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  • どうなってるの?新線鉄道計画=京葉地区編=
  • 1)千葉県営鉄道
  • 2)北総開発鉄道
  • 3)芝山鉄道
  • 4)京成千原線
  • 京成グループ、今後の在り方
  • 5)東葉高速鉄道延長線
  • 6)第2東西線構想

トップページ企画一覧BBS(電子掲示板)>CTC過去ログ1998

(CTC過去ログNo.1998-101)

どうなってるの?新線鉄道計画=京葉地区編=

投稿者---551planning(1998/10/29 23:23)

この連作拙文は、当初別の掲示板にて連載させて頂いていたものを、内容を加筆修正して再度掲示致します。

本文は、以下のデータを元に、筆者独自の現地取材等を含めて作成しております。
「どうなる新線鉄道計画(東日本編)」   (川島令三著 産調出版刊 1993/09初版)
「鉄道・軌道整備に対する助成制度の概要」(佐藤信之著 「鉄道ジャーナル」内連載 鉄道ジャーナル社)

余談ではありますが、以前投稿させて頂いていた掲示板上にて「川島令三氏寄りな発言は不快だ」等のご叱責を受けましたが、当方としてはデータ、氏の思考は参考にさせて頂いているものの、その上で自身の地元住民としての視点、採算性や利便性を考えた上での作成を心がけているつもりであり、的外れな指摘にはお答えする義務もないと考えます。
ともあれ、下記のテーマ総てを見比べて頂いて、おかしい点がこうだ、と思われる方には率直にお答えさせて頂くつもりであります。

#なお、あえて比較して食い違うような提案をしている個所もありますが、そこに京葉地区の鉄道が置かれている問題点を見出して頂ければ、この企画は成功と考えております。

***
余談が長くなってしまいましたが、以下このような順に投稿する予定です。

 1)千葉県営鉄道(北千葉線) 7)営団半蔵門・有楽町線延伸
 2)北総開発鉄道延伸 8)東京臨海高速鉄道(臨海副都心線)
 3)芝山鉄道 9)新金線、小名木川・越中島貨物線旅客化
 4)京成千原線(旧千葉急行電鉄)   【京葉間流動大動脈の将来】
   【京成グループ、今後の在り方】 10)千葉都市モノレール
 5)東葉高速鉄道延長線 11)TDLモノレール・メトロセブン
 6)第2東西線構想   【つまるところ、新線計画の行方は…?】

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1) 千葉県営鉄道(北千葉線)

投稿者---551planning(1998/10/25 23:39)

<都営本八幡―新鎌ヶ谷…千葉NT方面> 都心バイパス線として活かすには?

千葉ニュータウン(以下NT)へのアクセス鉄道としては現在北総開発鉄道(京成高砂―印西牧の原)があるが、当初は1972(昭和47)年都市交通審議会答申を受け、都営新宿線を延伸した千葉県営鉄道(北千葉線)がメイン路線、京成高砂―小室間のみとしての北総開発鉄道がサブ路線として予定されていた。千葉NT開発進展に伴う形で、北初富―小室間が北総・小室以東が県によって先行着工され、当初は標準軌敷設による直通、本八幡延伸後は改軌で都営新宿線直通、北総線が改めて小室以東標準軌路線建設(実質複々線化)…となるはずだった。
しかし建設に関する千葉県の動きが不明確であったため、県議会でも問題化され、ついには小室以東免許を現住都公団へ譲渡、ここに「北総公団線」たる所以が生じることともなった。さらに昭和60年運輸政策審議会答申で本八幡―小室間建設も凍結された。ただ、県は同区間建設に関して留保していることから、将来的にどうなるか微妙なところとも言えそうだ。

やっと人がつき始めた千葉NTではあるものの、「日本一高い」と揶揄される北総公団線の運賃構造を生んだもうひとりの当事者として、そのままの建設は収益的ともども考えにくいといえるだろう。千葉県は小室の手前・新鎌ヶ谷まで建設し、北総・新京成・東武との北総地域鉄道大ジャンクションとしたい意向のようだ。しかし極論して、この地域に潜在的需要があるかといえば、難しいと言わざるを得ない。
川島氏の言う成田空港アクセス鉄道化にしても、当人の指摘する軌間の問題(標準軌と馬車軌間)がネックとなる。また、印旛松虫以東の建設自体が白紙な現状では、安易に造っても良いとは言えないだろう。そもそも、成田空港アクセス路線が分散化するのは利用者にメリットがあるようで、運営当事者側が複雑になり運賃構造が上がってしまうのが目に見えている。

