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(過去ログNo.)

北総鉄道の成田延伸は、本当に良いことなのか

投稿者---高ノ花氏(2000/10/29 07:13)

北総・公団線のバカ高い運賃、そしてその背後にある累積赤字問題について、いろいろな情報や資料に目を通していくうちに、これまで考えたこともなかった、最も初歩的な疑問がわき上がってきた。つまり、「この鉄道が成田まで伸びて空港に乗り入れることが、果たして千葉ニュータウンに住むわれわれにとって、本当に歓迎すべきことなのだろうか」という疑問である。

これまでこうした問いについて真剣に考えたことがなかったのは、考えるまでもなくそれは「いいこと」だという漠とした了解があったからだ。
  (1) 北総鉄道が国際空港に直接乗り入れることで、誰よりもここに住むわれわれ自身が最も恩恵を受ける
  (2) 成田とつながることで千葉ニュータウン地区が活性化される
  (3) 便利になった千葉ニュータウンへの入居者が増え、開発整備が順調に進展する等々の効果がある
と、誰もが漠然と考えてきたと思う。

だが、本当にそうなのだろうか。第1の点から考えてみよう。

北総鉄道が成田空港に直接乗り入れることで、われわれが受ける恩恵とは具体的にはどんなものなのか。たしかに海外旅行に行くときは便利になるかもしれない。しかし、そんなのは多い人で年に何回か、平均すると年に1回あるかどうかといった話だろう。その程度の恩恵のために、千葉ニュータウン地区の住民が数十年も成田延伸を待ちわびている、しかもその間「日本一料金の高い」通勤電車に甘んじなければならないというのは、どうも私ごときの頭では理解できない事態というほかない。

それに「不便な成田空港」時代が続いたため、それなりの代替手段がすでにできてしまった。私などは海外旅行や出張に行く時は、車で空港近くの民間駐車場まで行き、そこに車を預けて、バスで出発ロビーまで送ってもらうパターンがすっかり定着している。鉄道が空港に乗り入れたからといって、重い荷物を転がして駅まで行くようになるかどうか、開通してみなけりゃわからない。

第2の点。

北総開発鉄道の成田延伸が千葉ニュータウン地区の活性化を促すという説明も、何か納得がいかない。

 これはたとえば、今まで新幹線の開通に期待し、地元選出の代議士や地方の政財界を使って予算分捕り合戦を繰り広げてきた、多くの地方の「悲願」と同じ運命をたどるのではないか。
「悲願」が実って新幹線は開通したが、東京からの観光客やビジネス客は、自分たちの地元を素通りして、皆その向こうの中核都市まで行き、しかも日帰りであわただしく帰ってしまう。こんなことなら鈍行電車でのんびりと、たまには物好きな客が途中下車してくれていた、今までの交通事情の方がまだマシだった、ということになりかねない。

北総鉄道の成田延伸で千葉ニュータウンが活性化するかどうかは、千葉ニュータウン地区自体にそれだけの魅力があるかどうかによって決まるのであって、魅力がなければ、今以上に「素通り度」が高くなり、むしろ「空洞化」につながるおそれさえあるのではないだろうか。

第3の点。

北総鉄道の成田延伸によって千葉ニュータウンが便利になり、それによって入居者が増えるという効果は多少あるかもしれない。しかし、こうした効果は、まず成田市街地がしっかりと果実を受けとめ、そこからあふれてしまう部分が周辺地域に浸みだしてくるというプロセスを経るのが一般的であろう。

国際空港ができたことによる開発効果は、今までも成田市街地で十分受けとめ、しかも土地の利用状況などをみても、まだまだ余裕がありそうにみえる。たとえば、空港と密接な関係のある企業や人を受け入れる住宅、ホテル、事務所、ショッピング施設などの立地が、鉄道の開通で千葉ニュータウンでも成立可能になるといっても、そうした施設が(成田でなく)千葉ニュータウンでなければならないという必然性のようなものは、交通条件とは別の領域に属する話である。やはり、千葉ニュータウン自身の魅力度が最終的に問題になるのだと思う。

このように、北総開発鉄道の成田延伸効果というのは、一つ一つ検証していくと、甚だあやしくなってくる。いや、このほかに私の知らない、もっと大きな効果があるのだったら、ぜひ教えていただきたいが・・・・。

効果がはっきりしない一方で、この間むしろ北総鉄道の成田延伸によるデメリットが露呈されてきたのではないか。もっと正確に言うと、「北総開発鉄道がいずれ成田まで延伸されることに期待し、それを前提として千葉ニュータウンの整備を考える」ことのデメリットというべきか。

