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CTC ≪特別企画≫成田新高速鉄道を考える
(過去ログNo.156)
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東京駅接着なしの成田新高速は東京と成田を本当に近づけるのか?
 投稿者---矢切氏(2002/05/16 01:05:05)
 http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/
─早朝上りの運転可能だけでも相当な効果と考える。
 └新高速は既存鉄道ネットワークの一部から空港アクセス専門へ
─「JR複線化」プランは考慮すべき成田新高速の代替案
─上野は都心へのゲートウェイたりうる&
          京葉地区アクセス改善は新高速とは別&新高速はやはり要?
 └成田の成長は疑いのないところ
 └横レス・成田アクセスにはいくつかの選好があるのでは?
 └やはり京成・新高速の組み合わせは弱い?強いのはJR?
  └新高速の必要性:成田の拡張が前提条件とはいえない
   └Re:新高速の必要性:「採算性」と「建設推進」の溝は埋まらない?
  └国際空港アクセスは普通の鉄道と同列で評価は出来ない
   └国際空港アクセスは普通の鉄道と同列で評価は出来ない程特殊なの?

 新高速建設の事業を行うことが投資額以上の経済的な効果を持ったり、社会的・政策的な必然性があるならば、新高速単独では不採算でも事業の推進を支持するとしてきました。この考え方は今でも変わりません。一方で、日暮里までの15分短縮に価値があることを半ばアプリオリに認めて来ましたが、新高速建設の効果がはたしていかほどか、「東京接着線なしを仮定して」考えると疑問にも思えます。

● 比較する代替案(JR複線化プラン)

 それでも輸送力不足(特に早朝下り)の問題は解消しなければなりませんから、新高速の代替案として次の事業を考えます。

「JR空港第二ビル駅の1面2線化およびここ以西成田までの複線化」

 錦糸町の待避設備新設を含めるかどうか迷っていますが、これを含め上記の他の待避設備新設や高速化は一切行なわないと仮定します。土屋〜印旛日本医大の建設や成田空港駅のホーム増などをしないため、300億円(〜400億円?)程度で実現できるでしょうか。

● JR複線化プランの効果

 快速増発による千葉・京葉地区へのアクセス改善と、成田エクスプレスの指定券入手不可能なケースの回避ができるのは大きいと考えます。輸送力増強は現状比毎時2往復、15連×2=30両の増発であり、当面これで十分でしょう。なお、想定されている新高速による増発は8連×6=48両です。

 総武快速への影響ですが、昼間であればNEXを東京駅3番線・快速を4番線というように交互発着にする(あるいは3番線始発をNEXに雁行させる)ことで最大11分間隔に抑えられるため問題ないと考えます。ラッシュ時については錦糸町に待避設備を設けない場合、NEXを徐行させることを希望します(5分程度?)。

● JR複線化プランと比較する、東京駅接着線なき成田新高速の効果

 新高速は15分短縮で所要36分といっても、それは成田空港対日暮里での話。NEXは東京駅まで50分であり、日暮里から東京駅へは乗換5分乗車9分かかりますから、36+5+9=50、東京駅接着線がなければ新高速は対東京駅で全く所要時間短縮効果がありません。新宿についても、新高速の36+5+20=61分に対し、NEXは中央線乗り換えのケースで50+5+14=69分ですから8分しか速くありません。東京駅接着線なき場合、新高速により10分以上の所要時間短縮が見込めるエリアは、新大久保・秋葉原より北側だけです。東京の真の中心部に対しては、全く時間短縮効果がありません。

 さらに新高速に不利なのは、空港アクセスバスの発展にも象徴されるように、海外渡航者は1分1秒の短縮よりも乗換の無さを重視する傾向があるということ。1分という時間の価値は、通勤電車の場合に比べ低くなります。品川・(東京)・渋谷・新宿への直通を提供できるのはJRだけであり、それができない新高速ができても、利用者・受益者はかなり限られるものと懸念します。

 空港アクセスに限って、あらためて東京駅接着なき新高速による、JR複線化では実現不可能なメリットをさがせば、この程度しかありません。

 逆にJR複線化プランなら

が可能です。

● 効果をあげるにはどうしたらよいか

 東京接着線なしの成田新高速の効果は上野近辺および池袋・赤羽・埼玉方面に限られてしまい、成田と東京都心の距離を縮めるというほどのものではないかもしれません。
 金がかかってでも東京駅接着および東京駅付近の再開発とセットで考えるのが良いのでしょうか。
 あるいは、東京駅接着の有無に関わらず、私が思い付かないような有効利用法があるのかもしれません。

早朝上りの運転可能だけでも相当な効果と考える。
 投稿者---樫通氏(2002/05/16 01:53:08)

★現在成田が遠いといわれているのは、もっとも混雑しているときのアクセス所要時間が読めない、という点に尽きると思います。単にベストの所要時間を比較すれば羽田と成田とで遜色無い地域はかなり広いでしょう。やや飛躍がありますが、夜中の都心だったらスイスイ車で移動できるからと言って東京は車で移動しやすい都市だとはいえないのと同様の心理から、成田は使いづらくなっている要因が大きいと考えます。

 空港アクセスに関しては、金に糸目をつけず最も効果的なのは道路整備だと思いますが、次善の策としては空港営業時間中は常に高頻度かつ高速で結ぶアクセスの整備かと思います。現在の首都圏の通勤時混雑状況を考えると、通勤時に総武線で空港アクセスを整備することは望ましくありません。新高速の最大のメリットは個人的には早朝上りのキャパ確保にあると思います。

 特に本件は国家競争力向上のための首都機能向上が目的(そうでなければ現状でも可と個人的には考えてます)ですので、アジアや欧州からの早朝着便でそのまま出勤可能なアクセスを成田が持たないと、アジア拠点としての東京の魅力はかなり落ちるかと思います(私がこのように働きたいかどうかは全く別ですが)。

★採算の取れる空港アクセスであればご指摘のように直行バスがかなり高い適性を持ってると思いますが、あくまで正規運賃では飛行機に乗らない層の交通手段という位置づけだと思います。時は金なりで動く階層に対してのサービスが最も求められているかと思いますので、このニーズに対しての回答は現時点では新高速だと思います。

