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    団地南部の東武バス折返場
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都市圏近距離直行バス

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(過去ログNo.)
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首都高を乗合バスが走る!その狙いを探ると…

投稿者---551planning(2010/08/06 17:00:00)

2010/07/26、東武バスウエストはさいたま新都心駅東口~東新井団地間に新路線・新高01系統を開業しました。2006/08/04開通の首都高速s2埼玉新都心線新都心ランプ~さいたま見沼ランプ間を経由することで団地エリアからのアクセス向上を図る路線です。

首都高速を走る一般路線バスとしては、B湾岸線東京港トンネルを潜る京浜急行バス船の科学館線(大森駅・大井町駅~東京テレポート駅)と横浜ベイブリッジを渡る横浜市営バス109系統(横浜駅西口~大黒埠頭エリア)が現役として、以前にはやはり東京港トンネルを潜る都営バス海01系統(~品川駅東口)や、古くは現東急バスの東83系統(桜新町~東京駅南口)と東98系統(等々力~東京駅南口)のうち通勤時に3号線や2号線を経由する便が運行されていましたが、鉄道路線整備や利用低迷等で廃止されています。

当方恥ずかしながらs2の同区間開業も把握していなかったのですが(2000年夏、羽田空港連絡バス大宮線試乗時に与野JCT→新都心西仮出口間のみ実乗)、1区間だけのショートカットとは興味深い話、しかも当方にとっては懐かしいエリアでもあるだけに、まずは乗ってきた次第で。


東武バスウエスト

さいたま新都心エリアに来るのは相当久し振り、特に東口の記憶は整備途上のものでしたが2004年にコクーン新都心がオープンし駅前広場も立派です。今回の新設系統のベースともいうべき新都22系統も2004/10/11の運行開始で、もとをただせば北浦和~岩槻系統の派生路線、さしずめ新高01系統は孫にでもあたりましょうか。
駅前広場には10時前の到着、時刻は事前に押さえておりしばし時間があったので何故か東口に入ってくるNCB高速バスのりばなどをチェックしていたものの、あまりの暑さにともかくまずはということで先発となる新都22系統に飛び乗りました。

埼玉県道56号線をしばし東へ。前方には首都高速の大きな換気塔がすっくと建っています。北袋町交差点から県道35号産業道路を南進しますが、交通量が多いものの片側1車線の狭い道、市街地化も進んでいるゆえに道路脇の商店等に右折しようというクルマによって直ぐ滞る印象を受けます。上木崎四丁目交差点から再び東進、こちらも片側1車線の狭い道、後で地図を見て県道1号線とあったので驚きましたが、後述する第二産業道路の支線としての登録との由。
浦和西高前を過ぎると建物が建て込んでかなり狭苦しい木崎交差点で北与野からの路線と合流、行き交うバスも増えます。ここからは県道65号線を進みますが、第二産業道路との交点となる山崎交差点では手前のバス停降車と信号間隔もあり通過するのに2回引っかかりました。東武バスウエスト

交差点を越えた山中橋バス停で降車、クソ暑い中第二産業道路の芝川と見沼田圃を一気に跨ぐ新大道橋を北に渡ると、丁度中間点がさいたま見沼ランプと直交接続となっています。先行した10分後に新高01系統便が出発しておりそろそろと思っていたら、予想よりも早く緩やかにカーブする首都高部分をバスがやってきたので、交差点まで小走りで…信号待ちに助けられ、ランプを出てくるバスをなんとかパチリと。
バスは新大道橋を南下し、山崎交差点をV字ターンして新大道橋より一段低い県道65号に進みます。当方はバスを遠くに見やりながら橋を北進し、汗を拭き拭き東新井団地まで歩きました。

東新井団地は県住宅供給公社の整備により1980年頃から入居開始、低層住宅が立ち並んでいるほか、周囲も戸建住宅などの宅地開発が進んでいます。アクセスとしては北浦和とさいたま新都市からの東武バスと大宮駅東口からの国際興業バスがあり、東武バスが北浦和へ平日日中毎時2~4本、さいたま新都心へ平日日中2本に高速経由が1本という構成ですが、土休日には北浦和へ日中4~5本、さいたま新都心へも時間帯によってばらつきはあるものの平日よりも運行本数が増えているのが面白く、それぞれ浦和駅・大宮駅まで延長運行される便もあります。なお、新路線開業に伴い既存路線便は一部減ってはいるものの、単純に両端では10便以上の増便となっています。
いっぽう国際興業バスは大宮駅東口へ日中毎時4~5便、平日朝7時台には13便が出ています。団地北側を東西に走る県道214号線は、2001年の埼玉高速鉄道開業を見据え2000年に浦和・大宮の2営業所を統合したさいたま東営業所のメインルートとなっており、片柳や大谷方面からの路線を加えて日中でも数分単位での運行という太い流れを形成。東新井団地からの路線とのまさしく交点には双方向需要のキーともなってきた日大法学部大宮キャンパスがあるのですが、2009年度から一部体育授業を除き東京・神田三崎町キャンパスに統合された関係もあるため利用が減少、結果的に日大前折返を延長するカタチで東新井団地まで入ってくるバスが増えているとの話もあります。

東武バスウエスト
より大きな地図で 東武BWさいたま新都心駅~東新井団地線 を表示

東武バス路線の平日7時台は北浦和行が8便、さいたま新都心行が2便に今回の首都高経由が2便加わっています。対東京方面通勤で考えれば大宮駅を選択するほうが利便性ではかなり高いものの、大宮駅周辺は産業道路近辺で道路渋滞による遅延が発生しやすく、時間が読めるという意味においては中電も停まるさいたま新都心駅という選択も可能性として…という狙いもあるのかもしれません。
ちなみに東武バスは団地南側に折返スペースを確保、いっぽう国際興業バスは「団地南」停留所と称し、やや北側に進んだ場所に別個の折返スペースを持ち、路線としては団地エリアをぐるりと3/4周する感じです。東武バス折返スペースには道路を挟んでコンビニがあり、しばし涼を取ります。酒屋からの転換なのでしょうが、酒販スペースを別途設けているほか、店内でパンを焼いているなど頑張っている様子。

