【検証:】中量板過去ログ集

【検証:近未来交通地図】<中量輸送システムの明日…>
(過去ログNo.345)
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都市計画について!  投稿者---GM陰謀説氏(2002/08/14 20:00:30)

 このサイトに書き込みをしている人達の中に、今自分が住んでいる都道府県市区町村が、どうゆう都市計画を考えているか知っていますか!多分全部は、知らなくても少しは知っているでしょう!
 しかしこれまでの都市計画といえば、ハッキリいって行政が遣ったことといえば、渋滞解消とゆう名目のもと次々と一般道路や高速道路を建設、しかし解消どころかかえって悪化したり(中には、良くなった都市があるかも知れませんが)、利用者無視で、建設費が高い上維持費も高く電気もかなり食う上、既存鉄道との相互直通出来ない為乗り換えを強要する交通機関(例えばゴムタイヤ式AGT・HSST・モノレール)
 だからといって既存鉄道と相互直通出来て制約が無ければ、道路のどこでも建設できるし、軌間の異なる鉄道にも、三線式や四線式で対応できるしラックレールを使えば100パーミルを越えるような急勾配にも対応出来て、サードレール集電区間にも対応出来る上、旧型車を使った観光輸送も出来る上、コミュニティーバスとダイレクトで乗り換えが出来るLRTを、導入しろとは、言いません!
 ただ既存鉄道と相互直通が出来ない為乗り換えを強要する上、維持費も高く電気もかなり食うゴムタイヤ式AGT・HSST・モノレールよりLRTの方が、使える公共交通機関です!

日本の中量輸送システムにLRTは必要なのか?
 投稿者---TAKA氏(2002/08/13 23:50:41)
日本の中量輸送システムにLRTは必要なのか?
└やっぱり適材適所とLRTとは何なのかから
 └定義から始めないと混乱するばかり
 └Re:やっぱり適材適所とLRTとは何なのかから
  └LRTの定義のポイントはTDMにあり
   └LRTの定義のポイントはTDMではなく、LRT実現のツールがTDMでは?
    └外形と機能
    └Re:LRTの定義のポイントはTDMではなく、LRT実現のツールがTDMでは?
     └都市計画とTDMとLRTの相関関係?
      └都市計画とTDMとLRTの相関関係、岡山の場合
       └Re:都市計画とTDMとLRTの相関関係、岡山の場合
      └Re:都市計画とTDMとLRTの相関関係?
       └LRTへの道は遙か?
        └Re:LRTへの道は遙か?
         └Re:LRTへの道は遙か?
  └此処で定義付けをハッキリさせれれば・・・
   └敢えて鉈で割ってみて
    └Re:敢えて鉈で割ってみて→事務連絡
     └Re:敢えて鉈で割ってみて・・・

 今晩は、LRTにはそんなに詳しくないTAKAです。
 素朴な疑問を一つ ちょっと恥ずかしい気がしますが皆さんの意見を読んで疑問に思いましたのでちょっと書き込みします。

 日本の都市にはLRTが本当に必要なのでしょうか?
 今大都市のは地下鉄が走っており、中規模の都市ではバスの輸送の改善への取り組みが非常に進んでいます。その中でLRTに関しては(LRTと呼ぶ物なのかは置いておいて)豊橋・高知等の路面電車の駅接着や熊本・広島・岡山等で低床の新型車両等は登場して微々たる物でも改良は進んでいますが、改善はそれ以外議論の中でしか進んでいないと思います。

 確かに地下鉄・新交通システム・モノレール等は整備に時間と金がかかります。又輸送力的には投資金額から考えてかなりの大都市でないとペイしないと考えます。それらの軌道系システムを整備するほどの規模のない都市は沢山あると考えます。
 其処から考えればLRT投入に関しては、相応しい規模の都市は複数有るとは考えます。
 しかし日本では大都市では必ずしも不十分でも、都市の中で道路は以外に整備が進んでいる都市も沢山あります。その様な都市では別にLRTではなくバス路線の円滑運行のシステム整備で十分ではないでしょうか?

 LRTもバスも基本的には道路上を使って整備する物であると考えます。日本の都市の道路では渋滞が問題になっており、バスに関しては定時制の確保が重大な問題になっていますが、バスもLRTも道路上で整備する物であるのなら、軌道がなければ走れないLRTより道路が有れば何処でも走れるバスの方が柔軟性が高いと考えます。
 バスもLRTも輸送力的にはそんなに変わりませんし、バスに関しては最低限の基本的インフラは整備されています。

 そう考えるとLRTに固執するより、都市内でのバス停の整備やバスレーンの整備、大通り等のバスの集中する部分のみ短区間だけガイドウエイシステムを整備する、バスの案内システムや運行管理システムを整備する、と言うような方法の方が効率的な整備が出来ると考えます。

 一番効率的な投資は既存のシステムの改善です。必ずしも新しいシステムを導入する事だけが好ましいとは言えないのではないかと愚考します。LRTは路面電車が廃止され知らない世代が増えてきている今の日本に導入の為のコンセンサスを作るのにはかなり困難になっているのではないかと考えます。それなら今あるバスシステムを有効活用する方が効率的で合意を得やすいかと考えます。一体どの様な形が好ましいのでしょうか?

やっぱり適材適所とLRTとは何なのかから
 投稿者---とも氏(2002/08/14 01:50:26) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 TAKA様の意見。ごもっともです。まさにその視点は重要な話です。
 とはいえ、いくつか議論しておかないといけない点もありますね。

●LRTとは何か?
 例えば、長野電鉄や遠州鉄道、福井鉄道などはLRTといっても過言ではないスペックのものです。中型車の2〜3連で運行間隔が短く、駅間も短い。
 ヨーロッパや北米のLRTというと路面電車のイメージ(特にストラスブールやグルノーブルなど)が強いので違和感があるかもしれませんが、機能的にはLRTといえましょう。
 ただし、現実にはこれらをLRTというのは私も違うかなとも思います。いわゆる狭義LRTか広義LRTかという議論ですね。
この辺は実のところまったく一般化したものはないので、私の勝手な定義づけですが、