★では新高速に加えて東京駅接着線を設けるべきかという点は、私は(も?)否定的です。理由は東京駅一点だけを便利にするほど東京駅が都心ではないという点です。東京駅からタクシーに乗るのと、日暮里・上野からタクシーに乗るのでは、利便性ではさほど差はないと思います。また都心の道路混雑はいわゆる始業時間前は日中との比較では混雑していないと思いますので、始業に間に合わせる目的であれば上野=新宿を車で移動することもそれほど素っ頓狂なことではないと考えます。

新高速は既存鉄道ネットワークの一部から空港アクセス専門へ
 投稿者---とも氏(2002/05/16 12:25:52) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 確かに既存鉄道ネットワークから考えられる「都心」からのアクセスを考えれば新高速はNEXには勝てないかもしれません。さらにいえばトータル利便性でリムジンに太刀打ちなど到底無理といえます。
 しかし、空港行きにおいては時間の正確さという手段選考のポイントがあり、施策次第の部分は多分に強いです。
 例えば、香港のAEXで行われている市内カウンターや駅からホテルなどへの直行シャトルバスサービスなどで化ける可能はあり、新高速を造った上で何らかの施策に打って出る、いわば「使い方」にポイントがあるのでしょう。
 さらには、新高速の影に隠れがちですが京成上野の改良も東京都の計画には入っていますし、新東京駅についても周辺再開発とのセットとも考えられますから、両駅の本格的空港ゲートターミナル化が可能になります。

 そう考えると、新高速は「新たな東京圏の『交通』網」の観点から必要性を論議することになり、これまでの『鉄道』ネットワークとはまったく別なものと考えるほうがよいのかもしれません。
 よって、新高速は、空港のランドサイド側アクセス施設という位置付けになるのではないでしょうか。東京モノレール=羽田空港アクセス専門というイメージ的な位置付けによって浜松町から羽田が近いという心理的な市民権を得ていますが、同じように、新高速=成田空港のアクセス機関という明確な位置付けをしてやると、非常にスッキリするのではないかと考えられます。
 それにあたって、やはり空港機能の一部としてのハード、ソフトの整備が必要です。

 NEXの都心アクセス性は確かに、一見よさそうですが、エントランスtoホームで見ると最悪です。
 車寄せなどから見ると、東京駅はエスカレーターやエレベーターは迂回が必要ですし、新宿は新南口はわりといいですがそれでも距離があります(甲州街道架け替えに合わせて車寄せが出来るけど・・・)。新橋・品川・渋谷・池袋は論外ですよね。
 逆に、八重洲でも上野でも、霞ヶ関や大手町、新宿からならタクシーで1000〜2000円程度。車寄せが改札前にあるシティエアーターミナルができれば断然便利さはちがいます。箱崎がそれなりに利用者がいるのもそこに原因がありますし(欧米人旅行者やビジネスマンの場合、リムジンで箱崎へ向かい、そこからタクシーでホテルが一般的)。
 その辺なんですね。京成上野はそれが可能ですし、八重洲も可能です。さらに、空港アクセスターミナル機能として、空港補完機能(預託手荷物扱い、チケット販売、更衣室、ロッカー、観光インフォメーション、フライトガイドサービス・・・)などをきっちり整備する余地があるのは魅力的です。

 結局のところ、空港アクセスという特殊性を鑑みれば、鉄道というよりも対航空機という観点からのアクセス・イグレスのフィーダー機能、「空港機能としてのアクセス=ランドサービス」という側面を考えなくてはならず、NEXはコンセプトはきっちりしているのに、中途半端な感は否めません。

 東京駅接着に関しては、樫通さんが書かれているように必ずしも必要ではないのかもしれませんが、アジアの中の拠点空港としての成田アクセスであるならば、都心側ターミナルとしては上野よりも東京が良いのは仕方がない部分であって、しかも八重洲地下ならば首都高との直結によるマルチモーダルハブへの変化も可能ですから、それなりの合理性はあり、総合的な交通アクセス向上の観点からすれば十分メリットのある事業ではないかと考えます。
ただし、今の計画がベストかどうかは別ですが・・・

 当面は上野、そしていずれは東京という段階的整備を考えるのでしょうね。
 まとまらない長文で失礼しました。ではでは

「JR複線化」プランは考慮すべき成田新高速の代替案
投稿者---TAKA氏(2002/05/16 22:55:10)

 今晩は、TAKAです。又繰り返しの様な長文の書き込みですいません・・・
 私は今まで現況の状況下での「成田新高速鉄道」には反対してきましたが(大幅な需要増が見込めるほどの成田空港拡張と一緒ならOK)、代替案に京成線の高速化を提示してきていますが、矢切さんの「JR複線化」プランも考慮すべき代替案であると思います。

  1. 京成の都心ターミナルは貧弱すぎる
     現在の京成の対空港輸送ターミナルの日暮里・上野はロケーションが悪すぎます。その上に日暮里は拡張余地が皆無に等しいですし(出来るとしたらJR線跨線橋にエスカレーターを付け、京成橋上駅舎を多少拡張するくらい)、京成上野は地下駅でしかも公園地域内ですから大規模な拡張は不可能です(公園地域内で開削工法での地下駅の拡張はかなり困難)。ですからともさんの仰有る様な空港補完機能を京成上野駅に設けるのは大規模なシティエアターミナル的な物は不可能でしょう。
     そう考えると東京・品川・新宿という大ターミナルを通り、それらの駅にシティエアターミナル的な物をもうける空間余地がある(新宿は構想中の新南口ビル、品川は橋上駅舎の拡張、東京駅は場所は探せば出てくるのでは?)NEXの強化は考慮すべきでしょう。
     
  2. JRが増発できれば千葉県内も便利になる。
     「JR複線化」をすれば、快速も増発できますし、上手くやれば区間の各駅停車も乗り入れ可能でしょう。そうすれば県庁所在地の千葉に停車する列車も増発できますし、千葉乗換の内房・外房線にも便益を波及させる事も出来ます。又区間各駅ではなく成田線我孫子〜成田間の列車を乗り入れさせれば、我孫子接続で常磐線にも空港アクセスの利便性を波及させられます(後はJRのダイヤ次第ですが・・・)。
     
  3. NEX高速化も合わせてやれば、効果絶大?
     NEXの最大の売り物は、東京・品川・新宿・横浜等の大需要地に対し直結で定時制の高いアクセスを供給している事にあります。
     確かにリムジンバスは、ホテル等乗り入れがあり便利で直結性がより高いですが、渋滞に巻き込まれるのが難点です。京成も成田空港対浅草線のアクセスを改善すれば、都心への直結性は高まりますが、直結性は日本橋・銀座・新橋以外の地域では、NEXにかないません。新橋もNEXを停車させてしまったら勝算は?です。その様に便利なNEXを高速化させれば、(此処で新型投入で振り子or車体傾斜制御での曲線通過速度向上とレールブレーキ等の新技術導入での600m特認無しでの140kmor150kmへの速度向上等)効果絶大ではないでしょうか?又待避線の錦糸町等への増設も有効でしょう。そうすれば成田新高速鉄道の建設は不要かも?
     
