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  • Photo:イオン苫小牧SC
  • 苫小牧SC
    SC敷地内の「イオン苫小牧SC」停留所 「職訓センター通」バス停との関係性も明記
  • 苫小牧SC
    R36沿いの「職訓センター通」停留所 道南・市営・あつま3者のポールがならぶ
  • 苫小牧SC
    SC建物の軒下?にある「お買い物バス」のりば ベンチつきで自販機もある

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(過去ログNo.)
MiniRepo

郊外型大規模SCに交通センター機能を-苫小牧に見る可能性

投稿者---551planning(2008/07/25 16:46:10)

先日の洞爺湖畔行の折、イオン苫小牧SCに立ち寄りました。主目的は、新千歳空港至近のアウトレットモール「レラ」で贔屓にしていたナイキファクトリーストアが5月で閉店していたため、いちばん近かったこちらのスポーツオーソリティー内ナイキショップに行くため。

イオン苫小牧SC

新千歳空港から苫小牧駅行道南バスに乗車。高速タイプの車両が使用される空港連絡バスですが、苫小牧市内でこまめに停車する路線バス的性格の強い路線です。
途中の「職訓センター通」停留所で下車すると、目の前にイオンSCがあります。敷地面積14万平米、3600台の駐車場は道内最大規模のSCですが、さすがに開店直後とあっては車も店内の客もまばら…というか広すぎるのもその原因でしょうか。
その店内ですが、サミット開催の影響もあってかエコに関する取り組みが詳しく紹介されていました。なんでも既設店舗としては初のエコストア転換が7月に図られたばかりだったそうで、6月のレジ袋有料化や駐車場の一角にソーラーパネルが設置されるなどの目に見える取り組みも。

さて旅程の都合で20分ほどの滞在で移動しなくてはなりません。
事前に道南バスサイトで確認していたのは、新千歳空港発便が09:36、平取発便が09:40の通過。あと札幌発高速バス便が「イオン苫小牧SC」停留所09:38通過というのをイオンSCサイトと北海道中央バスサイトで確認していました…高速バス札幌~苫小牧線は中央バスと道南バスが運行しており、「とまこまい号」「ハスカップ号」と名称が異なっているのはかつて競合していた名残。1997年から共通乗車方式を採用しており事実上共同運行となっているのですが、道南バスサイトでは苫小牧市内の停留所が一部省略されており判り辛い…この路線も苫小牧エリア内だけの利用も可能なのですから、全停留所記載で如何でしょうか、道南バス様!

で、この「職訓センター通」と「イオン苫小牧SC」停留所の関係ですが、イオンSCサイトで紹介されている通り、イオンSCバス停は敷地内駐車場の一角に、センター通バス停は敷地外のR36上にあるのですが、100m弱離れていまして…。
旅程も余裕がないことから、とりあえず早い便になるセンター通09:36発便を待ったのですが、時間通りに現れず、09:38過ぎにR36の遠くにバスが遠望される状況に。これが札幌発便ならイオンSCバス停に停まる事となり、次第によってはダッシュも!ということになったのですが、まぁ結果的にはちょい遅れの新千歳空港からの便、ちゃんとセンター通バス停に停車してくれ事なきを得たのでした。

折角敷地内にバス停を設置して、かつ雨も凌げる待合所もあるのならば、いっそ全便イオンSC停留所経由にすればとも思うのですが、実は話はそう簡単でもなく…。
まず、センター通バス停を経由しているのは道南バスだけではなく、苫小牧市営バスが3路線、あつまバスも1路線。さらにイオンが「お買い物バス」として駅との間で直行無料バスを運行しており、こちらはSC建物に直付け…すなわち、SCから苫小牧駅へ向かう際には、合計3箇所のバス停があるということになるのです。

調べてみると、2005年4月のイオンSC開業時点では隣接地のセンターバス停に札幌線・新千歳線が新規停車、かつ札幌線苫小牧方面行については敷地内バス停経由化とすることで、『バスの運行により、自動車や自転車などでお越しいただけない方々の利便性が高まるとともに、交通混雑の防止に役立つものと考えております』(開業時イオンニュースリリース)としていたのですが、同時に3月のオープン発表記者会見時にイオン側は「オープン後の状況を見ながら(無料シャトルバスも)検討する」(2005/03/25苫小牧民報)としており、結果的には2005年12月頃から無料「お買い物バス」を駅との間で直行運行させることとなった由。この背景には駅前の丸井今井・ダイエーが2005年秋に相次いで閉店したことも影響しているものと思われます。

