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都市圏近距離直行バス

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(過去ログNo.)

狙いドコロは興味深いが…仙台-川崎町間ツアーバスの夢幻?

投稿者---551planning (2010/08/09(Mon) 18:09)

たまたま引っかかったお話。

先に交通労連軌道バス部会ブログを見たのですが、「宮城県岩沼市の旅行会社が、08/17から仙台市中心部と県南西部の川崎町とを結ぶツアーバスを1日4往復運行」との河北新報報道があり、急ぎ国交省、日本バス協会、交通労協とも連携してこの計画を阻止した-というお話。

まずもってこのツアーバスは、川崎町内にあるボートピア川崎の無料送迎バスを一部活用するスタイルで運行、ツアーバスゆえ事前電話予約制ながら料金をワンコインの500円に設定。同区間には宮城交通の路線バスが9本あるものの、河北記事では『ワンコインで仙台まで移動する手段ができ、通学、通勤、観光の利便性が向上する』と歓迎する町観光協会のコメントを載せています。宮城交通サイトで確認すると直通便で仙台行4本/発5本あり、運賃は仙台駅前~川崎中央間で1090円。半額ともなればかなりなインパクトも想像できます。

で交通労連ブログでも呆れているのが、同じ記事中の『ツアーバスは長距離路線では一般的となってきたが、地方生活路線では聞いたことがない』との東北運輸局コメント。「お粗末のなのは、支局ではないか なぜこのようなものを見ているだけのか こんな運行を認めたら、“4条免許”の存在意義はどうなるのか でたらめもいい加減にしてもらいたい」と御立腹です。
現地状況に明るくないので、ちょっとの検索ベースで語るべきでないとは思うものの、川崎エリアからの対仙台アクセスはかなり先細りになっている状況の様子からして、個人的に無料送迎バスの送り込み回送活用という狙いは興味深いと思うものの、やはり半額は行き過ぎでしょうし、そもそも無料送迎バスとのバランスが、という話にもなろうかと。ただしこのあたりは、ボートピア来場者に実質無料券等配布による補填などテクニックで何とかなりそうですし、折角地元貸切バス事業者が“乗った”のであれば、宮城交通などともしっかり話し合ったうえで路線申請の上で本腰を入れるべきとも思うのですが、どうなんでしょうか…。ま、愛子観光バスの事例もあるだけにどうしても尻込みせざるを得ないのかもしれませんが。

明確な線引きの前に“公共の福祉”から考えたい

投稿者---551planning (2010/08/15(Sun) 20:12)

宮城の“近距離ツアーバス騒動”、河北の続報が来ました…地元では戸惑いの声が!

記事によると、『川崎町公報に掲載された計画を見た東北運輸局宮城運輸支局』が、このツアーバスが乗降場所を複数設置し、運行ダイヤを予め町公報にて周知していることから、「路線バスの運行形態に類似している」と判断。川崎町~仙台間には既存バス路線があることから、路線バス許可申請を求める形で事実上の待ったをかけたとのこと。
ただしツアーの違法性については「違法かどうかは上局と協議して判断する」と答えるにとどまっており、旅行会社側は『道路運送法に基づいて、わが社のツアーのどこが違法なのか明示してほしい』と強調。佐藤昭光川崎町長も『ツアーバスが当面延期となったのは非常に残念。合法的に実現してもらえるのを願っている』と語っている由。

川崎町サイトはさらっと見ていましたが、町広報までは見てませんでした…をっ!デカデカ載ってます。“川崎☆仙台 新アクセス誕生。”と題し、“ツアーバスサービス「バスネット500」運行スタート!”と書かれていますね。
注目は催行者の関係性で、河北記事では岩沼市の有限会社ジャパントラベル東北が企画し、川崎町のタケヤ交通が運行受託-とされていたのですが、町広報によると企画は「宮城県旅行業協会」という株式会社、ジャパントラベル東北川崎支店が受託販売となっています。タケヤ交通はサイトがあるのですが、旅行会社は2者ともさらっと検索レベルでは目ぼしい情報は引っかかりませんね。 なおジャパントラベル東北川崎支店とタケヤ交通は同一住所、掲載写真はタケヤ交通サイトにある中型バス、運行経路でも「ジャパントラベル前」との記載が-ちなみに町広報では『このツアーバスは路線バスではありませんので、停留所はございません』との注記もしっかり入っています。