ところで、東葉地区の鉄道輸送状況を見ると、JR総武線や京成本線の利便性が悪いためか営団東西線に旅客が集中しやすくなっている。「ガス抜き」効果が期待された京葉線は都心部アクセスが悪く、都営新宿線は本八幡という総武・京成接続ポイントとしてはいまいちという、ちぐはぐさを見せているのだが、ここはひとつ船橋方面延伸も考慮されても良いのではないだろうか。急曲線になるものの曲げてやって京成線地下を進み、西船橋付近まで延伸するのである。建設費を押さえるために京成線(国府台以東)も地下化するのも一考か。中心点をずらしてやった4線化であれば複線建設で済む(この場合新宿線直通線は通過運転)。西船橋には貨物駅跡地があり、ここを含めた再開発を絡めた一大ジャンクション創出が望ましい。東葉地区交通の最大の問題点は拠点がばらばらになっていることなのである。
効率と採算性を考えるならば、緊急に実施してもらいたいことがある。都営本八幡駅ホーム北端と京成八幡駅ホーム西端の連絡通路設置(直結化)である。現行京成百貨店を通るルートでは時間のロス感が強い。この2点が直結されれば現行の半分以下の時間での行き来が可能だ。また、地下コンコースの形状を考えると建設は難しくはないだろう(ひとつ言えるのは京成ホームの幅員が足りない点か)。新宿からの空港アクセスを唄うならば、実行性のある施策を積極的に進めてほしい。船橋で流れる通勤客も引っ張って来れること充分予想できる。新宿線の都心アクセスが貧弱とよくいわれるが、総武線とつかずはなれずの点も大きい。現行急行運転はメリットが少なく総じて不評のようだが、朝ラッシュの高速化では話が違ってくる。京成・都心部での営団との連携の強化次第では客はついてくるはずだ。

形はさておき、対北総ルートを目指すならば、潜在的需要が掘り返せる京葉間動脈として機能させるべきなのである。第2東西線構想の項で記すが、支線建設による利便性の強化すら考えられても良いような気がするのは私だけだろうか。ともあれ、現行北千葉線ルート建設のメリットは、ないと断言しよう。

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2) 北総開発鉄道延伸

投稿者---551planning(1998/10/25 23:42)

<印西牧の原―印旛松虫…成田空港方面> 空港アクセス路線の本命も…

現在千葉ニュータウン(以下NT)へのアクセス鉄道として機能している北総開発鉄道は、当初は1972(昭和47)年都市交通審議会答申を受け、京成高砂―小室間のみとして予定されていた。千葉NT開発進展に伴う形で、北初富―小室間が北総・小室以東は都営新宿線延長路線である千葉県営鉄道(北千葉線)先行区間として千葉県によって着工され、当初は標準軌敷設による直通、北千葉線本八幡延伸後は北総線が改めて小室以東路線建設(実質複々線化)…となるはずだった。しかし千葉県営鉄道の項で記す通り北千葉線建設は暗礁に乗り上げ、県建設区間免許は現住都公団が引き継ぐこととなった。
北初富―小室間は1979(昭和54)年に開業、連絡線を介して新京成松戸直通を開始した。84年に小室―千葉NT間が住都公団線として開業、3社直通となった。その後、国鉄民営化に伴う法制改正により、住都公団区間で公団側が第3種(施設保持)、北総が第2種鉄道事業者(運営体)となり、全区間北総による運営となった。本項テーマである延長区間免許区分も更新されている。91年に京成高砂―新鎌ヶ谷間が開業、新京成松戸直通を中止し、京成―都営―京急方面念願の都心直通運転を開始した。95年に千葉NT―印西牧の原間が開通、現在(仮称)印旛松虫間での延伸工事が行われている。