狭義LRT: 路面電車から昇華した、もしくは新規に道路上に敷設されるシステム
いわゆる軌道をさす(いわゆるストラスブール型)
広義LRT: 中量規模の輸送力を有する鉄軌道システム全般

といった分類ではないかと。ただ、分類は非常に難しい。路面電車が高架を走ったり(ロンドン)、地下を走ったり(シアトル)、バスと同じ経路を利用したりと世界中様々です。GWBやクリチバ(鉄道並みの輸送力を持つバスシステムを有するブラジルの都市)のようなバスでありながら軌道並みのシステムをBRTと呼ぶこともあります。
 これらのようなシステムをそう考えれば広義LRTはすでに全国各地にあり、狭義はあえていえば広島ぐらいなものでしょうか。実際、日本でLRTとして紹介されているシステムでも案外広義に属するものは多く、カルガリーやエドモントン、ロサンゼルスなどはまさに広義でなくてはLRTと呼べないものです。東急世田谷線もLRTといえますね。

 この辺は一度整理しないといけないかなと感じます。

●適材適所
 LRTを入れることがその都市にとってペイするかどうかは、その都市によって異なります。バスシステムの高度化も選択肢としてはありえますが、やはり単位当たり輸送力、つまりコストで見ると軌道系がすぐれている事実はあり、地下鉄や郊外電車とバスの隙間(といってもかなりありますが・・・)にある交通機関のひとつとして当然選択肢にはなるものでしょう。
 LRTやバスサービスは地方都市、特に30万クラスでは新規施設整備がある場合、独立採算の成立は極めて困難です。そのため、インフラ部を税金で整備する手法「インフラ補助制度」が確立しています。また、第三セクターやPFIなどの手法で行政と市内企業が出資する「街づくり会社方式」などの新たな整備手法も模索されています。こういった手法においては社会福祉政策的要素を交通に持たせたりといった工夫があるわけで、厳密に採算が取れるかという話はありますが、中心市街地活性化や街づくり、TDMの一環とすることで税負担の矛盾は解決されるという考え方です(道路会計の路面電車への投資の考え方が典型でしょう)。
 このような補助制度の活用をすると採算性は確保されるケースが多いようです。

 要は、適材適所なんです。LRTがダメということはなく、コストが安い場合も都市構造次第ではありえます。また、場合によっては逆に高くなることもあります。
 ですからベストマッチを求めていって、バスになってもLRTになってもAGTになってもいいということですね。段階整備(GWB→AGT、トロリーバス→LRTなど)も当然ありえます(プレメトロという考え方です)
 現実に見ると、実に多様です。(*印は複数モード)

狭義LRT選択 :ストラスブール、グルノーブル、デンバー、ポートランドなど
広義LRT選択 :カルガリー、ロサンゼルス*など
普通鉄道選択 :パース*、ソウルなど
鉄軌道AGT選択 :ロンドン*、マニラ*、バンクーバー*、バンコクなど
モノレール等新交通選択 :クアラルンプール*、シドニー、リヨン、北九州、千葉など
GWバス選択 :アデレード、名古屋*
基幹バス選択 :オタワ、名古屋*、パース*、クリチバ、ロサンゼルス*、バンクーバー*など
ゾーンバス選択 :盛岡、大阪、香港など
段階整備 :シアトル、サンディエゴ、ミュンヘン、ジャカルタなど

 これらを見ると都市規模の一貫性もないし、基幹にバス、サブを鉄軌道にしている都市(バンクーバー)もあればバスを見捨てた都市(バンコク)もあるので、一概にどれがいいなどとは言えないでしょう。
 結局はそれぞれの長所を最大限活かす。当ったり前の経済活動です。
 ここでいかに経済性や都市計画の正当性など様々な要因をすべてクリアするかがプランナーの腕の見せ所でして(うっ・・・自分で書いてつらい・・・汗 爆)

●運営を競争ではなく協調にすること
 欧米では一般的で日本では一般的ではないものに「運営一元化」思想があります。
 東南アジアやアフリカ、南米以外はほとんどの都市で都市交通の運営は一元化されています。これは中小都市におけるモビリティ確保に不可欠なものです。
 ただ、行政が単純に費用負担するというものではなく、社会福祉政策の一環としての交通権確保を目的とした様々な運営統合などで実現します(例えばスクールバスや通院バス、生活維持路線の一括路線バス委託化によるその分の税負担の交通への投資等)。さらに、パークアンドライド駐車場経営などでの収益なども交通機関の運営に使うことで、単なる負担ではない形をとります。
 さらに、見た目の事業者は統一でも実際の運営は民間運営会社が行うことで、人件費などのコスト圧縮、経営効率化などが図れるというものです。いわゆる運営権方式です(マンチェスターやロンドンのLRTはまさにこれ)。
 運営一元化は経営面だけではなく利用者にもプラスになることが多いです。例えば異機関同士の乗り継ぎ制度の拡充など典型でしょう。ゾーン運賃などもあります。

 ただし、これらの施策には、街づくりや都市計画のトータルプランをまず立て、さらに公共交通計画をしっかりプランニングすることが大切です。その上でなら、こういったトータル的な施策に行政としてのTDMなどを組み合わせれば、さほど悲観的にならなくてもLRTなどの施設整備の目はあります。

●手段としての交通なのだから・・・
 
あくまで交通は街づくりの手段です。ですから交通機関整備にあたっては、その単独のコスト意識ももちろん大切ですが「まちづくりとしてのコスト意識」も不可欠です。都市としてそこに投資することがペイするかどうか。その考え方ですね。それが出来なくては交通機関など成立しません。
 いまや地方交通は危機的状況です。京福やコトデンを例に出すまでもないでしょう。それでも公共交通がなければ生活が成り立たないのも地方都市では当然の事実。独立採算制が限界というよりも、「交通」というものから「都市」「地域」という発想への切り替えが求められているのかもしれません。

 まとまりませんが。
 それでは

定義から始めないと混乱するばかり
 投稿者---和寒氏(2002/08/14 09:12:36) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 LRTとは何か?→極めて重要な問題提起ですね。ところがなぜか、あまり触れられない傾向があります。

狭義LRTか広義LRTか

→国が違えばさらに広義の定義もあって、イギリスなどでは、日本では新交通システムと呼ばれているガイドウエイ型のシステムをもLRTと呼ぶようです。
 こういうことを最初から明確にしておかないと、混乱します。

