の経由地変更はダメ?
投稿者---TAKA氏(2002/05/20 21:43:46)
─珠玉の議論集から現実へ踏み出すには
 └平行線の真ん中が真実?&新参者は外で見ているだけの方が良い?
  └Re:平行線の真ん中が真実?&新参者は外で見ているだけの方が良い?
  └当掲示板のあり方は如何に…私的見解と方向性を提示します。

 度々ですいません。TAKAです。
 ここら辺で採算性の話を一度置いて置いて、ちょっと代替案ではないですが前から思っていた案を提示します。
 この案の有用性を皆さんで検討してください。

(経由地変更案)
 以前何処かの本で読んだのですが、現在の成田新高速鉄道計画は印旛日本医大から、土屋分岐点へ結び、その間に成田NT北に駅を作る案ですが、これを京成線公津の森or宗吾参道へ結びつけるという案です(すいません、読んだ本が思い出せないので、出所不明の案になりますが・・)。

(基本構想)
 現在の印旛日本医大から南西に直進させ順天堂大北側を通り、公津の森か宗吾参道に結びつける案です。私は駅を作ったばかりで再改良をしなければならない公津の森より土地に余裕の有り、開発余地が有り駅改良のしやすく、しかも京成の車庫があり運用上のメリットの有りそうな宗吾参道へ結びつけた方が良いかと思います。

(メリット)

  1. 建設距離が短くなる。
     今マップファンを見ながら書き込みしていますが、目算でも土屋へ結ぶよりこの案の方が2〜3kmほど短くなりそうです。
     建設距離が短くなれば建設費も少なくなります。
  2. 現在の成田高速鉄道をJR線輸送力増強に生かせる
     現在JRは成田空港鉄道区間は単線です。成田新高速鉄道計画ではJRと成田新高速鉄道の単線並列になっています。これを成田新高速鉄道を宗吾参道or公津の森に振り向ければ成田高速鉄道区間はそっくり遊ぶ事になるので、これをJR線複線化に向ければ矢切さんの提案のJRの輸送力増強に生かせます。又土屋駅建設もJR線で作れば問題解消です。
  3. 成田市街地の需要も成田新高速鉄道に取り込めます
     京成線に結びつければ、当然京成成田を経由するので、成田市街地の需要も成田新高速鉄道に取り込め、当然高速化の恩恵範囲が広がります。
  4. 成田新高速鉄道の採算性向上
     この案では、空港需要の他に成田市街地、新勝寺等の観光需要、公津の森の通勤・通学需要を取り込めます。そうすれば当然需要が増え利用客が増加しますから、建設距離の減少に伴う建設費の減と相まって採算性が向上する事になります。

(デメリット)

  1. 高速化の効果が減る?
     この案では、建設距離短縮分は京成線を使用しますし、全体の走行距離は増加します。その為成田新高速鉄道での高速化のメリットは相殺されます。
     幾ら京成空港線が高規格でも、高速運転には限度があるでしょう・・
  2. 当初計画では京成に残る予定の需要も成田新高速鉄道へ流失する。
     当初では京成に残る予定の宗吾参道・公津の森〜京成成田間の需要も成田新高速鉄道へ流失します。この痛手は少なくないでしょう。これをどうするかも問題です。
     只京成に関してはどのみち空港アクセス需要が流失しますから、この需要はそれに比べたらそんなに大きくないとも言えます。
  3. 運賃の配分が難しい?
     宗吾参道・公津の森〜成田空港間と京成高砂以遠の利用客に対し成田新高速鉄道と京成線で別個の運賃を設定した場合、その徴収方法が難しいです(現在の成田新高速鉄道でも言えますが・・)。
     只京成にしても、どの様な形で有れ加算運賃を取りたいのが本音でしょう。

 ざっと考えてメリット・デメリットはこんな感じです。もっと色々あるかとは思いますが、現在では浮かびません。
 只この案での最大の問題は京成の処遇かもしれません。しかしそれは

と言う点で補えるかと思います。
 只具体的なダイヤ等は私は引けないので何とも言えませんがこの案如何でしょうか。
 皆さんの意見を伺いたいと思います。宜しくお願いします。

珠玉の議論集から現実へ踏み出すには
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2002/05/21 00:38:50)