  4. 合わせて京成線も高速化を
     上記の通り京成線はNEXに比べアクセスで特に都心のロケーションに劣るのも事実で、京成にとりNEXは非常な強敵でしょう。
     しかし運賃の安さ、一般特急の多さ等でスカイライナーや京成特急を使う人も多くいます。ですからここで前に述べた様な京成線の高速化と、浅草線アクセスの向上を図るのも有効ではないでしょうか?
     (高速化の内容は前の書き込みをご覧下さい。しかし今度は一般特急も京急みたいな120km運転を加えたいです・・・。)
     それで浅草線地域の日本橋・東銀座地域と上野・日暮里乗換の東京北部それと安い運賃を希望する人にも京成を高速化する事で、少しは早いアクセスを提供できるでしょう。
     (ですから京成高速化は京成の設備投資の範囲内で行いたいです)
     
  5. これなら最低限の補助だけでOK?
     これらの金額は投資金額が成田新高速鉄道の建設より少ないですから、過大な補助が無くても、金利補助等の最低限・間接的な補助で後はJR・京成の設備投資の範囲内と、成田高速鉄道の使用料収入と受益者(成田高速鉄道への出資者)の出資金等で賄えるでしょう。
     そうすれば補助金投入で効果が?な成田新高速鉄道の建設よりかは、社会全体的にも好ましいのではないでしょうか?
     (しかし空港需要の拡大が望める空港拡張時には、成田新高速鉄道の建設と言うオプションは捨てずにオプションとして置いておきたいですね)

 以上の考え、皆さんは如何に考えますか?批判お待ちしています。

上野は都心へのゲートウェイたりうる&京葉地区アクセス改善は新高速とは別&新高速はやはり要?
 投稿者---矢切氏(2002/05/17 01:35:18) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 細かい点の返信になりますがご了承ください。

● 上野は成田への大ゲートウェイへ大化け可能

 日暮里は鉄道乗り換えのみの考慮でしょう。都心へ向かって伸びるまともな道はありません。

 上野は、他の方もおっしゃっているように都心から車ですぐ乗りつけられます。たとえば大手町〜箱崎と大手町〜京成上野なら所要時間は同じでしょう。乗り換えのしやすさ・待ち時間の快適さ・チェックイン機能などを備えれば、リムジンバスより高速かつ時間が読めるという利点(運賃料金もバスと同じか以下になりましょう)から、都心から箱崎経由で成田を利用する客の多くをごっそり上野経由へ転移させられます(高速道路との結節が弱いため新宿〜箱崎というような客は転移しないでしょうが)。

上野の機能拡張可能性は、十分あります。

  1. 京成駅のみの改良方式
     現状の京成上野駅はホームの上が半分はコンコース、半分が駐車場や汚いタクシー乗り場になっていますが、現在のトイレの位置に新改札を設け、タクシー乗り場を快適にすれば、改札の目の前がタクシー乗り場になります。
  2. 大江戸線結節方式
     京成上野駅の南側・中央通りに地下街を設けて京成上野と大江戸線上野御徒町を地下街で結ぶとともに、地下に大駐車場を設ける計画があります。これに便乗すれば、シティーエアターミナル機能などを実現するための用地は十分あります。

 以上から、上野は都心の窓口として十分に可能性があると思います。

 なお、上野〜成田空港第2ターミナルビル駅は、新高速建設後で所要41分と予想します。

 上野が大化けする前提としては、ともさんがおっしゃる駅の空港玄関としての機能強化が第一ですが、鉄道輸送部分(ダイヤ)についても「高頻度輸送」(待たせない輸送)が条件になると思います。今のように40分も待たされることがあるのでは論外で、輸送力過剰であっても20分間隔でのスカイライナーの運行を行うのが良いと考えます。競争力も新規需要開拓力もない北総特急を30分毎に設定してスカイライナーも30分毎になってしまうよりは、スカイライナー20分毎・北総特急なし・北総普通の20分毎の成田空港延長が良いでしょう。

● 新高速建設は、成田対京葉地区のアクセス改善の芽を摘む事にはならない

JRが増発できれば千葉県内も便利になる。

 JRが増発できれば、ではなく、快速エアポート成田が増発できればです。現状をみると、JRは空港駅へ毎時4本の乗り入れが可能なので、ウィングエクスプレスの設定がない時間帯は快速毎時2本の乗り入れが可能です。ウィングエクスプレス設定で快速に渡すべきスジを潰すのでなく、NEXの15連化での輸送力増強が先にあるべきだったとも思います。NEX15連×毎時2本では朝の出発ピーク時に本数不足というのであれば、朝だけ15分毎にNEX・NEX・快速というパターンにすれば良いこと。

 それなのに、現状でエアポート成田(千葉駅へ行ける実質的に唯一の鉄道の解)は60分毎にしかありません(60分以上来ないこともある)。JR東日本には公共交通として対成田空港の輸送を行っているについての自覚がないか(NEXを増やし快速を減らせば増収になるが利用者の利益を考えると快速毎時1本が正しいとは言えないはず)、あるいは快速は15連毎時1本の輸送「力」あれば十分として列車間隔増大による利用者の損失を考慮しなかったか(サービス概念の欠如)、あるいは両方か。どうであるにせよ、強く非難するとともに、快速(京葉地区へのアクセス強化)を強く希望します。千葉県は成田空港を国内線空港としても生かそうとしているのですから、なおさらです。