川崎町バス

現地の知識に乏しいためトンチンカンなことを言っていたら御指摘賜るとして、それにしてもその運行経路、最初の記事から受けた印象では高速経由にでもするのかと思いきや、結構ポイントを細かく設定している様子、がっつり下道というかこれでは宮城交通路線バスとモロ被りでしょうね。
4往復の設定時刻ですが、仙台方面始発便は宮城交通路線バスよりも若干早く、16時台も近似。20時台の新設はどうなんでしょうね。川崎方面へはいい感じで路線バスを埋める形になっており、22時台の設定は地元としては嬉しいのではないでしょうか。

川崎町におけるバス路線の現状は、宮城交通秋保線川崎系統(仙台駅~野上かみ)が平日発4/行5・土曜発3/行4・日曜2往復、ミヤコーバス川崎線(大河原駅~川崎)が平日5往復・土休日発4/行3の運行、これとは別に町営の「かわさき町民バス」が9系統が運行されています(土休日運休)。
それこそ山形道全通前には笹谷特急として町内でも乗降対応が行われており、その名残か宮城交通川崎案内所が現存するもののかつての操車機能は失われており、所轄営業所だった村田営業所も2008年にミヤコーバスに移管されるなど、ここ数年においては極限までの先細り状態に。Wikipediaからですが、実は今年3月に秋保線が休日全便運休となったものの6月に復活するなど不安定な状況になっている様子…そのような背景からみると、町が飛びついたのも判らないではないという印象を受けます。

ただし、ジャパントラベル東北側が『道路運送法に基づいて』と述べているのは語るに落ちるという印象も…河北記事でも簡易ながらも道路運送法に基づく路線バスと旅行業法に基づくツアーバスの説明をしており、『計画書通りの定時定路線運行が義務づけられる路線バスに比べて、経費面での利点が大きいとされる』とまさしく核心を突いてます。
確かにツアーバスそのものは違法ではないものの、その実態が一般旅客自動車運送事業に近いのであれば、きっちりそれに則ることこそが公共の福祉にあたろうというもの。少なくとも、コストで有利な部分を価格に反映させるというのであれば、ある意味進退窮まっている宮城交通とも種々調整したうえで王道を歩むべし-と運輸局であり川崎町が指し示すべき“行政たる役割”だと思うのですが。

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  • Data:平日時刻表
  • 川崎中央→仙台駅前
  • ツアー:06:18→07:15
  •  路線:06:30→07:22
  •  高速:06:45→07:50
  •  路線:07:10→08:21
  •  路線:10:15→11:23
  •  高速:10:40→11:26
  • ツアー:11:47→12:56
  •  高速:16:10→16:56
  •  路線:16:16→17:22
  • ツアー:16:22→17:42
  • ツアー:20:22→21:42
  • 仙台駅前→川崎中央
  •  路線:08:00→09:09
  •  高速:09:08→09:49
  • ツアー:09:15→10:19
  • ツアー:13:15→14:19
  •  高速:13:18→13:59
  •  路線:14:05→15:15
  •  路線:16:05→17:15
  •  路線:17:50→18:59
  •  高速:18:08→18:49
  • ツアー:18:10→19:09
  •  路線:19:24→20:30
  • ツアー:22:05→22:56
  • (2010/10/04現在)
  • Photo:BP川崎無料ファンバス
  • 川崎町バス
    駅前で待機中
  • 川崎町バス
    フロントにレースガイド
  • 川崎町バス
    山坂道を行く
  • 川崎町バス
    宮城蔵王ロイヤルホテル送迎バス
  • 川崎町バス
    釜房大橋を渡る
  • 川崎町バス
    花で彩られたみちのく公園
  • 川崎町バス
    ボートピア川崎に到着
  • 川崎町バス
    山形便は自家用マイクロバス
  • Photo:ミヤコーバス川崎町線
  • 川崎町バス
    BP川崎入口前のポール
  • 川崎町バス
    建物とはこの距離感
  • 川崎町バス
    向かい先が待機場所
  • 川崎町バス
    運賃表示機の上に運賃表
  • 川崎町バス
    路線バス仙台駅行と離合!
  • 川崎町バス
    宮城川崎ICから高速走行
  • 川崎町バス
    20分ほどで宮城仙台ICへ
  • 川崎町バス
    仙台駅前には若干の早着
MiniRepo