 TAKA様、改めましておさぼり管理人です。種々の議論展開、いろいろな意味で注目させて頂いております。

 さて、御提案の件に関して、100%意に沿うものではないでしょうが、既に当BBSで議論されていることは既に御存知とは思いますが、改めて紹介しておきましょう。

二一世紀の成田アクセス路線? log117.html#2

 ここでは3ルートを比較しております。特に下記は要注目の提示結果だと思いますが。

log118.html

 無論、ここで再び議論することを妨げるものではありませんし、現状の土屋ルートよりもより社会的生産性の高いルート選定が導き出せることを期待してやみません。

***
 ここ数日の議論を拝見しておりますと、屋上屋を架しつつあるのかな、という気が致します。無論当方のような素人にはついて行けない次元まで議論が到達しつつあるという意味において、です。総論・各論、論旨を置く立場・背景というものに若干の感情が覗く展開に、管理者ならずとも冷や冷やしつつ見ている方も居られるかもしれません。
 CTCを立ち上げ、当特別企画BBSを設置してしばらく経ちましたが、その間にいろいろな議論が積み重ねられてきました。その多くは常連の方々の間での議論であり、方向性が収斂されての結果が今にある、と見ることも可能です。ただそれを一刀両断するにはまずは今に至る経緯を御覧頂ければ、とも思います。それは本設BBSでの京成論しかりです。

 今回、率直に申し上げてここ2週間、当BBSはいまだかつてないほどの来場数を記録しています(GW前の2〜3倍以上)。その中には多くのRom専の方も居られると思います。北総沿線にお住まいの方、成田空港アクセスに多少なりとも不満をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
 その中にあって、「都市再生」の名の下に昨年ぽっと出でトントン拍子に進み始めた成田新高速鉄道プロジェクト、ふと振り返れば確かにTAKA様が抱かれる疑念を持って当然のようにも思います。その意味ではある程度事業評価の方向性が収斂しつつあった当BBSでのこの2週間は、さまざまな波紋を投げつつあるのかなとも思っています。

 すでに多くの議論が積み重ねられ、さらに今回その再点検がなされている成田新高速鉄道論。そろそろ今現在での「総括」を、何かしらしなければいけないかな、そんな気がしています。
 それには、和寒様からも御提案頂いているように、議題の整理・抽出を行えれば、と思っております。管理者としても積極的に移設をすればいいのですが、議論展開的になかなか踏ん切りがつきません。
 「平行線」と断じるだけでは前に進まない気がします…皆様の御協力の下、さらに有意義な議論展開がなされることを切に願っております。

平行線の真ん中が真実?&新参者は外で見ているだけの方が良い?
 投稿者---TAKA氏(2002/05/21 23:37:29)

 すいません。既にこの議論が1年前にされていると走りませんでした。完全なダブりですね。まあこれだけ高度な掲示板でしたら、私が考える事位当然議論していますよね・・・

 まあ私が、宗吾参道や公津の森へルート変更させようとした最大の理由は、
 (1)採算性に疑問のある(これは譲れない)成田新高速鉄道への投資金額を1円でも減らせないか?
 (2)既成市街地の成田を経由させれば少しでも需要が増えるかな?(未だに成田アクセスだけでの需要は少ないと考える)
と言う点にあります。
 即ち代替案が無いという非難を受けていましたので、今までは京成・JRの既成線の改良・高速化を主に提案してきましたが、此処で少しは主流派に歩み寄っての提案をしないとと考え、少々スジを曲げて代替案を提案しました。

 まあ私の提案に建設費が出ていませんでしたが(計算するまで時間が無くて)、前の議論の中で500億円と出ていましたから、宗吾参道や公津の森改良工事を付帯工事に入れたとしても+80〜120億でしょう(廻りに何もない宗吾参道でしたら安く済むでしょうが、別線付替をしてから間のない公津の森では+αの費用がかかるでしょう)。それに京成成田の改良も必要かもしれません。それでも今の計画より250億円以上安く済むでしょう(非常に単純に考えて距離短縮分を上記駅等の京成線の改良につぎ込んだとして成田高速鉄道の工事費453億円が浮きます。その内空港内インフラ部は(=空港整備特別会計で出る分)出所が違うので置いておいて、それ以外の281億円は浮く事になります)。
 実を言うとこれだけで補助が半分で済みます。確かに土屋経由より所要時間短縮効果は低いでしょうが、採算性に疑問を持っていて、補助金投入反対・受益者負担強化を訴える私には魅力的案です。

 正直言って平行線は平行線で断じても構わないと思います。それを回避しようとする考えが有れば、双方が歩み寄りながら真ん中に意見が収斂して意見がまとまる事も往々にしてありますから・・・(只私も根拠無く持論をズルズル曲げて妥協するのもイヤですから)。
 平行線という考えも、決裂の危機をはらみながらも妥結の第一歩としての意義はあるのではないかと考えます。みんなでそろって一本線というのも私見としては恐ろしい事と思います。

