【検証:】中量板過去ログ集 |
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【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…> (過去ログNo.364) 下記内容は予告なしに変更することがありますので、予め御了承下さい。 当サイトの全文、または一部の無断転載および再配布を禁じます。 |
【モノ・AGT・GWB・LRT…】システムの優劣と経営を同一評価してはならない 投稿者---とも氏(2003/08/12 13:45:59) http://town-m.vop.jp |
【モノ・AGT・GWB・LRT…】システムの優劣と経営を同一評価してはならない └Re:システムの優劣と経営を同一評価してはならない └Re:システムの優劣と経営を同一評価してはならない └Re:システムの優劣と経営を同一評価してはならない └≪管理者投稿≫ちょっと発散気味ですが… └Re:ちょっと発散気味ですが… └都市交通システムの総論での比較評価に意味はない └Re:都市交通システムの総論での比較評価に意味はない |
ともです。
(モノレール論について)ずっとRomをしておりましたが、どうも腑に落ちない点がいくつか。1) 経営面とシステム論は切り離さなければおかしい
モノレールだけではなくAGTやGWBにも言えることなのですが、どうもこれらの新交通システムの経営状況の善し悪しをそのままシステムの優劣に置き換える論調がどの板でも目立ちますが、よく考えれば非常に妙な話です。
モノレールにしてもAGTにしてもそのシステムの妥当性を検証する中で、経営状況に問題があるからそのシステムがダメというのはいささか論として飛躍しすぎではないでしょうか。各論として、たとえば千葉モノレールを云々というのであれば別ですが、モノレール総論としてのそういった議論はややあさっての方向に議論が向いているとしか思えません。というのもモノレールではなくHRTであったら採算が取れると本当に言えるのかという点を含め建設費の差(なにも補助云々だけではなく)や線形の適応性などトータルの議論として各論でやるのが本筋であって、総論であるのならば、モノレールは採算が取れないという意見にはどうやっても結びつかないというのが正論でありましょう。
2) モノレールの特性
モノレールにはいくつかの特性があります。
<メリット> | <デメリット> |
・路線自由度が高い(曲線線形、勾配など) ・用地買収面積が少ない (軌道が細いので橋脚もスレンダー。道路上などの活用も可能) ・景観に与えるインパクトが小さい (小田急向ヶ丘は高さが低すぎる。北九州や大阪を見るとさほど影響は無い) ・輸送力の柔軟性が高い (LRTクラスから準HRTクラスまで対応可能) |
・分岐器や駅設備に費用がかかる ・高架軌道なので駅アクセスに難がある ・スピードが出せない (最高速度 ゆいレール:65km/h、多摩モノレール:60km/h) ・既存軌道線との直通運転ができない |
といったところでしょうか。
メリットは主に建設面ですが、どれも建設費圧縮に非常に効果のあるものです。一方、デメリットはシステム上の欠点が中心です。こうやって考えていくと、モノレールが向いている地域というのも見いだせてきましょう。
多摩モノの場合、地形的に相当なアップダウンを強いられます。特に多摩NT北側のアプローチ線形は普通鉄道では到底無理なものです。また、道路上空利用が不可避となりましょう。多摩地区は道路網が極めて脆弱であり、一体的に整備がされましたからよかったものの、もし純粋にHRTだけ整備であればおそらく多摩地区の道路網は壊滅的な状況であったといえましょう。
また、他線との直通運転は考慮する必要性を見いだせません。機能的に見て、武蔵野線との競合はなく、これまでバスに頼らざるを得なかった区間を結んだにすぎません。
速度面では駅間の長い区間ではややダレ感はあるものの加減速性能が高いだけに60km/h均衡でもさほど気にならないかと感じます。