われわれにとって、北総開発鉄道というのは、何はともあれ通勤電車である。都心部に速く、安く、便利に行けることが、北総開発鉄道の(われわれ住民から見た)使命だったはずである。それ以外のことは、二次的な問題にすぎない。
それが、この通勤電車に関しては、いつも「いずれ成田まで通じるのだから」という説明がなされ、バカ高い料金も、「駅100選」に合格するような贅沢な駅舎も、線路の脇に延々と広がる草ぼうぼうの空き地も、いずれ国際空港に直結する路線なんだから、いずれこれらの贅沢な施設やスペースが活かされる日がくるのだからということで、エクスキューズされてきた。
しかし、あえてイヤミな言い方をするならば、われわれが「ぜひとも成田空港まで延伸してください」と頼んだわけではないのである。

北総開発鉄道の平成11年度決算をみると、この鉄道にとって「いずれ、成田に直通する」運命が、相当な負担になっていることが感じられる。

営業収益 (a) 115億86百万円(前年度比+5.5%)
営業費用 (b) 74億80百万円(同▲0.1%)
営業損益 (a-b) 41億 6百万円(同+17.4%)
経常損益 ▲12億42百万円(鉄道公団等支払利息55億47百万円)
累積損失 ▲447億13百万円(管理者注:視認上マイナス表記とした)
債務超過 ▲198億13百万円(管理者注:視認上マイナス表記とした)

輸送人員(1日当たり):8万2千人(前年度比+0.1% 定期外旅客+3.5%、定期旅客▲0.7%)

 

何のことはない。われわれ住民が「日本一(2番目?、まあ似たようなもんだ)高い運賃の」定期代を払って、バカ高運賃の割りには朝晩混むようになって、必ずしも座席に座れないくらいの混雑状況に甘んじても、そしてその結果北総線の営業収益が前年度に比べて17%以上(!)も伸びても、それでも気の遠くなるような累積損失、債務超過がこの会社の存立そのものを心配しなければならないほどに膨らんでいるのである。この会社の存立そのものが危ういということは、われわれが仕事場まで通う「足」の確保が危ういということであり、われわれがここに住んでいられなくなる可能性さえあることを意味する。

一体、これはどういうことなのか。

「いずれ成田に直結する鉄道だから」単なる通勤電車としては分不相応な線路脇のスペース、駅舎、車庫等々、とにかく何もかも高規格なつくりで整備してきた、そのことが累積損失、債務超過を生んでいるだけのことではないか。ストック(設備投資)に問題があるのであって、フロー(営業収支)の少々の増減では問題の解決にはならないような構造になってしまっているのである。

これまでわりとよく聞かされてきた、バカ高運賃も北総鉄道の経営問題も「北総線が成田まで延伸されるまでの辛抱」という言い方にしても、どういう根拠があって、そういうことが言えるのか。

もしかしたら、北総・公団線問題の解決は、「成田延伸」をきれいさっぱり諦めることで初めて曙光が見えてくるのではないのか。

少なくとも、「いずれ」成田までつながる路線の建設費やら何やらを、通勤客が負担し続けることはすでに限界に来ている。北総線が単なる通勤電車以上の存在になる、その日のために、多額の建設費が投じられ、高規格な鉄道が維持されるのだとしたら、その負担は通勤客に押しつけるべきではないだろう。「受益者負担」の原則からいってもおかしい。通勤客は「受益」などしていないのだから・・・・。

北総・公団線の高運賃は成田延伸が理由ではない

投稿者---SAKAYAN氏(2000/10/29 21:51)

高ノ花さんがおっしゃる成田延伸が、北総・公団線の高運賃の理由というのは、私は当たらないと思います。たとえ北総・公団線がニュータウン住民のためだけの鉄道として建設されていたとしても、この高運賃の問題は全く変わらず存在すると思います。

理由として北総・公団線の施設は、特別に重装備かといえばそうでもない(東葉高速鉄道等と比べてもそれほど変わらない)(*高ノ花さんがおっしゃる線路わきのスペースはたしか千葉県の土地だったと思います)。よく言われる都市公団の設置した印西牧の原駅や印旛日本医大駅を多少質素に建設したところで、建設費の総額に大した影響はないというようなことです。
要するにこの高運賃は、成田空港延伸が理由ではなく、運賃から建設費を償還していくというやり方と、建設費の借金の返済方法の問題なのだと思います。

