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    誉田駅は新たな通勤経路となるか

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(過去ログNo.)
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ちはら台エリアに見た「地域バス」の今後

投稿者---551planning(2011/01/17 18:00:00)

昨年末実見した千葉・夷隅地域の高速バス現状を取りまとめる際、市原南BTについて調べていた際にこんな資料を見ていました。

東京湾岸の工業地帯、北部のベッドタウン、中南部の田園丘陵地帯-広域なエリアに多彩な地域特性を持つ同市。公共交通網はどうしても人口が密な地域に偏りがちのため、市民の主たる交通機関は自家用車に大きく依存しているところ、超高齢化社会や地球環境問題を見据えつつ、また公共交通の維持という課題にも対応すべく、住民・交通事業者・行政が協働・連携するマスタープランが2010/05に発表されています。
市原南BTについては、主要観光施設や小湊鐵道駅までのバス路線整備が基本計画で言及されているほか、市内を走る高速バス路線を2008年度の6路線から2015年度には9路線への拡充を事業者に働きかける-との挑戦値が設定されています…ただ、既存6路線の該当がどのようになっているかですが、資料では『新宿便、成田便などの運行をバス事業者に働きかけ』となっているところ、去る2010/11/25には五井新宿線が開業、また【検証:】ではもはや御馴染みの平和交通マイタウンライナー(2009/12/01開業)も一応市内ちはら台エリアを掠めてはおり、ハードルは意外と低かったりとか?

そのちはら台エリア、マイタウンライナー開業式典でも自治会連合会長が2万人超の街となったものの交通基盤がまだまだネックであると述べられていたのが記憶に残っていますが、マスタープランでも隣接する辰巳台・潤井戸地区との連絡バス路線新設再編促進が盛り込まれていたところ、昨年相次いで色々な動きが。

  • 2010/04/01 小湊鉄道 ちはら台駅~千葉労災病院~五井駅東口 路線開設(9.5往復、うち4往復が五井直通)
  • 2010/12/15 ちはら台地区自治会連合会 ちはら台エリア~千葉労災病院間直通バス 試験運行開始(8往復)
  • 2010/12/20 千葉中央バス 誉田駅~潤井戸 ちはら台南経由系統新設(10往復)

このうち自治会連合会の直通バスに第4セクター様が試乗、『個人的には、551planningさんに、みてもらいたい所ですね』との御指名を受けてしまっては…。丁度近隣に用事があった01/13の日中に時間が取れ、まさに通り抜けながら見て参りましたよ。

まずは未乗だった五井~新宿線で五井駅到着、丁度接続の良い小湊ちはら台行路線バスで千葉労災病院へと向かい、自治会試験運行便に乗車。徒歩連絡にて水の江公園から千葉中央バスで誉田駅へ抜ける-という下記行程が出来上がったのですが、その流れるようなタイミングの良さは自画自賛モノだったり…。

五井駅東口 12:42→13:09 労災病院 13:35→14:15 しののめ研成義塾前 … 水の江公園 14:43→15:00 誉田駅

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首都高渋滞で都心を抜けるのに難儀した五井新宿線は東関道廻り、京葉道入り後も順調で着いてみれば定刻ちょい前の到着。コンビニでしばし暖を取った後、第1走者の小湊中型車に乗り込む。12:34到着予定がしばしの延着、4人が降車。折り返し時間もわずかに12:42発、当方のほか中年の女性1人乗車だけとある程度予想したとはいえ寂しい。
駅前通りを直進するとすぐに広大な空き地が。土地区画整理事業が進められ一角には2010/04にカインズモール市原がオープンしているが、バスルートとは1ブロックずれている。なおそちらは五井駅西口から市原市役所前を通り国分寺台へ抜ける主要系統がカバーしてはいるのだが。まだまだ残る広大なスペースにはイトーヨーカドーを核とする、国内最大級の「アリオ市原」がオープンを目指していたところ、経済情勢の変化により構想は頓挫しつつあるようで…。