そう考えると、一つの選択肢として及第点は与えられて当然と考えますし、HRTではむしろ線形や駅位置などの問題が相当あったであろうと推察できます。
さらにいえばその分、HRTであれば建設費がかさむことは容易に想像でき、仮にHRTならば利用者が増えるとしても結果。経営状態としての差が明確に出るかと言えばおそらく出ないでしょう。これはゆいレールでも同じですし、ゆりかもめでも同じです。つまり、AGTなりモノレールなりという特性を活かしての軌道敷設を行った結果が今のルート、駅位置、輸送形態であり、HRTであればより良いものができたのかといえば否定的にならざるを得ません。
3) AGT(準ずるものを含む)・モノレールがこれまで導入された都市を考えてみると・・・
特性別に見るとこんな分類が出来ます。
モノレール | AGT | |||||
丘陵地帯 |
|
|
||||
渡海・渡河など長大橋 |
|
|||||
導入空間の問題 | 東京モノレール ※運河上に敷設 ゆいレール(那覇) 湘南モノレール 千葉モノレール |
ニューシャトル(大宮) ※新幹線高架橋に併設 金沢シーサイドライン(横浜) ※国道併設(道路区域内建設) 舎人新線(建設中) |
||||
その他 | 上野動物園(東京) |
これを見ても解るとおり、よく考えると軌道系であればAGTやモノレールが必然的に選択肢になりうるところが多いのです。
しかしこれらとてLRTやHRTであったならば利用者が増える・・・というものでもないわけで、そういった部分の特性をも考える必要がありましょう。4) モノレールは残るのか残らないのか
残るのは間違いないでしょう。また、新規の建設も可能性を否定することはできません。LRTなどの安価なシステムの進展により確かに建設の必要性は薄れているかも知れません。しかし、LRTに比べても地形適応性の高さなどでは比較優位ですし、空間制約の強い地域ではまだまだ可能性のある、一つの選択肢として今後も残っていくのは間違いありません。
安価に建設可能でしかも適応力もある。別にシステムに欠陥がある乗り物ではないのですから。5)モノレールの経営上の問題点
これは難しいところですが、都市鉄道・交通全般に言える点と共通項でしょう。モノレールではないから・・・という世界でもないですし。
ただ、行政からのインフラ補助で建設されているものであるためか、やや安直な計画が目立つのも事実です。
また、沖縄で開業前に見られたような話しが全国どこでもありうるわけで、これが経営面に暗い影を落としているのは確かです。
しかし、そんななかで今回のゆいレールの乗り継ぎやパークアンドライドシステムには注目したいところです。ということでまとまりませんが。
ではではRe:システムの優劣と経営を同一評価してはならない
投稿者---もちもち氏(2003/08/13 13:24:27)初めての書き込みです。宜しくお願いします。
よく、モノレール(や高架軌道)のデメリットに上記のように(平面軌道に比べ)アクセスに難があるという意見があります。
しかし、通勤で使っていた北九州モノレールを比較すると、1) JR熊本駅を降りて軌道に乗る(平行距離がある)。
2) JR広島駅を降りて軌道に乗る(平行距離がある)。
3) JR長崎駅を降りて軌道に乗る(UpDownがある)。
4) JR小倉駅を降りてモノレールに乗る。改札至近エスカレータEVありでは健常者もハンデキャップの方も4)がもっとも優れてると感じます。
利用したことはありませんが軌道では便利といわれる豊橋と比較しても4)は同等だと思います。また、途中駅の例でも、健常者的には電車がくるのが見えた。しかし目の前の信号は赤。身動きが取れず乗れない(場合がある)軌道。エスカレータを駆け上がれば間に合うモノレール。
ハンデキャップの方も、大通りを歩道から中央まで渡らなければならなく狭いホームで待つ怖さ味わう軌道。歩道から直接エスカレータEVで安全にホームへいけるモノレール。また中量機関同士の比較の場合で、モノレールのスピードが出せないとは理解できません(既存軌道との直通という言葉から中量限定比較ですよね)。
上記2つはモノレールのデメリットなのでしょうか?