Re:北総・公団線の高運賃は成田延伸が理由ではない

投稿者---高ノ花氏(2000/10/29 22:23)

そうなんですか。私はまだ勉強不足で、表面的なところしか見ていないのかもしれません。しかし、何だかこれまで見聞してきた話というのが、どうも成田延伸に比重が行っていて、成田までつながれば現在の矛盾のほとんどが解消されるといった印象で聞いていました。結局、「成田延伸」という呪文の前に、現在できること、やらなくてはいけないことがすべて思考停止になってしまうような感じを受けていました(私の誤解かもしれませんが)。

要するにこの高運賃は、成田空港延伸が理由ではなく、運賃から建設費を償還していくというやり方と、建設費の借金の返済方法の問題なのだと思います。

運賃から建設費を償還していくやり方、建設費の借金の返済方法の問題について、もう少し詳しく教えていただけるとありがたいのですが。

北総・公団線延伸は千葉県が責任を持つべき

投稿者---SAKAYAN氏(2000/10/29 22:21)

私は北総・公団線を成田空港まで延伸することは、千葉ニュータウンの活性化というよりも千葉県の死活問題と考えます。

今の成田空港への交通アクセスは、関東のどの地方からも不便極まりないです。高ノ花さんは代替手段が出来ていると言いますが、それというのは、あくまでも車を持ち、ある程度近距離に住む人に限られる訳で、公共交通機関に頼らざるを得ない人々や海外から来日される外国の方々の多くはそのような訳にはいきません。このままでは、羽田への国際線乗入れとともに、成田空港の地位は今以上に低下する可能性が大です。
よく千葉県や成田の地元市町村が主張する「羽田は国内線。成田は国際線」等ということを聞きますが、最近では運輸省でさえ耳を傾けられなくなってきています。成田空港が羽田国際化の後も首都圏の主力空港の地位を保つには、成田空港への鉄道網の整備が絶対に必要です。万一この不便さが災いして成田空港が貨物空港中心へと変わったりした場合、千葉県の地域経済に与える影響は絶大です。ですから、成田空港の利便性を高める必要があると考えます。これにもっとも低コストで、効果的な路線が北総・公団線であると考えます。  また北総・公団線の延伸によって、成田空港アクセスの旅客が総武線や京成線から転移することによって、総武線や東西線の混雑緩和にもつながるのではないかと考えます。

Re:北総・公団線延伸は千葉県が責任を持つべき

投稿者---高ノ花氏(2000/10/31 00:00)

今の成田空港への交通アクセスは、関東のどの地方からも不便極まりないです。高ノ花さんは代替手段が出来ていると言いますが、それというのは、あくまでも車を持ち、ある程度近距離に住む人に限られる訳で、公共交通機関に頼らざるを得ない人々や海外から来日される外国の方々の多くはそのような訳にはいきません。

もちろん、私のいう「代替手段」などは、不便な成田空港時代が続いたために、やむなく民間の知恵が生み出した「鬼っ子」であり、言ってみれば、郊外の駅で深夜タクシー待ちの行列が、誰が提案するでもなく「5人ずつ相乗りすれば、早く家にたどり着けるじゃん」などというアイデアを生み出してしまったようなものです。普遍性など、ハナからありません。

よく千葉県や成田の地元市町村が主張する「羽田は国内線。成田は国際線」等ということを聞きますが、最近では運輸省でさえ耳を傾けられなくなってきています。成田空港が羽田国際化の後も首都圏の主力空港の地位を保つには、成田空港への鉄道網の整備が絶対に必要です。万一この不便さが災いして成田空港が貨物空港中心へと変わったりした場合、千葉県の地域経済に与える影響は絶大です。ですから、成田空港の利便性を高める必要があると考えます。これにもっとも低コストで、効果的な路線が北総・公団線であると考えます。

ご指摘の点は、すべて千葉県なり成田空港自身(運輸省)が考えるべき点であり、千葉ニュータウンをその受け皿にするのであれば、それ相応の「見返り」「落とし前」をつけてくれないと、住民としては納得がいきません。

成田延伸が、北総・公団線のバカ高運賃の要因ではないとのご指摘ですが、でも成田空港へのアクセスの問題が、この通勤電車に大きな陰を落としているのは事実ではないでしょうか。成田延伸が千葉ニュータウンの成長可能性になにがしかの効果を与えるとしても、プラスマイナスを総合的に評価すれば、どうなんでしょうか、見方によっては、千葉ニュータウンにとって、あるいは千葉県全体にとって、いや日本全体の国益からみて、成田空港はいまや「疫病神」かもしれないとさえ思えます。