館山道を潜ると丘を登り国分寺台エリアを進み、市原市役所を横目に進むとR297大多喜街道へ。八幡宿駅への路線バスがメインだが、市原小学校入口と郡本で相次いで乗車あり。その郡本からr21をしばし丘陵地帯のアップダウンを進むと辰巳台エリアへ。古くから開発が進められており八幡宿駅との路線バスは日中も15~20分間隔運行、千葉急行電鉄もこの付近を経由して海士有木に至る計画だった。ここで五井から乗った女性含め乗降を確認。住宅街の道を1本入ると千葉労災病院に到着、辰巳台エリアでの乗客に加え数人が乗車し、7人でちはら台方面へ出発して行った。労災病院以北は本数が倍となっており利用もそこそこついていそうだ。

千葉労災病院は1965年の開院、現在はベッド数400床規模の総合病院で2007年度に千葉県から地域医療支援病院にも認定されている。玄関前にはバス・タクシースペースに加え400台以上の駐車場が広がっており、昼過ぎとあって人の動きが目立つ。八幡宿駅から辰巳台を経由する路線バスの本筋がここを終着としており、折返の一時待機スペースも取られていた。
さて自治会試験運行便はというと、メイン玄関より手前の救急入口前のロータリーでの折り返しとなっていた。無料運行ということもあり路線バスとは別物という扱いなのか。ただ、外来の場合にはメイン玄関のほうが便利そうで、救急入口前からだとまさに裏口といった感じ、警備員室前を抜けて進むと、各部診察室が並ぶ廊下に出る感じだった。なお、各所に小湊便と自治会試験運行便の時刻が並んで張り出されていたが…。

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乗場でバスを待つが、なんといってもインパクトがあるのが、バス停が“三角コーン”となっている点。苦渋の選択だろうがその発想は無かった…とはいえ、バス停名と運行ルート図と時刻が貼り付けられているところ、時刻は主要停留所時刻しか掲載されておらず「一覧表に無いバス停については時間を割出してご乗車ください」との一文も。
さてほぼ定刻にバスが現れた。取付道路で丁度出発する小湊車と離合したが、運転手同士が挨拶-自治会バスの運行は千葉中央バスに委託されているが、やってきた中型車のカラーリングは東京ベイシティ交通のそれのような。労災病院では1人が降りて6人が乗車。運転手氏が乗車時に降車場所を確認、通院然の高齢者が大半の中、少年が1人後方に座った。
バスは東進して丘を下り川を渡る。諏訪神社前の交差点を左折し北上。r14茂原街道の交点の先に最初のバス停となるユニモ前。ヤオコーやノジマ、シネコンなどがある2007/09オープンのSCだ。ここで女性1人が乗車。左手に千葉急行線延伸スペースを確認すると立体交差を上り、1ブロック廻り込むかたちでちはら台駅前方向に進む。手前の京葉銀行でも女性1人が乗った。
さてちはら台駅ロータリーに入らず停留所もなし。最寄はその先のレクセルマンション入口となるが、丁度坂道の途中だったからか、バス停の位置が坂を折りきった交差点手前に修正されていた模様。ここで病院から乗った老夫婦が降車した。千葉労災病院サイトでもわざわざ図まで付けてで紹介されていることからすると問い合わせが多いのだろうし、ちはら台駅前付近にも乗降場所が欲しいところだが、小湊路線バスとの絡みもあるだろうか。

ここからはまさにコミュニティバスの真骨頂たるルート取りに。まずは駅西口エリアをクネクネと進み、駅東エリアの路線バスルートから外れた北側を進行。帝京看護短大横からいったん大通りを真っ直ぐ南進し、2010/09にオープンしたばかりのスーパービバホームまで往復。帝京看護短大から住宅街路を再び進み、その後ちはら台東エリアも街路内の細道を進みつつ、ちはら台東4丁目横の、ちょうど千葉市緑区との市境手前のしののめ研成義塾前が終点となる。概ね2車線道路以上の道をゆくが、駅西側やちはら台東3丁目エリアではコミュニティ道路然とした細道も通る-その際、ちはら台東3丁目交差点のファミマ裏にバス操車場があるのを発見したり。大通りからでは判らない微妙なポイントだった。