● 既存路線の高速化の必要性は新高速以下

 わずか数分の高速化ではほとんど何も変わりません。それでいて、数分の高速化のために新高速建設並の費用がかかります。新高速は、15分の短縮(本数増まで考えると20〜25分の短縮と言える)を享受するエリアは限られるもののですが、20分の短縮は5分程度の短縮に比べその価値は4倍以上です。なにしろ、池袋赤羽埼玉方面からは、対成田も対羽田も所要時間で同じになるのですから、これは革命です。新高速の方が費用対効果や社会的インパクトが大きいのは自明でしょう。

 安さを求めるような人は、数分の時間短縮を少ししか喜びません。ビジネスマンなど、高額な料金を払ってでも数分の節約を求める人に速達オプションを提供してこそ、価値がでます。

● 成田の拡張が前提条件とはいえない

 成田が暫定滑走路のまま・24時間営業でないままであっても、新高速は様々な効果を生みます。新高速の本当の価値は、対成田空港の輸送力増強「以外」の部分が主だとも思います(まずは所要時間短縮ありきですし、その他の諸効用も他スレッドで議論されています)。TAKAさんは「成田の拡張が実現すれば新高速も考慮に値する」と繰り返し書いていますが、暫定滑走路ができただけでも成田のポテンシャルは大きく上がっていますし、単にポテンシャルが上がったあけでなく成田の価値を高めることが国として必要と考えられることから、「成田の拡張が進まなければ新高速は不要」ということにはならないと考えます。

成田の成長は疑いのないところ
 投稿者---とも氏(2002/05/17 11:39:19) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 上野公園は公園地域(?)とはいえ、都市公園(都市内の公園)であり、自然公園(国立公園や国定公園)とは違いますから開削工法での施工は何ら問題ありません。
 都市計画上、都市公園の地下に構造物が作れないなどということはなく、今の京成上野を改築し、あわせて上野公園の改装、JR上野駅との結節性向上、矢切さんのあげられた2つの手法は十分可能です。
 さらにいえば、京成ホームを頭端式に改良するのならば、現都道直下にコンコースフロアの設置が可能になり、それであれば十分に施工は可能です。
 それに上野公園は台地部ですから非開削工法も採用できますし、そもそも公園下は大きく改変せずとも改良が可能とも考えられます。
 ちなみに、東京都の都市計画では、台東区歩行者専用道路として、京成上野駅横の地下部に広場が、そこから上野御徒町駅までの地下歩道が定められていますから、それこそ公共事業としての整備が可能です。

 上野が大化けする前提としては、ともさんがおっしゃる駅の空港玄関としての機能強化が第一ですが、鉄道輸送部分(ダイヤ)についても「高頻度輸送」(待たせない輸送)が条件になると思います。

 そうですね。20分ですら待たされるという気持ちもありますが、許容範囲でしょう。
 現在のリムジンが10分間隔ですし、もうひとがんばりで15分かなとも思いますが、時間の正確性というところでバスとの間隔差は相殺されるでしょうから、20分間隔でも平均待ち時間は実質短縮になりますので良しとしますか。

 新高速建設は、成田対京葉地区のアクセス改善の芽を摘む事にはならない

 そうですね。新高速とJRの強化は別な話しでしょう。
 逆に、新高速によって京成特急に余裕が出来て(船橋、習志野、市川等)アクセス改善にもなりうる可能性があります。
JRに関しては、NEXをメインにしている以上今のダイヤなのでしょう。常磐線方面からの直通はメリットがそれほどないと思われます。柏、松戸需要は魅力ですが、それとて数に限りがあり、幕張、千葉、船橋といった総武系統に比べ弱いです。

 わずか数分の高速化ではほとんど何も変わりません。それでいて、数分の高速化のために新高速建設並の費用がかかります。
 新高速の方が費用対効果や社会的インパクトが大きいのは自明でしょう。

 そうですね。前にも書きましたが、既存路線の高速化の費用は新高速建設と比較して格段に安いわけではなく、それにともなう見返りが新高速に比べ小さいです。確かに、千葉地区の通勤速達化に資することは否定しませんが、千葉の場合、東京側に問題がある以上、まずはそちらの改善ではないでしょうか。

 浅草線アクセス向上なら新高速でも同じでは?しかも、新高速の運賃形態は決まっていません。北総区間は今のままという決定はされていないですし、そもそも新高速の運営者は京成なんですから、仮に新線割増を採ったとしても、距離の短縮を考えれば現状との差がどれほどのものかということになります。
 さらには新高速には一般特急の運行も検討されており、京成と条件は同じではないですか?
 もっといえば、これは新高速をいかに安価な運賃にできるかという問題であって、新高速の是非とは観点が違います。

 成田の拡張が前提条件とはいえない

 重要なポイントですが、もし、成田の本来計画への拡張が行われるとした場合、決定=用地の問題が解決ということですから、おそらく数年で完成します。その段階で新高速の建設スタートでは遅いのです。建設規模も違えば、空港と鉄道では構造物などの考え方も違い、建設にはるかに時間を要するのは明白です。
 今の新高速の事業スケジュールでは、今はまず、環境アセスメントなどをすすめる「調査費」の予算が認められた段階です。その後に建設に着手となるのです。それでも、その間に成田の問題に一定の改善がみられないなどということは考えにくいですし、まず考えられない話しですが最悪のケースとして新高速の調査が終わった時点で当面は必要が無いとなれば、環境アセスメントなどの法定手続きを行うだけでも意義はあるのです(再評価は必要になるが)。そうしておけば必要になったらすぐに着手できるのですから。よって、今の事業(予算)化時期は適切といえます。

 さらに、成田の今の増便の足かせは、滑走路ではなくターミナル・スポットです。こちらは第一の改修が進み、サテライトが1つ増えて第5サテライトまで増えることが検討され、一部工事が始まっています。
 これらを考え、さらに、首都圏の増便の邪魔な存在である横田空域問題に一定の方向性が示されれば、確実に成田の機能は増大します。つまり、成田空港の機能増大は空港拡張が必須ではなく、今のままでも十分可能性があるということです。
 羽田の国際化に関しても、あくまで短距離シャトルやチャーター主体の転移を進める方向性が見えていることを勘案すれば、成田の乗客が増えないという原則は崩れます。