 只此処では常連の方が、もう議論されて一つの方向性が見えているのでしたら新参者の私が又火の消えたところに火を付ける必要はありませんね。上記の議論も全部読んでいませんし、過去の経緯は知りませんから、余所者は一歩外に離れていた方が良いようですね。

Re:平行線の真ん中が真実?&新参者は外で見ているだけの方が良い?
 投稿者---Tom氏(2002/05/23 23:58:14)

 Tomです。こちらでは大変おひさしぶりです。

 只此処では常連の方が、もう議論されて一つの方向性が見えているのでしたら新参者の私が又火の消えたところに火を付ける必要はありませんね。上記の議論も全部読んでいませんし、過去の経緯は知りませんから、余所者は一歩外に離れていた方が良いようですね。

 そんなに遠慮することはないでしょう。
 他者の意見に対し、いいところは認めた上で、それでもどうしても自分として認められないものについては客観的根拠をあげて反論すれぱ良い。
 それが議論というものだと思います。
 むしろ、最終的に1つの意見に収斂することばかりで批判が許されなくなることほど怖いものはありません。

 ただ。私の意見は推進派の方に近いです。
 TAKAさんの意見を拝見していると、新高速というより成田アクセスというものに対する考え方が他者とは根本的に異なるようです。
 私もここの姉妹板の道路板で議論している通り、採算性を全く無視した公共投資に賛同するものではありませんが、成田の場合は首都のでありかつ日本経済の中心地である東京の国際空港のアクセスに関するものであるので、みかけの投資採算性を多少は犠牲にしても良いのではと思う次第です。
 なるほど総武線強化もひとつの案ですが、これに固執すると例えば私が以前空港板であげた東南アジア・豪州からの早朝便へのアクセス特急の問題が解決しません。
 仮に京葉線や総武緩行線をいくら増発しても成田空港7:10〜30のN'EXを平日に走らせることは相当厳しいと思います。

 この議論を進めていくと、他の方もあげられていましたが国際競争の問題(都市のアクセス面での魅力)や、国としての投資の順位付けの問題まで広がってくると思います。
 ただ。本来は成田アクセスをどうするかを論ずる板であるここで、そういう問題だけを議論するのも趣旨から外れる気がします。
 交通体系という面での成田アクセスの意義・コンセプトを再度議論するという形で議論を進めていけば良いかと思うのですがいかがでしょうか。

当掲示板のあり方は如何に…私的見解と方向性を提示します。
 投稿者---551planning@おさぼり管理人(2002/05/25 14:58:49)

 当掲示板は何もひとつの意見に集約しようという意図の下行っているものではありません。いわんや絶対的、排他的な推進一辺倒という見解下にあるものではありません。
 ただし、丸3年に渡り千葉圏の公共交通議論を行ってきた中で、過去ログにもあるように北総開発鉄道の経営、成田新高速鉄道の是非について幾度となくネタになっており、TAKA様からすれば全く受容し得ないような結論であろうとも、それが当掲示板において積み重ねられてきた「ニュアンス」は内包されているのかな、という気はしております。
 一連の投稿を再度読み返しましたが、貴殿が一方的に攻撃されているといった「排他的」議論展開には至っていないと感じます。もっともそれは当方が抱いている、当掲示板下の「ニュアンス」ないし「フィルター」が掛かっているものの見方、なのかもしれません。
 採算性に固執するスタンスは一定の理解を受容でき得るものです。むしろ現在の状況下にあってはよりシビアに検討されて然るべき視点であろうと思います。ただし、総論・各論入り乱れてではその奥にあるものがぼやけてしまわないかという懸念もあります。先般はそんな糸を紡ぎ直すことができないかな、という意図での投稿をさせて頂きましたが、それがTAKA様ないし推進慎重論者を否定、排斥するものでは全くなく、当方の言葉足らず、配慮至らずの欠点は大いに反省するところではあるものの、率直な感想として貴殿の返答末尾数行の見解(および他スレでも同様のことを云われている点)は非常に残念ではあります。