だとすれば、「ナリタ」を早く忘れることこそが、羽田という選択肢ももっている首都圏全体の国際空港のあり方にとっても、21世紀の千葉県全体の開発戦略にとっても、そして北総・公団線の生き残りにとっても、十分検討に値するオプションなのではないでしょうか。

北総線が純然なNT線であったとしても

投稿者---SAKAYAN氏(2000/10/31 05:48)

成田延伸が、北総・公団線のバカ高運賃の要因ではないとのご指摘ですが、でも成田空港へのアクセスの問題が、この通勤電車に大きな陰を落としているのは事実ではないでしょうか。

陰というのはどういうことでしょうか?
前にも書きましたが、成田延伸が北総・公団線の過剰設備を生んでいると言うのは当たらないと思ます。それは東葉高速鉄道でも京成千原線でも北総開発鉄道と同等程度の施設であるし、これか竣工する常磐新線にしても埼玉高速鉄道にしても、私が見聞きする範囲(建設屋の世界)では、北総・公団線と施設的には大差ないように思えます。
要するに成田延伸を見越した過剰設備による建設費高騰が、高運賃を引き起こすという考えは、間違えだと思うのです。
もし当初の計画どおり、北総開発鉄道が京成高砂~小室間のみの営業をし、成田空港アクセス鉄道という使命を与えられなくても、現状程度の鉄道施設は必要であり、そうであれば、建設費用は同じくかかる訳ですから、現在の北総開発鉄道と同じ結果であったと思うのです。
沿線開発を念頭に置いた千葉急行電鉄や東葉高速鉄道が、建設費用償還の為に高運賃を設定し、北総と同じように多大な累積損失を抱えている(更には千葉急は解散した)現状は、そのような結果を証明しているものと考えます。

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良いか悪いかの是非…必要悪という考え方も…?

投稿者---551planning(2000/10/29 23:58)

高ノ花様・SAKAYAN様、御来場有難うございます。

高ノ花様は千葉NTにお住まいでしょうか。当方は千葉NT居住ではありませんが、仰っている内容が痛いほど分かります。
確かに北総開発鉄道はまずもって成田空港の最短ルートとして計画されたわけではありません(成田新幹線ルートとしても取上げられましたが、絶対的な候補でもなかったわけですし)。もともとはやはり千葉NT開発としての役割が期待された鉄道だったわけです。
手前味噌で恐縮ですが詳しくは下記リンクを御覧下さい。

成田空港まで延びたとき、直接沿線へもたらされるといわれている種々の効果に関しては当方も懐疑的です。成田空港アクセスルートの本命としても都心部が京成~都営浅草線といかんせん弱いわけで、印旛日本医大までの一駅で(車両基地含めてではあるが)200億掛かっているという事実を前にして、ただでさえ建設費償却が困難な状況にあって更なる負担増はまさに足かせのなにものではないでしょう。

ただ、沿線行政体の取組みも外から見えづらいものがあります。
下記リンク(2)で議論していますが、値下げしたからコトが済むとも当方には思えません。やはり沿線住民にはそれなりの負担を求めざるを得ないのでしょうが、現状においてそれに勝る千葉NTの需要度が具体的に見えてこないことは、高ノ花様の言葉の端々に見え隠れしており、当方としても言葉がありません。

いずれにせよ、成田空港延長の事業主体も見えていない現状で、北総利用者に負担増となることはないと考えます。ただし長い目で見て確固たる経営基盤を築くには成田空港延伸が必要ではないでしょうか。それが当方が口悪く言った「モルヒネ」だとしても…。

Re:北総鉄道の成田延伸は、本当に良いことなのか

投稿者---brother-t氏(2000/10/30 00:16)
http://blog.livedoor.jp/brothert/

こんばんわ、高の花さん

北総鉄道が成田空港に直接乗り入れることで、われわれが受ける恩恵とは具体的にはどんなものなのか。たしかに海外旅行に行くときは便利になるかもしれない。しかし、そんなのは多い人で年に何回か、平均すると年に1回あるかどうかといった話だろう。その程度の恩恵のために、千葉ニュータウン地区の住民が数十年も成田延伸を待ちわびている、しかもその間「日本一料金の高い」通勤電車に甘んじなければならないというのは、どうも私ごときの頭では理解できない事態というほかない。