ミヤコーバス「仙台・川崎町線」速見録

投稿者---551planning (2010/10/06(Wed) 08:00)

宮城の“近距離ツアーバス騒動”ですが、その後ミヤコーバスが10/01から3往復の高速バス路線開設を発表、

採算性では困難もある路線だが、観光や通勤通学の利便性向上のため開設を判断した。他社の参入計画は全く判断材料にならなかった。

との同社コメントが河北記事で紹介され、特に後段については思わず吹き出しそうになった次第で。ジャパントラベル東北&タケヤ交通企画について待ったをかけた東北運輸局の“指導”等もあるのかなと推察するところですが、ともあれ地元にとっては福音となるでしょうか。
各種記事ベースで触れたきた分、そもそも土地勘がないので-ということで、まずは乗ってみようと。個人的には広報でツアーバスを紹介していた川崎町役場のスタンスも気になっていました。本当は在来路線や大河原系統もチェックしたかったのですが、強行軍ゆえ単純往復というカタチになりました。このあたりは推移を追うという意味でも宿題にしておきます。

まずダイヤを見ると、朝昼夕の3往復で平日朝の仙台行のみ村田経由となります。ツアーバス計画は4往復で、夜便がない形ですがその他の時間帯はほぼ近似といってもいいかなと。大きく異なるのは経路で、ツアーバス計画は一般道経由だったのが山形道・東北道・仙台西道路経由となり1時間を切るのは利便性としては大きいものとも。一方で始発地はなんとボートピア川崎となっており、確かに宮城川崎IC経由という意味ではルート的におかしくはないものの、現状仙台、北仙台・秋保、山形から無料ファンバスが運行されていることからしても異例な気が-やっぱり“指導”によるものとつい勘繰ってしまったり。なお運賃は1000円で、いきなり回数券に加え定期券も設定されていますが、路線バス定期券との共通利用は図られていません。
というわけで実見ですが、ほぼ日帰りの強行軍ゆえ、川崎町16時台の仙台行という非常に中途半端なチョイスに。先述の通りこのあたりは後日の宿題とするとして、往路は路線バスも選択可能だったのですが、“ツアーバスの夢幻”に想いを馳せるべく?ボートピア川崎無料ファンバスを利用してみました。


月曜昼の仙台駅前は時折小雨交じりの生憎な天気。山形行特急バスが頻発する旧仙台ホテル前バス停群にてしばし待機…ボートピア川崎サイト記載の通り待っていたわけですが、関連する記載は常設バスポ-ルには当然なく、それらしき特設ポール類もないため若干不安にも感じていました。ちなみに高速バスは村田・蔵王町系統と同じ向かいのさくら野百貨店前33番、路線バスは秋保温泉行と同じ西口バスプール8番乗場です-と、薄紫色の旧式セレガがやってきました。タケヤ交通のバスで、フロントには「仙台便」とも掲出されています。オジサン3人が乗り込んでゆき、当方もフロント部に詰まれたレースガイドを頂きつつ乗車。
仙台市立病院前では乗車なしも、河原町とJR長町駅前で各3人、地下鉄長町南駅前と新道西多賀で各1人が乗車しましたが、いずれもポール等はなく河原町に至ってはバス停でもなんでもないところに停車-総勢11人はさすが全員男性、常連客ばかりのようで運転手もこんにちはと声掛けします。レースガイドや予想紙とにらめっこする人もいれば目を閉じる人もいて、車内は一様に静かです。イオンスーパーセンター鈎取店横のR286山田交差点を右折して丘上の住宅街を進むと風景が一変、左下に名取川を見下ろす細道をしばし。住宅街の中の太白消防署前に停車することもあるのでしょうが、結局その後R286に合流する分ルートとしては中途半端という感じ。無論、こちらが旧道であり路線バスの経路でもあるわけなのですが。
東北道仙台南ICを横目に進むと、茂庭交差点で県道から右折する薄紫色のバスが。横には「宮城蔵王ロイヤルホテル」と貼られており、ホテルサイトによると今年5月から運行している仙台駅とを2往復する無料送迎バスをタケヤ交通が担当している様子。ちなみに同ホテルには2006/09からミヤコーバス仙台・村田蔵王町線が乗り入れているのですが…。