 まあ、境界的な事例も多いですから、さらに悩ましいのですが。江ノ電や叡山電鉄をどうとらえるのか。両者とも充分LRTと呼べると思います。ただ、長電をLRTというのは、私にも抵抗があります。単純な小単位輸送はLRTではないと思います。小単位輸送を採りあげるなら、南武支線や東武亀戸線もLRTということになります。南武縦貫鉄道も、そうでしたよね。
 なにをもってL:Light とするのか、ということだと思います。輸送力なのか、軸重なのか。そこをしっかり詰めておかないと、どうしても混乱します。
 私見ながら、路面を走る軌道系システムは全てトラム(路面電車)と呼んだ方が、混乱がなくてよいと思われます。呼び名が古くさくても、システムさえ高度化すれば、世の認識も改まるでしょう。

Re:やっぱり適材適所とLRTとは何なのかから
 投稿者---TAKA氏(2002/08/15 04:09:17)

 とも様・和寒様 初歩的な疑問を致しまして申し訳有りませんでした。
 此処の議論を呼んでいる限りなんかLRTの概念について一定されていないような気がしたのでこの様な問題を提起しました。
 書き込みが遅くなりまして申し訳有りませんでしたが、お二方の意見を伺った後で私のまとめてみた事を書き込んでみます。御一読の上御意見を聞かせて頂けたら幸いです。

(ともさん案)
狭義LRT: 路面電車から昇華した、もしくは新規に道路上に敷設されるシステム
いわゆる軌道をさす(いわゆるストラスブール型)
広義LRT: 中量規模の輸送力を有する鉄軌道システム全般。

 基本的には仰有られるとおりと思います。しかし広義のLRTに長電や遠鉄等が入るのにはちょっと違和感を感じます。
 地方鉄道でも名鉄美濃町線や広電宮島線等の例もあるので中量輸送システムとしては否定しきれないと考えますが、基本的にバス1台+αの輸送力しかない路面電車的LRTには地方鉄道の中で比較的大規模な輸送量がある路線に当てはめるのもどうかな?と思います。
 私の考えでは

狭義のLRT=路面走行能力を持った小・中規模軌道(地方鉄道乗り入れを含む)
広義のLRT=新交通システム・モノレール等専用軌道を持ってかなり大量に運べる鉄道システム 

と言う定義は如何でしょうか?
 これにバスを含めて「都市の中量輸送システム」として考えるのは如何でしょうか?

●適材適所

 これが一番難しいでしょう。適材適所が基本ですが何処に何を用いるのかを検討するのが一番難しいと考えます。
 基本的にはその都市の規模・人口・面積・財政状況・現在の交通状況・道路状況・都市計画等を総合的に比較検討して狭義のLRT・広義のLRT・バス等の中から好ましい交通スタイルを選択すればいいと思います。
 具体的には、簡単には人口の多い都市(100万都市・それに近い都市)では基本的に広義のLRTを整備して其処にバスを接続させるような形態、人口が中規模で既存の軌道路線が存在する都市(熊本・岡山・鹿児島等)では既存の路線を多少延長したり車両の入替・停留所の改良等で路面電車のLRT化を目指す形態、それ以外の都市に関しては狭義のLRTが必要な場合具体的には特定区間でかなり多い需要があったり、LRTが乗り入れられる民鉄線等が存在して有機的な輸送結合が可能であるような場合には可能ならLRTの整備を其処まで無ければバス路線の整備を行うのが模範例として望ましいのではないかと思います。
 しかし私は出来る事ならLRTに拘らず、バスをなるべく有効活用する事が好ましいと思います。バスは道路が有れば何処へ乗り入れする事も可能ですし、バスターミナル等のかなりのインフラも大体何処の都市のもありますし、機動性がある分柔軟性もあるので、混雑道路で本数の多い所だけガイドウエイバスを採用するとか、バスレーンを整備する等の事をすれば未だかなり将来性があると思います。
 LRTに拘らず柔軟に中量輸送システムの中から適材適所で選択するのが好ましいと考えます。  

●運営を競争ではなく協調にすること
●手段としての交通なのだから・・・

 これにはまとめてコメントをします。
 運営に関しては日本では既存民間業者が存在している為、なかなか統合して運営するのは難しいと考えています。
 日本では都市交通のかなりの部分を民間業者が担当していますし、公共セクターによる交通事業も今財政的にはかなり厳しい状況に置かれていますから、「都市交通公営主義」を復活させるのも難しいと考えます。
 ですが一都市で複数の交通機関が競争して客を奪い合うなどと言うのは昔の高度成長時代で公共交通機関以外に交通機関が無かった時代の話で、今は協調して他交通機関と競争しなければならないですし、都市計画の中で交通機関を生かす都市造りの協力者として、複数の事業者がまとまって協力して都市計画から運営まで地域と協力して行っていく必要に迫られていると言えます。ですから自治体等が旗を振り自治体・民間交通企業等が協議会を作りその協議会が旗を振り都市計画への参画・交通機関の改良計画の策定や実施・最低限の統一した運賃や乗り継ぎ割引共通カード等を作る等して地域自治体と民間企業の共同作業で都市交通政策を行っていく必要があると言えます。
 只民間企業でも努力して革新的な都市交通を提供して都市交通に貢献している会社(浜松の遠鉄等)も多く存在していますから、それらの意欲を殺ぐような事はすべきではありません。地域自治体は協議会を通じて「民間企業を都市計画の好ましい方向へ誘導する」「民間企業の好ましい事業に有る程度の補助を公平に与えるよう調整する」等の役割に絞るべきです。

 今経営が問題になっている福井の京福電鉄は都市でなくローカル部の交通機関が足を引っぱり、又企業が十分な投資をしなかったのが鉄道事業不調の原因ですし、高松の琴電は直接の原因はバブルの遺産の「コトデンそごう」と瓦町ビルの投資負債が会社更生法申請の原因です。これらを持って「地方交通の危機」と考えるのは早計のような気がします。ここら辺を慎重に考え地域にあった有効な交通機関を緩やかな統合のかたちで、建設されるのが好ましいと考えます。