成田新幹線以来紆余曲折をたどっている空港アクセスではあるが、北総ルートであった成田新幹線先行工事区間(成田市土屋―成田空港直下)が成田高速鉄道としてJRのN'EXルートとして転用されている。本命ルートと言うべき印旛松虫以東建設の目処がつかないので如何ともしがたいが、将来的にこの延伸線が完成すれば、JRとの線路の共用も焦点となるところだ。現行京成・JRが単線分離共用をしているため線路容量が限られており、不評である。各方面から望まれている通り3線複線共用化を目指すべきだ。
さて、印旛松虫以東建設であるが、成田空港の需要も今後流動化が予想される。他線直通が容易なJRと違って都営・京急しか相手先を持たない北総(京成)としては、都心部の利便性もそれほど高くないことから、現状のルートに加えさらにもう1線増えることの意義を見出すのは難しい。しかしながら羽田空港直結、都心部から40分台またはそれ以上の短縮も夢ではないことから、建設費のペイは他の京葉地区新線に比べると比較的容易かもしれない。
ここでの難点が建設・運営事業者であるが、北総自体に体力は見出せず、京成にしてもこれまでの自社(船橋)ルートの価値が半減してしまうことでもあり、差し引き手を挙げそうな会社はなさそうなのである。しかし京成には一体経営によるスケールメリットで見極めてほしい。
そもそも、成田空港アクセス路線が分散化するのは利用者にメリットがあるようで、運営当事者側が複雑になり運賃構造が上がってしまうのが目に見えている。千葉急移管は「緊急避難的措置」だったとしても、中途半端な3セク子会社をいっぱい抱えるよりは、まず「千葉の交通を支える」という意志による大同団結、北総ルートは空港アクセス、船橋ルートは対千葉都市間アクセスの向上を目指すべきなのではないだろうか。

旅客流動は年々変わるものであり、その中で10年単位ともなる鉄道建設を考えることがいかに大変かは、素人的にもなんとなく分かる所ではある。しかし「成田」を選んだ政治的責任は、全うするのが筋というところではないか。ならばアクセスの重要性は容易に想像のつくところである。空港直下の新幹線用ホームが長い間眠っていたのでは、「国鉄」の存在があったからとはいえ、京成も空港アクセス確立のために多大な犠牲を払ってきたのである。考えてみると、「3セク」という存在が生まれてようやく誕生した各地のローカル線問題も重なる。京葉の、いや、日本の鉄道政策に「発想の転換」が求められているのは今も同じ、いや、より急務になってきているのではないか。
いろいろな意味で、この線の早期建設を、私は望みたい。そして「新生京成」の下、成羽直通スカイライナーが北総台地を駆け抜ける姿を見たいものである。

北総・公団線の茨城県延長

投稿者---打越健太郎氏(1998/10/28 19:30)

これに関してマイナーな情報を一つ・・・10月13日の「新いばらき新聞」に、北総・公団線の茨城県延長、という話が出ていました。
採算性を考えると、???ですし、JRも鹿島神宮まで続いているのに、本気とは思えない気もしますが、確かに茨城県南部には「陸の孤島」とも言うべき地域があり、そこを開発する、というのなら、決して荒唐無稽でもないでしょう。
或いは、標準規で線形がよいから、新幹線として作るつもりでしょうか。

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3) 芝山鉄道

投稿者---551planning(1998/10/25 23:46)

<京成東成田―整備場前…千代田方面> 要らない!既存地下区間はR295BP転用を!

成田空港建設による騒音対策の一環として、地元見返り策のひとつとして計画される。1981(昭和56)年に空港公団、関係自治体、国内航空3社、京成電鉄他出資の3セク会社が設立、88年に成田空港(現東成田)―整備場前間2.1キロに第1種鉄道事業免許取得、90年に工事認可。空港内地下線の一部は完成しているものの、予定線上の横風用滑走路部分に空港反対派未買収用地があり、全体の完成はいまだ未定。国の成田空港政策方針転換に伴う反対派との和解、土地移転が進み、98年1月に起工式が執り行われた。

芝山鉄道線自体は単線で、京成との相互乗り入れが予定されている。空港新線も単線で線路容量が低いため、存置されている東成田発着列車のスルー、もしくは京成成田―整備場前間区間列車の設定となろう。しかしこのままでは利用価値はほぼないと断じてもいいだろう。他の京葉地区3セクと違って特異な経緯を持つ路線ではあるが、京成はとことん貧乏籤を引いているのか…。
川島氏はそのまま東進、八日市場に達することで、鉄道空白地帯を埋め、九十九里観光対応を考えるべきとしている。地図を見ると国道296号沿いに進めば、内陸の中心・多古町市街を通ることもでき、一定の利用が望めそうだ。しかし出資者・芝山町としてはやはり役場方面への延伸を望むであろう。そうなると総武線接続は松尾・横芝となろうか。九十九里まで到達するなら松尾ルートで蓮沼村方面が比較的観光施設・設備等整っていよう。ただ、接続線が北総開発延伸ルートではなく、京成本線ルートである。氏は両線完成時は空港利用者と観光利用者の差別化ができるとするが、都心通勤圏としての売り出しは難しく、千葉東金道路等幹線道路整備が進んでいる現状を考えると、旨味があるとは言えないであろう。