しばらく片側2車線道路が続いていたのですが、秋保温泉方面との分岐を越えると片側1車線道路となりカーブも増えます。仙台市から川崎町に入ってすぐはニュータウン整備が進められている支倉台、そうこの先の地が慶長遣欧使節の支倉常長の出身地です。緑が深くなってきたなと思えば、釜房ダムから仙台の水がめ・釜房湖畔へ。釜房大橋から湖面を見ると所々で噴水のように水が湧いているのですが、なるほど水質管理のための強制循環装置なんだとか。
左手に湖を見ながらしばし進むと、国営みちのく杜の湖畔公園(みちのく公園)です。1970年ダム完成以降周辺地域の環境整備が進められた結果、1989年に東北地方ではじめてにして現時点で唯一(全国では10箇所)となる国営公園となっています。平日かつ雨天とあってこの日こそ人気のない静かな感じでしたが、年間を通じてさまざまなイベントが催されており、地元川崎町としても観光振興(のためのアクセス整備)に力を注ぐ理由の大きなひとつとなっています。川崎町バス

公園の先で左折し、しばらく進むと丘の途中に青い建物が。あれがボートピア川崎、1998/03のオープンです。途中渋滞等もなく、ほぼ定刻での到着となりました。しばらくして山形からの無料送迎バスも到着、あちらは白ナンバーの自家用マイクロバスでやはり10人ほどが降りてきました。広い施設内では戸田と平和島の一般戦が発売中、ざっと見て200人ほどでしょうかね。当方も十ウン年ぶりに買ってみましたが…そう上手くはいかないもので。
さて、市街へ向かうべくタクシーを手配。案内所からは電話できないとのことで番号を教わり外でしばし待ちます。ちなみに案内所横にはミヤコー高速バスのポスターが貼られ、チラシもたっぷりありましたが、バスポールが見当たりません…と、場外にミヤコー車が停まってました。定刻仙台駅13:18発、ボートピア川崎には14:09着予定ですが、やはり早着だった様子。タケヤ交通車とのすれ違いにはなんともいえない雰囲気が…で、ポールは入口横にありました。営業時間外の早朝発着もあるため当然といえばそれまでではあるのですが、建物からは遠いですね。と同時に周囲に人家はほとんどなく、改めてここを始終着とする積極的理由はないような気がします。
やってきたタクシーに乗り込み、待機するミヤコー車を横目に高速バスができた旨を運転手氏に振ってみましたが、『あんまり乗ってないんじゃいかなぁ』とあまり興味はない感じ。村田町とを結ぶ県道14号線で丘を下り、10分足らずで市街へ。と、その入口に薄紫色のバスが数台停まっていましたね。

タケヤ交通実見は後程とし、まずは川崎町役場へ。現時点でサイトにアップされていない広報10月号を受け取ると、10pに高速バス運行の記事が掲載されていました。『町民への仙台への通学、通勤の利便性を向上するとともに、みちのく湖畔公園やボートピア川崎などレジャー施設利用の促進を図るため』の開設との紹介、乗車時間の短縮などますます便利になったバスに、『地球温暖化防止を推進する上でも、バスを活用してみてはいかがですか?』と勧めています。
が、余所者ゆえごく短時間に留めたながらも役場内受付付近には、ボートピアであったチラシ置きやポスター貼付などはなかったような。みちのく公園サイトではニュース紹介されているものの町サイトや川崎町観光協会サイトでは現時点で高速バス関連の紹介はなく、町としての温度感はやはり高まってはいないのでしょうか…なおこれは蛇足ですが、川崎町観光協会サイトではタケヤ交通に触れられており…。

そうそう・・・皆さんご存知でしたか?タケヤ交通のデザインは、伊達政宗の愛した色(紫)と川崎町の川・そして☆彡何ですって?~?素敵ですね(^_-)☆是非一度は乗ってみて下さいね!!