 総合的に判断して、新高速が無駄と切って捨てることはできないと考えられますが、いかがでしょうか。

横レス・成田アクセスにはいくつかの選好があるのでは?
 投稿者---かまにし氏(2002/05/17 14:06:53)

 私は成田アクセスは、現状で考えてもいくつかの選好があって、私はその選好に合った交通手段が選ばれているように思うのです。

高額な料金を払ってでも数分の節約を求める人 :NEX・スカイライナー
時間がかかっても安く行きたい人 :エアポート成田・一般特急

 JRと京成のシェアは、肉薄しつつも若干JRが上ですが、NEX対スカイライナーだと圧倒的にNEXに軍配があがりますが、エアポート成田対一般特急では圧倒的に一般特急に軍配があがっています。
 このことを考えると京成は新高速完成後も、高額速達志向の人のためにスカイライナーに力を入れていきつつも、JRが弱い「時間がかかっても安くいきたい」ニーズのため、一般特急を大事にしていかなければならないように私は思います。

 そして、両者に共通して以下のことが言えると思います。

□できるだけ乗り換えないで、できれば直通で行けること

 それを考えると新高速完成後はおおまかに言って、東京都心と東京西部は空港に直通できるNEXが強く、上野・日暮里へのアクセスが良い東京北部と埼玉はスカイライナー利用されるのではないかと思います。

 それ以外の地域(千葉・東京東部・東京南部・神奈川)なんですが、これはやり方次第で、高額速達志向型と低額志向型に二分するような気がするんです。私の自宅は蒲田で、アルバイトで京急線の改札口で働いているんですが、シーズンによっては毎日のように、1日4本のエア快の時間をあらかじめ聞いて、狙って乗る人が後を絶ちません。それから私の友人が京急富岡に住んでいるんですが、彼も成田へ行くときは青砥経由の京成を使うようです。今度は羽田の例ですが、京成で通勤は船橋で乗り換えて都心に出ている人が、羽田空港利用時は時間がかかっても直通に乗るという現象もよく見かけます(←改札口バイトで船橋からの定期券精算をする経験から)。

 とすると例えば横浜においては、高速速達志向型の人は当然NEX・リムジンになるのでしょうが、20分毎のSH快特が概ね成田空港行になれば、低額志向型の客をごっそり持っていくことができるのではないかと思っています。現状でもSH快特+京成特急はエアポート成田より若干速いので、新高速が開通すれば時間・頻度・(運賃?)で有利になります。ましてや、JRの直通アクセスのない川崎や、あっても弱い横須賀では「直通」というオプションだけでも、京成に回ると考えるのはちょっと甘いですかね。。。

 ちなみに出るだろうと思うのであらかじめ言っておくと、トイレ設置については私は必要ないと思っています。安いわけですから、そのぐらいのサービスであるのは仕方がないと思います。

 すみません、補足です。
 先ほどは、例でSH快特の成田空港延長などと言ってしまいましたが、私が言いたかったのは、新高速完成によって今まで以上にさまざまなニーズに応えた輸送ができるようになるのではということです。
 東京都心ではNEXが強いだろうと書きましたが、都心に通うサラリーマンでも浅草線を使って低額で成田へ行けるようになれば、状況に応じて利用されるのではないかと思いますし、そういう選択肢が増える可能性があることが、成田新高速の意義の1つではないかと思います。<かまにし

やはり京成・新高速の組み合わせは弱い?強いのはJR?
 投稿者---TAKA氏(2002/05/17 19:48:31)

 ちょっと題名と外れている内容かもしれませんが、御返答です。
 やはりアクセスの良いJRの優位は揺るがないでしょう。
 そうすると今ではJRより短絡して結んでいる京成が叶わないが成田新高速鉄道が出来ても、アクセスが足を引っ張り逆転は?では無いですか?
 そうしたらJR高速化は意義ありです。

上野は成田への大ゲートウェイへ大化け可能
  京成駅のみの改良方式

 タクシー乗り場の改修なら現実的ですね。それは考えませんでした・・・
 基本的には公園地域内の民間構図物の工事は許認可が大変でしょうし(どれほど大変かは?ですが・・・すいません)ともさんの言われたNATM工法は、土被りの少なさや、幅の広い構造物を作る事を考えると適当ではないですし、パイプルーフ工法も同じく広場的構造物に対して地山を支えられるか疑問です。
 そうすると開削工法が現実的で、それは成田空港乗り入れ時の京成上野改良みたいに、大規模な工事になり費用もかさみます。仰有られる限定的改良が現実的でしょう。駐車場を潰して大きくないシティエアターミナル的な物も作れるかも?

 大江戸線結節方式

 これは結構大変でしょう。中央通りには直下に銀座線が走っていますし(土被りは非常に薄いはず)その脇に地下道ぐらいなら難しくないでしょうが銀座線を仮設で支えた中でのその下の駐車場建設はかなり難工事では?
 其処に京成が一枚かんで、施設を作ったらかなりの負担金を取られてしまう様な気がしますが・・・
 地下道ぐらいで済ますのが現実的では?(動く歩道を付けて)

 確かに日暮里は対山手線乗換駅の機能しか果たせません(それも改良の上)。
 ですから、日暮里を乗り換えしやすく改良すると同時に京成上野を駅のみ改良して使いやすくして、箱崎に近いシティエアターミナル的な物を作るのが、費用的には現実的でしょう。
 そんなにアクセスターミナルまでタクシー・自動車を使う人がいるか私は疑問ですが・・・ 近くに空港直通駅のある大手町・日本橋等は東京駅に流れ上野の集客力は限定的ではと考えます。
 箱崎並みになれば御の字でしょう(下手したら都心のビジネス街には箱崎の方が上野より距離的にも近いというイメージですが・・・)。