外国には・・・とか、設計上・・・とかは関係ありませんよね。今私たちが利用できるもので比較しなければ。平面軌道はこんなことも出来る(筈)ならば高架軌道もこんなことも出来る(筈)で比較したいです。昨年まで北九州モノで通勤し、現在は千葉モノを日常に使い、こんな便利な乗り物が日本中にあったら、と思う身としてはなんで皆モノレールに否定的なのだろうと思う。建設費が問題ならばそれだけを焦点にすればよいと思う。
余談です。
以前家族で熊本旅行の際、家族に最新型の軌道に乗せてびっくりさせようと思い、熊本市電の新型車に乗りました。
先日当時の話をしたときに、熊本市電の話を出したら、「ああ、あの両替も出来ない不便なやつ?」といわれ、超低床に感動したとかの返事を期待した私はガッカリしました。データだ統計だといっても市民感覚とはこういうことが重要なのではないでしょうか。
モノレールは良くも悪くも電車から派生したシステムを多用しているので、ホーム・自動改札・券売機・駅トイレ(←重要)・車内・椅子配置・ドアなど、JR鉄道になれた市民が利用しやすい親しみやすい設計・雰囲気だというのは隠れたメリットだと考えます。激しい反論がくるのは覚悟してますが、お手柔らかにお願いします。
Re:システムの優劣と経営を同一評価してはならない
投稿者---とも氏(2003/08/13 14:06:50) http://town-m.vop.jpもちもち様、よろしくお願い致します。
誤解があるといけませんので事前に。良く読んで頂くと解るとおり、私はモノレールは否定派ではなく、むしろ肯定派です。その辺はまずご承知置きを。
で、反論を。
北九州モノの小倉駅はかなりレアケースといえます。
一般的には千葉(千葉モノ)や新橋(ゆりかもめ)、三宮(ポートライナー)のような形が一般的で、小倉のような乗換利便性をとことん追求したものは珍しいです。事実、他にAGTやモノレールでの利便性の高い乗換駅は浜松町(東京モノレール)、西武遊園地(西武山口線)、コスモスクエア(OTS)ぐらいでしょう。大阪モノレールの蛍池、千葉モノレールの都賀も便利は便利ですがあの程度ならいくらでもありますし。そもそも路面電車でも乗換が便利というケースはなかなか無く、利便性が非常に高いのは都電荒川線大塚駅前、豊橋鉄道豊橋駅前、伊予鉄松山市駅くらいでしょうか。
そう言う意味では都市交通としては小倉を手本にすべきなのであって、それはモノレールでも軌道でも変わりません。
LRTにしてもドイツやフランス、香港、マレーシアには似たような形でLRTに乗降できるものもありますから、それがそのままモノレールのメリットにはならないと考えます。
むしろ、このような策をどのモードであっても講じていく必要があるということでしょう。また、途中駅の例でも、健常者的には電車がくるのが見えた。しかし目の前の信号は赤。身動きが取れず乗れない(場合がある)軌道。エスカレータを駆け上がれば間に合うモノレール。
ハンデキャップの方も、大通りを歩道から中央まで渡らなければならなく狭いホームで待つ怖さ味わう軌道。歩道から直接エスカレータEVで安全にホームへいけるモノレール。この辺も同様です。モノレールでもゆいレールのように完全にエレベーターなどが設けられていれば利便性が高いですがそうとも限らないですし、軌道でもモール化されていれば乗れるわけですから条件に差は無く、むしろ双方ともに乗降しやすいような策を講じるべきということではないでしょうか。
また中量機関同士の比較の場合で、モノレールのスピードが出せないとは理解できません(既存軌道との直通という言葉から中量限定比較ですよね)。
中量規模限定であっても、スピードに関する批判は少なからずあります。
モノレールの場合、おおむね70km/h以下で走行する(現実的にそれ以上出せてもさしたる意味がない)のが安定性や乗り心地を含めて考えれば現実的なところですが、いわゆるLRTならばそれこそ諸外国をみるまでもなく高速性は高いです。併用軌道でなければ良いのですから。
そう考えると、限界があるというのがシステム上のデメリットになります。
今のモノレール各線の形態であれば出てこないデメリットですが、速達性が要求される都市間輸送までは担えないということです。昨年まで北九州モノで通勤し、現在は千葉モノを日常に使い、こんな便利な乗り物が日本中にあったら、と思う身としてはなんで皆モノレールに否定的なのだろうと思う。