LRTの定義のポイントはTDMにあり
 投稿者---ゆうなぎ鉄道氏(2002/08/15 20:20:33)

LRT=路面電車+郊外鉄道+TDM

という定義を、私は色々なとこで発表してきました。最近では雑誌「世界」の8月号の対談で言っていますので、参考にしてください。
 欧米での路面電車復活のポイントは、自動車交通の便利さと公共交通の便利さのいいとこどりをさせることにあったのです。TDM施策というのがそれで、パークアンドライド、サイクルアンドライド、バスアンドライドなど、路面電車または郊外鉄道と他の輸送手段をシームレス、すなわち連続的に利用できるようにしたのがポイントなのです。
 そのシームレスというのもいつでも、簡単に、安く利用できることが必要です。つまり接続するバスも路面電車や鉄道自体の運行頻度が高く、早朝から深夜まで利用でき、空間的にもたとえば同一ホームで乗り換えできたり、そして何よりも料金的にも安くないといけません。

 あとはそれぞれの町の事情によって、都心部に路面走行区間があったりなかったり、低床車があったりなかったり、色々なんですよ。
 とにかく利用者にとって便利だからLRTは普及した。低床もその便利さのひとつにすぎません。

 ところで私は日本の特殊性、すなわち結構JR線が健闘しているという事実を利用しない手はないと思っているのです。JRがLRTの一部ならば、インフラとしてLRTのかなりの部分は既に整備しているのと同じことなのです。これだけでも、一から作るより安くつく。岡山などでは、吉備線、津山線、宇野線、赤穂線などは将来LRT化されます。さすがに山陽線、伯備線、瀬戸大橋線は無理ですね。
 LRT化のためには、バスルートの再編は必須です。岡山の場合これが一番大変でしょう。ここらへんは各地の事情がかかわってきます。

LRTの定義のポイントはTDMではなく、LRT実現のツールがTDMでは?
 投稿者---TAKA氏(2002/08/15 22:50:46)

 「ゆうなぎ鉄道」様コメント有り難うございます。
 コメント読ませて頂きますと、色々な雑誌等に発表されたり色々な所で活動されているみたいですね。
 私なんか素人考えで実際に素人ですので、コメントするのも気が引けますが、取りあえずちょっと感じた事を書き込みます。

LRT=路面電車+郊外鉄道+TDM 
 → だけでなく「LRT=路面電車・郊外鉄道等軌道系交通システム+TDM+都市計画」では

 基本的にTDMは「特定地域における交通体系全般の課題・都市機能との関係・経済的影響などを検証する」と言うことですよね。私は空くまでもTDMは検証・提言のシステムであり、実際に都市の実情に摺り合わせ行政のマスタープランとして現実化させる為には、都市計画を加えるべきでしょう。
 LRTを真に便利で有用な物にするには、仰有られているような「公共交通と自動車交通の便利な所の良い所取り」をする事と一貫輸送体系(シームレス)を築く事が必要です。それにはトータル的マネージメントと都市改造が必要です。
 そう考えるとどの視点から物を見るかで考え方が変わってくると考えますが、空くまでもLRTは都市の交通環境改善の為のツールの一つと言う事になります。
 そう考えると「LRTの定義」と言うより「LRTはどの様に作られる物か?」と言うことになると考えます。
 それはそれで構わないと思いますが、定義の先にある議論であると考えます。
 ここら辺は新レスを立ち上げ具体的実例を含めて一歩先の議論をする事が好ましいと考えますが・・・

 それと後一つ、岡山での「吉備・津山・宇野・赤穂各線のLRT化」について書いてありますが、果たして非電化を含むJR線をLRT化するというのは現実的なのでしょうか?私には現実的には思いません。
 岡山には「岡山電気軌道」という路面電車が存在しますが、岡山電気軌道と上記JRでは余りにも規格・輸送力等が違うと思います。
 それに上記各線はかなりの部分がローカル線ですからLRTに相応しい区間は路線の一部になり既存非電化システムとの併存を迫られる事になり無駄もあると思いますし、好ましいとは思いません。それにJR西日本が積極的に投資をするか疑問です。
 岡山に関してはLRTは「岡山電気軌道」の新線建設等の市街地内の交通手段改良の方が現実的に思いますが・・・

外形と機能
 投稿者---エル・アルコン氏(2002/08/15 23:50:04) http://6408.teacup.com/narashinohara/bbs

●LRTとTDM
 私から見ると、TAKAさんとゆうなぎ鉄道さんは結局同じことをおっしゃってますね。
 つまり、中量輸送規模とか、路面電車とか、外形的にはLRT「みたい」なものであっても、TDMの概念を取り入れて運営されていなかったら「LRT」とは定義し得ないということであり、それはイコールTDMを用いないとLRTという都市のツールは成立し得ないということと同義だと思います。

●気動車はLRTになり得るか
 これはゆうなぎ鉄道さんの「定義」に従えば充分可能です。
 多分に岡電や広電、またストラスブールなどの低床車に代表されるLRVのイメージに引きずられているきらいを感じます。つまり、かつての札幌市電の路面ディーゼルカーのように、外形的な要件がここで求められているのではなく、TDM政策による外縁部での自動車交通とのP&Rなどでの結合など、シームレス対応を行って軌道系による都心アクセスや回遊の実現を要件とすれば、岡山市の外縁で自動車交通を受け止めて都心アクセスを担うこれらJR各線の存在をLRTということに何の問題も無いと考えます。

 ただ、それでもTAKAさんがおっしゃるように、現行のJR各線をLRTというには輸送力・輸送量が大きすぎます。もちろん言葉は生き物ですから、外形に囚われがちだった定義を、外形には拘らず、機能に応じて定義づけすればいいんですが。

Re:LRTの定義のポイントはTDMではなく、LRT実現のツールがTDMでは?
 投稿者---とも氏(2002/08/16 00:29:01) http://town-m.vop.jp/

 ともです。
 やや気がついた点がありますので。

TAKA様
 基本的にTDMは「特定地域における交通体系全般の課題・都市機能との関係・経済的影響などを検証する」と言うことですよね。私は空くまでもTDMは検証・提言のシステムであり、実際に都市の実情に摺り合わせ行政のマスタープランとして現実化させる為には、都市計画を加えるべきでしょう。