既存路線の高速化の必要性は新高速以下

 成田新高速鉄道その物のもたらす時短効果は否定しません(何せ人口密集地を経由せず直線で結ぶ路線ですから)。
 只その実質的な影響範囲が狭く、其処が高需要地域でない事が問題です。
 影響地域が大きいのはJR>京成ですから、やはりJRは増発だけでなく高速化をした方が良いと考えます。投資額も成田線は130km運転対応の軌道を持っていますから、車両更新がメインになりますからNEX車両を(JR205系みたいに)他に転用して新車両を投入すれば全体の投資額はそんなに膨らまないでしょう(NEXをJRお得意に玉突き配転して485系等の追放に使えばOK?)。
 成田高速鉄道内は複線路盤を確保していまから複線化も用地買収が少なくて済みますし、錦糸町も単純に2面4線化して待避駅にするだけなら用地スペースがあるから費用はそんなに掛からないでしょう。
 成田新高速鉄道に関しては、JRとの並行区間で路線の共用化を図るのはダメでしょうか?(箱根登山の小田原〜湯本間みたいに)技術的には不可能でないでしょう。

 京成の高速化も中途半端ですが120kmで我慢すれば、そんなに費用は掛からないでしょう。前の書き込みには300億円(車両込み)と試算しましたが京急の品川〜横浜間120km化の投資は其処まで掛かっていませんから幾ら京急よりインフラが劣ると言え、軌道整備に132億円も掛からないでしょう。又京成が高速化されれば空港輸送以外にも対総武線・東葉高速の競争力向上→船橋・勝田台乗換阻止→総武線の混雑緩和→京成悲願の都心直通客の増加と言う効果も、期待できるでしょうから(車両は曲線通過速度向上をしなければ単なる改良だけでOK?)効果は少ないかもしれませんが、京成にインセンティブのある投資になり高速スカイライナー車両の新造は成田新高速鉄道への準備にもなり暫定的でも意義があるかと思います。

成田の拡張が前提条件とはいえない

 でも暫定滑走路の状況では、ポテンシャルが上がったといえどもまだ2本の鉄道アクセスで賄えるでしょう。賄えなくなるほどの需要が望める時が成田新高速鉄道の建設の時だと思います。
 これは「卵が先か?鶏が先か?」の議論だと思います。
 ですから何時までも平行線かもしれませんが、私には成田新高速鉄道が出来たから成田の需要が増え、成田新高速鉄道にペイするだけの需要が生まれ3本のアクセスを有効活用できる状況が生まれるとは思いません。
 それで私は成田の機能拡充(=空港アクセス需要の増大)を前提にしています。その前提を外すのは、採算性だと思います(当然補助無く採算が取れれば京成は自腹でも投資するでしょう)。

新高速の必要性:成田の拡張が前提条件とはいえない
 投稿者---矢切氏(2002/05/17 21:10:49) http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

 タイトルの件についてのみ返信します。

 「鶏が先か卵が先か」という議論じゃないでしょう。「需要が増えてからか、需要が増えるからか」という問題じゃないと何度も指摘しているのに、「まだ2本の鉄道アクセスで賄えるでしょう」という表現はをされてしまうと、「事業単独での採算性」あるいは「新高速がなければ運びきれないほどの利用の存在」が事業の前提だとTAKAさんが未だに考えていると思わざるを得ません。私はそうだとは全く思いません。

 公共工事プロジェクトの採択はどうおこなわれるのかという所から話さないといけないのでしょうか?
 別スレッドからの引用になりますが、次の点において重大な意見の相違があると感じます。

 しかし既存のアクセスが既に有る程度整っている成田空港に現況のままで第三鉄道アクセスの成田新高速鉄道はシビルミニマムでしょうか?
 それは需要が増加してこそ初めて必要になる物で、既存の改良で賄えるととえたらシビルミニマム以上になり、金銭的採算性が重視されると考えます。

 私は、成田空港に見こまれる最低限のインフラおよび需要を前提にしても(実現が確実な第一ターミナルの拡大や新高速がなくても見こまれる需要の増大を含むが、第二滑走路の延長や横風滑走路の建設は前提としない)であっても、今の空港アクセスは不十分と考えます。成田エクスプレスは指定券がとれない状況がしばしば発生していますし、アクセス所要時間において多くの人が不満を抱いているのもまた事実です。従って、新高速建設あるいは既存鉄道の強化のいずれかは「強く望まれている」と断じます。また、既存鉄道の高速化よりは新高速プロジェクトの方が優れていることは、皆さんがすでに書かれているとおりと考えます。

 蛇足ながら、JR強化案は、朝の上り非設定・ラッシュ時の低速化という新高速にはない大きな欠点があるのみならず、総武快速線既存ユーザーへの被待避や列車間隔増大に伴う混雑の強要という不経済が伴い、これは新高速経由の場合に京成・北総で待避等が発生することによる不経済よりずっと大きい(∵影響を受ける人数が全然違う)こと、成田エクスプレスを高速化すればこの不経済は拡大する(∵快速の最短運転間隔が増大する)ほか津田沼などへの待避設備建設も必要になって投資額は莫大になることも指摘させていただきます。

Re:新高速の必要性:「採算性」と「建設推進」の溝は埋まらない?
 投稿者---TAKA氏(2002/05/18 02:15:38)

 簡潔にご意見を書き込みます。見解の相違に付きましては自由な議論の中での出来事としてご容赦下さい。

 仰有るとおり成田新高速鉄道の建設に関する見解の相違の根本は「事業の採算性と公共事業の関係」にあります。
 皆さんの主張を一言で言うと「成田新高速鉄道は有益な事業は公共事業なのだから実施すべき」と言うことになります。
 又私の主張を一言で言うと「成田新高速鉄道は幾ら公共事業といえどもシビルミニマム以上の物であるから採算性を重視すべき」と言うことです。

 この主張の間隔は埋める事は出来ないと思います。
 正直言って皆さんの必要だという理論も理解は出来ます(まあもう7年も成田空港を利用していないので空港アクセスの改善の必要性を実感していないのも成田新高速鉄道に冷たい理由ですが・・・)。
 但し私の考え方も全てが正しいとは言えませんが、無視すべきではないと考えます。

 今回調査費の予算が付いて事業化に一歩前進していますが、財務省が難色を示したのも事実ですし、私はそれが正しい考え方だと思います。
 私見では、今の日本では都市再生も重要ですが財政再建ももっと重要です。ですから重点施策だと言って予算を無制限に付ける事に事業の採算性が乏しい事を臭わせて躊躇う事も理解できます。推進を主張される場合それを納得させるだけの物を示すべきでしょう。