建設費が問題ならばそれだけを焦点にすればよいと思う。なぜ否定的なのかは私にもやや理解できない点です。
といいますか、LRTにしろモノレールにしろ万能の乗り物ではありませんから当然向き不向きがあるわけです。モノレールにはモノレールの得意な領域が、LRTにはLRTが得意な領域があります。
それだけのことなんですが、どうも同列比較をしてしまう方が多い。それをもって「モノレールはもう古い」とか「使いにくいシステム」というレッテルを貼る人が少なからずいらっしゃいます。
また、逆もしかりです。モノレールが向かない地域もあります。たとえば京都の街中にモノレールはいくら何でも論外でしょう。
また、比較的道路網が整備され、域内道路の思い切った抑制策が出来るのであればLRTでも良いのですし。
この辺はケースバイケース、様々なパターンが考えられましょう。建設費に関しては用地買収費や補償費も含めればLRTとの差は小さくなります。効果や他への影響を考えた場合、モノレールが比較優位であるのも当然あり得るケースです。
また、建設費で比較するだけというのは違うと考えます。
建設費が高いか安いかで比較してもそれはコスト論でしかなく、その都市にその交通機関が向いているかどうかと言う議論にはまったくなりません。その都市内の社会環境(産業、人口動態、他の交通網、都心の商業形態、人流動、景観、環境影響など)からしてモノレールのような立体型が良いのか、路面電車などの平面型が良いのかは異なります。一般的にモノレールとLRTでは機能のラップは少ないといえます。その辺も考えなくてはならない点です。AGTもそうですが、本来向いている路線に入れていないものまで一緒くたに評価をして、「システムとして劣る」というのは非常にナンセンスな論議であると考えます。
また、モノレールはすばらしいんだ、LRTはすばらしいんだと言い切るのもまたナンセンスでしょう。本当に都市交通として何が求められ、何が必要なのか。どういう都市形態にどういうものが向いているのか。そういった論点での議論をここでしているのではないでしょうか?
厳しめの批判ですがご容赦を。ではでは
Re:システムの優劣と経営を同一評価してはならない
投稿者---もちもち氏(2003/08/14 00:35:32)とも様、ありがとうございます。
早速お詫びです。誤解があるといけませんので事前に。良く読んで頂くと解るとおり、私はモノレールは否定派ではなく、むしろ肯定派です。その辺はまずご承知置きを。
どの意見がどの方のものか把握できてませんでした。
大変失礼いたしました。北九州モノの小倉駅はかなりレアケースといえます。
これは必ず指摘されると思いました。
しかし、レアケースなんでしょうか?
理想的なJR・中量乗り継ぎ箇所がモノレールだったことは偶然でしょうか?
もし平和通で止まっていた中量がLRTだったら、GWBだったら、AGTだったら、技術的には可能でも、果たしてこうなったでしょうか?
技術的に可能というのが一番ラクで、商店街との調整、市民感情、バス会社との調整、支柱設計、JRとの調整において、それがモノレールだったから可能だったと思っています。中量規模限定であっても、スピードに関する批判は少なからずあります。
モノレールの場合、おおむね70km/h以下で走行する(現実的にそれ以上出せてもさしたる意味がない)のが安定性や乗り心地を含めて考えれば現実的なところですが、いわゆるLRTならばそれこそ諸外国をみるまでもなく高速性は高いです。併用軌道でなければ良いのですから。では現在国内で最も早いモノレールは?もっとも早い軌道は?もっとも早いAGTは?もっとも早いGWBは?
どれも大差ないのではないでしょうか?
今後の可能性ではすぐにでもGWBが高速道の一般車のように100km/hで走れそうです。
その他3者は現状予測では70km/h頭打ちだと思います。
とも様がおっしゃるとおり、モノレールの他AGTなども70・・・せいぜい75。それ以上だと乗り心地が問題になる。
ではLRTはというとやはり70km/hじゃないかと。技術的には90km/h可能なのは十分存じております。実例も。
また技術だけならモノレールもAGTも可能では?日本のLRT70km/h限界説
- 道路上での鉄車輪制動距離
- そもそも0→90→0が可能な直線、無信号区間の存在は?