「日本一運賃が高い」と言う事と成田空港アクセスは分けて考えた方が良いと思います。と言うのはこれがあったから千葉ニュータウンの都市計画で鉄道用地の確保があらかじめ行われてた部分があるからです。その上で成田空港乗り入れのメリットを考えて見ると

  • 乗客が増える:
    現状北総線の輸送してる乗客の数を平らに治すと4万人弱になるのですが、現状の1日辺りのJR・京成の空港アクセス利用客は48,000人(千葉ニュータウン中央は27,000人)この半分が移ってきたら大まかに考えてもこれが50%増えるわけです。
  • ダイヤが便利になる:
    現状千葉のJRで空港アクセスを担ってる総武線(千葉以降)は東京直通の快速が1日に25本と内房16本外房13本に比べて倍近くになってます。
  • 運賃値下げ:
    直接比較する対象としてはなんですが新潟県を走る北越急行線は新幹線経由で東京~北陸を結ぶ幹線ルートとして活性化し(一般利用の倍の特急利用がある)黒字が出たため運賃値下げを行った事があります。

とこう言ったメリットが考えられるのですが、多分高の花さんが考えられるデメリットとしては多分こんな事があるでしょう。

  • 「成田延伸」と言う錦の御旗によって採算を考える前に設備投資をという空気が出てきてしまう。
    (千葉急行が代表的か、北総で言えば高砂~新鎌ヶ谷のP線方式での延伸)
  • そして「成田延伸さえ」と言う考えから事業者が真剣に活性化や責任を考えない
    確かにもっともなのですが「成田延伸」を中止したところでということも思ってしまいます。ただこの状況に関するけじめを関係者がつけずして「成田延伸」はするべきではないと思います。>第3の点。

これに関してはなんとも言えないのですが昔ある営業のバイト(ってなんじゃそりゃ)で金沢区をくまなく回った事があるのですが、その時結構航空などの関係者がその辺に多く住んでるらしいと言う話を聞いた事があります。あと引越しのバイトで上大岡にある航空会社の寮の引越しをやった事も何度かあります。と言う事で断言は出来ませんが確かに横浜南部の京急線の沿線には羽田空港へのアクセスが便利と言うことでそういった需要があったのは確かです。そして千葉NTは羽田・成田の両空港へ直通が可能になったらそう言った需要が出てくるとは思います。そしてその事によって千葉NTそのものの人口集積が重なり商業立地などの魅力が出てくるのも決してありえない話ではないと思います。と言う意味で効果は無くはないと思います。

ただそれが千葉NTの救世主になるまでの力は無く、あくまで1要因でしょうね、それは関西空港のりんくうタウンが大失敗したのと一緒で。

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Re:成田延伸は・・・

投稿者---brother-t氏(2000/10/19 16:55)
http://blog.livedoor.jp/brothert/

私の個人的な意見ですと・・・

(1)北総鉄道が国際空港に直接乗り入れることで、誰よりもここに住むわれわれ自身が最も恩恵を受ける

多少列車本数が増えたり、急行や特急が増えるかもしれない。その程度の恩恵だろう。

(2)成田とつながることで千葉ニュータウン地区が活性化される

街の認知度が上がる。その程度ではないか。それで少しは人口が増えるかもしれないが・・・

(3)便利になった千葉ニュータウンへの入居者が増え、開発整備が順調に進展する等々の効果があると

それにしたって東京へのベットタウンでしかない。人が寄り付く施設もなく、魅力ある都市に隣接するような場所でもない。開発が計画どおりにいくとは到底思えない。

こんなことから、千葉ニュータウンにとって成田延伸による地元への利益というのは本当に限定的だろう。
それなのに、成田延伸が北総開発鉄道を救済し、千葉ニュータウン活性化の決め手であると地元で思われるのは、北総線問題に対し何もして来なかった印西市や白井町が、成田延伸で自分たちの無策を覆い隠し、これから先も県や国に何とかしてもらおうということを盛り上げているからではないだろうか?