そのタケヤ交通へ。r14を挟んで、「ジャパントラベル東北川崎支店」との看板を掲げた事務所施設と思しき建物と、「ボディーショップ大宮」という修理工場に数台、あと少し離れたところに駐車場があり先程乗ったバス含め10台弱が停車中。サイトによると保有台数17台とのことなので今日はその多くが休んでいるというところでしょうか。乗車した旧式セレガはワイパーが曲がっていて異音も発していましたが、車庫にはセレガーラもおり平均車齢は高めというわけでもなさそうでした。ちなみにボディーショップにはボンネットバスもいましたね。

川崎町バス川崎町バス川崎町バス

こんどはr14を西に進んで宮城交通川崎案内所へ。宮城川崎IC入口のすぐ手前、国保川崎病院の手前にありました。砂利敷きのさほど広くないスペースの真ん中に平屋の建物があり、職員が1人詰めている様子。手前に窓口があって非常に狭い利用者スペースに路線図などが掲出されていましたが、定期券購入と思しき中年女性が職員と何やら話しこんでおり、中に入るのは遠慮。
なお、川崎町民バスは国保川崎病院・川崎町健康福祉センターやすらぎの郷を拠点にしており、案内所横には「川崎駅」バス停が。ちょうどバスが2台やってきましたがいずれも乗車はなし。更に仙台駅前14:05発の野上かみ行路線バスが到着、こちらも乗車はなかったものの、いつ現れたのか女性が1人乗り込んでゆきました。

川崎町バス川崎町バス川崎町バス

この間市街を行ったり来たり、平日午後ながら雨天もあるのか大型トラックなどクルマの交通量こそ多いものの人影はまばら。コンビニもIC横のサンクスしかなく、市街にはスーパーがひとつと、昔ながらの各種商店がぽつぽつとある感じ。商店街を形成しているとまでは行かない分シャッター街化という印象こそ避けられているものの、往時は賑わったんだろうなという侘しさ、寂れ感がありました。改めて地図を見るとR286川崎バイパスにローソンとファミマ、コメリがあるとのことで流動がロードサイドに移行しているとのことなのでしょうが、路線バス・高速バスとも市街経由となっている点をどう見るか、でしょうかね。

川崎町バス ということでその市街・川崎中央バス停からいよいよ乗車します。ボートピア川崎からみちのく湖畔公園を経て現れたバスは予想通り乗車ゼロ。そして川崎中央からは当方と意外にも?用務然とした青年男性が乗車。車両は経年と思しきエアロクイーン、トイレなし11列でした。運賃表示機には村田線とともに川崎町線の運賃表が上から貼り付けられており、回数券は使用していない様子。ちなみに運賃は後払いです。
柴田農林高川崎校の手前で先程案内所で見送った野上かみからの仙台駅行路線バスと離合、ぱっと見ながらやはり乗客はほとんどいなかったような。川崎案内所では乗車なく、見送った職員が事務所のカーテンを閉めて今日の店仕舞となっていました。

宮城川崎ICから山形道、東北道を淡々と走り、20分ほどで宮城仙台ICから仙台西道路へ。トンネルを抜け市街地に入ると度重なる信号待ちで滞りましたが、仙台駅前には定刻より気持ち早着。同乗者は終点の県庁市役所前々で乗り通してゆきました。


開業直後、ざっとの駆け足実見でしたが、個人的な感触としてはミヤコー側も云うように厳しそうだなというのが率直なところでしょうか。

町広報でツアーバス計画詳細を知った際に思わず「高速経由でなくがっつり下道というか宮城交通路線バスとモロ被り」と評しましたが、結果的に誕生した高速バスでは特定需要として川崎市街中心部のニーズしか拾えないのが難点でしょう。ツアーバス計画では実需要はさておき、ボートピア送迎バスでは乗降ポイント設定のない茂庭や支倉台にも停まることとなっており、そもそもR286の状況からしてある程度時間が読める分、仙台西道路の信頼性や非常時には長町で逃げられる等々を考えれば、高速バス路線としたのはどうなのかなとすら思ってしまいます。観光路線としてもR286のアプローチは変化に富んでいますし。

おそらく急遽の計画ゆえか一般路線には手を入れず完全新規路線となった分、実見した16時台ではまさしくバッティングしており、平日夕方という中途半端な時間帯を考えても川崎市街レベルで実乗数人とは唸ってしまう現実です。早晩時間調整が図られる可能性がと思われますが、この路線成長にはまず川崎市街でのP&BR考慮は必須かと思いますし、かわさき町民バスとの連携も考えたいところ。川崎案内所と川崎病院・やすらぎの郷付近で交通ターミナル的なものができればと思ってしまうのは素人考えでしょうか。