- 専用軌道なら可能?→土地購入費の問題→いつになったらできるの?
(日本では(当分)無理ですよ。車線削減は。)- 専用軌道だろうとも90km/hの踏切は危険だ→新設ならば新設鉄道と同様、完全立体交差設計を求められませんか?(例外で通せるか?市民に対しても他鉄道会社にも)
また安全設備保安設備も高度なものが要求されるでしょう。
そこまでコスト上昇なら鉄道を作ったほうが良いと思う。そのような設計・費用ではLRTである理由が無いということ。今日現在、可能な技術であろうとも、外国に実例があろうとも、あまり意味が無い比較です。
「大阪の新快速は技術的に可能で存在し好評だ。東京にも導入すればすべての問題は解決する。」
これは多種多様な背景から誤りであるのは明白です。
日本における多種多様で一番厄介なのが対ドライバー。3者は彼らを説得する(=市民権を得る)必要が無い分建設が早い。
LRTはこの多種多様な背景が無視され「できる」論が多いのが不思議です。
という訳でむしろ技術革新から行けば20年後に90km/h運転してるのはLRTを除く3者のほうが濃厚ではないでしょうか?
技術問題がクリアになれば即達成可能で外的阻害要因が少ないからです。多くの部分で共感してるのですが、遅さがモノレールのデメリットと言われると「早くて便利」と感じている分、非常に違和感が有るのです(まあ、比較対象はバスなんですがね(笑))。
≪管理者投稿≫ちょっと発散気味ですが…
投稿者---551planning@おさぼり管理人(2003/08/14 06:54:55)本議論の仮予約も兼ねます。取り急ぎ管理者初見にて。
なんだか挑発的な表現が含まれていることを懸念します。仰りたい事は理解しますが、例えば「LRT」=地平という感覚に捉われているのでは?LRTといっても高架化や地下化によるショートカットであったり、それこそ既存鉄軌道へ直通した場合には高速度性能の可能性は否定できません。また、地平区間の場合の乗降性からのトータルの移動時間の短縮もありえましょう。
一方でモノレールは、東京モノレールのように重心が低いと速く走れるという面もありますし、多摩モノを挙げて恐縮ですが、急曲線への対応が容易ゆえに逆に高速線形にならなかった、逆に拠点駅ではそのような配慮がなされなかったことが総体的に「遅い」イメージを持たせていると思います。
小倉は素晴らしいですし、一方で高知のような例はほとんどない(豊橋もペデで繋がってはいるが…)ことから、モノレールも路面電車(LRT)もやりよう次第という事がいえると思います。***
後程再投稿致します。中途半端な指摘御容赦の程。Re:ちょっと発散気味ですが…
投稿者---もちもち氏(2003/08/14 11:29:46)若干ヒートアップし、乱文、攻撃的になってしまったことは恥ずかしい限りです。
管理人様、とも様、申し訳ありません。
もういちど頭を整理してから発言します。都市交通システムの総論での比較評価に意味はない
投稿者---とも氏(2003/08/14 11:29:01) http://town-m.vop.jpともです。
理想的なJR・中量乗り継ぎ箇所がモノレールだったことは偶然でしょうか?
もし平和通で止まっていた中量がLRTだったら、GWBだったら、AGTだったら技術的には可能でも、果たしてこうなったでしょうか?
技術的に可能というのが一番ラクで、商店街との調整、市民感情、バス会社との調整、支柱設計、JRとの調整において、それがモノレールだったから可能だったと思っています。そうと言い切れるでしょうか?