 ちょっと違うのでは?
 揚げ足取りのようで恐縮ですが、TDMとは「交通需要マネジメント」の略称であって、交通行動の総需要を抑制または誘導し、交通需要を適正に管理するという「施策」のことです。よって検証提言のシステムではなく、もっと踏み込んだものです。TDM=一般的には自動車の抑制策という考え方で間違いはありません。
 ただ、TDMには公共交通誘導策だけではなく、ピークカットや相乗り通勤(HOV)なども含むことはお忘れなきよう。
 TDMは都市計画のマスタープランに反映させるというものではなく、都市計画において定められるマスタープランを実行するための手段です。
 特定地域における交通体系全般の課題・都市機能との関係・経済的影響などを検証するのは交通計画マスタープランであって、これは都市計画マスタープランに反映させなくてはならないですが、TDMはその実現に寄与することはあっても提言・検証するものではありません。

 LRTを真に便利で有用な物にするには、仰有られているような「公共交通と自動車交通の便利な所の良い所取り」をする事と(略)

 これはまさに都市交通のマスタープラン、言い換えれば都市計画マスタープランの内容のジャンルになります。
 これはこれで重要なことで、まさにおっしゃるとおり。
 「ゆうなぎ鉄道」様もTAKA様も同じベクトルのことを言い方を変えているのでは?と感じますが。

都市計画とTDMとLRTの相関関係?
 投稿者---TAKA氏(2002/08/16 22:19:28)

 とも様コメント有り難うございます。とも様はこの掲示板の書き込みを見ていると都市関係の専門家が本職みたいですから・・・私の拙い思考にご指導を頂ければ幸いに存じます。

 揚げ足取りのようで恐縮ですが、TDMとは「交通需要マネジメント」の略称であって、交通行動の総需要を抑制または誘導し、交通需要を適正に管理するという「施策」のことです。よって検証提言のシステムではなく、もっと踏み込んだものです。
 TDMは都市計画のマスタープランに反映させるというものではなく、都市計画において定められるマスタープランを実行するための手段です。

 と言うことは「TDMは都市計画を実行に移す為のツールである」と言うことになりますよね?
 又都市計画は「都市の用途・道路や鉄道等の交通機関・総合的な配置等を定める基本的計画」と考えておりますが、基本的には間違えてないですよね?
 そうすると、「都市に於ける基本計画は都市計画にあり、その交通面能瀬作を実現させるのがTDMである」と言うことになり、その「都市計画に基づくTDMで自動車交通を抑制する為の手段としてLRTが存在する」と言うことになるのでしょうか?

 又、今日本で都市計画の中で「TDMで自動車交通を抑制する。公共交通に計画的に誘導する」というのを明確の盛り込んだ都市計画は存在するのでしょうか?
 日本中何処の都市にもどの様な形で有れ都市計画は存在すると思いますが、もし都市計画で上記内容がないと言うことになるとTDMは机上の空論になり、LRTに至っては、技術的には低床車の導入等で存在するが総合的な本当の意味でのLRTは日本には存在しないと言うことになるのでしょうか?

 技術的には上記レスの定義付けと新規レスの内容で問題ないかと思いますが、実際のLRTの総合的な意味合いと実現性を考えると、ここら辺を知りたいと考えます。
 実体的にはどうなんでしょうか?少なくとも欧州では其処まで含めた総合的なLRTが存在していると考えますが、日本では官僚的で縦割りの社会の中で、果たして其処まで出来るのでしょうか?技術的なLRTしかできないような気がしますが岡山当たりは色々議論が進んでいるみたいですがどうなんでしょうか?
 ご教示頂ければ幸いです。

 何かとりとめもなく本論から離れたレスになってしまったような気が致しますが・・・其処はご容赦を。
 私の言わんとする事を察して頂きご教示頂ければ幸いです。

都市計画とTDMとLRTの相関関係、岡山の場合
 投稿者---ゆうなぎ鉄道氏(2002/08/16 22:37:07)

 岡山では今MOMOが注目されていますが、本当はまちづくりからはじまっています。つまり都市計画として中心市街地活性化のために、どういうツールが必要かを考えていったのです。
 たとえば岡山の天下の三名園のひとつの後楽園を生かそうだとか、毎月やっている京橋朝市の創設だとか、岡山初のフリーマーケットだとか、作家の内田百閧フ顕彰活動だとか、そういうのの一つとして路面電車とJR線を生かしていこうということなのです。
 つまり都心の活性化のため、文化発展のため、人が集まって盛り上がれば必ず二次会ではお酒が必要。いつでもお酒を飲んで公共交通で帰れるようにする必要があるわけで、LRTはあくまでも手段ですよね。

 岡山では今回日本で一番地価が落ちました。つまり一番まちづくりに失敗しているのかもしれません。だからわれわれは危機感があって、LRTをがんばっているのですよ。

 でも大変なのは行政マンがまだまだついてこれないこと。でも岡山では長くやってますから、行政の縦割りについては随分ほぐれかけています。
 吉備線については確実に具体化します。これ以上言えません。岡山で具体化したら、あちこち刺激されて、競うようになれば幸いです。

Re:都市計画とTDMとLRTの相関関係、岡山の場合
 投稿者---TAKA氏(2002/08/16 23:30:09)

 ゆうなぎ鉄道様 御意見有り難うございます。

 正直言って岡山で其処まで進んでいるとは思いませんでした。路線延長計画とかmomoの導入等は当然知っていましたが、総合的町づくりの中でLRTをどう考えるかと言うことが総合的に考えられ進んでいる事には心強く思います。「momo導入でやっと他に追いついたか・・」と思っていた岡山の事ですが、実体的には真のLRT構築に一番近い所に要るみたいですね。私も不勉強でした・・・

 でもっと根本の問題は、都市計画が草の根から進んでいる点でしょう。これが大切かもしれません。
 私の基本発想だと、「中心市街地活性化」で有れば、駐車場を作る・道路を整備する等のインフラ面からしか考えません。今の日本では都市計画=インフラ整備計画=道路整備計画であると考え、それはお上が作る物という考えが根強いと思います(私もその一人ですが・・・)。この考えは変えないと行けないのかもしれませんね・・・