 只私も完全否定しているつもりはありません。皆さんからぼろくそに言われても代替案を示しているつもりですし、採算性の向上についても開発利益の取込等言ってきたつもりですし、又補助金についても、もっと受益者負担に頼れとか色々提案してきたつもりです(皆さんからはぼろくそに言われ根拠のない馬鹿話と思われているでしょうが)。
 最終的に既存アクセスで苦しくなるほどの需要が増えるのが見込める空港能力の拡張が行われた時点(=乗客が増え補助金の460億円を収入等でカバーできる状況)では成田新高速鉄道の建設を進めるべきで、その為の選択肢として調査・基本計画等は進めて用地買収・着工に何時でも着手できるまでは進めておくべきとまでは考えています。

 皆さんに色々言われて総攻撃を受けている「採算性優先論」ですが、私は皆さんの「推進論」のアンチテーゼとして飽くまでも旗を掲げ続けます。
 この議論は着工してからでは意味がありません。
 過去に置いては、千葉県では確かに必要性が高くて建設した第三セクター鉄道で破綻状況に追いつめられ解散したり、有利子負債に苦しめられている会社が存在しています(北総・千葉急行・東葉高速)。
 確かに今回はスキームが違い補助金が多いですから危険は少ないとも言えますが第三セクターが苦しくなり処理に税金を使うのも、先に補助金を使うのも税金を使うという点においては替わりません。
 実例として経営困難の第三セクター身近にも存在している千葉県の税金を使う補助金事業ですから、その採算性と公共事業の関係についてこの機会に議論を広めておくのも無駄ではないと思います。

 その点では此処で「刀折れ・矢尽き」ても、採算性重視の主張をしている事は自分では意味があると思います。
 皆さんが意味が無く邪魔であると考えられているのでしたら、遠慮無く仰有ってください。そうすれば無知な私でも分かりますから・・・

国際空港アクセスは普通の鉄道と同列で評価は出来ない
 投稿者---とも氏(2002/05/17 22:36:10) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 やはりアクセスの良いJRの優位は揺るがないでしょう。
 そうすると今ではJRより短絡して結んでいる京成が叶わないが成田新高速鉄道が出来ても、アクセスが足を引っ張り逆転は?では無いですか?

 新高速がアクセスの足を引っ張るというのが今一つ理解できませんが・・・

京成駅のみの改良方式
  基本的には公園地域内の民間構図物の工事は許認可が大変でしょうし
大江戸線結節方式
  銀座線を仮設で支えた中でのその下の駐車場建設はかなり難工事では?
  其処に京成が一枚かんで、施設を作ったらかなりの負担金を取られてしまう様な気がしますが・・・
  地下道ぐらいで済ますのが現実的では?(動く歩道を付けて)

 まず、はっきりさせましょう。

  1. 上野公園の位置づけ
    都市計画法に基づく都市公園(旧御用地公園(恩賜公園))。公園地区としての特定用地地域指定、地区計画、その他開発規制等は行われていない。

     よって、TAKAさんの書かれる「公園地域」ではなく(民間施設の建築・建造に関する規制をうける意味での公園地域は自然公園に指定されるものであり、上野公園は自然公園ではないので該当しない)、都市公園としての都市施設が指定されているにすぎません。
     その場合、京成が「公共の福祉を損なわない範囲」で「都市の健全な発展に資する」目的で施工するのであれば法及び規制には抵触しません(都市公園法、都市計画法を見ていただければ解ります。ちなみに、同様の事例は公園下に道路を建設した首都高王子線、都市公園直下に駅を設けた南北線、公園地区に駅を作った大江戸線など様々な事例があります)。
     さらに、東京都、台東区、もしくは国土交通省が交通結節点なりの事業指定を行い、都市公園の管理者たる東京都知事の許可が下りることは容易に想定可能であり、それであればなんら問題なく施工が可能です。
     
  2. 大江戸線連絡地下通路及び駐車場、京成上野駅地下広場
     東京都市計画台東歩行者専用街路第3号線として都市計画決定がすでにされ、駐車場も、東京都市計画自動車駐車場上野広小路(京成上野駅)地下駐車場としてすでに法的な位置づけがされています。
     さらに、すでに事業化(=予算化)もされていますから、大変云々ではなく、できるということを前提にする必要があります。

 そんなにアクセスターミナルまでタクシー・自動車を使う人がいるか私は疑問ですが・・・

 ぜひ、一度、TCAT、OCAT、京成上野、東京のどれかを見られることをおすすめします。いかに多いかがわかると思いますよ。
 特に箱崎は必見です。
 また、香港のAEXの事例も参考になります。運転開始当初は乗客が少なく、様々な施策を打ってきましたが、そんな中で効果的であったのが、駅〜ホテルシャトルです。主要ホテルしかカバーしなかったのを、割安なホテルやショッピングセンター、フェリー埠頭などを回るようにしたところ、乗客の増加が見られています。
 今では、5〜10分間隔で運転され、バスはおおむね2〜3本に1便が接続する形で運行されています。
 こういった先進事例があるのですから、空港アクセス鉄道駅へのアクセス向上は効果的であるといえます。

***
 京成やJRの高速化には限界があります。
 いくら規制緩和とはいえ安全性担保の制動性能規定まで解除もしくは特認するのは鉄道事業法の原則に反しますから、慎重な判断をしなくてはなりません。
 また、途中駅にホームがありますね。現に140超の運行をしている各線を見ていただければ解るとおり、ホームがないかもしくはホームドア(ホーム自体への立ち入り規制も含め)などによる安全策がとられています。それを京成駅、JR駅全部で今からやるのは非現実的です(仮に新高速でというのなら、十分可能でしょうが(駅数が少ないですからね・・・))。

 これは「卵が先か?鶏が先か?」の議論だと思います。
 ですから何時までも平行線かもしれませんが、私には成田新高速鉄道が出来たから成田の需要が増え、成田新高速鉄道にペイするだけの需要が生まれ3本のアクセスを有効活用できる状況が生まれるとは思いません。
 それで私は成田の機能拡充(=空港アクセス需要の増大)を前提にしています。
 その前提を外すのは、採算性だと思います(当然補助無く採算が取れれば京成は自腹でも投資するでしょう)。