スーパービバホーム前で少年含め2人が降車、女性1人が乗車。地場スーパーのSENDO(せんどう)前は敷地内のまさに店舗入口前に乗り入れ、ここでも女性1人が乗車した。その先の文月公園前で別の老夫婦2人が降車し、労災病院からの乗車客は全て降りた。ちはら台東3丁目と安藤こどもクリニック前、霜月公園でそれぞれ途中商業施設から乗った女性客が降りて、その先終点までは当方のみだった。
ちなみに運転手氏は今日が初めてだった様子、途中から乗った女性客が「東1丁目まで」とちはら台を省略して伝えたのに戸惑ったり、「霜月公園まで」を睦月公園と聞き違えて停車時にちょっとしたやりとりがあったり…といっても、『不慣れなもんで済みません』「こっちもマスクをしていて聞き取り辛かったんでしょう、御免なさいね」『いや、私がしっかり確認しなくて済みません』「いえいえ、御免なさいね」…といった微笑ましい?感じで終始しており、その他の乗客も降車停留所前で運転手に一声掛けたり乗降時にはほぼ挨拶を交わしているところをみると、コミュニティバスはやはり距離感の近さを醸成するのだなと想い入る次第-ま、乗車時の降車停留所確認に加え、現在は無料運行というのがその大きな理由でもあったりするのだろうが。

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終点到着後、バスはそのまま走り去っていった。折返便まで10分のインターバルをどうするのかと思いつつ、当方は徒歩で大通りを南下。先程確認した操車スペースを見ると、そこで小休憩を取っていたのだった。
交差点の先はパークシティとファミールハイツとのマンション郡。平和交通マイタウンライナーはファミールハイツ方面を廻り込むかたちでルート取りをしているが、小湊&千葉中央バスちはら台線系統の支線も2007/03に開設され、結果バスポールがバラバラに並んでいる状態…そのうちの1本を良く見ると、これは先程乗った五井駅東口行のもの。もともとちはら台から市原市役所・五井駅方面へはここを起点とした系統が結んでいたそうだが利用も少なく、結果免許維持路線的になっていたようで…現在では五井行朝、五井発夜の1往復が残っているが、例えば市役所方面アクセスを考えても有効時間帯とも言い難い微妙さがあったり。

さて、エリア内に張り巡らされている遊歩道「かずさの道」の高架橋から直通バス折返し便を見送って、遊歩道をしばし南下。台地形状を活かした水の江公園を下ると、千葉中央バス停を発見。周辺は未利用地が広がっておりいかにも開発途上の様相-そんな中をバスがやってきた。これが潤井戸新線(ちはら台南線)だ。
もともと誉田駅からr128からr130を経由して茂原街道との交点である潤井戸まで結ぶ系統が10.5往復あったところ、村田川を挟んだちはら台南エリアを経由するルートを10往復純増とはなかなかな大盤振る舞いとも思えるが、果たして日中ということもありやってきたクルマは乗車ゼロ。抜け道に使われているのか意外と交通量のある開発エリア南限の境界道路を抜け、橋を渡ると県道に合流。
瀬又交差点から北上すると丘越えルート。chibachuo雑木林が野趣を思わせせれば、ふと谷間に目を落とすとびっちり住宅が建っていたりと興味深い車窓が展開したが、結局貸切状態で誉田駅に到着。バスはそのまま新線経由の折返便となったが、バス停には数人の待ち客がいたもののバスに乗り込む人はいなかった。

誉田駅舎は2006/03に橋上駅舎化されずいぶんとオシャレになっていたし、その後の移動も2010/12改正で登場したデータイム京葉線直通快速に乗車と、こちらも新鮮だった-その意味では、着席通勤が望めない鎌取駅からこちらにスイッチする流れも…なんて夢想したのだが、新路線のダイヤは終日満遍なく引かれておりそういった考慮はあまりなさそうなのは如何なものだろう。

 