 フリーマーケットだとか朝市だとかは基本的には草の根の市民活動でないと出てこない活性化案です。
 これらの草の根活動等で市街地活性化の為には誰でもこれる交通機関が必要→では手段としてLRTを整備しよう→じゃあ今ある岡山電軌にmomoを導入しようと言う道筋は他ではないですよね?
 正直行ってこれは日本の都市計画(=街づくり)を変える起爆剤になるのではないでしょうか?それこそ壮大な社会実験の中の一つにLRTがあるという感じですね。

 確かに今の日本では「地価=繁栄のバロメーター」と言う事も出来ると思います。その地価が下がれば「うちの街は評価されていない」と危機感を抱くでしょう。その危機感がバネに自治体と都市計画のあり方が変わるというのは大きいです。私みたいに東京にいてインフラや建物を造る立場から見ていると「市街地活性化=大規模再開発事業」であると思ってしまいますが、大規模再開発事業で地価は上がるでしょうが真の繁栄は市民の力がないと出来ないですから市民の力で市街地活性化が出来て地価が上がれば、新しい都市開発・市街地活性化のやり方のモデルが出来るかもしれませんね?

 ちょっと本題のLRTから話がそれたかもしれませんが、これもLRTを考える上で重要と思いまして書き込みました。
 外部の立場で初めて知った人間ですが「頑張って下さい」とエールを送りたいと思います。

※吉備線とLRTの件ですが、これにはmomo導入以上に色々な障害があると思います。線路はJR西日本の物ですし、電化等の施設改良も多額の費用が必要でしょう。又車両もLRTの高い車両を多く揃えなければならないでしょう。
 岡山市・周辺自治体・JR西日本・周辺住民・その他関係企業(岡山電軌も?)等の協力や意思統一も必要ですし、資金調達・採算性等でもハードルが多いと思います。
 しかし実現できれば今までの日本には無い新しい形の交通機関像をLRTという形で描ける形になると思います(広電宮島線とは近い形のような気もしますが・・・目指している方向は違うのでしょう?)。

 新しい形の地方都市でのLRTの姿に期待しています。

Re:都市計画とTDMとLRTの相関関係
 投稿者---とも氏(2002/08/17 01:33:56)

 ともです。
 いえいえそんな指導など(苦笑)

 そうすると、「都市に於ける基本計画は都市計画にあり、その交通面能瀬作を実現させるのがTDMである」と言うことになり、その「都市計画に基づくTDMで自動車交通を抑制する為の手段としてLRTが存在する」と言うことになるのでしょうか?

 そういうことではないでしょうか。
 よく勘違いされる方が多いのですが、LRTのためにTDMをやるのは筋違いで、TDMの一環としてのLRTというのが本来の姿であるはずです。
 そうしなくてはLRTの経営のために都市交通体系を構築するというまったく逆のものになります。

 今日本で都市計画の中で「TDMで自動車交通を抑制する。公共交通に計画的に誘導する」というのを明確の盛り込んだ都市計画は存在するのでしょうか?

 岡山の話はゆうなぎ鉄道様の投稿で書かれているとおりですので、なにも申しませんというかお任せしますが(ごめんなさい)、全国の状況はピンキリですね。そのピンキリがものすごい差で雲泥なのですが(苦笑)

 先進的な都市では社会実験などでTDMの実験や実践が行われていますし、また、金沢や長野、神戸のようにLRTではないですが、バスや既存鉄道を活用してのパークアンドライド、トラフィックセルなどのTDM等の交通施策が進んでいます。LRTにこだわらなければそれなりのしっかりした計画はあります。これがまさに総合交通体系という考え方で、公共交通だけ、自動車だけという個別策ではなく、総合的な交通対策として考えるものです。
 縦割りの弊害については案外交通分野では気にしなくてもよいのかもしれません。現実的な話として、TDMやLRT、公共交通の推進、交通機関相互の連携は国土交通省の施策としてメニューが用意され、また各地の行政担当者の見識もそれなりにあります。もちろん程度の差はありますが(苦笑)
 ですからそこは悲観的に考えずともよいのではないかと。
 ただ、意外なネックは事業者です。ここが・・・

 さらなる課題としてはやはり市民の意識があります。公共交通への誘導は経済性云々ではなく様々な観点でのトータル的な利便性向上を図らなくてはならないのですが、そもそもその利便性向上への理解が無いケースがあります。
 これは啓蒙というよりも、合意形成の部分での話ですので、合意形成を図る場合に如何にして市民意見を取り込み、合意形成を進めるかが今後の鍵です。
 プランナーや専門的意見の中立的立場での提案ができる人材育成が合意形成へのポイントでもありますが、パブリックインボルブメントなどの形で進めていくことで達成できると思われます。
 各地で行政に提案できる組織・人材の育成をすすめ、各地でのTDM導入を進めることがLRTにつながることなのかもしれません。

 まとまりませんが。それでは。

LRTへの道は遙か?
 投稿者---TAKA氏(2002/08/17 08:10:25)

 お早うございます。TAKAです。コメント有り難うございます・

 総合的な物事の企画ですが実を言うと日本が一番苦手な事ではないでしょうか? 日本の場合「縦割り行政」「独立採算の企業」等々が存在する上に物事を個別に整備するシステムができあがっていますから、今になって「総合交通体系」と言っても非常に官僚的で、頭の固い人々の集団ですから・・・対応できない人が多数でてくるでしょう。それが地方ごとの差になるのではないでしょうか?
 それに誰が運営するのか?つまり採算に対するリスクを誰が負うのかを考え出すと民間事業者を筆頭にみ〜んな腰が引けて来るというのが実情でしょう。

 それにLRTを定義しようとしているこのレスで言うのも何ですが、必ずしも都市での中量輸送システムを作るに当たっては、LRTに固執する必要はないと思います。
 正直言ってLRTを導入するには、導入空間の確保、新規導入の場合システムの整備・一からの投資等以外にハードルが高いと考えます。
 それでしたらバスの有効利用も考えれますし、TDMを考える都市では「バスが走っていません」という都市は存在していないでしょうからバスを有効利用する中量輸送システムの構築を計る方がLRTより簡単で早く理解を得やすいかもしれません。
 それこそ都市の大部分から路面電車が消えてもう30年近くが経過しようとしています。大人は「子供の頃乗った」という記憶が残るだけと言うような状況になっているでしょう。
 その様な状況で有れば「路面を走るLRTとはどの様な物か?」という基本の基本から話を始めなければなりません。其処から一からシステムを作るとなると手間は途轍もなく掛かる状況になります。
 ですからLRTを導入する環境は現実的に考えると今路面電車が走っている都市に限られてくるのではないでしょうか?