いずれにせよ、またひとつ「政治路線」が建設されようとしている。都心との直結性の薄い普通鉄道建設がどれだけの採算性を持つのか、はなはだ疑問である。千葉急と違い具体的着工区間が短いとはいえ、その資金を周辺道路整備や空港新線強化(JRとの複々線化)へまわせないものだろうか。
千葉の鉄道政策は、直言すればひとえに「京成の体力」にかかっていたといえる。その意味で、「千葉急の悲劇」は避けねばならないし、今ならまだ間に合うのかもしれない…。

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4) 京成千原線(旧千葉急行電鉄)

投稿者---551planning(1998/10/25 23:51)

<ちはら台―辰巳台…海士有木> 活かすも殺すも京成次第

もともとは小湊鉄道が1957(昭和32)年、小湊沿線からの物資輸送を目的として計画、その後予定路線付近丘陵地の開発が進展したことで将来有望路線と見られることに。しかし小湊には荷が重く、実質親会社とも言うべき京成電鉄が音頭を取って73年に千葉急行電鉄が設立、75年に小湊から免許を取得した。さらに現住都公団による千葉・市原ニュータウン計画が決定し、77年認可を受けることになったことで対千葉・東京へのニュータウン新線として注目されることになる。77年には沿線自治体が、翌年に住都公団が相次いで出資し、京成電鉄24.8%、千葉市12.5%、住都公団8.4%、千葉県・小湊鉄道・各金融機関が8.3%、市原市が4.2%他という出資比率の第3セクター鉄道会社となっていた。
77年に鉄道建設公団P線工事(建設費は完成後25年払い、内利子分5%超が国からの補給となる制度)認可を受け、8月に工事が始まったものの、あてにするNTの建設も遅れ、入居が進まないことから千葉急(京成)は開業しても経営が成り立たないことを懸念し、完成間近にして一旦工事自体が凍結されていた時期もあった(外房線本千葉付近に寄りそう野ざらしの高架路盤をご記憶の方も多いのでは?)。沿線自治体側は鉄道が延びないからNTに人が付かないとして早期開業を希望し、母体機関の意見は一致しないところであった。千葉急の経営状態は不安定で、資金繰りのため88年には市原市内の京成・千葉急の鉄道予定地を含む所有地をも売却、沿線自治体側に無断で行われたとして問題化された。いまさらながら…ではあるが、第3セクターとはいえ、「京成分」の強い鉄道であったのが仇となったといえる。沿線自治体には、「金も出すが口も出す、おまけに動ける人材(役員クラスで無く現業にも関われるという意味で)も出す」というバックアップの姿勢をはっきりと見せてほしかったところである。
JR京葉線の開業でNTのもうひとつの玄関口・外房線鎌取付近が急速に発展、機が熟したとして92年4月に千葉中央―大森台間、95年4月に大森台―ちはら台間が開業、ただし利用者の低さを見越して単線暫定開業(2000年複線本開業計画)となった。しかしながら、当然というべきか否か、鉄道そのものの開業が遅れ、かつ予想通り利用者は伸びず、千葉急自体の経営もより悪化、ついには98年10月に自主廃業・京成への営業譲渡という事態に至ることとなってしまった。なお、出資各者の合意ではちはら台以遠の延伸(免許)も京成に…ということで一応盛り込まれている。