高ノ花さんは、北総公団線のバカ高い運賃と言われてますが、ここよりも高い運賃のところは全国を見ればいっぱいありますよ。でも何かしら地元で鉄道会社を支援したり、運賃の補助をしたり、地元の生活の足を守り、利用者の負担を少なくするための対策をとってるようです。
都市に近いところでは、兵庫県と神戸市が追加の出資(確か20億円ずつくらい)をして、その代わりに運賃を下げた事例もありますし。

私は運賃と成田延伸は別の問題だと思う。運賃を下げるには、住民が声高に地元自治体自身に対策を求めるのが重要だろう。

成田延伸は、千葉ニュータウン活性化や北総線累積債務問題とは次元の異なるところで必要だと思う。羽田が国際化されたって羽田のみでは処理できないだろうし。他に第三空港を造るにしたって何十年後になるか・・・。それにそんな便利なところには造れないだろうし。

Re:成田延伸は・・・

投稿者---高ノ花氏(2000/11/02 01:09)

高ノ花様は千葉NTにお住まいでしょうか。(551planningさん)

ハンドル名「高ノ花」は、印西市高花在住からとったものです。

【検証:近未来交通地図】<京葉地区編>のページは大変勉強になりました。恥ずかしながら、ここに書かれている北総開発鉄道の由来については知りませんでした。なるほど、千葉県の不透明というか屈折した動きが、千葉ニュータウンの鉄道事情にかなりの影を落としていそうですね。何だか、大昔に新国際空港に成田が名乗りをあげ、そこから混乱が始まった、その端緒といえば地元のさる実力代議士が強引な誘致をしたことに端を発するというドキュメントをどこかで読んだ記憶がありますが、ニュータウン鉄道の問題も、実力代議士はどうか知りませんが、何か相当紆余曲折があったことを想像させます。

「日本一運賃が高い」と言う事と成田空港アクセスは分けて考えた方が良いと思います。と言うのはこれがあったから千葉ニュータウンの都市計画で鉄道用地の確保があらかじめ行われてた部分があるからです。(brother-tさん)

551planningさんも指摘しておられた千葉ニュータウン鉄道の縁起由来に踏み込んでいくと、成田アクセス問題があったから、CNTの鉄道問題も前進した側面はたしかにあったのでしょう(これも、私はこれまで知りませんでしたが)。

また、SAKAYANさんの、北総開発鉄道の高運賃は成田延伸とは関係ないというご指摘もうかがいました。この点では、私はまだ完全には腑に落ちていない部分があります。

一つは、だとするならば、たとえば印西牧の原駅と印旛日医大駅の中間に造られた車庫、あれはいったい何なのか。単なる通勤電車の車庫として、あれほどの大工事と景観の改造が必要とされるのか。もっとも、あの工事は鉄道施設の保有者である公団が実施したもので、線路の運営者である北総鉄道の運賃には直ちには影響しないという話も聞きましたが。

もう一つは、brother-tさんから別のHPの談話室でご教示いただいたのですが、最近の鉄道プロジェクト(長野新幹線、常磐新線、各地の新交通システムを含む)のすさまじい高コスト構造です。現在以降こうした交通網の整備を実施しようと思ったら、どう計画をたてたとしても、膨大な設備費はさけられないのではないか。とすれば、千葉ニュータウン鉄道をはじめとする新しい鉄道の建設費負担は、運営主体である株式会社にだけ任せておける性格の話ではもはやなくなっているのではないか。

たとえば、昔ながらの私鉄だと、かなりの市街地でもいまだに踏切がありますが、北総・公団線をはじめ最近敷設された鉄道は、すべて立体交差となっており、これだけでも建設費は相当の差が発生するでしょうし、加えて土地などの補償問題もあるでしょう(北総線の場合はこれがどの程度影響しているのか知りませんが)。

あとbrother-tさんの指摘にあった、(成田延伸の効果として)「乗客が増える」「ダイヤが便利になる」「運賃値下げ(の可能性)」「空港関係者がけっこう住むようになる」といった効果ですが、もちろんそうした千葉ニュータウンのまちづくりに対する効果は一定程度あるとは思います。しかし、皆様の一連のお話を読ませていただいてなお感じるのは、S.Tさんが言われるように、印西市などのニュータウン構成自治体が、成田延伸というそれなりに魅力ある構想に対して「棚ぼた」的な期待を持ち続けることのデメリットの方が大きいのではないかと思います。

成田延伸の効果が千葉ニュータウンの住民や自治体にとって、プラスマイナスのどちらに転ぶかは、まだわからない部分もあるわけですが、どちらに転んだとしても、ニュータウンの住民、自治体等は、次のことをきちんと認識し、取り組むべきだと思います。

  • 成田延伸が実現しようがしまいが、あるいは効果がプラスに転ぼうが、マイナスに終わろうが、中心的な課題は千葉ニュータウン自体の魅力あるまちづくりであること。
  • 成田延伸の効果の一方でそれなりの負担が発生することも考えられるので、「効果」を享受するのであれば、負担も前向きに受け入れること。その場合、成田延伸効果を含めて、千葉ニュータウン鉄道の健全経営、リーズナブルな運賃の確保に、県とともに最優先で取り組むこと。