小湊・千葉中央バスの動きは市原市交通マスタープランに沿ったものですが、自治会バス経路を見るに、改めて事業者と利用者の視点は異なるものだなと感じさせられました。住宅街路のより細道を進むことや商業施設内での乗降対応などは必ずしも目新しいものではないのですが、既存免許区間を活かしたルート取りでは掬い切れないニーズがまだまだあるのだろうと。その一方で、労災病院前はともかく駅前ロータリーの対応ひとつとっても既得権益の影響かとつい邪推してしまったり。
その自治会バスにも課題はありそうで。市原市ではJR姉ケ崎駅と南部の青葉台団地間を結ぶ「あおばす」という住民主体バスの先進的事例(2005/11開業、小湊委託)があり、市の各種補助支援制度が整備されていることなどが今回の試験運行にもつながっているものと思われますが、どうも青葉台とちはら台とは趣を異にするような気がします(済みません実見したわけではないのですが…宿題かな?)。

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より大きな地図で ちはら台地域バス経路図 を表示

実は当方、昨年来何度かちはら台には顔出ししているところ、平日日中に訪れるのは初めて-商業施設を廻ったことも丁度良かったですが、ママ世代の女性がミニバンや軽乗用車で商業施設に乗り付けてくる姿とともに、寒空の下陽射しがあったことからか高齢者の方々(夫婦が多そう!)が遊歩道を散歩されていたのを多く見かけました。まだまだ若い街とはいえ街開きから20年を経過しているわけで、高齢化社会はここでも大きなテーマとなっているのです。
その意味でも自治会バス、乗客がもっとつけば云うに越したことは無いのですが、“無料運行”での実見からして車両サイズは悩ましいところ、ワゴンタイプでも足りるのかなとも思いつつ、メインを買い物および通院とするのであれば、少なくとも労災病院方面の一部便は事前予約制にする等のフレキシブルさで対応するのがいいかなと。その考えを進めると、率直に言って“欲張ったルート取り”となっている現状から、ちはら台駅・ユニモ・スーパービバホーム・SENDOのとちはら台東エリアの循環運行を基本としつつ、労災病院を含め適宜経路外デマンド運行-的なところに落とし込めればベターかなと思います。この辺りになると小湊・千葉中央バスには担いきれない部分で、タクシー会社との連携が望ましいかなと考えるのですが…さて。

なお、市マスタープランに話を戻すと、『辰巳台地区においては、長期的に京成千原線の延伸を睨みながらも当面は、外房線沿線と内房線沿線を結ぶバスの乗り換え機能の強化を目指します』ともあるところ、実質的には千葉労災病院がその機能を担えそうですが、さて八幡宿駅~労災病院系統をちはら台駅方面へ伸ばすのか、鎌取駅~ちはら台駅系統を労災病院方面へ伸ばすのか…このあたりと自治会バスがうまく取り持てればいいのかなとも思うのですがね。
ただその意味では、ちはら台エリアの交通結節点も、ちはら台駅ではちょっと弱いような…既開発エリアのバランスから見ると、スーパービバホームないしSENDO辺りに路線バスの結節点があればとも。そうなると先程の循環運行路線は路線バスでも成立でき(本数的に小湊ちはら台駅~労災病院線の発展か)、それとは別に福祉タクシーが連携するとなればベストでしょうか。もうひとつ欲張れば、平和交通マイタウンライナーないし羽田空港方面高速バスのP&Rなんてのも…それはもうひとつ先の話ですね。

自治会バス試験運行、一部修正で3月末まで継続へ

投稿者---551planning(2011/02/20(Sun) 15:45)

つい見逃しておりましたが、02/01に一部修正が行われていました。

8便運行されていたうち、利用実績を踏まえ朝晩の2便を廃止し6便に。その代わり12/15から概ね3ヶ月間とされていた運行期間が3月末までとなっています。
バス停変更は店舗内入口前まで乗り入れていたスーパーせんどう前を最寄路上に移動するもの。無論最徐行での運行となってはいましたが、時間帯によっては往来も多いでしょうし買物客等からのクレームでもあったのでしょうか。
あと、02/22~/25の間はメルファからローザに車種変更。行ければこの時にでももう一度…と考えてみますかな。