AGTでもホームや駅舎に横付けしている例はある(OTSコスモスクエア、西武山口線西武遊園地、ニュートラム大宮駅等)わけですし、北九州モノレールが「モノレールであるからこそ」あの構造となったと考えるのは強引すぎると考えます。
技術面で見れば建築物に空間を確保しそこに一体構造で入れているだけですからモノレールでなくとも可能な手法です。古くは営団銀座線渋谷駅がありますし、軌道では廃止されましたが玉川電軌(東急玉川線)渋谷駅(ビル内を経由して山手線改札前に乗り場を設置)、バスならば西鉄の天神バスターミナルやOCATなどいくつも存在します。
小倉に関しては様々な文献でその調整経緯などがわかりますが、この手の乗り入れであれば特段変わったモノではなく、別にモノレールだから成功したといえるようなモノではありません。言い換えれば、小倉とそっくりなケースが国内にさほどないというだけで、できないとはいえません。
今日現在、可能な技術であろうとも、外国に実例があろうとも、あまり意味が無い比較です。
果たしてそう言い切れましょうか?
別にLRTは併用軌道もしくは専用軌道(地平)の必要はありません。
地下でも高架でもかまわないのです。モノレールが地下でもかまわないように。
そうなれば最高速度に関しては普通鉄道との遜色はありません。よってここは無関係でしょう。また、諸外国との比較云々はむしろ逆で、諸外国での導入事例を見る限り、日本において可能性があるのであればそれを傾聴するのは当然でしょうし、その可能性として検討するのも正論でしょう。技術的に可能か不可能かという次元の問題以前に、可能性があるものを今の日本にあるシステムだけで単純評価するのは極めて恣意的と言わざるを得ません。
リアクションプレートを用いるリニア駆動鉄道の批判で「地下深いから」という批判がありますが、カナダではあれが平面や高架を走っているのですし、マイアミではモノレール並みのスレンダーな形態で運行しています。
偶然、日本では大江戸線や鶴見緑地線に採用されているから「深いところ」というイメージになるだけなんですから。
そういったものと同じでしょう。LRTに関しては私も決して容易にできるとは思っていませんが、今の導入論に多い「平面軌道への過剰なまでのこだわり」が無ければ可能性は十分ありましょう。問題はLRT=ストラスブール、グルノーブルといった一連の信奉、「芝生軌道」「トランジットモール」「強制的TDM」「超低床」という思いこみです。別にこれらがLRTの必須ではないのですから。
モノレールは便利なのは確かですし、非常に汎用性が高い交通機関ではあります。しかしやはり欠点はあるし、AGTやLRTに及ばない部分もあります。速度に関して言えばそもそもモノレールのように比較的駅間が短く、また曲線などが多くなる乗り物であれば今の速度で十分といえます。たとえばゆいレールでは最高速度に達する区間は那覇空港−赤嶺ぐらいといわれます。他は曲線や駅間の関係でそこまで出す必要がないのです。また、加減速ロスが鉄軌道に比べて低いため評定速度は案外速く、今の65km/h程度でも十分といえるのも一面としては事実です。ですが、比較的距離が長くなるようなもの、都市交通でも20kmを超える中距離を担うのはやはりこの速度では厳しいと。そういうことでしょう。
つまり、モノレールというのは都市内短距離の拠点間輸送においてこそ、その長所を最大限発揮できる乗り物であると。逆説で言いましょう。「北九州がLRTだったらもっと使われた」という意見を良く耳にします。都心内を回り、ネットワークが組めると。
しかし、私はモノレールだから使われているとは思わないものの、LRTでもそれほどの差はなかったと思ってます。LRTで併用軌道では都心内でのスピード低下は免れません。郊外で専用軌道の高架にすれば飛ばせますからモノレールとの差は縮まりますが、定時性や輸送力が不安です。さらにいえばそもそもあの地形、道路環境でLRT導入など到底不可能であったと考えています。とかんがえると、モノレールの長所を活用した好例といえましょう。
しかし、だからといって、モノレールがすばらしいと絶賛はできかねます。確かに便利で使いやすい乗り物です。でも何処彼処にでも入れられるものでもありません。本来的にその都市構造になにがマッチするかの議論をしていく中で、モノレールが良いのかAGTが良いのか、あるいはLRTなのか。