Re:成田延伸は・・・

投稿者---brother-t氏(2000/11/02 01:13)
http://blog.livedoor.jp/brothert/

私はまだ完全には腑に落ちていない部分があります。
一つは、だとするならば、たとえば印西牧の原駅と印旛日医大駅の中間に造られた車庫、あれはいったい何なのか。単なる通勤電車の車庫として、あれほどの大工事と景観の改造が必要とされるのか。

1つ言えるのは今後の乗客増加に供えて地価の安い、補助の出るうちに大きな車庫を作っておこうと考えたのはあると思います。実際98年までは年間5%くらいづつ乗客は増えていたわけでそれなりに理にはかなっているとは思います。ただNTの入居者の伸びが小さくなった現在にはとも思いますが、もしかしたら京成なり、東京都なりに貸出して収入を得ようとしてるのかもしれません、これは東急が鷺沼の車庫を営団に譲ってそのお金で長津田に大きな車庫を作ったという話もあるくらいなのであり得ない話ではないと思います。
ただ補助の出るうちに大きな工事を先行してやってしまおうというのは千葉NTだけでなく、多摩NTの京王・小田急でも見られた話なのですが、建設だけでなく改良に対してもしっかりとした補助が出来るように何らかの形で財源を得れるようにならないといけないなとおもいます。

現在以降こうした交通網の整備を実施しようと思ったら、どう計画をたてたとしても、膨大な設備費はさけられないのではないか。とすれば、千葉ニュータウン鉄道をはじめとする新しい鉄道の建設費負担は、運営主体である株式会社にだけ任せておける性格の話ではもはやなくなっているのではないか。

これは道路ではアクアライン、航空では関西空港の苦戦に通づる話ですね。年が立てば立つほどまず建設基準が厳しくなる部分があるのが1つの理由として上げられます。その上での対策が後手に回ってしまいあらら…となってしまうわけです。そんな中で最近は運輸省も運賃収入に依存した形の見なおしを示唆してるという話を聞きます(ここ1ヶ月以内の朝日新聞)。後建設を行う事業体と運営する事業体を分離する上下分離方式も北総の小室以降や長野新幹線等で試されてます。このようなやり方の拡充が必要だと思います。

Re:成田延伸は・・・

投稿者---高ノ花氏(2000/11/04 02:09)

brother-tさんへ。
いつもながら、当方の愚問に対して一つひとつ丁寧に、しかも非常に適切なお知恵をご提供くださり、ありがとうございます。北総・公団線の運賃問題に対する当方の認識も、おかげさまでかなり整理されてきた気がいたします。要は、北総開発鉄道とか都市基盤整備公団など個別の事業体なり組織を批判するだけでなく、全体の制度、仕組みを考えなければ本質的な問題の解決には到達しえないということだと理解します。
豪華車庫の問題も、なるほど補助金が絡んでいる可能性があるとは考えてもみませんでした。全体の仕組みが建設費に対して補助が出るということであれば、一事業体がその制度を利用して、ある程度の余裕をもたせた施設を造り、場合によってはそれを他の鉄道会社などに貸与して、新たな収入源とするというのも、一つの考え方かもしれませんね。
ただ、その場合のリスクとしては、首尾よく借り手などが見つからない場合、今度は施設の維持費がこの事業体にとって新たな負担となってくるおそれがあるということだと思います。何だか、原発立地の自治体が電源交付金でやたらとハコものを建てまくり、発電所の建設が終わり、交付金が出なくなると、その維持費に四苦八苦する話を思わせますが、全体の制度、仕組みがそうなっている以上、事業体の担当者・責任者がそういう選択をとるというのは、よくわかります。
より本質的な問題は、ご指摘の「建設基準が次第に厳しくなって、各地で新しく建設された道路や鉄道が経営的に厳しい状況に陥っている」という点かと思われます。となると最終的には、われわれ利用者がどの程度の規格のインフラを、どの程度の負担で望んでいるか、その線引き、コンセンサスづくりということになるのでしょうね。このコンセンサスの落としどころが、今のところ誰も見えていないということでしょうか。

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北総線と他の路線

投稿者---zonekku氏(2000/11/12 18:46)

北総線について、いつも他の鉄道と比べて疑問に思っていることがいくつかあります。私はあまり制度等に詳しくないので、私の疑問についてご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