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無料バスから路線バスへ-「地域バス」への課題

投稿者---551planning(2011/04/24(Sun) 12:00)

ちはら台地区自治会連合会が2010/12から3か月超に渡り試験運行してきた「ちはら台エリア~千葉労災病院間直通バス」。結局03/31を以て運行終了となりましたが、04/08から新規に路線バスが2路線新設されることに。1つは小湊鉄道による千葉労災病院~ちはら台駅~ちはら台東交差点(五33系統)、もう1つは千葉中央バスによる誉田駅北口~ちはら台東交差点~ちはら台駅。ともに「ちはら台南北線」を名乗り、共通区間となるちはら台駅~ちはら台東交差点間では共通定期券も設定されました。
2路線のルートを確認すると、ともに既存免許保持区間を活かした形となっており、小湊は古くからあるちはら台団地~潤井戸~千葉労災病院~五井駅線(五04系統)と2010/04に運行開始したちはら台駅~千葉労災病院~五井駅線(五31・32系統)がミックスされたスタイル、千葉中央は大網街道まで区間を新設、誉田駅では2010/12に運行開始した潤井戸新線(ちはら台南線)との誤乗を避けたのかわざわざ北口に持っていっています。 いっぽう、無料バスが“攻めた”ルートのうち、かずさの杜エリアの内側ルートは路線化されましたが、ちはら台駅周辺エリアやちはら台東3丁目の裏道区間は除外となりました。

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より大きな地図で ちはら台地域バス路線図 を表示

というわけで、本来は双方見たかったものの、時間の都合で千葉中央バス路線のみ実見。ちはら台駅14:33発→誉田駅北口15:00着便と、時間は大変中途半端だったのですが…予想通りほぼ貸切状態。京成千原線で向かったのですが終着時点で30人ほどが降車したものの、大半が徒歩か自転車で散ってゆき、バスに乗ったのは当方と御婦人1人。この方も半信半疑の様子で乗車、「水の江に停まりますよね」と運転手氏に確認していました。水の江はエリア基幹路線である鎌取線のルートであるとともに、無料バスルートから除外となった東3丁目付近の区間ですが、ビバホームを経由したり帝京平成短大前交差点から横道に入ったりという展開にちょいと戸惑われていた様子。1つ手前で降車ボタンを押したものの訂正されていました。
かずさの杜エリアでは歩道で談笑されていた若奥様方から好奇の目? なるほど、ちょうど幼稚園バスの迎えの時間の様子、そこかしこで若奥様方の輪ができており、前回訪問時に高齢化がとした反面で、開発時期によってはまだまだ若い層も多い様子が伺えました。
ちはら台東4丁目交差点からは北上。次のマミーマートまでの区間は免許新設ですが、停留所自体は大膳野町までの路線があるため既設。次の誉田町南から大網街道に至る区間は完全新規、道路整備が進んでいないため少しばかりタイト。誉田南公園は大勢の子供が遊んでおり賑やか。大網街道も広くはなく交通量も多め、流れに任せてしばらく進むと、駅手前で踏切を渡り北上。2006/03に整備された北口に到着、直ぐの折返しですが乗客なく出発してゆきました。