誰もが指摘するであろう最大の点は「誰がための鉄道であったのだろうか…」ということである。多摩NTで京王と小田急のどちらが利用が多いかを考えれば、現行のような輸送体系でどうなるかを予想するのは容易いことであろう。ご存知の通り京成本線でも船橋等でJRなどの他線に乗り換えてしまい、そのまま乗り通して都心に通う人は少ない。詳述しないが都心への直通性・速達性という点が京成の最大の弱点である(言いかえると、その意味で付近に代替路線の無い北総開発鉄道(千葉NT)はあんな高運賃でも利用される(せざるを得ない)のである)。
市原NTへの人口流入を踏まえた開業遅延は致し方なかったのだろうが、開業以降も続く「後ろ向きの営業姿勢」をみるにつけ、すべて言い訳のような気がしてならない。そもそも意図的とも言うべき「既存JR路線を避けた線路配置」もいただけない。どうせ対都心直通性を考慮しないのであれば鎌取を避けずに連絡すればまだ利用価値があったかもしれない(現状小湊バスのほうがまだ利用されているように見うけられる)。千葉寺も蘇我により近ければ…。
しかしながら、出来てしまったものは致し方ない。ただ、これからの首都圏新線は唯一常磐新線を除いて既存線路との連携を考えなければ成立し得ないと考えられる。というわけで、実現可能性は限りなく低いながら海士有木までの延伸・小湊鉄道への接続は望まれるところだ。川島氏の言う「小湊・いすみ改軌電化・直通で房総方面の活性化を」との主張も、小湊・いすみ沿線の潜在的観光施設発掘等の効果的施策があればあながち暴論とも言いきれまい。
いずれにせよ、現実に戻れば、結果言い出しっぺの京成に重い負担だけが残ることになった。ここは何としても、京成には「ピンチをチャンスに…」してもらわなければならない。「千葉急の遺産」を活かすには、千葉線とも一体化した営業強化が急務であろう。総武線と比べると貧弱な千葉線だが、線形は悪いとはいえない。現在軌道強化も行われている様子、まず朝夕時の優等直通列車の新設が望ましい。ただ、入線有効長の関係もあるため、幕張本郷のホーム延伸・ここで分割併合をすることによる「千葉急行」はどうだろうか。まず「線内急行」は千葉中央・ちはら台方4両とし、途中京成千葉・千葉中央以東各駅に停車、「線内普通」は上野・西馬込方4両で千葉中央まで各駅停車折返しをする。現行昼間時は千葉線10分・千葉急線20分間隔なので、昼間時もこの方法を取れば車両運用でも有効だろう。津田沼以西は実質1本増となるができないことは無いだろう。上野直通となろうが、北総線列車との運用交換による都営線方面直通も期待したいところ。先には羽田も待っている…。さらに千葉線活性化を考えるなら、新京成直通「松戸急行」の検討も望まれよう。

話は大きくなったが、活かすも殺すも京成次第。千原線運賃の据え置き(実質形の変わった値上げ?)は残念なところではあるが、その分サービス向上を是非とも図ってほしいところ。千葉線・千原線活性化は設備投資もかかろうが、見返りもそれなりに望まれると思うのは、私だけであろうか…。

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京成グループ、今後の在り方

投稿者---551planning(1998/10/25 23:54)

これまで、京成関連4路線を見てきたわけだが、まさしく今、京成電鉄にとって、今後の社の方向性が大きく左右される分岐点に来ていると、私は強く感じている。
京成グループは実に141社(1997年)。多彩な事業を展開しているようにも見うけられるが、うち交通事業者が75社と半分以上を占めている。千葉県域をくまなく…と言ってしまえば聞こえは良いが、千葉駅乗り入れ路線バス事業社を見ると5社にも上る。結構事業区域がバッテイングしていたりするのだ。タクシー事業に至るとその傾向はさらに強まろう。鉄道事業も、新京成は勿論、北総開発・東葉高速に資本参加、千葉都市モノレールにも出資している。
千葉急の項で見てきたように、バブル前に不動産でこけ、バブル期に自身では関連事業への出資といった無理をせず(出来ず…か?)、海外旅行人気に乗った「スカイライナー需要」でそれなりに元気になったかと思われた京成が、一方で進めていた「第3セクター出資での千葉県開発・覇権」という野望(?)が思わぬ形となって首を締めている構図は、もう見たく無いような気がする。ここは既存路線重視の本業回帰経営が最重要課題とせざるを得ない。