いよいよ新高01系統に乗車します。出発前には丁度大宮駅行が到着、10人ほど乗り込みました。こちらは当方を除く6人が乗車、大宮行含めいずれも女性で、平日昼前の買物という感じでしょうか。途中富士見ヶ丘バス停では女性が1人待つも後退り、北浦和方面利用者でしょうか。山中橋ではやはり女性1人が待っておりこちらは乗車しました。
山崎交差点をV字ターンし、いよいよさいたま見沼ランプから首都高入り。s2はほぼ全区間が1車線で制限速度60km/hとなっているためか、バスにシートベルトはついておらず、ノンステバスが快調に飛ばしてゆきますが、速度超過警報音なのかビープ音的なものが鳴っていました。ちなみに団地出発時にETCカード挿入の音声案内があり、行路表も新高01系統の往復メインとなっているところ、やはり専用車ではあるようです。
s2は見沼田圃の中をゆるやかに弧を描きます。眼前にはさいたま新都心の高層ビル群、両側には緑のじゅうたんが広がるという、えもいわれぬ風景ですが、あっという間に新都心出口に。当方は北袋一丁目で降車、折返し便が新都心入口から高架を駆け上がってゆくのを見届けて打ち止めとしました。

東武バスウエスト

首都高経由現行3路線中いちばん短く、乗りがい?としてはあまりに物足りない感じもしますが、約10分とされる対既存路線との時短効果については、特に朝ラッシュ時などにはそれ以上に感じられるかもしれないなと思われ、コレは改めて大きいものがあるなと 東武バスウエスト -東武バスもチラシや看板で「早くて快適!とにかく便利です!!」と、まずは使ってみてとアピール。首都高も自然共生型の新しい都市高速道路を目指しビオトープ整備などを行ってきたs2の、本来の役割の一端を示すべく積極的に宣伝しています。

類似例を見出すのは直ぐには思いつきませんが、“八潮乗継”の成功を用賀PAにもつなげたり、「東京オクノテ」と称して東京メトロと組んでみたり、首都高絡みの公共交通利用関連の施策がいろいろと出てきたのは、多面的に注目すべきかと。公共交通活性化は当然ですが、中央環状線整備や長引く景気低迷による交通流の変化や通行台数の伸び悩み、そして先行きが未だ不透明な距離別料金導入など首都高が直面する種々の環境変化から見るに、短距離利用から「通勤高速バス」などへの広がりも今後あるやも知れません。

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「首都高を乗合バスが走る!その狙いを探ると…」に舌を巻きました

投稿者---首都高担当者氏(2010/08/12(Thu) 00:58)
http://www.shutokodeikou.jp/

551planning様の鋭い洞察に舌を巻きました。
お察しの通り、以下のバスについて昨年4月より研究しております。

Re: 「首都高を乗合バスが走る!その狙いを探ると…」に舌を巻きました

投稿者---551planning(2010/08/12(Thu) 01:31)

首都高担当者様、御投稿有難うございます。過分のお褒め、くずぐったいですが、当方も素人ながら都市圏近距離高速バスの可能性についてはかなり興味を持っておりまして、今回の事例も派生形であるとともに路線バスの新たな可能性という意味でも注目しております。

御紹介の千葉エリアについても別途リポートしておりますが、なによりマイタウンダイレクトバス開設時に、40年前に当時の建設省が高速道路経由通勤バス構想を練っていたとの話が引かれており、その一つのかたちとして、東急バスの首都高経由路線につながったとも思われるところ、ようやく道路整備と社会成熟のバランスがとれつつあるのかな、とも思っている次第です。

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首都高バスの現在

投稿者---山崎の人氏 (2016/05/18(Wed) 12:55)

2010/8/6にレポートされている、首都高経由のさいたま新都心東口-東新井団地間の東武バスの件ですが、地元民が最近の状況を報告します。

レポ後、何回か行われたダイヤ改正により平日の運行は朝と夕方の通勤時間帯に集中しました。山中橋基準の上りが6時台1本、7時台3本、8時台2本、そして16、17時台各1本、18時、20時台各2本で夕方の便は新都心からの折り返しに向けた運行です。
利用状況はかなり盛況です。山中橋で待っていると、北浦和行きや西高経由の新都心行きは皆スルーし、混雑したこのバスに5~10人が乗り込みます。朝の時間帯、一般道(西高)経由のバスが同区間を15~20分かかるところを、5分で走破しますし、信号や渋滞がほとんどないので電車並みに時間が読めるところが通勤時間帯にはありがたい存在です。
個人的には送りの車で道が混む悪天候の朝に重宝しています。ただし、この区間の首都高は雪のときすぐ通行止めになるので使えません。

できることならこの実績を背景に、東武バス天沼営業所にもさいたま市立病院方向から新都心に行くバスの一部を、首都高経由に振り換えてもらいたいと思います。その際は、第2産業道路上に専用の山崎バス停を新設するとより多くの利用が望めるはずです。

Re: 首都高バスの現在

投稿者---551planning (2016/05/18(Wed) 13:36)

山崎の人様、近況報告有難うございます!後出しながら実は当方も昨今都度再訪をと考えつつ、なかなか機会がなくて…確かに次なる展開があっても良さそうですよね。


ご意見は【検証:】常設板までどうぞ!

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