さて時間の都合とは市原市内コミュニティバスの先輩である「あおばす」を見るため。2005/11から運行されているこの路線、JR姉ケ崎駅から南東2km程の青葉台エリアのうち、丘上でバス路線設定がなかった緑ヶ丘団地エリア(青葉台6・7丁目、市原ダイアパレス)の3町会が共同運営しています。aobus
姉ケ崎駅東口に降りるとロータリーがあり手前にバス停がありますが、あおばすの乗り場は向かいとなっており乗車には距離が。さすがに降車こそ駅前側でとなっていましたが、乗車についても交渉の末、夜間便では既存バス停からの発車となっている様子、この辺りも色々と難しさを感じさせます。
さてやってきた車は三菱エアロミディME、緑色が映えます。乗車したのは16:10発の帝京大学病院行、日中の各停便の最終となります。当方が乗り場についた時点では待ち人はいませんでしたが、その後千葉方面からの列車2本を受けて出発時点では6人で出発。駅前は道路整備途上という感じですが、既存免許の絡みか細道を進んで久留里街道に合流。久留里街道沿いには緑園都市ターミナルへの小湊、桜台団地・茅野(馬来田)方面への日東路線が比較的高頻度で走っていますが、あおばすは一旦南に進んで市原市姉崎保健福祉センター(アネッサ)に寄ります。婆サマ1人が降車後、小柄な車体を活かして入口前で巧みに転回したのには少々驚き…ある意味素直に施設玄関前を廻ればいいのかなとも思ったのですが、その辺りもいろいろとあるのでしょうか。

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より大きな地図で あおばすルート図 を表示

姉崎中学校前で爺サマ1人を加えると、緑ヶ丘団地入口交差点を久留里街道から離脱。戸建住宅が並ぶ緑ヶ丘団地エリアに駆け上がってゆき、バス停もあおばすオリジナルデザインに変わりました。メイン道路を左に折れるとみどりヶ丘公園バス停ですが、小さな四角い公園を丁寧に廻りこみます。そのままメイン道路を挟んだ南側にぐんぐんと進み団地内を周回。なるほど、これも小型車でしかできない芸当です。団地内で2人が降車、メイン道路に戻ってもうひと踏ん張りして丘上に上がると、右折してダイアパレスへ。一旦突き当たりまで進んで転回し、マンション手前の乗り場に据えられると、ここまで残っていた4人が降り、1人が乗ってきました。
ダイアパレスまでが朝晩の終点ですが、こんどは一気に坂を駆け下りて青葉台グリーンタウンエリアへ。奥にある帝京大学ちば総合医療センターが日中の終点、1986/05の開設で517床を誇る総合病院です。玄関横には大きな屋根を持ったタクシー待機スペースがありバスもそこで降車扱い、その向かい先にはバス乗り場があり、10人弱が待っていましたが、直ぐの折返しとなるあおばすに乗る人はなし。ちょうど2分後に路線バスがあり、全員がそちらに乗りました。病院および青葉台グリーンタウンのメイン路線で途中には県立姉崎高校もあり、終日20~30分間隔の運行が確保されています。

1便に乗っただけですが、なるほど小型車でないと厳しいですし、丘下および久留里街道上にメイン路線があるとなると路線設定としては尻込みしてしまったのでしょう。まさにコミュニティバスとしてフィットしているとともに、様々な課題に直面しながらなんとか解決仕様と努力する運営協議会の姿勢、特に実績含め「あおばすニュース」やウェブサイトでの積極的な情報公開はなるほど、国交省からも一目置かれるところかと。
ところで喫緊の課題は車両の模様…MEは新車で10年使用予定としていたものの1台のみ、日曜以外終日タイトな路線を動き回っていることからそこそこガタが来ている様子。実は当方2月に1度試乗しようと駅前に降りたものの、ちょうど点検のため大型バス代替となっていました。ちなみにこうなると団地内周回ルートは経由しない(できない)こととなり、日中利用にも幾許かの影響がある感じ。一方で朝晩の混雑を考えるとむしろ大型化も望まれているようですが、コミュニティバスゆえ臨機応変な対応は出来ない様子で…なかなか難しいですね。

 