京成の大きな柱は、何と言っても空港輸送である。この11月からは都営・京急との、成羽空港連絡特急運行も始まる。今後も「空港輸送重視」の根本は変わらないであろう。
もうひとつの柱とすべきは、京葉間の都市間輸送の強化。千葉急を皆殺しにしたのはひとえに千葉線の強化、都心部直通性の向上を怠ったからに他ならない。今の通勤輸送状況を見れば、「ちょっと遅くても、運賃が高くても、ゆったり(座って)行けるほうが良い」と考えられるのは私だけだろうか。確かに都心部利便性が不利な点船橋で客が逃げていることも事実だが、グループ会社でもある東葉高速開通時に見せた「やる気」をもっともっと発揮してほしい。
その意味では、北総延伸ルートは建設の価値があろう。北総を丸呑みするつもりで、ここは京成本体に出てきてもらいたい。完成の暁には、千葉方面ルートと空港方面ルートが分離され、それぞれの強化も可能になる。面白いのは新京成の存在。北初富連絡線を復活すれば松戸―空港間列車が、千葉線と直通すれば松戸―千葉間直通列車が可能だ。常磐線沿線地域は何かと「千葉県らしからぬ」印象を持たれがちだが、県都と県有数の衛星都市の直結は新たな流動をも生む可能性がある。
京成は本体が日本有数の自動車事業者であり(民間事業者としてはバス保有台数日本5位)、グループ会社も多く抱える。ご多分に漏れず事業は苦しく、現在2社を分離子会社化しておりその方向性はさらに強まるという。ならばグループ会社をも巻き込んだ「地域再編成」を実施すべきだ。幕張新都心はドル箱でもあり「箱入り娘」的存在であるというのは分かる。しかし稲毛地区を中心に展開している千葉海浜交通を含めて再編してみるのはどうか。この地域の総武線以北が東洋バス・平和交通等に食われており、グループ会社の強化と本体の経費削減に役立つのではなかろうか。これは浦安・行徳地区での東京ベイシティ交通との関係でも言えることだ。

京成は大手私鉄でありながら、その困難な道を見てきたものからすれば何かと「貧弱」というレッテルを貼られがちである。確かにこの時代、先が見えないだけに不安はあろうが、是非とも「決断」を下して欲しいものである。

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5) 東葉高速鉄道延長線

投稿者---551planning(1998/10/29 23:23)

<東葉勝田台―総武線(四街道)方面> 会社存続をかけた大博打!四街道か、物井か…。

東葉高速鉄道は、営団東西線西船橋から勝田台間の延長線をとの都市交通審議会答申を受けて、1974(昭和49)年まず営団が免許申請を行った。しかし営団のテリトリーを大きく外れているため、運輸省の対応は二転三転する。まず沿線自治体にインフラ補助の地方分担を求めたが難色を示され、また当時経営悪化に見舞われた京成の本線バイパス機能化を画策したもののさらに沿線自治体の反発を招くことに。いったんは宙に浮く形となったが、結局81年9月に鉄道会社と沿線自治体が1:1の出資比率で(営団と京成で 25%、東武と新京成で10%、千葉県と船橋・八千代市で35%)第3セクター東葉高速鉄道が設立され、82年免許取得、84年着工された。しかし一部土地買収が困難を極め、また北習志野駅トンネル工事(凝固材注入の)手抜き事件もあって、公表されてきた開業時期が再三再四にわたって延期されてきた経過は皆様の知るところである。
ともあれ、96年4月にようやく開業にこぎつけたものの、着工から実に12年近い歳月は資金繰りにも響いており、かなり割高な運賃設定となってはねかえっている。そのため当初かなりの危機感を抱いた京成からの利用転移者も、「劇的」とまではなっていないようである。

改めて地図を見ると、意外な感じの鉄道空白地帯だったのだなぁ…と言う感を抱かざるを得ない。R296(成田街道)が至近を走り、団地も点在している点かつてからそれなりに栄えていたろうという気がするが、結構目立つ田畑を見るにつけ、自身が現在住み暮らしている東西線東陽町以東地域のように瞬く間に開発されてしまうのでは…と言う畏怖の念?を持ってしまう。そして関係自治体他が提唱している勝田台から南東地域へ目を転ずれば、ここも意外な鉄道空白地帯…。
で、実際何処に引かれるべきかを考えると、ゴールは2つ、四街道・物井が候補に上がるところだろう。求心力としては四街道が強い気がするが、対千葉商圏でもあり、ラッシュ時利用しか望めない点素直に頷けない気もする。といって物井はこれからの発展性大とはいえ、東関道が近く、自動車が大きなライバルとなりそうか?どちらにせよ、総武本線通勤者の移転がどれだけ見こめるかが勝負どころであり、いくら着席性を唄ったところで現状の高(超?というハナシも)運賃体質では、勝田台での見こみ違いの二の舞となりそうだ。
私感を述べれば、せっかくの狭軌を活かさない手はない、ということで、まっすぐ東に佐倉への延伸が望ましいと思われる。まさに京成のエリアとバッティングしてしまうが、北総線延長ルートの目処が立たない今、新N'EXルートとして空港アクセスを担えば良いと思われる。伊勢鉄道のように、JRからはN'EXのみの直通とし(運転士もJR職員が担当)、線内利用は従来の東西線直通列車が担うことにすれば、東葉高速にとって負担とはならないどころか、大きな副収入となる。
また、八千代緑ヶ丘からの車庫線を有効活用というか、ここから北東方向への路線展開も面白いだろう。千葉NTを横切り、木下・小林方面への延伸によって、北総地域の大きな変革をもたらす交通機関となろう。そしてその先には…竜ヶ崎・土浦が控えている。おっと、妄想が…閑話休題。