***
 これはまったく別の見解からの結論なのですが、当千葉圏地域公共交通利用者協議会(CTC)サイトについて、近日中に発展的解消(掲示板運用終了およびサイト閉鎖)を検討しております。これは年頭からの検討事項です。

 当方が98年10月に自サイトを開設して3年半が経とうとしております。
 振り返れば当初から掲げているのが姉妹サイトである【検証:近未来交通地図】でありますが、その最初の企画は連作拙文「どうなってるの?新線鉄道計画<京葉地区編>」というものであり、これがゆくゆく形となったものが99年8月にCTCとして独立させたものです。以後、総論たる【検証:】と千葉に特化したCTCのそれぞれで掲示板を中心に運用を進めてゆきます。
 この間、【検証:】では管理人の指向を反映して「中量板」「空港板」と増殖し、CTCでも「成田新高速板」と2本建てになりました。「高速板」に至っては、CTCで展開された外環論を引き受ける形で立ち上げられたものであるなど、両者は密接に関わってきました。
 掲示板の複数化は議論の円滑化を図る上で取った措置であり、現実的に成功していると考えておりますが、一方で運営掲示板が都合6本にもなると【検証:】とCTCで議題内容がバッティングするデメリットを生んでしまいました。
 一方でCTCの開設主旨として、当時乱立していた鉄道系掲示板の大同団結を目指すという方向性が、セミナーというオフ会の継続開催という果実を生んではいるものの、企画倒れに終わったこと、結果「行動に移す」という理念が導かれたかどうかは疑問のところであり、「千葉圏地域公共交通利用者協議会」という大儀なる看板を今後維持してゆくことが適切かについては、管理者自ら否定的であります。
 よってこのまま幕引きとするほうが適切ではないかと思案するところです。
 #こじつけながらCTCというネーミング、我ながらよくできているとは思っているんですが…

***
 この際、CTCという存在の記録のためにも、この成田新高速鉄道に付いて実地調査(オフ会、あるいはより堅い研究会)のもと再度総検証をもって企画終了を飾ろうかと考えております。やはりやるからにはネットだけでない方向性をも意識した真剣なものとしたいと思います。
 まだまだ漠然とした企画ではありますが、皆様にも気軽かつ積極的に関われる場の提供を検討してゆきたいと考えております。

 Romの方含めまして、当掲示板の目指すべきあり方に付き、忌憚なき御意見を賜れれば幸いです

成田新高速鉄道事業と北総の救済策を一体化させれば?  投稿者---TAKA氏(2002/05/25 00:41:24)

 すいません。TAKAです。又新しい方向の書き込みに方向転換してすいません。

 さて、表題の件ですが、此処でも北総問題は色々出ています。しかし多少古い資料ですが、会計検査院の「平成11年度決算検査報告」の中でも北総の鉄建公団の譲渡代金償還も話題になっております。
 しかし昨年度は北総も黒字化する事で京成の連結決算も黒字化していますが、日本格付研究所の「民鉄会社格付」の中の京成の社債格付でも北総支援問題が検討の内容に及んだり、成田新高速鉄道も京成にとり「事業形態のフォローが必要である」とのコメントがある等、京成の経営に関しても重要な課題となっています。
 現在今週号の「ダイヤモンド」で「電鉄の巨額損失処理」について出ていますが、今回京成は「再評価法」を使わず、実体の収支の中で損失処理しています。詳細は知りませんが、高額の北総の鉄道資産は多分地価下落で含み損を抱えているでしょう(民鉄鉄道資産の含み益は昭和初期の円・銭の単位で土地を買っていて簿価が非常に安いから再評価で含み益を出せるのであって(例:小田急の鉄道用地含み益は約1,000億)近年建設した北総には多分土地評価(鉄道用地評価額=固定資産税評価額の3分の1)で、固定資産税評価額が下落している分、現在では含み損が有る可能性が高いです)。

 この様な状況が予想できる状況で、抜本的北総処理策を採らなかった京成ですが(再評価法は本年3月決算までしか使えない)、どの道北総に対して
  (1)金融支援をしながら北総の経常利益範囲内で細々返済していく
  (2)北総債務に関して抜本的処理をする
の2つの道しかないでしょう。
 此処で成田新高速鉄道事業と北総の抜本的処理を一体化させ事業を行う事を提案します。