ちはら台に話を戻します。2路線の運行となりましたが、無料バス乗車状況を踏まえ、ちはら台域内からユニモ・ビバホームおよび労災病院へのアクセスを重視したこともあり、両路線の関連性は薄いです。また、小湊・千葉中央がともに独自開設した路線との関係性も微妙な感じが。小湊は実質的に五32系統の一部延伸ということでちはら台駅からの労災病院方面本数はそのまま。また千葉中央では、ちょうど乗車したクルマがビバホーム経由時に潤井戸新線の誉田駅(南口)行とニアミス擦る感じとなったのですが、ともに乗客はなかった様子。ビバホーム周辺道路の都合上、潤井戸新線の誉田駅行停留所のみ別の場所となってしまうのも勿体無い気が。
chibachuo また、千葉中央路線だとユニモまで行かず、無料バスの京葉銀行前に新設されたちはら台4丁目バス停通過時にユニモ最寄・徒歩3分程との旨アナウンスされたものの、坂を伴うところからしてちと現実的でないような。むしろ隣の千原台公園バス停から公園越しにユニモの建物が見える分、判りやすいのかなとも…無論ユニモ乗り入れに越したことはなく、そういえば2月のローザ代走時にユニモでの乗降も見ていたので余計にその思いがあります。

素人的には、もし無料バスを小湊に依頼していたら、単純に五32系統の全便延伸で話が済んだところ、千葉中央になったがゆえに誉田発着という話になったのかな…と要らぬ詮索をしてしまうのですが。少なくとも千葉中央路線が潤井戸新線含め、ニーズとマッチしているのかも現時点では微妙と言わざるを得ないような。
その意味でもビバホームないしユニモに乗継拠点を整備し、ちはら台内巡回路線と鎌取・誉田・労災病院方面メイン路線との接続強化・乗継運賃制ができればベスト-という私見に変わりはないのですが、車両運用等々からハードルはかなり高いなと。というか、路線バスの限界を感じてしまいます-とはいえ、あおばすがコミュニティバススタイルにフィットしている一方で、ちはら台エリアはニーズも多彩ゆえ、住民主体での路線運営も至難の業であることは間違いありません。だからこそ「地域バス」という視点が求められていると思うのですが…。

この路線バス申請は住民の皆様方の要望を踏まえて実現しました。両バス会社のご理解を得て開設される予定のバスルートですが、利用者が少ないと廃止される事もあります。できるだけ多くの方に利用していただき将来の足の確保にご協力頂きたいと思います。住民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いします。

この路線は小湊バス、千葉中央バス協力を頂き実現したちはら台住民要望の新路線です。この開通により、ちはら台から千葉労災病院への直通ルート、誉田駅北口からちはら台駅の新ルート、及びビバホームとユニモの最短ルートが開設されました。このような利便性を備えたバス路線ですので、皆様方多数のご利用を期待しています。

ともに自治会リリースの一文ですが、まさしく活かすも殺すも利用者である住民次第。まずは乗ってナンボともなるのでしょうが、最後にたまたまネットで拾った某卒論概要を紹介しつつ(うーん本編を是非読んでみたい!)、より積極的に住民の声が届くような関係性、路線展開が進むことを期待しています。

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Re:無料バスから路線バスへ-「地域バス」への課題

投稿者---第4セクター氏 (2011/04/24(Sun) 20:04)
http://ameblo.jp/hbv502/

実験運行のコミバスが、ルートが違うとはいえ路線バス化されるというのは、非常に珍しい例ではないかと思います。

で、一番の問題としては、無料運行されていたものが有料化されたということではないかと思うのですが。
とある自治体で、無料の市街地巡回バスを運行していたのですが、いざ有料化(一回100円だったかな?)したら、乗客が60%減となったとか。
もともと有料化が視野にあり、予想としては30%減くらいの予想を自治体はしていたのですが、予想以上の減少に、担当者も驚いていましたね。

ちはら台自治会の、乗って残そうということは、至極ごもっともなんですが、一般の路線バス運賃を適用するよりは、こういった路線の場合は、もう少し低廉な運賃を設定しても良いような気もしますね。
たしか市原市には、自主運行バスへの補助制度があったような気がしますので、そのあたりを上手く使うというのも手ではないかと・・・
といいつつ、千葉市のエリアにもまたがるのですから、お役所の縦割り行政で、なかなかそういったことも出来ずらいでしょうけどね。

うーん、いつも思うことなんですが、路線バス事業って収益事業として、成り立ちにくいのかな・・・
路線維持のために、補助金は必須にしても、潰れてしまった某中国バスのように、黙っていても補助金で、ある程度会社は維持できる、その為に会社の士気が下がってしまうなんて例もありますからね・・・