ともあれ、京葉地区新線計画・構想の中では北総線延長ルートについで有望、かつ唯一の採算性保持路線という気がする。四街道延伸が妥当な線だが、まずはじっくりと現路線で腰を据えるか(改善すべき点も一杯あるし)、会社の存亡を賭けて延伸を決意するか(といっても母体機関が納得はしないだろうが…)。しかしながら現状の高運賃では、あてこんでいた他線からの流入客もさほど伸びていないことから、会社そのものの基盤強化が求められること当然である。また、東葉にとって生命線である都心アプローチ路線の営団東西線の逼迫も注目すべきだ。第2東西線構想の項でも触れるが、複々線化に伴うアプローチ路線の変更も考慮しておかなくてはならないだろう。 まあ、傍観者から見れば、非常に興味深い路線である。

こてはし台方面が

投稿者---ひろくん氏(1998/11/02 14:48)

千葉市のこてはし台とか今開発している団地(みはるの(?))とかを通過した方が採算が取れそうですが・・・。
佐倉市の案だと京成とぶつかるし、四街道市の案だと採算取れないでしょう。
四街道まで伸ばして佐倉・八街方面に乗り入れした方が事業としては成り立つ気がする。ただ四街道駅の大改造と総武本線の複線化が必須なので難しいかな?

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6) 第2東西線構想

投稿者---551planning(1998/11/01 02:05)

<経由地未定> 意味の無い路線は要らない

営団地下鉄東西線は1969(昭和45)年3月に東陽町―西船橋間地上部完成を持って全線が開通、以後総武線のバイパス路線として機能することとなる。当初前記地上部分は浦安町(81年市制)などの集落があったものの、半沼沢地・埋立地で利用も少ないとして地下鉄では初の東陽町―西船橋間ノンストップの快速(A快速)が設定され、総武線利用客にアピールした。しかし営団、そして沿線住民にとってうれしい誤算が生じる。沿線が大手町に十数分ということで注目され、かつ沿岸開発に伴う漁業権放棄等で地元民にはちょっとした小金持ち(乱文失礼!)が多くいたことから「需要と供給」のバランスが見事に合い、瞬く間に宅地開発されていったのである。
沿線利用客への配慮として、快速も75年に日中・休日浦安停車(B快速)となり、86年には朝ラッシュ時B線(中野行き)浦安以西各停の快速(C快速)が新たに設定され、その後基本が終日浦安停車の快速とC快速を名称変更した通勤快速の2タイプに修正され、ノンストップ快速は消滅している。駅も西葛西・南行徳の2駅が新設、現在行徳―原木中山間に妙典(仮称)が建設中である。特に西葛西の利用率の伸びは驚異的でもあり、後から造られたのもかかわらず再拡張工事が必要なほどとなっている(99年完成予定)。
1990(平成2)年に南部並行路線たるJR京葉線が全線開通、西船橋からの乗客流入が減少するであろうと予測されていたが、京葉線自体が東京駅の位置等意外と不便であることに加え、沿線人口と利用者はそれ以上の伸びを見せたため、さらに混雑が悪化、91年から扉開口部を50センチ広げたワイドドア車が投入されたがもはや焼石に水とも言え、効果もそれほどではなかったためか5編成で製造終了、ダイヤも共通運用化され、単に座席の少ない編成として概ね不評である。このように根本的改善策が見えないまま、東西線延長路線でもある東葉高速鉄道が96年に開業、利用者の受け口がさらに広がることとなった。
“営団では現状を打開すべく、第2東西線構想を検討中”…と、川島氏はしている。しかし沿線ではそのような話は聞かれていない。氏も記しているが、現在営団は半蔵門線及び南北線延伸工事にかかりきりとなっており、両工事が最終段階になれば具体化する話とも言えよう。