(スキーム1) 北総は現在の「鉄建公団長期未払金」1,071億円で成田新高速鉄道へ売却する。
北総はその売却益で「鉄建公団長期未払金」を返済する。
累積債務に関しては、資本金の100%減資で相殺する。出来ない分は(債務超過でなければ出来るはず。私は北総が債務超過かの資料を持っていないので何とも言えないが)出資比率に応じて負担する(北総に対する経営責任)。
(スキーム2) 北総は京成と合併する。
これで北総は消滅するが、成田新高速鉄道に関しての統一した運営体制が整う。
(スキーム3) 都市基盤整備公団は小室〜印旛日本医大間の路線を累積債務額+債務超過額の302億円で買う。
これで成田空港アクセスの京成高砂以東の区間のインフラの統一した所有・管理体制が出来る。
(スキーム4) 成田新高速鉄道を京成線宗吾参道or公津の森経由にする。
これにより成田新高速鉄道の事業費自体を約250億円安くすると同時に、現行の成田高速鉄道の施設を複線化してJRのNEXの輸送力増強への道を開く。
(スキーム5) そうすると成田新高速鉄道事業の総事業費は「現行事業費1286億円−路線変更による事業費減額分250億円+北総資産買取分1071億円+都市基盤整備公団線購入額302億円=2409億円」になる。
これに対しこの費用は下記の内訳にて賄う。
「空港公団の受益者負担金600億+都市基盤整備公団の受益者負担金200億円+自治体受益者負担金100億円
出資金300億円(空港公団100億円、千葉県50億円、その他自治体25億円、都市基盤整備公団50億円、京成50億円、その他25億円)+利用者受益負担金(1人当たり200円*25900人(予想利用者)*365日*20年)473億円+借入金736億円=計2409億円で賄う。
(スキーム6) 空港公団は受益者負担金600億円+空港内工事費281億円を負担するが、これは空港利用料に「アクセス改善負担金」を新たに作り半分近くを調達する(但しこの負担金は他のアクセス改善補助(JR複線化等)にも補助をする)。
又借入金は国・自治体が無利子融資する(この分だけ純粋な補助となる)又融資は京成からの使用料で返済する(京成は北総の減価償却費分約12億円とスカイライナー利用客(空港予想利用客の半分12950人)から300円のライナー加算運賃を取る(これで年額23.5億円)と京成の運賃からの資本費相当分として12億円取る。それで使用料として年額47.5億円払う)。
借入金は20年間均等払いとして年間返済額は約37億円になり使用料との差額10.5億円は会社の経費等に当てる。
(スキーム7) 北総で営業外収益で金利等に払っていた年額約15億円は北総線の運賃値下げの原資にして、千葉NT居住者への配慮にする。
運賃の値下げと北総線区間高速化・千葉NTや新鎌ヶ谷(都市基盤整備公団区画整理実施地)停車の特急運転による利便性向上が都市基盤整備公団開発地への入居促進を図りそれが都市基盤整備公団の受益者負担への根拠となる(開発者利益の還元)。

 以上が成田新高速鉄道事業&北総救済のスキームです。
 北総救済に関しては、公的補助を減らした分受益者で公共団体の空港公団と都市基盤整備公団の負担が増える構図になっています。
 只都市基盤整備公団に関しては既存の都市基盤整備公団線の累積損失と債務超過が消せてその上にメリットがあるのですから決して悪い話ではないですし、空港公団とて利便性が増せば、利用客が増えて空港利用料(=収入)が増える上に新しい負担金を作れば、自腹の分は減りますから当初計画より持ち出しが減るでしょう。
 それに公的な補助金も無利子融資分だけになりますから、その利子補給を国に全部して貰うとしても多分今のスキームより国の補助金は減るでしょう。千葉県・沿線自治体に関しても同じです。その浮いた補助金で懸案の一つの北総問題も処理できるのですから、支出はそんなに増えずに北総を処理でき有る意味では多少損をして負担が増えても容認できる処理でしょう。
 それでもこのスキームで一番損をするのは京成と千葉県かもしれません。何故なら両者の北総への貸付金約220億円を損失計上しなければならないからです。しかしこのまま北総をズルズル引っ張っておくより此処で損失を確定させ清算した方が良いでしょう。
 多分このスキームで京成がかかる費用は北総への貸付金の損失計上(私の手元に資料がありませんが多分220億の半分位でしょう)110億円と出資金50億円に新規設備投資の費用です。これで合計多分250〜300億円でしょう。只この費用は千原線の買い取り(=千葉急行の精算)に300億円使うよりはマシであると思います。
 これは又京成の連結決算に取り、固定負債の確実な減少と含み損懸念のある資産の切り離し、貸し倒れ懸念のある貸付の償却で長期的には実施するだけのメリットはあります。何せ2006年以降の減損会計では含み損は決算を直撃しますから・・・
 しかしこのスキームに入っていない都心での日暮里・京成上野の改良等が入ってくると此処に簡単に100億円は上乗せされるでしょう。そうなると京成にとってはかなり厳しくなるかもしれませんので、そこら辺をどうするかが課題です。
 こんな案は如何でしょうか?又皆さんのご意見をお待ちしています。

2005.07.20 Update

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