***
 市民の意識となると道のりは遙かに遠いと言うことになるのではないでしょうか?ゆうなぎ鉄道様が仰有られている岡山の例は非常に先進的な例で、大部分の都市は全然其処まで行っていないと思います。まずTDMを実施したりLRTを導入するとどの様なメリットがあるかすら大部分の市民は分からない状況であると思います。その様な状況では市民意見を採り入れるのは非常に難しいですし、公共交通に誘導するのは動機付けがないと非常に困難であると思います。
 私は今の状況では「合意形成」の前に「市民への啓蒙」→「TDMやLRTが必要であるとの動機付け」→「如何に便利かを分からせる社会実験」→「市民・関係者の合意形成」→「導入への詳細の比較検討・市民意見の取り入れ」→「実際にプロジェクトの実施」という道筋を取るしかないかと思います。
 比較的取り組みの早い岡山等の都市ではかなり進んでいると感じますが、大部分の都市では未だ「啓蒙」の段階でしょう。これでは実現への道は遙かという気がします。其処から一歩一歩進めていき同時に人材を育成していき、その上で社会実験を繰り返す事で啓蒙を進めながら合意形成へ向けての環境を整える。と言う道のりを一歩一歩進めていくしかないでしょう。有る程度知っているつもりの私ですらこれぐらいの知識しかないのですから、一般市民への啓蒙と合意形成には遙かな道のりであると思います。

 私もまとまりませんですいません・・・
 で、だんだん方向がLRTの定義から一歩進んだ導入に関しての話になってきましたね・・・ゆうなぎ鉄道さんが岡山の話を出して頂けていますし、上記のような話をするのなら具体適例をだしながら別レスを立てた方が良いかもしれませんね?

Re:LRTへの道は遙か?
 投稿者---とも氏(2002/08/17 01:33:56)

 ともです。

 総合的な物事の企画ですが実を言うと日本が一番苦手な事ではないでしょうか? 日本の場合「縦割り行政」「独立採算の企業」等々が存在する上に物事を個別に整備するシステムができあがっていますから、今になって「総合交通体系」と言っても非常に官僚的で、頭の固い人々の集団ですから・・・対応できない人が多数でてくるでしょう。それが地方ごとの差になるのではないでしょうか?

 そうなんですよね。
 正直、見識の高い自治体はなにもいうまでもないんです。
 ただ、やはり低い自治体は課題といえますが、ほかにもハードルは多い。

 それに誰が運営するのか?つまり採算に対するリスクを誰が負うのかを考え出すと民間事業者を筆頭にみ〜んな腰が引けて来るというのが実情でしょう。

 浜松の遠州鉄道、広島電鉄、伊予鉄道、弘南のよう積極策に出られる事業者はいいんですが、どうにも消極的な事業者もあります。
 ポイントは行政との連携です。そこができない事業者はやはり積極策に出にくい。行政側の福祉政策、道路交通対策、総合的な利便性向上策とのパッケージなどが発想にない自治体、事業者は厳しいです。
 採算性が確保できないから参入しないというのは如何にも保守的な経営手法です。採算性確保手法は様々あり、それこそ値下げ、行政との連携も視野に入れなくてはなりません。しかし、事業者がモザイク的に入り込む地域ではなかなか厳しいのも事実で、見た目の運営一元化または運営権利委託方式などの行政支援における公共交通運営も今後は視野に入れなくてはならないでしょう。
 そういう意味では、ゆいれーる開業後の沖縄が試金石的存在なのかもしれません。

 それにLRTを定義しようとしているこのレスで言うのも何ですが、必ずしも都市での中量輸送システムを作るに当たっては、LRTに固執する必要はないと思います。

 LRTに固執しないのはまさにそのとおりです。
 ただ、システムはまずは需要ありきです。導線の需要があるのに採算性の観点からバスでよいというのは問題の解決にはなりませんし、広島ではないですが、その機関としてのスペックを上回る需要に答えられないのならそれは問題ありです。採算性もそうですが、まずは都市交通機関として求められるスペックとはなにかという観点は不可欠であり、我が国においてもその観点からLRTの可能性のある都市はあると考えられます。輸送力ではバス<BRT<LRTですから。
 ただ、そこで段階整備などの発想が必要なのはいうまでもないですが。

 一般市民への啓蒙と合意形成には遙かな道のりであると思います。

 ゆうなぎ鉄道様ご紹介の岡山のRACDAのように「まちづくり」から市電やLRTを考えようという思想での市民サイドからの導入プラン提案は全国でされてはいますが、まだLRTが目的化している都市も多いのが実状です。
 つまり、LRTを道具と考えられるかどうか、そこですね。
 また、LRTにはTDMがというのはいいんですが、TDM=自動車削減という誤った認識があるのも悲しい点ですが否定できません。

 都市計画マスタープランという制度が都市計画法には定められ、今年の改正で制定には市民参加が厳密に位置づけられ、ワークショップやパブリックインボルブメントの導入が求められています。こういった制度を行政や市民がいかにうまく利用するか。そこでしょうか。
 市民活動や専門家、学生、行政向けの雑誌や書籍ではかなり多くの事例が紹介されています。ただ、これらを一般市民に向けて情報発信をどうやっていくかが難しい点です。

 だれにでもというものではなく、関心を持った人々がアクセスする事で容易にそういった事例や実状、システムを把握できる工夫が必要なのでしょう。

 各都市でどうかというのは過去ログにも膨大な蓄積がありますが、さらにいろいろ議論を重ねるほうがよいでしょうね。

 なんだかまとまりませんが。ではでは

Re:LRTへの道は遙か?
 投稿者---とある広島市民氏(2002/08/22 22:09:24)