  1. 北総線は何故京成電鉄が建設しなかったのでしょうか?京王が相模原線、小田急が多摩線、相鉄がいずみ野線などニュータウン路線を建設していますが。京成がやっていれば、また違う状況だったような気もするんですが?
  2. 東京都交通局の大江戸線の建設費は1兆円以上と聞いていますが、それを払うための運賃改定などは聞かれません。建設費はどのように払われるのでしょうか?
  3. 北総線には踏切がなく全て立体交差になっていますが、それを理由に建設費の補助などは行われているのでしょうか?既存の鉄道を立体化する時は85%程国と地方自治体等の費用の負担があるようですが?
  4. JRは国鉄時代の財産を引継いで現在営業していますが、そこから得た利益は国鉄時代の債務の返済に一部でも充てられるのでしょうか?それとも全てJRの利益になるのでしょうか?JRの利益になってるとすると、国民に債務のみ押し付けて、いいとこだけ利用して儲けてるよう思うんですけどどうなんでしょう?

このようなものなんですけど、ご存知の方お教え願います。

Re:北総線と他の路線

投稿者---551planning(2000/11/13 00:20)

zonekku様、御来場有難うございます。
当方も正確に答えられるわけではありませんが、一応返信をば。

北総線は何故京成電鉄が建設しなかったのでしょうか?

京成は昭和40年代後半以降、不動産投機等の失敗により多額の負債を抱えた苦しい経営を強いられていました。勿論現都市公団が中心となった千葉ニュータウン、市原ニュータウン開発であった事もありますが、鉄道公団からの建設支援も得られるなど第3セクター化の方が直接負担が減る等のメリットを採ったものと思われます。結果的にそれが後々尾をひいて…という事実があるのですが。

東京都交通局の大江戸線の建設費はどのように払われるのでしょうか?

大江戸線は第3セクターの東京都地下鉄建設(株)によって主に建設され、完成後東京都交通局が譲渡を受け、第3セクターに対して有償借り入れ分を20年分割で支払い、その後無償分を10年分割で支払う予定でした(鉄道ジャーナル98年10月号 鉄道・軌道整備に対する助成制度の概要 東京都地下鉄建設(株) /佐藤信之亜細亜大教授)。
しかし当初7000億弱と見積もっていた工事費が1兆円までに膨れ上がり、支払い負担の増大への対処が検討されているものと思われます。実際現状では運賃値上げは行なわれていませんので、今後の負担増が気になるところです。

北総線には踏切がなく全て立体交差になっていますが、それを理由に建設費の補助などは行われているのでしょうか?

詳細は分かりかねますが、鉄建公団NT線工事として行なわれていますので、種々の建設費補助は受けているものと思われます。

JRは国鉄時代の財産を引継いで現在営業していますが、そこから得た利益は国鉄時代の債務の返済に一部でも充てられるのでしょうか?

これはきっちり行なわれているはずです。本州3社では株式放出分も債務返済に充てられているものと思われます。

…後は識者の方々様にバトンタッチ!

Re:北総線と他の路線

矢切氏(2000/11/14 08:52)
http://www3.ocn.ne.jp/~skylark7/

北総線には踏切がなく全て立体交差になっていますが、それを理由に建設費の補助などは行われているのでしょうか?

新線建設では「踏切を設けてはならない」ことになっているはずですから、踏切がないことを理由には建設費の補助を受けていないと推測します。

有り難うございました。

投稿者---zonekku氏(2000/11/14 19:33)

551planning様、矢切様 私の質問にお答え下さり有難うございました。

お答えを見て私なりに感じたことは

  • 京成電鉄に自社で建設する余裕がなかったんですね。でもいまでも大変なようです。週刊ダイヤモンドを見たら危険な会社の70位台に入ってました。
  • 大江戸線は、将来運賃負担の増加の可能性があるようです。しかし有償借入金の額もすごいですが無償借入金が2000億円など北総線よりも恵まれている部分もあるよう感じました。
  • 建設費に対する補助があるようですが、例えば京成線のように地上に引いた路線を建設する場合に比べ、北総線の高架橋、遮音設備にかかる額を考えると補助の額が少なすぎるように感じます。「踏切を設けてはならない」という決まりがあるのならもっと新線建設に手厚い補助があったほうがいいと思いました。
  • 一応払われているのですね。でも雀の涙のような・・・28兆円と比べると。ほとんど国民負担ですか?JRのもつストックに比べ負担が少ないような気がします。それに比べると債務が増えても自社で克服しなければならない北総鉄道は大変ですね。

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