さて、イオンSCサイトでは上記経緯もあってか、苫小牧駅前からのアクセスについては札幌線・新千歳線のみの記載となっていますが、市営バスも日中に時間1本程度センター通バス停経由便が走っています(あつまバスは日数本程度)。今や道内唯一の公営バスとなった苫小牧市営バスも御多分に漏れず経営環境の厳しさから、2005年2月に完全民間委譲との方針が示され、2012年までに実施される見通しとなっていますが、そんな中2007年の市議会でも「お買い物バス」が結果的に市営バス路線を圧迫しているのではとの質問がなされています。
確かに駅との間では事実上時間3~4本のバスがあることを考えると、その上での無料バスの存在は時間1本とはいえ異質な感じもしなくはなく…加えて言うならば、無料バス運行が市営バスでも道南バスでもないというところも、なかなか難しい話にさせているような。
個人的には先述の道南バス到着待ちでやきもきしていたところに、突如東武カラーの「お買い物バス」が現れたことに思わずびっくりしてしまったのでしたが。

イオン苫小牧SC

となると、路線バス専用バス停設置について利便性向上・交通混雑防止とオープン時リリースで謳ったならばということで、個人的には交通センター化を期待したく。要は専用の乗り場を確保してしまえというもの。
用地的には現行の「お買い物バス」のりばがそのまま使えそうな…尤も、SC出入口付近に大型バスがそこそこの頻度で出入りするのは危険とも思われますので、わざわざ設置したイオンSCバス停でもいいのかなともできますが、利便性からはやはり直付けでとも思います。ただし路線便の札幌・千歳方面行については現行R36沿いのセンター前バス停からわざわざ経由することで時間的ロスが生じることにもなるのですが、風雪を気にしながらR36を横断する手間とのトレードオフで考えたいところ。

無料送迎バスについてはスタイルの変更でどうかなと。現在の一律無料から、サービスセンター等でのバス利用券発行等への切替え。利用者としてもひと手間増えることにはなるでしょうが、機械設置等でコストダウンできそうですし。こうすると、路線事業者との共栄が図られるのかなぁと思うのですが。
というか実は、イオンSCに隣接して道南バスの車庫があり、市営バス車庫も1km程とあって、回送車等もあろうかと思われますので、それらの活用によりローコストでの利便性向上も検討可能かなとも思われますし、交通センター化することで路線運用の効率化も視野に入れられようかと…市営バス民営化においては既に一部路線の道南バス委託が実施されている以上、同社委譲が現実的とも思われるところからして、意外とすんなり行く話なのではと思ってしまうのは門外漢の戯言ゆえなれどちと踏み込みすぎたでしょうか。

戯言ついでで言うならば、実はイオンSCの南側すぐにはJR-H室蘭本線・日高本線が走っており、位置的にも苫小牧~沼ノ端間のほぼ中間といったところ。駅間もだいぶあることからして、新駅設置も…なんてなことを。駐車場が取り囲んでいることからではあるものの、SC建物南側にも出入口があり、店内からは「JR側」なんてな方面標識も実際つけられていたり。

***
かつて駅前や中心市街地のショッピングセンターにはバスターミナル機能が設けられているのが珍しくありませんでした。人の流れがあり、人が集まることによって商売が成り立つ相互補完関係が成立していたわけですが、モータリゼーションが進み、駐車場を確保するべくショッピングセンターが郊外型となる中で、寂れながらも人の流れの残る中心市街地とのアクセスたる(無料)送迎バスという存在は、もはや公共交通機関の一形態として捉える事もできようかなと。その中で、昨今の原油高であったり今後の超高齢化社会であったりという側面において、新しい形のターミナル、交通センター機能を考える必要性が、今後ますます高まってゆくのではないかと思ったのでした。


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