 もっぱらRomでみなさまの意見を楽しく拝見させていただいています。
 LRTやTDMについての市民への啓蒙が必要とのことですが、これに関連する面白い本(といっても冊子のようなものですが)を紹介させていただきます。
 もしご存じだったらすみません。

 「広島都心改革と交通共生」 副題「広島の発展に向けた都市構造改革の提言」
 社団法人中国地方総合研究センター発行、広島都市圏グランドデザイン研究会著 ¥500(税込)

社団法人中国地方総合研究センター http://www.crrc.or.jp/

 内容は、広島市の都市機能の現状分析から、都心の活性化と自動車と公共交通の共生という指針を導き、その指針から相生通りトランジットモールの整備、軌道系ルートの新設、再開発、環状道路の形成etc・・提言しています。
 冊子のデザインも良くできており、見て楽しめるものとなっています。
 多くは市の整備方針と共通したものですが、交通量の多い相生通りトランジットモール化には少々驚きました。
 4月に発行された本ですが、県外の書店では売っていないそうです。
 ご注文はこちらがよいかと。

http://www.gov-book.or.jp/seifu/furusato/ss-hiroshima-b.html

 以上ご参考まで。

 話は変わりますが、国土交通省のHPでは、TDMの事例として全国各地でたくさんあれこれ紹介されてますが、TDMってそんなもんなんでしょうかねえ。

此処で定義付けをハッキリさせれれば・・・
 投稿者---TAKA氏(2002/08/15 11:14:20)

 LRTの定義をハッキリさせましょう・・・

(ともさん案)
狭義LRT: 路面電車から昇華した、もしくは新規に道路上に敷設されるシステム
いわゆる軌道をさす(いわゆるストラスブール型)
広義LRT: 中量規模の輸送力を有する鉄軌道システム全般。
(高橋案)
狭義LRT→ 路面電車・路面電車の改善された物・路面電車の改良された車両がもっぱら乗り入れる路線
広義LRT→ 道路上を直接走らず軌道法の適用を受ける軌道システム
具体的にはモノレール・新交通システム・ガイドウェイバス等
 

但し広義ではシステム全般を指し軌道法適用を受けない区間(ガイドウェイバスでガイドウエイをおりた後のバス路線等)も一つのシステムとして広義のLRTに加える

 今まででてきたLRTの定義はこの様な物ですが、これらの定義は如何な物でしょうか?
 此処で「都市計画」がなんだとか書き込みしている人が居ますが、何かちょっと違うような発言をしているような気がしますし、その根本には「LRTの定義は何か?」「都市計画とその中のLRTを検討するのに何が根本になるのか?」が欠けているような気がします。
 
  基本的には前述のように導入する都市の「規模」「広さ」「既存の交通機関・道路・都市計画」「その都市の財政状況」「住民の要望」等を総合的に勘案して個別の事例でこの都市ではどの様なLRT導入が好ましいのか?この都市に導入したLRTは何が問題なのか?等々を考えていかないと議論が空転するような気がしますが・・・ 正直言って入口の定義が曖昧なままこの掲示板での議論が進んでいるような感じを覚えます。ですから此処で定義をハッキリさせて、その上で抽象論でなく、具体的な形で議論を進めるべきでしょう。

 如何でしょうか?初心者の私の意見ですが、LRTの定義についての意見お待ちしています。

敢えて鉈で割ってみて
 投稿者---和寒氏(2002/08/15 14:17:47) http://www.geocities.jp/history_of_rail/

 私もちょっと考えてみました。言葉の適切さは措くとして、概念として敢えて鉈で割ったようにザックリと分類してみました。

 で、これらを包括するのがLRTである、というわけです。このなかで狭義LRTを設定するとすれば、路上鉄道が該当することになるかと。
 ちょっと乱暴ですかな。まあ、叩き台みたいなものですから、他の方の御意見もうかがいたいものです。私自身、この案にこだわるつもりもないですし。

Re:敢えて鉈で割ってみて→事務連絡
 投稿者---とも氏(2002/08/15 17:05:14) http://town-m.vop.jp/

 ともです。

 TAKA様、和寒様からもLRTという言葉の定義の話がありましたが、突き詰めていくとグレーゾーンのシステムが結構多くなります。
 たとえば全区間が専用軌道の世田谷線は?とか、軌道法適用ならば大阪市営地下鉄は?(これは例外ですが)、と結構ややこしい。
 そこで、別スレッドでLRTの定義付けをしたいと思いますがいかがでしょうか。

 それでは。

Re:敢えて鉈で割ってみて・・・
 投稿者---TAKA氏(2002/08/15 19:23:41)

 とも様・和寒様コメント有り難うございます。
 イメージ的には大体私を含めてそんなにかけ離れていないと思います(全線専用軌道の世田谷線や軌道法適用の大阪市営地下鉄等はまあ例外として・・・)。
 基本的に定義を定めて置いて議論をすれば、議論があさっての方向へ行く事もなく有る程度皆さんの共有の概念を基本に、其処から議論をしていけば話は纏まりやすくなると思います。

 皆さんが他のレスで「知名度を広げさせるにはテレビで取り上げさせろ」とか議論されていますが、根本は「LRTとは具体的にどんな物」「LRT=チンチン電車では?」というような認識しか一般に存在しない事であると思います。専門的知識のある人であればそんな事はないですが、ほんの多少でも鉄道の知識があるつもりの私でも、此処に書き込んだ程度のLRTに関する知識しかない状況ですから一般の方々は推して知るべしです。ですからLRTの定義は固めて置いた方がよろしいと思います。それが全ての議論の始まりになると思います。

 その後実際の例や計画を基に皆さんで議論をしていけば、より内容の深い議論になるかと思います。
 此処の掲示板は非常に内容の高い方の集まりで、私なんかはROM専が好ましいのでは?と思っていますが、読んでいても議論が有らぬ方向へ行ったり、ちょっと?と言うようなのがこの頃増えてきたような気がします。
 やはり初歩の定義から始めておかないと議論は定まらないでしょう。
 ともさんの次のレスを期待してお待ちしております。

2004.11.06 Update


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