朝時の状況は、東陽町で下車があるもののもっぱら門前仲町までが乗車、茅場町以西が下車という形になっている。ただし茅場町では日比谷線からの流入があるため乗降に手間取り、ここがボトルネックとなって玉突き的遅延が発生することとなっている。さらに並行路線が離れている葛西・浦安地区ではまさしく生命線とも言え、ひとたび総武線等で遅延が生じるともろに余波を食らってしまうことしばしばである。
よって、東西線の改善策としては、茅場町駅のホーム新設が手っ取り早く効果的でもある。営団でいうところのホーム新設は銀座線日本橋や新橋のようなホーム完全分離方式であるのだが、ここで希望したいのが都営新宿線岩本町や大島のような2面3線という形。B線は茅場町進入直前で左カーブしているが、ここの直前からもう1本南側に分岐して1面1線を新設、新3番線と現3番線で交互発着を行い、かつ現3番線進入列車は両ドア開扉を行うことでスムーズな乗降を図ることで「人はけ」を良くしてやるのである。できるならここから大手町まで3線化が望ましいだろう。

一方氏が予想するところの第2東西線構想のうち、まず有楽町線延伸は願い下げである。氏が断じている通り都心部へ遠回りになるので現実的とは言いがたい。新木場駅はTWRと同一レベルにあり、かつその先の営団新木場車庫取りつけ線とTWR・京葉線連絡線もしばし並行している。この部分で連絡線を作ることは難工事とは言えないだろう。ということで、東京駅の位置が不便で他に八丁堀しか都心部アプローチを持たない京葉線との直通は容易にでき得るところであり、早期相直実現を望みたい。豊洲―住吉(―押上)間有楽町分岐計画線と東西線深川車庫線リンクを氏は押しているが、これも各線流用で工事費削減のように見えて実はそうないといっていい。まず持ってこの分岐線は必要ないと断じていい。江東区南北交通を考えるなら、小名木川・越中貨物線の旅客化(別項)のほうが現実的だ。
現実的、というキーワードで押したいのが半蔵門線清澄から江戸川区方面への延伸だ。清洲橋通りをそのまま東進、葛西橋通りから浦安方面への延伸である。半蔵門線は押上延伸・東武直通が決定してしまったが、こちらのほうがより現実的・収益性大であり、残念といわざるを得ない。実現していれば以遠東西線の複々線化として新線は急行線として機能させるのは氏も主張するところである。大手町・九段下の2駅で東西線とも絡む上、渋谷直通性もポイント高い。
バイパス路線としてもう1線・都営新宿線があるが偏軌ということで直通性を持っていないところが惜しい。何故総武線接続駅が本八幡だったのか…快速停車駅である市川ならば「東西線的効果」がまだ期待できたかもしれない。無理は承知で東西線バイパス化を考えるなら、現路線の終点本八幡から京成と共同で地下新線を西船橋旧貨物操車場跡地付近まで建設するか(千葉県営鉄道(北千葉線)の項を参照)、急行線という位置付けで一之江からまっすぐ東進し行徳付近で合流・西船橋まで複々線となるべきか。この場合浦安を切ることになるが、東葉高速改軌をすれば急行線利用者も付くし、現東西線は総武緩行のバイパス路線たる役割を十二分に発揮できることにもなる。南北線と三田線が仲良く走ろうという時代、あながち無謀な夢ともいい切れまい。しかしこうすると東葉沿線の成長にもかかわる問題ともいえる。こと都営新宿線に関して言えば、都心部の利便性も、なぜか高いとは言えない、と一般的にされている。千葉地区の需要を引き受ける準備ができるなら、十分効果を発揮しそうな潜在的路線をほうっておく手はないと、私は考える。まあ、言えることはひとつ、軌間の問題はなかなかに難しい。

論を整理しよう。現実問題逼迫しているのは西船橋からの流入者があまりにも多いためであり、直通性が改善されれば複々線は必ずしも必要とは言えない。そもそも、京成と特にJRがしっかりしていないから比較的便利であろう東西線に客が流れてくるのである。というわけで、現実性の高い茅場町(―大手町)改良が望ましいと思われる。ただ、総武緩行のバイパス線として生きるのか、東葉とともに京葉地区の1本の大動脈として根付くのか、そろそろ結論を出すときかもしれない。その意味では、お金があるのなら半蔵門線、あるいは裏技の都営新宿線流用も必要になってくる。京葉間にもう1路線あっても無駄ではないだろう。逆に有楽町線分岐線は現実的にもかつ今後も必要性は低い路線である。そんな路線を廻してきてお茶を濁してほしくないと、切に願う。


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