川崎町バス川崎町バス川崎町バス

更に素人考えを進めると、持続的な可能性を探る意味では、インフラ投資として重いのは承知のうえで、山形道上への高速BS&駐車場整備による仙台山形特急バス一部停車をとも思います。投資を極限に抑えるには、宮城川崎ICを降りてさほど遠くない川崎案内所を経由するというのも無理筋ではないですが、両県都間移動者にとって10分延は敬遠要因にもなりそう。朝1便がそうなっている村田蔵王町特急線の枝線的にするのもとも思いますが、経路的には中途半端になるきらいも。
結果的には、ボートピア送迎バスの活用というアイデアは非常に優れていると云わざるを得ないというか、新しいモデルを示せたのではとも思える分、現状は非常に惜しまれる結果となってしまったなと。川崎町役場の温度感も当方が危惧していたようなそうでないような…という感じがするだけに、事前段階でもっと上手く進められていたらな、と考えさせられたのでした。

川崎町バス

川崎町のツアーバスについて

投稿者---第4セクター氏 (2010/10/11(Mon) 10:31)

結局、需要が無いと言うことなんでしょうね・・・
そう考えると、ボートピア送迎バスの有効活用が、一番の方法なのかな・・・、路線バス派としては、認めたくは無いんですけどね。

山形道へのバス停設置は、大いに賛成ですが、公団時代から本線上にはバス停は設置しないと言う方針がありますしね・・・
そうなると、インター近くに乗降場設置?
それでは仰るとおり、運行時間が延びてしまいますし・・・
デマンドシステムを入れて、インター内にバス停設置、そしてP&R用の駐車場整備というところが、落としどころになるのかな。
ただ、これも川崎町が、公共交通をどのように考えているのかということなんですが。

Re: 川崎町のツアーバスについて

投稿者---551planning (2010/10/11(Mon) 11:52)

リポートでも記したように、高速経由にしなければ茂庭や支倉台からの流動も…とも思ったのですが、一方でこの高速バス設定のトレードオフで路線バスの釜房ダム付近区間一部廃止の可能性もあるのかな、という気がしています(なお同エリアについてはかわさき町民バスも運行されている)。

本線へのBS追設は無理筋を承知で触れてみましたが、IC付近乗降場設置としてもICとR286の間が微妙な距離感で、そもそもP&R機能特化型となるにしてはパイが小さいような。内向きの地域公共交通たるかわさき町民バスは頑張っていると思うのですが、仙台市のすぐ隣、道路環境も山形道をはじめ比較的恵まれているにもかかわらず、地場産業的には観光に活路を見出さざるを得ない現状をして、外向きの公共交通の立ち位置の難しさ、苦しさとなっているものと。その中でやっぱり送迎バスの存在は大きいんですよね…。

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高速仙台川崎町線の夢幻…

投稿者---551planning (2012/06/28(Thu) 13:44)

運行開始から1年10ヶ月。東日本大震災という文字通りの地殻変動があったものの“現状維持”を続けてきたミヤコーバス高速仙台川崎町線。結局、仙台蔵王町線に事実上吸収されることとなりました。

現行3往復のうち、朝の仙台行1便のみそうであった村田町役場前経由に全便経路変更され、朝晩2往復に減便。改正時刻も微調整されているとはいえ、路線バスとの関連性はやはりなさそうで。 川崎町役場で何か情報がないかと久々に見たら…5月に「川崎町地域公共交通総合連携計画」がまとめられているじゃないですか!

昨秋から3度の会議を経て纏められたもので、斜め読みからでは町内小学校統廃合に伴うスクールバスの運行および町民バス改善策がメインとなっているところ、既存路線・高速バスとの連携強化も盛り込まれており、ダイヤ見直しや国保川崎病院・ボートピア川崎付近へのP&R駐車場整備が掲げられていますが…『高速バスの利用向上に向けて、高速バスアンド町民バスライドとして導入する方向も』との一文がありながらも、高速バスの実績値は1便辺り2人という惨状。『高速バスのメリットが活かされていない』『需要から見た場合では、仙台方面への高速バス以外の増便の可能性』という文言が現実を如実に示しているものと。
日中流動である町民バスと通勤通学メインの路線バスの穴を埋めるべく、乗合タクシーの導入検討も言及されていますがどうでしょうか。そもそも、既存バス路線の維持・充実対策としてバス路線相互のダイヤ調整が言及され、ミヤコーバスも委員に名を連ねていたのにこの結果とは…その意味では、計画自体にボートピア川崎の無料送迎バスや、釜房ダムの水陸両用ツアー用シャトルバスの存在が無視されているのも如何なものかと思うのですが。


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