そういう議論を重ねていくのが本筋であり、今の日本の路面電車やAGTはダメだからLRTやAGTはダメという前提で話を進めてもまったくもって無意味です。たとえばLRTはダメとして広島に入れたらどうでしょう。都心が面的な広がりを持っている広島では向かない交通機関であることは容易に想像できます。岡山はどうでしょう。既存鉄道網のネットワークがわりとしっかりしていますし、都心と駅の位置関係からしてモノレールでは不利です。道路幅もあり、路面電車をドライバーは邪魔という認識ではなさそうです。そういう土地ならLRTが向きます。では千葉にLRTを入れたらどうか。狭い道路ばかりの千葉に入れたらまず交通混雑が激しくなるでしょうし、輸送力は確保できても都心内流動が精一杯で今の郊外輸送までは担えないかも知れません。都心部を高架や地下にした場合、今度は都心内流動の確保が困難でありましょう。県庁前の状況ですね。AGTがそうであるように、本来向いていないところにまで導入された結果、システムとして間違いであるという評価をされてしまうようではいけないのです。AGTはモノレールやLRTを凌駕する部分があるのに、それを認めず、日本の導入例だけで評価をしてしまう。終いには好成績のゆりかもめすら「鉄道ならばもっと乗る」と言い切る。
モノレールも一歩間違えれば同じなんです。そこを私は批判したい。千葉モノだけを取り上げて「モノレールはダメ」と言うのはおかしいのです。でもそういう評価をする人が多いのが現実なんです。LRTだって万能ではないのに「モノレールやAGTよりも絶対すばらしい」と言い切る人もいる。でもそんなことは無いわけです。モノレールの評価が正当になされていないと私は考えます。しかし、モノレールだから・・・モノレールは絶対良いんだ・・・となるとそれはモノレールに偏った意見ではないか、そう考えますがいかがでしょうか。
批判的ですが。ではでは
Re:都市交通システムの総論での比較評価に意味はない
投稿者---もちもち氏(2003/08/14 13:18:45)とも様、お世話になります。
もともと「システムの優劣と経営を同一評価してはならない」というタイトルに、うん、もっともだ、と思い発言しましたが、混乱させてしまいました。
「小倉はモノレールだから成功した」は誤りである。
「千葉はモノレールだから失敗した」も誤りである。
これは私も理解できます。
千葉の失敗はモードではなく線取りが問題であってAGTでもLRTでもあのような路線であればあまり市民は乗ってくれないでしょう。
どうもモノレールやAGTは線取りがベストと思えるのが小倉ぐらいしかないのも話がごちゃ混ぜになってしまう原因かもしれません。AGTでもホームや駅舎に横付けしている例はある(OTSコスモスクエア、西武山口線西武遊園地、ニュートラム大宮駅等)わけですし、北九州モノレールが「モノレールであるからこそ」あの構造となったと考えるのは強引すぎると考えます。
例にあげられたのは、大宮を除き竣工当時鉄道・軌道、鉄道・ビル同一事業者かと思います。大宮もNS・駅ビルとも埼玉県大宮市主導であることを考えると同一事業者に入れても良いかと思います。
ここに線取りに強い主張力のある商店会(千葉もこれに泣かされた)の入る余地に若干小倉のケースと差があると思います(例の方が有利)。
技術的には4者とも可能で便利さは変わらないと私も思います。(小倉の場合)なぜモノだからJRの敷地・ビルに実現したと思ってるのは、AGT・モノならば、柔軟性がない分こうなったという意味です。商店会もJRもGWBだと平和通でMICを作り駅前BT・各方面に、LRTならば三萩野−平和通りが高架としても、やはり地上に降ろして都心回遊に、という意見が、会議のたびに増大したのではと考えるからです。
もちろん、とも様のおっしゃるとおり、JR駅接続を捨てて、都心部LRT高架+砂津西小倉回遊の方が市民は幸せだったかもしれないというのは否定しませんし、当然議論されるべき内容だと思っています。北九州副都心、黒崎に生かせるのですから。つまり、「モノだから実現した」の意味は、は積極的な意味ではなく、今あるのはモノだから便利にする方法はこれくらいしかない、と。市民はそう考えたのではないか。