本当に、地場の路線バスをどのように維持するのか、問題ですね。

Re:無料バスから路線バスへ-「地域バス」への課題

投稿者---551planning (2011/04/25(Mon) 06:45)

で、一番の問題としては、無料運行されていたものが有料化されたということではないかと思うのですが。

当方も似たような話を聞いたことがあります。事前アンケートでは「乗りますッ!」的な反応が相当高く出ても、いざフタを開けると立ち上がりはビックリするくらい少ないとか。やはりライフスタイルを変えるにはある程度の時間がかかるでしょうし、そもそも“流れ”に合っているかがポイントになるでしょうし。

あおばすはある程度成熟したエリアをこまめに走る、車体のカラーリングも全く変えて「おらがバス」を上手に演出しています…ま、ムーバスを祖とするコミュニティバスらしいコミュニティバスといってしまえばそれまでなんですが、住民主導な点や情報開示の姿勢などは全国的に見ても大いに参考になる例かと。
ではそれがちはら台にも導入できるかというとそうではなく、街の開発に合わせた路線展開、基幹路線の需要を見る限りでの事業者主体という根本はやはり変えられないかと。その中で、自治会バスが投じた一石は目を惹くものがあったわけですが、結果として路線バスというスタイル、「乗って残そう」という掛け声だけになってしまっている(ならざるを得ない)のは勿体無いというか。事業者が2社あることが幸か不幸か、イニシアチブを取るべきが事業者なのか行政なのか住民なのか…個人的にはちはら台については行政主体が望ましいかなと考えるのですが、プロのコーディネーターの存在が求められようかと。

うーん、いつも思うことなんですが、路線バス事業って収益事業として、成り立ちにくいのかな・・・

なかなかに難しいと思います。いわゆる規制緩和では「クリームスキミング」-イイトコドリが懸念されたわけですが、高速バスでカタチを変えて顕在化する一方、路線バスでは局地的な事例はあるものの、やはり収益性ではハードルを感じざるをえないのかなと。
その意味では“補助金ありき”ではなくて、まずはバランスシートの開示なのではと考えます。まさにあおばすがそうですし、最近では一部公営事業者によりウェブ等での公表もなされていますが、路線別までは厳しくとも、エリアや事業所単位からはじめてみると。結局人件費が重く出るでしょうし、昨今では燃料費の振幅も経営に大きく左右するものとなっていることを明確化し、ゆえに税金で補助する、あるいは地域住民の支援で路線が開設維持できるのだと示すわけです。その上で特に交通行政(警察)との調整を簡略化すれば、“流れ”に合った路線開設の余地はまだまだあるのではと思うのですが…。

Re:無料バスから路線バスへ-「地域バス」への課題

投稿者---第4セクター氏 (2011/04/25(Mon) 08:26)
http://ameblo.jp/hbv502/

その、プロのコーディネーターという人が、日本では皆無といった状態なんですよね・・・

ローカルな話で恐縮ですが、沼津・三島地区は、昔はバス会社4社がエリアを複雑に分けて、バスを運行していました。現在は3社になりましたけど。
で、そういった中では、各社の考え方の違いやバス事業に対してのスタンスというのが、如実に現れてきてしまうんですよね。
自治体のバス担当者によれば、自治体のほうから共通回数券の設定や、バスカードの導入などを提案しても、1社は同意しても他社が難色を示す等等・・・

こういったところで、調整できる方がいればよいのでしょうけどねぇ。

また駅前の乗り入れに関しても、JRの乗り入れ許可の他に、3社会と呼ばれる既存の会社の許可がいることで、新規の会社の乗り入れを実質的に締め出しているということもあるわけでして・・・

バス業界に顕著な例なんですが、規制に守られ、本当に小さな利権にしがみついて、乗客の目線から離れたバスを運行するといった例が散見されるんですよね。

そういったところから改善していかないと、ローカルバスの未来は無いとは思っているんですけどね・・・


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