 私や矢切様の過去の投稿を読んでいただけましたでしょうか。
 確かに間違いがあったのは否定しません。それは率直に謝罪しますが、まず、第一ターミナルの増築を現に行っていること、滑走路の拡張が現実的にある程度の方向性で見えていること、公団の予測では空港旅客数は1.5倍以上増加することなど、整備に際しての合理的な条件は整っています。
 さらにいえば、成田空港アクセスという高いレベルの「国家的課題」を解決することは重要なことでしょうし、空港アクセスがまかなえない段階から整備することは非現実的であり、先行投資の観点からも今の段階で事業着手することは必要と言い切れます。

 国際空港アクセスは普通の鉄道事業と同列の評価では不可能です。なぜなら、需要や採算性といった通常の概念ではない評価軸としての「国策」があるからです。空港アクセスが欠陥では利用者は確実に逃げます。であるからこそ、世界中の空港でアクセス交通整備が進んでいるのであり、成田においても同じような要望があるといえます。
 まず、世界、日本の空港アクセス鉄道の現実から見て、成田空港アクセスが今のもので十分といえるのか、既存鉄道ネットワークを利用してもよいが、それが足かせになっていないのか、そういった評価をすることを強くおすすめします。

 きつい書き方ですが。ではでは

国際空港アクセスは普通の鉄道と同列で評価は出来ない程特殊なの?
 投稿者---TAKA氏(2002/05/18 03:15:35)

 TAKAです。掻い摘んで書き込みさせていただきます。
 あくまでも私の私見ですので意見の相違にはご容赦下さい。

 新高速がアクセスの足を引っ張るというのが今一つ理解できませんが・・・

 すいません言葉が足りなかったです。「成田新高速鉄道が出来ても都心アクセスが足を引っ張り対JR逆転は?ではないですか?」で文脈は通じるでしょうか?入力ミスで「都心」「対JR」抜けていました・・・

  1. 上野公園の位置づけ
  2. 大江戸線連絡地下通路及び駐車場、京成上野駅地下広場

 すいません。確かに公園でも構造物は許可を得れば民間でも工事等できますね。そうでなければ、空港線改良時の京成上野改良は出来ませんでしたね。これは私も間違いです。謹んで無知を謝罪致します。
 只1も2も工事の困難性(費用に直結する)は、都市計画や事業化と別物ですから・・工事を考えたら地下は掘ってみないと分からないから・・いったいいくら掛かる事やら

 京成やJRの高速化には限界があります。
 いくら規制緩和とはいえ安全性担保の制動性能規定まで解除もしくは特認するのは鉄道事業法の原則に反しますから、慎重な判断をしなくてはなりません。

 一応私は「特認を解除しろ」とは言ってません。確かJR四国が8000系が試運転時にレールブレーキのテストをして150kmまでは特認クリアが可能という結果を残していたのを何処かの記事で読んだ記憶があります。
 それを基にスピードアップを提案しました。
 決して「特認・解除」を軽々しくは言っていません。

 また、途中駅にホームがありますね。現に140超の運行をしている各線を見ていただければ解るとおり、ホームがないかもしくはホームドア(ホーム自体への立ち入り規制も含め)などによる安全策がとられています。
 それを京成駅、JR駅全部で今からやるのは非現実的です。

 非現実的ですかね?既存駅にホームドアを後付けする事は、都営三田線・東急目黒線でも行っています。当然費用は有る程度高いですが・・・
 安全対策にも良いのでは?只問題はJRの千葉以東で3ドアと4ドアの列車をどう捌くかです。それに京成ではスピードアップ目標を120kmに下げましたから、京成と同じですから要りませんよね?

 私や矢切様の過去の投稿を読んでいただけましたでしょうか。
 さらにいえば、成田空港アクセスという高いレベルの「国家的課題」を解決することは重要なことでしょうし、空港アクセスがまかなえない段階から整備することは非現実的であり、先行投資の観点からも今の段階で事業着手することは必要と言い切れます。

 これに関しては、私も矢切さんへの書き込みへ返答を出していますので必要がありましたらそちらをご覧下さい。

 国際空港アクセスは普通の鉄道事業と同列の評価では不可能です。
 なぜなら、需要や採算性といった通常の概念ではない評価軸としての「国策」があるからです。空港アクセスが欠陥では利用者は確実に逃げます。
 であるからこそ、世界中の空港でアクセス交通整備が進んでいるのであり、成田においても同じような要望があるといえます。

 この考えには強く疑問を感じます。確かに空港アクセスは重要です。
 しかし「国策」とは国の国民の為にあるのではないのですか?「国策」だから何でも優先されるのですか?「国策」で有ればそれ以外の要素は無視されるのですか?
 そんなに国策と言われるのなら成田新高速鉄道は国営にすべきでは?
 空港アクセス改善は国策だから採算性が悪くても補助を出し、普通の鉄道事業の例えば小田急線の殺人的ラッシュを改善する為の複々線化事業は成田新高速鉄道みたいな甘い上下分離にも近い程の補助を受けず小田急の資金(連続立体・鉄建公団分は除く、鉄建公団のは補助など工事費に比べたら無いに等しい)で工事をして混雑緩和に努力しているのに、そちらも小田急線沿線約200万人の住民に利益を与えるのに「国策」でないと言う理由で補助金が下りてこないのでしょうか?これは不平等でありませんか?それこそ鉄道のラッシュ緩和も都市再生の重要な国策足り得ると思いますが・・
 私はその様な国民ないがしろの「国策」自体が間違っていると思いますし、空港アクセスは特別で普通の鉄道で不便に苦しんでいるのは空港アクセスに投資の優先度で劣るという考えは間違っていますし、特定の事業への不平等な公共事業になりませんか?
 だからこそ有る一定の客観的な尺度を公共事業に作るべきです。
 私はだからこそ「シビルミニマム以上の公共事業」では採算性と金銭以外の便益を含めた費用対効果を基準にして計るべきと考えます。
 物差しがないと只「国策」の名前の下にそれこそ「熊しか通らない道路」の様な物が鉄道でも造られかねません。

2005.07.20 Update

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