結局は技術ではなく、商店会・市民(=ドライバー含)の(損得)感情で動いていくのだと思う。
GWB・LRTだったら実現しなかっただろうというのは、そのモードの自由度から、もっといろいろな事が検討されて(しまった)だろうということです。商店会はJR駅乗り入れよりももっと自利益になることを模索したと思うのです。
ただ、それと今の状態のどちらが結果良かったかは、私も判断できません(両方とも魅力的です)。AGTがそうであるように、本来向いていないところにまで導入された結果、システムとして間違いであるという評価をされてしまうようではいけないのです。まさに、私も思うところです。
経営手法(運賃)や路線取りは、モードと多少は関係ありますが、分割して評価しなければ、同じ失敗がLRT・GWB・AGT・モノ問わず今後も出てくると思います。
最後に、私も、軌道に新車が入れば乗りに行くクチですのでLRT否定論者ではないのですが、バラ色とも思っていません。
また千葉モノも私のように「学園前・千葉・穴川」などという利用者には乗り換え便利なのですが、あまり好評価は聞こえないようです。
多摩都市モノレールの「意義」と「日本跨座式モノレールという選択」をどう捉えるか 投稿者---551planning(2003/09/12 22:56:07) |
多摩都市モノレールの「意義」と「日本跨座式モノレールという選択」をどう捉えるか └Re: |
全国のモノレールファンの皆様、お待たせ致しました。先に展論予約をしたところ、忘れていませんよー。
向ヶ丘遊園モノレールへの雑感 log363.html#2
先日、改めて多摩都市モノレールに乗って来ました。多摩センターに降り立ったのは未だ暑くなる前の平日16時前。人通りのいったん落ち着く時間帯ながら、活気のあった京王・小田急駅からペデストリアンデッキ沿いに向かうだけで寂しさを感じるのは、と思うものですが、さすがに折返列車の到着時にはちょっとした賑わいを見せます。
各車両半分ほどの着席定員で出発、後にも感じますが、次の松が谷で数名とはいえ確実に降車があったのが印象的でした。両大学駅での乗降で着席定員を越す乗りとなり、最初の実質乗換駅の高幡不動でその半数弱が乗り換える感じ、さらに乗客を増やして進みます。万願寺や甲州街道周辺の開発が進展しており、高幡〜万願寺という乗りも目につきました。
多摩川を渡って立川市街へ。立川南で立客が消える程度、立川北でかなりの入れ替わりとなりました。「立川跨ぎ乗り」も少なくなく、立川2駅は成功といえましょうが…。
高松手前の区画整理・再開発もボチボチ進みはじめた感じ、ただここからの駅間距離は少々短く感じますね。モノレール開業前に宅地化が一巡していた地域、中高層の建物が少ないこともあってか高度のあるモノレール駅が目につきます。
玉川上水で最後の乗り替わり。時間帯もあってか立川からの買い物帰りとおぼしき降車が目立ちました。桜街道を越えて終点の上北台は各車両10人程度の乗り、多くが隣接のスーパーと自転車駐輪場に向かう中、東大和市のコミュバスに乗り込む乗客も。
当方は立川北に戻って帰路につきましたが、ペデで便利になったとはいえ、単なる乗り換えには微妙な距離、かといって商業施設群を通るわけでなし、それなら立川2駅とも北側に振って立川南をJR乗換駅機能に特化、立川北は商業群への北側からのアプローチにしてもヨカッタかなと思いますね。せっかく立川北近辺のモノレール軌道下がいい感じの空間になっているのに流れが弱いかなという勝手な印象からですが。
多摩センター出発時→高幡不動乗降風景→立川南で降りて…→乗ってくる人もいる
立川北でかなりの降車→入れ替わりに乗車も多い→玉川上水乗降風景→上北台到着時
多摩都市モノレール自体は十分健闘しているな、というよりも、地域圏交通として当然の需要対応を果たしていると感じました。1年2年の状況で採算論を云々されるのは、多摩モノに限らずほぼすべての公共交通で間違った見方ですし、現実には多摩モノは結果を出しているといって過言でないと思っています。
その上で、多摩モノの意義と日本跨座式モノレールという選択をどう捉えるかという点について考えてみたいと思います。
2004.11.02 Update | |||||
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